特許第6834248号(P6834248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6834248
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】媒体処理装置及び媒体取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/12 20190101AFI20210215BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20210215BHJP
【FI】
   G07D11/12
   G07D11/26 121
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-164975(P2016-164975)
(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2018-32266(P2018-32266A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年5月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】浅村 政光
(72)【発明者】
【氏名】若林 円
(72)【発明者】
【氏名】鎌形 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕二
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−014509(JP,A)
【文献】 特開平08−329312(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0205260(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/12
G07D 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から媒体を取り込んで内部に収納する収納庫と、
前記収納庫に前記媒体を搬送する搬送部を有し、前記収納庫を装着及び離脱可能な本体部と
を備え、
前記収納庫は、前記媒体を内部に収納するための取込部を前記本体部から伝達された駆動力を収納庫側第1ギアにより伝達することで駆動する収納庫側駆動部を有し、前記本体部に対し下方向である装着方向に沿って移動されることにより前記本体部に装着される一方、前記本体部に対し上方向である離脱方向に沿って移動されることにより前記本体部から離脱され、
前記本体部は、
前記収納庫が装着された状態で、前記収納庫側駆動部と連結し該収納庫側駆動部に駆動力を伝達する本体部側駆動部を有し、
前記本体部側駆動部は、
前記収納庫側第1ギアの回転軸よりも前記離脱方向側に位置する接触点において前記収納庫側第1ギアと当接して、前記装着方向側へ付勢する方向へ回転することにより、前記収納庫側第1ギアへ駆動力を伝達し、前記収納庫を前記装着方向側へ押し付ける本体部側第1ギアと、
前記本体部側第1ギアを回転可能に支持しジョイント支点を軸として回動するジョイントと、
前記本体部側第1ギアを前記離脱方向へ向かわせ前記収納庫側第1ギアへ押し付けるように前記ジョイントを付勢することにより、前記収納庫を前記装着方向へ押し付ける付勢部材と
を有する媒体処理装置。
【請求項2】
前記本体部側駆動部は、前記取込部が前記媒体を前記収納庫の内部に収納する方向に前記収納庫側駆動部へ駆動力を伝達する際、前記収納庫に対し前記装着方向に向かう付勢力を発生させる
請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記本体部側駆動部は、
前記ジョイントが退避方向へ回動することにより、前記収納庫の移動経路から退避し、前記収納庫が前記本体部に対し装着及び離脱される
請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記本体部側駆動部は、
前記本体部側第1ギアへ駆動力を伝達する本体部側第2ギアをさらに有し、
前記本体部側第2ギアは、前記ジョイント支点と同軸で回転する
請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記収納庫側駆動部は、
前記収納庫側第1ギアから駆動力を伝達され前記取込部と同軸で集積方向へ回転し、前記収納庫に前記媒体を搬送する方向へ前記取込部を回転させる収納庫側第2ギアをさらに有する
請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記本体部側第1ギアは、前記収納庫の内部に前記媒体を収納する際、前記収納庫側第2ギアの前記集積方向とは逆方向に前記収納庫側第1ギアを回転させるよう該収納庫側第1ギアへ駆動力を伝達する
請求項5に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
顧客との間で媒体の授受を行う入出金部と、
前記入出金部から取り込んだ前記媒体を内部に収納する収納庫と、
前記収納庫に前記媒体を搬送する搬送部を有し、前記収納庫を装着及び離脱可能な本体部と
を備え、
前記収納庫は、前記媒体を内部に収納するための取込部を前記本体部から伝達された駆動力を収納庫側第1ギアにより伝達することで駆動する収納庫側駆動部を有し、前記本体部に対し下方向である装着方向に沿って移動されることにより前記本体部に装着される一方、前記本体部に対し上方向である離脱方向に沿って移動されることにより前記本体部から離脱され、
前記本体部は、
前記収納庫が装着された状態で、前記収納庫側駆動部と連結し該収納庫側駆動部に駆動力を伝達する本体部側駆動部を有し、
前記本体部側駆動部は、
前記収納庫側第1ギアの回転軸よりも前記離脱方向側に位置する接触点において前記収納庫側第1ギアと当接して、前記装着方向側へ付勢する方向へ回転することにより、前記収納庫側第1ギアへ駆動力を伝達し、前記収納庫を前記装着方向側へ押し付ける本体部側第1ギアと、
前記本体部側第1ギアを回転可能に支持しジョイント支点を軸として回動するジョイントと、
前記本体部側第1ギアを前記離脱方向へ向かわせ前記収納庫側第1ギアへ押し付けるように前記ジョイントを付勢することにより、前記収納庫を前記装着方向へ押し付ける付勢部材と
を有する媒体取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は媒体処理装置及び媒体取引装置に関し、例えば顧客に紙幣等の媒体を投入させて所望の取引を行う現金自動取引装置(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関や店舗等で使用される現金自動取引装置等においては、顧客との取引内容に応じて、例えば顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また顧客へ現金を出金する。現金自動取引装置としては、例えば顧客との間で紙幣の授受を行う紙幣入出金部と、投入された紙幣の金種及び真偽を鑑別する鑑別部と、投入された紙幣を一時的に保留する一時保留部と、紙幣を搬送する搬送部と、金種毎に紙幣を格納する紙幣収納庫とを有するものがある。そのような現金自動取引装置は、該現金自動取引装置に設けられた搬送部における装着部に対し、紙幣収納庫が着脱可能に構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのような現金自動取引装置は、図8に示す駆動伝達部156により、搬送部120から偽券庫118へ駆動力を伝達するものがある。この偽券庫118は、搬送部120に対し上下方向に沿って着脱可能に構成されており、搬送部120に載置されることにより装着状態となり、偽券庫118の受取口140を搬送部120の引渡口130と連結させる。これにより偽券庫118は、搬送部120から紙幣を受け取ることができる。装着状態においては、搬送部120に設けられた駆動ローラシャフト137を軸に回転する駆動ローラ(図示せず)により搬送された紙幣が、偽券庫118に設けられた集積ローラシャフト139を軸に回転する集積ローラ(図示せず)により偽券庫118内部へ送り出される。
