(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
精米機(9)で精米した精白米を収容する白米タンク(10)の底部に、白米タンク(10)内の精白米を排出するための開閉シャッタ(19)を備える精白米排出部を設け、
開閉シャッタ(19)はペダル(15)の踏み込みにより開動作する構成とし、
開閉シャッタ(19)は、少量排出用シャッタ(30)と多量排出用シャッタ(31)を設け、ペダル(15)の踏み込みにより少量排出用シャッタ(30)が開動作し、ペダル(15)をさらに踏み込むと多量排出用シャッタ(31)が開動作する構成としたことを特徴とする精米設備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
精白米を大袋で受ける場合も小袋で精白米を受ける場合も開閉シャッタの開動作は同じなので、小袋の時に一度に多量の精白米が流れ込み、小袋で受け難い場合がある。
【0006】
本発明は、精白米を大袋で受ける場合と小袋で受ける場合の双方に適した精米設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
精米機(9)で精米した精白米を収容する白米タンク(10)の底部に、白米タンク(10)内の精白米を排出するための開閉シャッタ(19)を備える精白米排出部を設け、
開閉シャッタ(19)はペダル(15)の踏み込みにより開動作する構成とし、
開閉シャッタ(19)は、少量排出用シャッタ(30)と多量排出用シャッタ(31)を設け、ペダル(15)の踏み込みにより少量排出用シャッタ(30)が開動作し、ペダル(15)をさらに踏み込むと多量排出用シャッタ(31)が開動作する構成としたことを特徴とする精米設備とする
。
【0008】
【0009】
【発明の効果】
【0010】
本発明により、大袋及び小袋それぞれに適した精白米の排出を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態の料金式精米設備について以下説明する。
【0013】
図2に示すように建屋1を仕切壁2で前後方向に機械室3と客室4に仕切る。本実施例では客室4側を前側と呼び機械室3側を後側と呼ぶ。
【0014】
利用者が持参した玄米を収容する投入ホッパ5と、投入ホッパ5内の玄米を繰り出すロータリバルブ6と、玄米を揚穀する昇降機7と、玄米から石を抜く石抜機8と、玄米を精米する精米機9と、精白米を収容する白米タンク10を設ける。
【0015】
投入ホッパ5と白米タンク10は客室4側に設け、昇降機7・石抜機8・精米機9は機械室3側に設ける。投入ホッパ5は客室4の左右一側に設け、白米タンク10は客室4の左右他側に設ける。投入ホッパ5と白米タンク10の間には運転スイッチ25及び料金を投入する料金投入口26を設ける。
【0016】
図1及び
図4に示すように、仕切壁2に機械室3側に凹む空間部11を形成し、該空間部11に白米タンク10を設けている。空間部11は白米タンク収容室と呼んでも良い。白米タンク10の底部の精白米排出部14には開閉シャッタ19を設ける。開閉シャッタ19は白米タンク10よりも左右外側に配置するペダル15とリンク機構で連結している。ペダル15の基部を仕切壁2に取り付け、横軸芯に回動自在に構成する。ペダル15の途中部に第一リンク軸16の下端部を連結する。第一リンク軸16は斜め後ろ上がりに延びる構成とし、その上端部を回動プレート17と連結する。回動プレート17の基部には左右方向に延びる第二リンク軸18の一端部を連結し、第二リンク軸18に開閉シャッタ19を連結する。そして、回動プレート17には引っ張り側に付勢するスプリング20を設けている。開閉シャッタ19は底部19aを円弧形状に形成すると共に、左右側面部19bを略扇形に形成する。そして、上端部を支点に横軸芯に前後方向に回動可能に構成する。
【0017】
開閉シャッタ19の動作について
図4に基づいて説明する。
【0018】
ペダル15を踏むと第一リンク軸16がスプリング20及び回動プレート17を下方に引っ張る。すなわち、回動プレート17は第二リンク軸18を軸心にして下方に向かって回動する。そして、第二リンク軸18が回動プレート17と共に回動することで、開閉シャッタ19が開側に回動する。ペダル15を離すとスプリング20の戻り作用で回動プレート17及び第一リンク軸16を引っ張り、初期位置に戻す。すると、第二リンク軸18も戻り側に回動し、開閉シャッタ19が閉側に回動する。
