【実施例1】
【0010】
まず、画像形成装置としてのプリンタに備えられるプリントヘッドを説明する。なお、プリンタの構成は後述する。
【0011】
図1は第1の実施例におけるプリントヘッドの説明図である。
図1(a)はプリントヘッドの斜視図、
図1(b)はプリントヘッドの平面図、
図1(c)はプリントヘッドの長手方向の中央部におけるレンズユニットとホルダの固着部の拡大図、
図1(d)はプリントヘッドの長手方向の中央部以外におけるレンズユニットとホルダの固着部の拡大図である。
【0012】
図2は第1の実施例におけるプリントヘッドの断面図であり、
図1におけるX−X矢視断面図である。
図3は第1の実施例におけるホルダの説明図であり、
図3(a)はホルダの平面図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるX−X矢視断面図である。
図4は第1の実施例におけるプリントヘッドの断面図であり、
図1におけるY−Y矢視断面図である。
【0013】
本実施例のプリントヘッド101を
図1から
図4を用いて説明する。
【0014】
図1、
図2および
図4に示すプリントヘッド101では、レンズユニット102とレンズユニットホルダ(以下、「ホルダ」という。)103との固着構造をわかりやすく説明するため、レンズユニット102とホルダ103との間にシリコーン封止材を省略した構造を示しているが、レンズユニット102とホルダ103との間に生じる空隙部からプリントヘッド101の内部への異物進入を防ぐため、シリコーン封止材をレンズユニット102とホルダ103との間に配設するようにしても良い。
【0015】
図1に示すように、プリントヘッド101は、レンズユニット102がホルダ103に対して接着剤105、107を用いて固着(保持)されて構成されている。
レンズユニット102は、レンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115を有している。
【0016】
図1(d)に示すプリントヘッド101の長手方向の中央部以外におけるレンズユニット102とホルダ103の固着部161は、
図2に示すように、レンズユニット102のレンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の各部材を半導体発光素子117の光軸102aの方向に積層し、その積層方向およびレンズユニット102の長手方向と直交する方向(レンズユニット102の短手方向)における両端部をクランプ部材104で挟持されて固定されている。
【0017】
ここで、挟持部材としてのクランプ部材104は、レンズユニット102の長手方向において複数配設され、積層されたすべての部材を短手方向の両端部で挟むものである。
レンズユニット102は、第1の充填部103aにおいてクランプ部材104とホルダ103との間に接着剤105が充填され、ホルダ103に対して固着されている。
【0018】
一方、
図1(c)に示すプリントヘッド101の長手方向の中央部におけるレンズユニット102とホルダ103の固着部162は、
図4に示すように、レンズユニット102のレンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の各部材を積層し、その積層方向およびレンズユニット102の長手方向と直交する方向における両端部に各部材間を相互に固着するための接着剤106が充填形成され、またはレンズユニット102のレンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の少なくともいずれかの部分に対して接着剤107が直接接触するようにして、第2の充填部103bにおいてレンズユニット102の固着部とホルダ103との間に接着剤107が充填形成される。
【0019】
なお、本実施例では、固着部162は、レンズユニット102のレンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の各部材を積層し、その積層方向およびレンズユニット102の長手方向と直交する方向における両端部に各部材間を相互に固着するための接着剤106が充填される例で説明する。
【0020】
このように、本実施例では、レンズユニット102の長手方向における一箇所(中央部)の固定部としての固着部(クランプ部材104が配置されていない固着部)162で積層されたすべての部材が接着剤で固着され、さらにレンズユニット102がホルダ103に固着される。
【0021】
なお、
図1に示すように、プリントヘッド101の長手方向における両端部の丸孔108aおよび長孔108bは、プリンタ側に設けられた突起部と嵌合してプリンタヘッド101の位置決めを行うための孔である。
【0022】
また、プリントヘッド101の長手方向における両端部近傍には当接部109a、109bが設けられている。この当接部109a、109bは、プリンタ側に形成された当接部と当接することにより、
図2に示すレンズ光軸102aの方向における感光ドラムの潜像面308aと、第1レンズアレイ112の上面極値点との距離Liが設計された光学距離となるように位置決めされる。
【0023】
なお、当接部109a、109bに、偏心カム機構を設けることにより、距離Liが光学設計距離となるように調整することができる機構を設けることもできる。
【0024】
レンズユニット102は、
