特許第6834405号(P6834405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6834405
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】油圧センサ取付構造
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   G01L19/14
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-229170(P2016-229170)
(22)【出願日】2016年11月25日
(65)【公開番号】特開2018-84547(P2018-84547A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118496
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 耕三
(72)【発明者】
【氏名】大澤 朝華
(72)【発明者】
【氏名】若林 弘宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊晃
(72)【発明者】
【氏名】及川 竜之介
【審査官】 大森 努
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−166512(JP,A)
【文献】 特開2007−315792(JP,A)
【文献】 特開2000−304172(JP,A)
【文献】 特開平10−082707(JP,A)
【文献】 特開2000−121474(JP,A)
【文献】 特開平11−211600(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0238489(US,A1)
【文献】 特開平08−159904(JP,A)
【文献】 特開平09−304212(JP,A)
【文献】 実開平04−124787(JP,U)
【文献】 国際公開第2013/118843(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0050168(US,A1)
【文献】 特開2010−260583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00−23/32,27/00−27/02,
F16L,
F16B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルが流れる油路を内部に有する油路ボディに、前記油路内を流れるオイルの圧力を計測する油圧センサを取り付ける油圧センサ取付構造であって、
前記油路ボディは、
内部に前記油圧センサの少なくとも一部が収容される収容部と、
前記収容部の内部に露出し、前記油路と前記収容部の内部とを繋ぐ油圧検出口と、
を有し、
前記収容部は、前記油圧センサを下側から支持する支持部を有し、
前記油圧センサは、
センサ本体と、
前記センサ本体を覆うセンサケースと、
を有し、
前記センサケースは、下面に前記油圧センサが前記油路ボディに取り付けられた状態において前記油圧検出口と繋がる検出ポート部を有し、
前記油圧センサ取付構造は、
前記収容部と、
前記センサケースと、
前記収容部の上側に配置される蓋体と、
を備え、
前記収容部と前記蓋体とは、上下方向に延びる中心軸を中心とする周方向に相対的に回転することでそれぞれ互いに締め合わされる締め部を有し、
前記蓋体を周方向一方向きに回転させて前記収容部の前記締め部と前記蓋体の前記締め部とを互いに締め合わせることで、前記センサケースは、前記支持部と前記蓋体とに上下方向に挟持されて前記油路ボディに固定され、
前記油路ボディは、第1回転抑制部を備え、
前記蓋体は、前記収容部の径方向外側に配置される筒状の第1筒部と、
前記第1回転抑制部に引っ掛けられる第2回転抑制部と、
を有し、
前記センサケースが前記支持部と前記蓋体とに上下方向に挟持されて前記油路ボディに固定された取付状態において、前記第1回転抑制部と前記第2回転抑制部とは、互いに引っ掛かり合って、前記収容部に対する前記蓋体の周方向他方向きの回転を抑制し、
前記第1筒部の下端は、第1回転抑制部の上側に隙間を空けて配置される、油圧センサ取付構造。
【請求項2】
前記収容部は、前記中心軸を中心として前記油路ボディの上面から上側に突出する筒状である、請求項1に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項3】
前記収容部の前記締め部は、前記収容部の径方向外側面に設けられ、
前記蓋体の前記締め部は、前記第1筒部の径方向内側面に設けられている、請求項2に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項4】
前記第1回転抑制部は、径方向外側に突出する複数の歯部を有する歯車状であり、かつ、前記収容部の径方向外側において前記収容部を囲んで配置され、
前記歯部は、周方向一方向きを向く第1接触面を有し、
前記第2回転抑制部は、
前記第1筒部の径方向外側面から径方向外側に突出した接続部と、
