(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】発明を実施するための形態1に係るボール本体と表皮体とを分解したボールを示した斜視図。
【
図2】発明を実施するための形態1に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図3】発明を実施するための形態1に係る表皮体の製造に用いられる射出成形型の型締め状態を示した断面図。
【
図4】発明を実施するための形態1に係る表皮体の製造に用いられる射出成形型の型開き状態を示した断面図。
【
図5】発明を実施するための形態2に係る表皮体の製造に用いられる成形型の型開き状態を示した断面図。
【
図6】発明を実施するための形態2に係る表皮体の製造に用いられる成形型の型締め状態を示した断面図。
【
図7】発明を実施するための形態2に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図8】発明を実施するための形態3に係る表皮体を示した裏面側の斜視図。
【
図9】発明を実施するための形態3に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図10】発明を実施するための形態4に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部を示した断面図。
【
図11】発明を実施するための形態4に係る表皮体の製造に用いられる成形型の型開き状態を示した断面図。
【
図12】発明を実施するための形態5に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図13】発明を実施するための形態5に係る表皮体の製造に用いられる成形型の型開き状態を示した断面図。
【
図14】発明を実施するための形態5に係る表皮体の製造に用いられる成形型の型締り状態を示した断面図。
【
図15】発明を実施するための形態6に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図16】発明を実施するための形態6に係る表皮体の製造に用いられる成形型の成形空間部の容積の縮小された状態を示した断面図。
【
図17】発明を実施するための形態6に係る表皮体の製造に用いられる成形型の成形空間部の容積の拡大された状態を示した断面図。
【
図18】発明を実施するための形態7に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図19】発明を実施するための形態8に係るボール本体と表皮体とを分解したボールを示した斜視図。
【
図20】発明を実施するための形態8に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図21】発明を実施するための形態8に係るボールの凹部に指が引っ掛かった状態を示した模式図。
【
図22】発明を実施するための形態9に係るボールの凹部に粘着材を設けた構成を示した断面図。
【
図23】発明を実施するための形態10に係るボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【
図24】発明を実施するための形態11に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図25】発明を実施するための形態12に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図26】発明を実施するための形態13に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図27】発明を実施するための形態14に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図28】発明を実施するための形態15に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図29】発明を実施するための形態16に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図30】発明を実施するための形態17に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図31】発明を実施するための形態18に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図32】発明を実施するための形態19に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図33】発明を実施するための形態20に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図34】発明を実施するための形態21に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図35】発明を実施するための形態22に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図36】発明を実施するための形態23に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図37】発明を実施するための形態24に係る表皮体の表面に設けられた段差部の構成を示した平面図。