図3に示すように、ホルダ103に対して、ホルダ103上面におけるスリット部110において、クランプ部材104を介して接着剤105を接着させて固着される。
【0025】
レンズユニット102のホルダ103に対する固着高さは、
図2に示すように、プリント配線基板116上の長手方向に列状に配列された半導体発光素子117の表面と、レンズユニット102における第2レンズアレイ114の下面極値点との距離Loが設計された光学距離となるように調整される。
【0026】
ここで、レンズユニット102を説明する。
【0027】
レンズユニット102は、感光ドラムの潜像面308a側から積層されるレンズカバー111と、第1レンズアレイ112と、隔壁遮光プレート113と、第2レンズアレイ114と、入射遮光プレート115とを有している。
レンズカバー111は、レンズユニット102を保護するものである。
【0028】
レンズ部材としての第1レンズアレイ112および第2レンズアレイ114は、レンズとしてのマイクロレンズが長手方向に列状に配列された板状のものである。第1レンズアレイ112および第2レンズアレイ114は、各マイクロレンズの光軸が合うように配置され、その組み合わせにより半導体発光素子117の像を感光ドラムの潜像面308aにおいて正立等倍像を形成するものである。
【0029】
遮光部材としての隔壁遮光プレート113は、第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114との間に配置され、各マイクロレンズの光軸に合わせて絞りとしての開口部が形成された板状のものである。隔壁遮光プレート113は、第2レンズアレイ114から第1レンズアレイ112の方向へ出射された光線における迷光成分を遮光し、かつ第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114との間のクリアランス(間隔)を確保するものである。
【0030】
入射遮光プレート115は、半導体発光素子117から第2レンズアレイ114へ入射される迷光成分を遮光するものである。
【0031】
レンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の各部材間は、クランプ部材104により挟持するようにして相互に固定されている。
【0032】
半導体発光素子117を実装したプリント配線基板116は、レンズユニット102における第2レンズアレイ114の下面極値点との距離Loが設計された光学距離となるように、
図3に示す基板当接部118とプリント配線基板116の表面とを当接させることで位置決めされる。
【0033】
プリント配線基板116は、
図2に示すベースクランプ部材119をホルダ103の側面に設けられたクランプ孔120に係合させることにより、ホルダ103側に設けた基板当接部118と挟持されて固定される。
【0034】
レンズユニット102の長手方向における中央部では、
図4に示すように、接着剤106およびレンズユニット102を構成するレンズカバー111から入射遮光プレート115までの各部材の少なくとも一部が、直接、接着剤107によりホルダ103に固定されている。
【0035】
このように、本実施例のレンズユニット102は、レンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の各板状の部材が積層されて構成されている。なお、本実施例では、第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114との間に、1枚の隔壁遮光プレート113を配置するようにしているが、2枚以上の遮光部材等の板状部材を配置するようにしても良い。
【0036】
次に、レンズユニット102の積層構成を
図5から
図13を用いて説明する。
【0037】
まず、
図5は第1の実施例におけるレンズユニットの斜視図である。
図5に示すレンズユニット102の長手方向における中央部では、接着剤106によってレンズユニット102の各構成部材が相互に固着され、レンズユニット102の長手方向における中央部以外の複数個所においてはクランプ部材104によってレンズユニット102の各構成部材が積層された状態で挟持されている。
【0038】
図6は第1の実施例におけるレンズユニットの積層構造の説明図、
図7は第1の実施例におけるレンズユニットの積層構造の拡大図(
図6におけるCC部の拡大図)であり、レンズユニット102の各構成部材を積層する前の状態を示している。
【0039】
図6および
図7において、レンズユニット102は、構成部材として上からレンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115を有している。
【0040】
第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114とは、同一型により射出成型されたものが望ましく、隔壁遮光プレート113の長手方向を回転軸として回転対称となるように相互に配置され、レンズピッチPの半周期(P/2)だけ長手方向にずらすことにより各レンズの光軸を合わせるようにしている。なお、第1レンズアレイ112および第2レンズアレイ114には、長手方向に複数のマイクロレンズが2列で千鳥状に配列されている。また、長手方向において同列のマイクロレンズの光軸(例えば、光軸102bと光軸102c)の間隔はレンズピッチPとして配列されている。
【0041】
