(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された飛散防止剤散布装置では、例えば大規模な構造物の屋根全体に飛散防止剤を散布したい場合に、屋根全体に飛散防止剤が届かない虞がある。
このため、構造物の屋根に対して広範囲に飛散防止剤を散布することができる飛散防止剤散布装置が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、構造物の屋根に対して広範囲に飛散防止剤を散布することができる飛散防止剤散布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る飛散防止剤散布装置は、構造物の屋根に飛散防止剤を散布する飛散防止剤散布装置において、前記飛散防止剤を収容するタンクと、前記タンクから前記飛散防止剤が供給されて前記飛散防止剤を噴出するノズルユニットと、前記タンクおよび前記ノズルユニットを支持する支持部と、前記支持部を揚重して移動させる揚重部と、前記ノズルユニットおよび前記揚重部を遠隔操作可能な操作部と、を有
し、前記ノズルユニットは、前記屋根を上側から穿孔して前記屋根の下側に挿入される穿孔部を有し、前記穿孔部には、前記飛散防止剤を噴出する噴出口が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、揚重部によって支持部を移動させながら飛散防止剤を散布することができるため、広範囲に飛散防止剤を散布することができる。また、遠隔操作によって支持部を移動させることができるため、容易に立ち入ることのできない場所においても飛散防止剤を散布することができる。
本発明では、飛散防止剤には、水や薬液などの液体のみでなく、ミストなどの気体が混ざった液体も含むものとする。
【0008】
また、本発明に係る飛散防止剤散布装置では、前記ノズルユニットは、前記屋根を上側から穿孔して前記屋根の下側に挿入される穿孔部を有し、前記穿孔部には、前記飛散防止剤を噴出する噴出口が設けられてい
る。
ノズルユニットで屋根を穿孔し、ノズルユニットの噴出口を屋根の下側に配置することができるため、屋根の下側において飛散防止剤を散布することができる。
【0009】
また、本発明に係る飛散防止剤散布装置では、前記ノズルユニットは、前記飛散防止剤を下方に向かって拡散させ円状に散布可能な第1噴出口を有していてもよい。
第1噴出口から飛散防止剤を下方に向かって拡散させ円状に散布することにより、ノズルユニットの下方の広範囲に飛散防止剤を散布することができる。
【0010】
また、本発明に係る飛散防止剤散布装置では、前記ノズルユニットは、前記飛散防止剤を下方に向かって拡散させ円環状に散布可能な第2噴出口を有していてもよい。
第2噴出口から飛散防止剤を下方に向かって拡散させ円環状に散布することにより、ノズルユニットの下方の広範囲に飛散防止剤を散布することができる。
また、第1噴出口によって散布可能な飛散防止剤の散布領域よりも第2噴出口によって散布可能な飛散防止剤の散布領域の外径を大きくし、第1噴出口による飛散防止剤の散布と第2噴出口によって散布可能な飛散防止剤の散布とを前後して行うことにより、第1噴出口によって散布しきれない領域に第2噴出口から飛散防止剤を散布することができる。
【0011】
また、本発明に係る飛散防止剤散布装置では、前記ノズルユニットは、前記飛散防止剤を上方に向かって散布可能な第3噴出口を有していてもよい。
第3噴出口を使用することにより、飛散防止剤を上方に散布することができる。また、穿孔部が屋根の下側に挿入された状態で第3噴出口から飛散防止剤を散布することにより、屋根の裏側(下側の面)に飛散防止剤を散布することができる。
【0012】
また、本発明に係る飛散防止剤散布装置では、前記ノズルユニットは、前記飛散防止剤を略水平方向に散布可能な第4噴出口を有していてもよい。
第4噴出口を使用することによって、屋根に側方から飛散防止剤を散布することができる。
【0013】
また、本発明に係る飛散防止剤散布装置では、前記ノズルユニットは、前記飛散防止剤を噴出する噴出口が水平方向に間隔をあけて複数設けられていてもよい。
噴出口が水平方向に間隔をあけて複数設けられていることにより、飛散防止剤を広範囲に散布することができる。
【0014】
