(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の店舗は、前記第1の店舗への現金の補充分を保持している関連店舗のうちで、前記第1の店舗との往復距離が最短である関連店舗である、請求項1に記載の情報処理装置。
前記配送車は、所定の条件を満たす1または2以上の配送車のうちで、前記第1の店舗への移動距離が最短である配送車である、請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記所定の条件は、前記第1の店舗への現金の補充分を搭載していること、および前記第1の店舗へ直行可能なステータスを有すること、を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
前記補充制御部は、前記第2の店舗の情報と共に、前記第2の店舗に現金を取り行くか否かを選択するための情報を前記店舗端末に送信する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記補充制御部は、前記第2の店舗に現金を取りに行くことが選択されたことに基づいて、前記第2の店舗の店舗端末に通知を送信する、請求項5に記載の情報処理装置。
前記補充制御部は、前記第2の店舗の情報と共に、さらに、前記配送車により現金を補充するか否かを選択するための情報を前記店舗端末に送信する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記補充制御部は、前記配送車により現金を補充することが選択されたことに基づいて、前記配送車に前記第1の店舗への現金の補充を指示する、請求項8に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成または論理的意義を有する複数の構成を、必要に応じて店舗端末32Aおよび32Bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。例えば、店舗端末32Aおよび32Bを特に区別する必要が無い場合には、各店舗端末を単に店舗端末32と称する。
【0022】
<1.釣銭管理システムの構成>
図1は、本発明の実施形態による釣銭管理システムの構成を示す説明図である。
図1に示したように、本発明の実施形態による釣銭管理システムは、配送車10と、車載端末12と、ネットワーク16と、ネットワーク18と、釣銭管理サーバ20と、レジ30と、店舗端末32を備える。各店舗端末32および釣銭管理サーバ20はネットワーク16を介して接続されており、車載端末12および釣銭管理サーバ20はネットワーク18を介して接続されている。
【0023】
配送車10は、貨物等を載せて走行することが可能な4輪または2輪等の車両であり、貨物等を目的地へ配送する際に使用される。配送車10は、例えば警備会社によるATMの現金補充サービスや、飲食店や小売店などの各種の店舗の釣銭補充サービス等において使用されている。また、銀行が配送車10にATMを搭載し、配送車10を移動店舗として使用する場合もある。
【0024】
配送車10は、移動ルートを目的に合わせて設定することができる。例えば、配送車10は、設定された移動ルートでATMまたは店舗へ移動する場合もあれば、移動ルートを設定せずに店舗からの要請があった場合に対応できるように巡回している場合もある。また、配送車10は移動ルートを設定していても、店舗から緊急の要請があった場合には移動ルートを変更しての対応も可能である。
【0025】
配送車10は、例えば、現金および車載端末12を搭載しており、釣銭管理サーバ20からの指示に基づき、第1の店舗へ現金を配送する。第1の店舗とは、釣銭の不足を検知した店舗である。第1の店舗には、所定の条件を満たす1または2以上の配送車10のうち、現金を補充する店舗への移動距離が最短の配送車10が現金の補充をする。所定の条件には、第1の店舗への現金の補充分を搭載していること、および第1の店舗へ直行可能なステータスを有することを含んでもよい。
【0026】
車載端末12は、カーナビのような車両に搭載される通信端末等である。配送業者は、車載端末12が配送車10の配送状況や位置情報を取得し、本部が各配送車10の状況を一元管理することで、配送業務の効率化等を図ることが可能となる。例えば、車載端末12を搭載した配送車10は、車載端末12が取得した配送車10の位置情報を取得し、ネットワーク18を介して釣銭管理サーバ20へ位置情報を送信する。