【0004】
駆動伝達部156は、搬送部側駆動部158と収納庫側駆動部160とにより構成されており、駆動ローラシャフト137の駆動力を集積ローラシャフト139へ伝達する。搬送部側駆動部158は、ギア162と、ギアジョイントブラケット164と、ギア92と、搬送部側駆動ジョイントギア166と、リセットスプリング168とを有している。収納庫側駆動部160は、ギア174を有している。
【0005】
ギア162は、駆動ローラシャフト137と同軸に固定されており、該駆動ローラシャフト137と同期して図8中反時計回りへ回転する。ギアジョイントブラケット164は、ジョイント支点164Aを支点として搖動可能に取り付けられており、ギア92及び搬送部側駆動ジョイントギア166を回転可能に支持している。リセットスプリング168は、引張ばねであり、搬送部側駆動ジョイントギア166をギア174へ上方に向かって押し付ける方向である、反時計回りにギアジョイントブラケット164を付勢する。
【0006】
ギア174は、集積ローラシャフト139と同軸に固定されており、搬送部側駆動ジョイントギア166の上方と接触点Aにおいて噛み合うことにより、該搬送部側駆動ジョイントギア166から駆動力を伝達され、該集積ローラシャフト139と同期して図8中時計回りである集積方向へ回転する。
【0007】
偽券庫118の装着状態においては、ギア162、ギア92、搬送部側駆動ジョイントギア166、ギア174が連結されることにより、駆動ローラシャフト137から集積ローラシャフト139へ駆動力が伝達される。
【0008】
駆動伝達部156において作用する力の関係を、図9に示す。以下では、例えば紙幣が詰まることにより、ギア174の軸、すなわち集積ローラシャフト139が集積方向に回転できないようにロックした場合について説明する。
【0009】
まず、ギア162からギア92を介し搬送部側駆動ジョイントギア166へ、該搬送部側駆動ジョイントギア166を図中反時計回りへ回転させる伝達トルクTが伝達する。このとき、搬送部側駆動ジョイントギア166の回転軸であるギア軸166Aから接触点Aまでの長さをギアピッチ半径rとすると、搬送部側駆動ジョイントギア166がギア174に与える伝達力Fは、伝達トルクT/ギアピッチ半径rにより求められる。この伝達力Fの方向は、接触点Aを通る搬送部側駆動ジョイントギア166とギア174との外接線に沿い、伝達トルクTが向かう方向となる。
【0010】
このとき、ロックしたギア174から搬送部側駆動ジョイントギア166へ、接触点Aから伝達力Fと反対方向に向かい同一の大きさである反力−Fが反作用として発生する。また、反力−Fのうちの、ジョイント支点164Aと接触点Aとを結ぶ線分と垂直な方向への分力は、反力垂直方向分力−fとなる。
【0011】
このため、ロックしたギア174からギアジョイントブラケット164へ、ジョイント支点164Aを軸とするモーメントとしてギアモーメントMGが与えられることとなる。このギアモーメントMGの大きさは、ジョイント支点164Aから接触点Aまでの長さをジョイント距離Lとすると、反力垂直方向分力−fの絶対値×ジョイント距離Lにより求められる。このギアモーメントMGの方向は、搬送部側駆動ジョイントギア166がギア174から下方向へ離隔するようギアジョイントブラケット164を時計回りへ回動させる方向となる。
【0012】
また、リセットスプリング168からギアジョイントブラケット164へ、ジョイント支点164Aを軸とするモーメントとしてリセットスプリングモーメントMSが与えられている。このリセットスプリングモーメントMSの方向は、搬送部側駆動ジョイントギア166をギア174へ押し付けるためにギアジョイントブラケット164を反時計回りへ回動させる方向である。
【0013】
このため装着状態において駆動伝達部156は、搬送部側駆動ジョイントギア166とギア174との噛み合いを保ち、搬送部120から偽券庫118へ駆動力を伝達させ続けることができる。
【0014】
以上は集積ローラシャフト139が集積方向に回転できないようにロックした場合について説明したが、集積ローラシャフト139が集積方向に正常に回転する場合であっても、反力−F、反力垂直方向分力−f及びギアモーメントMGは、大きさが小さくはなるものの、少なからずそのような力が発生する。
【0015】
このような従来の偽券庫118は、ある程度の自重を有しているため、搬送部120に載置されることにより装着状態となった際、搬送部120から偽券庫118へ伝達された駆動力に起因して該搬送部120から浮き上がることは少なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2016−57967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
顧客が取り忘れた紙幣や出金に適さない紙幣(リジェクト紙幣)や偽券等を収容する紙幣収納庫は、紙幣の収容枚数が比較的少なく、近年、小型化及び軽量化が進んでいる。ここで、軽量化された偽券庫118に駆動伝達部156を適用すると、リセットスプリングモーメントMSにより、搬送部120から偽券庫118が浮き上がってしまう可能性がある。偽券庫118が浮き上がると、偽券庫118の受取口140と搬送部120の引渡口132との高さがずれてしまい、紙幣詰まりが発生する等、搬送品質に悪影響を及ぼしてしまう可能性がある。
【0018】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、信頼性を向上し得る媒体処理装置及び媒体取引装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
かかる課題を解決するため本発明の媒体処理装置においては、外部から媒体を取り込んで内部に収納する収納庫と、収納庫に媒体を搬送する搬送部を有し、収納庫を装着及び離脱可能な本体部とを設け、収納庫は、媒体を内部に収納するための取込部を本体部から伝達された駆動力を収納庫側第1ギアにより伝達することで駆動する収納庫側駆動部を有し、本体部に対し下方向である装着方向に沿って移動されることにより本体部に装着される一方、本体部に対し上方向である離脱方向に沿って移動されることにより本体部から離脱され、本体部は、収納庫が装着された状態で、収納庫側駆動部と連結し該収納庫側駆動部に駆動力を伝達する本体部側駆動部を有し、本体部側駆動部は、収納庫側第1ギアの回転軸よりも離脱方向側に位置する接触点において収納庫側第1ギアと当接して、装着方向側へ付勢する方向へ回転することにより、収納庫側第1ギアへ駆動力を伝達し、収納庫を装着方向側へ押し付ける本体部側第1ギアと、本体部側第1ギアを回転可能に支持しジョイント支点を軸として回動するジョイントと、本体部側第1ギアを離脱方向へ向かわせ収納庫側第1ギアへ押し付けるようにジョイントを付勢することにより、収納庫を装着方向へ押し付ける付勢部材とを有するようにした。
【0020】
