特許第6834588号(P6834588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6834588
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】現金処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/24 20190101AFI20210215BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20210215BHJP
   G07D 11/60 20190101ALI20210215BHJP
【FI】
   G07D11/24 101
   G07D11/26 121
   G07D11/60 121D
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-34819(P2017-34819)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-142087(P2018-142087A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 治
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−181218(JP,A)
【文献】 特開2009−139980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00 − 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納されている貨幣の収納枚数が予め把握されている第1の収納部と、
前記第1の収納部から繰り出された貨幣を収納する第2の収納部と、
前記第1の収納部の開閉を検知する開閉検知部と、
前記開閉検知部の検知結果に基づく開閉情報を記憶する記憶部と、
前記第1の収納部から繰り出された貨幣の枚数と前記収納枚数とを比較する精査を行い、前記第1の収納部から繰り出された貨幣の枚数と前記収納枚数が異なる場合、前記記憶部に記憶された前記開閉情報に応じた通知を行う制御部と、
を備え
前記制御部は、前記開閉情報が、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記第1の収納部が開状態になったことを示す場合に、精査不一致を示す通知を行い、前記第1の収納部が開状態になっていないことを示す場合に、前記精査不一致を示す通知を行わない、
現金処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記開閉情報が、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記第1の収納部が開状態になっていないことを示す場合に、前記貨幣の繰り出し不良が発生したことを示す通知を行う、請求項1に記載の現金処理装置。
【請求項3】
収納されている紙幣の収納枚数が予め把握されている第1の収納部と、
前記第1の収納部から繰り出された紙幣を収納する第2の収納部と、
前記第1の収納部の開閉を検知する開閉検知部と、
前記開閉検知部の検知結果に基づく、開閉情報を記憶する記憶部と、
前記第1の収納部から繰り出された紙幣の枚数と前記収納枚数とを比較する精査を行い、前記第1の収納部から繰り出された紙幣の枚数と前記収納枚数が異なる場合、前記記憶部に記憶された前記開閉情報に応じた通知を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記開閉情報が、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記第1の収納部が開状態になっていないことを示す場合、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、重送が発生していれば、精査不一致を示す通知を行い、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記重送が発生していなければ、前記紙幣の繰り出し不良が発生したことを示す通知を行う、
現金処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関や流通施設等において、現金の精査を行う現金処理装置が用いられている。精査とは、予め把握されている現金の運用結果(例えば貨幣の収納枚数)が、実際に現金処理装置に保管された現金と合致するか否かを確認する処理である。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、保管された貨幣(硬貨、及び紙幣)の計数をランダムなタイミングで自動的に行って、計数結果が運用結果と一致しない場合には、精査不一致であることを示す通知を行う技術が記載されている。精査不一致であることを示す通知が行われた場合には、現金処理装置内の現金が不正に抜き取られている可能性があるため、例えば保守員の呼び出し(保守員コール)が発生し、保守員による対応が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−85242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
