特許第6834654号(P6834654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6834654
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】外添剤およびトナー
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/097 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   G03G9/097 372
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-56641(P2017-56641)
(22)【出願日】2017年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-173829(P2017-173829A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年12月12日
(31)【優先権主張番号】62/313,139
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000224123
【氏名又は名称】藤倉化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】金原 広
(72)【発明者】
【氏名】石本 貴幸
【審査官】 福田 由紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−225311(JP,A)
【文献】 特開2015−106123(JP,A)
【文献】 特開2012−168223(JP,A)
【文献】 特開平07−005725(JP,A)
【文献】 特開2012−163781(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/042338(WO,A1)
【文献】 特開2017−161716(JP,A)
【文献】 特開2017−037258(JP,A)
【文献】 特開2007−003840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/08−9/097
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋剤と単官能モノマーを含む単量体から形成された架橋樹脂微粒子を備える外添剤であって、
前記架橋剤は、(メタ)アクリル基を2つ有する(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ジビニル化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物であり、前記架橋樹脂微粒子の全単量体中25質量%以上であり、
前記単官能モノマーは、メチルメタクリレート及び/またはスチレンであり、
前記架橋樹脂微粒子は、ガラス転移温度(Tg)をもたず、前記架橋樹脂微粒子の粒子径は、40nm以上150nm以下であることを特徴とする外添剤。
【請求項2】
請求項1に記載の外添剤を含む、トナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外添剤およびトナーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コスト意識や環境意識の高まりから、コピー機やプリンター等の電子写真装置は従来以上に、長期間使用できること求められている。そして、長期間の使用を可能とするための手法の一例として、トナー容器により多くのトナーを充填することが行われている。
トナー容器にトナーを多く充填する手法の一つとして、外添剤をトナーに添加することが知られている。
特許文献1に示されるように、外添剤は、トナーに添加されることで、トナー粒子表面に付着しトナーの流動性を高め、スペーサーとして働くためブロッキングも防止することが知られている。また、外添剤は、トナーの帯電性もコントロールする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−38592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、外添剤にシリカなどの無機粒子のみを使用した場合、長時間撹拌されるとトナーの帯電性が低下し、現像性が悪化する。また、外添剤に無機粒子のみを使用した場合においては、外添剤がトナーに埋没しやすく、経時で流動性に悪影響を及ぼすことも懸念される。
【0005】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、トナーの帯電性の低下の抑制が可能な外添剤およびトナーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る外添剤は、架橋剤を含む単量体から形成された架橋樹脂微粒子であって、前記架橋剤は、前記架橋樹脂微粒子の全単量体中25質量%以上であり、前記架橋樹脂微粒子は、ガラス転移温度(Tg)をもたない。
【0007】
前記架橋樹脂微粒子の粒子径は、40nm以上150nm以下であってもよい。
【0008】
前記架橋剤が、(メタ)アクリル基を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ジビニル化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物であってもよい。