【0027】
釣銭管理サーバ20は、各店舗と配送車10の位置情報、および各店舗の釣銭情報に基づいて、より適切な補充方法での現金の補充を実現するための情報処理装置である。例えば、釣銭管理サーバ20は、配送車10の位置情報と、第2の店舗の位置情報を取得し、それらの位置情報に基づき、第1の店舗が配送車10から現金を補充するためにかかる補充時間、および第2の店舗から現金を補充するためにかかる補充時間を算出する。第2の店舗とは、第1の店舗への現金の補充分を保持している関連店舗のうち、第1の店舗との往復距離が最短である関連店舗である。釣銭管理サーバ20は、算出した補充時間が短い方の補充元を選択し、配送車10に第1の店舗への現金の補充を指示する、または、第1の店舗に第2の店舗の情報を送信する。
【0028】
また、釣銭管理サーバ20は、ネットワーク16を介して店舗端末32からレジ30の釣銭情報を取得し、ネットワーク18を介して車載端末12から配送車10の位置情報を取得する。釣銭管理サーバ20は、取得した情報に基づき、上述の処理を実施する。
【0029】
レジ30は、飲食店や小売店などの各種の店舗において商品を販売した際に、販売額と釣銭額の計算や、客との取引に使用する現金を保管するための機器である。レジ30の種類には、金額の計算と現金を保管する機能のみを有するレジの他に、販売した商品の情報等をリアルタイムで管理することができる販売時点情報管理システム(POSシステム:Point Of Sales System)を搭載したレジや、自動で釣銭を排出する機能を有するレジもある。レジ30は、釣銭準備金の有高を店舗端末32へ特定の間隔で送信する。例えば、複数の店舗がある場合、ある店舗Aのレジ30Aは釣銭準備金の有高を店舗端末32Aへ送信し、ある店舗Bのレジ30Bは釣銭準備金の有高を店舗端末32Bへ送信する。
【0030】
店舗端末32は、レジ30が特定の間隔で送信する釣銭準備金の有高を受信および管理している。店舗端末32は、レジ30から受信した釣銭準備金の有高が釣銭準備金の不足を示す場合、または釣銭管理サーバ20からの要求があった場合に、ネットワーク16を介して釣銭管理サーバ20へレジ30の釣銭情報を送信する。例えば、複数の店舗がある場合、ある店舗Aの店舗端末32Aはレジ30Aの釣銭情報を釣銭管理サーバ20へ送信し、ある店舗Bの店舗端末32Bはレジ30Bの釣銭情報を釣銭管理サーバ20へ送信する。なお、レジ30は、釣銭準備金の不足が生じた場合に釣銭準備金の不足を示す釣銭不足通知を店舗端末32に送信し、レジ30は、店舗端末32からの釣銭不足通知の受信に基づいて当該釣銭不足通知を釣銭管理サーバ20へ送信してもよい。
【0031】
<2.車載端末の構成>
以上、本発明の実施形態による釣銭管理システムの構成を説明した。続いて、本発明の実施形態による車載端末12の構成をより具体的に説明する。
【0032】
図2は、本発明の実施形態による車載端末12の構成を示す説明図である。
図2に示したように、本発明の実施形態による車載端末12は、通信部120と、制御部122と、位置推定部124と、操作部126と、表示部128を備える。
【0033】
通信部120は、釣銭管理サーバ20とのインタフェースであり、釣銭管理サーバ20と情報を通信する。例えば、通信部120は第1の店舗の情報を釣銭管理サーバ20から受信する店舗情報取得部、としての機能を有する。また、通信部120は、位置推定部124が取得した配送車10の位置情報を釣銭管理サーバ20へ送信する送信部としての機能も有する。
【0034】
制御部122は、車載端末12の動作全般を制御する。例えば、制御部122は、通信部120と釣銭管理サーバ20との通信、操作部126からの入力情報に基づく出力情報の表示部128への出力を制御する。
【0035】
位置推定部124は、配送車10の位置情報を取得する機能を有する。位置情報の取得方法には、人工衛星からの電波を受信することで位置を推定する全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)や、無線LANのアクセスポイントからの電波を受信することで位置を推定する方法がある。
【0036】
操作部126は、ユーザによる入力情報を取得し、制御部122へ入力情報を出力する機能を有する。例えば、配送車10の配送担当者は、釣銭管理サーバ20から受信した第1の店舗の情報を確認するための操作を、操作部126で入力する。また、配送車10の配送担当者は、第1の店舗への現金の補充を完了した時に、配送車10のステータスを配送完了にするための操作を、操作部126で入力する。