また本発明の媒体取引装置においては、顧客との間で媒体の授受を行う入出金部と、入出金部から取り込んだ媒体を内部に収納する収納庫と、収納庫に媒体を搬送する搬送部を有し、収納庫を装着及び離脱可能な本体部とを設け、収納庫は、媒体を内部に収納するための取込部を本体部から伝達された駆動力を収納庫側第1ギアにより伝達することで駆動する収納庫側駆動部を有し、本体部に対し下方向である装着方向に沿って移動されることにより本体部に装着される一方、本体部に対し上方向である離脱方向に沿って移動されることにより本体部から離脱され、本体部は、収納庫が装着された状態で、収納庫側駆動部と連結し該収納庫側駆動部に駆動力を伝達する本体部側駆動部を有し、本体部側駆動部は、収納庫側第1ギアの回転軸よりも離脱方向側に位置する接触点において収納庫側第1ギアと当接して、装着方向側へ付勢する方向へ回転することにより、収納庫側第1ギアへ駆動力を伝達し、収納庫を装着方向側へ押し付ける本体部側第1ギアと、本体部側第1ギアを回転可能に支持しジョイント支点を軸として回動するジョイントと、本体部側第1ギアを離脱方向へ向かわせ収納庫側第1ギアへ押し付けるようにジョイントを付勢することにより、収納庫を装着方向へ押し付ける付勢部材とを有するようにした。
【0021】
本発明では、収納庫が軽量であっても、収納庫が本体部に装着された装着状態において、本体部から収納庫に伝達された駆動力に起因する、本体部に対する収納庫の浮き上がりを防止し、本体部に対する偽券庫の位置を保つことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、信頼性を向上し得る媒体処理装置及び媒体取引装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】現金自動取引装置の外観構成を示す斜視図である。
図2】紙幣入出金機の構成を示す左側面図である。
図3】搬送部及び偽券庫の構成(1)を示す模式的な斜視図であり、(A)は離脱状態、(B)は装着状態である。
図4】搬送部及び偽券庫の構成(2)を示し、(A)は離脱状態、(B)は装着状態である。
図5】偽券庫の構成を示す斜視図である。
図6】駆動伝達部の構成を示す左側面図である。
図7】駆動伝達部において作用する力の関係を示す左側面図である。
図8】従来の駆動伝達部の構成を示す左側面図である。
図9】従来の駆動伝達部において作用する力の関係を示す左側面図である。
図10】従来の偽券庫の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0025】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動取引装置の構成]
図1に外観を示すように、現金自動取引装置1は、箱状の装置筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、利用者(すなわち金融機関の顧客)との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行う。
【0026】
装置筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に顧客応対部3が設けられている。顧客応対部3は、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7及びレシート発行口8が設けられており、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行う。カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。入出金口5は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化されている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理的なキーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。
【0027】
以下では、現金自動取引装置1のうち利用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、該前側に対峙した利用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
【0028】
装置筐体2内には、現金自動取引装置1全体を統轄制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引や出金取引等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
【0029】
[1−2.紙幣入出金機の内部構成]
紙幣入出金機10は、図2に側面図を示すように、内部に媒体としての紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。紙幣入出金機10は、大きく分けて、上下方向のほぼ中央よりも上側部分を占める上部ユニット10Uと、その下側部分を占める下部ユニット10Dとにより構成されている。
【0030】
上部ユニット10Uには、全体を統轄制御する紙幣制御部11と、顧客との間で紙幣を授受する入出金部12と、紙幣を各部へ搬送する搬送部20と、紙幣を鑑別する鑑別部14と、紙幣を一時的に収納する一時保留部15と、紙幣を収納する偽券庫18とが設けられている。
【0031】
紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理や各部の動作を制御する処理等、種々の処理を行う。また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。例えば紙幣制御部11は、紙幣入出金機10の各部に収納されている紙幣の金種や枚数等をこの記憶部に記憶させ、また随時更新する。
【0032】
入出金部12は、上部ユニット10U内における前上部に位置している。この入出金部12は、利用者から受け取った紙幣及び利用者へ引き渡す紙幣を収容する収容器を内部に有しており、その上方をシャッタにより開閉し得る。収容器内には、複数の紙幣が紙面を前後方向に向けて集積された状態で収容される。この入出金部12は、収容器内の紙幣を1枚ずつに分離して搬送部20に引き渡し、また搬送部20から受け取った紙幣を収容器内へ放出して集積させる。
【0033】
搬送部20は、下側に配置された中搬送部21と、該中搬送部21の上側における後端近傍に配置された上搬送部22とを有している。中搬送部21は、上部ユニット10U内における下端部分に位置しており、全体的に上下方向に薄く前後方向に細長い形状である。この中搬送部21内には、紙幣を案内する搬送ガイドや多数の回転するローラ等が適宜配置されており、紙幣の短辺を進行方向に沿わせて、主に前後方向へ搬送させるような直線状の搬送路が形成されている。上搬送部22は、中搬送部21の上側における後端近傍に配置されており、下端から上部前側へ向けて紙幣を搬送する。
【0034】
鑑別部14は、中搬送部21内に組み込まれており、紙幣の搬送経路上で入出金部12と一時保留部15との間に位置している。この鑑別部14は、内部に厚みセンサ、イメージセンサ及び磁気センサといった複数種類のセンサが組み込まれており、搬送される紙幣の金種、真偽、正損(損傷しているか否か)等を認識し、その認識結果を紙幣制御部11へ送出する。
【0035】
一時保留部15は、いわゆるテープエスクロ方式を採用しており、円筒状のドラムの周側面に紙幣をテープと共に巻き付けることにより当該紙幣を収納し、またこの周側面から当該テープと共に紙幣を引き剥がすことにより該紙幣を繰り出す。
【0036】
偽券庫18は、中搬送部21の上側における後寄りの箇所であって、上搬送部22の前側に隣接する位置に設けられている。この偽券庫18は、偽造された紙幣と鑑別部14において判断され上搬送部22により搬送された偽券を受け取ると共に内部に収納する。
【0037】