また、本発明に係る飛散防止剤散布装置では、前記支持部を旋回させる旋回部を有していてもよい。
旋回部で支持部を旋回させることにより、ノズルユニットを旋回させながら飛散防止剤を散布することができるため、飛散防止剤を広範囲において均等に散布することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、構造物の屋根に対して広範囲に飛散防止剤を散布することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による飛散防止剤散布装置について、
図1乃至
図5に基づいて説明する。
図1および
図2に示す本実施形態による飛散防止剤散布装置1Aは、解体される構造物の屋根11(
図2参照)に水や薬液などの飛散防止剤12(
図2参照)を散布して解体時の粉塵の飛散を防止するための装置である。例えば、原子力発電所の解体時に、放射性物質で汚染された粉塵の飛散を防止するために使用される。
飛散防止剤散布装置1Aは、飛散防止剤12を収容するタンク2と、タンク2から飛散防止剤12が供給されて屋根11に飛散防止剤12を噴出するノズルユニット3と、タンク2およびノズルユニット3を支持する支持部4と、支持部4を揚重して移動させるクレーン装置などの揚重部5と、飛散防止剤12の噴出および揚重部5の揚重などを遠隔操作可能な操作部(不図示)と、支持部4を旋回させる旋回部6(
図1参照)と、を有している。
【0018】
また、
図1に示すように、飛散防止剤散布装置1Aは、タンク2からノズルユニット3へ飛散防止剤12を圧送するポンプユニット71、ポンプユニット71に電力を供給する発電機72、およびポンプユニット71を制御する制御盤73、追尾用のプリズム74やネットワークアンテナ75などを有し、これらが支持部4に設けられている。
【0019】
タンク2は、約3m
2の飛散防止剤12を収容可能に構成されている。タンク2は、支持部4に載置されている。
ポンプユニット71は、タンク2からノズルユニット3へ飛散防止剤12の供給と停止とを切り替える電磁弁を有している。
操作部は、ポンプユニット71の電磁弁の開閉操作およびポンプユニット71のON/OFF制御を遠隔操作可能に構成されている。
【0020】
ノズルユニット3は、筒状の外殻部31と、外殻部31に挿通されて飛散防止剤12が流通する流通管32と、を有している。
外殻部31は、長さ方向が上下方向となる向きに配置され、支持部4の下側に配置されて上端部が支持部4に支持されている。外殻部31の上端部は、支持部4にピン接合されている。これにより、外殻部31は、支持部4に対する角度を調整可能に構成されている。
外殻部31の下端部近傍には、下側に向かって尖った形状の穿孔部33が形成されている。
図2に示すように、穿孔部33は、構造物の屋根11に上側から突き刺さることで屋根11に孔部を形成可能に構成されている。なお、外殻部31には、穿孔部33よりも上側に径方向に突出し、穿孔部33が屋根11を穿孔した際に、屋根11の上面と当接することで、穿孔部33が屋根11に挿入される深さを規制するためのストッパ(不図示)が設けられていてもよい。
【0021】
流通管32は、一方の端部に飛散防止剤12が供給される供給口が設けられ、他方の端部に飛散防止剤12を噴出する噴出口34が設けられている。噴出口34は、外殻部31から外部に露出している。噴出口34は、穿孔部33に配置されている。
本実施形態の飛散防止剤散布装置1Aは、噴出口34の位置および噴出口34が開口する向きの異なる3つのノズルユニット3,3,3可能に構成されている。3つのノズルユニット3,3,3をそれぞれ第1ノズルユニット301、第2ノズルユニット302、第3ノズルユニット303とする。
【0022】
第1ノズルユニット301は、噴出口34として穿孔部33の下端部(先端部)よりもやや上側に設けられて、下方に開口している第1噴出口341を有している。第1ノズルユニット301は、飛散防止剤12を下方に噴出するように構成されている。第1ノズルユニット301から噴出された飛散防止剤12は、下方に向かって拡散し円状に散布される。
