(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アプリケーションの機能であって、前記通知取得部が取得した前記通知に応じて、前記位置情報取得部から取得した前記現在位置を前記管理端末に対して通知する管理通知部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の保護サービス提供システム。
前記管理端末は、前記情報端末のアプリケーション実行部を通じて、前記アプリケーションの操作を行う遠隔操作部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の保護サービス提供システム。
前記情報端末を、前記通知取得部が取得した前記通知に応じて、前記位置情報取得部から取得した前記現在位置を管理端末に対して通知する管理通知部としてさらに機能させることを特徴とする請求項6に記載の保護対象用プログラム。
前記情報端末を、管理端末による前記アプリケーションの操作を可能とする遠隔制御部としてさらに機能させることを特徴とする請求項6に記載の保護サービス提供プログラム。
前記管理端末を、前記情報端末のアプリケーション実行部を通じて、前記アプリケーションの操作を行う遠隔操作部として機能させることを特徴とする請求項9に記載の管理端末用プログラム。
前記アプリケーションの機能として、前記通知取得部が取得した前記通知に応じて、前記位置情報取得部から取得した前記現在位置を前記管理端末に対して管理通知部が通知する管理通知ステップをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の保護サービス提供方法。
前記管理端末の遠隔操作部が、前記情報端末のアプリケーション実行部を通じて、前記アプリケーションの操作を行う遠隔操作ステップをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の保護サービス提供方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スマートフォンのアプリケーション自体が保護対象の現在位置を測定し記録する場合には、保護対象の実際の位置や利用情報等を含むプライバシー情報がアプリケーションの開発・運用者に公開されてしまうことになる。このため、万が一アプリケーションの開発・運用者からプライバシー情報が漏洩する惧れがある。一方、アプリケーションの開発者・運用者側にしてみると、アプリケーションの運用に際し、プライバシー情報が漏洩しないように高度なセキュリティーを確保しなければならず、そのためのコストが増大するとともに、万が一情報が漏洩したときには、それに対する賠償責任も生じうることから、開発・運用側の負担がさらに増大する可能性がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、児童の通学、塾通いを監視する際、アプリケーション側で保存する情報を限定することによってプライバシーを保護できる保護サービス提供システム、プログラム及び保護サービス提供方法提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、保護対象が所持する情報端末を通じて、保護対象を監視する保護サービスを提供するためのシステムであって、情報端末のOS上で、アプリケーションを実行するアプリケーション実行部と、OSの機能として情報端末の現在位置を計測する位置情報取得部と、位置情報取得部に対して監視エリアを設定する監視エリア設定部と、情報端末の現在位置が監視エリア外となったときに、OSの機能としてアプリケーションに対して通知するOS側通知部と、アプリケーションの機能であってOS側通知部からの通知を取得する通知取得部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、保護対象が所持する情報端末を通じて、保護対象を監視する保護サービスを提供するための保護サービス提供方法であって、
(1)情報端末のOS上において、アプリケーション実行部がアプリケーションを実行するとともに、監視エリア設定部が、OSの機能として情報端末の現在位置を計測する位置情報取得部に対して監視エリアを設定する起動・設定ステップと、
(2)情報端末の現在位置が監視エリア外となったときに、OS側通知部が、OSの機能としてアプリケーションに対して通知するとともに、アプリケーションの機能として通知取得部が、OS側通知部からの通知を取得する通知ステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記発明において、監視エリア設定部は、管理端末に備えられていることが好ましい。
【0011】
上記発明において、管理通知部が、アプリケーションの機能として、通知取得部が取得した通知に応じて、位置情報取得部から取得した現在位置を管理端末に対して通知する管理通知ステップをさらに備えることが好ましい。