精査において、計数結果と運用結果が一致しない原因として、上記のような不正による原因だけでなく、例えば現場の担当者だけでも対応可能な、現金処理装置内の単純な繰り出し不良による原因もあった。しかし、それらの原因が区別されることなく、精査不一致の通知が行われていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、予め把握された収納枚数と計数結果が一致しない場合に、その原因に応じた通知を行うことが可能な、新規かつ改良された現金処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、収納されている貨幣の収納枚数が予め把握されている第1の収納部と、前記第1の収納部から繰り出された貨幣を収納する第2の収納部と、前記第1の収納部の開閉を検知する開閉検知部と、前記開閉検知部の検知結果に基づく開閉情報を記憶する記憶部と、前記第1の収納部から繰り出された貨幣の枚数と前記収納枚数とを比較する精査を行い、前記第1の収納部から繰り出された貨幣の枚数と前記収納枚数が異なる場合、前記記憶部に記憶された前記開閉情報に応じた通知を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉情報が、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記第1の収納部が開状態になったことを示す場合に、精査不一致を示す通知を行い、前記第1の収納部が開状態になっていないことを示す場合に、前記精査不一致を示す通知を行わない、現金処理装置が提供される。
【0009】
前記制御部は、前記開閉情報が、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記第1の収納部が開状態になっていないことを示す場合に、前記貨幣の繰り出し不良が発生したことを示す通知を行ってもよい。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、収納されている紙幣の収納枚数が予め把握されている第1の収納部と、前記第1の収納部から繰り出された紙幣を収納する第2の収納部と、前記第1の収納部の開閉を検知する開閉検知部と、前記開閉検知部の検知結果に基づく、開閉情報を記憶する記憶部と、前記第1の収納部から繰り出された紙幣の枚数と前記収納枚数とを比較する精査を行い、前記第1の収納部から繰り出された紙幣の枚数と前記収納枚数が異なる場合、前記記憶部に記憶された前記開閉情報に応じた通知を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉情報が、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記第1の収納部が開状態になっていないことを示す場合に、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、重送が発生していれば、精査不一致を示す通知を行い、前回前記精査が行われてから、今回前記精査が行われるまでの間に、前記重送が発生していなければ、前記紙幣の繰り出し不良が発生したことを示す通知を行う、現金処理装置が提供される。

【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、予め把握された収納枚数と計数結果が一致しない場合に、その原因に応じた通知を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る現金処理装置の外観を示す斜視図である。
図2】同実施形態に係る現金処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係る硬貨入出金機13から硬貨出金部30を開いた状態の現金処理装置1の概略平面図である。
図4】同実施形態に係る硬貨精査収納庫31の側断面を概略的に示す説明図である。
図5】精査時の硬貨精査収納庫31の動作を概略的に示す説明図である。
図6】精査時の硬貨精査収納庫31の動作を概略的に示す説明図である。
図7】精査時の硬貨精査収納庫31の動作を概略的に示す説明図である。
図8】精査時の硬貨精査収納庫31の動作を概略的に示す説明図である。
図9】予め把握された収納枚数と計数結果が一致しないケースの例を示す説明図である。
図10】予め把握された収納枚数と計数結果が一致しないケースの例を示す説明図である。
図11】同実施形態の概略動作を模式的に示すタイムチャート図である。
図12】同実施形態に係る硬貨入出金機13の機能構成を示すブロック図である。
図13】同実施形態に係る硬貨出金部開閉センサ40による検知結果に基づく開閉情報の設定に係る動作例を示すフローチャート図である。