【0009】
本発明の第2態様に係るトナーは、上記態様に係る外添剤を含む。
【発明の効果】
【0010】
上記態様に係る外添剤およびトナーによれば、トナーの帯電性の低下が抑制される。また、上記態様に係る外添剤およびトナーによれば、正または負のいずれの極性のトナーにおいても帯電性の低下の抑制効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
【0012】
<外添剤>
外添剤は、トナー粒子表面に付着しトナーの流動性を高め、スペーサーとして働くためブロッキングも防止する。また、外添剤は、トナーの帯電性もコントロールする。
従来のように、外添剤にシリカなどの無機粒子のみを使用した場合、長時間撹拌されると帯電性が低下し、現像性が悪化する。また、外添剤に無機粒子のみを用いた場合においては、外添剤がトナーに埋没しやすく、経時で流動性に悪影響を及ぼすことも懸念される。
一方、本発明の一実施形態に係る外添剤を、従来の外添剤に併用することでトナーの帯電性の低下が抑制される。
【0013】
本実施形態に係る外添剤は、架橋剤を使用した(構成単位として架橋剤を含み、架橋剤によって形成された)架橋樹脂微粒子(高架橋樹脂微粒子)を含む。
本実施形態における架橋樹脂微粒子は、例えば以下に示す架橋モノマーなどの架橋剤を単官能モノマーと共重合することにより得られる。
架橋樹脂微粒子の重合に用いるモノマー組成の範囲は、ガラス転移温度(Tg)が高く、かつ、高架橋密度が得られる組成であれば限定されない。
架橋密度が高くなるにつれてTgも上昇し、さらに高架橋になるとTgをもたなくなる(Tgの前に熱分解温度に達する場合も含む)。
後述する実施例においても示すが、本実施形態に係る架橋樹脂微粒子は、熱分解温度に達するまでにTgが出ない組成を有していれば、トナーの帯電性の低下の抑制が可能な外添剤として機能する。
【0014】
本実施形態における「架橋剤」とは、二官能以上の重合性官能基を有する多官能モノマーであると定義される。
具体的に、架橋樹脂微粒子の重合に用いる架橋剤である多官能モノマーとしては、例えば、エチレンオキシド(EO)が1〜9の(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、C4〜9のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル基を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリル酸エステル、ジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニル化合物が好ましい。その中でもエチレンオキシド(EO)が1〜3の(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンがさらに好ましい。
本実施形態における架橋剤としては、これらの化合物を単独で用いてもよく、これらの化合物の2以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、架橋剤が、(メタ)アクリル基を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ジビニル化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでいてもよい。
【0015】
上記「架橋剤」以外の架橋樹脂微粒子の重合に用いる構成成分として用いる単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルやスチレンなどの芳香族ビニル化合物が好ましく、その中でも(メタ)アクリル酸のC1〜4のアルキルエステル、スチレンがさらに好ましい。
【0016】
トナーには現像される静電荷像の極性に応じて、正または負の電荷を有している必要があるが、本実施形態に係る外添剤によれば、いずれの極性のトナーにおいても効果が得られる。
【0017】
<架橋剤の比率、ガラス転移温度(Tg)の範囲>
上記架橋剤は、架橋樹脂微粒子において、(全単量体100質量部(100質量%)中)25質量部(25質量%)以上が好ましく、30質量部(30質量%)以上であることがさらに好ましい。
架橋剤を25質量%以上にすることで、ガラス転移温度(Tg)をもたない高硬度の微粒子が得られ、トナーが長時間撹拌されても変形しにくく、また帯電量の低下も抑制されるため、経時で現像性が悪化しにくいトナーが得られる。
本実施形態に係る架橋樹脂微粒子は、熱分解温度に達するまでにTgが出ない組成(架橋剤が25質量%以上)であれば、トナーの帯電性の低下の抑制が可能な外添剤として機能する
また、トナーが融着する際シリカなどの無機粒子は着色塗料における艶消し剤と同様なため鮮鋭性の低下が大きくなるが、本実施形態に係る架橋樹脂微粒子であれば鮮鋭性の低下は大幅に少なくなる。
【0018】
<粒子径>
本実施形態に係る架橋樹脂微粒子の粒子径は、150nm以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係る架橋樹脂微粒子は、40nm以上150nm以下であることがより好ましい。
架橋樹脂微粒子の粒子径を150nmより大きくするとトナー表面から脱離しやすく、帯電量が低下することで現像性を悪化させる。
架橋樹脂微粒子の粒子径が40nm未満の場合でもトナー粒子表面への付着性は問題ないが、粒子径が40nm未満であるとスペーサーとしての機能が不十分となりブロッキングが発生しやすく、なおかつ架橋樹脂微粒子の粒子径を40nm未満にするには乳化剤を増やす必要があり、ブロッキング性をより良好に保つ観点から、架橋樹脂微粒子の粒子径は40nm以上であることが好ましい。