【0012】
上記発明において、監視エリアは、保護対象が移動する経路、及び経路に隣接する所定の地域を含む範囲であることが好ましい。
【0013】
上記発明において、管理端末の遠隔操作部が、情報端末のアプリケーション実行部を通じて、アプリケーションの操作を行う遠隔操作ステップをさらに備えることが好ましい。
【0014】
なお、上述した本発明に係るシステム及び方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピュータやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有する本発明のシステムを構築して本発明の方法を実施することができる。
【0015】
また、本発明に係るプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、保護対象となる児童等にスマートフォン等の情報端末を携帯させ、管理端末である保護者のスマートフォンを使って、通学路と通学時間をあらかじめ設定し、アプリケーションで位置情報を適宜取得して、児童が通学路を著しく外れた時に、管理端末に通知を出すことができる。この際、位置情報の取得はOS側の機能を使い、アプリケーション側では、保護対象の現在位置が監視エリア内であるかどうかの判定結果のみをOS側から取得する。
【0017】
すなわち、本発明では、監視対象の位置情報を含む個人情報はOS側でのみ監視され、監視対象が監視エリアから外れたときにのみアプリケーション側に位置情報が渡され、そのアプリケーション側に渡された位置情報は保護者の端末に直ちに送信される一方、管理サーバー側には位置情報を含まない動作ログのみが送信される。監視対象端末のアプリケーション又は保護者の端末のアプリケーションに渡された位置情報は、ユーザー自身が設定した条件に則って保存及び削除される。
【0018】
この結果、本実施形態では、位置情報を含む個人情報は、管理サーバー側には一切渡されず、ユーザー自身の責任において保管及び破棄されることとなる。そのため、本実施形態によればアプリケーションの開発者・運用者側にあっては、アプリケーションの運用に際し、位置情報等のプライバシー情報が漏洩しないように高度なセキュリティーを確保する必要がない。したがって、情報漏洩に関する開発・運用、保証に要する負担を軽減しつつ、GDPR(General Data Protection Rules、一般データ保護規則)を遵守可能な仕組みを担保できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置などを例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0021】
(保護サービス提供システムの全体構成)
先ず、保護サービスの概要、及び保護サービス提供システムの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る保護サービスの全体構成を示す概念図であり、
図2は保護サービス提供システムの全体構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る保護サービスは、保護対象である児童等が所持する情報端末を通じて、保護対象を監視する保護サービスを提供するためのシステムである。具体的には、管理端末である保護者が使用するスマートフォン2を使って例えば通学路と通学時間を予め保護サービス提供サーバー5上に設定し、保護対象である児童が使用する保護対象使用端末であるスマートフォン3の現在値を設定された時間帯に従って監視する。この保護対象使用端末の監視では、保護対象使用端末自身における現在位置監視及び報知と、保護サービス提供会社が運用する保護サービス提供サーバー5における保護対象使用端末に対する監視及び管理端末への報知が行われる。保護対象使用端末では、監視用のアプリケーションをダウンロードしておき、この監視用アプリケーションは、子どもが使用するスマートフォン2の位置情報を、保護対象使用端末のOS側から適宜取得し、児童が通学路を著しく外れた時に、保護サービス提供サーバー5及びであるスマートフォン2に対して報知する。
【0023】
具体的に本実施形態に係る保護サービス提供システム1は、監視サービスを提供する管理会社が運用する保護サービス提供サーバー5と、通学する生徒や児童等の管理対象Chが使用するスマートフォン3と、この生徒や児童等の管理対象Chの保護者Paが使用するスマートフォン2と、保護者Paによる勉強の管理を支援する保護サービス提供会社が運用する保護サービス提供サーバー5とが、インターネット4から概略構成される。なお、本実施形態では、スマートフォン3又は2を保護対象使用端末及び管理端末の一例として説明する。
【0024】
保護サービス提供会社は、インターネットを通じて、保護対象用プログラム及び管理端末用プログラムを提供し、保護サービス提供サーバー5によって保護対象を監視するサービスを提供する。
