(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ソフトウェアキーボード画面の上下方向の幅は、前記表示領域の上下方向の幅の半分よりも小さくなるように構成されている、請求項1に記載の移動型X線撮影装置。
前記制御部は、前記情報入力画面に設けられる前記情報入力領域に重ならないように前記ソフトウェアキーボード画面を前記表示部の前記表示領域の下方に表示可能でない場合、前記情報入力領域が前記ソフトウェアキーボード画面に重ならないように前記情報入力画面を前記表示領域の上方に移動させるとともに、前記ソフトウェアキーボード画面を前記表示部の前記表示領域の下方に表示する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の移動型X線撮影装置。
前記制御部は、前記情報入力画面に設けられる前記情報入力領域に重ならないように前記ソフトウェアキーボード画面を前記表示部の前記表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、前記ソフトウェアキーボード画面に重ならないように前記情報入力画面を前記表示領域の上方に移動させても前記ソフトウェアキーボード画面が前記情報入力領域に重なる場合、前記情報入力画面に設けられる前記情報入力領域に重ならないように、前記情報入力画面の位置を移動させないで前記ソフトウェアキーボード画面を前記表示領域の上方に表示する制御を行うように構成されている、請求項4に記載の移動型X線撮影装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特開2006−138779号公報に記載の自動分析装置では、オペレータの操作によって表示されるソフトウェアキーボード画面は、グローバルアクションボタン表示エリアに重ならないように表示される一方、グローバルアクションボタン表示エリア以外のいずれの領域にソフトウェアキーボード画面が表示されるかについては明確には記載されていない。このため、オペレータの操作毎に(オペレータの情報の入力時に呼び出される毎に)ソフトウェアキーボード画面が表示されるエリアが異なる場合があると考えられる。これにより、表示すべき情報(たとえば、ソフトウェアキーボード画面により入力される文字列や数値の情報など)にソフトウェアキーボード画面が重なって表示され、表示すべき情報が隠される場合がある。この場合、表示すべき情報と重ならないように、ソフトウェアキーボード画面を最初に表示された位置から移動させるという操作者(ユーザ)の手間が生じる。すなわち、表示すべき情報の上にソフトウェアキーボード画面が重なることにより、表示画面の操作性が悪くなるという不都合がある。また、ソフトウェアキーボード画面が表示される毎に表示領域に対するキーの位置が異なるので、ソフトウェアキーボード画面の操作性が悪くなるという不都合がある。これらの結果、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面により表示画面の操作性が悪くなるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面により表示画面の操作性が悪くなるのを抑制することが可能な移動型X線撮影装置および移動型X線撮影装置の表示部の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における移動型X線撮影装置は、移動可能に設置された移動型X線撮影装置であって、被検体にX線を照射するX線照射部と、被検体を透過したX線を検出し、X線画像を撮影するX線検出部と、情報を入力するための少なくとも1つの情報入力領域を設けられた情報入力画面と、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面とを表示する表示部と、表示部における情報入力領域が設けられた情報入力画面とソフトウェアキーボード画面との表示を制御する制御部とを備え、制御部は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能である場合、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下
方に表示する制御を行うように構成され
、制御部は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、情報入力画面がソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させるとともに、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成され、制御部は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、ソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重なる場合、情報入力画面に設けられる情報入力領域に重ならないように、情報入力画面の位置を移動させないでソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示する制御を行うように構成されている。
【0009】
この発明の第1の局面による移動型X線撮影装置では、上記のように、制御部を、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能である場合、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下
方に表示する制御を行うように構成する。これにより、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能である場合には、ソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重ならないように表示されるので、表示すべき情報(たとえば、ソフトウェアキーボード画面により入力される数値や文字列の情報など)にソフトウェアキーボード画面が重なって表示され、表示すべき情報が隠されることを抑制することができる。すなわち、ソフトウェアキーボード画面が表示画面への入力操作を妨げる位置に表示されることを抑制することができる。また、ソフトウェアキーボード画面が表示部の表示領域の下方に表示されるので、ソフトウェアキーボード画面を原則として表示領域の下方に表示することができる。したがって、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面の表示位置が呼び出すごとに異なることが抑制されるので、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面の操作性が悪くなるのを抑制することができる。これらの結果、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面により表示画面の操作性が悪くなるのを抑制することができる。
また、制御部は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、ソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させるとともに、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成されている。これにより、情報入力画面が表示領域の上方に移動されるので、ソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重なるのを、容易に抑制することができる。また、制御部は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、ソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重なる場合、情報入力画面に設けられる情報入力領域に重ならないように、情報入力画面の位置を移動させないでソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示する制御を行うように構成されている。これにより、ソフトウェアキーボード画面を表示した状態で情報入力画面のうちの少なくとも情報入力領域を視認することができるので、操作者の手および腕が表示部(表示部に表示された画像)を覆う領域(面積)を小さくした状態で、情報入力領域を視認しながらソフトウェアキーボード画面を操作することができる。また、情報入力画面の位置を移動させないので、情報入力画面の移動に起因する操作者の視線移動の負担が生じるのを抑制することができる。