【
図38】従来のボール本体と表皮体とを分解して示す斜視図。
【
図39】従来のボール本体に表皮体を貼り付けたボールの一部をボールの直径方向に切断して示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照し、発明を実施するための形態1に係るボール1について説明する。
図1において、ボール1は、ボール本体2に複数個の表皮体3を図示のされていない接着剤で貼り付ける構造になっている。ボール本体2は、球体又は楕円体又はそれに類似した形状、球体以外にも切頂二十面体のように平面部を設けた球体又は楕円体又はそれに類似した形状、ボール本体2の表面に糸の巻き付けられた構造、ボール本体2の表面に糸の巻き付けられていない構造、ボール本体2の内部が空気の出し入れの可能で膨張可能な中空な構造、ボール本体2の内部に空気の出し入れ不可能な中空な構造、ボール本体2の内部がクッション材で埋まった中空でない構造のいずれでも適用可能である。
【0020】
表皮体3は、
図1では六角形を示したが、六角形以外の形状であっても同様に適用可能である。表皮体3は、樹脂又はゴムからなる軟質素材を射出成形又はプレス成形又は真空成形又はブロー成形等の型に注入した成形により、表皮部4と周壁部5と面取り部6と空洞部7とを備えた一体に形成された構成になり、段落0004で述べた支持部材125を使用しない、簡単な構造になっている。
【0021】
表皮部4は、裏側から表側に突出する球面のようなドーム形になっている。よって、表皮部4は、あらかじめ定められたボール1の外壁面に沿う3次元の曲面を構成する。尚、この明細書では、裏側はボール本体2の側を意味し、表側は人の触れる側を意味する。
【0022】
周壁部5は、表皮部4の各周縁部から表皮部4の裏側に突出し、表皮部4の周縁部を一周する環状になっている。よって、表皮部4の裏面には、表皮部4と周壁部5とで囲まれた空洞部7が形成される。
【0023】
面取り部6は、表皮体3の表側において、表皮部4と周壁部5との稜角が平面又は曲面になるように除去された構成である。つまり、表皮部4と周壁部5との稜角が平面又は曲面になるように除去された構成の面取り部6が表皮体3の表側に設けられた造形になっている。尚、面取り部6が表皮体3の裏面と交わる部分まで延長された構成でも適用可能である。
【0024】
尚、
図1の表皮部4の表面に、滑りにくいような皺又はディンプル又はローレット等の凹凸又は滑りにくい材料からなる被膜を設けても同様に適用可能である。被膜を設けた構造にあっては、表皮体3の成形時に被膜を表皮部4の表面に設けた構成でもよく、成形された表皮体3の表皮部4の表面に被膜を接着した構成でもよい。
【0025】
図2を参照し、発明を実施するための形態1に係るボール本体2に複数個の表皮体3を図示のされていない接着剤で貼り付けたボール1の一部分ついて説明する。
図2において、複数個の表皮体3がボール本体2に取り付けられる場合、隣接する表皮体3の周壁部5が互いに溶着又は接着剤で接着され、水や汗等の水分が複数個の表皮体3の境からボール本体2の側に染み込むことがなく、複数個の表皮体3どうしの結合強度が向上する。
【0026】
又、隣接する周壁部5のボール本体2の側の面がボール本体2の外壁面に図示のされていない溶着又は接着剤で接着され、隣接する表皮部4がボール本体2の外壁面より離れて配置され、空洞部7がボール本体2と表皮体3との間にボール本体2と表皮部4と周壁部5とで囲まれた空間として形成され、複数個の表皮体3がボール本体2の外壁面の全体を覆い、人がボール1を握った時、表皮部4が凹みやすく、ボール1が握りやすくなる。又、隣接する表皮体3どうしの境目に面取り部6に基づく谷部が形成され、谷部に手がかかり、ボール1が握りやすくなる。又、谷部により、ボール1の外観を手縫い調にすることも可能である。
【0027】
図3及び
図4を参照し、
図2に示した表皮体3を射出成形により製造する方法について説明する。
図4は、成形型21の型開き状態を示す。
図4において、成形型21は、第1型22と第2型23とを備える。第1型22は、本体外壁面部24と面取り壁面部25と分割面部26とを備える。第2型23は、本体内壁面部27と周壁凹部28と分割面部29とゲート30とを備える。そして、第1型22が直線31に沿って第2型23の側に移動し、分割面部26;29が互いに合わされると、成形型21が
図3に示した型締め状態になり、成形型21の内部に成形空間部32が構成される。
【0028】
図3において、ゲート30から溶融された熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂又はゴムからなる軟質材料が成形空間部32に射出され、固化した後、型開きにより成形品として
図2に示した形状の表皮体3を得ることができる。尚、ゲート30が
