(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6835596
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】棒状の物品又はタバコを加工する産業の材料ロッドのチェックのためのマイクロ波測定装置、配列装置及び方法並びにタバコを加工する産業の機械
(51)【国際特許分類】
A24C 5/34 20060101AFI20210215BHJP
G01N 22/00 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
A24C5/34 Z
G01N22/00 J
G01N22/00 V
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-573496(P2016-573496)
(86)(22)【出願日】2015年6月2日
(65)【公表番号】特表2017-524350(P2017-524350A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】EP2015062219
(87)【国際公開番号】WO2015193101
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】102014211575.2
(32)【優先日】2014年6月17日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595112018
【氏名又は名称】ハウニ・マシイネンバウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】バーロン・デーニス
(72)【発明者】
【氏名】ライフェルス・トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ホーエンシュタイン・ノルベルト
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−028552(JP,A)
【文献】
特開2012−073251(JP,A)
【文献】
特表2003−522392(JP,A)
【文献】
特開2004−139863(JP,A)
【文献】
独国特許発明第102013201511(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/34
G01N 22/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコを加工する産業の棒状の物品(5)又は材料ロッドのチェックのための配列装置のマイクロ波測定装置(20,120,220,320)であって、少なくとも1つのマイクロ波共振器(21,121,221,321)を含む前記マイクロ波測定装置において、
前記マイクロ波共振器(21,121,221,321)が共振器中空空間(24,124,224,324)を有する反射型共振器として形成されており、前記共振器中空空間が、一方側でマイクロ波導入部を備え、該マイクロ波導入部とは反対に配置された側で反射面(32)を備えており、前記共振器中空空間(24,124,224,324)が、前記共振器中空空間(24,124,224,324)を3つの共振器中空空間部分(25,25’,25”;125,125’,125”;225,225’,225”;325,325’,325”)に分割する、前記物品(5)又は前記材料ロッドのための貫通路(40)を備えており、前記共振器中空空間部分が互いに連続して一直線に配置されており、前記貫通路(40)が、前記3つの共振器中空空間部分のうち、他の2つの共振器中空空間部分(25,25’,125,125’,225,225’,325,325’)の間に配置された中央の共振器中空空間部分(25”,125”,225”,325”)と一致していること、前記貫通路(40)が、フォーク状に、若しくは断面U字状に形成されていること、及び/又は前記貫通路(40)の複数の壁部(44,46)が少なくとも一方向において、前記共振器中空空間(24,124,224,324)を越えて突出していること、並びに前記マイクロ波共振器(21,121,221,321)が前記マイクロ波導入部と前記共振器中空空間(24,124,224,324)の間の結合要素を含んでおり、該結合要素が、少なくとも1つの開口部を備えたシャッタ(34)として形成されていることを特徴とするマイクロ波測定装置。
【請求項2】
前記共振器中空空間部分(25,25’;125,125’;225,225’;325,325’)が、マイクロ波について透過性の複数の保護シャッタ(26,27)を用いて前記貫通路(40)から分離されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波測定装置(20,120,220,320)。
【請求項3】
前記共振器中空空間(24,124,224,324)内へのマイクロ波の変換式の結合のための変換要素が含まれており、該変換要素が、スタブ同調器又は2ディスク変換器として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ波測定装置(20,120,220,320)。
【請求項4】
