特許第6835406号(P6835406)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6835406
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】変位センサ及び変位測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/00 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   G01B5/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-533(P2017-533)
(22)【出願日】2017年1月5日
(65)【公開番号】特開2018-109572(P2018-109572A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2019年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 成樹
(72)【発明者】
【氏名】明神 将司
(72)【発明者】
【氏名】西口 聡一
(72)【発明者】
【氏名】林 和幸
【審査官】 仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−317284(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3015146(JP,U)
【文献】 特開2003−302250(JP,A)
【文献】 特開平5−248804(JP,A)
【文献】 特開2008−157803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00−5/30
G01B 7/00−7/34
G01D 5/00−5/252
5/39−5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物と接触する部分であるシャフトキャップと、
前記シャフトキャップに接続された金属シャフトと、
中空であり、前記金属シャフトが挿入されるコイルベースと、
前記コイルベースの外周面に巻かれたコイルと、
前記コイルに電流を流した状態で、前記金属シャフトが前記コイルベース内を動くことによる前記コイルのインダクタンス及び抵抗の変化を測定することにより、前記金属シャフトの変位量を測定する変位量測定部と、を備え、
前記コイルベースの外周面に螺旋状の補助溝が設けられ、
前記コイルは、前記コイルベースとの間に隙間を設けた状態で、前記補助溝に巻かれる、
変位センサ。
【請求項2】
前記補助溝は、V字状に設けられる、請求項1に記載の変位センサ。
【請求項3】
前記補助溝にかぶせる蓋をさらに備える、請求項1又は2に記載の変位センサ。
【請求項4】
前記金属シャフトは中空である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変位センサ。
【請求項5】
前記金属シャフトに接続されるスライダをさらに備え、
前記スライダの素材は、摺動性がよい素材であり、
前記スライダの外周面は、前記コイルベースの内周面に密着している、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変位センサ。
【請求項6】
前記コイルが巻かれた状態の前記コイルベースを格納する第1のケースをさらに備え、
前記第1のケースは金属ケースである、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変位センサ。
【請求項7】
磁性体シートをさらに備え、
前記磁性体シートは、前記第1のケースと前記コイルベースとの間に配置される、
請求項6に記載の変位センサ。
【請求項8】
前記変位量測定部を格納する第2のケースをさらに備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の変位センサ。
【請求項9】
他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果を受信するための第1のコネクタと、
前記変位量測定部における前記金属シャフトの変位量の測定結果及び前記他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果の少なくとも一方を送信するための第2のコネクタと、
前記第1のコネクタを介した変位量の測定結果の受信及び前記第2のコネクタを介した変位量の測定結果の送信の少なくとも一方を行う送受信部と、をさらに備える、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の変位センサ。
【請求項10】
被測定物におけるそれぞれ異なる方向の変位量を測定する複数の変位センサと、
前記複数の変位センサにおける変位量の測定結果を受信する子局と、を備え、
前記複数の変位センサの各々は、
前記被測定物と接触する部分であるシャフトキャップと、
前記シャフトキャップに接続された金属シャフトと、
中空であり、前記金属シャフトが挿入されるコイルベースと、
前記コイルベースの外周面に巻かれたコイルと、
前記コイルに電流を流した状態で、前記金属シャフトが前記コイルベース内を動くことによる前記コイルのインダクタンス及び抵抗の変化を測定することにより、前記金属シャフトの変位量を測定する変位量測定部と、