【0037】
表示部128は、制御部122からの出力情報を表示する機能を有する。例えば、表示部128は、配送担当者が操作部126に入力した情報に基づき、配送車10の周辺の地図や、第1の店舗の情報等を表示する。
【0038】
<3.店舗端末の構成>
以上、本発明の実施形態による車載端末12の構成を説明した。続いて、
図3を参照し、本発明の実施形態による店舗端末32の構成を説明する。
【0039】
図3は、本発明の実施形態による店舗端末32の構成を示す説明図である。
図3に示したように、本発明の実施形態による店舗端末32は、通信部320、制御部322、操作部324、表示部326、釣銭残高記憶部328を備える。
【0040】
通信部320は、レジ30および釣銭管理サーバ20とのインタフェースであり、レジ30および釣銭管理サーバ20と情報を通信する。例えば、通信部320は、レジ30から釣銭準備金の有高を受信する釣銭情報取得部、釣銭管理サーバ20から最適な釣銭補充方法の情報を受信する釣銭補充方法取得部、としての機能を有する。また、通信部320は、釣銭不足通知とレジ30において不足している釣銭の情報を、釣銭管理サーバ20へ送信する送信部としての機能も有する。
【0041】
制御部322は、店舗端末32の動作全般を制御する。例えば、制御部322は、釣銭残高記憶部328による情報の記憶、通信部320と釣銭管理サーバ20またはレジ30との通信、操作部324からの入力情報に基づく出力情報の表示部326への出力を制御する。
【0042】
操作部324は、ユーザによる入力情報を取得し、制御部322へ入力情報を出力する機能を有する。例えば、店舗の従業員が、レジ30の釣銭残高を確認するための操作を操作部324で入力する。また、店舗の従業員は、釣銭管理サーバ20から受信した案内通知を確認するための操作を、操作部324で入力する。なお、案内通知とは、第1の店舗の従業員が第2の店舗へ現金を補充に行くことが記載された通知である。
【0043】
表示部326は、制御部322からの出力情報を表示する機能を有する。例えば、表示部326は、従業員が操作部324に入力した情報に基づき、レジ30の釣銭残高や、第2の店舗に関する情報等を表示する。
【0044】
釣銭残高記憶部328は、レジ30が店舗端末32へ送信する釣銭準備金の有高に基づき算出される釣銭残高を記憶する。
【0045】
<4.釣銭管理サーバの構成>
以上、本発明の実施形態による店舗端末32の構成を説明した。続いて、
図4を参照し、本発明の実施形態による釣銭管理サーバ20の構成を説明する。
【0046】
図4は、本発明の実施形態による釣銭管理サーバ20の構成を示す説明図である。
図4に示したように、本発明の実施形態による釣銭管理サーバ20は、通信部220と、制御部240と、配送車情報記憶部260と、店舗情報記憶部280を備える。
【0047】
通信部220は、車載端末12および店舗端末32とのインタフェースであり、車載端末12および店舗端末32と情報を通信する。例えば、通信部220は、配送車10の位置情報を車載端末12から受信する位置情報取得部、各店舗の釣銭準備金に関する釣銭情報を受信する釣銭情報取得部、としての機能を有する。また、通信部220は、補充制御部246による出力情報を車載端末12および店舗端末32へ送信する送信部としての機能も有する。
【0048】
制御部240は、釣銭管理サーバ20の動作全般を制御する。例えば、制御部240は、通信部220と車載端末12または店舗端末32との通信、配送車情報記憶部260または店舗情報記憶部280による情報の記憶を制御する。
【0049】
また、本実施形態による制御部240は、
図4に示したように、情報管理部242と、補充時間算出部244と、補充制御部246を備える。
【0050】
情報管理部242は、通信部220が受信した情報の記憶を制御する。例えば、情報管理部242は、配送業者が各配送車の配送車IDと、現金搭載状況を登録する時、または配送車10の現金搭載状況を更新する時等に、各情報を配送車情報記憶部260に記憶させる。また、情報管理部242は、店舗の管理者が各店舗の店舗ID、位置情報を登録する時には、各情報を店舗情報記憶部280に記憶させる。
【0051】
配送車情報記憶部260は、制御部240が所定の条件を満たす配送車の選択をするため、および第1の補充時間を算出するために参照する情報を記憶する。配送車情報記憶部260は、