下部ユニット10Dは、その全ての周側面が頑強な金庫筐体10Sにより覆われている。この金庫筐体10Sの内部には、後側から前側へ向けて、5個の紙幣収納庫16とリジェクト庫17とが設けられている。
【0038】
各紙幣収納庫16は、上下方向に長い直方体状に形成されると共に内部に紙幣を集積して収納する空間を有している。また各紙幣収納庫16は、それぞれ収納すべき紙幣の金種が予め設定されている。この紙幣収納庫16は、中搬送部21から紙幣を受け取ると、これを内部に集積して収納する。また紙幣収納庫16は、紙幣制御部11から紙幣を繰り出す指示を受け付けると、集積している紙幣を1枚ずつに分離して繰り出し、中搬送部21に引き渡す。
【0039】
リジェクト庫17は、上下方向に長い直方体状に形成されると共に内部に紙幣を集積して収納する空間を有している。このリジェクト庫17は、鑑別部14及び紙幣制御部11により損傷の程度が大きく再利用すべきで無いと判断された紙幣(いわゆるリジェクト紙幣)が中搬送部21により搬送されてくると、当該紙幣を内部に収納する。
【0040】
[1−3.入金処理]
次に、現金自動取引装置1により顧客との間で入金取引が行われる場合における、紙幣入出金機10内での入金処理について説明する。紙幣入出金機10は、入金処理において、紙幣制御部11の制御に基づき、まず入金された紙幣の金種等を鑑別しながら枚数を計数する入金計数処理を行い、次に紙幣を適切な収納箇所へ搬送して収納する入金収納処理を行う。
【0041】
具体的に紙幣制御部11は、例えば顧客により操作表示部6(図1)を介して入金取引を開始する旨の操作入力を受け付けると、入金計数処理を開始し、顧客に入出金部12の収容器へ紙幣を投入させ、これを1枚ずつに分離して取り込み、中搬送部21へ順次引き渡す。中搬送部21は、入出金部12から受け取った紙幣を後方へ順次搬送しながら、鑑別部14により各紙幣を順次鑑別させる。このとき鑑別部14は、得られた鑑別結果を紙幣制御部11へ送出する。
【0042】
紙幣制御部11は、取得した鑑別結果を基に、各紙幣における損傷の程度や金種、或いは真偽を判断する。次に紙幣制御部11は、各紙幣について、正常な紙幣として認識できた場合は以降の処理を継続できる入金受入紙幣であると判断し、正常な紙幣として認識できない場合は、一度顧客に返却すべき入金リジェクト紙幣であると判断する。
【0043】
さらに紙幣制御部11は、入金受入紙幣について、正常であり再利用可能な紙幣については金種ごとの各紙幣収納庫16を、損傷の程度が大きいリジェクト紙幣についてはリジェクト庫17を、それぞれ最終的な搬送先として決定する。また紙幣制御部11は、偽券については偽券庫18を最終的な搬送先として決定する。
【0044】
続いて紙幣制御部11は、紙幣の判断結果に応じて、入金受入紙幣及び偽券であれば一時保留部15へ搬送して収納させ、入金リジェクト紙幣であれば搬送部20内に貯留させる。
【0045】
やがて紙幣制御部11は、入出金部12の収容器から全ての紙幣を取り込み終えると、搬送部20に入金リジェクト紙幣が貯留されていれば、これを顧客に返却する。これにより紙幣制御部11は、紙幣を入出金部12へ搬送して顧客に返却し、紙幣の状態を確認させ、必要に応じて再投入させる。一方、紙幣制御部11は、搬送部20に入金リジェクト紙幣が貯留されていなければ、入金計数処理を完了する。
【0046】
このとき紙幣制御部11は、入出金部12から取り込んだ紙幣の金種及び枚数の集計結果を基に入金額を算出すると共に、所定の操作指示画面を操作表示部6に表示し、この入金額を顧客に提示すると共に入金取引を継続するか否かを選択させる。ここで紙幣制御部11は、顧客により入金取引の中止が指示された場合、一時保留部15に保留している全ての紙幣を搬送部20により入出金部12へ搬送して顧客に返却する。
【0047】
一方、紙幣制御部11は、顧客により入金取引の継続が指示された場合、入金収納処理を開始する。具体的に紙幣制御部11は、まず一時保留部15において操出処理を開始し、収納している紙幣(入金受入紙幣及び偽券)を順次繰り出す。
【0048】
このとき紙幣制御部11は、入金計数処理において決定された紙幣毎の搬送先に応じて、各切替部における紙幣の搬送経路を適宜切り替えることにより、各紙幣をそれぞれの搬送先へ搬送して収納させる。これにより紙幣制御部11は、再利用すべき通常の紙幣を金種ごとに分類して各紙幣収納庫16に収納し、また再利用すべきで無いリジェクト紙幣をリジェクト庫17に収納し、さらに偽券を偽券庫18に収納する。
【0049】
[1−4.上搬送部及び上収納庫の構成]
図3及び図4に示すように上搬送部22は、全体として直方体状に構成されており、その周囲が上搬送部筐体23により覆われている。上搬送部筐体23の下面には、中搬送部21の引渡口32から紙幣を受け取る受取口29が設けられている。また上搬送部筐体23の前面である上搬送部前面23Fの上端近傍には、偽券庫18へ紙幣を引き渡す引渡口30が設けられている。
【0050】
上搬送部22の内部には、受取口29から引渡口30へ向けて紙幣を搬送する搬送路31が形成されている。搬送路31は、図示しない搬送ガイド等により、受取口29から上方へ向かって紙幣を案内した後、前方へ屈曲させて引渡口30へ進行させる。
【0051】
また上搬送部22の内部には、搬送路31に沿って所定間隔ごとに複数の搬送ローラ対34が配置されている。引渡口30に最も近接する搬送ローラ対34は、搬送路31の上側に配置された駆動ローラ35と、該搬送路31の下側に配置された従動ローラ36との組み合わせにより構成されている。
【0052】
駆動ローラ35は、搬送路31の上側における引渡口30の後上側に設けられ、中心軸である駆動ローラシャフト37(図6)を左右方向に向けた円柱状に形成されており、図示しない駆動モータから図示しないギアやベルト等を介して駆動力が供給され、回転する。従動ローラ36は、駆動ローラ35と同様に中心軸を左右方向に向けた円柱状に形成されており、自在に回転し得る状態で、図示しないスプリングにより上方へ、すなわち駆動ローラ35に向けて押し付けられている。このため駆動ローラ35及び従動ローラ36は、搬送路31に沿って紙幣が後方から搬送されてきた場合、この紙幣を互いの間に挟持し、回転する該駆動ローラ35から駆動力を伝達することにより、この紙幣を搬送路31に沿ってさらに前方へ搬送する。
【0053】
偽券庫18は、全体として直方体状に構成されており、その周囲が偽券庫筐体19により覆われている。また偽券庫18は、後面である偽券庫後面19Bの上端近傍に、上搬送部22から紙幣を受け取る受取口40を有しており、またその内部に紙幣を搬送する偽券庫内搬送路41や紙幣を収納するための空間である収納空間42を有している。
【0054】
この偽券庫18は、上搬送部22及び中搬送部21に設けられた偽券庫装着部26に対し上下方向に沿って着脱可能に構成されている。この偽券庫装着部26(図3)は、中搬送部21の左端において立設する偽券庫装着部左側壁26Lと中搬送部21の右端において立設する偽券庫装着部右側壁26Rとを有しており、この偽券庫装着部左側壁26Lと偽券庫装着部右側壁26Rとの間に、偽券庫18を収納する偽券庫装着空間27が形成されている。
【0055】
すなわち偽券庫18は、保守員に把持され偽券庫装着部26に対し上側から下方向である装着方向に降ろされ中搬送部21に載置されることにより、偽券庫装着部26に装着され、装着状態となる。この装着状態において偽券庫18は、図3(B)及び図4(B)に示すように偽券庫後面19Bを上搬送部前面23Fと対向させると共に、受取口40を引渡口30と連結させる。これにより偽券庫18は、上搬送部22から紙幣を受け取ることができる。
【0056】
また偽券庫18は、保守員に把持され中搬送部21から上方向である離脱方向に向かって持ち上げられることにより、偽券庫装着部26から離脱され、離脱状態となる。この離脱状態において偽券庫18は、偽券庫後面19Bを上搬送部前面23Fから十分に引き離した状態とする。
