(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来、おむつの外側から視認可能な模様等が施された使い捨てパンツ型おむつが知られているが、おむつの意匠性を高める点からは、より精緻なデザインを施すことができれば好ましい。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い意匠性を付与することができる使い捨てパンツ型おむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決することができた本発明の使い捨てパンツ型おむつとは、前側胴部と後側胴部とこれらの間に位置する股部とを有し、パンツ形状に形成された使い捨てパンツ型おむつであって、少なくとも股部には、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアとを有する吸収性本体が設けられ、吸収性本体の外面側には外装部材が設けられ、外装部材は少なくとも前側胴部と後側胴部に配置され、外装部材は、外側シートと、外側シートの肌面側に配された内側シートとを有し、外側シートはメルトブロー不織布層を有する不織布から構成され、外側シートの肌面側に印刷部が設けられているところに特徴を有する。
【0006】
本発明の使い捨てパンツ型おむつは、外装部材の外側シートがメルトブロー不織布層を有する不織布から構成され、外側シートの肌面側に印刷部が設けられているため、おむつの外側から見て、当該印刷部をクリアに視認でき、おむつの意匠性を高めることができる。すなわち、メルトブロー不織布層は緻密な繊維層から構成され、フィルムのように形成されるため、外側シートの肌面側に印刷を施すことにより、メルトブロー不織布層の肌面側に印刷面が形成されて、外側シートを外面側から見たときに、当該印刷によって形成された模様等をクリアに視認できる。そのため、外装部材に精緻なデザインを施すことが可能となり、おむつの意匠性を高めることができる。また、外側シートの肌面側に印刷部を設けることにより、おむつの製造や使用の際に印刷部が落ちにくくなり、おむつに施したデザインが良好に保持されやすくなる。
【0007】
外側シートは、メルトブロー不織布層とその外面側にスパンボンド不織布層を有する積層不織布から構成されていることが好ましい。外側シートがこのような不織布から構成されていれば、外側シートの肌面側に施された印刷部を外装部材の外面側から見たときに、印刷模様が穏やかな風合いとなり、使用者にとって親しみやすい外観とすることができる。
【0008】
内側シートは、スパンボンド不織布から構成されていることが好ましい。内側シートがスパンボンド不織布から構成されていれば、外装部材の肌面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様を目立たなくさせることができ、また内側シートの柔軟性も確保しやすくなる。
【0009】
外側シートのメルトブロー不織布層は、α−オレフィン系共重合体を10質量%〜50質量%含有する繊維から形成されていることが好ましい。このようにメルトブロー不織布層が構成されていれば、メルトブロー不織布層の柔軟性を高めることが容易になり、外側シートの柔軟性を確保しやすくなる。
【0010】
外側シートを構成する不織布は、肌面側にエンボス面を有し、外面側に非エンボス面を有することが好ましい。外側シートがこのように構成されていれば、外側シートの柔軟性を高めることができる。また、外装部材の外面側から見て外側シートの肌面側のエンボスが目立たなくなるため、外側シートの外面側がエンボス面となる場合と比べて、外側シートの肌面側に施された印刷模様を目立たせるようにすることができる。
【0011】
外装部材の前側胴部と後側胴部には、外側シートと内側シートの間におむつの幅方向に延びる胴部弾性部材が配されており、外側シートは、少なくとも前側胴部および/または後側胴部に印刷部が設けられることが好ましい。胴部弾性部材を設けることによりおむつの胴部周りのフィット性を高めることができるが、本発明の使い捨てパンツ型おむつはこのように胴部弾性部材を設けた場合でも、外側シートの肌面側に印刷部を設けることにより、外装部材の外面側から見て、当該印刷部によって形成された模様等をクリアに視認することができる。
【0012】
外側シートと内側シートは胴部弾性部材を介して互いに接合されており、外装部材には、外側シートと内側シートの非接着領域がおむつの幅方向に延びるように存在していことが好ましい。このように、外装部材におむつの幅方向に延びる非接着領域を設けることにより、外装部材の肌面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様が目立ちにくくなり、また外装部材の柔軟性を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の使い捨てパンツ型おむつは、外装部材の外側シートがメルトブロー不織布層を有する不織布から構成され、外側シートの肌面側に印刷部が設けられているため、おむつの外側から見て、当該印刷部によって形成された模様等をクリアに視認できる。そのため、外装部材に精緻なデザインを施すことができ、おむつの意匠性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の使い捨てパンツ型おむつは、前側胴部と後側胴部とこれらの間に位置する股部とを有し、ウェスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ形状に形成されたものである。ウェスト開口部は着用者の胴を通すための開口であり、脚開口部は着用者の脚を通すための開口である。前側胴部は、おむつを着用の際に着用者の腹側に当てる部分に相当し、後側胴部は、おむつを着用の際に着用者の背側に当てる部分に相当する。使い捨てパンツ型おむつにおいて、前側胴部と後側胴部はウェスト開口部と脚開口部の間に位置する部分に相当する。股部は、前側胴部と後側胴部との間に位置し、着用者の股間に当てる部分に相当する。股部は一対の脚開口部の間に位置し、幅方向の両側で互いに接合されない。