【0010】
また、ソフトウェアキーボード画面を操作者がタッチすることにより情報を入力する場合(すなわち、表示部がタッチパネルである場合)、操作者の手および腕が表示部に表示された画像(情報)を覆う場合がある。そこで、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示するように構成することによって、ソフトウェアキーボード画面が表示領域の上方に表示される場合と比べて、操作者の手および腕が表示部(表示部に表示された画像)を覆う領域(面積)を小さくすることができる。その結果、ソフトウェアキーボード画面に対する入力操作時に、表示部に表示された画像の視認性が悪くなるのを抑制することができる。すなわち、表示部に表示された画像(文字を含む情報)に基づいて行われるソフトウェアキーボード画面を使用した情報入力の操作性が悪くなるのを抑制することができる。
【0011】
上記第1の局面による移動型X線撮影装置において、好ましくは、情報入力領域は、文字に関する情報が入力されるテキストボックスを含む。このように構成すれば、ソフトウェアキーボード画面と重ならないように表示される情報入力領域のテキストボックスを見ながら、表示されたソフトウェアキーボード画面により文字情報を入力することができる。
【0012】
上記第1の局面による移動型X線撮影装置において、好ましくは、ソフトウェアキーボード画面の上下方向の幅は、表示領域の上下方向の幅の半分よりも小さくなるように構成されている。このように構成すれば、ソフトウェアキーボード画面の面積が比較的小さくなるので、ソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重なるのを容易に抑制することができる。
【0015】
上記情報入力画面の位置を移動させないで、情報入力画面に設けられた情報入力領域に重ならないように、ソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示する移動型X線撮影装置において、好ましくは、制御部は、情報入力画面に設けられる情報入力領域に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能でない場合、情報入力領域がソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させるとともに、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ソフトウェアキーボード画面を表示した状態で情報入力画面のうちの少なくとも情報入力領域を視認することができるので、情報入力領域を視認しながらソフトウェアキーボード画面を操作することができる。
【0016】
上記情報入力画面の位置を上方に移動させるとともに、情報入力画面の情報入力領域に重ならないように、ソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示する移動型X線撮影装置において、好ましくは、制御部は、情報入力画面に設けられる情報入力領域に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、ソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボード画面が情報入力領域に重なる場合、情報入力画面に設けられる情報入力領域に重ならないように、情報入力画面の位置を移動させないでソフトウェアキーボード画面を表示領域の上方に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ソフトウェアキーボード画面を表示した状態で情報入力画面のうちの少なくとも情報入力領域を視認することができるので、情報入力領域を視認しながらソフトウェアキーボード画面を操作することができる。
【0017】
上記ソフトウェアキーボード画面を表示領域の上方に表示する移動型X線撮影装置において、好ましくは、情報入力領域は、情報入力画面に設けられる第1情報入力領域および第2情報入力領域を含み、制御部は、第1情報入力領域が選択され第1情報入力領域に情報の入力が可能となった状態から、第2情報入力領域が選択され第2情報入力領域に情報の入力が可能となった状態に移行する際において、ソフトウェアキーボード画面が第2情報入力領域に重なる場合、ソフトウェアキーボード画面が第2情報入力領域に重ならないように、情報入力画面を表示領域の上方に移動させる制御、または、ソフトウェアキーボード画面を表示領域の上方に表示する制御のうちの少なくともいずれか一方を行うように構成されている。このように構成すれば、選択される情報入力領域が移行したとしても、ソフトウェアキーボード画面が情報入力領域に重なるのを抑制することができる。
【0018】
上記第1の局面による移動型X線撮影装置において、好ましくは、X線撮影装置本体を移動させるための車輪をさらに備え、表示部は、X線撮影装置本体に表示面が寝かされた状態で配置されている。ここで、X線撮影装置本体に表示面が寝かされた状態で配置されている表示部では、表示部の表示領域の下方が操作者の手前側になる。そこで、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成することは、寝かされた状態で配置されている表示部において、操作者の手および腕が表示部(表示部に表示された画像)を覆う領域(面積)を小さくするという点において、特に有効である。なお、「寝かされた状態」とは、表示部の表示面が水平となるように配置されている状態の他、表示部の表示面が水平面に対して操作者側に向かって下方に傾斜している状態も含む広い概念である。
【0019】
この発明の第2の局面における移動型X線撮影装置の表示部の制御方法は、移動可能に設置された移動型X線撮影装置の表示部の制御方法であって、表示部に情報入力画面を表示するステップと、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能である場合、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下
方に表示するステップと
、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、情報入力画面がソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させるとともに、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示するステップと、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、ソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重なる場合、情報入力画面に設けられる情報入力領域に重ならないように、情報入力画面の位置を移動させないでソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示するステップとを備える。
【0020】