図5に示すように、配送車ID、位置情報、現金搭載状況を関連付けて記憶する。配送車IDは、各配送車10を識別するために英字または数字等を組み合わせて設定される文字列である。位置情報は、車載端末12が特定の間隔で送信する配送車10の位置を示す情報である。位置情報は、車載端末12が特定の間隔で送信する情報の受信に基づき記憶、および随時更新される。現金搭載情報は、配送車10が所持している紙幣および硬貨の枚数を示す。配送車IDと現金搭載状況は、配送業者によりあらかじめ初期値として登録される。また、現金搭載状況は、配送車10が現金の補充を完了した時に、車載端末12が送信する情報の受信に基づき随時更新される。
【0052】
店舗情報記憶部280は、制御部240が第2の店舗の選択をするため、第2の補充時間の算出をするため、および第1の店舗の関連店舗の有無確認をするために参照する情報を記憶する。店舗情報記憶部280は、
図6に示すように、店舗ID、位置情報、関連店舗IDを関連付けて記憶する。店舗IDは、各店舗を識別するために英字または数字等を組み合わせて設定される文字列である。位置情報は、店舗の位置を示す情報である。関連店舗IDは、各店舗の関連性を識別するために英字または数字等を組み合わせて設定する文字列である。店舗ID、位置情報、関連店舗IDは、店舗の管理者によりあらかじめ登録される。
【0053】
補充時間算出部244は、配送車情報記憶部260および店舗情報記憶部280に記憶された情報に基づき、所定の条件を満たす配送車10が、釣銭準備金の不足を示した第1の店舗に現金を補充するためにかかる時間(第1の補充時間)を算出する。第1の補充時間の算出にあたり、まず補充時間算出部244は、配送車情報記憶部260から配送車10の位置情報と、店舗情報記憶部280から第1の店舗の位置情報を取得する。補充時間算出部244は、取得した配送車10と第1の店舗の位置情報に基づき、配送車10から第1の店舗への移動距離を算出した上で、第1の補充時間を算出する。なお、所定の条件とは、配送車10が第1の店舗への現金の補充分を搭載していることであってもよい。
【0054】
また、補充時間算出部244は、第1の店舗が第2の店舗から現金を補充するためにかかる時間(第2の補充時間)を算出する。第2の補充時間の算出にあたり、まず補充時間算出部244は、店舗情報記憶部280から第1の店舗の位置情報と、第1の店舗に関連性を有する第2の店舗の位置情報を取得する。補充時間算出部244は、取得した位置情報に基づき、第1の店舗から第2の店舗までの往復距離を算出した上で往復時間も算出し、その往復時間を第2の補充時間とする。なお、第1の店舗に関連性を有する第2の店舗とは、第1の店舗と同一の関連店舗IDを有する店舗のことである。
【0055】
補充制御部246は、第2の店舗の情報を、通信部220に第1の店舗の店舗端末32へ送信させる。第2の店舗の情報は、第1の店舗が行う対応の選択肢を含む。第1の店舗に第2の店舗の情報が送信されることで、第1の店舗の従業員は店舗の運営状況に合わせた現金の補充方法を選択することができるため、現金の補充の対応による店舗運営への影響を小さく抑えることができる。また、補充制御部246は、第2の店舗の情報に対する第1の店舗の応答に基づく指示を、通信部220に第2の店舗の店舗端末32または配送車10の車載端末12へ送信させる。
【0056】
第2の店舗の情報には、
図7に示すように、表示ウィンドウ40に確認メッセージ400、選択肢402、選択肢404、選択肢406、地
図408が表示される。確認メッセージ400には、第2の店舗から補充できる紙幣または硬貨の枚数、および第1の店舗への補充確認メッセージが表示される。
【0057】
選択肢402は、第1の店舗の従業員が第2の店舗へ現金を補充に行くことを選択するための選択肢である。当選択肢は、例えば、第1の店舗の人手が十分である場合に選択されることが想定される。なお、当選択肢が選択された場合、釣銭管理サーバ20が第2の店舗の店舗端末32へ、第1の店舗の従業員が第2の店舗へ現金を補充に行くことが記載された案内通知を送信する。
【0058】
選択肢404は、第1の店舗の従業員が第2の店舗へ現金を補充に行かず、配送車10へ現金の補充を依頼するための選択肢である。当選択肢は、例えば、第1の店舗の人手が不足している場合に選択されることが想定される。なお、当選択肢が選択された場合、釣銭管理サーバ20が配送車10の車載端末12へ補充指示の情報を送信する。
【0059】