【0025】
保護者Paは、管理端末用アプリケーションを通じて、子どもである管理対象Chの通学を監視することを希望するユーザーである。また、保護者Paは、保護体商用アプリケーション及び管理端末用アプリケーションの利用料金として定額料金や追加料金を保護サービス提供会社に支払っている。
【0026】
保護サービス提供サーバー5は、本実施形態では、インターネット4を通じて、保護対象使用端末であるスマートフォン3を監視するとともに、監視結果を管理端末であるスマートフォン2に通知したり、スマートフォン2から設定情報を取得して、監視範囲を設定する等の、保護サービスの提供に際して必要となるインターフェースを提供するコンテンツサーバーであり、単一のサーバー装置、又は複数のサーバー装置群により実現することができる。この保護サービス提供サーバー5の機能は、複数の機能モジュールをCPU上に仮想的に構築し、それぞれの機能モジュールが協動して処理を実行する。また、この保護サービス提供サーバー5は、通信機能によりインターネット4を通じて、データ送受信を行うことができるとともに、Webサーバー機能によりブラウザソフトを通じてWebページの提示などを行うことができる。
【0027】
スマートフォン3及び2は、無線通信を利用した携帯可能な情報処理端末装置であり、CPU等の演算処理装置を備え、アプリケーションソフトを実行することによって種々の機能を提供する装置である。この情報処理端末装置としては、例えば、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターや機能を特化させた専用装置により実現することができ、スマートフォンの他、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機、ウェアラブル端末装置、ゲーム機その他のモバイル端末等が含まれる。
【0028】
また、スマートフォン3及び2は、無線基地局41,42等の中継点と無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この通話やデータ通信の通信方式としては、例えば、3G(3rd. Generation)方式、LTE(Long Term Evolution)方式、4G方式、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、このスマートフォン3,2は、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、GPS(Global Positioning System)などによる位置情報取得機能等、種々の機能が搭載され、タブレットPC等のモバイルコンピューターも含まれる。
【0029】
なお、スマートフォン3に備えられた位置情報取得機能は、自機の位置を示す位置情報を取得して記録する機能であり、この位置情報取得機能としては、例えば、GPSのように、衛星からの信号によって自機の位置を検出する方法や、携帯電話の無線基地局41,42や、Wifi通信のアクセスポイントからの電波強度などによって位置を検出する方法が含まれる。
【0030】
そして、これらのスマートフォン3,2は、情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部を備えるとともに、ユーザーが入力操作を行うための操作ボタン等の操作デバイスを備え、この操作デバイスとしては、液晶ディスプレイに重畳されて配置され、液晶ディスプレイ上の座標位置を指定するタッチ操作などによる操作信号を取得する入力部としてのタッチパネルが含まれる。具体的にこのタッチパネルは、ユーザーの指先やペンなどを用いたタッチ操作による圧力によって操作信号を入力する入力デバイスであり、グラフィックを表示する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイに表示されたグラフィックの座標位置に対応した操作信号を受け付けるタッチセンサーとが重畳されて構成されている。
【0031】
インターネット4は、無線通信網を含み、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、4G、LTE、3Gなど無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークであり、このインターネット4には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や、所定領域(企業、家庭等)内ネットワークなどのLAN・Wifiなども含まれる。
【0032】
無線基地局41,42は、中継装置を通じてインターネット4に接続され、スマートフォン3又は2との間で4G、LTE、3Gなどの通信方式によって無線通信接続を確立し、スマートフォン3又は2による通話やデータ通信を提供する装置である。無線基地局41,42には、インターネット4に接続するためのモデムやターミナルアダプタ、ゲートウェイ装置等のノード装置を備えられており、通信経路の選択や、データ(信号)の相互変換を行い、無線基地局41又は42と、インターネット4との間における中継処理も行う。
