(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スピットン鉢、バキュームハンドピースと接続されている吸引管路および前記スピットン鉢と接続されている排水管路の一部を内部に収容するマニホールドモジュールと、前記吸引管路および前記排水管路の他の一部を含む排水処理モジュールとを備えるスピットンユニットにおいて、前記排水処理モジュールに交換する方法であって、
前記排水処理モジュールは第1モジュールと第2モジュールとを含み、
前記第1モジュールおよび前記第2モジュールの各々は、第1方向に開口する第1管路口を有し、
前記マニホールドモジュールは前記第1モジュールと対向する仕切部材を含み、
前記仕切部材は前記第1方向と向かい合う第2方向に開口する第2管路口を有し、
前記第1管路口は、前記吸引管路に設けられている第1接手と、前記吸引管路において前記第1接手よりも下流に設けられている第2接手と、前記排水管路に設けられている第3接手とを有し、
前記第2管路口は、前記吸引管路に設けられている第5接手と、前記吸引管路において前記第5接手よりも下流に設けられている第6接手と、前記排水管路に設けられている第7接手とを有し、
前記第1接手と前記第5接手と、前記第2接手と前記第6接手と、前記第3接手と前記第7接手とが着脱可能に設けられており、
前記マニホールドモジュールの前記第2管路口の前記第5接手、前記第6接手、および前記第7接手から、前記第1モジュールの前記第1管路口の前記第1接手、前記第2接手、および前記第3接手を取り外す工程と、
前記マニホールドモジュールの前記第2管路口の前記第5接手、前記第6接手、および前記第7接手に、前記第2モジュールの前記第1管路口の前記第1接手、前記第2接手、および前記第3接手を接続する工程とを備える、排水処理モジュールの交換方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0018】
[医療用診察装置の基本構成]
図1および
図2を参照して、医療用診察装置100の基本構成を説明する。医療用診察装置100は、診療用椅子1と、スピットンユニット2と、診療器具4とを主に備える。
【0019】
診療用椅子1は、医師から診療を受ける際に患者が座る椅子である。診療用椅子1は、患者の頭を支えるヘッドレスト1aと、患者の背中を支える背もたれ1bと、患者の尾尻を支える座面シート1cと、患者の足を支える足置き台1dとを含む。
【0020】
スピットンユニット2は、診療用椅子1の側部に備え付けられており、排水口が形成されたスピットン鉢2aと、コップが載置されるコップ台2bと、コップに給水するための給水栓2cとを含む。スピットンユニット2は、給水栓2cからコップに給水された水を用いて患者がうがいをするための台である。
【0021】
診療器具4は、たとえば、バキュームシリンジ4aとサラエバエジェクター(排唾管)4bとを含む。診療器具4は、例えば他の診療器具4c〜4eを含んでいてもよく、エアータ−ビンハンドピース、マイクロモータハンドピースなどのハンドピース、あるいは、スケーラ、スリーウェイシリンジなど、診療に用いるインスツルメントの内から任意に選択され得る。バキュームシリンジ4a、サラエバエジェクター4b、あるいは他の診療器具は、
図1に示されるように、トレーテーブル3に配設されていてもよいし、診療用椅子1の背もたれ1bに配設されていてもよいし、スピットンユニット2に配設されていてもよい。
【0022】
図2に示されるように、スピットンユニット2は、例えば吸引管路SLと排水管路DLとを有している。吸引管路SLは、一端がバキュームシリンジ4aおよびサラエバエジェクター4bに接続されており他端が医療用診察装置100の外部に設けられている外部吸引管路(図示しない)に接続されている。外部吸引管路には、例えば吸引装置(バキュームモータ)が設けられている。排水管路DLは、一端がスピットン鉢2aの排水口に接続されている。排水管路DLは、例えば他端が医療用診察装置100の外部に設けられている外部排水管路(図示しない)に接続されているか、あるいは吸引管路SLに接続されている。外部排水管には、例えば排水タンクが設けられている。
【0023】
スピットンユニット2は、少なくとも、吸引管路SLおよび排水管路DLの各々の一部を内部に収容するマニホールドモジュール21と、吸引管路SLおよび排水管路DLの各々の他の一部を有する排水処理モジュール22A,22B,22C,22Dのいずれか1つとを含む。
【0024】
本願において、マニホールドモジュール(manifold module)とは、複数の流体管路を備え、且つ、それら管路の出入り口を、その相対位置関係を固定して配設した構造体を意味する。一般的に、マニホールドという語は、一つの入り口に対して複数の出口、あるいは逆に、複数の入り口に対して一つの出口を意味することがある。しかし、本願においては、そのような入り口と出口の数の関係に限らず、マニホールドモジュールという語句を一種の造語として用いる。
【0025】
マニホールドモジュール21と排水処理モジュール22A〜22Dとは、着脱可能に設けられている。マニホールドモジュール21と排水処理モジュール22A〜22Dとの着脱は、各モジュールに設けられている複数の接手同士が着脱されることにより実現される。