選択肢406は、第1の店舗の従業員が第2の店舗および配送車10のどちらからも現金を補充しないための選択肢である。当選択肢は、例えば、店舗の運営状況より急ぎ現金を補充しなくても、運営を継続できる余裕がある場合に選択されることが想定される。なお、当選択肢が選択された場合、釣銭管理サーバ20は処理を終了する。
【0060】
地
図408は、第2の店舗の位置情報に基づく、第2の店舗の位置および周辺の地図を表示する。
【0061】
<5.動作>
以上、本発明の実施形態による釣銭管理システムの構成を説明した。続いて、
図8および
図9を参照して、本発明の実施形態による釣銭管理システムの動作を整理する。
【0062】
図8は、本発明の実施形態による釣銭管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図8に示したように、釣銭管理サーバ20が、店舗および配送車10の情報に基づき、釣銭管理システムの動作を制御している。まず、配送業者の管理者が初期値として入力した配送車10の配送車IDと現金搭載状況を、情報管理部242が釣銭管理サーバ20の配送車情報記憶部260にあらかじめ記憶する(ステップS504)。また、店舗の管理者が初期値として入力した店舗の店舗IDと位置情報を、情報管理部242が店舗情報記憶部280にあらかじめ記憶する(ステップS508)。
【0063】
配送車10の車載端末12は、配送車10の位置情報を特定の間隔で釣銭管理サーバ20へ送信する(ステップS512)。また、店舗Aのレジ30Aは、レジ30Aの釣銭準備金の有高を特定の間隔で店舗端末32Aへ送信する(ステップS516)。なお、レジ30がPOSシステムを搭載していない場合、レジ30は重量センサ等により釣銭準備金の有高を算出してもよい。
【0064】
店舗Aの店舗端末32Aが釣銭準備金の不足を検知した場合、店舗端末32Aが釣銭管理サーバ20へ釣銭不足通知を送信する(ステップS520)。釣銭不足通知を受信した釣銭管理サーバ20は、各記憶部の情報および店舗Aからの応答に基づき、補充元の決定を行う(ステップS524)。
【0065】
補充元が店舗Bである場合、釣銭管理サーバ20は店舗Bの店舗端末32Bへ案内通知を送信する(ステップS532)。店舗Bは、あらかじめ案内通知を受けることで、店舗運営への影響を小さく抑えながら、店舗Aへ渡す現金を準備できる。
【0066】
補充元が配送車10である場合、釣銭管理サーバ20は配送車10の車載端末12へ、店舗Aへの現金の補充指示を行う(ステップS536)。補充指示を受けた配送車10は、店舗Aへ移動し、店舗Aで不足していた現金を渡す。(ステップS540)、補充完了後に補充完了通知を車載端末12から釣銭管理サーバ20へ送信する(ステップS544)。補充完了通知を受信した釣銭管理サーバ20は、配送車10の現金搭載状況を更新する(ステップS548)。
【0067】
図9は、補充元の決定動作を示すフローチャートである。
図9に示したように、まず情報管理部242は、店舗Aに関連店舗があるか否かを判断する(ステップS604)。関連店舗の有無は、情報管理部242が店舗情報記憶部280を参照し、店舗Aの関連店舗IDと同一の関連店舗IDを有する他の店舗が登録されているか否かで決定する。関連店舗がある場合、補充時間算出部244は、所定の条件を満たす配送車10が現金を補充するための時間(第1の補充時間)を算出する(ステップS612)。また、補充時間算出部244は、店舗Aと同一の関連店舗IDを有する店舗の中で、往復距離が最短である店舗から現金を補充するための時間(第2の補充時間)を算出する(ステップS616)。関連店舗がない場合は、所定の条件を満たす配送車10を補充元に決定する(ステップS608)。なお、
図9における所定の条件は、配送車10が、店舗Aへの現金の補充分を搭載していることである。
【0068】
補充制御部246は、算出した第1の補充時間と第2の補充時間を比較し(ステップS620)、第1の補充時間の方が小さい場合、所定の条件を満たす配送車10を補充元に決定する(ステップS608)。第2の補充時間の方が小さい場合、釣銭管理サーバ20は該当店舗に釣銭準備金の有高を問い合わせる(ステップS624)。補充制御部246は、問い合わせた該当店舗の釣銭準備金の有高に基づき、該当店舗から店舗Aへ現金の補充ができるか否かを判断する(ステップS628)。該当店舗から店舗Aの現金の補充ができない場合、補充時間算出部244は次に店舗Aとの往復距離が短い店舗から現金を補充するための時間(第2の補充時間)を算出し(ステップS632)、釣銭管理サーバ20はステップS620、ステップS624、ステップS628の処理を再度実行する。釣銭管理サーバ20は、店舗Aへ現金の補充ができる店舗が見つかるまでステップS620、ステップS624、ステップS628、ステップS632の処理を繰り返し、該当店舗が見つかった場合、店舗Aに該当店舗の情報を通知する(ステップS636)。なお、ステップS628で決定した該当店舗は、上述の第2の店舗と同一である。