このように第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114とを積層する理由は、射出成型により第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114を作製する際、型の成型精度および樹脂流動の方向を合わせることにより、第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114のレンズ光軸のずれを極力抑制することができるためである。
【0042】
このような第1レンズアレイ112と第2レンズアレイ114の積層構造により、
図6および
図7に示すレンズユニット102の積層構造においては、レンズカバー111、第1レンズアレイ112、および隔壁遮光プレート113と、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115とがレンズピッチPの半周期(P/2)だけ長手方向にずらして積層されている。
【0043】
図8は第1の実施例におけるレンズユニットの積層構造の拡大図であり、
図6におけるレンズユニット102の長手方向の中央部の領域AAを拡大した図である。
図9は第1の実施例におけるレンズユニットの積層状態の拡大図であり、
図8に示すレンズユニットの各部材を積層した状態を示す図である。
図10は第1の実施例におけるレンズユニットの固着構造の説明図である。
【0044】
図8および
図9において、
図6に示すレンズユニット102の長手方向の中央部近傍には、レンズカバー111の外周縁部と、第1レンズアレイ112および第2レンズアレイ114におけるレンズアレイが配置された領域の外周縁部とに設けたリブ、さらには隔壁遮光プレート113および入射遮光プレート115における絞りが配置されたアパーチャ領域の外周縁部に設けたリブにおいて、各部材の長手方向、短手方向および光軸高さ方向を規制して位置決めする係合部としての凸部121a、121c、121f、121hと、係合部としての凹部121b、121d、121e、121gとを形成する。
【0045】
この凸部121a、121c、121f、121hと、凹部121b、121d、121e、121gとは、
図9に示すように、それぞれ嵌合されると、各部材が相互に係合され、長手方向、短手方向および光軸高さ方向に、例えば最大公差が10μm程度となるように高精度に位置決めすることができる。
【0046】
また、レンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115のリブの側面には、各部材を積層した後、
図10に示す接着剤106によって各部材間を接着固定できるように、各部材の側面において積層方向に延び、接着剤106が装填される凹部122a、122b、122c、122d、122eが形成されている。
【0047】
第1レンズアレイ112に形成された凹部122b、および第2レンズアレイ114に形成された凹部122dは、第1レンズアレイ112および第2レンズアレイ114を同一型で射出成型するようにしているため、長手方向に相互にレンズピッチPの半周期(P/2)だけずらして積層した際、積層方向において凹部122を直線状に形成するため、他の凹部122a、122c、122eよりも長手方向にレンズピッチPの半周期(P/2)だけ広くなるように形成されている。
【0048】
図11は第1の実施例におけるレンズユニットの積層構造の拡大図であり、
図6におけるレンズユニット102の長手方向の中央部以外の領域BBを拡大した図である。
図12は第1の実施例におけるレンズユニットの積層状態の拡大図であり、
図11に示すレンズユニットの各部材を積層した状態を示す図である。
図13は第1の実施例におけるレンズユニットのクランプ構造の説明図である。
【0049】
図6に示すレンズユニット102の長手方向における中央部以外の複数の部位は、プリントヘッド101(
図1参照)の周囲の温度や湿度環境によって、レンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の各材料における線膨張係数に依存した伸縮が発生することを考慮し、本実施例では、各部材を接着剤により相互に固定するのではなく、各部材を係合部で相互に係合させ、各部材の長手方向と直交する短手方向およびレンズの光軸方向を規制するとともに、レンズユニット102の長手方向に自由に摺動できるようにしている。
【0050】
図11および
図12に示すように、各部材のリブ上に係合部としての摺動凸部123a、123c、123f、123hと、係合部としての摺動凹部123b、123d、123e、123gとを形成する。摺動凹部123b、123d、123e、123gは、摺動凸部123a、123c、123f、123hと対応するように形成され、摺動凸部123a、123c、123f、123hと、摺動凹部123b、123d、123e、123gとが嵌合した状態でレンズユニット102の長手方向にのみ自由に摺動できるようにするため、摺動凹部123b、123d、123e、123gのレンズユニット102の長手方向の寸法は、摺動凸部123a、123c、123f、123hのレンズユニット102の長手方向の寸法より摺動可能な距離だけ長くなるように形成されている。
【0051】
このように、本実施例では、レンズユニット102の長手方向に複数配置された摺動凸部123a、123c、123f、123hと、摺動凹部123b、123d、123e、123gとにより嵌合構造123を形成し、レンズの光軸が合うように、積層されたレンズユニット102の各部材を相互に係合させる。