【0026】
排水処理モジュール22A〜22Dは、第1接手211、第2接手212、および第3接手213を有している。マニホールドモジュール21は、第5接手201、第6接手202、および第7接手203を有している。第1接手211と第5接手201、第2接手212と第6接手202、および第3接手213と第7接手203が着脱可能に設けられている。
【0027】
マニホールドモジュール21は、排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかと接続されている状態において当該排水処理モジュール22A〜22Dと対向する仕切部材21Aを含む。仕切部材21Aは、第5接手201、第6接手202、および第7接手203を有している。仕切部材21Aは例えば平板状に設けられている。第5接手201、第6接手202、および第7接手203の各々は、一方向(第2方向)に開口している第2開口部として構成されている。第2方向は、例えば仕切部材21Aの表面と交差する方向(該表面との成す角度が0度超え180度未満である方向)であり、例えば該表面に垂直な方向(略90度の方向)である。
【0028】
排水処理モジュール22A〜22Dの各々の第1接手211、第2接手212、および第3接手213は、一方向(第1方向)に開口している第1開口部として構成されている。第1方向と第2方向とは、互いに向かい合う方向である。排水処理モジュール22A〜22Dの各第1接手211は同一の構成を有している。同様に、排水処理モジュール22A〜22Dの各第2接手212は同一の構成を有しており、排水処理モジュール22A〜22Dの各第3接手213は同一の構成を有している。さらに、排水処理モジュール22Aにおける第1接手211、第2接手212、および第3接手213の相対的な位置関係は、排水処理モジュール22Bにおける第1接手211、第2接手212、および第3接手213の相対的な位置関係、排水処理モジュール22Cにおける第1接手211、第2接手212、および第3接手213の相対的な位置関係、ならびに排水処理モジュール22Dにおける第1接手211、第2接手212、および第3接手213の相対的な位置関係と等しくなるよう構成されている。好ましくは、排水処理モジュール22A〜22Dの各々の第1接手211、第2接手212、および第3接手213と、マニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、および第7接手203とは、互いに容易に着脱可能に設けられている。このような構成により、排水処理モジュール22A〜22Dはいずれも、マニホールドモジュール21に対して着脱可能である。
【0029】
排水処理モジュール22A〜22Dの各々は、その内部に配設された管路の構成が異なっている。例えば、排水処理モジュール22Aはセパレート方式の管路構成を有しており、排水処理モジュール22B〜22Dがセントラル方式の管路構成を有している。排水処理モジュール22A〜22Dの各々は、スピットンユニット2によって実現されるべき排水管路DLおよび吸引管路SLの複数の構成のうち、共通化され得ない部材を有している。マニホールドモジュール21は、スピットンユニット2によって実現されるべき排水管路DLおよび吸引管路SLの複数の構成のうち、共通化され得る部材を有している。排水管路ユニット23は、スピットンユニット2によって実現されるべき排水管路DLの複数の構成のうち、共通化され得る部材を有している。異なる観点から言えば、スピットンユニット2は、マニホールドモジュール21および排水管路ユニット23に排水処理モジュール22A〜22Dのいずれを取り付けるかによって、その内部の排水管路DLおよび吸引管路SLの構成が変更可能に設けられている。マニホールドモジュール21は、例えば、吸引管路SLにおいて排水処理モジュール22A〜22Dが有する部分よりも上流側および下流側に位置する部分と、排水管路DLにおいて排水処理モジュール22A〜22Dが有する部分よりも上流側に位置する部分とを有している。
【0030】
以上のように、医療用診察装置100は、スピットンユニット2が吸引管路SLおよび排水管路DLの一部を内部に収容するマニホールドモジュール21と、吸引管路SLおよび排水管路DLの他の一部を有する排水処理モジュール22Aを含む。排水処理モジュール22Aは、吸引管路SLまたは排水管路DLに設けられた第1方向に開口する第1接手211、第2接手212、および第3接手213を有する。マニホールドモジュール21は、排水処理モジュール22Aと対向する仕切部材21Aを含む。仕切部材21Aは、第1方向と向かい合う第2方向に開口する第5接手201、第6接手202、および第7接手203を有する。マニホールドモジュール21と排水処理モジュール22Aとは着脱可能である。第1接手211と第5接手201、第2接手212と第6接手202、および第3接手213と第7接手203が着脱可能に設けられている。
【0031】