タバコを加工する産業の棒状の物品(5)又は材料ロッドのチェックのための配列装置であって、前記棒状の物品(5)又は前記材料ロッドを搬送路(10,10’)に沿って長手軸方向又は横軸方向へ搬送するための少なくとも1つの搬送装置を有し、前記搬送路(10,10’)が通る請求項1〜3のいずれか1項による少なくとも1つのマイクロ波測定装置(20,120,220,320)を含むことを特徴とする配列装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの搬送装置が、前記棒状の物品(5)を前記搬送路(10,10’)に沿って横軸方向に搬送する、前記棒状の物品(5)を収容するための複数のキャビティを有するキャビティ搬送装置として形成されており、前記少なくとも1つのマイクロ波測定装置(20,120,220)が少なくとも1つのマイクロ波共振器(21,121,221)を含んでおり、前記搬送路(10,10’)が、前記少なくとも1つのマイクロ波共振器(21,121,221)を貫通する少なくとも1つの貫通路(40)を通って延びており、その結果、前記各キャビティを越えて突出する前記棒状の物品(5)の部分が、前記搬送路(10,10’)上で前記貫通路(40)を通って、前記マイクロ波共振器(21,121,221)におけるマイクロ波測定場(128,228)を横断することを特徴とする請求項4に記載の配列装置。
【請求項6】
前記共振器中空空間(24,124,224)が、前記物品(5)の長手延長部の方向において、前記物品(5)のフィルタ(7)の長さよりも短い幅を有していることを特徴とする請求項4又は5に記載の配列装置。
【請求項7】
タバコを加工する産業の機械であって、請求項4〜6のいずれか1項に記載の少なくとも1つの配列装置及び/又は請求項1〜3のいずれか1項に記載の少なくとも1つのマイクロ波測定装置(20,120,220,320)を有することを特徴とする機械。
【請求項8】
横軸方向に又は長手軸方向に搬送される棒状の物品(5)又は長手軸方向に搬送される、タバコを加工する産業の材料ロッドを、請求項4〜6のいずれか1項に記載の配列装置を用いてチェックするための方法において、
前記棒状の物品(5)又は前記材料ロッドが、貫通路(40)を通って搬送され、このとき、反射型共振器として形成されたマイクロ波共振器(21,121,221,321)のマイクロ波測定場(128,228)を貫通することを特徴とする方法。
【請求項9】
横軸方向に又は長手軸方向に搬送される棒状の物品(5)又は長手軸方向に搬送される、タバコを加工する産業の材料ロッドを、請求項4〜6のいずれか1項に記載の配列装置を用いてチェックするための方法において、
前記棒状の物品(5)又は前記材料ロッドが、貫通路(40)を通って搬送され、このとき、前記棒状の物品(5)内のカプセル(8)の目標位置において、反射型共振器として形成されたマイクロ波共振器(21,121,221,321)のマイクロ波測定場(128,228)を貫通することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記マイクロ波測定場(128,228)の少なくとも2つの異なる値が、前記物品又は前記材料ロッドの貫通時に検出されるとともに評価されることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
検出された前記マイクロ波測定場(128,228)の前記値が、前記物品(5)又は前記材料ロッドの状態について評価され、完全な前記物品(5)又はロッド部分及び様々な欠陥の種類を有する前記物品(5)又は前記ロッド部分についての測定値範囲(60,62,64)が規定されているか、又は規定されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
完全な前記物品(5)又は前記ロッド部分を有する測定値範囲(60)に対して、新たに壊れたカプセル(8)を有する測定値範囲(62)がより低Q値及び/又はより低共振周波数及び/又はより大きな定在波比において定義されているか、又は定義されること、及び/又は完全な前記物品(5)又は前記ロッド部分を有する測定値範囲(60)に対して、数時間以来空のカプセルを有する測定値範囲(64)がより大きなQ値、より大きな共振周波数及び/又はより低定在波比において定義されているか、又は定義されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記物品(5)若しくは前記ロッド部分を有する前記測定値範囲(60)に測定値がない物品(5)又は前記新たに壊されたカプセル(8)を有する測定値範囲(62)又は前記数時間以来空のカプセル(8)を有する前記測定値範囲(64)に測定値がある物品(5)が、更なる加工及び/又は包装から除外されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記搬送路(10,10’)が、前記少なくとも1つのマイクロ波共振器(21,121,221)を貫通する少なくとも1つの貫通路(40)を通って延びており、その結果、前記各キャビティを越えて突出する前記棒状の物品(5)の部分が、前記搬送路(10,10’)上で前記貫通路(40)を通って、カプセル(8)の目標位置において、前記マイクロ波共振器(21,121,221)におけるマイクロ波測定場(128,228)を横断することを特徴とする請求項5に記載の配列装置。