この発明の第2の局面による移動型X線撮影装置の表示部の制御方法では、上記のように、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能である場合、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下
方に表示するステップを備える。これにより、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示可能である場合には、ソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重ならないように表示されるので、表示すべき情報(たとえば、ソフトウェアキーボード画面により入力される数値や文字列の情報など)にソフトウェアキーボード画面が重なって表示され、表示すべき情報が隠されることを抑制することができる。すなわち、ソフトウェアキーボード画面が表示画面への入力操作を妨げるのを抑制することができる。また、ソフトウェアキーボード画面が表示部の表示領域の下方に表示されるので、ソフトウェアキーボード画面を原則として表示領域の下方に表示することができる。したがって、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面の表示位置が呼び出すごとに異なることが抑制されるので、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面の操作性が悪くなるのを抑制することができる。これらの結果、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面により表示画面の操作性が悪くなるのを抑制することができる。
また、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、ソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させるとともに、ソフトウェアキーボード画面を表示部の表示領域の下方に表示するステップを備える。これにより、情報入力画面が表示領域の上方に移動されるので、ソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重なるのを、容易に抑制することができる。また、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボード画面を表示部に表示する際に、予め表示部に表示されている情報入力画面に重ならないようにソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、ソフトウェアキーボード画面に重ならないように情報入力画面を表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボード画面が情報入力画面に重なる場合、情報入力画面に設けられる情報入力領域に重ならないように、情報入力画面の位置を移動させないでソフトウェアキーボード画面を表示領域の下方に表示するステップを備える。これにより、ソフトウェアキーボード画面を表示した状態で情報入力画面のうちの少なくとも情報入力領域を視認することができるので、操作者の手および腕が表示部(表示部に表示された画像)を覆う領域(面積)を小さくした状態で、情報入力領域を視認しながらソフトウェアキーボード画面を操作することができる。また、情報入力画面の位置を移動させないので、情報入力画面の移動に起因する操作者の視線移動の負担が生じるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面により表示画面の操作性が悪くなるのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(移動型X線撮影装置の構成)
まず、
図1および
図2を参照して、本実施形態による移動型X線撮影装置100の構成について説明する。
【0025】
本実施形態による移動型X線撮影装置100は、装置全体が移動可能であり、回診時に、病院の各病室にいる患者(被検体)の元へ移動してX線撮影することが可能となるように構成されている。また、
図1(a)に示すように、移動型X線撮影装置100は、装置本体部1と、X線照射部2と、X線検出部3と、表示部4と、制御部5とを備えている。
【0026】
装置本体部1は、筐体10と、複数の車輪11と、支柱12と、ハンドル部13と、照射部載置部14と、収納部15とを含む。複数の車輪11は、各々筐体10に取り付けられ、装置本体部1の移動方向に合わせて向きを変える前輪111と、筐体10に内蔵される図示しないモータにより回転駆動する後輪112とを有している。すなわち、この移動型X線撮影装置100は、移動可能に設置されている。支柱12は、長手方向が垂直方向となるように筐体10に設置され、中心軸を中心に回転移動可能に構成されている。ハンドル部13は、操作者が装置本体部1を移動させる場合に把持して押すための棒状の把持部131と、ハンドル部13全体を筐体10に固定するための接続部132を有する。なお、ハンドル部13(把持部131)は、操作者が表示部4を見る際に、視界を遮らない位置に配置されている。照射部載置部14は、X線照射部2が下げられた場合に、最下位置でX線照射部2を受け止めて固定する。収納部15は、X線検出部3等が収納される。なお、装置本体部1は、請求の範囲の「X線撮影装置本体」の一例である。
【0027】
X線照射部2は、X線管21と、遮蔽部22と、腕部23とを含む。X線管21(X線照射部2)は、被検体にX線を照射する。遮蔽部22は、X線管21に対して照射方向側に取り付けられ、開閉することによりX線の照射範囲を調整する(絞る)図示しない遮蔽部材を内部に有する。腕部23は、X線管21および遮蔽部22を支持している。また、腕部23は、上下方向(Z1およびZ2方向)に上下移動が可能な状態で支柱に取り付けられており、支柱12とともに支柱(Z軸)を中心に水平面(X−Y面)内で回転移動が可能である。腕部23(X線照射部2)は、X線画像Iの撮影時には、支柱12とともに表示部4とは反対側に回転される。また、腕部23(X線照射部2)は、水平方向に伸縮可能に構成されている。なお、X線照射部2の移動(X線照射位置の調整)およびX線照射範囲の調整は、撮影者(ユーザ)により行われる。また、X線照射部2の照射強度は、X線管21を制御する図示しない制御装置により行われる。
【0028】
X線検出部3は、被検体を透過したX線を検出する一対のFPD(Flat Panel Detector:フラットパネルディテクター)31とFPD32とを含む。FPD31および32は、制御部5と無線による通信が可能となっており、撮影時には被検体の撮影箇所の下方(被検体に対してX線管21の反対側)に配置され、検出したX線の情報を制御部5に送信する。また、X線検出部3は、移動型X線撮影装置100の移動時には、収納部15に収納される。
【0029】
表示部4は、移動型X線撮影装置100の装置本体部1(筐体10)に表示面40が寝かされた状態で配置されている。これにより、表示部4の表示面40が立てられた状態で配置されている場合と異なり、表示部4よりも遠方を視認しようとする場合の操作者の視線を表示面40が遮ることが抑制される。また、表示部4の表示領域(表示面40)は、表示部4の表示面40が水平面に対して操作者側に向かって下方に傾斜するように配置されている。また、表示部4は、上記のように、X線照射部2とX線検出部3とともに移動可能に構成されている。
【0030】
図1(b)に示すように、表示部4は斜線で示される表示領域(表示面40)を有している。
図1(b)は、
図1(a)に示すP方向から移動型X線撮影装置100を見た図である。表示領域(表示面40)は、画像や文字テキスト等を表示するとともに、操作者の指やタッチペン等がタッチされることにより、入力を受け付ける。すなわち、表示部4は、タッチパネルとなっている。
【0031】
また、
図2および
図4〜