そのため、医療用診察装置100は、管路構成を変更する際に着脱すべき箇所のうち少なくとも第1接手211と第5接手201、第2接手212と第6接手202、および第3接手213と第7接手203との各接続箇所が仕切部材21A上に設けられているため、管路構成を変更する際に着脱すべき箇所が管路毎に異なる場所に設けられていた従来の医療用診察装置と比べて、マニホールドモジュール21と排水処理モジュール22Aとが容易に着脱され得る。そのため、医療用診察装置100によれば、従来の医療用診察装置と比べて、排水処理モジュール22Aと、排水処理モジュール22Aと異なる管路構成を有する他の排水処理モジュールとを、容易に交換することができ、管路の構成を容易に変更可能である。
【0032】
さらに、排水処理モジュール22Aと異なる管路構成を有する他の排水処理モジュール22B〜22Dも、排水処理モジュール22Aと同様に、第1方向に開口する第1接手211、第2接手212、および第3接手213を有していれば、排水処理モジュール22A〜22Dはより容易に交換され得る。そのため、医療用診察装置100は、管路の構成をより容易に変更可能である。
[スピットンユニットの構成例]
次に、
図2〜
図18を参照して、スピットンユニット2の具体的な構成例を説明する。
【0033】
スピットンユニット2は、上方にスピットン鉢2aと、コップが載置されるコップ台2bと、コップに給水するための給水栓2cとが設けられている。
図3および
図4に示されるように、スピットンユニット2は、スピットン鉢2aよりも下方に、扉2dおよびカバー2eにより覆われている空間(以下、単に内部空間という)を有しており、当該内部空間内に吸引管路SLおよび排水管路DLを有している。すなわち、スピットンユニット2は、当該内部空間内にマニホールドモジュール21と、マニホールドモジュール21と接続されている排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかとを有している。
【0034】
図6および
図7に示されるように、マニホールドモジュール21は、上記内部空間のうち、排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかよりも扉2dから離れた位置に配置されている。仕切部材21Aは、上記内部空間のうち、扉2dが開かれた状態において外部からアクセス可能な空間と、アクセスが制限された空間とを仕切っている。仕切部材21Aは、当該アクセス可能な空間側に第5接手201、第6接手202、および第7接手203を有している。仕切部材21Aによりアクセスが制限された空間は、マニホールドモジュール21内の空間であり、例えばケース21Bに囲まれた空間である。仕切部材21Aは、例えばケース21Bの一部として構成されている。
【0035】
図2に示されるように、マニホールドモジュール21は、ケース21Bに囲まれた空間内に、吸引管路SLおよび排水管路DLの一部として、スイッチングバルブ24、および管路101,102,103,104,105を有している。スイッチングバルブ24および管路101,102,103,104は、吸引管路SLの一部を構成している。管路105は、排水管路DLの一部を構成している。
【0036】
スイッチングバルブ24は、第1口、第2口および第3口を有する。スイッチングバルブ24は、第1口と第3口とが接続されている状態と、第2口と第3口とが接続されている状態とを切替可能に設けられている。
【0037】
管路101は、一端がバキュームシリンジ4aに接続されており、他端がスイッチングバルブ24の第1口に接続されている。管路102は、一端がサラエバエジェクター4bと接続されており、他端がスイッチングバルブ24の第2口と接続されている。管路103は、一端がスイッチングバルブ24の第3口と接続されており、他端が第5接手201と接続されている。管路104は、一端が第6接手202と接続されており、他端が医療用診察装置100の外部に設けられている外部吸引管路と接続されている。管路105は、一端がスピットン鉢2aの排水口に接続されており、他端が第7接手203に接続されている。
【0038】
スピットンユニット2は、排水処理モジュール22A〜22Dの各管路を構成する部材に対し電力を供給するための電源線(図示しない)および各部材と例えば制御装置との間で信号を送受信するための信号線(図示しない)をさらに有している。マニホールドモジュール21は、上記電源線および上記信号線の各々の一部を内部に収容している。排水処理モジュール22A〜22Dは、上記電源線および上記信号線の各々の他の一部を内部に収容している。マニホールドモジュール21は、例えば上記電源線および上記信号線と接続されている第1コネクタ(図示しない)および第2コネクタ(図示しない)とを有している。第1コネクタおよび第2コネクタは、複数の端子を有している。第1コネクタの各端子は、例えば後述する排水処理モジュール22A〜22Cのシャットオフバルブ26,28,30に対して電力を供給するための第1電源線(図示しない)、排水処理モジュール22Aの気液分離部25内に設けられた水位センサと接続された第1信号線(図示しない)、排水処理モジュール22Dのアマルガム分離部32内に設けられたアマルガム量検出センサと接続された第2信号線(図示しない)と接続されている。第2コネクタの各端子は、例えば後述する排水処理モジュール22Dのアマルガム分離部32に対して電力を供給するための第2電源線(図示しない)と接続されている。
【0039】