図14】同実施形態に係る硬貨の精査と精査に基づく通知に係る動作例を示すフローチャート図である。
図15】紙幣入出金機7に本技術が適用される場合の、紙幣の精査と精査に基づく通知に係る動作例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0016】
<<1.概要>>
<1−1.概略構成>
まず、図1図2を参照して、本発明の一実施形態の概略構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る現金処理装置の外観を示す斜視図であり、図2は本発明の一実施形態に係る現金処理装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1、及び図2に示したように、本発明の一実施形態に係る現金処理装置1は、表示操作部2、現外ポスト部4、認証プリンタ5、紙幣入出金機7、施封小束支払機8、新券紙幣支払機9、制御機10、紙幣補充回収機11、棒金支払機12、及び硬貨入出金機13を備える。
【0018】
表示操作部2は、各種画面を表示する表示部としての機能、及びオペレータの操作を受け付ける操作部としての機能を包含する。なお、表示部及び操作部の機能は分離して構成されてもよい。現外ポスト部4は、小切手や手入力操作で入金した現金等を収納する。認証プリンタ5は、伝票印字を行う。
【0019】
紙幣入出金機7は、バラ紙幣の入出金処理(収納と払い出し等)を行う。施封小束支払機8は、バラ紙幣を一定枚数ずつ施封して小束として支払いを行う。新券紙幣支払機9は、新券の紙幣の支払いを行う。制御機10は、現金処理装置1全体の動作を制御する。制御機10のより詳細な構成については後述する。紙幣補充回収機11は、自動取引装置(ATM)で利用される補充回収カセットに対して紙幣の装填及び回収を行う。棒金支払機12は、一定枚数の硬貨を棒状にまとめた棒金の支払いを行う。硬貨入出金機13は、バラ硬貨の入出金処理を行う。硬貨入出金機13のより詳細な構成については後述する。
【0020】
ここで紙幣入出金機7、施封小束支払機8、紙幣補充回収機11、棒金支払機12、及び硬貨入出金機13は、それぞれ独立した現金取扱機(現金処理装置)としてユニット化され、また制御機10も独立してユニット化されている。
【0021】
また、紙幣入出金機7、施封小束支払機8、制御機10、紙幣補充回収機11、棒金支払機12、及び硬貨入出金機13は、例えば図1に示したように横一列に配列され、そして新券紙幣支払機9は紙幣補充回収機11上に、また表示操作部2、認証プリンタ5は紙幣入出金機7や硬貨入出金機13上等にそれぞれ配置されているが、これらの配置は図示したものに限られるものではない。なお、図1において、表示操作部2、及び認証プリンタ5は、それぞれ2台ずつ設けられているが、表示操作部2、及び認証プリンタ5は、各々1台設けるものとしてもよい。
【0022】
制御機10は、図2に示したように、主制御部102と、記憶部104とを備える。主制御部102は、記憶部104に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて現金処理装置1全体の動作を制御する。また、主制御部102は、紙幣入出金機7、施封小束支払機8、紙幣補充回収機11、棒金支払機12、及び硬貨入出金機13からの通知情報や、表示操作部2からの入力情報等を受信し、受信した情報に応じた処理を行う。
【0023】
なお、紙幣入出金機7、施封小束支払機8、紙幣補充回収機11、棒金支払機12、及び硬貨入出金機13は、それぞれ不図示の制御部を有し、各制御部は各現金取扱機内に各所に設けられる不図示のセンサ等により検知される情報に基づいて処理や通知を行う。
【0024】
硬貨入出金機13は、図1に示すように入金された硬貨の収納と出金を行う硬貨出金部30を有する。図3は、硬貨入出金機13から硬貨出金部30を開いた(手前に引き出した)状態の現金処理装置1の概略平面図である。
【0025】
硬貨出金部30は、図3に示すように奥から順番に500円精査収納庫31a、10円精査収納庫31b、100円精査収納庫31c、5円精査収納庫31d、50円精査収納庫31e、1円精査収納庫31fを有する。500円精査収納庫31a、10円精査収納庫31b、100円精査収納庫31c、5円精査収納庫31d、50円精査収納庫31e、1円精査収納庫31fは、それぞれ、入金された500円硬貨、10円硬貨、100円硬貨、5円硬貨、50円硬貨、1円硬貨を収納し、精査を行う。
【0026】
500円精査収納庫31a、10円精査収納庫31b、100円精査収納庫31c、5円精査収納庫31d、50円精査収納庫31e、1円精査収納庫31fは、扱う硬貨の金種の違いを除いて実質的に同一の機能構成を有する。そのため、以下では、500円精査収納庫31a、10円精査収納庫31b、100円精査収納庫31c、5円精査収納庫31d、50円精査収納庫31e、1円精査収納庫31fをまとめて硬貨精査収納庫31と呼ぶ。また、以下では、硬貨精査収納庫31の構成と精査時の硬貨精査収納庫31の動作について説明する。
【0027】