図9に示すように、表示部4は、表示領域(表示面40)に、情報を入力するための少なくとも1つのテキストボックスTが設けられたウインドウWと、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボードSとを表示する。
【0032】
一例として、
図2に基づいて、患者情報を編集するウインドウW0が表示される例を説明する。
図2(a)に示すように、患者情報i、X線画像I、複数のボタンb1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8、b9およびb10が表示領域(表示面40)に表示されている。患者情報iは、患者名、患者IDおよび受付番号を含んでいる。
【0033】
ボタンb1〜b5は、患者(被検体)の撮影部位を選択する場合や、既に撮影された撮影部位のX線画像Iを表示領域(表示面40)に表示させる場合にタッチされ(押され)る。たとえば、ボタンb1は胸部正面に、ボタンb2は腹部正面に、ボタンb3は骨盤正面にそれぞれ対応している。
図2(a)では、胸部正面が選択されているため、既に撮影された胸部正面のX線画像Iが表示されている。骨盤正面の撮影がまだ行われていない場合、骨盤正面に対応するボタンb3をタッチした状態でX線撮影すると、撮影されたX線画像Iが骨盤正面の画像としてメモリに保存される。ボタンb6〜b8は、X線画像を画像処理調整する場合にタッチされる。たとえば、ボタンb6およびボタンb7は、X線画像Iの輝度およびコントラストを調整する場合にタッチされる。ボタンb9は検査を終了する際にタッチされる。ボタンb10は、撮影者が患者情報iを編集する場合にタッチされ、患者情報iを編集するためのウインドウW0(W)を表示させる。なお、ウインドウWは、請求の範囲の「情報入力画面」の一例である。
【0034】
ボタンb10がタッチされると、
図2(b)に示すように、検査情報編集画面であるウインドウW0が表示される。ウインドウW0は、患者ID、患者名および受付番号にそれぞれ対応し文字に関する情報が入力されるテキストボックスTa(T)、Tb(T)およびTc(T)と、決定ボタン(OKボタン)Oと取り消しボタン(キャンセルボタン)Cを含んでいる。テキストボックスTは、文字等の情報が表示されるとともに、操作者がテキストボックスTに入力を行うことにより、文字情報(内容)に追加や修正を行うことができる。また、決定ボタンOおよび取り消しボタンCは、テキストボックスTにソフトウェアキーボードS(後述)による文字等の情報が入力された状態をそれぞれ決定および取り消すために設けられている。また、たとえば、ウインドウWにおいて、テキストボックスTは左側、決定ボタンOおよび取り消しボタンCは右側となるように表示されている。なお、ソフトウェアキーボードSは、請求の範囲の「ソフトウェアキーボード画面」の一例である。また、テキストボックスTは、請求の範囲の「情報入力領域」の一例である。
【0035】
ソフトウェアキーボードSは、ウインドウWに重なることにより表示領域(表示面40)の画像情報(表示内容)の量を減らさないように、通常は非表示状態となっている。そして、ソフトウェアキーボードSは、テキストボックスTがタッチされ文字入力を受け付ける状態になると、表示される。また、ソフトウェアキーボードSは、対応する機能が実行される各種機能キーKaと、対応する文字が入力される各種文字キーKbとを含んでいる。また、各種機能キーKaは、たとえば、EnterキーK0やTabキーK1を含む。EnterキーK0がタッチされると、テキストボックスTに各種文字キーKbにより入力された文字列が決定される。TabキーK1については、後述する。
【0036】
ここで、たとえば、撮影者(ユーザ)は、患者IDに誤りがあった場合に、ソフトウェアキーボードSにより患者IDの情報を修正することができる。対応するテキストボックスTa(T)をタッチし、テキストボックスTa(T)に後述するフォーカスを取得させる。テキストボックスTa(T)がフォーカスを取得すると、
図2(c)に示すように、ソフトウェアキーボードSが呼び出され、表示される。撮影者(ユーザ)は、ソフトウェアキーボードSの文字キーKbをタッチすることにより、タッチされた文字キーKbに対応する文字がテキストボックスTaに入力される。また、ソフトウェアキーボードSの機能キーKaをタッチすることにより、機能キーKaに対応する文字列の削除や変換等の操作が行われる。なお、ウインドウWの占有する領域(サイズ)は様々であり、
図2(c)のように、ウインドウW0(W)およびテキストボックスTa(T)とソフトウェアキーボードSとの重なりが生じない場合もあれば、後に説明するように、ウインドウW0(W)やテキストボックスTa(T)とソフトウェアキーボードSとの重なりが生じる場合もある。
【0037】
なお、ソフトウェアキーボードSのサイズは操作者が所定の大きさの範囲で変更することができる。また、ソフトウェアキーボードSは、表示部4の表示領域(表示面40)をタッチすることにより入力がなされるため、操作者の指等でタッチするために必要なサイズを各種文字キーや各種機能キーが確保可能な大きさとなるように構成されている。また、各種機能キーKaおよび各種文字キーKbの配列は一例であり、各種文字キーKbの部分が数字に対応するテンキーボード等でもよい。また、ウインドウW0(W)は、不要になった場合は、
図2(a)のような非表示状態に戻すこともできる。すなわち、ウインドウWは、常に表示されているわけではなく、必要に応じて表示される。
【0038】
図2に示すように、制御部5は、表示部4におけるテキストボックスTが設けられたウインドウWおよびソフトウェアキーボードSの表示を制御するとともに、表示部4に対してなされた文字等の入力情報を処理する。また、
図1に示すように、制御部5は、装置本体部1(筐体10)に内蔵されて(内部に設けられて)いる。また、制御部5は、X線検出部3から受信する検出(受像)されたX線の情報に基づいてX線画像Iを生成し、画像処理を加える。
【0039】
(表示位置決定処理)
次に、
図3のフローチャートおよび
図4〜
図8を参照して、本実施形態の表示部4に表示されるウインドウWおよびソフトウェアキーボードSの表示位置決定処理(表示部4の制御方法)について説明する。なお、ソフトウェアキーボードSの表示位置決定処理は、制御部5により行われる。
【0040】
ステップS1において、テキストボックスTが操作者によりタッチされれば(Yes)、ステップS2に進み、タッチされなければ(No)、ステップS1に戻る。具体的には、ウインドウWに設けられたテキストボックスTの占有領域がタッチされた場合に、ステップS2に進む。
【0041】
ステップS2において、テキストボックスTが選択されることによりフォーカスを取得した状態となり、ステップS3に進む。
【0042】
具体的には、フォーカスを取得した状態とは、テキストボックスTがタッチ(選択)されることにより、テキストボックスTが入力を受け付けることが可能となった状態を意味する。そして、表示されたソフトウェアキーボードSの各種文字キーKbがタッチされることにより、対応する文字が入力され、テキストボックスTに表示される。なお、フォーカスを取得した状態とは、請求の範囲の「情報の入力が可能となった状態」の一例である。
【0043】
ステップS3において、フォーカスを取得したテキストボックスTが設けられたウインドウWの占有領域(表示領域に占めるサイズ)が取得され、ステップS4に進む。
【0044】
ステップS4において、ソフトウェアキーボードSの表示サイズ(表示領域に占めるサイズ)が取得され、ステップS5に進む。なお、ステップS4は、ソフトウェアキーボードSの表示サイズが予め取得されている(たとえば、前回表示時点から表示サイズの変更がされていない等)場合には、省略されてもよい。また、ステップS4は、後述するステップS5が行われる前であれば、どのタイミングで行われてもかまわない。
【0045】