【0019】
<帯電性>
トナーの帯電量は、トナーの初期の帯電性の指標であり、20〜70μC/gの範囲であればトナーとしての実用性を有する。
例えば、キャリアに添加したトナーを10時間摩擦帯電させ、トナーの帯電量を測定し、トナーの帯電量の低下率(%)が10%を超えなければ、帯電性が良好で長時間撹拌されても現像性が悪化しにくい。
【実施例】
【0020】
以下、実施例によって上記した効果についてより具体的に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
【0021】
架橋樹脂微粒子(A)の製造例を以下に示す。
【0022】
(製造例1)
架橋樹脂微粒子(A−1)
撹拌機、コンデンサ、温度計、窒素導入管を付した4口フラスコにイオン交換水400質量%、乳化剤としてドデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.5質量%を入れて溶解させた後、窒素下で75℃まで昇温し、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.2質量%とイオン交換水10質量%を加えた。そこにメチルメタクリレート50質量%、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート50質量%を混合したものを1時間で滴下し、75℃で3時間反応させた後、85℃まで昇温し、さらに3時間撹拌して共重合体エマルションを得た。
この共重合体エマルションをスプレードライヤー(大川原化工機製)で乾燥し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)で解砕して架橋樹脂微粒子(A−1)を得た。
【0023】
(製造例2〜10)
架橋樹脂微粒子(A−2〜10)
単量体や乳化剤、開始剤をそれぞれ表1に記載のとおりに変更した以外は製造例1と同様にして架橋樹脂微粒子(A−2〜10)を得た。
なお、架橋剤の含有量が少なくガラス転移温度を有する製造例7(架橋樹脂微粒子A−7)、および、平均一次粒子径が大きい製造例8(架橋樹脂微粒子A−8)は、比較製造例に相当する。
【0024】
<熱特性分析>
架橋樹脂微粒子(A)について示差走査熱量計(DSC)によるガラス転移温度(Tg)の測定および熱重量測定装置(TGA)による熱分解温度の測定を行なった。結果を表1に示す。
DSC測定はDSC−60(島津製作所製)を用い、各測定試料10mgを20℃〜300℃まで10℃/分の速度で昇温し、DSC曲線を得た。そのDSC曲線に現れる変曲点の温度、すなわちDSC微分曲線のピークトップ温度をガラス転移温度(Tg)とした。
また、TGA測定はTGA−50(島津製作所製)を用い、各測定試料10mgを500℃まで10℃/分の速度で昇温し、TGA曲線を得た。熱分解温度は各測定試料について1%減量したときの温度とした。この熱分解温度に達するまでにDSC曲線に変曲点が現れない場合、その測定試料はガラス転移温度(Tg)をもたないと判断した。
【0025】
<粒子径測定>
架橋樹脂微粒子(A)の平均一次粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定を行なった。
結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
なお、表に記載した化合物の略称は、以下の化合物に対応している。
MMA:メチルメタクリレート
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
DVB:ジビニルベンゼン
DTAC:ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド
EDDAS:ドデシルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート
DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
AIPMP:2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩
KPS:過硫酸カリウム
APS:過硫酸アンモニウム
【0028】
上記架橋樹脂微粒子(A)を用いた正荷電トナーの実施例を以下に示す。
【0029】
(実施例1)
ポリエステル樹脂(DIC製ACT−6217)100質量%、正荷電制御剤(藤倉化成製FCA−201PS)7質量%、銅フタロシアニン系油溶性染料(保土谷化学工業製アイゼンスピロンブルー2BNH)4質量%、カルナウバワックス(加藤洋行製)4質量%を配合した。これにより得た混合物をラボプラストミル(東洋精機製作所製)にて溶融混練し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)にて粉砕後、分級して粒径5〜10μmのポリエステルトナーを製造した。このトナーと、架橋樹脂微粒子(A−1)1質量%、疎水性シリカ(日本アエロジル製RA−200H)0.8質量%を混合し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業製)にて処理し、正荷電トナー(B−1)を得た。
【0030】
(実施例2)