図3に仮想線で示すように分割面部26;29の側に設けられても適用可能である。
【0029】
図5乃至
図7を参照し、発明を実施するための形態2に係る表皮体3をプレス成形により製造する方法について説明する。
図5は、成形型41の型開き状態を示す。
図5において、成形型41は、第1型42と第2型43とを備える。第1型42は、本体外壁面部44と面取り壁面部45と周壁外壁面部46と分割面部47とを備える。第2型43は、本体内壁面部48と周壁内壁面部49と分割面部50とを備える。
【0030】
プレス成形する場合、成形型41の型開き状態において、軟化された熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂又はゴムからなる塊状の軟質材料51が第2型43の上に載せられる。そして、第1型42が直線52に沿って第2型43の側に下降するのに伴い、
図6に示したように、軟質材料51が第1型42と第2型43との間に挟まりながら圧力を受け、成形型41が型締め状態となり、固化した後、型開きにより成形品として
図7に示した形状の表皮体3を得ることができる。
【0031】
図8及び
図9を参照し、発明を実施するための形態3に係る表皮体3について説明する。
図8及び
図9に示した表皮体3は、周壁部5から中心部の側に張出し部8を延長した構成である。張出し部8は、表皮部4から分離されている。つまり、周壁部5から中心部の側に延長しかつ表皮部4から分離された構成の張出し部8が表皮体3の裏側に設けられた構成である。この構成により、張出し部8が
図9に示すようにボール本体2に接着されることにより、ボール本体2に接着する面積が
図2に示す周壁部5のボール本体2の側の面をボール本体2に接着する構成よりも広くなり、接着強度が強くなる。
【0032】
尚、
図8及び
図9に示した表皮体3を射出成形する場合に用いる成形型は、張出し部8を形成する成形空間部を
図3及び
図4に示した成形型21に周壁凹部28に連続して設けた構造で適用可能である。
【0033】
図10を参照し、発明を実施するための形態4に係る表皮体3について説明する。
図10に示した表皮体3は、周壁部5にわたり底部9が形成され、空洞部10が表皮部4と周壁部5と底部9とで囲まれた構成である。つまり、周壁部5にわたり底部9が形成され、表皮部4と周壁部5と底部9とで囲まれた構成の空洞部10が表皮体3の内部に設けられた構成である。この構成により、底部9がボール本体2に接着されるので、接着強度が強くなる。
【0034】
図11を参照し、
図10に示した表皮体3を真空成形により製造する方法について説明する。
図11は、成形型61の型開き状態を示す。
図11において、成形型61は、第1型62と第2型63とを備える。第1型62は、本体外壁面部64と面取り壁面部65と分割面部66と吸引孔部67とを備える。第2型63は、底面部68と周壁外壁面部69と分割面部70と吸引孔部71とを備える。真空成形設備における上クランプ72と下クランプ73とスペーサ74とで熱可塑性樹脂からなる2枚の板状の軟質材料75;76を支持し、材料75;76を加熱して軟化させる。
【0035】
そして、第1型62と第2型63とが互いに向き合う方向に移動し、分割面部66;70が互いに合わされ、成形型61が型締り状態になる工程において、吸引孔部67が吸引機構からの真空引き動作で材料75を引き伸ばして第1型62の本体外壁面部64と面取り壁面部65と分割面部66に密着させ、吸引孔部71が吸引機構からの真空引き動作で材料76を引き伸ばして第2型63の底面部68と周壁外壁面部69と分割面部70とに密着させることにより、成形品として
図10に示した形状の表皮体3を得ることができる。
【0036】
図12を参照し、発明を実施するための形態5に係る表皮体3について説明する。
図12に示した表皮体3は、周壁部5にわたり底部9が形成され、空洞部10が表皮部4と周壁部5と底部9とで囲まれた構造である。
図12に示した表皮体3は、底部9に圧縮空気を吹き込んだ際に残った孔部11を備えた構成が
図10に示した表皮体3と相違する。よって、底部9がボール本体2に図示のされていない接着剤で貼り付けられるので、接着強度が強くなる。
【0037】
図13及び
図14を参照し、
図12に示した表皮体3をブロー成形により製造する方法について説明する。
図13は、成形型81の型開き状態を示す。
図13において、成形型81は、第1型82と第2型83とを備える。第1型82は、本体外壁面部84と面取り壁面部85と分割面部86とを備える。第2型83は、底面部87と周壁外壁面部88と分割面部89と空気吹き込み機構90とを備える。空気吹き込み機構90はノズル91を備える。
【0038】
そして、押出機で作られた熱可塑性樹脂からなる筒状のパリソン92が第1型82と第2型83との間に配置される。その後、第1型82と第2型83とが互いに向き合う方向に移動し、分割面部86;89が互いに合わされ、成形型81が型締り状態になる。
【0039】
引き続き、