<1−2.硬貨精査収納庫と精査>
(硬貨精査収納庫の構成)
図4は、硬貨精査収納庫31の側断面を概略的に示す説明図である。硬貨精査収納庫31は、図4に示すように、入金された硬貨が収納される収納庫32(第1の収納部の一例)と、精査の際に収納庫32から繰り出された硬貨を収納する精査庫33(第2の収納部の一例)の2つの収納部に分かれている。なお、収納庫32に収納されている硬貨の収納枚数は、収納庫32への入金時に予め把握されており、硬貨入出金機13が有する記憶部(不図示)により記憶されている。
【0028】
図4に示すように、本実施形態に係る収納庫32の上部は開放されているため、本実施形態においては、図3を参照して説明した硬貨出金部30が開かれていることと、収納庫32が開かれていることは同義である。
【0029】
また、収納庫32は硬貨をかき上げて搬送するための突起の付いた収納庫搬送ベルト321を有し、収納庫搬送ベルト321の出口(精査庫33側)には収納庫32から繰り出される硬貨を計数する(枚数を数える)計数センサ312が配置されている。
【0030】
また、硬貨精査収納庫31は、収納庫32と精査庫33の両方のエリアの間で硬貨を搬送し、落下させることで硬貨を繰り出す横搬送ベルト311を有する。
【0031】
精査庫33は硬貨をかき上げて搬送するための突起の付いた精査庫搬送ベルト331を有し、精査庫搬送ベルト331の一番下付近には残留した硬貨を検知する残留検知センサ313が配置されている。
【0032】
(精査時の硬貨精査収納庫31の動作)
続いて、バラ硬貨の精査時の硬貨精査収納庫31の動作について、図5図8を参照して説明する。図5図8は、精査時の硬貨精査収納庫31の動作を概略的に示す説明図である。
【0033】
まず、図5に示されるように、収納庫搬送ベルト321が収納庫32の中に収納された硬貨Cをかき上げて搬送し、計数センサ312が硬貨Cの枚数を計数し、横搬送ベルト311が硬貨Cを搬送して精査庫33へ落下させる。図6に示されるように、計数センサ312を硬貨Cが通過しなくなったら、収納庫32が空になったと判断して、収納庫搬送ベルト321と横搬送ベルト311を停止させる。
【0034】
続いて、図7に示されるように、精査庫33に入った硬貨Cを精査庫搬送ベルト331がかき上げて搬送し、さらに横搬送ベルト311が硬貨Cを搬送して収納庫32へ落下させる。図8に示されるように、残留検知センサ313が硬貨を検知しなくなったら(OFFになったら)、精査庫33が空になったと判断して、精査庫搬送ベルト331と横搬送ベルト311を停止させる。
【0035】
<1−3.課題の整理>
以上、硬貨精査収納庫31の構成と精査時の硬貨精査収納庫31の動作について説明した。ところで、予め把握されていた収納庫32の硬貨収納枚数と、精査において計数センサ312により計数された硬貨の枚数が一致しないケースには、例えば以下に説明する2つのケースが存在する。図9図10は、予め把握された収納枚数と計数結果が一致しないケースの例を示す説明図である。
【0036】
1つ目のケースは、例えば図9に示すように、オペレータが運用途中に収納庫32に収納された硬貨Cを手で抜き取ってしまった場合である。
【0037】
2つ目のケースは、例えば図10に示すように、変形貨E等が収納庫32内のセンサのない個所で引っかかり、計数センサ312を通過することが出来ず、繰り出し不良が発生した場合である。
【0038】
ここで、1つ目のケースでは、不正が発生した恐れがあるため、例えば現金処理装置1の保守員による対応が求められるため、保守員の呼び出し(保守員コール)を行うことが望ましいが、2つ目のケースでは、例えば現場の担当者等だけでも対応が可能である。しかし、公知の技術では、1つ目のケースと2つ目のケースを区別することが出来ず、いずれの場合であっても保守員の対応を求めるために、不要な保守員コールが発生し、保守員の負担や、現金処理装置1の運用に係る費用が増大していた。
【0039】
そこで、上記事情を一着眼点にして、本実施形態を創作するに至った。本実施形態は、予め把握された収納枚数と計数結果が一致しない場合に、収納庫32の開閉情報に基づいて通知を行うことで、その原因に応じた通知を行うことが可能である。以下、図11を参照して、本実施形態の概略動作を説明する。
【0040】
<1−4.概略動作>
図11は、本実施形態の概略動作を模式的に示すタイムチャート図である。なお、本明細書において、硬貨出金部30または収納庫32が開ありである、とは、収納庫32へ人(例えばオペレータ)が物理的にアクセスする(例えば手を入れる)ことが可能な状態を意味する。また、本明細書において、硬貨出金部30または収納庫32が開なしであった、とは、収納庫32へ人(例えばオペレータ)が物理的にアクセスすることが不可能な状態が継続していたことを意味する。
【0041】