【0033】
(各装置の内部構造)
次いで、上述した保護サービス提供システムを構成する各装置の内部構造について説明する。
図3及び
図4は、管理対象Chが使用するスマートフォン3、管理対象Chの保護者Paが使用するスマートフォン2の内部構成を示し、
図5は、本実施形態に係る保護サービス提供サーバー5の内部構成を示す。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0034】
(1)管理対象端末(スマートフォン3)
次いで、管理対象端末である管理対象Chが使用するスマートフォン3の内部構成について説明する。
図3に示すように、スマートフォン3は、蓄積部であるストレージ34と、演算処理を行うCPU31と、情報を一時的に記憶するメモリ32と、インターネット4を介して外部との通信を行う通信I/F33と、出力I/F35と、入力I/F36とを有している。なお、本実施形態では、これらのストレージ34、CPU31、メモリ32及び通信I/F33等は、CPUバス30を介して接続されており、相互にデータの受渡しが可能となっている。
【0035】
ストレージ34は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
【0036】
CPU31は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU31上に仮想的に各種モジュールを構築する。本実施形態では、このCPU9により、本発明の架電接続率計測プログラムを実行することによって、この汎用的なスマートフォン3を、架電接続率計測装置として機能させる。なお、この「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0037】
通信I/F33は、無線通信により無線基地局41,42等と通信を行うモジュールであり、LTE回線、3G・4G回線や、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークや、公知の装置・通信方式を用いることができる。
【0038】
また、CPUバス30には、GPSや無線基地局41,42の識別子・座標などから自機の現在位置を測定する位置情報取得部39と、現在時刻を計時する時計部38とが接続されている。これらの位置情報取得部39と、時計部38による測定結果は、自機のステータス情報として、CPU31上で実行されるOSやアプリケーションの要求に応じて受渡される。なお、本実施形態に係る位置情報取得部39は、OS側に備えられた機能として自機の現在位置を計測するモジュールであり、アプリケーション実行部312で実行されるアプリケーションの機能とは分離されて独立して実行される。
【0039】
位置情報取得部39は、スマートフォン3の位置(緯度・経度・高度)及び方向を現在位置情報として取得するモジュールである。具体的にこの位置情報取得部39は、スマートフォン2に備えられた位置情報取得機能やジャイロセンサー、方位センサー、加速度センサー等から、GPSや周囲の電波環境(3G基地局からの電波信号、Wifi通信のアクセスポイントからの電波等)に基づく自機の現在位置を緯度・経度、標高、自機が向いている方位、相対移動距離、相対回転角度を取得する。
【0040】
なお、CPUバス30には、ユーザー操作を受け付ける入力I/F36及び、映像や音響、LED点灯などの出力制御を行う出力I/F35が接続されている。出力I/F35は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスから映像や音声を出力するために映像信号や音声信号を送出するモジュールであり、アプリケーション実行部312で実行されるアプリケーションソフトに関する映像や音声を出力することができる。
【0041】
入力I/F36は、タッチパネルやボタン等の操作デバイスから操作信号を受信するモジュールであり、受信された操作信号はCPU31に伝えられ、OSや各アプリケーションに対する操作を行うことができる。なお、本実施形態では、これら入力I/F36及び出力I/F35には、タッチパネルやボタン等の物理的操作スイッチなどが接続されており、操作用画面の表示データをディスプレイに表示させ、それに応じたタッチ操作やボタン操作をさせることによってユーザー操作信号を取得するGUIが提供される。
【0042】
そして、CPU31上では、OS実行部331によってスマートフォン専用に開発されたOS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによってスマートフォン3の基本的な機能が管理・制御されている。また、このOS上ではアプリケーション実行部312によって、種々のアプリケーションが実行可能になっており、