【0069】
補充制御部246は、該当店舗の情報を受けた店舗Aの応答に基づき、補充元を決定する(ステップS640)。例えば、店舗Aが該当店舗からの補充を選択した場合、補充制御部246は該当店舗(店舗B)を補充元に決定する(ステップS644)。店舗Aが配送車からの補充を選択した場合、補充制御部246は所定の条件を満たす配送車10を補充元に決定する(ステップS608)。ステップS640において、店舗Aが補充不要を選択した場合、補充制御部246は店舗Aへの現金の補充が不要と判断し、処理を終了する。
【0070】
<6.小括>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、店舗の店舗端末32が、釣銭準備金の不足を検知した際に、釣銭管理サーバ20は、配送車10や関連する店舗の状況に応じて、最も早く釣銭を補充できる方法を選択および通知することが可能となる。また、釣銭の補充方法を通知された店舗は、店舗の運営状況に合わせた補充方法を選択することができるため、店舗運営への影響を小さく抑えることも可能となる。
【0071】
<7.変形例>
以上、本発明の実施形態を説明した。以下では、本発明の実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0072】
(第1の変形例)
上記の実施形態では、店舗端末32がレジ30の釣銭準備金の不足を検知した際に、店舗端末32がレジ30の釣銭準備金に関する釣銭情報を釣銭管理サーバ20へ送信する例を説明したが、レジ30がPOSシステムを搭載している場合、店舗はレジ30の釣銭準備金の有高をリアルタイムで釣銭管理サーバ20へ送信することが可能である。その場合、釣銭管理サーバ20はレジ30のリアルタイムな釣銭準備金の有高を有しているため、あらかじめ店舗Aへの現金補充が可能な複数の店舗を候補としてあげることができる。なおかつ、該当店舗への釣銭準備金の有高の問い合わせが不要となるため、
図9におけるステップS624、ステップS628、ステップS632を省略することができ、
図10に示すフローを適用することが可能となる。
【0073】
図10に示すフローでは、まず情報管理部242は、店舗Aに関連店舗があるか否かを判断する(ステップS704)。関連店舗の有無は、情報管理部242が店舗情報記憶部280を参照し、店舗Aの関連店舗IDと同一の関連店舗IDを有する他の店舗が登録されているか否かで判断される。関連店舗がある場合、補充時間算出部244は、所定の条件を満たす配送車10が現金を補充するための時間(第1の補充時間)を算出する(ステップS712)。また、補充時間算出部244は、店舗Aと同一の関連店舗IDを有する店舗の中で、店舗Aへの現金の補充が可能、かつ往復距離が最短である店舗から現金を補充するための時間(第2の補充時間)を算出する(ステップS716)。関連店舗がない場合は、所定の条件を満たす配送車10を補充元に決定する(ステップS708)。なお、
図10における所定の条件は、配送車10が、店舗Aへの現金の補充分を搭載していることである。
【0074】
補充制御部246は、算出した第1の補充時間と第2の補充時間を比較し(ステップS720)、第1の補充時間の方が小さい場合、所定の条件を満たす配送車10を補充元に決定する(ステップS708)。第2の補充時間の方が小さい場合、店舗Aに該当店舗の情報を通知する(ステップS724)。補充制御部246は、該当店舗の情報を受けた店舗Aの応答に基づき、補充元を決定する(ステップS728)。例えば、店舗Aが該当店舗からの補充を選択した場合、補充制御部246は該当店舗を補充元に決定する(ステップS732)。店舗Aが配送車からの補充を選択した場合、補充制御部246は所定の条件を満たす配送車10を補充元に決定する(ステップS708)。ステップS628において、店舗Aが補充不要を選択した場合、補充制御部246は店舗Aへの現金の補充が不要と判断し、処理を終了する。
【0075】
(第2の変形例)