他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果を受信するための第1のコネクタと、
前記変位量測定部における前記金属シャフトの変位量の測定結果及び前記他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果の少なくとも一方を送信するための第2のコネクタと、
前記第1のコネクタを介した変位量の測定結果の受信及び前記第2のコネクタを介した変位量の測定結果の送信の少なくとも一方を行う送受信部と、を備え、
前記コイルベースの外周面に螺旋状の補助溝が設けられ、
前記コイルは、前記コイルベースとの間に隙間を設けた状態で、前記補助溝に巻かれ、
前記複数の変位センサ及び前記子局は、数珠つなぎに接続される、
変位測定装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位センサ及び変位測定装置に関し、例えば橋梁等の変位量の測定に用いる変位センサ及び変位測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、道路・鉄道の橋梁等のインフラ老朽化が社会問題となっており、これらの健全性を確認するための定期点検に多額の費用が費やされている。また、地震発生時には、橋梁等の健全性を確認するために、調査員が橋梁等の状態の確認に向かう必要があるが、すべての橋梁等を同時に確認することは困難である。このため、遠隔でのインフラの状態を常時モニタリングでき、特に、地震による橋梁等の構造設計値を超える変位量の有無が測定できるセンサが求められている。
【0003】
例えば、平面アンテナを使用して橋梁等の変位量の測定を行うことが考えられる。しかし、平面アンテナを使用した場合、縦方向(Z軸)の変位量の測定時に、測定対象が不安定な状態でX軸方向・Y軸方向へのぶれや傾きが生じることにより、縦方向の変位量を正確に測定することが不可能となる。
【0004】
また、特許文献1には、コイル、円錐状の磁性体プローブ、インダクタンスメータ、及び変位量変換部を用いて対象物の変位量の検出を行う変位センサが開示されている。特許文献1の変位センサでは、磁性体プローブがコイルの空心部内を移動すると、コイルのインダクタンスが変化する。そして、インダクタンスメータが、コイルのインダクタンスの変化を検出し、変位量変換部が、その検出値を変位量に変換する。
【0005】
しかし、特許文献1の変位センサでは、コイルと磁性体プローブとの摩擦が生じ得るため、コイルの耐久性に問題がある。
【0006】
コイルとシャフトとが摩擦しないセンサの例が特許文献2に開示されている。特許文献2のポジションセンサでは、センサコイル部において、樹脂製のケースの中心部にシャフトを挿入する空間を設け、この空間を挟むように、コイル収納部を形成し、コイル収納部にコイルを収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−139562号公報
【特許文献2】特開2000−161985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2のセンサコイル部において、コイルとコイル以外の部分とでは、素材が異なる。このため、センサコイル部におけるコイルとコイル以外の部分とでは、熱膨張率が異なる。これにより、特許文献2のポジションセンサを温度変化が大きい環境にて使用する場合、センサコイル部のコイルとコイル以外の部分との熱膨張率の違いにより、コイルの断線が発生し得るという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、測定精度の低下を防止し、且つ温度変化に伴うコイルの断線を防止することができる変位センサ及び変位測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかる変位センサは、被測定物と接触する部分であるシャフトキャップと、前記シャフトキャップに接続された金属シャフトと、中空であり、前記金属シャフトが挿入されるコイルベースと、前記コイルベースの外周面に巻かれたコイルと、前記コイルに電流を流した状態で、前記金属シャフトが前記コイルベース内を動くことによる前記コイルのインダクタンス及び抵抗の変化を測定することにより、前記金属シャフトの変位量を測定する変位量測定部と、を備え、前記コイルベースの外周面に螺旋状の補助溝が設けられ、前記コイルは前記補助溝に巻かれるものである。
【0011】
本発明の第2の態様にかかる変位測定装置は、被測定物におけるそれぞれ異なる方向の変位量を測定する複数の変位センサと、前記複数の変位センサにおける変位量の測定結果を受信する子局と、を備え、前記複数の変位センサの各々は、前記被測定物と接触する部分であるシャフトキャップと、前記シャフトキャップに接続された金属シャフトと、中空であり、前記金属シャフトが挿入されるコイルベースと、前記コイルベースの外周面に巻かれたコイルと、前記コイルに電流を流した状態で、前記金属シャフトが前記コイルベース内を動くことによる前記コイルのインダクタンス及び抵抗の変化を測定することにより、前記金属シャフトの変位量を測定する変位量測定部と、他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果を受信するための第1のコネクタと、前記変位量測定部における前記金属シャフトの変位量の測定結果及