【請求項15】
前記測定値範囲(60,62,64)が二次元又は三次元であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記完全な物品(5)又は前記ロッド部分が完全なカプセル(8)を有していることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコを加工する産業の棒状の物品又は材料ロッドのチェックのための、特に長手軸方向若しくは横軸方向に搬送されるフィルタタバコ又は長手軸方向に搬送されるフィルタロッドの複数のフィルタ内における液体が充填された複数のカプセルのチェックのための配列装置のマイクロ波測定装置であって、少なくとも1つのマイクロ波共振器を含む前記マイクロ波測定装置に関するものである。さらに、本発明は、対応する配列装置、タバコを加工する産業の機械及び対応する方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
これまで、例えば本出願人のいわゆるKDFのようないくつかのフィルタロッド機械において複数のフィルタロッドが製造され、これらフィルタロッド内には、物体、例えば風味液体が充填されたカプセルが入れられる。生産中に直接これらカプセルが更なる加工の前に検査され、特に本出願人のMIDAS−EF及びMIDAS−EFXのようなマイクロ波センサが用いられる。このとき、カプセルの充填内容物が正確かどうか、又はこれらカプセルが壊れていないかどうか、カプセルが欠如していないかどうか、二重のカプセルが入れられているかどうか、及びロッド方向における位置が正確かどうかが検査される。対応する方法が例えば本出願人の特許文献1に記載されており、その開示内容は本願に完全に取り込まれるべきである。
【0003】
いくつかのケースでは、このように生産されたフィルタロッドはある程度の時間、例えば24時間保管され、つづいてマスフローフィード又は空圧式搬送区間に沿って再度その充填内容物又はフィルタロッドが壊れているかどうかが検査される。空圧式の搬送区間についての一例を特許文献2から見て取ることができ、この特許文献2の開示内容も同様に本願に完全に取り込まれるべきである。本出願人の「FDU」と呼ばれる設備では、フィルタロッド製造機械において、ある時間後に初めて出てくるとともに乾燥した状態においてのみマイクロ波センサによって欠陥として検出されるカプセルが損傷したことを排除するために、カプセルのチェックが行われる。
【0004】
さらに、本願に開示の全内容が取り込まれるべき独国特許出願第102013213936.5号には、軸方向に対して横に搬送される、タバコを加工する産業の棒状の物品の検査のための、特にフィルタタバコのフィルタ内の液体が充填されたカプセルのチェックのための配列装置であって、棒状の物品を軸方向に対して横に搬送するとともに、これら棒状の物品を収容するためのキャビティを有する少なくとも1つのキャビティ搬送装置と、少なくとも1つのマイクロ波共振器を有する少なくとも1つのマイクロ波測定装置とを備えた配列装置が提案されており、この配列装置では、少なくとも1つのマイクロ波測定装置が、棒状の物品の搬送路に沿って、長手方向に延びる、一方側で開放され、各キャビティを越えて突出する物品の一部のための側方の貫通路を備えており、少なくとも1つの貫通路は、少なくとも1つのマイクロ波共振器を側方で貫通している。その結果、棒状の物品の突出する一部が、その搬送路上において貫通路を通って、少なくとも1つのマイクロ波共振器におけるマイクロ波測定場を横切り、棒状の物品が特にカプセルの目標位置においてマイクロ波測定場を横切る。
【0005】
これにより、物品、特にフィルタタバコが、軸方向に対して横に側方でマイクロ波共振器内へ埋入し、そこにおいて、内部で励起された共振マイクロ波場を通過することが可能となる。これにより、棒状の物品の突出する一部が完全にマイクロ波場内へ入り、このマイクロ波場は、共振器内に高い場の強度を有することが可能である。マイクロ波共振器を通る対応する通過を可能とするために、マイクロ波測定装置は、長手方向に延び、一方側で開放された側方の貫通路によって、そのほかにこの軸方向に対して横に搬送する側方の通過のために形成されている。このことは、例えばタバコフィルタの密度についての変化又はタバコフィルタにおける液体が充填されたカプセルの液体充填についての変化を非常に正確かつ位置に依存せずに検出することが可能であるという利点を有している。これにより、フィルタの品質あるいはこれに含まれるカプセルの品質についての測定の確実性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2243385号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2243384号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに対して、本発明の基礎をなす課題は、タバコを加工する産業の棒状の物品又はタバコを加工する産業の材料ロッドの品質のチェックを更に改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基礎をなすこの課題は、タバコを加工する産業の棒状の物品又は材料ロッドのチェックのための、特に長手軸方向若しくは横軸方向に搬送されるフィルタタバコ又は長手軸方向に搬送されるフィルタロッドの複数のフィルタ内における液体が充填された複数のカプセルのチェックのための配列装置のマイクロ波測定装置であって、少なくとも1つのマイクロ波共振器を含む前記マイクロ波測定装置において、マイクロ波共振器が共振器中空空間を有する反射型共振器として形成されており、共振器中空空間が、一方側でマイクロ波導入部を備え、該マイクロ波導入部とは反対に配置された側で反射面を備えることによって解決される。
