特許第6834008号(P6834008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6834008
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】リレー溶着検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 47/00 20060101AFI20210215BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20210215BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210215BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20210215BHJP
   B60L 53/14 20190101ALN20210215BHJP
   B60L 53/60 20190101ALN20210215BHJP
【FI】
   H01H47/00 C
   H02H7/00 L
   H02J7/00 S
   H02H7/18
   !B60L53/14
   !B60L53/60
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-537386(P2019-537386)
(86)(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公表番号】特表2020-506500(P2020-506500A)
(43)【公表日】2020年2月27日
(86)【国際出願番号】KR2017001674
(87)【国際公開番号】WO2018131746
(87)【国際公開日】20180719
【審査請求日】2019年7月10日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0004356
(32)【優先日】2017年1月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボミョル
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−219873(JP,A)
【文献】 特開2016−139517(JP,A)
【文献】 特開2016−063736(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0136844(KR,A)
【文献】 特開2014−042406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 47/00
H02H 7/00
H02H 7/18
H02J 7/00
B60L 53/14
B60L 53/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレー溶着検出装置において、
リレー入力端の電圧を測定する第1ADC(Analog-digital converter)と、
リレー出力端の電圧を測定する第2ADCと、
前記リレー入力端の電圧と前記リレー出力端の電圧とを比較し、溶着の有無を判断するCPUとを含み、
前記CPUは、
充電器が充電待機状態、充電完了状態及びエラー状態のいずれかの状態である場合、
前記リレー入力端の電圧と前記リレー出力端の電圧とが同じであると、溶着が発生していると判断し、
前記リレー入力端の電圧と前記リレー出力端の電圧とが異なると、溶着が発生していないと判断し、
前記リレー溶着検出装置は、
前記リレー入力端の電圧及び前記リレー出力端の電圧を前記第1ADC及び前記第2ADCの規格に合わせて変換する電圧降下部をさらに含み、
前記電圧降下部は、
前記リレー入力端及び前記リレー出力端にそれぞれ直列に接続される第1抵抗と、
前記リレー入力端と基準電圧が印加される地点とに接続され、かつ前記リレー出力端と基準電圧が印加される地点とに接続される第2抵抗とから構成される、リレー溶着検出装置。
【請求項2】
前記リレー入力端は、複数からなり、前記第1ADCに接続されてアナログ形態の前記複数のリレー入力端の電圧をそれぞれ前記第1ADCに出力し、
前記リレー出力端は、複数からなり、前記第2ADCに接続されてアナログ形態の前記複数のリレー出力端の電圧をそれぞれ前記第2ADCに出力する、請求項1に記載のリレー溶着検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレー溶着検出装置及び検出方法に関し、ADC(Analog-digital converter)を用いてリレーの溶着(welding)の有無を判断するリレー溶着検出装置及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保全政策の一環として、電気自動車(Electric vehicle, EV)の普及が進んでいる。電気自動車(EV)の商用化のためには、電気充電を行う充電インフラが構築されなければならない。電気自動車(EV)の充電器はリレーを用いて電気自動車(EV)を充電する。