前記接続部の径方向外端部から周方向に延びた第1腕部と、
前記第1腕部の周方向先端部から下側に突出した第1爪部と、
を有し、
前記第1腕部は、弾性変形可能であり、
前記第1爪部は、前記取付状態において前記第1接触面と接触し得る第2接触面を有する、請求項3に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項5】
前記第1腕部は、径方向に弾性変形可能である、請求項4に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項6】
前記第1回転抑制部は、前記油路ボディの上面から上側に突出する複数の歯部を有し、
前記複数の歯部は、前記収容部の径方向外側において周方向に沿って円環状に並んで配置され、
前記歯部は、周方向一方向きを向く第1接触面を有し、
前記第2回転抑制部は、前記第1筒部よりも下側に延びた第2腕部を有し、
前記第2腕部は、弾性変形可能であり、
前記第2腕部の先端部は、前記取付状態において前記第1接触面と接触し得る第2接触面を有する、請求項3に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項7】
前記第2腕部は、上下方向に弾性変形可能である、請求項6に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項8】
前記第1回転抑制部と前記第2回転抑制部とは、前記収容部に対する前記蓋体の周方向一方向きの回転を許容し、前記収容部に対する前記蓋体の周方向他方向きの回転を抑制するラチェット機構を構成する、請求項4から7のいずれか一項に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項9】
前記蓋体は、前記収容部の径方向内側に配置される第2筒部を有し、
前記収容部の前記締め部は、前記収容部の径方向内側面に設けられ、
前記蓋体の前記締め部は、前記第2筒部の径方向外側面に設けられている、請求項2に記載の油圧センサ取付構造。
【請求項10】
前記第1回転抑制部は、前記収容部の径方向外側面から径方向内側に窪む溝部を有し、
前記溝部は、周方向に延び、
前記蓋体は、前記第2筒部の上部から径方向外側に拡がるフランジ部を有し、
前記第2回転抑制部は、
前記フランジ部の径方向外端部から下側に延びた第3腕部と、
前記第3腕部の先端部から径方向内側に突出した第2爪部と、
を有し、
前記第2爪部は、前記取付状態において前記溝部に挿入されて引っ掛けられる、請求項9に記載の油圧センサ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧センサ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧センサを備える油圧制御装置が知られている。特許文献1では、油路が設けられたコントロールバルブに油圧センサが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−174991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような油圧センサをコントロールバルブに取り付ける方法としては、コントロールバルブの外部から油圧センサを取り付ける方法がある。そのような方法としては、例えば、油圧センサに雄ネジ部を設け、コントロールバルブに設けられた雌ネジ穴にコントロールバルブの外部から油圧センサの雄ネジ部を締め込む方法が挙げられる。
【0005】
ここで、油圧制御装置において油圧センサには、測定対象となるオイルから高圧力が加えられるため、油圧センサのコントロールバルブへの取付強度を十分に大きくする必要がある。これにより、上記のように油圧センサの雄ネジ部をコントロールバルブの雌ネジ穴に締め込む方法を用いる場合には、ネジ部同士が噛み合う長さを十分に長くする必要があり、油圧センサが大型化しやすい。したがって、油圧センサの取付強度を十分に確保するためには、油圧制御装置全体が大型化しやすい問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みて、油圧センサの取付強度を確保しつつ、油圧制御装置全体が大型化することを抑制できる油圧センサ取付構造を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の油圧センサ取付構造の一つの態様は、オイルが流れる油路を内部に有する油路
ボディに、前記油路内を流れるオイルの圧力を計測する油圧センサを取り付ける油圧セン
サ取付構造であって、前記油路ボディは、内部に前記油圧センサの少なくとも一部が収容
される収容部と、前記収容部の内部に露出し、前記油路と前記収容部の内部とを繋ぐ油圧
検出口と、を有し、前記収容部は、前記油圧センサを下側から支持する支持部を有し、前
記油圧センサは、センサ本体と、前記センサ本体を覆うセンサケースと、を有し、前記セ
ンサケースは、下面に前記油圧センサが前記油路ボディに取り付けられた状態において前
記油圧検出口と繋がる検出ポート部を有し、前記油圧センサ取付構造は、前記収容部と、
前記センサケースと、前記収容部の上側に配置される蓋体と、を備え、前記収容部と前記