【0009】
本発明による反射型共振器の使用は、特に空の共振器中空空間において高いQ値が達成されるとともに、マイクロ波の結合及び結合解除のために1つのみのアンテナを用いることでマイクロ波装置のための構造空間が小さくてよいという利点を有している。そのほか、高い品質により、棒状の物品の非常に細かく、選択度の良好な評価と、場合によってはカプセルがタバコフィルタにおいて完全であるかどうか、あらかじめ損傷したかどうか、又は既により長い時間はみ出しているかどうかの区別とが可能となる。このような高い精度は、公知のシステムによってまだ達成可能ではない。
【0010】
本発明によるマイクロ波測定装置は、タバコを加工する産業の機械において、様々な生産の箇所において応用可能であり、例えばフィルタロッド機械、フィルタ取付機械において、又は加工されたフィルタタバコの包装前の最後の計測箇所としても応用可能である。
【0011】
好ましくは、共振器中空空間は、共振器中空空間を複数の共振器中空空間部分に分割する、物品又は材料ロッドのための貫通路を備えている、このような共振器中空空間部分は、共振器中空空間を共に形成する、共振器中空空間の部分空間である。これら共振器中空空間部分は、互いに面一となっている。したがって、共振器中空空間は本質的に3つの部分に分割されており、貫通路から離れて共振器のケーシングの内部に位置する2つの共振器中空空間部分が、マイクロ波測定場が両共振器中空空間部分間で伝わる両方の他の共振器中空空間部分と面一な貫通路の範囲を有している。したがって、貫通路のこの範囲は、本発明によるマイクロ波測定装置の範囲において固有の共振器中空空間部分とみなされることができる。
【0012】
有利な発展形態においては、共振器中空空間部分が、マイクロ波について透過性の複数の保護シャッタを用いて貫通路から分離されている。このことは、貫通路及びその内部に規定された第3の共振器中空空間部分自体には当てはまらない。保護シャッタは、例えば保護フィルム、例えば合成樹脂フィルム又は合成樹脂プレートとして形成されることが可能である。共振器中空空間の一部は、特に保護シャッタを用いて、好ましくは完全に互いに分離されている。貫通路も、また保護シャッタもマイクロ波測定場について透過性であるため、共振器中空空間の両部分は、これに面一な貫通路の部分と共にマイクロ波測定場のための共通の共振器を形成している。
【0013】
有利には、貫通路が、フォークとして、若しくは断面U字状に形成されていること、及び/又は貫通路の複数の壁部が少なくとも一方向において、共振器中空空間を越えて突出している。フォークとして又は断面U字状に形成された貫通路あるいは共振器中空空間を越えて突出する壁部を有する貫通路は、側方の閉鎖部によってマイクロ波共振器からマイクロ波測定場のはみ出しが小さく維持されるという利点を有している。
【0014】
マイクロ波測定装置は、好ましくは容量式又は誘導式のマイクロ波導入部を備えている。このマイクロ波導入部は、好ましくは、1つのアンテナと、1つのマイクロ波導入部中空空間とを含んでいる。マイクロ波共振器が好ましくはマイクロ波導入部と共振器中空空間の間の結合要素を含んでおり、該結合要素が、特にだ円形又は円形の少なくとも1つの開口部を備えたシャッタとして形成されている。このような結合要素は、共振器中空空間内へのマイクロ波の変換式の結合のための、したがって共振器への供給の適合のための変換要素を含むことができる。変換要素、特に好ましくはスタブ同調器又は2ディスク変換器は、供給されたマイクロ波エネルギーをできる限り損失なしにマイクロ波共振器内あるいは共振器中空空間内へ供給するのに役立つものである。シャッタは結合要素の特に簡易な構成を提供し、スタブ同調器及び2ディスク変換器は更に調整性の可能性を提供するものである。
【0015】
共振器中空空間は、有利には反射面によって閉鎖された導波路の形状を有している。したがって、共振器中空空間の長さは、横方向、すなわち棒状の物品及び棒状の物品の搬送路の長さ延長部の方向におけるその延長部よりも長い。共振器内には定在波が形成され、この定在波は、好ましくは棒状の物品あるいは材料がその搬送路を貫通する箇所で最大値を有している。
【0016】
本発明の基礎をなす課題は、棒状の物品又はタバコを加工する産業の材料ロッドのチェックのための、特に長手方向若しくは軸方向に対して横に搬送されるフィルタタバコ又は長手軸方向に搬送されるフィルタロッドの複数のフィルタ内における液体が充填された複数のカプセルのチェックのための配列装置であって、棒状の物品又は材料ロッドを搬送路に沿って長手軸方向又は軸方向に対して横に搬送するための少なくとも1つの搬送装置を有し、搬送路が通る上述の本発明による少なくとも1つのマイクロ波測定装置を含むことによって解決される。本発明による配列装置は、上述のマイクロ波測定装置と同様の利点、特徴及び特性を有している。