【0052】
図13に示すように、クランプ部材104を、
図12に示す嵌合構造123を覆うように、レンズカバー111の外縁部に形成された凹部124aと、入射遮光プレート115の外縁部に形成された凹部124bとに嵌合させて取り付ける。クランプ部材104は、レンズユニットの長手方向において少なくとも1つの嵌合構造123(本実施例では、レンズユニットの長手方向に中央部を除くすべての嵌合構造123)に対応する位置に配置され、積層されたすべての部材を短手方向の両端部で挟むようにしている。
【0053】
クランプ部材104と接触する部位である凹部124a、124bは、クランプ部材104の抜けを防止するため、レンズユニット102の短手方向の中央に向かって窪み量が大きくなるようなテーパー状に形成されている。
【0054】
また、レンズユニット102の長手方向において、クランプ部材104の端部と、凹部124a、124bの端部との間には、クリアランスX、X´が設けられるように、クランプ部材104の両端部および凹部124a、124bの両端部が形成され、クランプ部材104がはめ込まれる。
【0055】
このように、クランプ部材104と凹部124a、124bを形成するのは、使用するプリントヘッド101(
図1参照)の周囲の温度や湿度環境によって、レンズユニット102が長手方向に伸縮した際、ホルダ103との線膨張係数差により生じた変位量を吸収するためであり、クランプ部材104と、レンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115の各部材との間で自由に摺動できるようにしている。
【0056】
なお、クリアランスX、X´は、
図2に示すレンズアレイ102を構成するレンズカバー111、隔壁遮光プレート113、および入射遮光プレート115と、ホルダ103との温度および吸水による線膨張係数を鑑みて決定される。
【0057】
次に、レンズユニットの変形例1を説明する。
【0058】
図14は第1の実施例の変形例1におけるレンズユニットの斜視図、
図15は第1の実施例の変形例1におけるレンズユニットのクランプ構造の説明図である。
図14および
図15において、変形例1のレンズユニット130は、レンズカバー131、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート135の各部材をクランプ部材104により挟持されて固定される。
【0059】
変形例1では、レンズカバー131の外縁部に形成された凹部133aおよび入射遮光プレート135の外縁部に形成された凹部133bの構成が上述した凹部124aおよび凹部124bと異なっている。
【0060】
クランプ部材104と接触する部位である凹部133aおよび凹部133bは、レンズユニット130の長手方向に延伸するように傾斜面(長手方向に沿って窪み量が大きくなる傾斜面)を有するテーパー部133c、133dが形成されている。このテーパー部133c、133dは、クランプ部材104をレンズユニット130に取り付ける際に、クランプ部材104を嵌め込むものである。
【0061】
図15(b)に示すように、まずクランプ部材104を凹部133aおよび凹部133bの窪み量が大きい部分に嵌め込み、
図15(c)に示すように、嵌め込んだクランプ部材104を長手方向の凹部133aおよび凹部133bの窪み量が小さい部分にスライドさせることでレンズカバー131、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート135の各部材を挟持して固定する。
【0062】
なお、変形例1においてもクランプ部材104の端部(レンズユニット130の長手方向における端部)と、凹部133aおよび凹部133bの端部(レンズユニット130の長手方向における端部)との間にはクリアランスXを設けるものとする。
【0063】
次に、レンズユニットの変形例2を説明する。
図16は第1の実施例の変形例2におけるプリントヘッドの説明図、
図17は第1の実施例の変形例2におけるプリントヘッドの断面図、
図18は第1の実施例の変形例2におけるレンズユニットの斜視図、
図19は第1の実施例の変形例2におけるレンズユニットの積層状態の拡大図、
図20は第1の実施例の変形例2におけるレンズユニットのクランプ状態の説明図である。
【0064】
図16(a)は変形例2のプリントヘッドの斜視図、
図16(b)は変形例2のプリントヘッドの平面図である。また、
図19(a)は
図18におけるレンズユニット172の長手方向の中央部以外の領域を拡大した図、
図19(b)は
図18におけるレンズユニット172の長手方向の中央部の領域を拡大した図である。さらに、
図20(a)は
図18におけるレンズユニット172の長手方向の中央部以外の断面図、
図20(b)は
図18におけるレンズユニット172の長手方向の中央部の断面図である。
【0065】
図16および
図17において、変形例2のレンズユニット172は、レンズユニット172の長手方向の中央部もレンズカバー181、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート185の各部材をクランプ部材104により挟持されて固定される。
【0066】
図18に示すように、レンズユニット172の長手方向の中央部でも中央部以外と同様にクランプ部材104でレンズユニット172の各部材が挟持されて固定される。