蓋体とは、上下方向に延びる中心軸を中心とする周方向に相対的に回転することでそれぞ
れ互いに締め合わされる締め部を有し、前記蓋体を周方向一方向きに回転させて前記収容
部の前記締め部と前記蓋体の前記締め部とを互いに締め合わせることで、前記センサケー
スは、前記支持部と前記蓋体とに上下方向に挟持されて前記油路ボディに固定され、前記油路ボディは、第1回転抑制部を備え、前記蓋体は、前記収容部の径方向外側に配置される筒状の第1筒部と、前記第1回転抑制部に引っ掛けられる第2回転抑制部と、を有し、前記センサケースが前記支持部と前記蓋体とに上下方向に挟持されて前記油路ボディに固定された取付状態において、前記第1回転抑制部と前記第2回転抑制部とは、互いに引っ掛かり合って、前記収容部に対する前記蓋体の周方向他方向きの回転を抑制し、前記第1筒部の下端は、第1回転抑制部の上側に隙間を空けて配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、油圧センサの取付強度を確保しつつ、油圧制御装置全体が大型化することを抑制できる油圧センサ取付構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の油圧センサ取付構造を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態の油圧センサ取付構造を示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態の油圧センサ取付構造を上側から視た図である。
図4図4は、第1実施啓板の油圧センサ取付構造を示す図であって、図3におけるIV−IV断面図である。
図5図5は、第2実施形態の油圧センサ取付構造を示す斜視図である。
図6図6は、第2実施形態の油圧センサ取付構造を示す斜視図である。
図7図7は、第3実施形態の油圧センサ取付構造を示す斜視図である。
図8図8は、第3実施形態の油圧センサ取付構造を示す斜視図である。
図9図9は、第3実施形態の油圧センサ取付構造を示す図であって、図8におけるIX−IX断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図において示す中心軸Jは、上下方向に延びる仮想軸とする。以下の説明においては、中心軸Jと平行な方向を単に「軸方向(上下方向)」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、軸方向において、図1の上側を単に「上側」と呼び、図1の下側を単に「下側」と呼ぶ。なお、上側および下側は、単に説明のために用いられる名称であって、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
<第1実施形態>
図1から図4に示す本実施形態の油圧センサ取付構造30は、油圧制御装置のコントロールバルブ10に油圧センサ20を取り付ける。より詳細には、油圧センサ取付構造30は、コントロールバルブ10の油路ボディ11の上面11a側から油圧センサ20を取り付ける。図4に示すように、油路ボディ11は、オイルが流れる油路11bを内部に有する。油圧センサ20は、油路11b内を流れるオイルの圧力を計測する。油路ボディ11は、油路11bと繋がる油圧検出口12を有する。油圧検出口12は、後述する収容部50の内部に露出し、油路11bと収容部50の内部とを繋ぐ。油圧検出口12は、中心軸Jを中心とする円形状である。
【0012】
図1は、油圧センサ20が油路ボディ11に取り付けられる前の状態を示している。図2から図4は、油圧センサ取付構造30によって油圧センサ20が油路ボディ11に取り付けられた状態を示している。なお、以下、油圧センサ20が油路ボディ11に取り付けられる前の状態を「非取付状態」と呼び、油圧センサ取付構造30によって油圧センサ20が油路ボディ11に取り付けられた状態を「取付状態」と呼ぶ。油圧センサ取付構造30は、油路ボディ11が有する収容部50と、油圧センサ20のセンサケース40と、第1回転抑制部70と、蓋体60と、を備える。
【0013】
図1に示すように、収容部50は、中心軸Jを中心として油路ボディ11の上面11aから上側に突出する筒状である。収容部50は、例えば、円筒状である。収容部50は、上側に開口する。収容部50の内部には、取付状態において油圧センサ20の少なくとも一部が収容される。図4では、収容部50には、油圧センサ20の下部が収容されている。収容部50は、支持部51と、締め部としての雄ネジ部52と、を有する。
【0014】
支持部51は、油圧センサ20を下側から支持する部分である。本実施形態において支持部51は、収容部50の上端部である。図1に示すように、雄ネジ部52は、収容部50の径方向外側面に設けられている。雄ネジ部52は、収容部50の径方向外側面に沿って周方向に延びた螺旋状のネジ部である。雄ネジ部52は、雄ネジ部52に噛み合う後述する雌ネジ部67を、周方向における矢印θの向きに回転させた際に、雌ネジ部67が雄ネジ部52に対して下側に進むネジ部である。
【0015】
本実施形態において周方向における矢印θの向きは、周方向一方向きに相当する。また、周方向における矢印θの向きと逆の向きは、周方向他方向きに相当する。以下の説明においては、周方向における矢印θの向きを、単に「+θ向き」と呼び、周方向における矢印θの向きと逆の向きを、単に「−θ向き」と呼ぶ。
