【実施例】
【0024】
図1(斜視図)及び
図2(平面図)には、本願発明に係るコネクタ装置の一例を構成するプラグコネクタ11及びリセプタクルコネクタ12が、プラグコネクタ11に複数のケーブル13が装着された状態もって示されている。
【0025】
プラグコネクタ11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたプラグ側絶縁ハウジング14と導電材料で形成されたプラグ側導電性シェル15とプラグ側導電性シェル15に対して回動可能とされて設けられた嵌合維持部材16とを備えている。プラグ側絶縁ハウジング14には、その長手方向(プラグコネクタ11の長手方向(左右方向))に沿って、各々が導電材料で形成された複数のコンタクト17と複数のコンタクト18とが交互に配列配置されて設けられている。これらの交互に配列配置されたコンタクト17及びコンタクト18は、全体で、複数のプラグ側コンタクトを形成している。即ち、プラグ側絶縁ハウジング14に配列配置された複数のプラグ側コンタクトが、複数のコンタクト17と複数のコンタクト18とを含むものとされているのである。そして、複数のコンタクト17と複数のコンタクト18とを含んだ複数のプラグ側コンタクトには、複数のケーブル13が夫々接続されている。複数のケーブル13の夫々は、例えば、
図5等に図示されるように、コンタクト17あるいはコンタクト18に接続される中心導体,中心導体を被覆する誘電体,誘電体を包囲する外部導体、及び、外部導体を被覆する外皮から成る。外部導体は、複数のケーブル13に共通に設けられたグランドバーを介して、後述されるプラグ側導電性シェル15に接続される。
【0026】
プラグ側絶縁ハウジング14における複数のコンタクト17と複数のコンタクト18とを含んだ複数のプラグ側コンタクトが配列配置された部分14aは、プラグ側絶縁ハウジング14の長手方向に伸びる板状部とされていて、接続嵌合部19を形成している。接続嵌合部19は、プラグコネクタ11と共に本願発明に係るコネクタ装置の一例を構成するリセプタクルコネクタ12における後述されるリセプタクル側絶縁ハウジング20に、それに設けられた嵌合口部21を通じて差し込まれ、それにより、プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ12との相互嵌合状態がとられる。
【0027】
プラグ側導電性シェル15は、プラグコネクタ11を、それが備える嵌合維持部材16を取り去ったものとして示す
図3に示されるように、複数のプラグ側コンタクトにおける複数のケーブル13が夫々接続された部分を、
図3における上下方向において挟んで覆うものとされている。そして、プラグ側導電性シェル15には、その長手方向(プラグコネクタ11の長手方向(左右方向))における両端部に、複数のケーブル13の配列を挟んで設けられた一対の突出部15aが形成されている。
【0028】
プラグ側導電性シェル15に、それに対して回動可能とされて設けられた嵌合維持部材16は、例えば、
図1に示されるように、金属製とされる棒状体が屈曲せしめられて形成された枠状部22と、枠状部22に取り付けられたカバー部23とを有したものとされている。枠状部22は、その両端部分がプラグ側導電性シェル15における長手方向の両端部に形成された一対の突出部15aに夫々係合しており、それにより、嵌合維持部材16の全体を、プラグ側導電性シェル15に対して回動可能に支持している。また、カバー部23は、導電性板状体によって形成され、複数の弾性接触片部23a及び23bが設けられていて、枠状部22に固着されている。そして、嵌合維持部材16は、プラグコネクタ11における接続嵌合部19が、リセプタクルコネクタ12のリセプタクル側絶縁ハウジング20に、それに設けられた嵌合口部21を通じて差し込まれたとき、リセプタクルコネクタ12における、リセプタクル側絶縁ハウジング20を部分的に覆うリセプタクル側導電性シェル24に係合し、それにより、プラグコネクタ11のリセプタクルコネクタ12との嵌合状態を維持する。
【0029】
そして、嵌合維持部材16は、
図1,
図2、さらには、
図2における V−V 線断面及びVI−VI線断面を夫々示す
図5及び
図6に示されるような、プラグ側導電性シェル15に対して起き上がった位置である第1の静止位置と、後述される
図9〜