このように、変形例2では、レンズユニット172の長手方向における中央部の固定部(クランプ部材104が配置されている固定部)で積層されたすべての部材が固定される。
【0067】
レンズユニット172の長手方向の中央部において、レンズユニット172の各部材は、
図17に示すように、クランプ部材104により挟持されて相互に固定されている。レンズユニット172がホルダ103に固着される際は、レンズユニット172の長手方向の中央部においても、中央部以外と同様に、クランプ部材104を介して接着剤174を用いてレンズユニット172がホルダ103に固着される。
【0068】
また、
図19(b)に示すように、レンズユニット172の長手方向の中央部においても、
図19(a)に示す中央部以外と同様に、クランプ部材104と接触する部位である凹部184a、184bが形成されている。凹部184aは、レンズカバー181の外縁部に形成され、凹部184bは、入射遮光プレート185の外縁部に形成されている。
【0069】
クランプ部材104と接触する部位である凹部184a、184bは、クランプ部材104の抜けを防止するため、レンズユニット172の短手方向の中央に向かって、レンズユニット172の各部材の積層方向の窪み量が大きくなるようなテーパー状に形成されている。
【0070】
図20に示すように、凹部184aの窪み量Δh10は、レンズユニット172の長手方向の中央部以外の凹部124aの窪み量Δh11より小さくなるように形成され、凹部184bの窪み量Δh20は、レンズユニット172の長手方向の中央部以外の凹部124bの窪み量Δh21より小さくなるように形成されている。
【0071】
これは、レンズユニット172における各部材の支持点をレンズユニット172の長手方向の中央部のクランプ部材104で挟持される部分とするためである。
【0072】
上述したレンズカバー111、131は、アクリル樹脂を用いる。ただし、その他の部材と線膨張係数を合わせるため、ポリカーボネート等を用いることもできる。
【0073】
第1レンズアレイ112および第2レンズアレイ114は、シクロオレフィンポリマー樹脂(製品名:ZEONEX(登録商標)、日本ゼオン株式会社製)を用いる。また、アクリル樹脂、ポリカーボネートまたはエポキシ樹脂を用いることもできるが、本実施例のように長尺な構造体においては、寸法安定性の観点より、吸水率の小さなシクロオレフィンポリマー樹脂を用いることが望ましい。
【0074】
隔壁遮光プレート113および入射遮光プレート115は、ポリカーボネートを用いる。また、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂を用いることができるが、レンズカバー111、第1レンズアレイ112および第2レンズアレイ114との線膨張係数を極力合わせることが望ましいため、ポリカーボネートを用いることが望ましい。
【0075】
クランプ部材104は、バネ用ステンレス材料を用いる。
ホルダ103は、板金を用いる。ただし、LCP(液晶ポリマー)樹脂、アルミダイキャストとすることもできる。
【0076】
プリント配線基板116は、ガラスクロスエポキシ樹脂基板をコア材として、銅箔をパターニングしたものである。
半導体発光素子117は、GaAs(ガリウムヒ素)を主材料とした発光ダイオード素子が、例えば600dpi(dots per inch)または1200dpiの略直線状に配列されたものであり、駆動回路を一体成型した素子とすることもできる。
【0077】
ベースクランプ部材119は、ポリカーボネートを用いる。ただし、ナイロン等を用いることもできる。
【0078】
接着剤105、106、107は、アクリル樹脂を主成分としたUV(UltraViolet)硬化性樹脂である。
次に、画像読取装置としてのイメージスキャナに備えられるコンタクトイメージセンサヘッド(以下、「イメージセンサヘッド」という。)を説明する。なお、イメージスキャナの構成は後述する。
【0079】
図21は第1の実施例におけるイメージセンサヘッドの説明図である。
図21(a)はイメージセンサヘッドの斜視図、
図21(b)はイメージセンサヘッドの平面図である。
図22は第1の実施例におけるイメージセンサヘッドの断面図であり、
図21におけるX−X矢視断面図である。
【0080】
図23は第1の実施例におけるイメージセンサヘッドの断面図であり、
図1におけるY−Y矢視断面図である。
【0081】
本実施例のイメージセンサヘッド140を
図21から
図23を用いて説明する。
図22に示すように、イメージセンサヘッド140は、レンズユニット141の長手方向の中央部以外におけるホルダ150との固定部において、レンズユニット141のクランプ部材147とホルダ150との間に、接着剤151を充填することによりレンズユニット141がホルダ150に対して固着されている。
【0082】
クランプ部材147は、
図2に示すプリントヘッド101に用いるレンズユニット102と同様に、レンズカバー142、第1レンズアレイ143、隔壁遮光プレート144、第2レンズアレイ145、および入射遮光プレート146を挟持するものである。
【0083】
レンズユニット141のホルダ150に対する固着位置は、プリント配線基板148上に列状に配設されている半導体受光素子149の表面と、レンズユニット141における第2レンズアレイ145の下面極値点との距離Loが光学設計距離となるように、ホルダ150におけるレンズユニット141の受け部152と、レンズユニット141の入射遮光プレート146のリブ下面とが当接することで決定される。