スピットンユニット2は、排水管路DLのさらに他の一部を有する排水管路ユニット23をさらに含んでいる。排水管路ユニット23は、例えば、排水管路DLにおいて排水処理モジュール22A,22B,22Dが有する部分よりも下流側に位置する部分を有している。排水管路ユニット23は、一方向(第4方向)に開口する第4開口部としての第8接手204を有している。第4接手214と第8接手204とは、着脱可能に設けられている。
【0040】
排水管路ユニット23は、上記内部空間のうち、排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかよりも下方に、第8接手204が上方に向くように配置されている。この場合、第4方向は下方から上方へ向かう方向である。
【0041】
排水管路ユニット23は、管路106を有している。管路106は、排水管路DLの一部を構成している。管路106は、一端が第8接手204と接続されており、他端が医療用診察装置100の外部に設けられている外部吸引管路と接続されている。排水管路ユニット23は、第8接手204および管路106を有している限りにおいて、任意の構成を有していればよい。なお、
図6,7,12,15,18では、排水管路ユニット23は第8接手204を有する一部のみが示されており、排水管路ユニット23の全体の図示は省略している。
【0042】
上述したマニホールドモジュール21と排水管路ユニット23とは、スピットンユニット2の管路構成を変更する際に交換される必要のない部材である。以下において、スピットンユニット2の管路構成を変更する際に交換される部材である、排水処理モジュール22A〜22Dの構成例について説明する。
【0043】
図2に示されるように、排水処理モジュール22Aは例えばセパレート方式の管路構成を有している。排水処理モジュール22B〜22Dは例えばセントラル方式の管路構成を有している。排水処理モジュール22A,22B,22Dの各々は、第1接手211、第2接手212、および第3接手213に加え、排水管路DLに設けられた第4接手214を有している。第4接手214は、一方向(第3方向)に開口する第3管路口として構成されている。第3方向と第4方向とは、互いに向かい合う方向である。第3方向は、第1方向と交差する方向である。第4方向は、第2方向と交差する方向である。なお、第3方向は、第1方向に平行な方向であってもよい。第4方向は、第2方向に平行な方向であってもよい。例えば、第1方向および第2方向は水平方向であり、第3方向および第4方向は鉛直方向である。
【0044】
排水処理モジュール22A〜22Dの第1接手211および第2接手212は、吸引管路SLに設けられている。排水処理モジュール22A〜22Dの第3接手213は、排水管路DLに設けられている。排水処理モジュール22A,22B,22Dの第4接手214は、排水管路DLに設けられている。マニホールドモジュール21の第5接手201および第6接手202は、吸引管路SLに設けられている。マニホールドモジュール21の第7接手203は、排水管路DLに設けられている。排水管路ユニット23の第8接手204は、排水管路DLに設けられている。
【0045】
図2、
図6、
図8および
図9に示されるように、排水処理モジュール22Aは、気液分離部25、シャットオフバルブ26、排水トラップ27、および管路107,108,109,110,111,112を有している。気液分離部25、シャットオフバルブ26、および管路107,108,109は、吸引管路SLの一部を構成している。排水トラップ27、および管路110,111,112は、排水管路DLの一部を構成している。
【0046】
気液分離部25は、二相流入口管、気相出口管、および液相出口管を有し、二相流入口管から流入した二相流を気相流と液相流に分離可能に設けられている。シャットオフバルブ26は、一端および他端を有し、一端および他端と接続される吸引管路SLを開閉制御可能に設けられている。排水トラップ27は、一端および他端を有し、一端および他端と接続される排水管路DLを内部に貯留された排水で水封可能に設けられている。管路107は、一端が第1接手211と接続されており、他端が気液分離部25の二相流入口管と接続されている。管路108は、一端が気液分離部25の気相出口管と接続されており、他端がシャットオフバルブ26の一端と接続されている。管路109は、一端がシャットオフバルブ26の他端と接続されており、他端が第2接手212と接続されている。管路110は、一端が第3接手213と接続されており、他端が排水トラップ27の一端と接続されている。管路111は、一端が排水トラップ27の他端と接続されており、他端が第4接手214と接続されている。管路112は、一端が気液分離部25の液相出口管と接続されており、他端が管路111(第4接手214)と接続されている。管路112は例えば管路111の分岐管として構成されている。
【0047】
排水処理モジュール22Aの第1接手211は、マニホールドモジュール21の第5接手201と着脱可能に設けられている。排水処理モジュール22Aの第2接手212は、マニホールドモジュール21の第6接手202と着脱可能に設けられている。排水処理モジュール22Aの第3接手213は、マニホールドモジュール21の第7接手203と着脱可能に設けられている。排水処理モジュール22Aの第4接手214は、排水管路ユニット23の第8接手204と着脱可能に設けられている。