【0017】
好ましくは、少なくとも1つの搬送装置が、搬送路に沿って軸方向に対して横に搬送する、棒状の物品を収容するための複数のキャビティを有するキャビティ搬送装置として形成されており、少なくとも1つのマイクロ波測定装置が少なくとも1つのマイクロ波共振器を含んでおり、搬送路が、少なくとも1つのマイクロ波共振器を貫通する少なくとも1つの貫通路を通って延びており、その結果、各キャビティを越えて突出する棒状の物品の一部が、搬送路上で貫通路を通って、特にカプセルの目標位置において、マイクロ波共振器におけるマイクロ波測定場を横切っている。
【0018】
貫通路及びキャビティ搬送装置の特徴は、本質的に本出願人の上述の独国特許出願第102013213936.5号の対応する特徴と対応している。本発明の場合にも、貫通路は、軸方向に対して横に搬送される棒状の物品が搬送路上で貫通路を通過し、マイクロ波測定装置のマイクロ波共振器のマイクロ波測定場を貫通するように配置されている。
【0019】
更に好ましくは、共振器中空空間が、物品の長手延長部の方向において、物品のフィルタの長さよりも短い幅を有している。このようにして、空間分解能も形成される。断面では、棒状の物品に沿った共振器中空空間の拡張部が棒状の物品の横方向における拡張部よりも大きいか、又はその逆であり得る。このようにして、特に互いに連続して配置された本発明による複数のマイクロ波測定装置あるいはマイクロ波共振器を用いてもフィルタタバコの長手方向あるいは長手方向に対して横方向におけるタバコフィルタ内のカプセルについて空間解像度を実現することが可能である。
【0020】
本発明の基礎をなす課題は、タバコを加工する産業の機械であって、上述の少なくとも1つの配列装置及び/又は上述の少なくとも1つの本発明のマイクロ波測定装置を有することによって解決される。したがって、タバコを加工する産業のこの機械においては、上述の本発明によるマイクロ波測定装置におけるのと同様の特徴、特性及び利点が実現されている。機械は、例えばフィルタロッド機械又はフィルタ取付機械である。
【0021】
最後に、本発明の基礎をなす課題は、横軸方向に対して横に又は長手軸方向に搬送される棒状の物品又は長手軸方向に搬送される、タバコを加工する産業の材料ロッドをチェックするための、特に複数のフィルタ内又はフィルタロッド内、特に上述の配列装置における液体が充填された複数のカプセルのチェックのための方法において、棒状の物品又は材料ロッドが、貫通路を通って搬送され、このとき、特に棒状の物品内のカプセルの目標位置において、反射型共振器として形成されたマイクロ波共振器のマイクロ波測定場を貫通することによっても解決される。反射型共振器として形成されたマイクロ波共振器の高い品質により、特に良好な選択度が棒状の物品の解析の際及びチェックの際に生じる。
【0022】
好ましくは、マイクロ波測定場の少なくとも2つの異なる大きさが物品又は材料ロッドの貫通時に特に共振周波数、Q値、反射率及び/又は定在波比が検出されるとともに評価される。反射型共振器のQ値は空の状態において特に大きいため、Q値は、連続した棒状の物品あるいは連続した材料ロッドによる変化及び特にその中に含まれるカプセルの状態に対して非常に敏感に反応する。定在波比(SWR,“standing wave ratio”)は、反射型共振器において反射により生じる定在波についての大きさである。前進及する波及び後進する波の振幅によって、前進する波及び後進する波の合計及び差が規定されている。SWRは、反射しない場合には1に等しく、完全な反射の場合には無限大である。
【0023】
有利には、物品又は材料ロッドの状態について検出されたマイクロ波測定場の量が、特にフィルタ又はフィルタロッド内のカプセルの存在及び/又は充填について更に評価され、完全な物品又はロッド部分及び様々な欠陥の種類を有する物品又はロッド部分についての、特に二次元の測定値範囲又は三次元の測定値範囲が規定されているか、又は規定される。2つ又はそれより多くの量を用いることで、測定値範囲がそれぞれ個々の量において部分的に重複していても、異なる測定値範囲を互いに正確に分離することが可能である。測定値範囲は、所定の品質のケース又は損傷のケースについて典型的に識別される二次元又は三次元の測定値範囲である。変数として、マイクロ波測定方法において取り入れられる典型的な測定量を用いることが可能である。これは、単に例示かつ限定されずに、共振周波数、Q値及び/又は定在波比であり得る。
【0024】
特に好ましい実施形態では、特に完全なカプセルを有する完全な物品又はロッド部分を有する測定値範囲に対して、新たに壊れたカプセルを有する測定値範囲がより低Q値及び/又はより低共振周波数及び/又はより大きな定在波比において定義されているか、又は定義されること、及び/又は特に完全なカプセルを有する完全な物品又はロッド部分を有する測定値範囲に対して、数時間以来空のカプセルを有する測定値範囲がより大きなQ値、より大きな共振周波数及び/又はよりわずかな定在波比において定義されているか、又は定義される。
【0025】
完全なカプセルを有する物品若しくはロッド部分を有する測定値範囲、新たに壊されたカプセルを有する測定値範囲又は数時間以来空のカプセルを有する測定値範囲に測定値がない物品又はロッド部分は、好ましくは更なる加工及び/又は包装から除外される。