店舗によっては、外部から現金を補充しなくても釣銭不足を解消できる場合もある。例えば、レジ30外に棒金を保管している店舗では、その棒金を使って釣銭を補充することで釣銭不足が解消され得る。また、複数のレジ30がある店舗では、レジ30間で釣銭を移動することで釣銭不足が解消され得る。よって、釣銭不足を検知したからといって、必ずしも当釣銭管理システムによるサービスを受ける必要はないということである。そこで、店舗端末32が釣銭準備金の不足を検知後、特定の期間内に釣銭不足が解消された場合は釣銭管理サーバ20に釣銭不足通知を送信せず、特定の期間内に釣銭不足が解消されなかった場合は釣銭管理サーバ20に釣銭不足通知を送信することにしてもよい。また、1つの店舗端末32が複数のレジ30および予備の棒金量を一元管理している場合、店舗端末32が何れかのレジ30の釣銭不足を検知しても、他のレジ30が釣銭不足を補うために十分な量の釣銭を持っているならば、店舗端末32は釣銭不足を示したレジ30の釣銭不足を解消できるものとみなして、店舗端末32は釣銭管理サーバ20に釣銭不足通知を送信しなくてもよい。この時、レジ30間で釣銭を移動せず、実際に釣銭不足を解消していなくてもよい。
【0076】
なお、釣銭準備金の不足が解消されたか否かは、レジ30が店舗端末32へ特定の間隔で送信する釣銭準備金の有高に基づき、店舗端末32により判断される。
【0077】
(第3の変形例)
補充元の決定において、釣銭管理サーバ20が、店舗Aとの往復距離が最短である店舗Bからの現金の補充にかかる時間を算出し、配送車10が現金の補充にかかる時間と比較する例を説明した。しかし、店舗Aとの往復距離が最短でなくても、現金の補充にかかる時間は最短となる店舗が存在し得る。例えば、店舗Aとの往復距離が最短である店舗Bと、店舗Aの最寄り駅の隣駅近くに店舗Cがあったとする。往復距離は店舗Bの方が短いが、電車を利用して店舗Cへ行くことで、補充にかかる時間は店舗Bよりも店舗Cの方が短くなる場合がある。よって、上述の場合を考慮すると、
図11に示すフローを適用することができる。
【0078】
図11に示すフローは、
図10に示すフローのステップS716をステップS718として置き換えている。ステップS716での第2の補充時間の算出基準は「往復距離が最短である店舗」だが、ステップS718での第2の補充時間の算出基準は「補充時間が最短である店舗」である。この基準の変更により、補充時間算出部244は、徒歩、自転車、車、電車等の移動手段の中から、補充時間が最短となる時間を第2の補充時間として算出することができる。なお、ステップS718にて、補充時間算出部244が複数の移動手段による補充時間を算出し、ステップS724にて釣銭管理サーバ20が、複数の移動手段による補充時間を店舗Aに通知するようにしてもよい。
【0079】
(第4の変形例)
図10に示すフローにおいて、「所定の条件を満たす配送車」の決定にあたり、所定の条件として配送車のステータスを考慮してもよい。例えば、店舗Aに一番近い位置にいる配送車Aと、次に近い位置にいる配送車Bがあったとする。位置情報のみの判断では、配送車Aによる店舗Aへの配送時間が最短であると判断される。しかし、配送車のステータスも考慮すると、配送車Aは現在店舗Bへの配送途中であり、店舗Aへの配送は店舗Bへの配送完了後となる場合が考えられる。その場合、位置情報による判断では配送車Aより遠い位置にいる配送車Bであっても、配送車Bが店舗Aに直行できるステータスであれば、配送車Bは配送車Aよりも早く店舗Aへの現金の補充が可能な場合がある。よって、
図10の「所定の条件を満たす配送車」の所定の条件に、配送車のステータスとして「店舗Aに直行できる配送車」というステータスを含めてもよい。配送車のステータス項目には、少なくとも配送車が配送中であるか否かの判断ができるステータスがあればよい。
【0080】
また、配送車のステータスの管理方法については、車載端末12が位置情報を釣銭管理サーバ20へ送信する際に配送車のステータスも送信し、釣銭管理サーバ20の配送車情報記憶部260にて管理すればよい。
【0081】
<8.ハードウェア構成>
以上、本発明の実施形態および変形例を説明した。上述した補充時間の算出および補充元の決定などの情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明する釣銭管理サーバ20のハードウェアとの協働により実現される。
【0082】
