特許第6834587号(P6834587)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6834587
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 7/00 20160101AFI20210215BHJP
   G07D 7/12 20160101ALI20210215BHJP
【FI】
   G07D7/00 D
   G07D7/12
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-34329(P2017-34329)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-142047(P2018-142047A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 司
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−270698(JP,A)
【文献】 特開2011−184124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 7/00 − 7/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路上の前記媒体の有無を検出する搬送監視センサと、
前記搬送路に対して前記媒体の搬送方向と直交する直交方向に複数の受光素子が配設され、前記媒体の画像情報を取得するセンサ部と、
前記複数の受光素子のうち、前記搬送監視センサと前記直交方向における同一位置に配設される受光素子から前記媒体の画像情報を前記媒体の有無を示す有無情報として取得し、該取得した有無情報と前記搬送監視センサによる検出情報とに基づいて、該媒体の搬送を制御する制御部と
を備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動取引装置であって、
前記搬送監視センサは、前記媒体の搬送方向に沿って、前記センサの前後に配設される第1搬送監視センサ、及び第2搬送監視センサであり、
前記第1搬送監視センサと前記センサとの間隔と、前記センサと前記第2搬送監視センサとの間隔とは等しい
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路上の前記媒体の有無を検出する搬送監視センサと、
前記搬送路に対して前記媒体の搬送方向と直交する直交方向に複数のセンサが配設され、前記媒体の情報を取得するセンサ部と、
前記複数のセンサのうち、前記搬送監視センサと前記直交方向における同一位置に配設されるセンサから前記媒体の情報を搬送情報として取得し、前記搬送監視センサと該取得した搬送情報とに基づいて、該媒体の搬送を制御する制御部とを備え、
前記搬送監視センサは、前記媒体の搬送方向に沿って、前記センサの前後に配設される第1搬送監視センサ、及び第2搬送監視センサであり、
前記第1搬送監視センサと前記センサとの間隔と、前記センサと前記第2搬送監視センサとの間隔とは等しい
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項4】
請求項に記載の自動取引装置であって、
前記センサは、ラインセンサの画素に対応する受光素子、及び厚みセンサの何れか一方又は双方である
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の自動取引装置であって、
前記搬送監視センサは、前記媒体の搬送方向に沿って、複数備えられており、
任意の前記搬送監視センサと隣接する搬送監視センサとの間隔は、前記第1搬送監視センサと前記センサとの間隔に等しい
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項6】
請求項に記載の自動取引装置であって、
前記制御部は、前記間隔前記媒体の搬送速度で除した搬送時間を自然数で除した周期で、前記センサから前記媒体の情報を逐次取得する
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の自動取引装置であって、
前記搬送監視センサは、発光素子及び受光素子の対が前記直交方向であって、前記媒体の搬送面内に複数配設されて構成されている
ことを特徴とする自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関し、例えば、媒体を搬送制御する媒体制御手段に関する。