び前記他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果の少なくとも一方を送信するための第2のコネクタと、前記第1のコネクタを介した変位量の測定結果の受信及び前記第2のコネクタを介した変位量の測定結果の送信の少なくとも一方を行う送受信部と、を備え、前記コイルベースの外周面に螺旋状の補助溝が設けられ、前記コイルは前記補助溝に巻かれ、前記複数の変位センサ及び前記子局は、数珠つなぎに接続されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、測定精度の低下を防止し、且つ温度変化に伴うコイルの断線を防止することができる変位センサ及び変位測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1にかかる変位センサの構成例を示す図である。
図2A図1の金属シャフトが被測定物の動きに連動してコイルベース内を動くことを示す図である。
図2B図1の金属シャフトが被測定物の動きに連動してコイルベース内を動くことを示す図である。
図3図1のコイルが補助溝に巻かれた状態の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態2にかかる変位センサにおけるコイルがコイルベースに巻かれた状態の一例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態3にかかる変位センサにおけるシャフトキャップ、金属シャフト、及びスライダが接続された構成を示す図である。
図6】本発明の実施の形態3にかかる変位センサにおけるシャフトキャップ、金属シャフト、スライダ、及びコイルベースの側面断面図である。
図7】本発明の実施の形態4にかかる変位センサの構成例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態5にかかる変位センサの構成例を示す図である。
図9】本発明の実施の形態5にかかる変位測定装置の構成例を示すブロック図である。
図10】本発明の実施の形態5にかかるネットワークセンサシステムの構成例を示すブロック図である。
図11A】本発明の実施の形態にかかる変位センサを格納するカバーの例を示す図である。
図11B】本発明の実施の形態にかかる変位センサを格納するカバーの例を示す図である。
図12】本発明の実施の形態にかかる変位センサにおけるシャフトキャップ及び金属シャフトの変形例を示す側面断面図である。
図13A】本発明の実施の形態にかかる変位センサにおけるシャフトキャップ又は第2のケースが第1の空気穴を備える例を示す側面断面図である。
図13B】本発明の実施の形態にかかる変位センサにおけるシャフトキャップ又は第2のケースが第1の空気穴を備える例を示す側面断面図である。
図13C】本発明の実施の形態にかかる変位センサにおけるシャフトキャップ又は第2のケースが第1の空気穴を備える例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
実施の形態1
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態1にかかる変位センサ100の構成例について説明する。本実施の形態1にかかる変位センサ100は、シャフトキャップ11と、金属シャフト12と、コイルベース21と、コイル22と、変位量測定部23と、を備えている。
【0016】
シャフトキャップ11は、被測定物600と接触する部分である。なお、シャフトキャップ11に用いられる素材は、例えば樹脂である。
【0017】
金属シャフト12は、シャフトキャップ11に接続された状態で用いられる。金属シャフト12は、被測定物600とシャフトキャップ11とが接触した状態で動くことにより、被測定物600の動きに連動する。なお、金属シャフト12に用いられる素材は、例えばステンレスである。また、金属シャフト12は、中空であってもよい。金属シャフト12を中空とすることにより、金属シャフト12の内部を長手方向に通る磁界を形成することができる。
【0018】
コイルベース21は、中空であり、金属シャフト12が挿入される。すなわち、金属シャフト12は、被測定物600の動きに連動して、コイルベース21内を動く。なお、金属シャフト12が被測定物600の動きに連動してコイルベース21内を動くとは、変位センサ100が、例えば図2Aの状態から図2Bの状態へ遷移することである。なお、コイルベース21に用いられる素材は、例えば樹脂である。
【0019】
コイル22は、コイルベース21の外周面に巻かれる。具体的には、コイルベース21の外周面には螺旋状の補助溝24が設けられ、コイル22は補助溝24に巻かれる。なお、コイル22に用いられる素材は、例えば銅である。
【0020】
変位量測定部23は、コイル22に電流を流した状態で、金属シャフト12がコイルベース21内を動くことによるコイル22のインダクタンス及び抵抗の変化を測定する。これにより、変位量測定部23は、金属シャフト12の変位量を測定する。
【0021】
続いて、図3を用いて、コイル22を補助溝24に巻くことについて説明する。図3の例では、コイルベース21とコイル22との間に隙間(gap)が設けられている。ここで、図3の例は、20℃の温度状況における状態を示しているものとする。
【0022】