【0048】
排水処理モジュール22Aの第1接手211、第2接手212、第3接手213および第4接手214がマニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、第7接手203、および排水管路ユニット23の第8接手204に接続されたスピットンユニット2は、管路101または管路102、スイッチングバルブ24、管路103、管路107、気液分離部25、管路108、シャットオフバルブ26、管路109、および管路104が順に接続された吸引管路SLを有している。さらに、該スピットンユニット2は、スピットン鉢2a、管路105、管路110、排水トラップ27、管路111、および管路106が順に接続された排水管路DLを有している。さらに、該スピットンユニット2は、管路112、管路111および管路106が順に接続された排水管路DLを有している。
【0049】
図8および
図9に示されるように、排水処理モジュール22Aは、マニホールドモジュール21の仕切部材21Aと着脱可能に設けられている固定部40,41をさらに有している。固定部40,41は、例えばねじによって仕切部材21Aに対して着脱可能に設けられている。固定部40には、例えば気液分離部25が固定されている。固定部40,41は、仕切部材21Aに固定されたときに、仕切部材21Aに対して排水処理モジュール22Aを支持可能に設けられている。
【0050】
排水処理モジュール22Aは、マニホールドモジュール21の第1コネクタと着脱可能に設けられた第3コネクタ(図示しない)を有している。第3コネクタは、シャットオフバルブ26に対し電力を供給するための第1電源線と接続されている端子と、気液分離部25内に設けられた水位センサと接続された第1信号線と接続されている端子とを有している。
【0051】
図2、
図10、
図11および
図12に示されるように、排水処理モジュール22Bは、シャットオフバルブ28、排水トラップ29、および管路113,114,115,116を有している。シャットオフバルブ28および管路113,114は、吸引管路SLの一部を構成している。排水トラップ29および管路115,116は、排水管路DLの一部を構成している。
【0052】
シャットオフバルブ28は、一端および他端を有し、一端および他端と接続される吸引管路SLを開閉制御可能に設けられている。排水トラップ27は、一端および他端を有し、一端および他端と接続される排水管路DLを内部に貯留された排水で水封可能に設けられている。管路113は、一端が第1接手211と接続されており、他端がシャットオフバルブ28の一端と接続されている。管路114は、一端がシャットオフバルブ28の他端と接続されており、他端が第2接手212と接続されている。管路115は、一端が第3接手213と接続されており、他端が排水トラップ29の一端と接続されている。管路116は、一端が排水トラップ29の他端と接続されており、他端が第4接手214と接続されている。
【0053】
排水処理モジュール22Bの第1接手211は、マニホールドモジュール21の第5接手201と着脱可能に設けられている。排水処理モジュール22Bの第2接手212は、マニホールドモジュール21の第6接手202と着脱可能に設けられている。排水処理モジュール22Bの第3接手213は、マニホールドモジュール21の第7接手203と着脱可能に設けられている。排水処理モジュール22Bの第4接手214は、排水管路ユニット23の第8接手204と着脱可能に設けられている。
【0054】
排水処理モジュール22Bの第1接手211、第2接手212、第3接手213および第4接手214がマニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、第7接手203、および排水管路ユニット23の第8接手204に接続されたスピットンユニット2は、管路101または管路102、スイッチングバルブ24、管路103、管路113、シャットオフバルブ28、管路114、および管路104が順に接続された吸引管路SLを有している。さらに、該スピットンユニット2は、スピットン鉢2a、管路105、管路115、排水トラップ29、管路116、および管路106が順に接続された排水管路DLを有している。
【0055】
図10および
図11に示されるように、排水処理モジュール22Bは、マニホールドモジュール21の仕切部材21Aと着脱可能に設けられている固定部42をさらに有している。固定部42は、例えばねじによって仕切部材21Aに対して着脱可能に設けられている。固定部42には、例えばシャットオフバルブ28および排水トラップ29が固定されている。固定部42は、仕切部材21Aに固定されたときに、仕切部材21Aに対して排水処理モジュール22Bを支持可能に設けられている。
【0056】
排水処理モジュール22Bは、マニホールドモジュール21の第1コネクタと着脱可能に設けられた第4コネクタ(図示しない)を有している。第4コネクタは、シャットオフバルブ28に対し電力を供給するための第1電源線(図示しない)と接続されている端子を有している。第4コネクタは、例えば第1コネクタの上記第1信号線と接続されている端子をショートさせるように構成されている。
【0057】
図2、
図13、
図14および