【0084】
また、半導体受光素子149を実装したプリント配線基板148は、ホルダ150に設けられた基板当接部153と当接することで位置決めされる。
プリント配線基板148をホルダ150に固着させる方法は、接着剤を用いて固着させるか、
図2に示すプリントヘッド101のようにベースクランプ部材を用いてホルダ150とベースクランプ部材との間にプリント配線基板148を挟持する。
【0085】
また、イメージセンサヘッド140の短手方向における端部に設けられた光源から読取り原稿面409aへ照射する光を伝搬するための導光体154をレンズユニット141の短手方向の脇に設置するようにホルダ150に固定する。なお、導光体154の光照射面以外からの光漏れを防ぐため、遮光カバー155が設けられている。
【0086】
さらに、レンズユニット141の第1レンズアレイ143の上面極値点と読みとり原稿面409aとの距離Liが光学設計距離となるように、イメージセンサヘッド140の取り付け位置が調整される。
【0087】
図23に示すように、イメージセンサヘッド140のレンズユニット141は、長手方向の中央部におけるホルダ150との固定部において、レンズユニット141を構成するレンズカバー142、第1レンズアレイ143、隔壁遮光プレート144、第2レンズアレイ145、および入射遮光プレート146を相互に接着する接着剤156、および接着剤157でホルダ150に対して固定され、またはレンズカバー142、第1レンズアレイ143、隔壁遮光プレート144、第2レンズアレイ145、および入射遮光プレート146の少なくともいずれかを接着剤157で直接接着することでホルダ150に対して固定されている。
【0088】
レンズユニット141を構成するレンズカバー142、第1レンズアレイ143、隔壁遮光プレート144、第2レンズアレイ145、および入射遮光プレート146の各部材は、上述したプリンタヘッドに用いるレンズユニット102のレンズカバー111、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115(
図2参照)と同様である。
【0089】
また、ホルダ150は、ポリカーボネート樹脂である。ただし、ABS樹脂、LCP樹脂とすることもできる。
【0090】
接着剤151、156、157は、アクリル樹脂を主成分とするUV硬化性樹脂である。
プリント配線基板148は、ガラスクロスエポキシ樹脂基板をコア材として、銅箔をパターニングしたものである。
【0091】
半導体受光素子149は、Si基板上に作製したCOMSセンサ、またはCCDセンサが、例えば600dpi、1200dpiまたは2400dpiの略直線状に配列されたものである。
【0092】
導光体154は、アクリル樹脂を用いる。また、導光体154の遮光カバー155は、汎用性の高い成形樹脂とすることができる。
【0093】
上述した構成の作用について説明する。
図1に示すプリンタヘッド101に用いる
図2から
図13に示すレンズユニット102および
図14、
図15に示すレンズユニット130、並びに
図21に示すイメージセンサヘッド140に用いる
図22、
図23に示すレンズユニット141の作用を
図1から
図23を参照しながら説明する。
【0094】
レンズユニット102、130、141は、レンズカバー111、131、142、第1レンズアレイ112、143、隔壁遮光プレート113、144、第2レンズアレイ114、145、および入射遮光プレート115、135、146等の樹脂板の各部材を積層した構成であるため、各部材の熱または吸水による線膨張係数が異なった場合、それぞれの線膨張係数に伴った各部材の伸縮が生じる。
【0095】
その際、各部材の長手方向の複数個所にわたって接着剤を用いて各部材を相互に接着した場合、各部材の線膨張係数に応じた各々の伸縮により、レンズユニット102、130、141全体としてレンズ光軸方向の反りが生じてしまう。
【0096】
一方、本実施例のレンズユニット102、130、141は、各部材の相互接着固定部は長手方向の中央部において接着剤106、156を用いた一か所のみであり、長手方向の中央部以外の固定部はクランプ部材104、147により相互に光軸方向における上下方向から挟持されることで積層されている。
【0097】
このように、長手方向の中央部以外の固定部では、各部材が相互に接着されていないため、各部材は長手方向に事由に摺動することができる。
【0098】
本実施例では、各部材が摺動する際、各部材に設けた摺動凸部123a、123c、123f、123hと摺動凹部123b、123d、123e、123gにより短手方向、およびレンズ光軸方向に対しては相互に規制し合っているため、光学設計のずれは長手方向にのみ制限される。
【0099】
また、レンズユニット102、130、141の長手方向における中央部の一か所は、各部材の相互間を接着剤106、156で固着されているため、各部材の伸縮による作用点を長手方向において一致させることができる。
【0100】
上述したレンズユニット102、130を用いたプリンタヘッド101は、レンズユニット102、130とホルダ103とは、レンズユニット102、130の長手方向における中央部以外は、クランプ部材104を介して接着剤105によってホルダ103に固着されている。
【0101】