【背景技術】
【0002】
現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)等の自動取引装置は、入出金口と、紙幣を金種別に格納する紙幣収納庫との間を搬送する搬送路と、紙幣の金種を識別し、真偽を鑑別する紙幣鑑別装置とを備えている。
【0003】
特許文献1は、前端部、及び後端部に設けた侵入検知センサと、光学センサとを備えた紙幣鑑別装置を開示している。また、特許文献1に記載の紙幣鑑別装置は、進入検知センサを省略し、光学センサで侵入検知センサの機能を兼用している。特許文献2は、紙幣部と、紙幣の走行を監視する走行監視センサを搬送方向に複数配設した搬送路とを備えた自動取引装置を開示している。この走行監視センサは、発光素子及び受光素子を紙幣の搬送方向の左右両側に設けたものであり、斜行や連鎖等の走行異常を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−221219号公報(段落0018)
【特許文献2】特開平8−194861号公報(段落0035,0083,0084)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の紙幣鑑別装置は、光学センサが装置内部に侵入する媒体を検出し、装置内部の制御部が鑑別のタイミング制御を行うように構成されている。しかしながら、自動取引装置は、特許文献1に記載の侵入検知センサ(進入監視センサ)の他にも、特許文献2のように、複数の走行監視センサを配設している。特許文献1,2は、この走行監視センサ(搬送監視センサ)の削減を意図したものではない。
【0006】
本発明は、搬送監視センサを削減させることができる自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1発明の自動取引装置は、媒体を搬送する搬送路(例えば、走行路13)と、前記搬送路上の前記媒体の有無を検出する搬送監視センサと、前記搬送路に対して前記媒体の搬送方向と直交する直交方向に複数の受光素子(37)が配設され、前記媒体の画像情報を取得するセンサ部(判別用センサ110)と、前記複数の受光素子のうち、前記搬送監視センサと前記直交方向における同一位置に配設される受光素子から前記媒体の画像情報を前記媒体の有無を示す有無情報として取得し、該取得した搬送情報と前記搬送監視センサによる検出情報とに基づいて、該媒体の搬送を制御する制御部とを備えることを特徴とする。また、第2発明の自動取引装置は、媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路上の前記媒体の有無を検出する搬送監視センサと、前記搬送路に対して前記媒体の搬送方向と直交する直交方向に複数のセンサ(例えば、ラインセンサ35の画素の受光素子37、厚みセンサ33)が配設され、前記媒体の情報を取得するセンサ部と、前記複数のセンサのうち、前記搬送監視センサと前記直交方向における同一位置に配設されるセンサから前記媒体の情報を搬送情報として取得し、前記搬送監視センサと該取得した搬送情報とに基づいて、該媒体の搬送を制御する制御部とを備え、前記搬送監視センサは、前記媒体の搬送方向に沿って、前記センサ部の前後に配設される第1搬送監視センサ、及び第2搬送監視センサであり、前記第1搬送監視センサと前記センサ部との間隔と、前記センサ部と前記第2搬送監視センサとの間隔とは等しいことを特徴とする。なお、( )内の符号は例示である。
【0008】
これによれば、制御部は、媒体の搬送方向と直交する直交方向について、搬送監視センサと同一位置に配設する受光素子から、前記媒体の有無を示す有無情報を取得する。このため、自動取引装置は、搬送監視センサを削減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送監視センサを削減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態である自動取引装置の構成図である。
図2】自動取引装置の外観図である。
図3】走行路の判別用センサ周辺を示す側面図である。
図4】光学センサと走行監視センサとの関係を示す側面図である。
図5】光学センサと走行監視センサとの関係を示す平面図である。
図6】光学センサの受光部の平面図、及び正面図である。
図7】光学センサによる走行監視を説明する説明図である。
図8】紙幣の斜行時における、受光部の出力信号を説明する説明図である。