第1ノズルユニット301が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aは、穿孔部33が屋根11の上側に配置された状態で、飛散防止剤12が噴出されると、屋根11の上面に飛散防止剤12を散布することができる。また、第1ノズルユニット301が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aは、穿孔部33が屋根11を貫通し第1噴出口341が屋根11の下側に配置された状態で飛散防止剤12が噴出されると、屋根11の下側のスラブなどに飛散防止剤12を散布することができる。
【0023】
第2ノズルユニット302は、噴出口34として穿孔部33の下端部(先端部)よりもやや上側に設けられて、下方に開口している第2噴出口342を有している。第2ノズルユニット302は、飛散防止剤12を下方に噴出するように構成されている。第2ノズルユニット302から噴出された飛散防止剤12は、下方に円環状に散布される。第2ノズルユニット302から噴出された飛散防止剤12は、第1ノズルユニット301から噴出された飛散防止剤12よりも広い外径に散布される。
第2ノズルユニット302が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aは、穿孔部33が屋根11の上側に配置された状態で、飛散防止剤12が噴出されると、屋根11の上面に飛散防止剤12を散布することができる。また、第2ノズルユニット302が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aは、穿孔部33が屋根11を貫通し第2噴出口342が屋根11の下側に配置された状態で飛散防止剤12が噴出されると、屋根11の下側のスラブなどに飛散防止剤12を散布することができる。
【0024】
第3ノズルユニット303は、噴出口34として穿孔部33の上部側に設けられて、上側に開口している第3噴出口343を有している。第3ノズルユニット303は、飛散防止剤12を上方に噴出するように構成されている。第3ノズルユニット303から噴出された飛散防止剤12は、上方に円状に散布される。
第3ノズルユニット303が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aは、穿孔部33が屋根11を貫通し第3噴出口343が屋根11の下側に配置された状態で飛散防止剤12が噴出されると、屋根11の裏面に飛散防止剤12を散布することができる。
【0025】
旋回部6は、支持部4を上方から吊り支持していて、旋回部6の駆動によって支持部4を旋回可能に構成されている。旋回部6は揚重部5に吊り支持されている。
旋回部6は、支持部4に吊り支持されるとともに支持部4を吊り支持する旋回治具61と、旋回治具61の軸方向の両端部に設けられた2つの旋回ダクト62,63と、旋回治具に支持されて2つの旋回ダクト62,63をそれぞれ駆動する2つの発電機64,65と、を有している。旋回治具61は、長尺に形成され、軸方向(長さ方向)が水平方向となる向きに配置される。
【0026】
2つの旋回ダクト62,63は、それぞれ軸線が略L字形状となるように屈曲した部材で、空気が流入する一方側がその軸線方向が水平方向に延びる向きに配置され、空気が排出される他方側が一方側との接続部から上方に延びる向きに配置されている。2つの旋回ダクト62,63は、一方側の軸線を中心に回動可能に支持部4に設けられている。この旋回ダクトの一方側の軸線を回動軸線62a,63aとする。
2つの旋回ダクト62,63は、それぞれの一方側の端部が対向して他方側の端部が離間し、それぞれの回動軸線62a,63aが同一直線上に配置されるように設置されている。
【0027】
旋回ダクト62,63の他方側の端部の吹出し口62b,63bから空気が排出されると、排出された空気流の反力によって支持部4が旋回するような偶力が発生する。その結果、旋回治具61が支持部4とともに水平面内において旋回する。旋回治具61および支持部4の旋回は、揚重部5に吊り下げられた吊り芯を中心としている。
旋回ダクト62,63を回動軸線62a,63aを中心に回動させることで、後端部の吹出し口62b,63bが開口する向きを調整することができる。これにより、旋回ダクト62,63から排出される空気流の向きを調整することができ、旋回治具61および支持部4の旋回方向を調整することができる。
なお、吹出し口62b,63bが開口する方向を鉛直方向上側とすると、支持部4は水平面内における回動が停止される。