そのため、レンズユニット102、130の線膨張係数と、ホルダ103の線膨張係数とに差がある場合においても、その伸縮量の差を、クランプ部材104内でレンズユニット102、130を長手方向において摺動させることにより、吸収することができる。
【0102】
また、レンズユニット102、130の長手方向における中央部は、レンズユニット102、130の接着剤106、およびレンズカバー111、131、第1レンズアレイ112、隔壁遮光プレート113、第2レンズアレイ114、および入射遮光プレート115、135の少なくとも一部に直接、接着剤107を用いてホルダ103に対して固着させている。
【0103】
そのため、レンズユニット102、130の長手方向に伸縮が生じた場合においても、常に伸縮の作用点をプリントヘッド101の発光領域の長手方向における中央部とすることができる。
【0104】
また、レンズユニット102の変形例1としたレンズユニット130においては、レンズユニット102と比較し、クランプ部材104を取り付ける際、クランプ部材104との接触によるレンズカバー131および入射遮光プレート135の長手方向に延びる縁部の損傷、およびその損傷によるごみの発生を防ぐことができる。
【0105】
さらに、レンズユニット102の変形例2としたレンズユニット172においては、レンズユニット172の長手方向における中央部も、中央部以外と同様にクランプ部材104を用いて各部材を相互に固定しているため、クランプ部材104を取り外すことにより、レンズユニット172の分解、再組み立てを容易に行うことができる。
【0106】
また、変形例2では、レンズユニット172の長手方向の中央部におけるレンズカバー181および入射遮光プレート185に形成された凹部184a、184bの窪み量を中央部以外の凹部124a、124bの窪み量より小さく(浅く)形成されているため、レンズユニット172の長手方向の中央部におけるクランプ部材104によるクランプ力を中央部以外のクランプ力より高くすることができ、レンズユニット172の長手方向の中央部をレンズユニット172の支持点とすることができる。
【0107】
図22、
図23に示すレンズユニット141を用いた
図21に示すイメージセンサヘッド140においても、上述したプリントヘッド101と同様に、レンズユニット141とホルダ150は、レンズユニット141の長手方向における中央部以外はクランプ部材147を介して接着剤151によってホルダ150に固着されている。
【0108】
そのため、レンズユニット141の線膨張係数と、ホルダ150の線膨張係数とに差がある場合においても、その伸縮量の差を、クランプ部材147内でレンズユニット141を長手方向において摺動させることにより、吸収することができる。
【0109】
また、レンズユニット141の長手方向における中央部は、レンズユニット141の接着剤156、およびレンズカバー142、第1レンズアレイ143、隔壁遮光プレート144、第2レンズアレイ145、および入射遮光プレート146の少なくとも一部に直接、接着剤157を用いてホルダ150に対して固着させている。
【0110】
そのため、レンズユニット141の長手方向に伸縮が生じた場合においても、常に伸縮の作用点をイメージセンサヘッド140の読取領域の長手方向における中央部とすることができる。
【0111】
このように、本実施例では、周囲温度および湿度変動によるレンズユニットの構成部材間に伸縮差が生じた場合においても、レンズユニットのレンズ光軸方向の反りを抑制した上で、レンズ光軸方向およびレンズ配列方向と直交する方向のレンズユニットの設計位置を維持することができる。
【0112】
また、レンズユニットをホルダに固定する際、レンズユニットのクランプ部材とホルダ間に接着剤を充填するようにしたため、レンズユニットの伸縮が発生した際にはレンズユニットをクランプ部材内で摺動させることができる。そのため、レンズユニットとホルダとの間の破断、およびレンズ光軸方向へのレンズユニットの反りを抑制することができる。
【0113】
したがって、周囲温度および湿度変動があった場合でも、印刷品質または読取り精度を落とすことなく、レンズユニットを使用することができる。
【0114】
ここで、
図1に示すプリントヘッド101を画像形成装置としてのプリンタに適用した例を説明する。
【0115】
図24は第1の実施例におけるプリンタの構成を示す概略側断面図である。
図24において、画像形成装置としてのプリンタ301は、
図1に示すプリンタヘッド101を搭載したLED(Light Emitting Diode)プリンタである。
【0116】
プリンタ301は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色の画像を、電子写真方式を用いて形成する4つのプロセスユニット302、303、304、305を有している。
【0117】
プロセスユニット302、303、304、305は、記録媒体306の搬送経路307に沿ってプロセスユニット302(Y)、プロセスユニット303(M)、プロセスユニット304(C)、プロセスユニット305(K)の順に配置されている。
【0118】
各プロセスユニット302、303、304、305は、像担持体としての感光体ドラム308と、感光体ドラム308の周囲に配置され、感光体ドラム308の表面を帯電させる帯電装置309と、帯電された感光体ドラム308の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置310とを有している。この露光装置310は、