【0016】
図4に示すように、油圧センサ20は、センサケース40と、センサ本体21と、接続端子22と、ダイヤフラム23と、Oリング24と、を有する。センサケース40は、センサ本体21を覆う。センサケース40は、下側ケース40bと、上側ケース40aと、を有する。下側ケース40bは、軸方向両側に開口する筒状である。下側ケース40bの下端部は、外径が小さくなる小径部45である。小径部45は、下側に開口する。小径部45の内部は、取付状態において油圧検出口12と繋がる検出ポート部45aである。すなわち、センサケース40は、下面に検出ポート部45aを有する。下側ケース40bの上端部は、径方向外側に突出する下側被支持部41bである。
【0017】
上側ケース40aは、下側ケース40bの上端部に固定される。上側ケース40aは、上側に窪む皿状である。上側ケース40aは、下側ケース40bの上側の開口を覆っている。上側ケース40aの下端部は、径方向外側に突出する上側被支持部41aである。上側ケース40aと下側ケース40bとは、上側被支持部41aと下側被支持部41bとが軸方向に重ねて固定されることで、互いに固定されている。上側被支持部41aと下側被支持部41bとによって、径方向外側に突出する被支持部41が構成されている。
【0018】
上側ケース40aと下側ケース40bとの軸方向の間には、収容空間40cが設けられている。収容空間40cは、ダイヤフラム23によって軸方向に仕切られている。センサ本体21は、収容空間40cの上部内において上側ケース40aの下面に設置されている。収容空間40cの上部内には、圧力伝達用液が充填されている。取付状態においては、油圧検出口12と繋がった検出ポート部45aを介して、収容空間40cの下部にオイルが流入する。収容空間40cの下部に流入したオイルの圧力は、ダイヤフラム23および圧力伝達用液を介してセンサ本体21に加えられる。これにより、油路11b内のオイルの油圧をセンサ本体21によって計測できる。
【0019】
接続端子22は、上側ケース40aの上面から上側に突出している。接続端子22は、複数設けられている。図3に示すように、複数の接続端子22は、周方向に沿って並んで配置されている。図示は省略するが、接続端子22は、図示しない電源等の外部装置に接続され、外部装置とセンサ本体21とを電気的に接続する。
【0020】
第1回転抑制部70は、油路ボディ11に設けられている。図1に示すように、第1回転抑制部70は、径方向外側に突出する複数の歯部71を有する歯車状である。第1回転抑制部70は、収容部50の径方向外側において収容部50を囲んで配置されている。本実施形態において第1回転抑制部70は、収容部50の下端の外周面から径方向外側に突出している。第1回転抑制部70の下面は、油路ボディ11の上面11aと接続されている。
【0021】
複数の歯部71は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に並んで配置されている。図3に示すように、歯部71の軸方向に沿って視た形状は、鋸歯状である。歯部71は、+θ向きを向く第1接触面71aと、−θ向きを向く傾斜面71bと、を有する。第1接触面71aは、歯部71の+θ向き側の周方向端面である。傾斜面71bは、歯部71の−θ向き側の周方向端面である。第1接触面71aは、周方向と直交する平坦な面である。なお、第1接触面71aは、曲面等であってもよい。傾斜面71bは、径方向内側から径方向外側に向かうに従って+θ向き側に位置する。傾斜面71bは、径方向内側から径方向外側に向かって+θ向きに湾曲した曲面である。
【0022】
本実施形態において、第1回転抑制部70は、油路ボディ11と単一の部材として設けられている。なお、第1回転抑制部70は、油路ボディ11と別部材として設けられ、油路ボディ11の上面11aに固定されてもよい。
【0023】
図1に示すように、蓋体60は、下側に開口する有蓋の筒状である。蓋体60は、収容部50の上側に配置される。蓋体60は、例えば、樹脂製である。蓋体60は、第1筒部61と、蓋部62と、第2回転抑制部63と、を有する。第1筒部61は、中心軸Jを中心とする円筒状である。図4に示すように、第1筒部61の径方向内側面には、締め部としての雌ネジ部67が設けられている。すなわち、蓋体60は、雌ネジ部67を有する。雌ネジ部67は、第1筒部61の径方向内側面に沿って周方向に延びた螺旋状のネジ部である。雌ネジ部67は、雄ネジ部52と噛み合わされる。雌ネジ部67と雄ネジ部52とは周方向に相対的に回転することでそれぞれ互いに締め合わされる。蓋部62は、第1筒部61の上端部に接続されている。
【0024】
蓋部62は、蓋部62を軸方向に貫通する貫通孔62aを有する。貫通孔62aは、中心軸Jを中心とする円形状である。取付状態において、接続端子22は、貫通孔62aを介して蓋体60の外部に露出する。そのため、油圧センサ20を油路ボディ11に取り付けた後に、接続端子22に対して配線等を接続することができる。
【0025】