【0026】
本発明の別の特徴は、特許請求の範囲及び添付の図面と共に本発明の実施形態の説明から明らかである。本発明による実施形態は、個々の特徴又は複数の特徴の組合せも満たすことが可能である。
【0027】
以下に、一般的な発明概念を制限することなく、図面を参照して本発明を複数の実施例に基づいて説明する。このとき、本文に詳細に説明されない本発明による全ての詳細は、図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による配列装置の実施例の一部の概略的な斜視図である。
【
図2a)】本発明によるマイクロ波測定装置の実施例の概略的な斜視断面図である。
【
図2b)】本発明によるマイクロ波測定装置の実施例の概略的な斜視断面図である。
【
図3】長手軸方向のロッド搬送部を有する本発明によるマイクロ波測定装置の実施例の概略的な斜視断面図である。
【
図4a)】負荷された状態での、マイクロ波測定を有する本発明によるマイクロ波測定装置の実施例の概略的な断面図である。
【
図4b)】負荷された状態での、マイクロ波測定を有する本発明によるマイクロ波測定装置の実施例の概略的な断面図である。
【
図5a)】負荷されていない状態での、マイクロ波測定を有する本発明によるマイクロ波測定装置の実施例の概略的な断面図である。
【
図5b)】負荷されていない状態での、マイクロ波測定を有する本発明によるマイクロ波測定装置の実施例の概略的な断面図である。
【
図6a)】様々な二次元のパラメータ空間における解析範囲の例を示す図である。
【
図6b)】様々な二次元のパラメータ空間における解析範囲の例を示す図である。
【
図7】三次元のパラメータ空間における測定点及び解析範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面には、それぞれ同一若しくは同種の要素及び/又は部分には同一の符号が付されているため、新たな説明についてはそれぞれ省略する。
【0030】
図1には、本発明による配列装置の実施例の複数の部分が概略的な斜視図で示されている。この装置は、マイクロ波導入部30を有する反射型共振器24を含むケーシング22を有するマイクロ波測定装置20を含んでいる。シャッタ34が、破線で示されているとともに、マイクロ波導入部中空空間30を反射型共振器24から分離している。上部範囲では、反射型共振器24が、フォーク状に形成された貫通路40によって断絶されている。この貫通路40は、第1の壁部44と第2の壁部46を含んでいるとともに、閉鎖壁42によって側方で閉鎖されている。これにより、貫通路40は、断面においてU字状となっている。これによって、マイクロ波場が共振器の内部においてより大きくはみ出ることが防止される。これには、第1の壁部44及び第2の壁部46が共振器中空空間を越えて大幅に突出することが寄与する。
【0031】
搬送路10は、棒状の製品の、ここでは部分的に図示され、複数のカプセル8を有するフィルタ7と、タバコストック6とを含むタバコ5の貫通路40を通って延びている。
【0032】
タバコ5の突出した部分は、不図示のキャビティ搬送装置、例えばキャビティベルト、キャビティドラム又はキャビティコーンドラムの不図示のキャビティを越えて突出している。対応するキャビティ搬送装置は、例えば本出願人の独国特許出願番号第102013213936.5に開示されている。
【0033】
共振器中空空間自体は、マイクロ波を通過させる材料、例えばPEEK(ポリエチルエーテルケトン)から成る保護シャッタ26,27でカバーされている。これにより、汚れがマイクロ波共振器内へ侵入することが防止される。保護シャッタ26,27によって、反射型共振器24は3つの共振器中空空間部分125,125’,125”に分割されている。
【0034】
図2a)及び
図2b)には、本発明によるマイクロ波測定装置120の実施例の概略的な斜視断面図が示されている。それぞれ、マイクロ波測定装置120の断面図であり、
図2では、カプセル8を有するフィルタ7を通って延び、貫通路40における搬送路10の中心に配置された切断面であり、
図2では、フィルタ7の長手延長部に対して横方向に延びる断面である。
【0035】
マイクロ波測定装置120は複数の部分を備えている。マイクロ波は、マイクロ波導入部中空空間130と、導入部アンテナとしても、また結合解除アンテナとしても動作するアンテナ36とを含むマイクロ波導入部において結合される。これにより、構造空間が削減される。マイクロ波導入部中空空間130は円形状又はだ円状のシャッタ34を有する壁部によって制限されており、このシャッタを通してマイクロ波が共振器中空空間124内へ侵入する。シャッタ開口部は、他の形状を有することも可能であるか、又は複数のシャッタ開口部も可能であり、これらシャッタ開口部は、例えば提供されるべきマイクロ波場の様式に合わせて選択可能であり得る。
【0036】