図9】判別センサ制御部の動作を説明するフローチャートである。
図10】鑑別制御部の動作を説明するフローチャートである。
図11】搬送制御部の動作を説明するフローチャートである。
図12】紙幣取扱部の側面図である。
図13】走行路全体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0012】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態である自動取引装置の構成図であり、図2は、自動取引装置の外観図である。
自動取引装置1000は、紙幣取扱部100と、カードユニット220と、帳票発行部230と、テンキー7と、制御装置300と、操作表示部6とを備えるATM(Automated Teller Machine)である。なお、自動取引装置1000は、図2の外観図に示すように、カード入出金口4、操作表示部6、テンキー7、取引票口8、及び入出金口5とで接客部3を構成し、紙幣取扱部100と制御装置300とは、本体筐体2の下部に収納されている。
【0013】
紙幣取扱部100(図1)は、搬送路としての走行路13と、走行路13を制御する制御部11とを備える。
走行路13は、センサ部としての判別用センサ30と、搬送監視センサとしての走行監視センサ24と、モータ45とを有し、入出金部12から紙幣収納部としてのリサイクル部17まで媒体としての紙幣BLを搬送し、リサイクル部17で金種毎に格納する。
【0014】
判別用センサ30は、光学センサ35と、厚みセンサ33と、磁気センサ34とを備える。光学センサ35は、ラインセンサを備え、紙幣BLの表面画像、裏面画像、及び透過画像を撮像するものである。厚みセンサ33は、紙幣BLの厚みを検出し、紙幣BLの真偽や重走を検出するものである。磁気センサ34は、紙幣BLの偽造防止のために印刷されている磁気インクを検出するものである。磁気センサ34は、図示しないA/D変換回路を含み、そのA/D変換回路は、A/D変換された磁気情報を所定時間、一時記憶する機能を有する。厚みセンサ33、及び磁気センサ34は、紙幣BLの搬送方向に対して幅方向(左右方向)に複数チャネル備えられている。
【0015】
走行監視センサ24は、走行路13に等間隔Lで、搬送方向に沿って、複数箇所に設けられており、紙幣BLの重走や斜行の搬送異常を検出する。また、図3に示すように、光学センサ35の直前、直後に設けた走行監視センサ24(24aa,24ab,24ba,24bb)は、受光部35Baとの距離が間隔Lに等しく設定されている。これは、本実施形態の光学センサ35が走行監視センサ24の役割を担うからであり、詳細は後記する。
【0016】
リサイクル部17は、入出金部12に入金された紙幣BLを金種毎に格納し、格納された紙幣BLを出金用にリサイクルする紙幣収納庫である。入出金部12は、入出金口5(図2)に入金された紙幣BLを走行路13に操り出し、走行路13から繰り出される紙幣BLを出金する機構部である。モータ45は、搬送ローラ32(32a,32b,32c)(図3)を駆動させる電動機である。
【0017】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)であり、ROM(Read Only Memory)に格納されたプログラムを実行することにより、判別用センサ制御部110と、搬送制御部120と、鑑別制御部130と、通信制御部140との機能を実現する。本実施形態は、判別用センサ30と、その判別用センサ30を用いて紙幣BLの真偽を判定する制御部とを備えた鑑別ユニットを想定していない。つまり、本実施形態の制御部11は、紙幣取扱部100の搬送を制御すると共に、紙幣BLの金種を識別し、真偽を鑑別する。
【0018】
判別用センサ制御部110は、判別用センサ30を制御する機能部であり、走行監視情報抽出部111と、紙幣画像抽出部112とを備える。走行監視情報抽出部111は、光学センサ35が検出した輝度情報(ライン情報)から、走行監視センサ24と同一位置(搬送方向に対して直交する直交方向としての、幅方向(左右方向)における同一位置)の情報(走行監視情報)を抽出する機能部である。紙幣画像抽出部112は、光学センサ35が検出したライン情報を用いて、搬送中の紙幣BLの画像情報を抽出する機能部である。
【0019】
搬送制御部120は、走行監視センサ24を制御し、走行監視センサ24の情報、及び走行監視情報抽出部111が抽出した走行監視情報を用いて、モータ45や、搬送経路を切り替える切替ブレードを制御する。
【0020】