図1に示すように、第2回転抑制部63は、接続部64と、第1腕部65と、第1爪部66と、を有する。接続部64は、第1筒部61の径方向外側面から径方向外側に突出している。より詳細には、接続部64は、第1筒部61の下端における径方向外側面から径方向外側に突出している。第1腕部65は、接続部64の径方向外端部から周方向(−θ向き)に延びている。図3に示すように第1腕部65は、略四分円弧状である。第1腕部65は、歯部71の径方向外端部と軸方向に重なる。第1腕部65の径方向外端は、歯部71よりも径方向外側に配置される。第1腕部65は、径方向に弾性変形可能である。図4に示すように、第1腕部65の下面は、軸方向において、第1筒部61の下端と同じ位置に配置されている。
【0026】
図1に示すように、第1爪部66は、第1腕部65の周方向先端部、すなわち本実施形態では−θ向き側の端部から下側に突出している。第1爪部66は、第2接触面66aを有する。本実施形態において第2接触面66aは、第1爪部66の−θ向き側の周方向端面である。第2接触面66aは、周方向と直交する平坦な面である。なお、第2接触面66aは、曲面等であってもよい。
【0027】
図4に示すように、第1爪部66の下端は、第1筒部61の下端よりも下側に突出している。第2接触面66aは、取付状態において第1接触面71aと接触し得る。第1筒部61の径方向外側面のうち第1爪部66と径方向に隙間を介して対向する部分には、径方向内側に窪む凹部が設けられている。
【0028】
図3に示すように、本実施形態では第2回転抑制部63は、中心軸Jを径方向に挟んで一対設けられている。一対の第2回転抑制部63は、中心軸Jを中心とした回転対称に配置されている。
【0029】
まず、取付者は、収容部50に油圧センサ20を配置する。図1に示すように、取付者は、油圧センサ20を収容部50に対して上側から近づけ、油圧センサ20の下部を収容部50の内部に収容させる。図4に示すように、油圧センサ20の下部が収容部50の内部に収容された状態において、被支持部41は支持部51に上側から接触する。これにより、支持部51によって油圧センサ20が下側から支持される。Oリング24は、収容部50の径方向内側面と小径部45の径方向外側面とに挟まれて、径方向に圧縮弾性変形している。これにより、センサケース40と収容部50の径方向内側面との間がシールされ、油圧検出口12から収容部50の内部に流入したオイルが収容部50の外部に漏れることが抑制される。
【0030】
次に、取付者は、収容部50に対して上側から蓋体60を被せ、雌ネジ部67を雄ネジ部52に噛み合わせる。そして、取付者は、蓋体60を収容部50に対して+θ向きに回転させる。これにより、雄ネジ部52に対して雌ネジ部67が締め込まれていき、蓋体60が下側に移動する。取付者は、図4に示すように蓋部62がセンサケース40に上側から接触するまで、蓋体60を+θ向きに回転させて締め込む。本実施形態では、蓋部62が上側被支持部41aと接触する。これにより、被支持部41が蓋部62と支持部51とによって軸方向に挟持されて、センサケース40が収容部50に固定される。このように、蓋体60を+θ向きに回転させて収容部50の雄ネジ部52と蓋体60の雌ネジ部67とを互いに締め合わせることで、センサケース40は、支持部51と蓋体60とに軸方向に挟持されて油路ボディ11に固定される。
【0031】
以上のようにして、取付者は、油圧センサ取付構造30によって、油圧センサ20を油路ボディ11に取り付けることができる。取付状態において第1筒部61は、収容部50の径方向外側に配置される。第1筒部61の下端は、第1回転抑制部70の上側に隙間を空けて配置される。
【0032】
本実施形態によれば、収容部50の締め部としての雄ネジ部52と、蓋体60の締め部としての雌ネジ部67と、を締め合せて支持部51と蓋体60とで油圧センサ20を挟持することで、油圧センサ20を油路ボディ11に対して強固に固定できる。また、雄ネジ部52を有する収容部50の内部に油圧センサ20の少なくとも一部が収容される。そのため、例えば、油圧センサ20の下端から下側に延びた雄ネジ部を設けるような場合に比べて、油圧センサ取付構造30全体を軸方向に小型化できる。これにより、雄ネジ部52と雌ネジ部67との噛み合う軸方向の寸法を十分な強度が得られる程度に確保しつつ、油圧センサ取付構造30が軸方向に大型化することを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、油圧センサ20の取付強度を確保しつつ、油圧制御装置全体が大型化することを抑制できる油圧センサ取付構造30が得られる。
【0033】
本実施形態では、収容部50が油路ボディ11の上面11aから上側に突出する筒状である。そのため、例えば、収容部が油路ボディ11の上面11aから下側に窪む穴部であるような場合に比べて、油路ボディ11における収容部が設けられた部分以外の部分の厚みを小さくできる。
【0034】