図11に示されるような、プラグ側導電性シェル15に対して伏した位置である第2の静止位置とを選択的にとる。嵌合維持部材16が、プラグコネクタ11における接続嵌合部19がリセプタクル側絶縁ハウジング20にそれに設けられた嵌合口部21を通じて差し込まれたもとでリセプタクル側導電性シェル24に係合し、それにより、プラグコネクタ11のリセプタクルコネクタ12との嵌合状態を維持する状態をとるときには、当該嵌合維持部材16は、第2の静止位置をとるものとされる。
【0030】
また、プラグコネクタ11と共に本願発明に係るコネクタ装置の一例を構成するリセプタクルコネクタ12は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたリセプタクル側絶縁ハウジング20を備えている。リセプタクルコネクタ12をそれが備えるリセプタクル側導電性シェル24が取り外された状態をもって示す
図4に示されるように、リセプタクル側絶縁ハウジング20には、その相互対向端面部の一方に、前述のプラグコネクタ11の接続嵌合部19が差し込まれる嵌合口部21が設けられており、嵌合口部21からリセプタクル側絶縁ハウジング20の内部へと接続嵌合部収容空間が伸びている。以下においては、リセプタクルコネクタ12について、リセプタクル側絶縁ハウジング20における嵌合口部21が設けられた相互対向端面部の一方側を正面側とし、正面側の反対側となる相互対向端面部の他方側を背面側とし、正面側に向かって上側,下側,左側及び右側を、夫々、上,下,左及び右とする。リセプタクル側絶縁ハウジング20は、例えば、後述される
図12に示される回路基板60に配されて固定され、それにより、リセプタクルコネクタ12の全体が回路基板60に取り付けられたものとされる。
【0031】
リセプタクル側絶縁ハウジング20には、
図2に示されるような、複数の第1のコンタクト25と複数の第2のコンタクト26とが交互に配列配置されて設けられている。これらの第1のコンタクト25及び第2のコンタクト26は、全体で、複数のリセプタクル側コンタクトを形成している。即ち、リセプタクル側絶縁ハウジング20に配列配置された複数のリセプタクル側コンタクトが、複数の第1のコンタクト25と複数の第2のコンタクト26とを含むものとされているのである。
図2に示されるように、複数の第1のコンタクト25の夫々は、リセプタクル側絶縁ハウジング20が配される回路基板60に設けられた端子部に接続される第1の接続端子部27を、リセプタクル側絶縁ハウジング20の正面側端面部(相互対向端面部の一方)からリセプタクル側絶縁ハウジング20の外部に突出させており、また、複数の第2のコンタクト26の夫々は、リセプタクル側絶縁ハウジング20が配される回路基板60に設けられた端子部に接続される第2の接続端子部28を、リセプタクル側絶縁ハウジング20の背面側端面部(相互対向端面部の他方)からリセプタクル側絶縁ハウジング20の外部に突出させている。それにより、リセプタクル側絶縁ハウジング20の正面側端面部の外方には、第1の接続端子部27の配列が形成されており、また、リセプタクル側絶縁ハウジング20の背面側端面部の外方には、第2の接続端子部28の配列が形成されていることになる。
【0032】
複数の第1のコンタクト25と複数の第2のコンタクト26とを含んだ複数のリセプタクル側コンタクトは、プラグコネクタ11の接続嵌合部19がリセプタクル側絶縁ハウジング20に設けられた嵌合口部21を通じてリセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれたとき、リセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれたプラグコネクタ11の接続嵌合部19における複数のプラグ側コンタクトに夫々押圧接触する。その際、複数のリセプタクル側コンタクトに含まれる複数の第1のコンタクト25が、複数のプラグ側コンタクトに含まれる複数のコンタクト17に夫々押圧接触するとともに、複数のリセプタクル側コンタクトに含まれる複数の第2のコンタクト26が、複数のプラグ側コンタクトに含まれる複数のコンタクト18に夫々押圧接触する。それにより、リセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれたプラグコネクタ11の接続嵌合部19における複数のプラグ側コンタクトが、複数のリセプタクル側コンタクトを介して、リセプタクルコネクタ12が取り付けられた回路基板60に設けられた端子部に連結される。