図15に示されるように、排水処理モジュール22Cは、シャットオフバルブ30、スピットンバルブ31、および管路117,118,119,120を有している。シャットオフバルブ30および管路117,118は、吸引管路SLの一部を構成している。スピットンバルブ31および管路119,120は、排水管路DLの一部を構成している。
【0058】
シャットオフバルブ30は、一端および他端を有し、一端および他端と接続される吸引管路SLを開閉制御可能に設けられている。スピットンバルブ31は、流入口および流出口と、流入口から流出口へ流れる流体を貯留可能な貯留部(図示しない)を有している。スピットンバルブ31は、流体が貯留部に所定の量以上貯留されたときに、貯留部に貯留された流体の少なくとも一部を排出するように設けられている。
【0059】
管路117は、一端が第1接手211と接続されており、他端がシャットオフバルブ30の一端と接続されている。管路118は、一端がシャットオフバルブ28の他端と接続されており、他端が第2接手212と接続されている。管路119は、一端が第3接手213と接続されており、他端がスピットンバルブ31の流入口と接続されている。管路120は、一端がスピットンバルブ31の流出口と接続されており、他端が管路118(第2接手212)と接続されている。
【0060】
つまり、排水処理モジュール22Cは、排水管路DLが、バキュームモータを有する外部吸引管路に接続されている吸引管路SLに合流する管路構成を有している。スピットンバルブ31は、排水管路DLから流入した排水が貯留部に所定の量以上貯留されたときに、貯留部に貯留された排水の少なくとも一部を吸引管路SLに排出するように設けられている。
【0061】
排水処理モジュール22Cの第1接手211、第2接手212、および第3接手213がマニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、および第7接手203に接続されたスピットンユニット2は、管路101または管路102、スイッチングバルブ24、管路103、管路117、シャットオフバルブ30、管路118、および管路104が順に接続された吸引管路SLを有している。さらに、該スピットンユニット2は、スピットン鉢2a、管路105、管路119、スピットンバルブ31、および管路120が順に接続され、吸引管路SLの管路118に接続された排水管路DLを有している。
【0062】
なお、マニホールドモジュール21と排水処理モジュール22Cとが接続されている場合、排水管路ユニット23の第8接手204は、排水処理モジュール22Cのいずれの接手とも接続されていない。このとき、第8接手204は、蓋(図示しない)により封止されていてもよいし、封止されていなくてもよい。
【0063】
図13および
図14に示されるように、排水処理モジュール22Cは、マニホールドモジュール21の仕切部材21Aと着脱可能に設けられている固定部43をさらに有している。固定部43は、例えばねじによって仕切部材21Aに対して着脱可能に設けられている。固定部43には、例えばシャットオフバルブ30およびスピットンバルブ31が固定されている。固定部43は、仕切部材21Aに固定されたときに、仕切部材21Aに対して排水処理モジュール22Cを支持可能に設けられている。
【0064】
排水処理モジュール22Cは、マニホールドモジュール21の第1コネクタと着脱可能に設けられた第5コネクタ(図示しない)と、第2コネクタと着脱可能に設けられた第6コネクタ(図示しない)とを有している。第5コネクタは、シャットオフバルブ30に対し電力を供給するための第1電源線と接続されている端子を有している。該第5コネクタは、マニホールドモジュール21の第1コネクタと着脱可能に設けられている。第5コネクタは、例えば第1コネクタの上記第1信号線と接続されている端子をショートさせるように構成されている。第6コネクタは、スピットンバルブ31に対し電力を供給するための第2電源線と接続されている端子を有している。
【0065】
図2、
図16、
図17および
図18に示されるように、排水処理モジュール22Dは、アマルガム分離部32、および管路121,122,123,124を有している。アマルガム分離部32および管路121,122は吸引管路SLの一部を構成している。アマルガム分離部32および管路123,124は排水管路DLの一部を構成している。
【0066】
アマルガム分離部32は、第1および第2流入口と、第1および第2流出口とを有している。アマルガム分離部32は、第1および第2流入口から流入した流体からアマルガムを分離除去し、アマルガムが除去された流体を第1および第2流出口から排出可能に設けられている。
【0067】
管路121は、一端が第1接手211と接続されており、他端がアマルガム分離部32の第1流入口と接続されている。管路122は、一端がアマルガム分離部32の第1流出口と接続されており、他端が第2接手212と接続されている。管路123は、一端が第3接手213と接続されており、他端がアマルガム分離部32の第2流入口と接続されている。管路124は、一端がアマルガム分離部32の第2流出口と接続されており、他端が第4接手214と接続されている。
【0068】