図4に示すように、取付状態においては、第1爪部66の下端が第1回転抑制部70の上面よりも下側に配置される。これにより、図2および図3に示すように、第1爪部66が、周方向に隣り合う歯部71同士の間に挿入され、歯部71に引っ掛けられる。すなわち、第2回転抑制部63が第1回転抑制部70に引っ掛けられる。センサケース40が支持部51と蓋体60とに軸方向に挟持されて油路ボディ11に固定された取付状態において、第1回転抑制部70と第2回転抑制部63とは、互いに引っ掛かり合って、収容部50に対する蓋体60の−θ向きの回転を抑制する。そのため、オイルから加えられる油圧および油振等によって雄ネジ部52と雌ネジ部67との締め込みが緩むことを抑制できる。これにより、油圧センサ20を強固に固定した状態を好適に維持することができる。図4に示すように、取付状態において、第1爪部66は、油路ボディ11の上面11aの上側に隙間を空けて配置される。
【0035】
図3に示すように、第1爪部66は、第2接触面66aが第1接触面71aと周方向に対向して、歯部71に引っ掛けられる。そのため、蓋体60を−θ向きに回転させようとすると、第2接触面66aが第1接触面71aに接触し、蓋体60の−θ向きの回転が抑制される。
【0036】
一方で、第1接触面71aは+θ向きを向くため、取付状態にするまでの間において蓋体60を+θ向きに回転させる際には、第2接触面66aが第1接触面71aに接触しない。これにより、取付状態にするまでの間において蓋体60を+θ向きに回転させる際には、第1接触面71aによって回転が抑制されない。また、第1腕部65が弾性変形可能なため第1爪部66が歯部71と接触した際に第1腕部65が弾性変形し、第1爪部66が歯部71に引っ掛かることを抑制しやすい。これにより、蓋体60の−θ向きの回転を抑制しつつ、蓋体60を+θ向きには回転させやすくできる。
【0037】
特に、本実施形態においては、第1腕部65は径方向に弾性変形可能なため、蓋体60を+θ向きに回転させる際に第1爪部66が歯部71に接触すると、第1爪部66が径方向外側に押されて第1腕部65が径方向外側に弾性変形する。そして、第1爪部66が歯部71よりも径方向外側に弾性変位して、歯部71を+θ向きに乗り越える。これにより、蓋体60を+θ向きの回転させることができる。本実施形態では、歯部71の−θ向き側の面が、径方向内側から径方向外側に向かうに従って+θ向きに位置する傾斜面71bなため、第1爪部66が傾斜面71bに沿って径方向外側に移動しやすい。そのため、蓋体60を+θ向きに回転させる際に、第1爪部66が歯部71をより乗り越えやすい。したがって、蓋体60をより+θ向きに回転させやすい。
【0038】
以上のように、本実施形態では、第1回転抑制部70と第2回転抑制部63とは、収容部50に対する蓋体60の+θ向きの回転を許容し、収容部50に対する蓋体60の−θ向きの回転を抑制するラチェット機構を構成する。そのため、雄ネジ部52と雌ネジ部67とをより締め込みやすく、雄ネジ部52と雌ネジ部67との締め込みが緩むことをより好適に抑制できる。
【0039】
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。以下の説明において上記説明と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
【0040】
<第2実施形態>
図5は、本実施形態の油圧センサ取付構造130によって油圧センサ20が取り付けられる前の非取付状態を示す。図6は、本実施形態の油圧センサ取付構造130によって油圧センサ20が取り付けられた取付状態を示す。
【0041】
図5に示すように、本実施形態の油圧センサ取付構造130において第1回転抑制部170は、油路ボディ11の上面11aから上側に突出する複数の歯部171を有する。複数の歯部171は、収容部50の径方向外側において周方向に沿って円環状に並んで配置されている。本実施形態では、歯部171の径方向内側面は、収容部50の径方向外側面と接続されている。
【0042】
歯部171は、+θ向きを向く第1接触面171aと、−θ向きを向く傾斜面171bと、を有する。第1接触面171aは、周方向と直交する面に対して−θ向き側に傾いた上側を向く傾斜面である。傾斜面171bは、周方向と直交する面に対して+θ向き側に傾いた上側を向く傾斜面である。周方向と直交する面に対する第1接触面171aの傾きは、周方向と直交する面に対する傾斜面171bの傾きよりも小さい。第1接触面171aおよび傾斜面171bは、平坦な面である。なお、第1接触面171aおよび傾斜面171bは、曲面等であってもよい。
【0043】
蓋体160において第1筒部161の上端部161aは、正六角筒状である。そのため、例えば、スパナを上端部161aに嵌めて回転させることで、蓋体160を容易に回転させることができる。これにより、雄ネジ部52と雌ネジ部67とをより強固に締め込みやすい。
【0044】
第2回転抑制部163は、第1筒部161よりも下側に延びた第2腕部165を有する。第2腕部165は、第1筒部161の下端から下側斜め−θ向きに延びている。第2腕部165は、角柱状である。第2腕部165は、軸方向に弾性変形可能である。図示は省略するが、第2回転抑制部163は、中心軸Jを径方向に挟んで一対設けられている。一対の第2回転抑制部163は、中心軸Jを中心として回転対称に配置されている。
【0045】