【0033】
また、リセプタクルコネクタ12に備えられたリセプタクル側導電性シェル24は、リセプタクル側絶縁ハウジング20の正面側端面部における嵌合口部21の周囲部分,背面側端面部及びその近傍の部分,左右方向の両側面部の一部分及び下面部の大部分を除いた残りの部分を覆うものとされている。即ち、リセプタクル側導電性シェル24は、リセプタクル側絶縁ハウジング20を部分的に覆っているのである。斯かるリセプタクル側導電性シェル24には、リセプタクル側絶縁ハウジング20の長手方向に沿って伸びて、リセプタクル側絶縁ハウジング20の上方平坦部29を覆う平板状部30が設けられている。
【0034】
そして、リセプタクル側導電性シェル24は、平板状部30におけるその長手方向の両端部から夫々屈曲して下方に伸びる複数の基板接続部32を有しており、複数の基板接続部32の夫々は、リセプタクルコネクタ12が取り付けられた回路基板60に設けられた接地導体部に、例えば、半田付けにより接続されるものとされている。さらに、リセプタクル側導電性シェル24は、平板状部30におけるその長手方向の両端部から夫々屈曲して下方に伸びる一対の連結部31によって支えられた、帯状を成す端子シールド部33を有している。端子シールド部33は、複数の第1のコンタクト25が夫々有する複数の第1の接続端子部27の配列の外方に複数の第1の接続端子部27の配列を包囲して配されるものとされている。それにより、複数の第1の接続端子部27及び複数の第2の接続端子部28の夫々が、リセプタクル側絶縁ハウジング20が配される回路基板60に設けられた端子部に接続されるとともに、リセプタクル側導電性シェル24の複数の基板接続部32が回路基板60に設けられた接地導体部に接続されたもとにあっては、端子シールド部33が、回路基板60上において、複数の第1の接続端子部27の配列の外方において複数の第1の接続端子部27の配列を包囲して配されることになる。
【0035】
端子シールド部33には、複数の凸部34と複数の切欠き部を成す半田付け部35が設けられている。複数の凸部34は、プラグコネクタ11の接続嵌合部19がリセプタクル側絶縁ハウジング20に設けられた嵌合口部21を通じてリセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれたとき、プラグコネクタ11が備えるプラグ側導電性シェル15の、複数のプラグ側コンタクトにおける複数のケーブル13が夫々接続された部分を覆う部分に押圧当接する。また、複数の半田付け部35は、回路基板60上に配された端子シールド部33の回路基板60に設けられた接地導体部に対する半田付け接続に供される。
【0036】
図2における V−V 線断面を示す
図5に示されるように、リセプタクルコネクタ11における複数のリセプタクル側コンタクトに含まれる複数の第1のコンタクト25の夫々は、二股状部を成す一対の上アーム部41及び下アーム部42を有している。上アーム部41には、その先端部分に接点部43が形成されており、また、下アーム部42には、その中間部分に接点部44が形成されているとともに、接点部44を挟む両端部分に第1の接続端子部27とリセプタクル側絶縁ハウジング20により保持される係止部46とが夫々形成されている。
【0037】
斯かる複数の第1のコンタクト25の夫々は、例えば、弾性を有した導電性板状部材に打抜き加工が施されて形成される。そして、下アーム部42の一端部分に形成された接続端子部27は、リセプタクルコネクタ12の全体が回路基板60に取り付けられるとき、当該回路基板60における端子部に、例えば、半田付けされて電気的に接続される。
【0038】
また、
図2におけるVI−VI線断面を示す
図6に示されるように、リセプタクルコネクタ12における複数のリセプタクル側コンタクトに含まれる複数の第2のコンタクト26の夫々も、二股状部を成す一対の上アーム部47及び下アーム部48を有している。上アーム部47には、その先端部分に接点部49が形成されており、また、下アーム部48には、その両端部分に接点部50と第2の接続端子部28とが夫々形成されているとともに、中間部分にリセプタクル側絶縁ハウジング20により保持される係止部51が形成されている。