排水処理モジュール22Dの第1接手211、第2接手212、第3接手213および第4接手214がマニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、第7接手203、および排水管路ユニット23の第8接手204に接続されたスピットンユニット2は、管路101または管路102、スイッチングバルブ24、管路103、管路121、アマルガム分離部32、管路122、および管路104が順に接続された吸引管路SLを有している。さらに、該スピットンユニット2は、スピットン鉢2a、管路105、管路123、アマルガム分離部32、管路124、および管路106が順に接続された排水管路DLを有している。
【0069】
図16および
図17に示されるように、排水処理モジュール22Dは、マニホールドモジュール21の仕切部材21Aと着脱可能に設けられている固定部44をさらに有している。固定部44は、例えばねじによって仕切部材21Aに対して着脱可能に設けられている。固定部44には、アマルガム分離部32が固定されている。固定部44は、仕切部材21Aに固定されたときに、仕切部材21Aに対して排水処理モジュール22Dを支持可能に設けられている。
【0070】
排水処理モジュール22Dは、マニホールドモジュール21の第1コネクタと着脱可能に設けられた第7コネクタ(図示しない)と、第2コネクタと着脱可能に設けられた第8コネクタ(図示しない)とを有している。第7コネクタは、排水処理モジュール22Dのアマルガム分離部32内に設けられたアマルガム量検出センサと接続された第2信号線と接続されている端子を有している。第7コネクタは、例えば第1コネクタの上記第1信号線と接続されている端子をショートさせるように構成されている。第8コネクタは、アマルガム分離部32に対して電力を供給するための第2電源線と接続されている端子を有している。
【0071】
第1接手211、第2接手212、第3接手213、および第4接手214と、第5接手201、第6接手202、第7接手203、および第8接手204とは、互いに水密的または気密的に接続され得る限りにおいて任意の構成を有していればよいが、例えばOリングを介して水密的または気密的に接続可能な構成を有している。
【0072】
医療用診察装置100は、上記のような排水処理モジュール22Aがマニホールドモジュール21および排水管路ユニット23に接続されることにより、セパレート方式の医療用診察装置となり得る。また、医療用診察装置100は、上記のような排水処理モジュール22B〜22Dのいずれかがマニホールドモジュール21および排水管路ユニット23に接続されることにより、セントラル方式の医療用診察装置となり得る。排水処理モジュール22A〜22Dの各々は、いずれも第1方向に開口し、かつ同一の構成を有する第1接手211、第2接手212、および第3接手213を有するため、第2方向に開口する第5接手201、第6接手202、および第7接手203を有するマニホールドモジュール21と容易に着脱され得る。また、排水処理モジュール22A,22B,22Dの各々は、第3方向に開口し、かつ同一の構成を有する第4接手214を有しているため、第4方向に開口する第8接手204を有する排水管路ユニット23と容易に着脱され得る。
【0073】
好ましくは、排水処理モジュール22A〜22Dの各々は、第1接手211、第2接手212、第3接手213、および第4接手214の相対的な位置関係が等しくなるよう構成されている。排水処理モジュール22A〜22Dの各々は、第1接手211と第2接手212との間の距離が一定に設けられており、第1接手211と第3接手213との間の距離が一定に設けられており、かつ第2接手212と第3接手213との間の距離が一定に設けられている。好ましくは、排水処理モジュール22A,22B,22Dの各々は、第1接手211と第4接手214との間の距離が一定に設けられており、第2接手212と第4接手214との間の距離が一定に設けられており、かつ第3接手213と第4接手214との間の距離が一定に設けられている。このように構成された排水処理モジュール22A〜22Dの各々は、第1接手211、第2接手212、および第3接手213の相対的な位置関係が等しくなるよう構成されているため、より容易に交換され得る。
【0074】
好ましくは、第1コネクタ、第3〜第5コネクタ、および第7コネクタの各々の端子数は等しい。好ましくは、第2コネクタ、第6コネクタおよび第8コネクタの各々の端子数は等しい。好ましくは、第1コネクタの端子数と第2コネクタの端子数とは異なる。これにより、各コネクタ間で端子間が誤接続されるリスクを低減することができる。
[排水処理モジュールの交換方法]
次に、
図2〜
図19を参照して、医療用診察装置100のスピットンユニット2における、排水処理モジュール22A〜22Dの交換方法について、排水処理モジュール22A(第1モジュール)を排水処理モジュール22B(第2モジュール)に交換する方法を例に説明する。
【0075】
まず、上述した構成を有する医療用診察装置100が準備される。該医療用診察装置100のスピットンユニット2は、マニホールドモジュール21、排水処理モジュール22A、および排水管路ユニット23を含んでいる。さらに、上述した構成を有する排水処理モジュール22Bが準備される。スピットンユニット2は、例えば
図3に示される扉2dが閉じられた状態から