ここで、本実施形態の移動型X線撮影装置100では、制御部5は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボードSを表示部4に表示する際に、予め表示部4に表示されているウインドウWに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能(
図4(b)参照)である場合(ステップS5のYesの場合)、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域(表示面40)の下方に表示する(ステップS13、
図4(c)参照)制御を行うように構成されている。
【0046】
また、ソフトウェアキーボードSの上下方向の幅は、表示領域(表示面40)の上下方向の幅の半分よりも小さくなるように構成(
図4(c)参照)されている。
【0047】
具体的には、
図4(a)に示すように、テキストボックスT11、テキストボックスT21、決定ボタンO1、取り消しボタンC1が設けられたウインドウW1が表示されており、タッチ(選択)されたテキストボックスT21がフォーカスを取得したとする。
【0048】
ここで、ステップS5において、
図4(b)に示すように、制御部5は、ウインドウW1の占有領域およびソフトウェアキーボードSの表示サイズに基づいて、ソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示する場合に、ソフトウェアキーボードSがウインドウW1に重ならないように表示することが可能であるか否かを判断する。そして、可能であれば(Yes)、
図4(c)に示すように、ステップS13において、画面下方にソフトウェアキーボードSを表示する。この場合、ウインドウW1の全体が表示されているので、ソフトウェアキーボードSを表示したままの状態で、決定ボタンO1および取り消しボタンC1をタッチすることができる。なお、ステップS13において、ソフトウェアキーボードSが表示されると、表示位置決定処理が終了される。
【0049】
なお、上方および下方とは、それぞれ表示領域(表示面40)の上下方向の半分より上側および下側を意味している。そのため、上方(下方)に表示するとは、可能な限り上方(下方)に表示するという意味に限らない。また、ソフトウェアキーボードSおよびウインドウWの左右方向の表示位置は、表示領域(表示面40)の左右方向の中央であってもよいし、左側または右側であってもよい。また、ソフトウェアキーボードSは、表示領域(表示面40)の端部(外縁部)に接するように表示されてもよいし、表示領域(表示面40)の端部(外縁部)から離間した状態(オフセットされた状態)で表示されてもよい。
【0050】
一方、ステップS5において、ソフトウェアキーボードSをウインドウWに重ならないように表示することが可能でないと判断された場合(No)、ステップS6に進む。
【0051】
ここで、本実施形態の移動型X線撮影装置100では、制御部5は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボードSを表示部4に表示する際に、予め表示部4に表示されているウインドウWに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示可能でない場合(ステップS5のNoの場合)、ソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させる(ステップS6のYesの場合を経たステップS11)とともに、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示する(ステップS13、
図5(d)参照)制御を行うように構成されている。
【0052】
具体的には、
図5(a)に示すように、テキストボックスT12、テキストボックスT22、決定ボタンO2、取り消しボタンC2が設けられたウインドウW2が表示されており、タッチ(選択)されたテキストボックスT22がフォーカスを取得したとする。また、ウインドウW2は、
図5(b)に示すように、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。
【0053】
ここで、ステップS6において、
図5(c)に示すように、制御部5は、ソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示する場合に、ウインドウW2を表示領域の上方に移動させることにより、ソフトウェアキーボードSがウインドウW2に重ならないように表示することが可能であるか否かを判断する。そして、可能であれば(Yes)、
図5(d)に示すように、ステップS11において、ウインドウW2とソフトウェアキーボードSとの重なりが生じなくなる位置までウインドウW2を上方に移動し、ステップS13において、画面下方にソフトウェアキーボードSを表示する。この場合、ウインドウW2の全体が表示されているので、ソフトウェアキーボードSを表示したままの状態で、決定ボタンO2および取り消しボタンC2をタッチすることができる。
【0054】
一方、ステップS6において、ウインドウWを画面上部に移動させることによりソフトウェアキーボードSをウインドウWに重ならないように画面下方に表示可能でないと判断された場合(No)、ステップS7において、制御部5は、テキストボックスTが表示領域を占有する領域(表示領域に占めるサイズ)を取得し、ステップS8に進む。
【0055】
ここで、本実施形態の移動型X線撮影装置100では、制御部5は、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボードSを表示部4に表示する際に、予め表示部4に表示されているウインドウWに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示可能でない場合(ステップS5のNoの場合)、かつ、ソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボードSがウインドウWに重なる場合(ステップS6のNoの場合)、ウインドウWのテキストボックスTに重ならないように、ウインドウWの位置を移動させないでソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示する(ステップS8のYesの場合を経たステップS13、
図6(d)参照)制御を行うように構成されている。
【0056】
具体的には、
図6(a)に示すように、テキストボックスT13、テキストボックスT23、決定ボタンO3、取り消しボタンC3が設けられたウインドウW3が表示され、タッチ(選択)されたテキストボックスT13がフォーカスを取得したとする。このとき、ウインドウW3は、
図6(b)示すように、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。また、ウインドウW3は、
図6(c)に示すように、位置を上方に移動させても、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。
【0057】
ここで、ステップS8において、
図6(d)に示すように、制御部5は、ウインドウW3の占有領域およびテキストボックスT13の表示サイズに基づいて、テキストボックスT13に重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示することが可能であるか否かを判断する。そして、テキストボックスT13に重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示可能であれば(Yes)、ステップS13において、
図6(e)に示すように、キーボードを表示領域の下方に表示し、表示位置決定処理を終了する。
【0058】
一方、ステップS8において、ウインドウW4およびウインドウW5(
図7(d)および