【0039】
斯かる複数の第2のコンタクト26の夫々も、例えば、弾性を有した導電性板状部材に打抜き加工が施されて形成される。そして、下アーム部48の他端部分に形成された接続端子部28は、リセプタクルコネクタ12の全体が回路基板60に取り付けられるとき、当該回路基板60における端子部に、例えば、半田付けされて電気的に接続される。
【0040】
図7(平面図)及び
図8(側面図)は、複数のケーブル13が装着されたプラグコネクタ11が、それに備えられた嵌合維持部材16が第1の静止位置をとる状態におかれたもとで、プラグコネクタ11のプラグ側絶縁ハウジング14における接続嵌合部19(
図2参照)が、リセプタクルコネクタ12のリセプタクル側絶縁ハウジング20に設けられた嵌合口部21を通じてリセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれ、プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ12とが相互嵌合状態におかれた、本願発明に係るコネクタ装置の一例を示す。
【0041】
プラグコネクタ11における接続嵌合部19がリセプタクルコネクタ12のリセプタクル側絶縁ハウジング20に設けられた嵌合口部21を通じてリセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれたもとにあっては、後述される
図10に示されるように、プラグコネクタ11における接続嵌合部19が、リセプタクルコネクタ12における複数の第1のコンタクト25の夫々が有する二股状部を成す一対の上アーム部41及び下アーム部42によって挟まれる状態におかれる。そして、プラグコネクタ11における接続嵌合部19の上面側において、複数のコンタクト17の夫々の受圧接触部52に、それ対応する第1のコンタクト25における上アーム部41に形成された接点部43が押圧当接するとともに、プラグコネクタ11における接続嵌合部19の下面側において、複数のコンタクト17の夫々の受圧接触部53に、それに対応する第1のコンタクト25における下側アーム部42に形成された接点部44が押圧当接する。
【0042】
また、プラグコネクタ11における接続嵌合部19がリセプタクルコネクタ12のリセプタクル側絶縁ハウジング20に設けられた嵌合口部21を通じてリセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれたもとにあっては、後述される
図11に示されるように、プラグコネクタ11における接続嵌合部19が、リセプタクルコネクタ12における複数の第2のコンタクト26の夫々が有する二股状部を成す一対の上アーム部47及び下アーム部48によっても挟まれる状態におかれる。そして、プラグコネクタ11における接続嵌合部19の下面側において、複数のコンタクト18の夫々の受圧接触部54に、それに対応する第2のコンタクト26における下アーム部48に形成された接点部50が押圧当接するとともに、プラグコネクタ11における接続嵌合部19の上面側において、複数のコンタクト18の夫々における受圧接触部55に、それに対応する第2のコンタクト26における上アーム部47に形成された接点部49が押圧当接する。
【0043】
さらに、プラグコネクタ11における接続嵌合部19がリセプタクルコネクタ12のリセプタクル側絶縁ハウジング20に設けられた嵌合口部21を通じてリセプタクル側絶縁ハウジング20に差し込まれたもとにあっては、リセプタクルコネクタ12に備えられたリセプタクル側導電性シェル24における端子シールド部33が、それに設けられた複数の凸部34(
図2参照)を、プラグコネクタ11に備えられたプラグ側導電性シェル15における、複数のプラグ側コンタクトにおける複数のケーブル13が夫々接続された部分を覆う部分に押圧当接させるものとされ、それにより、端子シールド部33がプラグ側導電性シェル15との電気的接続状態におかれる。
【0044】
その後、上述のようにしてプラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ12とが相互嵌合状態におかれたもとで、
図9,
図9における X−X 線断面を示す
図10、及び、
図9におけるXI−XI線断面を示す