【0019】
白米タンク10の下方で空間部11の下端部には利用者が持参した大袋Hを載置する大袋用載置台12を設けている。また、空間部11を形成する仕切壁2に小袋用載置台13の後端部を取り付ける。小袋用載置台13は後端部を支点に横軸芯に回動自在に構成し、仕切壁2に沿う姿勢の退避位置と白米タンク10の開閉シャッタ19と大袋用載置台12
との間に入り込む小袋載置位置に切換可能に構成している(
図4参照)。
【0020】
この実施の形態で大袋Hとは白米タンク10の容量である約30kgの玄米を収容できる容量の袋であり、小袋hとは10kg以下の玄米を収容できる容量の袋を指す。
【0022】
玄米を収容した袋を持参した利用者は料金投入口26に料金を投入し、投入ホッパ5に玄米を投入する。そして、運転スイッチ25を操作すると、機械室3側の装置各部は駆動を開始する。投入ホッパ5内の玄米はロータリバルブ6及び昇降機7で石抜機8に搬送されて石抜き処理される。そして、精米機9に搬送されて精米処理され、順次白米タンク10内に精白米が収容される。
【0023】
利用者が持参した袋が大袋Hの場合には、大袋用載置台12に大袋Hを載置し、ペダル15を踏むと開閉シャッタ19が開いて精白米が排出され、大袋Hに収容される。
【0024】
利用者が持参した袋が小袋hの場合には、利用者が小袋用載置台13を退避位置から小袋載置位置に回動させ、小袋hを小袋用載置台13に載置してペダル15を踏み、精白米を小袋hに収容する。
【0025】
小袋hに精白米を収容する場合に、開閉シャッタ19の開度が大きいと、単位時間当たりに排出される玄米量が多く、精白米が小袋hから毀れて客室3内に散乱し易い。開閉シャッタ19はペダル15の踏み量に応じて開度が変わるので、大袋H・小袋hに適した踏み量にすることが可能である。しかし、特に少量を小袋hに排出する時には利用者が踏み量を調節し難いので、本実施の形態において、より、小袋hに精白米を収容し易い構成にしている。
【0026】
まず、開閉シャッタ19の底部19aに少量排出用開口部27を形成する。具体的には、円弧部の前端に切り欠きを形成する。少量排出用開口部27は開閉シャッタ19全閉時には白米タンク10の精白米排出部に形成するフランジ部29と重なっているため、少量排出用開口部27から精白米は排出されない。利用者がペダル15を少し踏むと開閉シャッタ19が少し後方に回動し、少量排出用開口部27がフランジ部29から離れることで、少量排出用開口部27から精白米が排出される。そして、さらにペダル15を踏み込むにつれて開閉シャッタ19の底部19aの前端部がフランジ部29から離れて多量排出用開口部28の開口面積が大きくなり、多量の精白米が排出される。精白米排出開始時に精白米が排出される量を少量に規制することが可能になり、落下排出する精白米を小袋hで受けるときに、小袋hから毀れにくく精白米を収容し易い。切り欠きの形状は、
図6に示すように四角形状でも良いし、あるいは半円形状や三角形状でも良い。
【0027】
開閉シャッタ19を第一開閉シャッタ30と第二開閉シャッタ31の構造とし、第二開閉シャッタ31の下部にストッパ32を形成する構成でも良い。この構成によると、ペダル15を踏むと第一開閉シャッタ30がまず回動することで、少量の精白米が排出される開口面積(少量排出用開口部27)になる。さらに、ペダル15を踏み込むと第一開閉シャッタ30がストッパ32に当接して第一開閉シャッタ30と第二開閉シャッタ31が共に開動作されることで、多量の精白米が排出される開口面積(多量排出用開口部28)となる。少量排出用開口部27が開くことを半開と呼び、多量排出用開口部28が開くことを全開と呼んでも良い。また、前記半開を一部開と呼んでも良い。
【0028】
また、小袋用載置台13を小袋載置位置にあることを検出する検出手段33を設けると共に開閉シャッタ19の開度を規制する規制手段34を設けても良い。すなわち、検出手段33が小袋用載置台13が小袋載置位置にあること検出すると、規制手段34が作動し、開閉シャッタ19の開度を少量排出用開口部27の領域に規制する構成でも良い。図の実施例では、検出手段はリミットスイッチ等のセンサ、規制手段はソレノイドであるが、その他のセンサやアクチュエータでも良い。
【0029】
また、小袋用載置台13と開閉シャッタ19をリンク機構で連結し、小袋用載置台13を小袋載置位置に切り換えるとリンク機構が作動し、開閉シャッタ19の開度を少量排出用開口部27の領域に規制する構成でも良い。