【0057】
中搬送部21の偽券庫装着部左側壁26L及び偽券庫装着部右側壁26Rには、上下前後方向に沿う内壁面である左右方向基準部49が形成されている。偽券庫18は、搬送部20に装着される際、装着状態において偽券庫筐体19の左右側面における平面形状の箇所が左右方向基準部49に当接することにより、左右方向(幅方向)の位置が定まる。
【0058】
中搬送部21(図3)の偽券庫装着部左側壁26L及び偽券庫装着部右側壁26Rの内壁面には、鉛直方向に沿う溝である前後方向基準部47が形成されている。偽券庫18は、搬送部20に装着される際、図5に示す偽券庫筐体19の左右側面から左右方向に向かって突設する位置決め突起50が前後方向基準部47に嵌り込み、前後方向基準部47における前後の内壁面に当接することにより、前後方向の位置が定まる。
【0059】
中搬送部21の左右両端における上端面には、前後左右に沿って延設する平面である上下方向基準部48が形成されている。偽券庫18は、搬送部20に装着される際、装着状態において偽券庫筐体19の底面における平面形状の箇所が上下方向基準部48に接地することにより、上下方向(高さ方向)の位置が自重のみで定まる。
【0060】
図5に示すように偽券庫18の扉18Dにおける左端面の下端部からは、平板状の偽券庫装着検知ディテクタ45が、左側へ向かって突設している。中搬送部21における、偽券庫18が装着状態となった際に検知光の光路が偽券庫装着検知ディテクタ45によって遮られる位置には、偽券庫装着検知センサ44が設けられている。偽券庫装着検知センサ44は、所定の検知光を発光する発光素子及びこの検知光を受光する受光素子の組み合わせにより構成された光学センサであり、検知光が偽券庫装着検知ディテクタ45によって遮られた遮蔽状態と、検知光が偽券庫装着検知ディテクタ45によって遮られていない非遮蔽状態とを検出し、検出結果を紙幣制御部11に通知する。紙幣制御部11は、この検出結果を基に、装着状態であるか否かを判断する。
【0061】
ここで、偽券庫18の離脱状態(図3(A)及び図4(A))において偽券庫装着検知センサ44は、検知光が偽券庫装着検知ディテクタ45によって遮られないため非遮蔽状態を検出する。また偽券庫18の装着状態(図3(B)及び図4(B))において偽券庫装着検知センサ44は、検知光が偽券庫装着検知ディテクタ45によって遮られるため遮蔽状態を検出する。
【0062】
偽券庫内搬送路41の下側における受取口40の前下側には、集積ローラ38が設けられている。集積ローラ38は、中心軸である集積ローラシャフト39(図6)を左右方向に向けた円柱状に形成されており、駆動ローラシャフト37から後述する駆動伝達部56を介して駆動力が供給されることにより回転する。集積ローラシャフト39には、ゴム等の弾性部材で形成された舌片52が、左右方向に所定の間隔を空けて複数本設けられており、集積ローラシャフト39と同期して回転する。この舌片52は、集積ローラ38と共に図4中時計回りに回転することにより、受取口40から収納空間42へ送り出された紙幣の後端部分を叩く。偽券庫18内には、ステージ53が設けられており、受取口40から放出された紙幣が集積される。このステージ53は、スプリング54により下方から支持されており、該ステージ53に集積された紙幣の枚数に応じて、該スプリング54が縮み適正な集積スペースを確保する。
【0063】
[1−5.駆動伝達部の構成]
図6に示すように駆動伝達部56は、搬送部側駆動部58と収納庫側駆動部60とにより構成されており、駆動ローラシャフト37の駆動力を集積ローラシャフト39へ伝達する。また図6は、左側から上搬送部22及び偽券庫18を透過して見た状態を示している。本体部側駆動部としての搬送部側駆動部58は、ギア62と、ギアジョイントブラケット64と、搬送部側駆動ジョイントギア66と、リセットスプリング68とを有している。収納庫側駆動部60は、偽券庫側駆動ジョイントギア72と、ギア74とを有している。
【0064】
本体部側第2ギアとしてのギア62は、上搬送部22における上端近傍の右端部の内部において駆動ローラシャフト37と同軸に固定されており、中心軸を左右方向に向けた扁平な円板状に形成され、該駆動ローラシャフト37と同期して図6中反時計回りである本体部側第2ギア集積方向へ回転する。
【0065】
ギアジョイントブラケット64は、左右方向に薄い部材であり、駆動ローラシャフト37の軸であるジョイント支点64Aを支点として図中反時計回りである押付方向及び図中時計回りである退避方向に搖動可能に取り付けられている。このギアジョイントブラケット64には、ギア62の中心軸であるジョイント支点64Aよりも装着方向側の前方にスタッド70がかしめられており、軸受け71を介して搬送部側駆動ジョイントギア66がスタッド70の中心軸であるギア軸66Aを軸として該ギアジョイントブラケット64に対し回転可能に取り付けられている。このためギアジョイントブラケット64は、ジョイント支点64Aとギア軸66Aとの距離を一定に保ったまま、ジョイント支点64Aを支点として搬送部側駆動ジョイントギア66を回動させる。図6は、搬送部側駆動ジョイントギア66が偽券庫側駆動ジョイントギア72と噛み合う状態にギアジョイントブラケット64が位置している、押付状態を示している。
【0066】
本体部側第1ギアとしての搬送部側駆動ジョイントギア66は、ギア62よりも外形が大きく、ギア軸66Aを左右方向に向けた扁平な円板状に形成され、ギア62の装着方向側の前方と噛み合うことにより、該ギア62から駆動力を伝達され、図6中時計回りである本体部側第1ギア集積方向へ回転する。この搬送部側駆動ジョイントギア66は、前端部分を上搬送部前面23Fよりも前方へ露出させている。
【0067】
付勢部材としてのリセットスプリング68は、引張ばねであり、下端が上搬送部筐体23に固定される一方、上端がギアジョイントブラケット64における離脱方向の後端部に固定され、搬送部側駆動ジョイントギア66を偽券庫側駆動ジョイントギア72に押し付ける方向である反時計回りにジョイント支点64Aを軸としてギアジョイントブラケット64を付勢する。
【0068】
収納庫側第1ギアとしての偽券庫側駆動ジョイントギア72は、偽券庫18(図5(B))における偽券庫筐体19の右側面から左側へやや奥まった位置において、ギア軸66Aよりも離脱方向側の前方に位置する中心軸であるギア軸72Aを中心に回転可能に設けられている。この偽券庫側駆動ジョイントギア72は、中心軸を左右方向に向けた扁平な円板状に形成され、搬送部側駆動ジョイントギア66の装着方向側の前方と接触点Aにおいて噛み合うことにより、該搬送部側駆動ジョイントギア66から駆動力を伝達され、図6中反時計回りである収納庫側第1ギア集積方向へ回転する。偽券庫側駆動ジョイントギア72にはワンウェイクラッチが装着されており、収納庫側第1ギア集積方向(反時計回り)へ回転させる駆動力が該偽券庫側駆動ジョイントギア72に伝達した際にのみ回転しギア74へ駆動力を伝達する一方、時計回りへ回転させる駆動力が該偽券庫側駆動ジョイントギア72に伝達した際は空転することによりギア74へ駆動力を伝達しない。このように搬送部側駆動ジョイントギア66は、偽券庫側駆動ジョイントギア72のギア軸72Aよりも離脱方向側に位置するギア軸66Aを軸に回転し、ギア軸72Aよりも離脱方向側において偽券庫側駆動ジョイントギア72に当接する。
【0069】