走行監視センサ24の等間隔Lな配設によって、制御部11は、例えば、間隔Lを搬送速度Vで除した搬送時間を、さらに自然数nで除した時間T=L/(V・n)で周期的に走行監視センサ24が検出した監視情報を取り込むことで、紙幣BLの搬送異常を効率良く検出することができる。
【0021】
鑑別制御部130は、厚みセンサ33の厚み情報、及び磁気センサ34の磁気情報、及び紙幣画像抽出部112が抽出した紙幣BLの画像情報(表面画像、裏面画像、及び透過画像の情報)を用いて、紙幣BLの金種を識別し、真偽を鑑別する機能部である。
【0022】
通信制御部140は、制御装置300とのインタフェースを司る機能部であり、ハードウェアを介して制御装置300から制御されると共に、鑑別結果を制御装置300に送信制御する。
【0023】
カードユニット220は、カード入出金口4に挿入されたICカードや磁気カードの内容を取り込む機構部である。帳票発行部230は、帳票を印刷・発行する印刷部であり、取引票口8を備える。テンキー7は、暗証番号を入力するPINPAD(Personal Identification Number PAD)である。
【0024】
制御装置300は、OS(Operating System)を備えた制御用コンピュータであり、紙幣取扱部100、帳票発行部230、カードユニット220等の各部を制御し、取引を実行する。操作表示部6は、制御装置300に接続され、取引画面を表示する。
【0025】
図3は、走行路の判別用センサ周辺を示す側面図である。
走行路13は、鑑別搬送路14を含み、その前後の搬送ローラ41,42を介して、他の機構部に接続される。鑑別搬送路14は、走行路13の内、判別用センサ30を用いて紙幣BLの鑑別を行う部分である。つまり、鑑別搬送路14は、搬送面U1に沿って、前側から順に搬送ローラ32a、磁気センサ34、搬送ローラ32b、光学センサ35、搬送ローラ32c、厚みセンサ33、及び搬送ローラ32dが配設されている。
【0026】
光学センサ35は、搬送面U1を挟んで、同様の構成の上部ユニット35Aと下部ユニット35Bとを備え、紙幣BLの表面画像、裏面画像、及び透過画像を撮像することができるように構成されている。上部ユニット35Aは、紙幣BLの搬送方向に対して垂直方向に設定された線状光源としての発光部35Aaを備える。下部ユニット35Bは、発光部35Aaの対向側に配設された受光部35Baとを備えて構成される。受光部35Baは、ラインセンサであり、画素に対応する受光素子37(図6(b))を複数備える。受光部35Baは、複数の受光素子37が出力する輝度情報(ライン情報)を時系列信号として出力する。
【0027】
発光部35Aaは、搬送方向に垂直な線状光源であり、赤(R)、緑(G)、青(B)、赤外を交互に瞬時発光するように構成されている。受光部35Baは、複数のシリンドリカルレンズ36(図6(b))、及び複数のセンサとしての受光素子37(図6(b))が搬送方向に対して垂直に配列されているラインセンサである。受光部35Baは、発光部35Aaが点灯しているときに、複数の受光素子37を線状にスキャンするように構成されている。
【0028】
厚みセンサ33は、上搬送ガイド13Aに対し回動可能に支持された可動ホルダ33Aと、可動ホルダ33Aにより回転可能に支持された可動ローラ33Bと、下搬送ガイド13Bに取り付けられ上下方向に移動しない固定ローラ33Cと、可動ホルダ33Aの変位を検出する変位センサ(図示せず)とを備えて構成されている。
【0029】
磁気センサ34、及び厚みセンサ33は、搬送方向に対して幅方向(左右方向)に複数、配設されている。複数の磁気センサ34は、磁気インクの箇所が紙幣BLに応じて異なることに対応するために設けられており、複数の厚みセンサ33は、紙幣BLの斜行の検出を行うために設けられている。搬送ローラ32a,32b,32c,32dは、搬送面の上下に設けられており、紙幣BLを狭持している。
【0030】
走行路13の第1搬送前部21Aは、搬送ローラ41と、走行監視センサ24aa,24abとを備える。走行路13の第1搬送後部21Bは、搬送ローラ42と、走行監視センサ24ba,24bbとを備える。走行監視センサ24aa,24abと、発光部35Aa、及び受光部35Baとの間隔Lは、走行監視センサ24ba,24bbと、発光部35Aa、及び受光部35Baとの間隔Lと等しく設定されている。また、判別用センサ制御部110(図1)は、受光部35Baが出力する時系列的なライン情報を用いて、走行監視センサ24と同一位相の情報を抽出する。これにより、光学センサ35は、走行監視センサ24の役割を担うことができる。