共振器中空空間124は、貫通路40によって2つの別々の部分あるいは共振器中空空間部分125,125’に分割されている。貫通路40における共振器中空空間124の延長部自体は、他の共振器中空空間部分125”とみなされることができる。共振器中空空間124のこれら共振器中空空間部分125,125’を貫通路40から分離する保護シャッタ26,27は、マイクロ波に対して透過性を有し、その結果、2つあるいは3つの部分あるいは部分空間、共振器中空空間部分を有する共通の共振器中空空間124が得られる。このとき、中央の共振器中空空間部分125”は、貫通路40に位置する共振器中空空間部分であり、一方、他の両共振器中空空間部分は、マイクロ波を透過する保護シャッタ26,27によって汚れから保護されており、その結果、反射型共振器121の高いQ値をそのまま保証されている。
【0037】
共振器中空空間124は、シャッタ34に対向する反射面32で閉鎖されている。シャッタ34を通して共振器中空空間124内へ至るマイクロ波は、反射面32で反射され、シャッタ34を通って戻り、アンテナ36へ至る。このとき、マイクロ波は、場合によっては中に位置決めされたフィルタ7及びカプセル8を有する貫通路40を二重に通過する。
【0038】
図2a)及び
図2b)に図示された実施例では、共振器中空空間124の拡張部が、棒状の物品の長手方向における断面においてこれに対する横方向におけるよりも小さい。これにより、棒状の物品の長手延長部における良好な分解能が得られる。このことは、保護シャッタ26,27の形状及び配置においても認識可能であり、これら保護シャッタは、タバコ5のフィルタ7におけるカプセル8の目標位置の周囲の部分のみをカバーする。長さの比率と幅の比率を逆にすることも可能であり、その結果、クロス軸方向に搬送される棒状の物品が共振器中空空間124の断面の幅側に当接する。これにより、良好な位置分解能が棒状の物品の長手延長部に対して横方向に達成されることができる。例えばタバコ5のフィルタ7の全長を走査するために、最初に挙げたタイプの複数の同種のマイクロ波測定装置120を千鳥状に互いに配置することが可能である。
【0039】
図2a)及び
図2b)に示された配置は、共振器中空空間124におけるマイクロ波測定領域が側方に突出した壁部44,46及び閉鎖壁42によって外部へはみ出ることを有効に阻止されるという利点を有している。
【0040】
マイクロ波導入部中空空間130における導入部アンテナ36は、
図2a)及び
図2b)において、側方において長いほうの側に配置されている。シャッタ34の開口部はだ円に形成されている。
【0041】
図3には、本発明によるマイクロ波測定装置320の別の実施例が外部からの斜視図で図示されている。この実施例では、カプセル8が無端フィルタロッド9内に埋め込まれており、この無端フィルタロッドは、その搬送路10’上で縦軸方向にマイクロ波測定装置320によって搬送される。このマイクロ波測定装置320は、ケーシングによってカバーされた共振器中空空間324を有する反射型共振器321を含んでおり、共振器中空空間324は、他の点では
図1及び
図2の実施例において示されているのと類似のように形成された貫通路40が複数の共振器中空空間部分325,325’,325”に分割されている。このとき、共振器中空空間部分325”は、貫通路40に位置している。反射型共振器324は、その断面において、保護シャッタ26に基づいて認識可能であるように、ロッド方向においてロッド方向に対して横方向よりも幅広に形成されている。ロッド方向における拡張部も、材料ロッド9におけるカプセルの目標位置間の間隔よりも短い。この幾何形状により、ロッドの中心に配置されていないカプセルに対する高い感度が得られ、測定の時間的な経過中にロッド方向におけるカプセル8の位置及びそれらの間の間隔の良好な測定が可能となる。
【0042】
図4a)及び
図4b)には、複数のマイクロ波測定領域128を有する本発明によるマイクロ波測定装置120の実施例による概略的な断面図が負荷された状態で示されている。
図4a)にはカプセル8を有するフィルタ7を通って横方向の切断平面における断面図が示されている一方、
図4b)には、同一の場及び同一の幾何形状が、これに垂直で、フィルタ7の長手延長部を通る切断平面において示されている。この場合、マイクロ波導入部中空空間130は、より大きく形成されているとともに、2つの部分波を含んでいる。シャッタ34は、マイクロ波導入部中空空間130を共振器中空空間124から分離している。
図4a)では、棒状の製品の搬送路10が記載されている。この棒状の製品は、
図4b)においては紙面に向いている。貫通路40は、
図4a)において対称に認識可能である。最大の場の強度は、フィルタ7の中央、ほぼカプセル8の位置において認識可能である。この場合にも、共振器は反射型共振器121として形成されている。
【0043】
図4b)では、存在する波の最大の場の強度がカプセル8の範囲の周囲に集中していることが見て取れる。マイクロ波の場は、図の右に示された側において、貫通路40の壁部によって、はみ出ることが阻止される。左側、すなわち不図示のキャビティ搬送装置へ向かう側でも、貫通路40の上側及び下側の壁部の延長部によって、はみ出るマイクロ波出力の量が削減されている。両ケースにおいて、右下には場の強度についてのグレースケールが対数表示において示されている。はみ出した場は、少なくともファクタ50〜100だけ弱められている。
【0044】
図5a)及び
図5b)には、複数のマイクロ波測定場228を有する本発明によるマイクロ波測定装置220の別の実施例を通る概略的な断面が負荷されていない状態において示されている。この場合、アンテナ36は、反射型共振器221の共振器中空空間224の長手延長部に対して横方向に配置されている。切断平面は、