図11のタイムチャートTC1に示すように、前回の精査時刻t11から、今回の精査時刻t13までの間の時刻t12において、硬貨出金部30が開ありであった(開かれていた)場合には、精査不一致を示す通知が行われる。硬貨入出金機13から制御機10の主制御部102へ、精査不一致を示す通知が行われると、例えば、不正が発生した恐れがあるとして、主制御部102が保守員コールを行う。なお、保守員コールは、主制御部102が表示操作部2に保守員による対応が必要であることを示す文言を表示させることで行われてもよい。また、主制御部102が保守員による対応が必要であることを示す音声またはブザーを発生させることで行ってもよい。これらの表示等を確認した現場の担当者は、外部の保守管理センタ等に保守が必要になったことを通知する。また、主制御部102が、直接、外部の保守管理センタ等に不図示のネットワークを通じて保守員による対応が必要なことを示す電文を送信してもよい。その際、主制御部102は、保守が必要となった装置の設置場所、機種を特定可能な情報や、どのような障害かを示す障害情報を保守管理センタへ送信してもよい。電文の送信先は、保守員が保有する携帯端末でもよい。
【0042】
一方、図11のタイムチャートTC2に示すように、前回の精査時刻t21から、今回の精査時刻t22までの間、硬貨出金部30が開なしであった(開かれていない)場合には、硬貨の繰り出し不良が発生したことを示す繰り出しエラー通知が行われる。硬貨入出金機13から制御機10の主制御部102へ、繰り出しエラーを示す通知が行われた場合、主制御部102は保守員コールを行わず、例えば、現場の担当者により対応が行われる。この場合、主制御部102は表示操作部2に現場の担当者による対応が必要であることを示す文言を表示させることで、現場の担当者に対応を行わせてもよい。また、主制御部102は、現場の担当者による対応が必要であることを示す音声またはブザーを発生させることで、現場の担当者に対応を行わせてもよい。
【0043】
以上、図11を参照して説明したように、本実施形態によれば、収納庫32の開閉情報に基づいて通知を行うことで、その原因に応じた通知を行うことが可能であり、例えば不要な保守員コールを抑制することが可能となる。
【0044】
<<2.硬貨入出金機の構成>>
以上、本実施形態の概要を説明した。続いて、上述したような通知を行うための、本実施形態に係る硬貨入出金機13のより詳細な構成について説明する。図12は、本実施形態に係る硬貨入出金機13の機能構成を示すブロック図である。なお、図12に示した硬貨入出金機13の機能構成は、精査と精査に基づく通知に関わる部分のみであり、例えば入金等に係る機能構成等は省略されている。
【0045】
図12に示すように、本実施形態に係る硬貨入出金機13は、制御部20、硬貨出金部30、硬貨出金部開閉センサ40、及び記憶部50を備える現金取扱機(現金処理装置)である。
【0046】
制御部20は、硬貨入出金機13が有する各部の動作を制御する。例えば、制御部20は、後述する硬貨出金部開閉センサ40の検知結果に基づく開閉情報を設定する。例えば、制御部20は、硬貨出金部開閉センサ40硬貨出金部30が開ありと検知された場合に、開閉情報(開フラグ)を収納庫32が前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、収納庫32が開状態になったことを示す値(ON)に設定して、記憶部50に記憶させる。
【0047】
また、制御部20は、図5図8を参照して説明したように、計数により得られる収納庫32から繰り出された硬貨の枚数と、予め把握された収納枚数とを比較する精査の動作を制御する。また、制御部20は、収納庫32から繰り出された硬貨の枚数と、予め把握された収納枚数が異なる場合、後述する記憶部50に記憶された収納庫32の開閉情報に応じた通知を行う。
【0048】
例えば、制御部20は、開閉情報が、前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、収納庫32が開状態になったことを示す場合に、精査不一致を示す通知を行う。また、制御部20は、開閉情報が、前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、収納庫32が開状態になっていないことを示す場合に、硬貨の繰り出し不良が発生したことを示す通知を行ってもよい。
【0049】
係る構成によれば、例えば、前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、収納庫32が開状態になっておらず、不正が行われた可能性が無いと推定される場合に、不要な保守員コールを避けることが可能となる。
【0050】
硬貨出金部30の構成については、既に図3図4を参照して説明したため、個々での説明は省略する。
【0051】
硬貨出金部開閉センサ40は、硬貨出金部30の開閉を検知するセンサである。上述したように、本実施形態において、硬貨出金部30が開かれていることと、収納庫32が開かれていることは同義であるため、硬貨出金部開閉センサ40は、収納庫32の開閉を検知する開閉検知部としても機能する。
【0052】
記憶部50は、制御部20の制御に必要なプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部50は、硬貨出金部開閉センサ40の検知結果に基づく開閉情報を記憶する。また、記憶部50は、予め把握される収納庫32の収納枚数を記憶していてもよい。