収納庫側第2ギアとしてのギア74は、偽券庫側駆動ジョイントギア72の中心軸よりも離脱方向側の前方に位置する集積ローラシャフト39と同軸に固定されており、中心軸を左右方向に向けた扁平な円板状に形成されている。このギア74は、偽券庫側駆動ジョイントギア72の離脱方向側の前方と噛み合うことにより、該偽券庫側駆動ジョイントギア72から駆動力を伝達され、該集積ローラシャフト39と同期して図6中時計回りである集積方向へ回転する。ギア74にはワンウェイクラッチが装着されており、集積方向へ回転させる駆動力が該ギア74に伝達した際にのみ回転する一方、反時計回りへ回転させる駆動力が該ギア74に伝達した際は空転する。
【0070】
偽券庫18の装着状態においては、ギア62、搬送部側駆動ジョイントギア66、偽券庫側駆動ジョイントギア72及びギア74が連結されることにより、駆動ローラシャフト37から集積ローラシャフト39へ駆動力が伝達される。
【0071】
[1−6.作用する力の関係]
駆動伝達部56において作用する力の関係を、図7に示す。以下では、例えば紙幣が詰まることにより、ギア74の軸、すなわち集積ローラシャフト39が集積方向に回転できないようにロックした場合について説明する。
【0072】
まず、ギア62から搬送部側駆動ジョイントギア66へ、該搬送部側駆動ジョイントギア66を本体部側第1ギア集積方向へ回転させる伝達トルクTが伝達する。このとき、ギア軸66Aから接触点Aまでの長さをギアピッチ半径rとすると、搬送部側駆動ジョイントギア66が偽券庫側駆動ジョイントギア72に与える伝達力Fは、伝達トルクT/ギアピッチ半径rにより求められる。この伝達力Fの方向は、接触点Aを通る搬送部側駆動ジョイントギア66と偽券庫側駆動ジョイントギア72との外接線に沿い、伝達トルクTが向かう方向となる。このとき、伝達力Fのうちの、鉛直方向への分力は、伝達力垂直方向分力Fyとなる。
【0073】
このように駆動伝達部56は、ギア軸72Aの中心よりも離脱方向側において偽券庫側駆動ジョイントギア72に搬送部側駆動ジョイントギア66を当接させ、鉛直下向き方向への伝達力垂直方向分力Fyを伝達させることにより、偽券庫側駆動ジョイントギア72に対し下向きに押し付ける力を加える。これにより駆動伝達部56は、偽券庫18を搬送部20に対し下向きに押し付ける。
【0074】
このとき、ロックしたギア74から偽券庫側駆動ジョイントギア72を介し搬送部側駆動ジョイントギア66へ、接触点Aから伝達力Fと反対方向に向かい同一の大きさである反力−Fが反作用として発生する。また、反力−Fのうちの、ジョイント支点64Aと接触点Aとを結ぶ線分と垂直な方向への分力は、反力垂直方向分力−fとなる。
【0075】
このとき、搬送部側駆動ジョイントギア66が伝達トルクTの方向に沿って本体部側第1ギア集積方向へ回転しようとするもののギア74及び偽券庫側駆動ジョイントギア72が回転しないため、ロックしたギア74から偽券庫側駆動ジョイントギア72を介しギアジョイントブラケット64へ、ジョイント支点64Aを軸とするモーメントとしてギアモーメントMGが与えられることとなる。このギアモーメントMGの大きさは、ジョイント支点64Aから接触点Aまでの長さをジョイント距離Lとすると、反力垂直方向分力−fの絶対値×ジョイント距離Lにより求められる。このギアモーメントMGの方向は、ギアジョイントブラケット64を押付方向へ回動させる方向となる。
【0076】
また、リセットスプリング68からギアジョイントブラケット64へ、ジョイント支点64Aを軸とするモーメントとしてリセットスプリングモーメントMSが与えられている。このリセットスプリングモーメントMSの方向は、ギアジョイントブラケット64を押付方向へ回動させる方向である。
【0077】
このように駆動伝達部56においては、ギアモーメントMGとリセットスプリングモーメントMSとが同じ方向を向いており、偽券庫側駆動ジョイントギア72に搬送部側駆動ジョイントギア66を食い込ませる方向へギアジョイントブラケット64を付勢している。このため装着状態において駆動伝達部56は、搬送部側駆動ジョイントギア66と偽券庫側駆動ジョイントギア72との噛み合いを保ち、上搬送部22から偽券庫18へ駆動力を伝達させ続けることができる。
【0078】
このように駆動伝達部56は、ギア軸72Aの中心よりも離脱方向側において偽券庫側駆動ジョイントギア72に搬送部側駆動ジョイントギア66を当接させ、偽券庫側駆動ジョイントギア72に向かう方向である前方へ搬送部側駆動ジョイントギア66を食い込ませることにより、偽券庫側駆動ジョイントギア72に対し下向きに押し付ける力を加える。これにより駆動伝達部56は、偽券庫18を搬送部20に対し下向きに押し付ける。
【0079】
以上は集積ローラシャフト39が集積方向に回転できないようにロックした場合について説明したが、集積ローラシャフト39が集積方向に正常に回転する場合であっても、反力−F、反力垂直方向分力−f及びギアモーメントMGは、大きさが小さくはなるものの、少なからずそのような力が発生する。
【0080】
偽券庫18が装着状態になる際に偽券庫装着部26に対し上側から装着方向に降ろされると、偽券庫側駆動ジョイントギア72は、押付状態である搬送部側駆動ジョイントギア66の前側面に当接し、ギアジョイントブラケット64を退避方向へ回動させることにより退避状態とし、搬送部側駆動ジョイントギア66を後方へ移動させ、偽券庫側駆動ジョイントギア72の移動経路から退避させる。さらに偽券庫18が装着方向に降ろされると、偽券庫側駆動ジョイントギア72は、搬送部側駆動ジョイントギア66の前方且つ装着方向側に入り込み、ギアジョイントブラケット64が押付方向へ回動して押付状態となる。これにより偽券庫18は装着状態となる。
【0081】
ここで、仮にギア62、搬送部側駆動ジョイントギア66及びギアジョイントブラケット64が反時計回りに90度回転した状態で配置されていると、ジョイント支点64Aと接触点Aとは、左右方向にある程度の間隔を空けることとなり、ギアジョイントブラケット64が回動すると、搬送部側駆動ジョイントギア66をほぼ上下方向に沿って移動させることとなる。この場合ギアジョイントブラケット64は、偽券庫側駆動ジョイントギア72が前方から当接した際に回動して、搬送部側駆動ジョイントギア66をほぼ上下方向(装着離脱方向)へ移動させることとなるものの、搬送部側駆動ジョイントギア66を装着離脱方向と直交する前後方向へは移動させにくくなる。このためギアジョイントブラケット64は、搬送部側駆動ジョイントギア66を偽券庫側駆動ジョイントギア72の移動経路から退避させにくくなってしまう。
【0082】
これに対し駆動伝達部56においては、ジョイント支点64Aと接触点Aとは、上下方向(装着離脱方向)にある程度の間隔を空けているため、ギアジョイントブラケット64が回動すると、搬送部側駆動ジョイントギア66をほぼ前後方向に沿って移動させる。このためギアジョイントブラケット64は、偽券庫側駆動ジョイントギア72が前方から当接すると、回動して搬送部側駆動ジョイントギア66を後方へ移動させることにより、上下方向に移動する偽券庫側駆動ジョイントギア72の移動経路から退避させることができる。
【0083】
また駆動伝達部56は、ギア軸72Aの中心をギア軸66Aよりも装着方向側に配置することにより、搬送部側駆動ジョイントギア66の前端部よりも装着方向側に位置する接触点Aにおいて、偽券庫側駆動ジョイントギア72を該搬送部側駆動ジョイントギア66に噛み合わせるようにした。このため駆動伝達部56は、装着状態における偽券庫18の偽券庫側駆動ジョイントギア72を、上搬送部22の搬送部側駆動ジョイントギア66の下側に入り込ませることにより、装着状態の偽券庫18が上搬送部22から離脱方向へ容易に移動してしまうことを防止できる。
【0084】
[1−7.効果等]
以上の構成において紙幣入出金機10は、ギア軸72Aの中心よりも離脱方向側において偽券庫側駆動ジョイントギア72に搬送部側駆動ジョイントギア66を当接させ、伝達トルクTの方向が接触点Aにおいて下側を向く方向へ搬送部側駆動ジョイントギア66を回転させることにより、偽券庫側駆動ジョイントギア72に対し鉛直下向き方向の伝達力垂直方向分力Fyを加え、偽券庫18を搬送部20に押し付けるようにした。これにより紙幣入出金機10は、搬送部20からの偽券庫18の浮き上がりを防止できる。