【0003】
より詳細には、充電待機状態及び充電完了状態では、充電器内部のリレーをオフ(OFF)にして充電を中断し、ユーザが充電器を操作できるようにしなければならない。
【0004】
また、電気自動車(EV)を充電する場合は、リレーをオン(ON)にして充電が行われるようにしなければならない。つまり、リレーのスイッチング動作を用いて、電気自動車(EV)を充電する。
【0005】
ここで、リレーの頻繁なスイッチング動作により、リレーが伸びて溶着する現象が発生する。このような溶着現象により、リレーはオフにならず、常にオンのままであるので、充電器の使用時に感電の危険がある。
【0006】
よって、リレーの溶着の有無を判断するための検出装置を必ず備え、このような事故を防止しなければならない。
【0007】
図1は従来のリレー溶着検出装置を示す図である。
【0008】
図1に示すように、従来のリレー溶着検出装置は、入力端INPUTに接続された溶着リレーWELDING RELAYと、出力端OUTPUTに接続されたフォトカプラPCとを含む。
【0009】
また、入力端INPUTと出力端OUTPUT間の充電器のスイッチング動作を担うメインリレーMAIN RELAYが配置されている。
【0010】
溶着現象を検出するとは、メインリレーMAIN RELAYがオフにならなければならないのにオンになっている状態を検出することをいう。
【0011】
つまり、メインリレーMAIN RELAYをオフ状態に維持したまま、溶着リレーWELDING RELAYをオンにするように入力WRinを印加する。このとき、メインリレーMAIN RELAYが溶着していなければ、メインリレーMAIN RELAYを介して信号が伝達される経路が形成されないが、メインリレーMAIN RELAYが溶着していれば、メインリレーMAIN RELAYを介して信号が伝達される経路が形成される。
【0012】
よって、メインリレーMAIN RELAYが溶着している場合、フォトカプラPCを介して信号が伝達され、出力WRoutとして検出される。上記方法によりリレーの溶着の有無を判断する。
【0013】
上記方法によりリレーの溶着の有無を判断する場合、溶着リレーWELDING RELAYとフォトカプラとをさらに必要とし、配置上の欠点が生じる。
【0014】
また、溶着検出時に溶着リレーWELDING RELAYも溶着する可能性があり、検出装置の信頼性が低下するという問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、ADCを用いてリレーの溶着の有無を判断するリレー溶着検出装置及び検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によるリレー溶着検出装置は、複数のADC及びCPUを含む。
【0017】
前記複数のADCは、リレーの入出力電圧を出力する。
【0018】
前記CPUは、リレー入力端の電圧とリレー出力端の電圧とを比較し、溶着の有無を判断する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、従来のリレー溶着検出装置におけるフォトカプラ及び溶着リレーの代わりに、リレー溶着検出装置のADCを用いて、簡単な電圧測定で同じ動作を実現することができる。また、本発明は、さらなるリレー及びフォトカプラを必要としないので、コストを低減できるという効果がある。
【0020】
さらに、本発明は、従来のリレー溶着検出装置におけるスイッチング動作を必要としないことからスイッチングノイズが発生しないので、リレーの寿命を向上させるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のリレー溶着検出装置を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるリレー溶着検出装置を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるリレー溶着検出装置の電圧降下部を示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるリレー溶着検出装置の診断方法を示す表である。
図5】本発明の他の実施形態によるリレー溶着検出装置を示す図である。
図6】本発明の他の実施形態によるリレー溶着検出装置の電圧降下部を示す図である。
図7】本発明によるリレー溶着検出方法のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明によるリレー溶着検出装置及び検出方法について説明する。
【0023】
図2は本発明の一実施形態によるリレー溶着検出装置を示す図であり、図3は本発明の一実施形態によるリレー溶着検出装置の電圧降下部を示す図である。
【0024】
図2に示すように、本発明の一実施形態によるリレー溶着検出装置100は、リレー入力端INPUTの電圧を測定する第1ADC121と、リレー出力端OUTPUTの電圧を測定する第2ADC122と、前記測定された電圧を比較するCPU130と、リレー入力端INPUT及びリレー出力端OUTPUTの電圧を降下させる電圧降下部110とを含む。