図4に示すように、このアプリケーション実行部312によって、アプリケーションを実行することにより、様々な機能が実行される。
【0043】
OS実行部331は、CPU上でOSプログラムを実行するためのモジュールであり、このOS実行部331でOSプログラムが実行されることによって、スマートフォン3の基本的な機能が管理・制御され、アプリケーション実行部312で構築されたモジュールと、スマートフォン3の各装置・機能との連携を可能としている。
【0044】
アプリケーション実行部312は、CPU上でアプリケーションプログラムを実行するためのモジュールであり、詳しくは、OS上においてアプリケーション実行部312でアプリケーションプログラムを実行することによって、種々の機能モジュールがCPU上に仮想的に構築される。
【0045】
本実施形態では、保護サービス提供システムに係るモジュールとして、
図4に示すように、CPU31では、OSによって、判定部331aと、遠隔制御部331bと、OS側通知部331cとが提供されており、アプリケーション実行部312によって保護対象用アプリケーションが実行されることにより、通知取得部312aと、管理通知部312bと、端末側記録部312cとが提供される。
【0046】
判定部331aは、OS311に備えられた位置情報取得部39や監視機能を使って、自機の現在位置が監視エリア内であるか否かの判断を行うモジュールである。
【0047】
遠隔制御部331bは、管理端末であるスマートフォン2や保護サービス提供サーバー5を通じて、保護対象使用端末であるスマートフォン3上で実行されているアプリケーションの操作を行うためのモジュールであり、スマートフォン2や保護サービス提供サーバー5上で実行されている遠隔操作部からの操作信号を受信して、遠隔的にアプリケーションの実行や、判定部331a、OS側通知部331cの設定操作や実行動作の制御を行えるようになっている。
【0048】
OS側通知部331cは、スマートフォン3の現在位置が監視エリア外となったときに、前記OSの機能としてアプリケーションに対して通知するモジュールである。通知取得部312aは、アプリケーションによって提供される機能であってOS側通知部331cからの通知を取得するモジュールである。管理通知部312bは、アプリケーションによって提供される機能であって、通知取得部312aが取得した通知に応じて、位置情報取得部39から取得した現在位置を管理端末であるスマートフォン2に対して通知するモジュールである。
【0049】
端末側記録部312cは、アプリケーションの実行履歴、管理通知部312b等をによる通知履歴をストレージ34に記録するモジュールである。特に、この端末側記録部312cは、上記各種履歴を記録する際、保護対象使用端末であるスマートフォン3の現在位置に関する情報を削除して履歴データを生成する機能を備えている。
【0050】
(2)管理用端末(スマートフォン2)
次いで、保護者Paが使用する管理用端末であるスマートフォン2の内部構成について説明する。このスマートフォン2は、基本的には上述したスマートフォン3と同様の構成を備えている。すなわち、
図3に示すように、スマートフォン2は、通信インターフェースや、入力インターフェース、出力インターフェース、CPU、メモリ等を備えている。
【0051】
特に、管理用端末であるスマートフォン2では、アプリケーション実行部では、管理用プログラムが実行されることで、
図5に示すような、情報取得部241と、表示データ生成部242と、遠隔操作部245とが仮想的に構築される。
【0052】
情報取得部241は、保護サービス提供サーバー5やスマートフォン2など、他の通信端末から各種情報を取得するモジュールである。なお、この情報取得部241における情報の取得としては、メモリ25に蓄積されたデータを読み出す場合や、通信インターフェース21を通じて保護サービス提供サーバー5その他のサーバーからダウンロードする場合、また、スマートフォン2内で生成又は加工されたデータを読み込む場合のいずれも含まれる。表示データ生成部242は、表示部23aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、Webページの他、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成されるデータである。
【0053】
遠隔操作部245は、管理対象端末であるスマートフォン2にアクセスし、監視エリアの設定を行ったり、管理プログラムの動作制御をするなど、スマートフォン3の遠隔制御部331bと連携をとるためのモジュールである。具体的に、この遠隔操作部245は、監視エリア設定部245a及び通知取得部245bを備えている。
【0054】