【0053】
<<3.動作>>
以上、本実施形態に係る硬貨入出金機13の構成例について説明した。続いて、本実施形態に係る動作について説明する。以下では、まず硬貨出金部開閉センサ40による検知結果に基づく開閉情報の設定に係る動作について図13を参照して説明した後、図14を参照して、精査と精査に基づく通知に係る動作について説明する。
【0054】
図13は、硬貨出金部開閉センサ40による検知結果に基づく開閉情報の設定に係る動作例を示すフローチャート図である。図13に示す動作は、例えば、定期的に繰り返し行われてもよく、硬貨入出金機13が有する各種センサのチェック動作の一部として行われてもよい。
【0055】
まず、制御部20が、硬貨出金部開閉センサ40の検知結果(出力)を確認する(S102)。ステップS102において、硬貨出金部30が開いていることが検知されていた場合(S102においてYES)、制御部20は、硬貨出金部開フラグ(開閉情報の一例)を、ON(前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、収納庫32が開状態になったことを示す値)に設定し、記憶部50へ記憶させる。一方、ステップS102において、硬貨出金部30が開いていることが検知されていなかった場合(S102においてNO)、処理は終了する。
【0056】
図14は、硬貨の精査と精査に基づく通知に係る動作例を示すフローチャート図である。図14に示すように、制御部20は、図5を参照して説明したように、収納庫32に収納された硬貨を精査庫33へ繰り出すように制御して、計数を行う(S202)。続いて、制御部20は、記憶部50に記憶された(予め把握されていた)収納庫32の収納枚数とステップS202で行われた計数の結果(計数結果)とが一致するか否かを判定する(S204)。
【0057】
上記収納枚数と計数結果とが一致する場合(S204においてYES)、制御部20は、硬貨出金部開フラグをクリア(例えばOFFに設定)し(S206)、主制御部102へ、精査結果が正常であったことを示す正常通知を行う(S208)。
【0058】
上記収納枚数と計数結果とが一致せず、硬貨出金部開フラグがONである場合(S204においてNOかつS210においてYES)、制御部20は、硬貨出金部開フラグをクリアし(S212)、主制御部102へ、精査不一致であることを示す精査不一致通知を行う(S214)。
【0059】
上記収納枚数と計数結果とが一致せず、硬貨出金部開フラグがONではない場合(S204においてNOかつS210においてNO)、制御部20は、主制御部102へ、硬貨の繰り出し不良が発生したことを示す繰り出しエラー通知を行う(S220)。
【0060】
<<4.変形例>>
以上、本発明の一実施形態について説明した。以下では、上記実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で各実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで各実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、各実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0061】
<4−1.変形例1>
上記実施形態では、硬貨(貨幣の一例)の精査を行う場合について説明したが、本技術は紙幣(貨幣の一例)の精査を行う場合にも適用可能である。例えば、図1図2に示した紙幣入出金機7に本技術を適用することで、紙幣の精査において、予め把握された収納枚数と計数結果が一致しない場合に、その原因に応じた通知を行うことが可能となる。
【0062】
紙幣入出金機7に本技術が適用される場合、紙幣入出金機7が有し、収納されている紙幣の収納枚数が予め把握されている第1の収納部と、当該第1の収納部から繰り出された貨幣を収納する第2の収納部とは、それぞれ別々のカセットであってもよい。また、同一のカセット内で仕切られて分けられた2つの部分が、それぞれ第1の収納部、及び第2の収納部と解されてもよい。
【0063】
また、紙幣入出金機7に本技術が適用される場合、紙幣入出金機7が有する紙幣出金部の開閉を検知する開閉センサが、第1の収納部の開閉を検知する検知部であってもよい。また、図13を参照して説明した例と概略同様にして、紙幣入出金機7の制御部が開閉情報を設定し、紙幣入出金機7の記憶部に記憶させてもよい。
【0064】
なお、紙幣入出金機7に本技術が適用される場合、紙幣の重送の発生により、第1の収納部に収納される紙幣の枚数が減る可能性があるため、重送の発生により予め把握された収納枚数と計数結果が一致しなくなるケースについても考慮することが望ましい。そこで、紙幣入出金機7は、重送の発生を検知する重送検知センサを備え、紙幣入出金機7の制御部は、重送の発生にさらに応じた通知を行ってもよい。
【0065】