図8(d)参照)に設けられるテキストボックスT24およびテキストボックスT25に重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能でない場合(No)、ステップS9に進む。
【0059】
ここで、本実施形態の移動型X線撮影装置100では、制御部5は、ウインドウWに設けられるテキストボックスTに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能でない場合(ステップS8のNoの場合)、テキストボックスTがソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させる(ステップS9のYesの場合を経たステップS12)とともに、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示する(ステップS13、
図7(f)参照)制御を行うように構成されている。
【0060】
具体的には、
図7(a)に示すように、テキストボックスT14、テキストボックスT24、決定ボタンO4、取り消しボタンC4が設けられたウインドウW4が表示され、タッチ(選択)されたテキストボックスT24がフォーカスを取得したとする。このとき、ウインドウW4は、
図7(b)に示すように、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。また、ウインドウW4は、
図7(c)に示すように、位置を上方に移動させても、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。また、ウインドウW4の設けられるテキストボックスT25は、
図7(d)に示すように、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。
【0061】
ここで、ステップS9において、
図7(e)に示すように、制御部5は、ソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示する場合に、ウインドウW4を表示領域の上方に移動させることにより、ソフトウェアキーボードSがウインドウW4に重ならないように表示することが可能であるか否かを判断する。そして、可能であれば(Yes)、
図7(f)に示すように、ステップS12において、入力対象である(選択された)テキストボックスT24とソフトウェアキーボードSとの重なりが生じなくなる位置までウインドウW4を上方に移動し、ステップS13において、画面下方にソフトウェアキーボードSを表示し、表示位置決定処理を終了する。
【0062】
一方、ステップS9において、ウインドウWを画面上部に移動させることによりソフトウェアキーボードSを入力対象である(選択された)テキストボックスTに重ならないように画面下方に表示可能でないと判断された場合(No)、ステップS10に進む。
【0063】
ここで、本実施形態の移動型X線撮影装置100では、制御部5は、ウインドウWに設けられるテキストボックスTに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能でない(ステップS8のNoの場合)場合、かつ、ソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボードSがテキストボックスTに重なる場合(ステップS9のNoの場合)、ウインドウWのテキストボックスTに重ならないように、ウインドウWの位置を移動させないでソフトウェアキーボードSを表示領域の上方に表示する(S10、
図8(f)参照)制御を行うように構成されている。
【0064】
具体的には、
図8(a)に示すように、テキストボックスT15、テキストボックスT25、決定ボタンO5、取り消しボタンC5が設けられたウインドウW5が表示され、タッチ(選択)されたテキストボックスT25がフォーカスを取得したとする。このとき、ウインドウW5は、
図8(b)に示すように、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。また、ウインドウW5は、
図8(c)に示すように、位置を上方に移動させても、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。また、ウインドウW5の設けられるテキストボックスT25は、
図8(d)に示すように、下方に表示されるソフトウェアキーボードSと重なる。また、
図8(e)に示すように、ウインドウW5の位置を上方に移動させても、テキストボックスT25と下方に表示されるソフトウェアキーボードSとが重なる。
【0065】
ここで、ステップS10において、
図8(f)に示すように、制御部5は、入力対象である(選択された)テキストボックスT25に重ならないようにソフトウェアキーボードSを上方に表示させ、表示位置決定処理を終了する。この場合、ソフトウェアキーボードSは、テキストボックスT25に対して操作する操作者の手がテキストボックスT25を覆わないように、テキストボックスT25からなるべく離間した位置(たとえば、表示領域(表示面40)の上端近く)に表示される。
【0066】
なお、上記ソフトウェアキーボードSの表示位置は、テキストボックスTが選択された(フォーカスを取得した)時点で最初に表示される位置であり、ソフトウェアキーボードSの表示位置は、ソフトウェアキーボードSをタッチしたままスライドさせるドラッグ操作により、変更可能である。また、同様に、ウインドウWの表示位置についても、ドラッグ操作により変更可能である。また、ソフトウェアキーボードSの表示は、ウインドウWのテキストボックスT以外の部分かつソフトウェアキーボードSでない部分をタッチ等することにより、テキストボックスTが選択された状態(フォーカスを取得した状態)が解除されると、消える。
【0067】
(テキストボックスの変更)
次に、
図9を参照して、ソフトウェアキーボードSがウインドウW6に重なっている場合に、入力対象として選択された(フォーカスが取得された)一のテキストボックスT(第1テキストボックスT16)が別のテキストボックスT(第2テキストボックスT26)に変更された場合の処理について説明する。なお、ウインドウW6は、ウインドウW6に設けられる第1テキストボックスT16および第2テキストボックスT26を含む。なお、第1テキストボックスT16は、請求の範囲の「第1情報入力領域」の一例である。また、第2テキストボックスT26は、請求の範囲の「第2情報入力領域」の一例である。
【0068】
まず、
図9(a)に示すように、第1テキストボックスT16が選択され第1テキストボックスT16に情報の入力が可能な状態(フォーカスを取得した状態)では、ソフトウェアキーボードSは、第1テキストボックスT16に重なっていない。
【0069】
ここで、本実施形態の移動型X線撮影装置100では、制御部5は、
図9(b)に示すように、第1テキストボックスT16が選択され第1テキストボックスT16に情報の入力が可能となった状態から、第2テキストボックスT26が選択され第2テキストボックスT26に情報の入力が可能となった状態に移行する際において、ソフトウェアキーボードSが第2テキストボックスT26に重なる場合、ソフトウェアキーボードSが第2テキストボックスT26に重ならないように、ソフトウェアキーボードSを表示領域の上方に表示する制御(
図9(c)参照)を行うように構成されている。
【0070】
具体的には、ソフトウェアキーボードSは、選択された(フォーカスを取得した)テキストボックスTを移行させる機能を有するTabキーK1が設けられている。そして、
図9(b)に示すように、TabキーK1が押される(タッチされる)ことにより、選択される(フォーカスを取得する)テキストボックスTが、第1テキストボックスT16から第2テキストボックスT26に移行する。その結果、ソフトウェアキーボードSを下方に表示すると、入力対象となる選択された(フォーカスを取得した)第2テキストボックスT26に対して、ソフトウェアキーボードSが重なるので、