図1に示すプリンタヘッド101を光源として用いている。
【0119】
また、各プロセスユニット302、303、304、305は、静電潜像が形成された感光体ドラム308の表面に現像剤としてのトナーを搬送してトナー像を形成する現像装置311と、感光体ドラム308の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置312とを有している。
【0120】
なお、感光体ドラム308は、モータ等の駆動源およびギヤ等の駆動機構により図中矢印が示す方向に回転する。
【0121】
また、プリンタ301は、紙等の記録媒体306を収容する用紙カセット313と、用紙カセット313に収容された記録媒体306を1枚ずつ分離して搬送するホッピングローラ314とを有している。
【0122】
ホッピングローラ314の記録媒体306搬送方向における下流には、ピンチローラ315、316と、記録媒体306を挟み付け、ピンチローラ315、316とともに記録媒体306の斜行を矯正してプロセスユニット302、303、304、305に搬送するレジストローラ317、318とが配置されている。なお、ホッピングローラ314およびレジストローラ317、318は、モータ等の駆動源に接続され、連動して回転する。
【0123】
プリンタ301は、感光体ドラム308に対向配置された転写ローラ319を有している。転写ローラ319は、半導電性のゴム等により構成され、感光体ドラム308上のトナー像を記録媒体306上に転写させるように、感光体ドラム308の電位と、転写ローラ319の電位とが設定される。
【0124】
また、プリンタ301は、記録媒体306に転写されたトナー像を熱と圧力で定着させる定着装置324と、トナー像が定着された記録媒体306を装置外のスタッカ325へ排出する排出ローラ320、321、322、323とを有している。
【0125】
用紙カセット313に積載された記録媒体306は、ホッピングローラ314により1枚ずつ分離されて搬送される。記録媒体306は、レジストローラ317、318およびピンチローラ315、316を通過してプロセスユニット302、303、304、305の順に通過する。各プロセスユニット302、303、304、305において、記録媒体306は感光体ドラム308と転写ローラ319との間を通過して各色のトナー像が順に転写され、定着装置324によって加熱および加圧されて各色のトナー像が記録媒体306に定着される。その後、記録媒体306は、排出ローラ320、321、322、323によってスタッカ325に排出される。
【0126】
次に、
図21に示すイメージセンサヘッド140を画像読取装置としてのイメージスキャナに適用した例を説明する。
【0127】
図25は第1の実施例におけるイメージスキャナの構成を示す斜視図である。
図25において、イメージスキャナ401は、筐体402と、筐体402の上面に設けられ、読み取る原稿を載置する原稿台409と、原稿を原稿台409との間で挟むための蓋410とを有している。
【0128】
筐体402の内部には、
図21に示すイメージセンサヘッド140を有するコンタクトイメージセンサヘッド403が配設されている。コンタクトイメージセンサヘッド403は、筐体402に固定された2本のガイド404に支持されて取り付けられている。
【0129】
このコンタクトイメージセンサヘッド403をガイド404に沿って副走査方向に摺動させるため、コンタクトイメージセンサヘッド403はステッピングモータ405に連結された駆動ベルト406に連結されている。
【0130】
また、コンタクトイメージセンサヘッド403には、コンタクトイメージセンサヘッド403を制御する制御回路408がフレキシブルフラットケーブル407を介して接続されている。
【0131】
以上説明したように、第1の実施例では、レンズユニットの長手方向における中央部以外においてレンズユニットとホルダとをクランプ部材を介して接着剤によってホルダに固着するようにしたことにより、周囲の温度または湿度環境により生じるレンズユニットの構成部材間における線膨張係数差に依存した伸縮変位の影響によるレンズユニットのレンズ光軸方向の反りを抑制し、解像度の低下を抑制することができるという効果が得られる。
【0132】
また、レンズユニットの長手方向における中央部においてレンズユニットの少なくとも一部を接着剤によってホルダに固着するようにしたことにより、レンズユニットの構成部材間における線膨張係数差に依存した長手方向の伸縮変位量もレンズユニットの長手方向における中央部を作用点とさせることができるという効果が得られる。
【0133】
さらに、本実施例のレンズユニットをプリントヘッドまたはイメージセンサヘッドに搭載した際も、レンズユニットとホルダとの間に生じる線膨張係数に依存した伸縮変位の影響を、レンズユニット構成部材をクランプ部材内で摺動させることで吸収し、その結果、レンズユニットのレンズ光軸方向の反りを抑制することができ、安定した光学性能を確保することができるとともに、ホルダからレンズユニットがせん断剥離することも抑制することができるという効果が得られる。
【0134】
したがって、本実施例のレンズユニットを有するプリントヘッドを画像形成装置に用いることにより、周囲環境の変動に影響されることなく安定した印刷品質を確保することができる。
【0135】
また、本実施例のレンズユニットを有するイメージセンサヘッドを画像読取装置に用いることにより、周囲環境の変動に影響されることなく安定した読取品質を確保することができる。