図4に基づく切断平面に対して回転されている。すなわち、
図5a)における切断平面が
図4b)に基づく切断平面に対応し、
図5b)に基づく切断平面が
図4a)に基づく切断平面に対応する。
図5a)では、マイクロ波について透過性の保護シャッタ26,27も認識することができる。最大の場の強度は、ここでも反射型共振器221あるいは共振器中空空間224における中央で達成される。壁部及び突出する部分を有する貫通路40の構造によって、マイクロ波出力についての外部環境への非常にわずかなはみ出しが生じる。
【0045】
マイクロ波導入部中空空間230は、この実施例において、共振器中空空間224と類似のように長く延在している。
【0046】
図5に基づく反射型共振器221も、
図1〜
図3の反射型共振器と同様に負荷されていない状態において非常に高いQ値を有している。
【0047】
図6a)及び
図6b)には、様々な二次元のパラメータ空間における解析範囲あるいは測定値範囲の例が図示されている。ここで、パラメータである反射率あるいはSWR(Standing wave ratio:定在波比)、共振周波数f
0及びQ値が評価される。マイクロ波の周波数は、約7.4GHzであり、共振器空間の設定に応じて適合されることができる。
【0048】
図6a)では、y軸に測定されたQ値(無次元)が示されており、x軸には測定された共振周波数がGHzの単位で示されている。また、3つの個体群が区別されている。完全なカプセルを有する完全なフィルタは、測定値範囲60として示された非常に小さな位相空間内に集まっている。新たに壊れたカプセルを有するフィルタは、Q値の減少につながるものであるとともに、測定値範囲62に位置する。一方、既にかなり長く欠陥のあるあらかじめ乾燥されているカプセルを有するフィルタはより大きな共振周波数及びより大きなQ値における位相空間に集まっていて、すなわち、フィルタは、カプセルを有するフィルタほど強くマイクロ波場を損なわず、符号64で示されるより大きな測定値範囲に位置している。
【0049】
同一のデータ点は、
図6b)において定在波比(SWR,無次元)についてのy軸及びQ値(同様に無次元)を有するx軸に示されている。ここで、これらデータ点は、大体線形に並ぶ。完全なカプセルを有するフィルタは、測定値範囲60に集まっているとともに、かなり密に置かれている。新たに壊れたカプセルを有するフィルタは、よりわずかなQ値も、またより大きな定在波比も有しているとともに、測定値範囲62に集まっている。古いはみ出たカプセルを有するフィルタは、より大きなQ値も、またよりわずかな定在波比も有する測定値を有しているとともに、測定値範囲64に置かれている。ちょうど測定値範囲64が測定値範囲60から非常に良好に分離されているため、区別が非常に容易である。特に、図示された3つの変数全体が互いに組み合わされるとともに、測定値範囲が三次元的に規定されれば、測定値範囲60と62の間でも区別を良好に行うことが可能である。
【0050】
このことは、
図7において、三次元的なパラメータ空間における複数の測定点及び解析範囲あるいは測定値範囲によって図示されている。これらの点は、
図6と同様ではあるものの、三次元的に図示されている。完全なカプセルを有する完全なフィルタとちょうど損傷したカプセルを有するフィルタの測定値範囲60及び62は三次元的な図示においては良好に区別可能であることが認識できる。したがって、反射型共振器におけるマイクロ波場の3つの測定量全体の解析は、フィルタの様々な外観の区別のために特に良好に適しているとともに、完全なカプセルを有するフィルタとちょうど損傷したカプセルを有するフィルタの間でも大きな分離を達成する。既にかなり長くはみ出したカプセルを有するフィルタの選別が問題なく可能である。
【0051】
上述の全ての特徴、図面から単独で引き出すことができ、他の特徴と組み合わせて開示された個々の特徴も、単独で、及び組み合わせて、本発明の本質とみなされる。本発明による実施形態は、個々の特徴の組合せ又は複数の特徴の組合せによって満たされることができる。本発明の範囲では、「特に」又は「好ましくは」によって特徴付けられた特徴は、任意の特徴として理解されるべきである。
【符号の説明】
【0052】
5 タバコ
6 タバコストック
7 フィルタ
8 カプセル
9 フィルタロッド
10,10’ 搬送路
20 マイクロ波測定装置
21 反射型共振器
22 ケーシング
24 共振器中空空間
25〜25” 共振器中空空間部分
26,27 保護シャッタ
30 マイクロ波導入部中空空間
32 反射面
34 シャッタ
36 アンテナ
40 貫通路
42 閉鎖壁
44 第1の壁部
46 第2の壁部
60 完全なカプセルを有する測定値範囲
62 新たに壊れたカプセルを有する測定値範囲
64 はみ出たカプセルを有する測定値範囲
120 マイクロ波測定装置
121 反射型共振器
124 共振器中空空間
125〜125” 共振器中空空間部分
128 マイクロ波測定場
130 マイクロ波導入部中空空間
220 マイクロ波測定装置
221 反射型共振器
224 共振器中空空間
225〜225” 共振器中空空間部分
228 マイクロ波測定場
230 マイクロ波導入部中空空間
320 マイクロ波測定装置
321 反射型共振器
324 共振器中空空間
325〜325” 共振器中空空間部分