スチレンアクリル樹脂(藤倉化成製FSR−051)100質量%、正荷電制御剤(藤倉化成製FCA−201PS)4質量%、カーボンブラック(三菱化学製MA#100)4質量%、ビスコール550−P(三洋化成工業製)4質量%を配合した。これにより得た混合物をラボプラストミル(東洋精機製作所製)にて溶融混練し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)にて粉砕後、分級して粒径5〜10μmのスチレンアクリルトナーを製造した。このトナーと、架橋樹脂微粒子(A−1)1質量%、疎水性シリカ(日本アエロジル製RA−200H)0.8質量%を混合し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業製)にて処理し、正荷電トナー(C−1)を得た。
【0031】
(実施例3〜9、比較例1〜4)
架橋樹脂微粒子(A−1)を、架橋樹脂微粒子(A−2〜10)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3〜9に係る正荷電トナー(B−2〜6、B−11、B−12)、および、比較例3および比較例4に係る正荷電トナー(B−9〜10)を得た。
また、比較例1および2に係る正荷電トナー(B−7〜8)は架橋樹脂微粒子(A)を添加せずに、疎水性シリカのみを処理して得た。
尚、実施例4、9は参考例である。
【0032】
<帯電性評価>
キャリア(パウダーテック製F−921−60)100質量%に対し、正荷電トナー5質量%を配合し、温度22℃、相対湿度60%の環境下で10分間摩擦帯電させ、ブローオフ粉体帯電量測定装置(京セラケミカル製)を用いてトナー1gあたりの帯電量(a)を測定した。この帯電量(a)は初期の帯電量の指標であり、20〜70μC/gの範囲であればトナーとしての実用性を有している。帯電量が20μC/g以上であればカブリを生じにくく、また、70μC/g以下であれば画像濃度の低下を防ぐことができる。
別途、摩擦帯電させる時間を10時間とした以外は前記と同様に正荷電トナーを摩擦帯電させ、帯電量(b)を測定し、下記式(1)により帯電量変化率(%)を算出した。この帯電量変化率が−10%を超えなければ(−10%より負の変化率が大きくならなければ)、帯電性が良好で長時間撹拌されても現像性が悪化しにくいトナーが得られる。
変化率(%)=100×{帯電量(b)−帯電量(a)}/帯電量(a)・・(1)
耐電量変化率の説明の例について説明すると、例えば、耐電量変化率が−7%であった場合、現像性が悪化しにくい傾向にあるトナーが得られ、例えば、耐電量変化率が−17%であった場合、得られたトナーによる現像性は悪化しやすい傾向にある。
実施例1〜9に係る初期帯電量、および、帯電量変化率(%)の評価結果を表2に示す。
また、比較例1〜4に係る初期帯電量、および、帯電量変化率(%)の評価結果を表3に示す。
【0033】
<ブロッキング性の評価>
実施例および比較例に係るトナーをサンプル瓶に10g入れ、60℃の乾燥機内に3時間放置し、取り出して室温に冷却後200メッシュ(目開き75μm)の篩に乗せ、振動させた時の篩上の残分の重量を測定した。
評価基準は、篩上の残分が0.5g未満の場合、合格(〇)とした。
また、篩上の残分が、0.5g以上の場合、不合格(×)とした。
○:0.5g未満(合格)
×:0.5g以上(不合格)
表2および表3にブロッキング性の評価結果を示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
以上に示すように、実施例1〜8に係る架橋樹脂微粒子を含む正荷電トナーは、初期帯電量、帯電量変化率(%)、およびブロッキング性のいずれも、良好な結果が得られた。
また、架橋樹脂微粒子の平均一次粒子径が30nmであった製造例10の架橋樹脂微粒子を用いた実施例9においては、ブロッキング性の評価基準を満たさなかったものの、初期帯電量、帯電量変化率(%)は良好な結果が得られた。
一方、外添剤として、架橋樹脂微粒子を含まない比較例1および比較例2においては、帯電量変化率(%)が大きくなり、特性の低下が観察された。
また、架橋樹脂微粒子の調製に用いた架橋剤が20質量%である製造例7の架橋樹脂微粒子を用いた比較例3においても、帯電量変化率(%)が大きくなり、特性の低下が観察された。
また、架橋樹脂微粒子の平均一次粒子径が180nmであった製造例8の樹脂を用いた比較例4においても、帯電量変化率(%)が大きくなり、特性の低下が観察された。
実施例1〜9および比較例1〜4の結果によれば、外添剤として、(1)架橋樹脂微粒子が二官能以上の重合性官能基を有する多官能モノマーである架橋剤を25質量%以上有し、かつ、(2)架橋樹脂微粒子がガラス転移温度(Tg)をもたない場合、正荷電トナーは良好な初期帯電量および良好な帯電量変化率(%)を有していた。
また、実施例1〜9および比較例1〜4の結果によれば、外添剤が上記(1)、(2)の条件に加えて、(3)架橋樹脂微粒子の粒子径が40nm以上150nm以下の条件を満たした場合、正荷電トナーの初期帯電量および帯電量変化率(%)が良好になることに加えて、得られた正荷電トナーのブロッキングが良好に防止される傾向が観察された。
【0037】
上述の実施形態に係る架橋樹脂微粒子を含む外添剤によれば、帯電性が良好で長時間撹拌されても現像性が悪化しにくいトナーが得られる。
上述の実施例では、正荷電トナーを例に示したが、負荷電トナーにおいても同様の効果が得られる。上述の実施形態に係る外添剤は、負荷電トナー用途に用いてもよく、正荷電トナー用途に限定されない。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のトナーの帯電性の低下の抑制が可能な外添剤は、トナー用の外添剤として有用である。