図6に示すように、第2腕部165の先端部は、取付状態において第1接触面171aと接触し得る第2接触面165aを有する。そのため、第1実施形態と同様に、取付状態において、蓋体160を−θ向きに回転させようとすると、第2接触面165aが第1接触面171aと接触して、蓋体160の−θ向きの回転が抑制される。一方、蓋体160を+θ向きに回転させる際には、第2腕部165が弾性変形して、歯部171を乗り越える。そのため、蓋体160を+θ向きに回転させやすい。
【0046】
本実施形態では、第2腕部165は、軸方向に弾性変形可能なため、蓋体160が+θ向きに回転される際、歯部171の傾斜面171bと接触することで、上側に弾性変形する。これにより、第2腕部165が歯部171を乗り越え、蓋体160の+θ向きの回転が許容される。このように、本実施形態においても、第1回転抑制部170と第2回転抑制部163とは、収容部50に対する蓋体160の+θ向きの回転を許容し、収容部50に対する蓋体160の−θ向きの回転を抑制するラチェット機構を構成する。
【0047】
第2接触面165aは、第2腕部165が延びる方向と直交する平坦な面である。周方向に直交する平面に対する第2接触面165aの傾きは、周方向に直交する平面に対する第1接触面171aの傾きと同じである。そのため、第1接触面171aと第2接触面165aとが接触する際、第1接触面171aと第2接触面165aとは互いに平行である。これにより、第1接触面171aによって第2接触面165aを受け止めやすく、蓋体160の−θ向きの回転をより抑制できる。
【0048】
また、本実施形態では、第2接触面165aは、第2腕部165の延びる方向と直交する。そのため、第2接触面165aが第1接触面171aに押し付けられた際、第2接触面165aは、第2腕部165が延びる方向に反力を受ける。したがって、第2腕部165によって、第2接触面165aに加えられる反力を受け止めやすい。これにより、第2腕部165が破損することを抑制できる。なお、第2接触面165aは、曲面等であってもよい。
【0049】
<第3実施形態>
図7は、本実施形態の油圧センサ取付構造230によって油圧センサ20が取り付けられる前の非取付状態を示す。図8および図9は、本実施形態の油圧センサ取付構造230によって油圧センサ20が取り付けられた取付状態を示す。
【0050】
図7に示すように、本実施形態の油圧センサ取付構造230において収容部250は、締め部としての雌ネジ部252を有する。雌ネジ部252は、収容部250の径方向内側面に設けられている。雌ネジ部252は、収容部50の径方向内側面に沿って周方向に延びた螺旋状のネジ部である。
【0051】
図9に示すように、収容部250において支持部251は、収容部250の径方向内側面に設けられ、径方向内側に突出している。支持部251は、中心軸Jを中心とする円環状である。支持部251は、収容部250の径方向内側面の下部に設けられ、油路ボディ11の上面11aと接続されている。支持部251が設けられることで、収容部250の径方向内側面には、上側から下側に向かって内径が小さくなる段差部が設けられている。雌ネジ部252は、収容部250の径方向内側面において支持部251よりも上側の部分に設けられている。
【0052】
第1回転抑制部270は、収容部250の径方向外側面から径方向内側に窪む溝部271を有する。図7および図8に示すように、溝部271は、周方向に延びた円環状である。溝部271は、収容部250の上部に配置されている。図9に示すように、周方向と直交する断面における溝部271の内側面の形状は、矩形を構成する辺のうちの3辺を構成し径方向外側に開口する形状である。溝部271の内側面のうち上側の面と下側の面とは、円環状の平坦な面である。なお、溝部271の内側面のうち上側の面と下側の面とは、曲面等であってもよい。また、溝部271は、周方向に延びていれば、円環状でなくてもよい。この場合、溝部271は、周方向に沿って複数設けられていてもよい。
【0053】
図7に示すように、蓋体260は、第2筒部261と、フランジ部268と、第2回転抑制部263と、を有する。第2筒部261は、中心軸Jを中心とする円筒状である。第2筒部261は、軸方向両側に開口している。図8および図9に示すように、第2筒部261は、取付状態において、収容部250の径方向内側に配置される。図7に示すように、第2筒部261の径方向外側面には、締め部としての雄ネジ部267が設けられている。すなわち、蓋体260は、雄ネジ部267を有する。雄ネジ部267は、第2筒部261の径方向外側面に沿って周方向に延びた螺旋状のネジ部である。
【0054】
フランジ部268は、第2筒部261の上部から径方向外側に拡がっている。より詳細には、フランジ部268は、第2筒部261の上端から径方向外側に拡がっている。フランジ部268は、中心軸Jを中心とする環状である。フランジ部268の軸方向に沿って視た外形は、角丸の正六角形状である。そのため、例えば、スパナをフランジ部268に嵌めて回転させることで、蓋体260を容易に回転させることができる。図9に示すように、フランジ部268は、取付状態において、第2筒部261の上端に接触する。
【0055】
第2回転抑制部263は、第3腕部265と、第2爪部266と、を有する。第3腕部265は、フランジ部268の径方向外端部から下側に延びている。第3腕部265は、取付状態において、第2筒部261よりも径方向外側に配置される。第3腕部265は、径方向に弾性変形可能である。第2爪部266は、第3腕部265の先端部、すなわち下端部から径方向内側に突出している。第2爪部266の上面は、軸方向と直交する平坦な面である。第2回転抑制部263は、中心軸Jを径方向に挟んで一対設けられている。なお、第2爪部266の上面は、曲面等であってもよい。