【0031】
図4は、光学センサと走行監視センサとの関係を示す側面図である。
走行路13は、鑑別搬送路14を有し、鑑別搬送路14の内部に発光部35Aa、及び受光部35Baが紙幣BLの搬送面を介して対向している。また、走行路13は、鑑別搬送路14の前方に走行監視センサ24aa,24abを備え、鑑別搬送路14の後方に走行監視センサ24ba,24bbを備えている。
【0032】
走行監視センサ24aa,24baは、発光素子であり、走行監視センサ24ab,24bbは、受光素子である。走行監視センサ24aa,24baと、走行監視センサ24ba,24bbとは、紙幣BLの搬送面U1を介して、対向配置されて発光・受光ペアを構成している。これにより、制御部11(図1)は、紙幣BLが走行監視センサ24を通過したことを検出することができる。また、搬送監視センサ24aa,24abと、発光部35Aa、及び受光部35Baとの間隔Lは、走行監視センサ24ba,24bbと、発光部35Aa、及び受光部35Baとの間隔Lと等しく設定されている。
【0033】
図5は、光学センサと走行監視センサとの関係を示す平面図である。
走行路13は、鑑別搬送路14を含み、鑑別搬送路14の内部に光学センサ35の受光部35Baが搬送方向に対して垂直に配設されている。また、走行路13は、鑑別搬送路14の前方に、発光用の走行監視センサ24aa,24acを備え、後方に、発光用の走行監視センサ24ba,24bcを備えている。なお、発光用の走行監視センサ24aa,24ac,24ba,24bcは、搬送面U1(図4)の対向側に受光用の走行監視センサ24ab,24ad(図示せず),24bb,24bd(図示せず)が対向している。つまり、搬送監視センサ24は、発光素子、及び受光素子の対が搬送方向に対して幅方向(左右方向)に複数配設されて構成されている。言い換えれば、搬送監視センサ24は、発光素子及び受光素子の対が紙幣BLの搬送方向と直交する直交方向であって、紙幣BLの搬送面内に複数配設されて構成されている。
【0034】
また、走行監視センサ24は、走行路13の中心軸に対して線対称の関係になるように、発光用の走行監視センサ24aa,24baと、発光用の走行監視センサ24ac,24bcとが配設されている。つまり、走行監視センサ24aa,24baは、走行路13の左側に配設されており、走行監視センサ24ac,24bcは、走行路13の右側に配設されている。走行監視センサ24aa,24acの幅dは、走行監視センサ24ba,24bcの幅dに等しく設定されている。この幅dは、長手方向の最も短い紙幣BLが搬送路の左端や右端に寄ったときであっても、2つの走行監視センサ24aa,24acが紙幣BLを検知可能な長さに設定されている。
【0035】
図4,5において、走行監視センサ24は、紙幣BLが正常に搬送されると、左右の受光用の走行監視センサ24abと図示しない受光用の走行監視センサ24adとで、ほぼ同時に光を受光しなくなる。その後、紙幣BLの搬送方向の長さと搬送速度Vとの積によって決まる時間が経過すると、左右の受光用の走行監視センサ24ab,24acは、ほぼ同時に光を受光するようになる。
【0036】
また、紙幣BLが連続搬送している場合、所定の時間が経過すると、次の紙幣BLによって、受光用の走行監視センサ24ab,24adが受光する光が遮られる。
【0037】
また、制御部11は、左右の受光用の走行監視センサ24ab,24adが光を受光していない時間(紙幣BLの通過時間)から、紙幣BLの搬送方向の長さ(短手方向の長さ)を演算することができる。これにより、制御部11は、演算長さが設定値と異なっていれば、折れや切れが発生している異常紙幣であると判別することができる。さらに、制御部11は、光を受光していない左右の受光用の走行監視センサ24ab,24adが光を受光してから再度、光を受光しなくなるまでの時間から、連続搬送される紙幣BLの間隔を演算することができる。これにより、制御部11は、所定の間隔より短い間隔であると、連鎖が発生している異常走行紙幣であると判別することができる。
【0038】
図5において、紙幣BLの右が先に鑑別搬送路14に進入するように斜行して搬送されるとする。受光用の走行監視センサ24ac,24adが紙幣BLの進入を先に検知し、走行監視センサ24aa,24abが後から紙幣BLの進入を検知する。また、鑑別搬送路14の後部において、走行監視センサ24bc,24bdが先に退出を検知し、走行監視センサ24ba,24bbが後から退出を検知する。
【0039】