図14に示したように、空気吹き込み機構90のノズル91がパリソン92の内部に挿入され、ノズル91から圧縮空気がパリソン92の内部に吹き込まれてパリソン92を引き伸ばして第1型82の本体外壁面部84と面取り壁面部85と第2型83の底面部87と周壁外壁面部88とに密着させることにより、パリソン92による中空な成形品を得ることができる。その後、成形型81が型開きされ、パリソン92による中空な成形品が離型された後、不要部分を取り除くトリミングを行うことにより、
図12に示した表皮体3を得ることができる。
【0040】
図15を参照し、発明を実施するための形態6に係る表皮体3について説明する。
図15に示した表皮体3は、表皮部4と周壁部5とで囲まれ領域に独立気泡を有する発泡領域部12を備えた構成である。つまり、表皮部4と周壁部5とで囲まれた構成の発泡領域部12が表皮体3の内部に一体に形成された構成である。この構成により、人がボール1を握った時、ボール1を握った感触が良くなる。又、周壁部5及び発泡領域部12がボール本体2に図示のされていない接着剤で貼り付けられるので、接着強度が強くなる。
【0041】
図16及び
図17を参照し、
図15に示した表皮体3を射出成形のうちのコアバック成形により製造する方法について説明する。
図16は、成形型101のスライドコア104が成形空間部112の容積を縮小した状態を示す。
図16において、成形型101は、第1型102と第2型103とスライドコア104とを備える。第1型102は、本体外壁面部105と面取り壁面部106と周壁外壁面部107と分割面部108とを備える。第2型103は、コア収容部109と分割面部110とを備える。コア収容部109には、スライドコア104が収容される。分割面部108;110の側にはゲート111が設けられる。
【0042】
図16に示したように、成形空間部112が本体外壁面部105と面取り壁面部106と周壁外壁面部107とスライドコア104とで構成され、スライドコア104が成形空間部112の容積を縮小した状態において、射出成形機のシリンダーから溶融された熱可塑性樹脂からなる成形材料113がゲート111を経由して成形空間部112に射出される。この射出される成形材料113には発泡剤等が混ぜられている。成形空間部112に射出された成形材料113が固まる前に、スライドコア104が矢印114で示すように表皮体3の表皮部4から離れる方向に移動する。
【0043】
上記スライドコア104の移動により、
図17に示したように、成形空間部112の容積が拡大し、成形材料113に含まれた発泡剤等が発泡し、気泡を有する発泡領域部12が形成される。これにより、
図15に示した表皮体3を得ることができる。
【0044】
図18を参照し、発明を実施するための形態7に係るボール1の表皮体3について説明する。
図18に示した表皮体3は、表皮部4が平板状になった構成が
図2に示した表皮体3と相違する。
【0045】
図19を参照し、発明を実施するための形態8に係るボール1の表皮体3について説明する。
図19に示した表皮体3について説明する。表皮体3の表皮部4は、中央部の平面部121と、平面部121を囲む斜面部122とを備える。
【0046】
表皮体3がボール本体2に貼り付けられた場合において、平面部121が大きな曲率半径の曲面になる傾向にあるので、平面部121は平面からなる構成、平面に近似する大きな曲率半径の曲面からなる構成のいずれをも含むものとする。斜面部122は、平面部121の側から面取り部6の側に行くに従って徐々に下り勾配になる傾斜を構成する。
【0047】
表皮部4の表面には、大凹部123と小凹部124とが表皮部4の表面の側から表皮体3の内部への窪みとして構成される。大凹部123の個数は次の数値に限定するものではないが、表皮体3を試作した時における一例を記載すると、大凹部123が表皮部4の平面部121の中心部に1個と周辺部に6個の合計7個設けられ、小凹部124が7個の大凹部123のそれぞれを個別に囲むと共に平面部121と斜面部122とに沿い点在するように多数個設けられた構成である。周辺部の6個の大凹部123は、表皮部4の中心部と表皮部4の6個の角部とを結ぶ直線の上に配置された構成である。
【0048】
大凹部123は、
図21に示したように、指を引っ掛ける段差部129を構成する。具体的には大凹部123の底部が段差部129の低い部分を構成し、表皮体3の表面における大凹部123の周りが段差部129の高い部分を構成する。
【0049】
図19に示した小凹部124は滑りにくくする部分を構成するが、小凹部124を設けない構成でも適用可能である。滑りにくくする部分としては、小凹部124に代替して皺を表皮体3の表面に設けても良く、小凹部124と皺との両方で構成しても適応可能である。小凹部124が汗を逃がすことにより滑りにくくすることができると共に表皮体3の可撓性を向上させてより掴みやすくすることができる。又、小凹部124の代わりに図示のされていない小突起部を設けることでも滑りにくくすることができる。
【0050】
尚、大凹部123、小凹部124の配置態様は、上記説明の配置態様に限定されることなく、任意に配置可能である。
【0051】