【0085】
ここで、従来の駆動伝達部156(図8及び図9)においては、搬送部側駆動ジョイントギア166の上側にギア174を配置することにより、偽券庫118を装着方向及び離脱方向へ移動させる際に、ギアジョイントブラケット164及び搬送部側駆動ジョイントギア166が偽券庫118の移動経路の邪魔にならないようにしていた。このため駆動伝達部156は、ギアジョイントブラケット164を図8中反時計回りである押付方向へ回動させることにより、搬送部側駆動ジョイントギア166をギア174へ押し付け、装着状態においてギア174と搬送部側駆動ジョイントギア166との噛み合いを保っていた。そのため駆動伝達部156においては、リセットスプリング68のリセット力によるモーメントであるリセットスプリングモーメントMSが、ギア174、すなわち偽券庫18を持ち上げる方に作用してしまっていた。
【0086】
これに対し本実施の形態による駆動伝達部56は、ギア軸72Aの中心よりも離脱方向側において偽券庫側駆動ジョイントギア72に搬送部側駆動ジョイントギア66を当接させ、偽券庫側駆動ジョイントギア72に向かう前方へ搬送部側駆動ジョイントギア66を食い込ませることにより、リセットスプリングモーメントMSの向きを、偽券庫18を装着方向へ押し付ける方向へ作用させるようにした。
【0087】
また従来の駆動伝達部156(図9)においては、接触点Aにおいて、伝達トルクTの向きとリセットスプリングモーメントMSの向きとがほぼ同じ向きとなっていた。このため駆動伝達部156においては、ギアモーメントMGとリセットスプリングモーメントMSとの向きが互いに逆方向となっていた。このため駆動伝達部156においては、ギア174と搬送部側駆動ジョイントギア166との噛み合いは保ちつつ偽券庫118が持ち上がらない程度に搬送部側駆動ジョイントギア166をギア174に押し付ける力を、偽券庫118の自重も含めてギアモーメントMGやリセットスプリングモーメントMS等の力を釣り合わせるように設計することが困難であった。
【0088】
これに対し駆動伝達部56は、駆動伝達部156における搬送部側駆動ジョイントギア166に相当する偽券庫側駆動ジョイントギア72を、上搬送部22ではなく偽券庫18に配置し、接触点Aにおいて、伝達トルクTの向きとリセットスプリングモーメントMSの向きとがほぼ同じ向きではなく、ほぼ逆向きとなるようにした。このため駆動伝達部56は、ギアモーメントMGとリセットスプリングモーメントMSとの向きを互いに同一方向にできる。このため駆動伝達部56は、偽券庫18の自重を含めてギアモーメントMGとリセットスプリングモーメントMSとの力を釣り合わせる等を考慮する必要がない。
【0089】
ここで、従来の偽券庫118を重くし自重を増加させることにより、装着状態の偽券庫118を搬送部120から浮き上がりにくくすることも考えられる。しかしながらそのような場合、偽券庫118の重量が増加するため、偽券庫118を軽量化するという思想に反してしまう。
【0090】
これに対し紙幣入出金機10は、偽券庫18の自重を増加させることなく、駆動伝達部56における各種ギアの配置、回転方向及び付勢方向を工夫することにより、上搬送部22に対する偽券庫18の浮き上がりを防止するようにした。このため紙幣入出金機10は、偽券庫18を軽量化させることができると共に、偽券庫18が軽量化したために自重が減少し浮き上がりやすくなった場合であっても、偽券庫18の浮き上がりを防止できる。
【0091】
またここで、従来の偽券庫118の上方に、紙幣を搬送する搬送ユニットを配置して偽券庫118を上方から抑えることにより、装着状態の偽券庫118を搬送部120に押し付け、外れないようにすることも考える。しかしながらそのような場合、搬送部120に対し偽券庫118を装着又は離脱する際、搬送ユニットを偽券庫118の上方から移動させてどかす作業がその都度必要となり手間が増大してしまい、保守員が偽券庫118を容易に着脱しにくくなり、着脱性が低下してしまう。
【0092】
これに対し紙幣入出金機10は、偽券庫18の上方に搬送ユニットを配置することなく、搬送部20に対する偽券庫18の浮き上がりを防止するようにした。このため紙幣入出金機10は、保守員による偽券庫18の着脱作業を複雑化させないようにできる。
【0093】
またここで、従来の偽券庫118にロック機構を追加することにより、装着状態の偽券庫118を搬送部120に固定し、外れないようにすることも考える。しかしながらそのような場合、搬送部120に対し偽券庫118を装着又は離脱する際、ロック機構を施錠又は解錠する作業がその都度必要となり手間が増大してしまい、保守員が偽券庫118を容易に着脱しにくくなり、着脱性が低下してしまう。またそのような場合、ロック機構が加わる分だけ構成が複雑化してしまうと共にコストが上昇してしまう。
【0094】
これに対し紙幣入出金機10は、偽券庫18にロック機構を追加することなく、搬送部20に対する偽券庫18の浮き上がりを防止するようにした。このため紙幣入出金機10は、保守員による偽券庫18の着脱作業を複雑化させないようにできると共に、構成が複雑化してしまうことを防止し、コストが上昇してしまうことを防止できる。
【0095】
また従来の駆動伝達部156は、偽券庫118側に、集積ローラと共に集積方向へ回転するギア174を設け、搬送部120側に、ギア162、ギア92及び搬送部側駆動ジョイントギア166を設け、搬送部側駆動ジョイントギア166を下方からギア174に噛み合わせていた。このため駆動伝達部156においては、ギア174を集積方向(時計回り)に回転させるためには搬送部側駆動ジョイントギア166をギア174とは逆方向(反時計回り)に回転させる必要があるため、搬送部側駆動ジョイントギア166からギア174に対し上方向への力が加わってしまう。
【0096】
これに対し駆動伝達部56は、偽券庫18側に、集積ローラシャフト39と共に集積方向へ回転するギア74に加えて、偽券庫側駆動ジョイントギア72を設け、搬送部20側に、ギア62及び搬送部側駆動ジョイントギア66を設け、搬送部側駆動ジョイントギア66を後方から偽券庫側駆動ジョイントギア72に噛み合わせるようにした。このため駆動伝達部56においては、ギア74を集積方向(時計回り)に回転させるためには偽券庫側駆動ジョイントギア72をギア74とは逆方向(反時計回り)に回転させる必要がある。このため駆動伝達部56においては、偽券庫側駆動ジョイントギア72を反時計回りに回転させるために、搬送部側駆動ジョイントギア66を時計回りに回転させることとなるため、搬送部側駆動ジョイントギア66から偽券庫側駆動ジョイントギア72に対し下方向への力を加えることとなる。これにより駆動伝達部56は、搬送部側駆動ジョイントギア66から偽券庫側駆動ジョイントギア72へ、装着方向へ押し付ける力を加えることができ、搬送部20からの偽券庫18の浮き上がりを防止できる。
【0097】
また従来の偽券庫118は、図10に示すように偽券庫筐体119における、集積ローラの集積ローラシャフト139と同軸に固定されたギア174よりも装着方向側において切り欠かれた切欠部90が形成されている。これにより駆動伝達部156は、ギアジョイントブラケット164に切欠部90を通過させつつ、該ギアジョイントブラケット164の上側から偽券庫118を装着方向へ移動させることにより、偽券庫筐体119にギアジョイントブラケット164が物理的に干渉しないようにしつつ、搬送部側駆動ジョイントギア166の上側にギア74を当接させ装着状態にすることができる。しかしながらそのような場合、ギア174の特に下側(切欠部90側)が偽券庫筐体119から外部に露出してしまうため、偽券庫118が落下した際に該ギア174が床等に衝突して破損しやすかった。