【0028】
支持部4の向きを変更する場合は、旋回ダクト62,63から排出される空気流の向きを調整して旋回ダクト62,63を回動させる。支持部4の向きが所望の向きとなったら、旋回ダクト62,63の吹出し口62b,63bを上方に向いた状態として、旋回ダクト62,63の回動を停止させる。
【0029】
第1実施形態による飛散防止剤散布装置1Aによる飛散防止剤12の散布方法について説明する。
まず、第1ノズルユニット301が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aを揚重し、構造物の屋根11の上に配置する。そして、飛散防止剤散布装置1Aを下降せて、第1ノズルユニット301の穿孔部33を構造物の屋根11に貫通させる。
穿孔部33が屋根11を貫通したら、第1ノズルユニット301の第1噴出口341から飛散防止剤12を噴出し、屋根11の下側において構造物の内部に飛散防止剤12を下側に向かって円状に散布する。構造物の大きさに応じて、複数個所で屋根11に穿孔を行い、それぞれ飛散防止剤12を散布する。
【0030】
続いて、飛散防止剤散布装置1Aを構造物から離間させ、第1ノズルユニット301を第2ノズルユニット302に付け替える。第2ノズルユニット302が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aを揚重し、構造物の屋根11の上に配置する。そして、飛散防止剤散布装置1Aを下降せて、第2ノズルユニット302の穿孔部33を構造物の屋根11に貫通させる。
穿孔部33が屋根11を貫通したら、第2ノズルユニット302の第2噴出口342から飛散防止剤12を噴出し、屋根11の下側において構造物の内部に飛散防止剤12を下側に向かって環状に散布する。このとき、第1ノズルユニット301で散布できなかった箇所に飛散防止剤12を噴出する。構造物の大きさに応じて、複数個所で屋根11に穿孔を行い、それぞれ飛散防止剤12を散布する。
【0031】
続いて、飛散防止剤散布装置1Aを構造物から離間させ、第2ノズルユニット302を第3ノズルユニット303に付け替える。第3ノズルユニット303が取り付けられた飛散防止剤散布装置1Aを揚重し、構造物の屋根11の上に配置する。そして、飛散防止剤散布装置1Aを下降せて、第3ノズルユニット303の穿孔部33を構造物の屋根11に貫通させる。
穿孔部33が屋根11を貫通したら、第3ノズルユニット303の第3噴出口343から飛散防止剤12を上側に噴出し、屋根11の裏面に飛散防止剤12を散布する。構造物の大きさに応じて、複数個所で屋根11に穿孔を行い、それぞれ飛散防止剤12を散布する。
なお、飛散防止剤12を散布する際に、各ノズルユニット3の外殻部31の支持部4に対する角度を遠隔操作により調整して、各噴射口34の位置を調整してもよい。
【0032】
次に、上述した飛散防止剤散布装置1Aの作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による飛散防止剤散布装置1Aでは、揚重部5によって支持部4を移動させながら飛散防止剤12を散布することができるため、広範囲に飛散防止剤12を散布することができる。
また、遠隔操作によって支持部4を移動させることができるため、容易に立ち入ることのできない場所においても飛散防止剤12を散布することができる。
【0033】
また、ノズルユニット3は、屋根11を上側から穿孔して屋根11の下側に挿入される穿孔部33を有することにより、ノズルユニット3で屋根11を穿孔し、ノズルユニット3の噴出口34を屋根11の下側に配置することができるため、屋根11の下側(構造物の内部)に飛散防止剤12を散布することができる。
【0034】
また、第1ノズルユニット301は、飛散防止剤12を下方に向かって拡散させ円状に散布することにより、第1ノズルユニット301の下方の広範囲に飛散防止剤12を散布することができる。
また、第2ノズルユニット302は、飛散防止剤12を下方に向かって拡散させ円環状に散布することにより、第2ノズルユニット302の下方の広範囲に飛散防止剤12を散布することができる。