図6は、光学センサの受光部の平面図、及び正面図であり、図6(a)が平面図であり、図6(b)が正面図である。
光学センサ35の受光部35Baは、線状に配列した複数のシリンドリカルレンズ36と、線状に配列した複数の受光素子37とを備えたラインセンサである。シリンドリカルレンズ36は、平面視矩形状であり、短辺方向が配列方向であり、長辺が隣接するシリンドリカルレンズと接している。なお、1本のシリンドリカルレンズ36に対応して、複数の受光素子37が線状に配設されており、シリンドリカルレンズ36と受光素子37とは同数ではない。
【0040】
図7は、光学センサによる走行監視を説明する説明図である。
光学センサ35は、搬送方向に対して垂直に配設されており、その受光部35Baは、画素に対応する複数の受光素子37が線状に配列されている。つまり、光学センサ35は、紙幣BLの搬送方向に対して垂直方向の画像を線状に撮像するように構成されている。
【0041】
ここで、制御部11の走行監視情報抽出部111(図1)は、光学センサ35が撮像した線状の撮像画像を用いて、走行監視センサ24aa,24acと同一位置(搬送方向に対して垂直方向における同一位置)の画像情報を抽出する。走行監視情報抽出部111は、光学センサ35の画像情報(画素の信号レベル)を二値化することにより、紙幣BLの搬送を監視することができる。つまり、走行監視情報抽出部111は、紙幣BLが受光部35Baを通過したか否かを監視することができる。
【0042】
ここで、走行監視センサ24aa,24acの受光用の走行監視センサ24ab(図4),24ad(図示せず)の受光面は、その大きさ(径)がシリンドリカルレンズ36の幅の3倍程度である。また、シリンドリカルレンズ36の幅は、受光素子37の画素の幅の数倍である。
【0043】
また、走行監視情報抽出部111は、走行監視センサ24aa,24acと同一位置の2つの画像情報の時間差から、紙幣BLの斜行を監視することができる。つまり、制御部11は、左右の受光用の走行監視センサ24ab,24adで光を受光しなくなる時間差を用いて、搬送される紙幣BLの斜行量を演算することができる。制御部11は、所定量以上の斜行により、異常走行紙幣であると判定する。
【0044】
図8は、紙幣の斜行時における、受光部の出力信号を説明する説明図である。
走行監視センサ24aa,24ac、及び光学センサ35の受光部35Ba(図5)は、搬送方向に対して垂直な方向(主走査方向)に配設されている。
斜行状態の紙幣BLは、先に走行監視センサ24acを通過し、後から走行監視センサ24aaを通過する。したがって、走行監視センサ24acの出力信号(時系列的に変化する信号レベル)は、走行監視センサ24aaの出力信号よりも先に、立ち上がり(変化し)、各出力信号との間に時間差が生じる。
【0045】
また、受光部35Baは、複数の受光素子37のスキャンにより、時系列的に変化する信号を出力するように構成されている。このため、走行監視情報抽出部111(図1)は、制御部光学センサ35の受光部35Baの出力信号を用いて、走行監視センサ24aa,24acと同一位相の画素の輝度情報を抽出すると、時間差T1が生じた情報を得ることができる。
【0046】
例えば、走行監視センサ24acの中心と紙幣BLとの最短距離をL1とし、走行監視センサ24aaの中心と紙幣BLとの最短距離をL2とする。このとき、紙幣BLが走行監視センサ24acを通過してから走行監視センサ24aaを通過するまでの搬送長さは、(L2−L1)である。この搬送長さ(L2−L1)は、走行監視センサ24acの出力信号の変化から、走行監視センサ24aaの出力信号の変化までの時間差T1を用いて、搬送速度Vとしたとき、(L2−L1)=V・T1である。つまり、紙幣BLの傾斜角θは、走行監視センサ24aaの中心と走行監視センサ24acの中心との幅をdとしたとき、θ=tan−1(V・T1/d)である。
【0047】
図9は、判別センサ制御部の動作を説明するフローチャートである。
このフローは、タイマ割込みを用いて、周期的に逐次実行されるものであり、紙幣BLが前から後ろに搬送される入金動作であるものとする。
【0048】
まず、判別用センサ制御部110(図1)は、光学センサ35の画像情報の取り込みを行う(S12)。つまり、判別用センサ制御部110は、光学センサ35の発光部35Aa(図2)の線状光源を点灯させ、受光部35Baが時系列的に出力するライン情報を取り入れる。S12の後、判別用センサ制御部110の走行監視情報抽出部111は、光学センサ35の輝度情報を用いて、媒体(紙幣BL)の有無を判定する(S14)。ここで、走行監視情報抽出部111は、紙幣BLが無いと判定したら(S14で媒体無し)、処理は終了する。そして、判別用センサ制御部110は、次の周期にこのルーチンを再び実行する。