【0056】
まず、取付者は、収容部250に油圧センサ20を配置する。本実施形態では、取付者は、油圧センサ20の全体を収容部250の内部に収容させる。油圧センサ20が収容部250の内部に収容された状態において、被支持部41は収容部250の内部において支持部251に上側から接触する。これにより、支持部251によって油圧センサ20が下側から支持される。油圧センサ20の下部は、支持部251の径方向内側に配置される。
【0057】
次に、取付者は、収容部250の内部に蓋体260の第2筒部261を挿入させ、雄ネジ部267を雌ネジ部252に噛み合わせる。そして、取付者は、蓋体260を収容部250に対して+θ向きに回転させる。これにより、雌ネジ部252に対して雄ネジ部267が締め込まれていき、蓋体260が下側に移動する。取付者は、第2筒部261がセンサケース40に上側から接触するまで、蓋体260を+θ向きに回転させて締め込む。本実施形態では、第2筒部261の下端が被支持部41と接触する。これにより、被支持部41が第2筒部261と支持部251とによって軸方向に挟持されて、センサケース40が収容部250に固定される。以上のようにして、取付者は、油圧センサ取付構造230によって、油圧センサ20を油路ボディ11に取り付けることができる。
【0058】
図8に示すように、本実施形態において第2爪部266は、取付状態において溝部271に挿入されて引っ掛けられる。すなわち、第1回転抑制部270に第2回転抑制部263が引っ掛けられる。そのため、蓋体260が収容部250に対して−θ向きに回転して上側に移動しようとすると、第2爪部266の上面が溝部271の上側の内側面に接触する。これにより、蓋体260が収容部250に対して上側に移動することが抑制される。したがって、蓋体260が収容部250に対して−θ向きに回転することを抑制でき、雌ネジ部252と雄ネジ部267との締め込みが緩むことを抑制できる。
【0059】
第2爪部266が溝部271よりも上側に位置する場合、第2爪部266が収容部250の径方向外側面と接触して径方向外側に押される。そのため、第3腕部265は、径方向外側に弾性変形した状態となる。雌ネジ部252に雄ネジ部267が締め込まれることで蓋体260が下側に移動して、第2爪部266が軸方向において溝部271と同じ位置になると、第3腕部265は、径方向内側に復元変形する。これにより、第2爪部266が溝部271に挿入される。このように、本実施形態では、第2回転抑制部263は、スナップフィットによって第1回転抑制部270に引っ掛けられる。
【0060】
なお、上記の各実施形態において締め部は螺旋状のネジ部としたが、これに限られない。締め合わされる各締め部は、周方向に相対的に回転することで互いに締め合わされるのであれば、特に限定されない。例えば、締め部は、一方が溝で、他方が溝に挿入される凸部であってもよい。この場合、溝は、全体が螺旋状であってもよいし、一部が螺旋状であってもよい。また、溝は、例えば、軸方向に延びた直線部分と、直線部分の下端に設けられた周方向に延びた部分とで構成されてもよい。この場合、直線部分の上端から溝に凸部を挿入して直線部分の下端まで下側に移動させた後、凸部を周方向に回転させることで、締め部としての溝と凸部とを締め合せることができる。
【0061】
また、上記の各実施形態において、第2回転抑制部は、1つのみ設けられてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。また、複数の第2回転抑制部は、中心軸Jを中心として非回転対称に配置されていてもよい。
【0062】
また、上記の各実施形態において、第1回転抑制部および第2回転抑制部は設けられていなくてもよい。また、収容部は、油路ボディ11の上面11aから突出していなくてもよい。収容部は、例えば、上面11aに設けられた下側に窪む穴であってもよい。
【0063】
上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0064】
11…油路ボディ、11b…油路、12…油圧検出口、20…油圧センサ、21…センサ本体、30,130,230…油圧センサ取付構造、40…センサケース、45a…検出ポート部、50,250…収容部、51,251…支持部、52…雄ネジ部(収容部の締め部)、60,160,260…蓋体、61,161…第1筒部、63,163,263…第2回転抑制部、64…接続部、65…第1腕部、66…第1爪部、66a,165a…第2接触面、67…雌ネジ部(蓋体の締め部)、70,170,270…第1回転抑制部、71,171…歯部、71a,171a…第1接触面、165…第2腕部、252…雌ネジ部(収容部の締め部)、261…第2筒部、265…第3腕部、266…第2爪部、267…雄ネジ部(蓋体の締め部)、268…フランジ部、271…溝部、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9