図20に示したように、複数個の表皮体3がボール本体2に取り付けられる場合、隣接する表皮体3の周壁部5が互いに溶着又は接着剤で接着され、隣接する周壁部5のボール本体2の側の面がボール本体2の外壁面に図示のされていない溶着又は接着剤で接着され、隣接する表皮部4がボール本体2の外壁面より離れて配置され、空洞部7がボール本体2と表皮体3との間にボール本体2と表皮部4と周壁部5とで囲まれた空間として形成される。
【0052】
複数個の表皮体3がボール本体2に取り付けられた状態において、隣り合う表皮体3どうしで段差部128が構成されている。即ち、隣り合う表皮体3のうちの一方の表皮体3の斜面部122におけるボール1の中心部125を中心とする仮想円形を半径126とし、隣り合う表皮体3のうちの他方の表皮体における斜面部122におけるボール1の中心部125を中心とする仮想円形を半径127とし、半径126が半径127よりも大きい(半径126>半径127)とすると、他方の表皮体3における斜面部122が一方の表皮体3における斜面部122よりもボール本体2の側に位置することとなり、隣り合う表皮体3どうしで段差部128が構成される。
【0053】
よって、
図20に示したボール1は、ボール本体2と表皮体3との間にボール本体2と表皮体3とで囲まれた空洞部7により、人がボール1を掴んだ時、表皮体3が凹みやすく、ボール1が掴みやすくなる。又、面取り部6からなる谷部により、ボール1の外観が手縫い調になる。又、人がボール1を掴んだ時、大凹部123又は段差部128に指が引っ掛かるか又は平面部121に指が触れて外径の小さいボール1と感じることにより、ボール1が掴みやすくなり、ボール1を投げたりキャッチしたりすることが容易になる。例えば、
図21に示したように、人がボール1を掴んだ時、大凹部123にボール1を掴んだ人の指130の先が入ると、当該指130の腹が大凹部123の周囲の段差部129に引っ掛りやすくなる。
【0054】
図20に示すように、表皮体3の裏面には、表皮部4と外壁部5とで囲まれた空洞部7が設けられている。しかしながら、表皮体3の裏面は、空洞部7を設けない構成でも適用可能である。空洞部7が設けられない場合、表皮体3の裏面がボール本体2の表面に図示のされていない溶着又は接着剤で接着されれば、大凹部123及び小孔部124の一方又は両方は表皮体3の表面と裏面とに貫通した構成でも、ボール本体2と表皮体3との間に水や汗等の水分が染み込むことがなく接着強度が強くなる。
【0055】
図22を参照し、発明を実施するための形態9に係るボール1の表皮体3について説明する。
図22に示したボール1は、表皮体3の凹部としての大凹部123に粘着材131を設けた構成である。粘着材131の材質は、スチレン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ゴム系エラストマー、ウレタン系エラストマー等が適用可能である。粘着材131は、使用の経過により、粘着力が低下した場合には新しいものに交換できるように、大凹部123に着脱可能に設けられた構成である。
【0056】
図23を参照し、発明を実施するための形態10に係るボール1の表皮体3について説明する。
図23に示した表皮体3が空洞部7にクッション部132を設けた構成であるので、人がボール1を掴んだ時、ボール1を掴んだ感触が良くなる。又、クッション部132がボール本体2に接着剤で接着されなくても良いが、クッション部132がボール本体2に接着剤で接着されれば、接着強度が強くなる。クッション部132は、発泡樹脂又は不織布又はゴム又はエラストマー等の緩衝材により構成される。
【0057】
図24は、発明を実施するための形態11に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図24に示した表皮体3の表面には斜線を付した複数個の凸部133が分散して設けられたことにより、凸部133以外における表皮体3の表面が段差部の低い部分として構成されている。凸部133の個数は、7個に限定されるものでなく、1乃至6個、8個以上でもよい。又、凸部133の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は角形でもよい。複数個の凸部133の高さは同一又は異なってもよい。
【0058】
図25は、発明を実施するための形態12に係る表皮体3に設けられた段差部の構造について説明する。
図25に示した表皮体3の表面には斜線を付した複数個からなる環状の凸部134が分散して設けられたことにより、凸部134以外における表皮体3の表面が段差部の低い部分として構成されている。又、凸部134の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は角形でもよい。複数個の凸部134の高さは同一又は異なってもよい。
【0059】
図26は、発明を実施するための形態13に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図26に示した表皮体3の表面には斜線を付した複数個の凸部135が分散して設けられたことにより、凸部135以外における表皮体3の表面が段差部の低い部分として構成されている。複数個の凸部135の高さは同一又は異なってもよい。
【0060】