図11に示されるように、プラグコネクタ11に備えられた嵌合維持部材16が第1の静止位置から第2の静止位置へと移行せしめられると、嵌合維持部材16が、リセプタクルコネクタ12におけるリセプタクル側導電性シェル24に係合し、それにより、プラグコネクタ11のリセプタクルコネクタ12との嵌合状態を維持するものとされる。斯かる際にあっては、
図12に示されるように、リセプタクルコネクタ12は、そのリセプタクル側絶縁ハウジング20が回路基板60に配されて、回路基板60に取り付けられている。
【0045】
回路基板60に取り付けられたリセプタクルコネクタ12にあっては、リセプタクル側導電性シェル24における複数の基板接続部32(
図2参照)の夫々が、回路基板60に設けられた接地導体部に、例えば、半田付けにより接続されていて、リセプタクル側導電性シェル24に接地電位が印加されており、また、複数の第1のコンタクト25の夫々における第1の接続端子部27が、回路基板60に設けられた端子部に接続されるとともに、複数の第2のコンタクト26の夫々における第2の接続端子部28が、回路基板60に設けられた端子部に接続されており、リセプタクル側導電性シェル24における端子シールド部33が、回路基板60上に、複数の第1の接続端子部27の配列の外方において複数の第1の接続端子部27の配列を包囲するものとして配されていて、それにおける複数の半田付け部35において、回路基板60に設けられた接地導体部に半田付け接続されている。
【0046】
第2の静止位置へと移行せしめられて、リセプタクルコネクタ12におけるリセプタクル側導電性シェル24に係合し、プラグコネクタ11のリセプタクルコネクタ12との嵌合状態を維持するものとされたプラグコネクタ11に備えられた嵌合維持部材16にあっては、
図12に示されるように、カバー部23が、リセプタクルコネクタ12におけるリセプタクル側導電性シェル24を全体的に覆うものとされる。そして、カバー部23に設けられた複数の弾性接触片部23aの夫々が、プラグコネクタ11におけるプラグ側導電性シェル15に押圧接触して、プラグ側導電性シェル15との電気的接続状態におかれるとともに、カバー部23に設けられた複数の弾性接触片部23b(
図1参照)の夫々が、リセプタクル側導電性シェル24に押圧接触して、リセプタクル側導電性シェル24との電気的接続状態におかれる。それにより、プラグ側導電性シェル15及びカバー部23を含めた嵌合維持部材16に、リセプタクル側導電性シェル24を介して接地電位が印加される。
【0047】
このようにして、回路基板60に取り付けられたリセプタクルコネクタ12と複数のケーブル13が装着されたプラグコネクタ11とが相互嵌合状態におかれたもとにあっては、プラグコネクタ11に装着された複数のケーブル13が、プラグコネクタ11における複数のコンタクト17と複数のコンタクト18とを含んだ複数のプラグ側コンタクト及びリセプタクルコネクタ12における複数の第1のコンタクト25及び複数の第2のコンタクト26とを含んだ複数のリセプタクル側コンタクトを通じて、回路基板60に設けられた端子部に連結されたものとされる。そして、斯かるもとで、リセプタクルコネクタ12に備えられたリセプタクル側導電性シェル24における端子シールド部33(
図1参照)は、回路基板60上において、リセプタクルコネクタ12における複数の第1のコンタクト25が夫々有する複数の第1の接続端子部27の配列を包囲して配され、プラグコネクタ11に備えられたプラグ側導電性シェル15との電気的接続状態におかれたもとで、接地電位が印加されるものとされることにより、リセプタクルコネクタ12における複数の第1のコンタクト25が夫々有する複数の第1の接続端子部27に対して電磁シールド作用をもたらす。即ち、回路基板60上に配された複数の第1の接続端子部27が、リセプタクル側導電性シェル24における端子シールド部33による電磁シールド作用を受けて、外部からの電磁ノイズの導入あるいは外部への電磁ノイズの漏出が阻止されるものとされるのである。
【0048】
また、回路基板60上において、リセプタクルコネクタ12における複数の第2のコンタクト26が夫々有する複数の第2の接続端子部28(