コイルベース21とコイル22との間に隙間を設ける理由について説明する。コイルベース21が、例えばポリカーボネート樹脂製である場合、コイルベース21の熱膨張係数は、70〜80である。また、コイル22が、例えば銅製である場合、コイル22の熱膨張係数は、16.6である。このような場合、温度が高くなることに伴う熱膨張係数は、コイルベース21の方がコイル22よりも大きい。このため、例えば20℃の温度状況において、コイルベース21とコイル22との間に隙間がない状態では、温度が高くなった際にコイルベース21の熱膨張による膨らみによって、コイル22を伸長させて断線させる可能性がある。コイルベース21とコイル22との間に隙間を設けることにより、このようなコイル22の断線を防ぐことができる。
【0023】
なお、熱膨張によるコイルベース21の変化量は、α×△T×2rによって算出することができる。ここで、αは熱膨張係数(単位[×10−6/℃])であり、ΔTは温度変化量(単位[℃])であり、rはコイルベース21の半径(単位[mm])である。例えば、コイルベース21の直径が26mmであり、50℃の温度上昇がある場合、コイルベース21は、0.091〜0.104mm直径が大きくなる。このため、コイルベース21の直径が26mmである場合には、コイルベース21とコイル22との間に0.104mm以上の隙間を設けるようにしてもよい。
【0024】
補助溝24を設けずにコイルベース21とコイル22との間に隙間を設けた場合、コイル22の巻き線は、コイルベース21の長手方向に位置ずれすることがある。コイル22の巻き線の位置ずれは、金属シャフト12の変位量の測定精度を低下させる。このため、補助溝24を設けずにコイルベース21とコイル22との間に隙間を設けることは、金属シャフト12の変位量の測定精度を低下させ得る。
【0025】
これに対し、補助溝24を設けることにより、補助溝24の壁面が、コイル22の巻き線の位置ずれを抑止する。このため、補助溝24を設けることにより、コイルベース21とコイル22との間に隙間を設けた場合であっても、コイル22の巻き線がコイルベース21の長手方向に位置ずれすることを抑止することができる。
【0026】
すなわち、補助溝24を設けてコイル22を補助溝24に巻くことにより、金属シャフト12の変位量の測定精度の低下を防止し、且つ温度変化に伴うコイル22の断線を防止することができる。
【0027】
なお、補助溝24は、図3の例のように、例えばV字状に設けられるが、補助溝24の形状はV字状に限らない。例えば、補助溝24はU字状等でもよい。なお、補助溝24がV字状である場合、U字状である場合に比べて、コイル22に対するコイルベース21の膨張時の力が分散されるため、コイル22の断線をさらに防止することができる。
【0028】
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる変位センサ100では、コイルベース21の外周面に螺旋状の補助溝24が設けられる構成としている。また、変位センサ100では、コイル22は補助溝24に巻かれる構成としている。これにより、変位センサ100では、金属シャフト12の変位量の測定精度の低下を防止し、且つ温度変化に伴うコイル22の断線を防止することができる。
【0029】
実施の形態2
続いて、本発明の実施の形態2にかかる変位センサ200の構成例について説明する。本実施の形態2にかかる変位センサ200は、シャフトキャップ11と、金属シャフト12と、コイルベース21と、コイル22と、変位量測定部23と、蓋25と、を備えている。なお、変位センサ200において、蓋25以外の構成は、実施の形態1の変位センサ100の構成と同様であり説明を省略する。なお、蓋25に用いられる素材は、例えばポリイミドテープである。
【0030】
図4は、変位センサ200におけるコイル22がコイルベース21に巻かれた状態の一例を示す図である。図4に示すように、変位センサ200では、補助溝24に蓋25をかぶせる構成としている。これにより、変位センサ200では、コイル22を補助溝24及び蓋25により形成される空間内にとどめることができる。すなわち、コイル22の巻き線の位置ずれをさらに抑止することができる。
【0031】
以上のように、本発明の実施の形態2にかかる変位センサ200では、補助溝24に蓋25をかぶせる構成としている。これにより、変位センサ200では、コイル22の巻き線の位置ずれをさらに抑止することができる。
【0032】
実施の形態3
続いて、本発明の実施の形態3にかかる変位センサ300の構成例について説明する。本実施の形態3にかかる変位センサ300は、シャフトキャップ11と、金属シャフト12と、スライダ13と、コイルベース21と、コイル22と、変位量測定部23と、を備えている。なお、変位センサ300において、スライダ13以外の構成は、実施の形態1の変位センサ100の構成と同様であり説明を省略する。なお、変位センサ300は、蓋25をさらに備えるようにしてもよい。
【0033】
図5は、シャフトキャップ11、金属シャフト12、及びスライダ13が接続された構成を示す図である。スライダ13は、円柱状である。なお、スライダ13に用いられる素材は、例えばポリアセタール樹脂等の摺動性がよいものが好ましい。また、スライダ13は、中空であってもよい。スライダ13が中空である場合、金属シャフト12とスライダ13との接続は、例えば、スライダ13の中空に金属シャフト12を圧入することにより行う。
【0034】