図4に示される扉2dが開かれた状態あるいは
図5に示される扉2dが取り外された状態とされている。
【0076】
次に、マニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、および第7接手203から、排水処理モジュール22Aの第1接手211、第2接手212、および第3接手213を取り外す(工程(S10))。さらに、排水管路ユニット23の第8接手204から排水処理モジュール22Aの第4接手214を取り外す。
【0077】
次に、マニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、および第7接手203に、排水処理モジュール22Bの第1接手211、第2接手212、および第3接手213を接続する(工程(S20))。さらに、排水管路ユニット23の第8接手204に排水処理モジュール22Bの第4接手214を接続する。
【0078】
以上により、医療用診察装置100のスピットンユニット2において、排水処理モジュール22Aが排水処理モジュール22Bに交換される。同様の方法により、排水処理モジュール22Aは排水処理モジュール22C,22Dのいずれかに交換され得るし、排水処理モジュール22B〜22Dのいずれかは他の排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかに交換され得る。また、同様の方法により、排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかが同タイプの別の排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかに交換され得る。例えば排水処理モジュール22Aは別の排水処理モジュール22Aに交換され得る。
【0079】
このような排水処理モジュールの交換方法によれば、マニホールドモジュール21の第5接手201、第6接手202、および第7接手203と、排水処理モジュール22A〜22Dの第1接手、第2接手、および第3接手との各接続箇所は、排水処理モジュール22A〜22Dのいずれかに依らず、スピットンユニット2においてほぼ同一の場所に設けられている。そのため、上記排水処理モジュールの交換方法によれば、上記各接続箇所へのアクセスが容易であり、排水処理モジュール22A〜22Dを容易に交換することができる。つまり、上記医療用診察装置100は、上記排水処理モジュールの交換方法により管路の構成を容易に変更可能である。
【0080】
なお、上記医療用診察装置100において、マニホールドモジュール21の仕切部材21Aは、3つの接手を有しているが、これに限られるものでは無い。仕切部材21Aは、第2方向に開口する第2管路口として2つ以上の接手を有していればよい。
【0081】
図20に示されるように、仕切部材21Aは、第2方向に開口する第2管路口としての第5接手201、第6接手202、第7接手203に加え、第4方向に開口する第4管路口としての第8接手204を有していてもよい。排水処理モジュール22A、22B,22Dの第4接手214は、当該第8接手204と着脱可能に設けられていればよい。第4方向は第2方向と交差する方向であってもよい。また、上述のように、第4方向は第2方向と平行であってもよい。このような医療用診察装置は、スピットンユニット2内の管路構成を変更する際に着脱すべき箇所の全てが仕切部材21A上に設けられていることにより、管路の構成が容易に変更され得る。また、当該医療用診察装置は、マニホールドモジュール21が排水管路DLおよび吸引管路SLの複数の構成のうち共通化され得る部材の全てを有しており、上述した排水管路ユニット23が不要である。そのため、当該医療用診察装置は、スピットンユニット2において扉2dが開かれた状態において外部からアクセス可能な空間に配置される部材点数を削減することができ、排水処理モジュールの交換作業性が高められている。
【0082】
本実施の形態に係る医療用診察装置のスピットンユニット2は、1本の吸引管路SLと1本の排水管路DLとを有しているが、これに限られるものでは無い。スピットンユニット2は、1本以上の吸引管路SLまたは排水管路DLを有していればよい。この場合、仕切部材21Aは、第2管路口として少なくとも2つの接手を有していればよい。ただし、本実施の形態に係る医療用診察装置は、スピットンユニット2が複数の管路を有している場合に特に好適である。
【0083】
また、本実施の形態に係る医療用診察装置のスピットンユニット2は、第1管路口を有している限りにおいて、上述した排水処理モジュール22A〜22Dとは異なる管路構成を有する排水処理モジュールを含んでいてもよい。
【0084】
また、本実施の形態に係る医療用診察装置のスピットンユニット2は、吸引管路SLおよび排水管路DLに設けられている複数の接手を有しているが、これに限られるものでは無い。スピットンユニット2において実現されるべき複数の管路構成のうち構成変更され得る管路が例えば吸引管路SLのみまたは排水管路DLのみである場合、第1管路口は吸引管路SLのみまたは排水管路DLのみに設けられていてもよい。
【0085】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。