また、第1ノズルユニット301と第2ノズルユニット302とを併用し、第1ノズルユニット301によって散布される領域の外形よりも、第2ノズルユニット302によって散布される領域の外径を大きく設定することにより、第1ノズルユニット301では散布しきれなかった領域に第2ノズルユニット302を使用して飛散防止剤12を散布することができる。
【0035】
また。第3ノズルユニット303は、穿孔部33が屋根11の下側に挿入された状態で飛散防止剤12を上方に向かって散布することにより、屋根11の裏側(下側の面)に飛散防止剤12を散布することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。
図6に示すように、第2実施形態による飛散防止剤散布装置1Bは、ノズルユニット3Bの形態が第1実施形態と異なっている。第2実施形態のノズルユニット3Bは、第1実施形態のような筒状部および穿孔部33を有しておらず、流通管32が4つに分岐し、分岐した流通管32それぞれに噴出口34が設けられている。分岐した4つの流通管32は、平面視で略十字形状となっている。4つの噴出口34は、上方から見て正方形の4つの角部にそれぞれ配置され、それぞれ水平方向に離間している。
ノズルユニット3Bは、4つの噴出口34としてそれぞれ噴出された飛散防止剤12を下側に向かって拡散に円状に散布する4つの第1噴出口344を有している。
【0037】
第2実施形態による飛散防止剤散布装置1Bは、例えば、屋根11の上方から飛散防止剤を散布したり、屋根11の撤去が始まってから、解体によって形成された屋根11の開口部や屋根11と壁部との隙間から構造物の内部に落とし込まれて、屋根11の下側のスラブなどに飛散防止剤12を散布したりするように構成されている。例えば、第1実施形態による飛散防止剤散布装置1Aによる飛散防止剤12の散布の後に使用される。
【0038】
第2実施形態による飛散防止剤散布装置1Bでは、飛散防止剤12を噴出する4つの第1噴出口344が互いに間隔をあけて設けられているため、広範囲に飛散防止剤12を散布することができる。
【0039】
(第3実施形態)
図7に示すように、第3実施形態による飛散防止剤散布装置1Cは、ノズルユニット3Cの形態が第1実施形態および第2実施形態と異なっている。第3実施形態のノズルユニット3Cは、第2実施形態と同様に筒状部および穿孔部33を有しておらず、流通管32が水平方向に延びている。流通管32に沿って互いに間隔をあけた4カ所にそれぞれ噴出口34が設けられている。ノズルユニット3Cは、4つの噴出口34としてそれぞれ略水平方向に飛散防止剤12を噴出する4つの第4噴出口345を有している。本実施形態では、水平方向に対してやや斜め上側に向かって噴出している。
【0040】
第3実施形態による飛散防止剤散布装置1Cは、例えば、屋根11の撤去が始まってから、解体によって形成された屋根11の隙間や屋根11と壁部との隙間から飛散防止剤散布装置1Cを構造物の内部に落とし込み、屋根11の裏面などに飛散防止剤12を散布するように構成されている。例えば、第1実施形態による飛散防止剤散布装置1Aによる飛散防止剤12の散布の後に使用される。なお、飛散防止剤散布装置1Cによって壁部に飛散防止剤12を散布してもよい。
【0041】
第3実施形態による飛散防止剤散布装置1Cでは、飛散防止剤12が略水平方向に噴出されるため、屋根11の裏側に飛散防止剤12を散布することができる。
【0042】
以上、本発明による飛散防止剤散布装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の第1実施形態では、飛散防止剤散布装置1Aに第1〜第3ノズルユニット301〜303を付け替え可能に構成されているが、第1〜第3ノズルユニット301〜303のいずれかが固定されていてもよい。また、飛散防止剤散布装置には、上記の第1実施形態における第1噴出口341、第2噴出口342、第3噴出口343、第2実施形態における第1噴出口344、第3実施形態における第4噴出口345のうちのいずれか2つ以上が設けられていてもよい。
また、上記の第2実施形態および第3実施形態では、噴出口34が4つずつ設けられているが、噴出口34の数は4つ以外であってもよい。また、複数の噴出口34の配置は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、旋回部6を有しているが、旋回部6が設けられていなくてもよい。