図2参照)の配列は、リセプタクルコネクタ12におけるリセプタクル側導電性シェル24を全体的に覆うものとされた、プラグコネクタ11に備えられた嵌合維持部材16におけるカバー部23によって覆われる。そして、カバー部23を含めた嵌合維持部材16には、リセプタクル側導電性シェル24を介して接地電位が印加されるので、回路基板60上に配された複数の第2の接続端子部28が、嵌合維持部材16におけるカバー部23による電磁シールド作用を受けて、外部からの電磁ノイズの導入あるいは外部への電磁ノイズの漏出が阻止されるものとされる。
【0049】
上述のように、プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ12とを含んで構成される本願発明に係るコネクタ装置の一例にあっては、回路基板60に配されたリセプタクル側絶縁ハウジング20を備えたリセプタクルコネクタ12が、複数の第1のコンタクト25が夫々有する複数の第1の接続端子部27を、リセプタクル側絶縁ハウジング20の正面側端面部(相互対向端面部のうちの一方)からリセプタクル側絶縁ハウジング20の外部に突出して回路基板60に接続されるものとするとともに、複数の第2のコンタクト26が夫々有する複数の第2の接続端子部28を、リセプタクル側絶縁ハウジング20の背面側端面部(相互対向端面部のうちの他方)からリセプタクル側絶縁ハウジング20の外部に突出して回路基板60に接続されるものとしたもとで、プラグコネクタ11が備えるプラグ側絶縁ハウジング14における複数のケーブル13が夫々接続された複数のプラグ側コンタクト(複数のコンタクト17及び18)が配列配置された接続嵌合部19が、リセプタクル側絶縁ハウジング20の正面側端面部に設けられた嵌合口部21に差し込まれて、プラグコネクタ11がリセプタクルコネクタ12との嵌合状態をとるとき、リセプタクルコネクタ12におけるリセプタクル側導電性シェル24が有する端子シールド部33が、複数の第1のコンタクト25が夫々有する複数の第1の接続端子部27の配列の外方にそれを包囲して配されたもとで、プラグコネクタ11が備える複数のプラグ側コンタクトにおける複数のケーブル13が接続された部分を覆うプラグ側導電性シェル15に当接接触するものとされ、それにより、リセプタクルコネクタ12における複数の第1のコンタクト25が夫々有する複数の第1の接続端子部27に対する電磁シールド作用をもたらす。
【0050】
従って、上述の本願発明に係るコネクタ装置の一例によれば、複数のケーブル13が装着されるプラグコネクタ11とそのプラグコネクタ11が嵌合するリセプタクルコネクタ12とを含んで構成され、リセプタクルコネクタ12が、正面側端面部にプラグコネクタ11における接続嵌合部19が差し込まれる嵌合口部21が設けられて回路基板60に配されるリセプタクル側絶縁ハウジング20を備え、そのリセプタクル側絶縁ハウジング20に配列配置された複数のリセプタクル側コンタクトが、交互に配された複数の第1のコンタクト25と複数の第2のコンタクト26とを含むものとされたもとで、複数の第1のコンタクト25の各々の第1の接続端子部27がリセプタクル側絶縁ハウジング20の正面側端面部からその外部に突出して回路基板60に接続されるとともに、複数の第2のコンタクト26の各々の第2の接続端子部28がリセプタクル側絶縁ハウジング20の背面側端面部からその外部に突出して回路基板60に接続されるものとされて、全体の小型・薄型化が図られるもとにおいても、プラグコネクタ11がリセプタクルコネクタ12との嵌合状態におかれた際において、複数の第1のコンタクト25が夫々有する複数の第1の接続端子部27に対して効果的な電磁シールド作用をもたらすことができることになる。
【0051】
また、本願発明に係るコネクタ装置の一例にあっては、プラグコネクタ11がリセプタクルコネクタ12との嵌合状態におかれた際における、複数の第2のコンタクト26が夫々有する複数の第2の接続端子部28に対する電磁シールド作用については、プラグコネクタ11に設けられた嵌合維持部材16が有するカバー部23がもたらすものとすることができる。斯かる際には、プラグコネクタ11がリセプタクルコネクタ12との嵌合状態におかれたもとで、プラグコネクタ11が備える嵌合維持部材16が有するカバー部23が、嵌合維持部材16がリセプタクル側導電性シェル24に係合したとき、リセプタクルコネクタ12における複数の第2の接続端子部28の配列を覆うものとされ、それにより、リセプタクルコネクタ12に備えられた複数の第2のコンタクト26が夫々有する複数の第2の接続端子部28に対する電磁シールド作用をもたらすものとなる。