図27は、発明を実施するための形態14に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図27に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個の凹部136が分散して設けられたことにより、凹部136が段差部の低い部分として構成されている。又、凹部136の平面から見た場合の形は、円形又は弧形に限定されるものでなく楕円形又は角形でもよい。複数個の凹部136の深さは同一又は異なってもよい。
【0061】
図28は、発明を実施するための形態15に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図28に示した表皮体3の表面には斜線を付した複数個からなる環状の凸部137が波紋形状を構成するように設けられたことにより、凸部137以外の表皮体3の表面が段差部の低い部分として構成されている。又、凸部137の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は弧形又は角形でもよい。複数個の凸部137の高さは同一又は異なってもよい。
【0062】
図29は、発明を実施するための形態16に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図29に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個からなる環状の凹部138が波紋形状を構成するように設けられたことにより、凹部138が段差部の低い部分として構成されている。又、凹部138の平面から見た場合の形は、角形に限定されるものでなく楕円形又は弧形又は角形でもよい。複数個の凹部138の深さは同一又は異なってもよい。
【0063】
図30は、発明を実施するための形態17に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図30に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個の凹部139が分散して設けられたことにより、凹部139が段差部の低い部分として構成されている。凹部139の個数は、6個に限定されるものでなく、1乃至5個、7個以上でもよい。又、凹部139の平面から見た場合の形は、円形又は弧形に限定されるものでなく楕円形又は角形でもよい。複数個の凹部139の深さは同一又は異なってもよい。
【0064】
図31は、発明を実施するための形態18に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図31に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個の凹部140が波紋形状を構成するように設けられたことにより、凹部140が段差部に構成されている。凹部140の個数は、2個に限定されるものでなく、1個、3個以上でもよい。又、内側の円形の凹部140の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は弧形又は角形でもよい。又、外側の環状の凹部140の平面から見た場合の形は、角形に限定されるものでなく円形又は楕円形又は弧形でもよい。複数個の凹部140の深さは同一又は異なってもよい。
【0065】
図32は、発明を実施するための形態19に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図32に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個の凹部141が分散して設けられたことにより、凹部141が段差部の低い部分として構成されている。又、凹部141の平面から見た場合の形は、三角形に限定されるものでなく円形又は楕円形又は弧形又は三角形以外の角形でもよい。複数個の凹部141の深さは同一又は異なってもよい。
【0066】
図33は、発明を実施するための形態20に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図33に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個の凹部142が波紋形状を構成するように設けられたことにより、凹部142が段差部の低い部分として構成されている。大きな環状を構成する複数個の凹部141は、凹部141の周方向で分かれている。又、内側の角形の凹部142の平面から見た場合の形は、角形に限定されるものでなく円形又は楕円形又は弧形でもよい。又、外側の環状の凹部142の平面から見た場合の形は、角形に限定されるものでなく円形又は楕円形又は弧形でもよい。複数個の凹部141,142の深さは同一又は異なってもよい。
【0067】