【0030】
次に電気的なアクチュエータで開閉動作を行う開閉シャッタ19について
図8と
図9に基づいて説明する。
【0031】
開閉シャッタ19の回動軸40が開閉シャッタ19の左右両側に突出する構成とし、該左右両側に突出する回動軸40の部分に半開用回動プレート41と、全開用回動プレート42を取り付ける。半開用回動プレート41のプレート面に対向する位置に半開用ソレノイド43を設け、全開用回動プレート42のプレート面に対向する位置に全開用ソレノイド44を設ける。また、回動軸40には開閉シャッタ19を閉側に付勢するスプリング45を取り付けている。半開用ソレノイド43の駆動ストロークより全開用ソレノイド44の駆動ストロークを長く構成する。ソレノイド43,44及び回動プレート41,42の周囲を保護カバー46で覆う構成としている。
【0032】
白米タンク10の下部は傾斜面10aに形成されており、半開用ソレノイド43及び全開用ソレノイド44は該傾斜面10aの下方に備えている。ソレノイドのハーネスは図示はしないが、白米タンク10の傾斜面10aに沿って設け、仕切壁2を貫通し、制御部Sやペダル15と通電する構成である。ハーネスの外側はカバーで覆っても良い。
【0033】
また、ペダル15の踏み込み位置を検出する踏み込み位置検出センサ47(ポテンショメータや近接スイッチ等)を設け、該センサ47はペダル15の半開位置と全開位置を検出できるようにする。
【0034】
踏み込み位置検出センサ47が踏み込み半開位置までペダル15が踏み込まれたことを検出すると、半開用ソレノイド43が駆動し、半開用回動プレート41を押し、開閉シャッタ19を半開位置にする。また、半開位置からさらにペダル15が踏み込まれ、踏み込み位置検出センサ47が全開位置までペダルが踏み込まれたことを検出すると、全開用ソレノイド44が駆動し、全開用回動プレート42が押されて開閉シャッタ19が全開になる。ペダル15から足を離すと全開用ソレノイド44及び半開用ソレノイド43が順次初期位置に退避する。すると、スプリング45の作用で開閉シャッタ19が全閉位置に戻る。
【0035】
白米タンク10の下部に設定量以上の精白米の有無を検出する精白米検出センサ48を設け、精白米検出センサ48が精白米有を検出できない時には、ペダル15を踏んだ時には半開用ソレノイド43を駆動可能とし、踏み込み位置検出センサ47がペダル15の踏み込み位置を全開位置であると検出しても全開用ソレノイド44の駆動を規制する。これにより、白米タンク10内に設定量未満(少量)の精白米しか収容されていない時には少量ずつ排出することで、袋に精白米を収容し易くすることができる。小袋用載置台13が小袋載置位置にあることを検出すると、全開用ソレノイド44の駆動を規制する構成でも良い。
【0036】
なお、半開用ソレノイド43と全開用ソレノイド44は伸長するストロークの違いだけなので、
図9については半開の動作の図示を省略している。
【0037】
図10に基づく開閉シャッタ19の開閉動作について説明する。
【0038】
全開用ソレノイド44と全開用回動プレート42は
図9と共通である。開閉シャッタ19の後部に半開用ストッパ50を取り付け、半開用ソレノイド43を設けている。半開用ソレノイド43が駆動すると、半開用ソレノイド43が半開用ストッパ50の回動領域に入り込み、全開用ソレノイド44の駆動により、開閉シャッタ19が開動作した時に、半開用ソレノイド43が半開用ストッパ50に当接し、開閉シャッタ19の全開への動作が規制される。
【0039】
本実施の形態の電気的に開閉シャッタ19を開閉する構成により、ペダル15と開閉シャッタ19とをリンク機構で連結する必要がなく、白米タンク10を収容する空間部12における袋の収容作業を行い易くすることができる。
【0040】
本実施の形態の開閉シャッタ19は横軸芯前後方向に回動動作する構成について説明しているが、回動動作方向や開閉構造はこれに限られず、開度を調節できる機構であればよい。
【0041】
図示はしないが、ペダル15は半開用ペダルと全開用ペダルそれぞれを設ける構成としても良い。また、手動で操作する半開用スイッチと全開用スイッチと全閉用スイッチを設ける構成としても良い。
【0042】
半開用ソレノイド43及び全開用ソレノイド44は半開用操作部材及び全開用操作部材と言い換えても良い。
【0043】
本実施の形態の精米設備は
図11に示す制御部Sで制御される。