【0025】
第1ADC121は、リレー入力端INPUTに接続され、リレー入力端INPUTに印加されるアナログ形態の電圧をデジタル形態の信号に変換し、CPU130に出力する。
【0026】
また、第1ADC121は、第1ADC121に印加される直流形態の基準電圧Refを用いて、リレー入力端INPUTに印加される電圧を測定する。ここで、基準電圧Refは接地電圧であり得る。
【0027】
また、電圧降下部110は、第1ADC121とリレー入力端INPUTとの間に追加されてもよい。電圧降下部110は、リレー入力端INPUTに印加される電圧を第1ADC121の規格電圧に合わせて変換することにより、リレー溶着検出装置100の信頼性を向上させる。
【0028】
図3に示すように、電圧降下部110は、リレー入力端INPUTに直列に接続される第1抵抗R1と、リレー入力端INPUTと基準電圧Refが印加される地点とに接続される第2抵抗R2とから構成されてもよい。
【0029】
第2ADC122は、リレー出力端OUTPUTに接続され、リレー出力端OUTPUTに印加されるアナログ形態の電圧をデジタル形態の信号に変換し、CPU130に出力する。
【0030】
また、第2ADC122は、第2ADC122に印加される直流形態の基準電圧Refを用いて、リレー出力端OUTPUTに印加される電圧を測定する。ここで、基準電圧Refは接地電圧であり得る。
【0031】
また、電圧降下部110は、第2ADC122とリレー出力端OUTPUTとの間に追加されてもよい。さらに、電圧降下部110は、リレー出力端OUTPUTに印加される電圧を第2ADC122の規格電圧に合わせて変換することにより、リレー溶着検出装置100の信頼性を向上させる。
【0032】
図3に示すように、電圧降下部110は、リレー出力端OUTPUTに直列に接続される第1抵抗R1と、リレー出力端OUTPUTと基準電圧Refが印加される地点とに接続される第2抵抗R2とから構成されてもよい。
【0033】
図4は本発明の一実施形態によるリレー溶着検出装置の診断方法を示す表である。
【0034】
CPU130は、第1ADC121及び第2ADC122から供給されたデジタル信号を用いて、リレーRELAYの溶着の有無を判断する。
【0035】
まず、リレーRELAYの溶着はリレーRELAYがオフにならなければならないのにオンになっている現象として認識されるので、リレーRELAYがオフにならなければならない充電器の状態を把握する。
【0036】
すなわち、充電準備のための充電待機状態、充電が完了してそれ以上充電できない充電完了状態、及び充電器のエラーにより充電できないエラー状態で充電器はオフにならなければならないので、上記3つの場合にのみ、溶着の有無が問題となる。
【0037】
よって、CPU130は、充電待機状態、充電完了状態及びエラー状態のいずれかの状態であるか否かをまず判断する。
【0038】
その後、第1ADC121から供給されたデジタル信号を用いて、リレー入力端INPUTの電圧を測定する。説明の便宜上、リレー入力端INPUTに電圧aVが印加されると仮定する。
【0039】
次に、第2ADC122から供給されたデジタル信号を用いて、リレー出力端OUTPUTの電圧を測定する。
【0040】
この場合、リレーRELAYがオフになっているので、リレー入力端INPUTの電圧であるaVが測定されてはならない。それにもかかわらずaVが測定された場合、リレーRELAYが溶着していると判断する。
【0041】
それに対して、充電器が充電中の状態ではリレーRELAYがオンにならなければならない。よって、第2ADC122によりリレー出力端OUTPUTの電圧であるaVが測定されなければならない。それにもかかわらずaVが測定されない場合、リレーRELAYに溶着以外の他のエラーが発生したと判断する。
【0042】
このように、従来のリレー溶着検出装置におけるフォトカプラ及び溶着リレーの代わりに、本発明のリレー溶着検出装置のADCを用いて、簡単な電圧測定で同じ動作を実現することができる。
【0043】
また、さらなるリレー及びフォトカプラを必要としないので、コストを低減できるという効果があり、従来のリレー溶着検出装置におけるスイッチング動作を必要としないことからスイッチングノイズが発生しないので、リレーの寿命を向上させるという効果もある。
【0044】
図5は本発明の他の実施形態によるリレー溶着検出装置を示す図であり、図6は本発明の他の実施形態によるリレー溶着検出装置の電圧降下部を示す図である。
【0045】
図5に示すように、本発明の他の実施形態によるリレー溶着検出装置200は、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nの電圧を測定する第1ADC221と、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nの電圧を測定する第2ADC222と、前記測定された電圧をそれぞれ比較するCPU230と、リレー入力端INPUT及びリレー出力端OUTPUTの電圧を降下させる電圧降下部210とを含む。
【0046】