図9(c)に示すように、制御部5は、ソフトウェアキーボードSを上方に移動させて表示し、ソフトウェアキーボードSとウインドウWとの重なりを解消させる。
【0071】
この場合、ソフトウェアキーボードSは、表示位置が下方から上方に瞬時に(間がなく)移動させる場合に限らず、下方に表示された状態から、徐々に上方に移動させてもよい。これにより、操作者が、ソフトウェアキーボードSを見失うこと(ソフトウェアキーボードSが視線から外れること)が抑制される。
【0072】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0073】
本実施形態では、上記のように、制御部5を、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボードSを表示部4に表示する際に、予め表示部4に表示されているウインドウWに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能である場合、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成する。これにより、予め表示部4に表示されているウインドウWに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能である場合には、ソフトウェアキーボードSがウインドウWに重ならないように表示されるので、表示すべき情報(たとえば、ソフトウェアキーボードSにより入力される数値や文字列の情報など)にソフトウェアキーボードSが重なって表示され、表示すべき情報が隠されることを抑制することができる。すなわち、ソフトウェアキーボードSが表示画面(ウインドウW中のテキストボックス等)への入力操作を妨げる位置に表示されることを抑制することができる。また、ソフトウェアキーボードSが表示部4の表示領域の下方に表示されるので、ソフトウェアキーボードSを原則として表示領域の下方に表示させることができる。その結果、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボードSの表示位置が呼び出すごとに異なることが抑制されるので、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボードSの操作性が悪くなるのを抑制することができる。これらの結果、情報の入力時に呼び出されるソフトウェアキーボード画面により表示画面の操作性が悪くなるのを抑制することができる。
【0074】
また、ソフトウェアキーボードSを操作者がタッチすることにより情報を入力する場合(すなわち、表示部4がタッチパネルである場合)、操作者の手および腕が表示部4に表示された画像(情報)を覆う場合がある。そこで、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示するように構成することによって、ソフトウェアキーボードSが表示領域の上方に表示される場合と比べて、操作者の手および腕が表示部4(表示部4に表示された画像)を覆う領域(面積)を小さくすることができる。その結果、ソフトウェアキーボードSに対する入力操作時に、表示部4に表示された画像の視認性が悪くなるのを抑制することができる。すなわち、表示部4に表示された画像(情報)に基づいて行われるソフトウェアキーボードSを使用した情報入力の操作性が悪くなるのを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、ウインドウWの情報入力領域を、文字に関する情報が入力されるテキストボックスTを含むように構成する。これにより、ソフトウェアキーボードSと重ならないように表示される情報入力領域のテキストボックスTを見ながら、表示されたソフトウェアキーボードSにより文字情報を入力することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、ソフトウェアキーボードSの上下方向の幅を、表示領域の上下方向の幅の半分よりも小さくなるように構成する。これにより、ソフトウェアキーボードSの面積が比較的小さくなるので、ソフトウェアキーボードSがウインドウWに重なるのを容易に抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、制御部5を、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボードSを表示部4に表示する際に、予め表示部4に表示されているウインドウWに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示可能でない場合、ソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させるとともに、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成する。これにより、ウインドウWが表示領域の上方に移動されるので、ソフトウェアキーボードSがウインドウWに重なるのを、容易に抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、制御部5を、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボードSを表示部4に表示する際に、予め表示部4に表示されているウインドウWに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、ソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボードSがウインドウWに重なる場合、ウインドウWに設けられるテキストボックスTに重ならないように、ウインドウWの位置を移動させないでソフトウェアキーボードSを表示領域の下方に表示する制御を行うように構成する。これにより、ソフトウェアキーボードSを表示した状態でウインドウWのうちの少なくともテキストボックスTを視認することができるので、操作者の手および腕が表示部4(表示部4に表示された画像)を覆う領域(面積)を小さくした状態で、テキストボックスTを視認しながらソフトウェアキーボードSを操作することができる。また、ウインドウWの位置を移動させないので、ウインドウWの移動に起因する操作者の視線移動の負担が生じるのを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、制御部5を、ウインドウWに設けられるテキストボックスTに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能でない場合、テキストボックスTがソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させるとともに、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成する。これにより、ソフトウェアキーボードSを表示した状態でウインドウWのうちの少なくとも情報入力領域を視認することができるので、テキストボックスTを視認しながらソフトウェアキーボードSを操作することができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、制御部5を、ウインドウWに設けられるテキストボックスTに重ならないようにソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示可能でない場合、かつ、ソフトウェアキーボードSに重ならないようにウインドウWを表示領域の上方に移動させてもソフトウェアキーボードSがテキストボックスTに重なる場合、ウインドウWに設けられるテキストボックスTに重ならないように、ウインドウWの位置を移動させないでソフトウェアキーボードSを表示領域の上方に表示する制御を行うように構成する。