【0049】
一方、走行監視情報抽出部111は、媒体としての紙幣BLが有ると判定したら(S14で媒体有り)、光学センサ35から取り込んだ画像情報から走行監視センサ24に対応する領域を切り出す(S16)。つまり、走行監視情報抽出部111は、走行監視センサ24aa,24acと同一位置(搬送方向に対して垂直方向における同一位置)の情報を切り出す。S16の後、走行監視情報抽出部111は、切り出し情報を走行監視情報として、記憶部(RAM(Random Access Memory))に一時記憶する(S18)。S18の後、紙幣画像抽出部112(図1)は、搬送中の紙幣BLの二次元画像(紙幣画像)を抽出し(S20)、抽出された紙幣画像(表面画像、裏面画像、及び透過画像)を記憶部に記憶する。
【0050】
S20の後、判別用センサ制御部110(図1)は、厚みセンサ33、及び磁気センサ34の制御を行う(S22)。つまり、判別用センサ制御部110は、磁気センサ34を制御するA/D変換回路に一時記憶されている磁気センサ情報を取得し、さらに、厚みセンサ33を制御し、厚み情報を取得する。S22の後、判別用センサ制御部110は、鑑別制御部130(図1)に制御を移行し、紙幣鑑別を行う(S30)。
【0051】
図10は、鑑別制御部の動作を説明するフローチャートである。
S30において、鑑別制御部130(図1)は、S20で抽出した二次元画像(紙幣画像)を用いて、紙幣BLの金種を識別すると共に、真偽を鑑別する(S32)。S32の後、鑑別制御部130は、磁気センサ34の情報(磁気センサ情報)を用いて、紙幣鑑別を行い(S36)、処理を終了する。
【0052】
図11は、搬送制御部の動作を説明するフローチャートである。
このフローは、判別センサ制御(図9)と同様に、タイマ割込みを用いて、周期的に逐次実行される。
搬送制御部120は、走行監視センサ24の状態情報を全て取り込む(S42)。つまり、搬送制御部120は、鑑別搬送路14の直前、直後の走行監視センサ24a(24aa,24ab)、24b(24ba,24bb)だけでなく、走行路13に配設されている全ての走行監視センサ24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,24h,・・・の状態情報を取り込む。
【0053】
S42の処理後、搬送制御部120は、光学センサ35の走行監視情報を取り込む(S44)。つまり、搬送制御部120は、S18(図9)で記憶部に記憶された、走行監視センサ24と同一位置(搬送方向に対して垂直な垂直方向における同一位置)の2箇所の走行監視情報を取り込む。S44の後、搬送制御部120は、S30(図10)で行われた紙幣鑑別結果を取り込む(S46)。S46の後、搬送制御部120は、取り込んだ紙幣鑑別結果に基づいて、搬送制御を実行する(S50)。
【0054】
図12は、紙幣取扱部の側面図である。
紙幣取扱部100は、紙幣取扱部筐体19の内部が上部ブロック10Uと、下部ブロック10Lとに区分され、下部ブロック10Lの内部に前方向に引き出し可能な金庫筐体10Sが内蔵されている。上部ブロック10Uは、制御部11と、入出金部12と、走行路13と、一時保留部15と、偽券庫18とを備える。金庫筐体10Sは、その内部にリジェクト庫16と、リサイクル部17とを備える。
【0055】
入出金部12は、上部ブロック10Uの前上部に配置されている。入出金部12は、顧客から入金された紙幣BL、及び顧客に出金すべき紙幣BLの何れか一方を収容する収容器12Aと、収容器12Aの上部を開閉するシャッタ12Bとを備えている。また、入出金部12は、紙幣BLを1枚ずつ分離して繰り出す取込放出口12C、及び入出金搬送部12Dを設けている。
【0056】
一時保留部15は、円筒状ドラムの外周面に紙幣BLをテープと共に巻き付けることで紙幣BLを収納し、この外周面からテープを引き剥がすことで紙幣BLを繰り出すテープエスクロ方式を採用する。偽券庫18は、鑑別制御部130(図1)が判定した偽造紙幣を収納する。リジェクト庫16は、損傷が大きく再利用不可と判断された紙幣を収納する。リサイクル部17は、紙幣BLを金種毎に収納する複数の紙幣収納庫17A,17B,17C,17D,17Eを備える。
【0057】
図13は、走行路全体を示す側面図である。