【0098】
これに対し紙幣入出金機10は、装着状態において、上搬送部22のギアジョイントブラケット64及び搬送部側駆動ジョイントギア66を、偽券庫18の偽券庫側駆動ジョイントギア72の装着方向側ではなく、後側に配置し、搬送部側駆動ジョイントギア66に偽券庫側駆動ジョイントギア72を噛み合わせるようにした。このため紙幣入出金機10は、偽券庫筐体19における、ギア74よりも装着方向側において切欠部90(図10)を形成する必要がなくなる。このため紙幣入出金機10は、偽券庫筐体19の右側面よりも左側にギア74を位置させ、すなわち少なくともギア74に対する該ギア74の幅方向の範囲の装着方向側に偽券庫筐体19を配置させ、ギア74の上側及び下側が偽券庫筐体19から外部に露出してしまうことを防止し、偽券庫18が落下した際に該ギア74が床等に衝突してしまうことを防止でき、ギア74が破損しにくくできる。
【0099】
以上の構成によれば現金自動取引装置1は、顧客との間で紙幣の授受を行う入出金部12と、入出金部12から取り込んだ紙幣を内部に収納する偽券庫18と、偽券庫18に紙幣を搬送する搬送部としての搬送路31を有し、偽券庫18を装着及び離脱可能な搬送部20とを設け、偽券庫18は、紙幣を内部に収納するための取込部としての集積ローラ38を搬送部20から駆動力が伝達されることで駆動する収納庫側駆動部60を有し、搬送部20は、偽券庫18が搬送部20に装着された状態で、収納庫側駆動部60と連結し該収納庫側駆動部60に駆動力を伝達させ、該駆動力を伝達させた際、偽券庫18が搬送部20に装着される方向に向かう付勢力を発生させる搬送部側駆動部58を有するようにした。これにより紙幣入出金機10は、偽券庫18が軽量であっても、偽券庫18が搬送部20に装着された装着状態において、搬送部20から偽券庫18に伝達された駆動力に起因する、搬送部20に対する偽券庫18の浮き上がりを防止し、搬送部20に対する偽券庫18の位置を保つことができる。
【0100】
[2.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、搬送部側駆動ジョイントギア66の離脱方向側に位置するジョイント支点64Aを支点としてギアジョイントブラケット64が回動する場合について述べた。本発明はこれに限らず、リセットスプリング68及びギアジョイントブラケット64をギア軸66Aを軸として上下反転させて配置し、搬送部側駆動ジョイントギア66の装着方向側に位置するジョイント支点64Aを支点としてギアジョイントブラケット64が回動しても良い。
【0101】
また上述した実施の形態においては、上下方向に沿って偽券庫装着部26に対し着脱される偽券庫18に駆動力を伝達する駆動伝達部56に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、上搬送部22及び偽券庫18の構成を時計回り又は反時計回りに90度回転させたような構成とし、左右方向や前後方向に沿って偽券庫装着部に対し着脱される偽券庫に駆動力を伝達する駆動伝達部に本発明を適用しても良い。
【0102】
さらに上述した実施の形態においては、上搬送部22により搬送されてきた紙幣(偽券)を収納する一方、出金処理等において該偽券庫18から紙幣を繰り出す動作を行わない場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば偽券庫18に対し紙幣収納庫16(図2)と同様に再利用可能な紙幣を収納するようにし、出金処理等において該偽券庫18から繰り出した紙幣を受取口40から引渡口30へ受け渡し、上搬送部22に沿って下方向へ搬送するようにしても良い。
【0103】
さらに上述した実施の形態においては、収納庫としての偽券庫18は、偽券を収納するための収納庫とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば出金取引において顧客が取り忘れた取り忘れ紙幣を収納する収納庫や、リサイクルに適さないリジェクト紙幣を収納する収納庫としても良い。
【0104】
さらに上述した実施の形態においては、媒体としての紙幣を顧客との間で取引する現金自動取引装置1の紙幣入出金機10に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば種々の証券や金券、或いは商品券や入場券等、紙葉状の媒体を取り扱う種々の装置に適用しても良い。
【0105】
さらに上述した実施の形態においては、収納庫側駆動部としての収納庫側駆動部60を有する収納庫としての偽券庫18と、搬送部側駆動部としての搬送部側駆動部58を有する本体部としての搬送部20とによって、媒体処理装置としての紙幣入出金機10を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる収納庫側駆動部を有する収納庫と、搬送部側駆動部を有する本体部とによって、媒体処理装置を構成しても良い。
【0106】
さらに上述した実施の形態においては、入出金部としての入出金部12と、収納庫側駆動部としての収納庫側駆動部60を有する収納庫としての偽券庫18と、搬送部側駆動部としての搬送部側駆動部58を有する本体部としての搬送部20とによって、媒体取引装置としての現金自動取引装置1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる入出金部と、収納庫側駆動部を有する収納庫と、搬送部側駆動部を有する本体部とによって、媒体取引装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、例えば顧客との間で紙幣に関する取引を行う現金自動取引装置で利用できる。
【符号の説明】
【0108】
1……現金自動取引装置、2……装置筐体、3……顧客応対部、4……カード入出口、5……入出金口、6……操作表示部、7……テンキー、8……レシート発行口、9……主制御部、10……紙幣入出金機、10U……上部ユニット、10D……下部ユニット、10S……金庫筐体、11……紙幣制御部、12……入出金部、14……鑑別部、15……一時保留部、16……紙幣収納庫、17……リジェクト庫、18、118……偽券庫、18D……扉、19、119……偽券庫筐体、19B……偽券庫後面、20、120……搬送部、21……中搬送部、22……上搬送部、23……上搬送部筐体、23F……上搬送部前面、26……偽券庫装着部、26L……偽券庫装着部左側壁、26R……偽券庫装着部右側壁、27……偽券庫装着空間、29……受取口、30……引渡口、31……搬送路、32、132……引渡口、34……搬送ローラ対、35……駆動ローラ、36……従動ローラ、37……駆動ローラシャフト、38……集積ローラ、39……集積ローラシャフト、40、140……受取口、41……偽券庫内搬送路、42……収納空間、44……偽券庫装着検知センサ、45……偽券庫装着検知ディテクタ、47……前後方向基準部、48……上下方向基準部、49……左右方向基準部、50……位置決め突起、52……舌片、53……ステージ、54……スプリング、56、156……駆動伝達部、58、158……搬送部側駆動部、60、160……収納庫側駆動部、62、162……ギア、64、164……ギアジョイントブラケット、64A、164A……ジョイント支点、66、166……搬送部側駆動ジョイントギア、66A……ギア軸、68、168……リセットスプリング、70……スタッド、71……軸受け、72……偽券庫側駆動ジョイントギア、72A……ギア軸、74、174……ギア、92……ギア。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10