遠隔操作部245は、管理対象であるスマートフォン3から通知取得部245bにより通知を取得して蓄積するとともに、ユーザー(保護者Pa)の操作に基づいて、監視エリア設定部245aを通じて、スマートフォン3に対し、遠隔操作によって監視エリアや時間帯を設定することができる。例えば、遠隔操作部245を通じて、スマートフォン3に関する監視エリアとして、通学路などのように管理対象Chが移動する経路のほか、通学路に隣接する公園や施設など監視経路に隣接する所定の地域を含む範囲を設定することができる。また、遠隔操作部245は、スマートフォン3のアプリケーション実行部312を通じて、監視アプリケーションを含む各種アプリケーションに対する操作を行うこともできる。
【0055】
(3)管理サーバー
先ず、保護サービス提供サーバー5の内部構成について説明する。
図6は、保護サービス提供サーバー5の構成を示すブロック図である。保護サービス提供サーバー5は、インターネット4上に配置され、インターネット4を通じて、主として、管理対象Ch及び保護者Paが使用するスマートフォン2や3とデータの送受信を行えるようになっている。
【0056】
具体的に、保護サービス提供サーバー5は、インターネット4を通じてデータ通信を行う通信インターフェース51と、利用者や利用者端末の権限を認証する認証部52と、各保護対象用端末から通知情報を収集して管理する情報管理部56と、サービス提供部53と、種々のデータを蓄積するデータ蓄積部55(55a〜c)を備えている。
【0057】
データ蓄積部55には、各端末毎に設定された監視エリアに関する設定情報を記憶する監視範囲設定データベース55aと、登録された利用者(保護対象及びその保護者)に関する情報を蓄積するユーザーデータベース55bと、各利用者の管理対象とするスマートフォン3からの通知を監視履歴情報として管理する監視履歴管理データベース55cとが含まれる。これらの各データとしては、単一のテーブルデータとしてもよく、複数のデータベースに分割し、相互にリレーションを設定することで各データ同士を紐付けたリレーショナルデータベースとすることができる。
【0058】
認証部52は、通信インターフェース51を通じて、スマートフォン2或いは3と通信セッションを確立させ、その確立された通信セッション毎に認証処理を行うモジュールである。この認証処理としては、アクセス者である保護者Paのスマートフォン2から認証情報を取得し、ユーザーデータベース55bを参照して、利用者等を特定し、それらの権限を認証する。この認証部52による認証結果(ユーザーID、認証時刻、セッションID等)は、情報管理部56に送出されて監視履歴情報の管理に用いられるとともに、ユーザーデータベース55bに認証履歴として蓄積される。サービス提供部53は、管理された情報の提供を要求する提供要求を保護者Paが使用するスマートフォン2から受信する提供要求受信部53aと、サービスに関する課金処理を実行する課金部53bとを備えている。
【0059】
情報管理部56は、保護者Paのスマートフォン2側で取得されて保護サービス提供サーバー5側に送信された監視情報を蓄積し管理するモジュールであり、この情報管理部56は、認証部52による認証処理によって特定されたユーザーやユーザー端末装置の識別子(ユーザーID、端末ID等)と、それらから取得された学習履歴情報とを紐付けて監視履歴管理データベース55cに蓄積する。また、情報管理部56は、提供要求受信部53aが提供要求を受信した際に、その要求に対応する監視履歴の提供を指示する。
【0060】
(保護サービス提供方法)
以上の構成を有する保護サービス提供システムを動作させることによって、本発明の保護サービス提供方法を実施することができる。
図7は、本実施形態に係るコンテンツ放送システムの動作を示すフローチャート図であり、
図8は、監視エリアの設定例を示す説明図である。
【0061】
図7に示すように、先ず、スマートフォン3の電源が投入されることにより、スマートフォン3のOSに備えられた位置情報取得部39によって、スマートフォン3の現在位置に関する位置情報の取得及び蓄積が開始される(S101及びS102)。このOS側の位置情報取得部39では、遠隔制御部331bを通じて、
図8に示すような監視エリアが遠隔的に設定されている。
図8に示した例では、自宅Ob20と学校Ob23との間の通学路、及び通学路R1に隣接する公園Ob22や進学塾Ob21を含む範囲が監視エリアA1として、地
図M1上に設定されている。この地
図M1上に監視対象である児童などがアイコンOb1として表示される。
【0062】
OSに備えられた位置情報取得部39による位置情報の取得及び蓄積が開始されると、OSによって監視対象が監視エリア内に在圏するか否かを判断し(S103における「Y」)、監視対象が監視エリア外に出たことを検出したとき(S103における「N」,S104)、OS側の位置情報取得部39からアプリケーション側にその旨の通知が監視対象の位置情報とともに渡される(S105)。このOS側から通知された位置情報は、アプリケーションの管理通知部312bで取得され(S106)、監視対象の位置情報を含むアラートがアプリケーションの管理通知部312bから保護者用のスマートフォン2に向けて発信されるとともに、保護サービス提供サーバー5側には位置情報を含まない動作ログのみが発信される(S107)。