続いて、図6を用いて、スライダ13の外周面が、コイルベース21の内周面に密着している状態について説明する。図6は、シャフトキャップ11、金属シャフト12、スライダ13、及びコイルベース21の側面断面図である。なお、図6の例では、金属シャフト12及びスライダ13は中空である。
【0035】
コイルベース21の中空部分は円柱状である。また、スライダ13の外周側面の円周寸法は、コイルベース21の内周側面の円周寸法と同じである。すなわち、スライダ13の外周面は、コイルベース21の内周面に密着する。さらに、スライダ13の素材として摺動性がよい素材を用いることにより、スライダ13は、コイルベース21の長手方向に動くことができる。すなわち、スライダ13の外周面がコイルベース21の内周面に密着した状態で、金属シャフト12はコイルベース21の長手方向に動くことができる。
【0036】
スライダ13の外周面がコイルベース21の内周面に密着した状態であるため、金属シャフト12は、コイルベース21の長手方向にしか動かない。このため、変位センサ300では、被測定物600が測定方向(コイルベース21の長手方向)以外の方向へ動いたとしても、金属シャフト12がコイルベース21の長手方向以外には動かないようにすることができる。すなわち、変位センサ300では、被測定物600における測定方向の変位量を正確に測定することができる。
【0037】
以上のように、本発明の実施の形態3にかかる変位センサ300では、金属シャフト12にスライダ13が接続される構成としている。また、変位センサ300では、スライダ13の外周面が、コイルベース21の内周面に密着した構成としている。さらに、変位センサ300では、スライダ13の素材として摺動性がよい素材を用いる構成としている。これにより、変位センサ300では、金属シャフト12がコイルベース21の長手方向以外には動かないようにすることができる。すなわち、変位センサ300では、被測定物600における測定方向の変位量を正確に測定することができる。
【0038】
実施の形態4
続いて、図7を用いて、本発明の実施の形態4にかかる変位センサ400の構成例について説明する。本発明の実施の形態4にかかる変位センサ400は、シャフトキャップ11と、金属シャフト12と、コイルベース21と、コイル22と、変位量測定部23と、第1のケース26と、第2のケース27と、を備えている。なお、変位センサ400において、第1のケース26及び第2のケース27以外の構成は、実施の形態1の変位センサ100の構成と同様であり説明を省略する。なお、変位センサ400は、蓋25をさらに備えるようにしてもよい。また、変位センサ400は、スライダ13をさらに備えるようにしてもよい。
【0039】
第1のケース26は、コイル22が巻かれた状態のコイルベース21を格納するケースである。なお、第1のケース26に用いられる素材は、例えばアルミニウム等の金属である。コイル22が巻かれた状態のコイルベース21を第1のケース26に格納することにより、金属シャフト12の変位量の測定における外部からのノイズの影響を防止することができる。
【0040】
なお、第1のケース26とコイルベース21との間に、図示しない磁性体シートを配置するようにしてもよい。なお、磁性体シートに用いられる磁性体の種類は、例えばフェライトである。第1のケース26とコイルベース21との間に磁性体シートを配置することにより、金属シャフト12の変位量の測定における第1のケース26の金属の影響を軽減することができる。
【0041】
第2のケース27は、変位量測定部23を格納するケースである。なお、第2のケース27に用いられる素材は、例えば樹脂である。変位量測定部23を第2のケース27に格納することにより、降雨等による変位量測定部23への浸水を防止することができる。
【0042】
以上のように、本発明の実施の形態4にかかる変位センサ400では、コイル22が巻かれた状態のコイルベース21を格納する第1のケース26を備える構成としている。これにより、変位センサ400では、金属シャフト12の変位量の測定における外部からのノイズの影響を防止することができる。
【0043】
また、変位センサ400では、変位量測定部23を格納する第2のケース27を備える構成としている。これにより、変位センサ400では、降雨等による変位量測定部23への浸水を防止することができる。
【0044】
実施の形態5
続いて、図8を用いて、本発明の実施の形態5にかかる変位センサ500の構成例について説明する。本発明の実施の形態5にかかる変位センサ500は、シャフトキャップ11と、金属シャフト12と、コイルベース21と、コイル22と、変位量測定部23と、第1のコネクタ28と、第2のコネクタ29と、送受信部30と、を備えている。なお、変位センサ500において、第1のコネクタ28、第2のコネクタ29、及び送受信部30以外の構成は、実施の形態1の変位センサ100の構成と同様であり説明を省略する。なお、変位センサ500は、蓋25をさらに備えるようにしてもよい。また、変位センサ500は、スライダ13をさらに備えるようにしてもよい。さらに、変位センサ500は、第1のケース26及び第2のケース27をさらに備えるようにしてもよい。
【0045】
第1のコネクタ28は、他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果を受信するためのコネクタである。
【0046】
第2のコネクタ29は、変位量測定部23における金属シャフト12の変位量の測定結果及び他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果の少なくとも一方を送信するためのコネクタである。