ここで、リレーは、複数のリレーRELAY 1〜RELAY n、すなわち第1リレーRELAY 1〜第nリレーRELAY nからなるようにしてもよい。よって、リレー入力端INPUTは、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT n、すなわち第1入力端INPUT 1〜第n入力端INPUT nからなり、リレー出力端OUTPUTは、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT n、すなわち第1出力端OUTPUT 1〜第n出力端OUTPUT nからなるようにしてもよい。
【0047】
第1ADC221は、第1入力端INPUT 1〜第n入力端INPUT nに接続され、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nに印加されるアナログ形態の電圧をデジタル形態の信号に変換し、CPU230に出力する。
【0048】
また、第1ADC221は、第1ADC221に印加される直流形態の基準電圧Refを用いて、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nに印加される電圧を測定する。ここで、基準電圧Refは接地電圧であり得る。
【0049】
また、電圧降下部210は、第1ADC221と複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nとの間に追加されてもよい。電圧降下部210は、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nに印加される電圧を第1ADC221の規格電圧に合わせて変換することにより、リレー溶着検出装置200の信頼性を向上させる。
【0050】
図6に示すように、電圧降下部210は、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nにそれぞれ直列に接続される複数の抵抗R1〜Rnと、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nと基準電圧Refが印加される地点とに接続される複数の抵抗R1’〜Rn’とから構成されてもよい。
【0051】
第2ADC222は、第1出力端OUTPUT 1〜第n出力端OUTPUT nに接続され、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nに印加されるアナログ形態の電圧をデジタル形態の信号に変換し、CPU230に出力する。
【0052】
また、第2ADC222は、第2ADC222に印加される直流形態の基準電圧Refを用いて、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nに印加される電圧を測定する。ここで、基準電圧Refは接地電圧であり得る。
【0053】
また、電圧降下部210は、第2ADC222と複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nとの間に追加されてもよい。電圧降下部210は、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nに印加される電圧を第2ADC222の規格電圧に合わせて変換することにより、リレー溶着検出装置200の信頼性を向上させる。
【0054】
図6に示すように、電圧降下部210は、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nにそれぞれ直列に接続される複数の抵抗R1〜Rnと、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nと基準電圧Refが印加される地点とに接続される複数の抵抗R1’〜Rn’とから構成されてもよい。
【0055】
CPU230は、第1ADC221及び第2ADC222から供給されたデジタル信号を用いて、リレーRELAY 1〜RELAY nの溶着の有無を判断する。
【0056】
まず、リレーRELAY 1〜RELAY nの溶着はリレーRELAY 1〜RELAY nがオフにならなければならないのにオンになっている現象として認識されるので、リレーRELAY 1〜RELAY nがオフにならなければならない充電器の状態を把握する。
【0057】
すなわち、充電準備のための充電待機状態、充電が完了してそれ以上充電できない充電完了状態、及び充電器のエラーにより充電できないエラー状態で充電器はオフにならなければならないので、上記3つの場合にのみ、溶着の有無が問題となる。よって、CPU230は、充電待機状態、充電完了状態、エラー状態であるかをまず判断する。
【0058】
その後、第1ADC221から供給されたデジタル信号を用いて、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nの電圧を測定する。説明の便宜上、リレー入力端INPUT 1〜INPUT nに電圧aVが印加されると仮定する。
【0059】