【0063】
管理通知部312bから報知されたアラート(S201)を受けて保護者のスマートフォン2では、監視対象の位置情報を含むアラートを出力する(S202)とともに、保護サービス提供サーバー5との間で同期処理を行い、監視履歴を記録する(S203)。他方、保護サービス提供サーバー5では、管理通知部312bからの動作ログ(S108)を受けて、アラートを出力する(S302)とともに、保護者用のスマートフォン2との間で同期処理を行い、監視履歴を記録する(S303)。
【0064】
次いで、スマートフォン3側では、報知を実行した履歴である実行履歴を記録する。このとき、OS側からアプリケーション側へと渡された監視対象の位置情報は、ユーザーの設定に応じて、所定要件の下、一定期間保存された後に削除される。例えば、位置情報を記録する記憶領域の容量に応じて、容量が満杯になった後は古いデータから順次削除されるようにしたり、ユーザーが指定した一定の期間が経過した後に削除したり、ユーザーが任意にデータを選択して削除できるようにしてもよい。また、この位置情報を削除する設定は、監視対象のスマートフォン3側でできるとともに、保護者側のスマートフォン2から遠隔操作で行うこともできる。
【0065】
さらに、上記位置情報に関する記録を削除する設定機能に、監視対象のスマートフォン3側においてアクセスする場合、又は保護者側のスマートフォン2から監視対象の端末側の設定機能にアクセスする場合には、保護者のみが入力できる手法によって入力可能なパスワード等の認証情報を要求するようにしてもよい。その後は、上記ステップS102〜S108をアプリが終了されるまで(S109における「Y」)続行する(S109における「N」)。
【0066】
(作用・効果)
以上説明した実施形態によれば、保護対象となる管理対象Ch等にスマートフォン等のスマートフォン3を携帯させ、管理端末である保護者Paのスマートフォン2を使って、通学路R1と通学時間をあらかじめ設定し、アプリケーションで位置情報を適宜取得して、管理対象Chが通学路R1を著しく外れた時に、管理端末であるスマートフォン2に通知を出すことができる。
【0067】
この際、位置情報の取得はOS側の位置情報取得部39を使い、アプリケーション側では、管理対象Chの現在位置が監視エリア内であるかどうかの判定結果のみをOS側から取得するため、アプリケーションの開発・運用にあたりプライバシー情報が漏洩することがない。詳述すると、監視対象Chの現在位置の変位を記録した位置情報はOS側でのみ監視し、監視対象Chが監視エリアから外れたときにのみアプリケーション側に位置情報が渡され、そのアプリケーション側に渡された位置情報は保護者のスマートフォン2に直ちに送信される一方、保護サービス提供サーバー5側には位置情報を含まない動作ログのみが送信される。スマートフォン3のアプリケーション又は保護者のスマートフォン2のアプリケーションに渡された位置情報は、ユーザー自身が設定した条件に則って保存及び削除される。
【0068】
この結果、本実施形態では、位置情報(行動履歴)を含む個人情報は、保護サービス提供サーバー5側には一切渡されず、ユーザー自身の責任において保管及び破棄されることとなる。そのため、本実施形態によればアプリケーションの開発者・運用者側にあっては、アプリケーションの運用に際し、位置情報等のプライバシー情報が漏洩しないように高度なセキュリティーを確保する必要がなく、情報漏洩に関する開発・運用、保証に要する負担を軽減することができる。
【0069】
(変更例)
なお、以上説明した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0070】
例えば、上述した実施形態では、監視対象の位置情報の変位である位置情報をサーバー0側に一切渡さないようにしたが、GDPR(General Data Protection Rules、一般データ保護規則)を遵守可能な仕組みを担保すべく、各ユーザーの位置情報を全て、たのユーザーの情報から選別して特定できるように記録して管理し、ユーザーからの要求に応じて、そのユーザー固有の個人情報を、他のユーザーから選別・特定して確実に削除する情報削除機能を並設するようにしてもよい。
【0071】
この場合には、この情報削除機能が設けられていることを前提に、位置情報を含む各ユーザーの個人情報を保護サービス提供サーバー5側にも保存することを承諾するかどうかをユーザーに選択させるようにしてもよい。この情報削除機能を並設してユーザーの選択に応じて、サーバー側にも情報を保存して情報消失のリスクを低減するか、情報漏洩を回避するために各ユーザーが自身の端末で自己管理するかを決定できることにより、サービスの多様性を向上させることができる。