例えば、紙幣入出金機7の制御部は、紙幣出金部開フラグ(第1の収納部の開閉検知結果に基づく開閉情報の一例)が、OFFである(前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、第1の収納部が開状態になっていないことを示す)場合、前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、重送が発生していれば、精査不一致を示す通知を行い、前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、重送が発生していなければ、紙幣の繰り出し不良が発生したことを示す通知を行ってもよい。
【0066】
なお、重送検知センサの検知結果に基づく重送の発生に係る情報は、紙幣入出金機7の制御部により設定されて、紙幣入出金機7の記憶部に記憶されてもよい。
【0067】
図15は、紙幣入出金機7に本技術が適用される場合の、紙幣の精査と精査に基づく通知に係る動作例を示すフローチャート図である。まず図15に示すように、紙幣入出金機7の制御部は、第1の収納部に収納された紙幣を第2の収納部へ繰り出すように制御して、計数を行う(S302)。
【0068】
続いて紙幣入出金機7の制御部は、紙幣入出金機7の記憶部に記憶された(予め把握されていた)第1の収納部の収納枚数とステップS302で行われた計数の結果(計数結果)とが一致するか否かを判定する(S304)。
【0069】
上記収納枚数と計数結果とが一致する場合(S304においてYES)、紙幣入出金機7の制御部は、紙幣出金部開フラグをクリアし(S306)、主制御部102へ、精査結果が正常であったことを示す正常通知を行う(S308)。
【0070】
上記収納枚数と計数結果とが一致せず、紙幣出金部開フラグがONである場合(S304においてNOかつS310においてYES)、紙幣入出金機7の制御部は、紙幣出金部開フラグをクリアし(S312)、主制御部102へ、精査不一致であることを示す精査不一致通知を行う(S314)。
【0071】
上記収納枚数と計数結果とが一致せず、硬貨出金部開フラグがONではない場合(S304においてNOかつS310においてNO)、紙幣入出金機7の制御部は、前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、重送が発生したか否かを判定する(S316)。前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、重送が発生していた場合、紙幣入出金機7の制御部は、主制御部102へ、精査不一致であることを示す精査不一致通知を行う(S314)。一方、前回精査が行われてから、今回精査が行われるまでの間に、重送が発生していなかった場合、紙幣入出金機7の制御部は、主制御部102へ、紙幣の繰り出し不良が発生したことを示す繰り出しエラー通知を行う(S320)。
【0072】
<4−2.変形例2>
上記実施形態では、硬貨入出金機13の制御部20が、同一の現金処理装置内の主制御部102へ通知を行う例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。例えば、本明細書において、通知を行うとは、他の装置へ通知を行う(例えば通知に係る情報を送信する)ことを含んでもよい。また、開閉情報に応じて、異なる通知先へ通知が行われてもよい。
【0073】
例えば、硬貨入出金機13の制御部20は、予め把握されていた収納枚数と計数結果とが一致せず、硬貨出金部開フラグがOFFである場合に、主制御部102へ繰り出しエラー通知を行い、予め把握されていた収納枚数と計数結果とが一致せず、硬貨出金部開フラグがONである場合に、保守員が有する端末へ精査不一致通知を行ってもよい。
【0074】
<<5.むすび>>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、予め把握された収納枚数と計数結果が一致しない場合に、その原因に応じた通知を行うことが可能である。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0076】
例えば、上記実施形態における各ステップは、必ずしもフローチャート図として記載された順序に沿って時系列に処理される必要はない。例えば、上記実施形態の処理における各ステップは、フローチャート図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 現金処理装置
2 表示操作部
4 現外ポスト部
5 認証プリンタ
7 紙幣入出金機
8 施封小束支払機
9 新券紙幣支払機
10 制御機
11 紙幣補充回収機
12 棒金支払機
13 硬貨入出金機
20 制御部
30 硬貨出金部
31 硬貨精査収納庫
32 収納庫
33 精査庫
40 硬貨出金部開閉センサ
50 記憶部
102 主制御部
104 記憶部
311 横搬送ベルト
312 計数センサ
313 残留検知センサ
321 収納庫搬送ベルト
331 精査庫搬送ベルト
図1
図2
図3
図4
図5
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