図34は、発明を実施するための形態21に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図34に示した表皮体3の表面には斜線を付した複数個の凸部143が分散して設けられ、各凸部143の上面には斜線を付した凸部144が設けられたことにより、凸部143,144と表皮体3の表面とが段差部の低い部分として構成されている。又、凸部143,144の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は弧形又は角形でもよい。複数個の凸部143,144の高さは同一又は異なってもよい。又、
図34に示した1個の凸部143の中に凸部144が複数個設けられても適用可能である。
【0068】
図35は、発明を実施するための形態22に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図35に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個の凹部145が分散して設けられ、各凹部145の底面には斜線を付した凸部146が設けられたことにより、凹部14が段差部の低い部分として構成されている。凸部146の上面は表皮体3の表面よりも上方に突出している場合と表皮体3の表面よりも上方に突出していない場合とが適用可能である。又、凹部145及び凸部146の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は弧形又は角形でもよい。複数個の凹部145の深さは同一又は異なってもよく、複数個の凸部146の高さは同一又は異なってもよい。又、
図35に示した1個の凹部145の中に凸部146が複数個設けられても適用可能である。
【0069】
図36は、発明を実施するための形態23に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図36に示した表皮体3の表面には斜線を付した複数個の凸部147が分散して設けられ、各凸部147の上面には網掛け線を付した凹部148が設けられたことにより、表皮体3の表面と凹部184とが段差部の低い部分として構成されている。又、凸部147及び凹部148の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は弧形又は角形でもよい。複数個の凸部147の高さは同一又は異なってもよく、複数個の凹部148の深さは同一又は異なってもよい。又、
図36に示した1個の凸部147の中に凹部148が複数個設けられても適用可能である。
【0070】
図37は、発明を実施するための形態24に係る表皮体3に設けられた段差部の造形について説明する。
図37に示した表皮体3の表面には網掛け線を付した複数個の凹部149が分散して設けられ、各凹部149の底面に黒色で塗りつぶした凹部150が設けられたことにより、凹部149,150が段差部の低い部分として構成されている。又、凹部149,150の平面から見た場合の形は、円形に限定されるものでなく楕円形又は弧形又は角形でもよい。複数個の凹部149,150の深さは同一又は異なってもよい。又、
図37に示した1個の凹部149の中に凹部150が複数個設けられても適用可能である。
【0071】
図24乃至
図37で示した発明を実施するための形態11乃至24表皮体3に設けられた段差部の造形以外に、図示はしないが、次のような造形も適用可能である。例えば、表皮体3の表面には大きな凸部が1個設けられ、当該1個の凸部の中には環状の凹部が1個又は2個以上設けられることにより、表皮体3の表面には上記凸部と上記凹部とからなる波紋形状が設けられ、表皮体3の表面と凹部とが段差部の低い部分として構成される。又は、表皮体3の表面の中心部に凹部が1個設けられ、当該1個の凹部の周りには表皮体3の外周の方向に長い2個以上の凹部が放射状に設けられ、これら放射状の凹部の間には凹部が設けられ、上記放射状の凹部の深さとそれらの間の凹部の深さとが互いに異なることにより、これらの凹部が段差部の低い部分として構成される。
【0072】
前記各発明を実施するための形態の表皮体3の材料と射出成形又はプレス成形又は真空成形又はブロー成形との関係ついて説明すると、射出成形及びプレス成形では表皮体3の材料として熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂又はゴムが使用可能であり、真空成形又はブロー成形では表皮体3の材料として一般的には熱可塑性樹脂が使用可能である。又、複数個の表皮体3が同種の熱可塑性樹脂から構成された場合は、周壁部5どうしを互いに溶着することも可能である。
【0073】
又、
図19乃至
図37に示したボール1は、表皮体3が設けられない、ボール本体2を備え、ボール本体2の表面に、
図20に示した平面部121、
図21に示した指130を引っ掛ける段差部129、
図22に示した粘着材131を備えた段差部129、
図24乃至
図37に示した段差部を設けても適用可能である。
【0074】
前記各発明を実施するための形態に係る表皮体3の平面から見た形は、五角形、六角形に限定されることものではない。
【0075】
前記各発明を実施するための形態に係る複数個の表皮体3を樹脂又はゴムからなる軟質素材を射出成形又はプレス成形又は真空成形又はブロー成形等の型に注入した成形により連結した態様となるように一体構成しても適用可能である。