【0047】
送受信部30は、第1のコネクタ28を介した変位量の測定結果の受信及び第2のコネクタ29を介した変位量の測定結果の送信の少なくとも一方を行う送受信部である。
【0048】
具体的には、送受信部30は、変位量測定部23における金属シャフト12の変位量の測定結果を変位量測定部23から受け取る。また、送受信部30は、第1のコネクタ28を介して、他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果を受信した場合、変位量測定部23における金属シャフト12の変位量の測定結果と、他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果とを、第2のコネクタ29を介して送信する。また、送受信部30は、第1のコネクタ28を介して、他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果を受信しない場合、変位量測定部23における金属シャフト12の変位量の測定結果のみを第2のコネクタ29を介して送信する。
【0049】
続いて、図9のブロック図を用いて、実施の形態5にかかる変位測定装置1の構成例について説明する。変位測定装置1は、第1の変位センサ500Aと、第2の変位センサ500Bと、第3の変位センサ500Cと、子局700と、を備えている。また、第1の変位センサ500Aと、第2の変位センサ500Bと、第3の変位センサ500Cと、子局700とは、数珠つなぎに接続される。
【0050】
第1の変位センサ500A、第2の変位センサ500B、及び第3の変位センサ500Cは、被測定物600におけるそれぞれ異なる方向の変位量を測定する3つの変位センサである。なお、図9の例では、変位センサの数は3つであるが、変位センサの数は複数、すなわち2以上であればいくつでもよい。本例では、第1の変位センサ500Aが被測定物600のX方向の変位量を測定し、第2の変位センサ500Bが被測定物600のY方向の変位量を測定し、第3の変位センサ500Cが被測定物600のZ方向の変位量を測定する場合について説明する。
【0051】
また、第1の変位センサ500A、第2の変位センサ500B、及び第3の変位センサ500Cは、それぞれ図8を用いて説明した変位センサ500により構成される。なお、図9における28A、28B、28Cの符号で示すコネクタは、それぞれ第1の変位センサ500A、第2の変位センサ500B、第3の変位センサ500Cにおける第1のコネクタである。また、図9における29A、29B、29Cの符号で示すコネクタは、それぞれ第1の変位センサ500A、第2の変位センサ500B、第3の変位センサ500Cにおける第2のコネクタである。
【0052】
第1の変位センサ500Aは、自身が備える変位量測定部23Aにより被測定物600のX方向の変位量を測定する。また、変位量測定部23Aは、被測定物600のX方向の変位量の測定結果を送受信部30Aへ出力する。そして、送受信部30Aは、被測定物600のX方向の変位量の測定結果を、第2のコネクタ29Aを介して第2の変位センサ500Bへ送信する。
【0053】
第2の変位センサ500Bは、自身が備える変位量測定部23Bにより被測定物600のY方向の変位量を測定する。また、変位量測定部23Bは、被測定物600のY方向の変位量の測定結果を送受信部30Bへ出力する。また、送受信部30Bは、第1のコネクタ28Bを介して被測定物600のX方向の変位量の測定結果を受信する。そして、送受信部30Bは、被測定物600のX方向の変位量の測定結果及びY方向の変位量の測定結果を、第2のコネクタ29Bを介して第3の変位センサ500Cへ送信する。
【0054】
第3の変位センサ500Cは、自身が備える変位量測定部23Cにより被測定物600のZ方向の変位量を測定する。また、変位量測定部23Cは、被測定物600のZ方向の変位量の測定結果を送受信部30Cへ出力する。また、送受信部30Cは、第1のコネクタ28Cを介して被測定物600のX方向の変位量の測定結果及びY方向の変位量の測定結果を受信する。そして、送受信部30Cは、被測定物600のX方向の変位量の測定結果、Y方向の変位量の測定結果、及びZ方向の変位量の測定結果を、第2のコネクタ29Cを介して子局700へ送信する。
【0055】
子局700は、被測定物600のX方向の変位量の測定結果、Y方向の変位量の測定結果、及びZ方向の変位量の測定結果を受信する。
【0056】
以上のように、実施の形態5にかかる変位測定装置1では、第1の変位センサ500Aと、第2の変位センサ500Bと、第3の変位センサ500Cと、子局700とは、数珠つなぎに接続される構成としている。また、変位測定装置1では、第1の変位センサ500Aが被測定物600のX方向の変位量を測定し、第2の変位センサ500Bが被測定物600のY方向の変位量を測定し、第3の変位センサ500Cが被測定物600のZ方向の変位量を測定する構成としている。これにより、変位測定装置1では、子局700が、被測定物600のX方向の変位量の測定結果、Y方向の変位量の測定結果、及びZ方向の変位量の測定結果を受信することができる。
【0057】
続いて、図10のブロック図を用いて、実施の形態5にかかるネットワークセンサシステム10について説明する。ネットワークセンサシステム10は、変位測定装置1と、親局2と、ネットワーク3と、サーバ4と、を備えている。
【0058】