次に、第2ADC222から供給されたデジタル信号を用いて、複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nの電圧を測定する。
【0060】
この場合、リレーRELAY 1〜RELAY nがオフになっているので、リレー入力端INPUT 1〜INPUT nの電圧であるaVが測定されてはならない。それにもかかわらずaVが測定された場合、リレーRELAY 1〜RELAY nが溶着していると判断する。
【0061】
ここで、複数のリレー入力端INPUT 1〜INPUT nの電圧と複数のリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT n電圧とは1:1で比較しなければならない。すなわち、第1入力端INPUT 1の電圧と第1出力端OUTPUT 1の電圧とを、第n入力端INPUT nの電圧と第n出力端OUTPUT nの電圧とを、それぞれ比較しなければならない。
【0062】
なお、充電器が充電中の状態では複数のリレーRELAY 1〜RELAY nがオンにならなければならない。
【0063】
よって、第2ADC222によりリレー出力端OUTPUT 1〜OUTPUT nの電圧であるaVが測定されなければならない。それにもかかわらずaVが測定されない場合、リレーRELAY 1〜RELAY nに溶着以外の他のエラーが発生したと判断する。
【0064】
このように、本発明は、従来のリレー溶着検出装置におけるフォトカプラ及び溶着リレーの代わりに、リレー溶着検出装置のADCを用いて、簡単な電圧測定で同じ動作を実現することができる。
【0065】
また、本発明は、さらなるリレー及びフォトカプラを必要としないので、コストを低減できるという効果があり、従来のリレー溶着検出装置におけるスイッチング動作を必要としないことからスイッチングノイズが発生しないので、リレーの寿命を向上させるという効果もある。
【0066】
図7は本発明によるリレー溶着検出方法のフローを示す図である。
【0067】
図7に示すように、本発明によるリレー溶着検出方法(S100)は、状態確認ステップ(S101)と、入力電圧測定ステップ(S102)と、出力電圧測定ステップ(S103)と、電圧比較及び判断ステップ(S104)とを含む。
【0068】
状態確認ステップ(S101)は、充電器の充電状態及びエラー状態を確認し、リレー溶着検出方法(S100)を実行するか否かを決定するステップである。
【0069】
より詳細には、リレー溶着はリレーRELAYがオフにならなければならないのにオンになっている現象として認識されるので、リレーRELAYがオフにならなければならない充電器の状態を把握する。すなわち、充電準備のための充電待機状態、充電が完了してそれ以上充電できない充電完了状態、及び充電器のエラーにより充電できないエラー状態で充電器はオフにならなければならないので、上記3つの場合にのみ、溶着の有無が問題となる。
【0070】
よって、CPUは、充電待機状態、充電完了状態、エラー状態であるかをまず判断する。
【0071】
その後、リレー入力端INPUTに印加される入力電圧を測定する(S101)。ここで、リレーの入力電圧は、ADCを用いて、デジタル信号に変換して測定するようにしてもよく、また、ADCに印加される際に、ADCの規格電圧に合わせて電圧を降下させて測定するようにしてもよい。
【0072】
次に、リレー出力端OUTPUTに印加される出力電圧を測定する(S102)。ここで、リレーの出力電圧は、ADCを用いて、デジタル信号に変換して測定するようにしてもよく、また、ADCに印加される際に、ADCの規格電圧に合わせて電圧を降下させて測定するようにしてもよい。
【0073】
最後のステップでは、測定されたリレー入力端INPUTの電圧とリレー出力端OUTPUTの電圧とを比較し、溶着の有無を診断する(S104)。説明の便宜上、リレー入力端INPUTに電圧aVが印加されると仮定する。
【0074】
この場合、リレーRELAYがオフになっているので、リレー出力端OUTPUTではリレー入力端INPUTの電圧であるaVが測定されてはならない。それにもかかわらずaVが測定された場合、リレーRELAYが溶着していると判断する。
【0075】
このように、従来のリレー溶着検出装置におけるフォトカプラ及び溶着リレーの代わりに、本発明のリレー溶着検出装置のADCを用いて、簡単な電圧測定で同じ動作を実現することができる。
【0076】
また、さらなるリレー及びフォトカプラを必要としないので、コストを低減できるという効果があり、従来のリレー溶着検出装置におけるスイッチング動作を必要としないことからスイッチングノイズが発生しないので、リレーの寿命を向上させるという効果もある。
【0077】
以上の説明に多くの事項が具体的に記載されているが、これは発明の範囲を限定するものではなく、より好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。よって、本発明は、上記実施形態により定められるのではなく、請求の範囲と請求の範囲の均等物により定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7