これにより、ソフトウェアキーボードSを表示した状態でウインドウWのうちの少なくともテキストボックスTを視認することができるので、テキストボックスTを視認しながらソフトウェアキーボードSを操作することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、制御部5は、第1テキストボックスT16が選択され第1テキストボックスT16に情報の入力が可能となった状態から、第2テキストボックスT26が選択され第2テキストボックスT26に情報の入力が可能となった状態に移行する際において、ソフトウェアキーボードSが第2テキストボックスT26に重なる場合、ソフトウェアキーボードSが第2テキストボックスT26に重ならないように、ソフトウェアキーボードSを表示領域の上方に表示する制御を行うように構成する。これにより、選択されるテキストボックスTが移行したとしても、ソフトウェアキーボードSがテキストボックスTに重なるのを抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、表示部4を、装置本体部1(筐体10)に表示面40が寝かされた状態で配置する。ここで、装置本体部1(筐体10)に表示面40が寝かされた状態で配置されている表示部4では、表示部4の表示領域の下方が操作者の手前側になる。そこで、ソフトウェアキーボードSを表示部4の表示領域の下方に表示する制御を行うように構成することは、寝かされた状態で配置されている表示部4において、操作者の手および腕が表示部4(表示部4に表示された画像)を覆う領域(面積)を小さくするという点において、特に有効である。
【0083】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0084】
たとえば、上記実施形態では、ソフトウェアキーボードSの表示を、ウインドウWのテキストボックスT以外の部分かつソフトウェアキーボードSでない部分をタッチ(押す)ことにより、テキストボックスTが選択された状態(フォーカスを取得した状態)が解除され、消えるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ソフトウェアキーボードSの表示は、ソフトウェアキーボードSの図示しない非表示ボタンをタッチする(押す)ことにより消えるように構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、本発明の情報入力領域をテキストボックスTとする例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、情報入力領域は、ソフトウェアキーボードSの入力(たとえば、数値入力)により撮影者(ユーザ)が操作することが可能なボタンやスライダー等の様々なユーザーインターフェース要素(UIコントロール、入力コントロール)を含んでもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、情報入力領域であるテキストボックスTに入力される情報が患者情報iに対応する文字情報である例を示したが、本発明はこれに限らない。情報入力領域に入力される情報は、X線画像Iに関する情報や患者の検査情報の他、移動型X線撮影装置100に関する情報、移動型X線撮影装置100の各種の設定、X線撮影条件のプリセットのパラメータや画像処理のためのプリセットのパラメータなどでもよい。すなわち、テキストボックスTに入力される情報は、ソフトウェアキーボードSにより入力(入力、追加、変更、削除、修正等)される文字や数値等のなんらかの情報であればよい。
【0087】
また、上記実施形態では、ウインドウWを上方に移動させる際に、ウインドウWとソフトウェアキーボードSとが離間する位置まで上方に移動させる例(
図5参照)を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ウインドウWの下端とソフトウェアキーボードSの上端とが接するように、ウインドウWを上方に移動させてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、ステップS9においてウインドウを画面上方に移動させることによりソフトウェアキーボードを画面下方に表示可能か否かを判断するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ステップS8において、入力対象のテキストボックスTに重ならずにソフトウェアキーボードを表示領域の下方に表示不可能な場合に(No)、ステップS9を省略してステップS10に進み、画面上方にソフトウェアキーボードSを表示するように構成してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、
図9に示すように、制御部5を、第2テキストボックスT62が選択され第2テキストボックスT62に情報の入力が可能となった状態に移行する際において、ソフトウェアキーボードSが第2テキストボックスT62に重なる場合、ソフトウェアキーボードSを表示領域の上方に移動させる制御を行うように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部5を、第2テキストボックスT62が選択され第2テキストボックスT62に情報の入力が可能となった状態に移行する際において、ソフトウェアキーボードSが第2テキストボックスT62に重なる場合、ソフトウェアキーボードSが第2テキストボックスT62に重ならないように、ウインドウWを表示領域の上方に移動させるとともにソフトウェアキーボードSを下方に表示するように構成してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、情報の入力時に呼び出されたソフトウェアキーボードSを表示する際に、ソフトウェアキーボードSがウインドウW(テキストボックスT)に重ならない位置に表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ソフトウェアキーボードSを呼び出した際に、ソフトウェアキーボードSがウインドウW(テキストボックスT)に重なった状態から、徐々に、ソフトウェアキーボードSがウインドウW(テキストボックスT)に重ならない位置に移動するようにしてもよい。これにより、操作者が、ソフトウェアキーボードSを見失うこと(ソフトウェアキーボードSが視線から外れること)が抑制される。
【0091】
また、上記実施形態では、ウインドウWの情報(表示内容)にX線画像Iが含まれる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線画像Iが情報(表示内容)として含まれないウインドウWであってもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、X線照射部2および表示部4が1つの筐体10に設けられている例を示したが、X線照射部2および表示部4がそれぞれ移動可能な異なる2つの筐体に設けられていてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、制御部5が筐体10に内蔵されている(設けられている)例を示したが、制御部5は、筐体10に内蔵されていなくてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、2つ(一対)のFPD31およびFPD32が装置本体部1(制御部5)と無線により通信するように構成されている例を示したが、FPDの数は2つ(一対)でなくてもよい。また、FPDは、装置本体部1(制御部5)と有線により通信するように構成されていてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、本発明のX線撮影装置の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。