走行路13は、前側の第1搬送部21と、後側の第2搬送部22と、両者を接続する一時保留切替部20とに区分され、前後方向に沿った直線的な搬送経路が形成されている。一時保留切替部20は、切替ブレードを用いて、搬送経路を一時保留部15と、リサイクル部17とに切り変える。なお、第1搬送部21は、前方から順に、第1搬送前部21Aと、図3で説明した鑑別搬送路14と、第1搬送後部21Bとに区分される。
【0058】
第2搬送部22は、切替ブレード23c,23d,23e,23fを用いて、複数の紙幣収納庫17A,17B,17C,17D,17E、及び偽券庫18の何れかに搬送経路を切り替える機構部である。
【0059】
また、走行路13は、複数の走行監視センサ24b(24ba,24bb),24c(24ca,24cb),24d(24da,24db),24e(24ea,24eb),24f(24fa,24fb),24g(24ga,24gb),24h(24ha,24hb),24i(24ia,24ib)が等間隔Lに配設されている。また、図3を用いて説明したように、この間隔Lは、走行監視センサ24a,24bと受光部35Baとの間隔に等しい。
【0060】
走行監視センサ24が等間隔Lに配設されているので、制御部11(図1,12)は、例えば、間隔Lを搬送速度Vで除した搬送時間を、さらに自然数nで除した時間T=L/(V・n)で周期的に走行監視センサ24の状態情報を取り込むことで、搬送異常を効率的に検出することができる。また、制御部11は、その時間Tを自然数mで除した細分した時間T/mで周期的に走行監視センサ24の状態情報を取り込むことで、紙幣BLの斜行を効率的に検出することができる。つまり、制御部11は、走行監視センサ24の状態情報を取り込む周期を時間T=L/(V・n)とし、その前後の近傍で時間T/mで詳細に取り込むことが好ましい。
【0061】
(効果の説明)
以上説明したように、本実施形態の自動取引装置1000は、判別用センサ30である光学センサ35を走行監視センサ24と同様の機能として用いている。このため、紙幣取扱部100の内部に必要となる走行監視センサ24のペアが1組不要となる。これは、実装スペースとコストとの両面から有用である。
【0062】
走行監視センサ24は、搬送方向に垂直な垂直方向に複数配設されているので、紙幣BLのスキュー角度を検出することができる。また、光学センサ35は、走行監視センサ24と同一位置(搬送方向に対して垂直な垂直方向の同一位置)に相当する画素領域のみが抽出対象であるので、走行監視センサ24と同様なスケールでスキュー角度θを検出することができる。
【0063】
また、制御部11は、光学センサ35の画素から走行監視センサ24と同一位置の画素を抽出するため、走行監視センサ24と同一タイミングで紙幣BLの有無を判定できる。このため、制御部11は、光学センサ35と走行監視センサ24とを区別することなく、同様に扱うことができる。
【0064】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記各実施形態の第1の実施例では、判別用センサの光学ラインセンサを用いた例を示したが、同様に、厚みを検知する厚みセンサ33など、媒体を検知できるセンサに対しても適応可能である。つまり、何れか複数の厚みセンサ33の位置を走行監視センサ24の位置(搬送方向に直角な直角方向の位置)に等しくする。また、厚みセンサ33と走行監視センサ24との間隔を走行監視センサ24の間隔Lに等しくする。
【0065】
(2)前記実施形態の走行監視センサ24は、搬送方向に対して垂直方向に2個配設したが、3個以上配設しても構わない。
【符号の説明】
【0066】
11 制御部
13 走行路(搬送路)
14 鑑別搬送路
17 リサイクル部
17A,17B,17C,17D,17E 紙幣収納庫
24,24a,24aa,24ab,24b,24ba,24bb 走行監視センサ(搬送監視センサ、第1搬送監視センサ、第2搬送監視センサ)
24c,24ca,24cb,24d,24da,24db,24e,24ea,24eb,24f,24fa,24fb,24g,24ga,24gb,24h,24ha,24hb,24i,24ia,24ib 走行監視センサ(搬送監視センサ)
30 判別用センサ(センサ部)
33 厚みセンサ(センサ)
35 光学センサ
35Aa 発光部
35Ba 受光部(ラインセンサ)
36 シリンドリカルレンズ
37 受光素子(センサ)
100 紙幣取扱部
110 判別用センサ制御部
111 走行監視情報抽出部
300 制御装置
1000 自動取引装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13