変位測定装置1は、被測定物600のX方向の変位量の測定結果、Y方向の変位量の測定結果、及びZ方向の変位量の測定結果を親局2へ送信する。
【0059】
親局2は、例えばエッジコンピュータである。親局2は、被測定物600のX方向の変位量の測定結果、Y方向の変位量の測定結果、及びZ方向の変位量の測定結果を、ネットワーク3を介してサーバ4へ送信する。なお、ネットワーク3は、例えば第3世代携帯電話のネットワークであるが、これに限らない。
【0060】
以上のように、実施の形態5にかかるネットワークセンサシステム10では、変位測定装置1が、被測定物600のX方向の変位量の測定結果、Y方向の変位量の測定結果、及びZ方向の変位量の測定結果を、親局2及びネットワーク3を介してサーバ4へ送信する構成としている。これにより、ネットワークセンサシステム10では、変位測定装置1が、被測定物600のX方向の変位量の測定結果、Y方向の変位量の測定結果、及びZ方向の変位量の測定結果を、サーバ4へ提供することができる。すなわち、橋梁等のインフラを被測定物600として用いる場合、遠隔でのインフラの状態を常時モニタリングすることができる。
【0061】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0062】
例えば、変位センサ100〜変位センサ500は、図11A及び図11Bに示すカバー40に格納されるようにしてもよい。カバー40に格納されることにより、変位センサ100〜変位センサ500の防塵効果及び防水効果を奏することができる。なお、カバー40は蛇腹構造であり、被測定物600の測定方向の変位に応じて、図11Aに示す状態と図11Bに示す状態との間で遷移することができる。
【0063】
また、変位センサをカバー40に格納する構成とする場合に、シャフトキャップ11及び金属シャフト12を、図12に示すシャフトキャップ11A及び金属シャフト12Aに代えるようにしてもよい。シャフトキャップ11Aは、ベント14と、第1の空気穴15と、を備えている。また、金属シャフト12Aは、中空であり、第2の空気穴16を備えている。
【0064】
ベント14は、空気を通すが水を通さないものである。図12の例では、第1の空気穴15は、ベント14との隣接位置に設けられている。また、第2の空気穴16は、金属シャフト12Aにおけるスライダ13との接続部分の近傍に設けられている。シャフトキャップ11A及び金属シャフト12Aでは、第2の空気穴16、金属シャフト12Aの中空部分、ベント14、及び第1の空気穴15からなる空気の通る経路を構成している。また、水はベント14により通さない構成としている。これにより、シャフトキャップ11A及び金属シャフト12Aを備えた変位センサでは、カバー40の蛇腹が収縮又は伸張した場合に、この経路によって空気を出入りさせることができる。また、シャフトキャップ11A及び金属シャフト12Aを備えた変位センサでは、この経路に水は通さないようにすることができる。
【0065】
また、変位センサをカバー40に格納する構成とする場合に、シャフトキャップ11又は第2のケース27が第1の空気穴を備える構成としてもよい。シャフトキャップ11又は第2のケース27が第1の空気穴を備える例を図13A図13Cに示す。なお、変位センサを設置する環境を想定して、第1の空気穴が地面方向(Z軸マイナス方向)となるように配置することが好ましい。
【0066】
図13Aの例では、シャフトキャップ11Bは、第1の空気穴15Bを備えた構成としている。また、第1の空気穴15Bは、地面方向となるように配置されている。また、金属シャフト12Aは、中空であり、第2の空気穴16を備えている。シャフトキャップ11B及び金属シャフト12Aでは、第2の空気穴16、金属シャフト12Aの中空部分、及び第1の空気穴15Bからなる空気の通る経路を構成している。また、第1の空気穴15Bは、地面方向となるように配置されているため、降雨による水が入りにくい。これにより、シャフトキャップ11A及び金属シャフト12Bを備えた変位センサでは、カバー40の蛇腹が収縮又は伸張した場合に、この経路によって空気を出入りさせることができる。また、シャフトキャップ11A及び金属シャフト12Bを備えた変位センサでは、この経路に水を通しにくくすることができる。なお、変位センサを設置する環境を想定して、第1の空気穴15Bの配置を図13Bに示す位置としてもよい。
【0067】
図13Cの例では、第2のケース27Bは、第1の空気穴31を備えた構成としている。また、第1の空気穴31は、地面方向となるように配置されている。また、金属シャフト12Aは、中空であり、第2の空気穴16を備えている。金属シャフト12A及び第2のケース27Bでは、第2の空気穴16、金属シャフト12Aの中空部分、コイルベース21の中空部分、及び第1の空気穴31からなる空気の通る経路を構成している。また、第1の空気穴31は、地面方向となるように配置されているため、降雨による水が入りにくい。これにより、金属シャフト12A及び第2のケース27Bを備えた変位センサでは、カバー40の蛇腹が収縮又は伸張した場合に、この経路によって空気を出入りさせることができる。また、金属シャフト12A及び第2のケース27Bを備えた変位センサでは、この経路に水を通しにくくすることができる。
【0068】
なお、第1の空気穴15B及び第1の空気穴31を両方備えるようにし、第1の空気穴15B及び第1の空気穴31にかぶせる蓋をさらに備える構成としてもよい。この場合、第1の空気穴15B及び第1の空気穴31のうちの使用しない一方の空気穴に蓋をすることにより、図13A図13Cの例と同様の効果を奏することができる。