図12は、釣銭管理サーバ20のハードウェア構成を示したブロック図である。釣銭管理サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ホストバス204と、を備える。また、釣銭管理サーバ20は、ブリッジ205と、外部バス206と、インタフェース207と、入力装置208と、表示装置209と、音声出力装置210と、ストレージ装置(HDD)211と、ドライブ212と、ネットワークインタフェース215とを備える。
【0083】
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って釣銭管理サーバ20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス204により相互に接続されている。CPU201、ROM202およびRAM203は、ソフトウェアとの協働により
図4を参照して説明した制御部240の機能を実現し得る。
【0084】
ホストバス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしもホストバス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0085】
入力装置208は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサ、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。釣銭管理サーバ20のユーザは、該入力装置208を操作することにより、釣銭管理サーバ20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0086】
表示装置209は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、プロジェクター装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。また、音声出力装置210は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。
【0087】
ストレージ装置211は、本実施形態にかかる釣銭管理サーバ20の配送車情報記憶部260と店舗情報記憶部280の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置211は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置211は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。このストレージ装置211は、ストレージを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0088】
ドライブ212は、記憶媒体用リーダライタであり、釣銭管理サーバ20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203またはストレージ装置211に出力する。また、ドライブ212は、リムーバブル記憶媒体24に情報を書き込むこともできる。
【0089】
ネットワークインタフェース215は、例えば、ネットワーク16またはネットワーク18に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、ネットワークインタフェース215は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0090】
<9.補足>
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0091】
例えば、本明細書の釣銭管理システムまたは釣銭管理サーバ20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、釣銭管理サーバ20の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0092】
また、車載端末12、釣銭管理サーバ20および店舗端末32に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した車載端末12、釣銭管理サーバ20および店舗端末32の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。