【0069】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0070】
(付記1)
被測定物と接触する部分であるシャフトキャップと、
前記シャフトキャップに接続された金属シャフトと、
中空であり、前記金属シャフトが挿入されるコイルベースと、
前記コイルベースの外周面に巻かれたコイルと、
前記コイルに電流を流した状態で、前記金属シャフトが前記コイルベース内を動くことによる前記コイルのインダクタンス及び抵抗の変化を測定することにより、前記金属シャフトの変位量を測定する変位量測定部と、を備え、
前記コイルベースの外周面に螺旋状の補助溝が設けられ、
前記コイルは前記補助溝に巻かれる、
変位センサ。
【0071】
(付記2)
前記補助溝は、V字状に設けられる、付記1に記載の変位センサ。
【0072】
(付記3)
前記補助溝にかぶせる蓋をさらに備える、付記1又は2に記載の変位センサ。
【0073】
(付記4)
前記金属シャフトは中空である、付記1乃至3のいずれか一項に記載の変位センサ。
【0074】
(付記5)
前記金属シャフトに接続されるスライダをさらに備え、
前記スライダの素材は、摺動性がよい素材であり、
前記スライダの外周面は、前記コイルベースの内周面に密着している、
付記1乃至4のいずれか一項に記載の変位センサ。
【0075】
(付記6)
前記コイルが巻かれた状態の前記コイルベースを格納する第1のケースをさらに備え、
前記第1のケースは金属ケースである、
付記1乃至5のいずれか一項に記載の変位センサ。
【0076】
(付記7)
磁性体シートをさらに備え、
前記磁性体シートは、前記第1のケースと前記コイルベースとの間に配置される、
付記6に記載の変位センサ。
【0077】
(付記8)
前記変位量測定部を格納する第2のケースをさらに備える、付記1乃至7のいずれか一項に記載の変位センサ。
【0078】
(付記9)
カバーをさらに備え、
前記変位センサは前記カバーに格納される、
付記1に記載の変位センサ。
【0079】
(付記10)
前記カバーは蛇腹構造である、付記9に記載の変位センサ。
【0080】
(付記11)
前記シャフトキャップは、ベントと、第1の空気穴と、を備え、
前記金属シャフトは、中空であり、第2の空気穴を備える、
付記10に記載の変位センサ。
【0081】
(付記12)
前記変位量測定部を格納する第2のケースをさらに備え、
前記シャフトキャップ又は前記第2のケースは、第1の空気穴を備え、
前記金属シャフトは、中空であり、第2の空気穴を備える、
付記10に記載の変位センサ。
【0082】
(付記13)
前記変位量測定部を格納する第2のケースと、
第1の空気穴にかぶせる蓋と、をさらに備え、
前記シャフトキャップ及び前記第2のケースは、前記第1の空気穴を備え、
前記金属シャフトは、中空であり、第2の空気穴を備える、
付記10に記載の変位センサ。
【0083】
(付記14)
被測定物におけるそれぞれ異なる方向の変位量を測定する複数の変位センサと、
前記複数の変位センサにおける変位量の測定結果を受信する子局と、を備え、
前記複数の変位センサの各々は、
前記被測定物と接触する部分であるシャフトキャップと、
前記シャフトキャップに接続された金属シャフトと、
中空であり、前記金属シャフトが挿入されるコイルベースと、
前記コイルベースの外周面に巻かれたコイルと、
前記コイルに電流を流した状態で、前記金属シャフトが前記コイルベース内を動くことによる前記コイルのインダクタンス及び抵抗の変化を測定することにより、前記金属シャフトの変位量を測定する変位量測定部と、
他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果を受信するための第1のコネクタと、
前記変位量測定部における前記金属シャフトの変位量の測定結果及び前記他の変位センサにおける金属シャフトの変位量の測定結果の少なくとも一方を送信するための第2のコネクタと、
前記第1のコネクタを介した変位量の測定結果の受信及び前記第2のコネクタを介した変位量の測定結果の送信の少なくとも一方を行う送受信部と、を備え、
前記コイルベースの外周面に螺旋状の補助溝が設けられ、
前記コイルは前記補助溝に巻かれ、
前記複数の変位センサ及び前記子局は、数珠つなぎに接続される、
変位測定装置。
【0084】
(付記15)
前記複数の変位センサは、第1の変位センサ、第2の変位センサ、及び第3の変位センサであり、
前記第1の変位センサは、前記被測定物のX方向の変位量を測定し、
前記第2の変位センサは、前記被測定物のY方向の変位量を測定し、
前記第3の変位センサは、前記被測定物のZ方向の変位量を測定する、
付記14に記載の変位測定装置。
【符号の説明】
【0085】
1 変位測定装置
11、11A、11B シャフトキャップ
12、12A 金属シャフト
13 スライダ
14 ベント
15、15B、31 第1の空気穴
16 第2の空気穴
21 コイルベース
22 コイル
23 変位量測定部
24 補助溝
25 蓋
26 第1のケース
27、27B 第2のケース
28 第1のコネクタ
29 第2のコネクタ
30 送受信部
40 カバー
100、200、300、400、500 変位センサ
600 被測定物
700 子局
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C