【0016】
使い捨てパンツ型おむつは前後方向と幅方向を有する。前後方向は、おむつを着用した際に着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当する。幅方向は、使い捨てパンツ型おむつと同一面上にあり前後方向と直交する方向を意味し、おむつを着用した際の着用者の左右方向に相当する。使い捨てパンツ型おむつはまた、肌面側と外面側を有する。肌面側とは、おむつを着用した際の着用者の肌に向く側を意味し、外面側とは、おむつを着用した際の着用者とは反対に向く側を意味する。
【0017】
使い捨てパンツ型おむつは、吸収性本体の外面側に外装部材が設けられて構成されている。外装部材は、おむつの外側から視認可能に設けられる。外装部材は、おむつの最も外面側に位置するように設けられることが好ましい。吸収性本体は、おむつの最も肌面側に位置するように設けられることが好ましい。
【0018】
吸収性本体は、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアを有する。トップシートは吸収性コアの肌面側に配され、バックシートは吸収性コアの外面側に配される。吸収性本体は、おむつの少なくとも股部に配され、さらに前側胴部および/または後側胴部に延在してもよい。
【0019】
外装部材は、おむつの少なくとも前側胴部と後側胴部に配置され、さらに股部にも配置されてもよい。例えば、外装部材が前側胴部と後側胴部のみに配置される場合は、吸収性本体は前側胴部の外装部材と後側胴部の外装部材とに繋がって設けられ、吸収性本体は股部から前側胴部および後側胴部に延在して設けられることとなる。この場合、吸収性本体の一部は股部でおむつの外面側に露出するように設けられてもよい。あるいは外装部材は、前側胴部と後側胴部とこれらの間に位置する股部とを含んで構成されてもよい。この場合、外装部材は、前側胴部と後側胴部とを幅方向の両側で互いに接合することによりパンツ形状に形成することができる。
【0020】
外装部材は、基本的に、吸収性本体よりも幅方向の外方に延在するように設けられる。外装部材はまた、吸収性本体よりも前後方向の外方に延在するように設けられることが好ましい。
【0021】
トップシートは液透過性であることが好ましく、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
【0022】
バックシートは液不透過性であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
【0023】
トップシートやバックシートが不織布から構成される場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。
【0024】
吸収性コアは、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収性コアとしては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いることができる。吸収性コアは、紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等のシート部材で覆われてもよい。吸収性コアに含まれる吸収性材料としては、例えば、セルロース繊維(例えば、粉砕したパルプ繊維)等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸収性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等の体液との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
【0025】
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収性コアは親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
【0026】
吸収性コアは、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
【0027】
シート状吸収体は、吸収性材料として吸水性繊維を用いてもよい。この場合もまた、シート状吸収体が嵩張らず薄型に形成される。吸水性繊維としては、プロトン化または塩形成したカルボキシル基を含有する繊維が挙げられる。例えば、アクリル繊維を加水分解して、アクリル繊維に含まれるニトリル基をカルボキシル基に変換することにより、吸水性繊維を得ることができる。このとき、吸水性繊維に含まれるカルボキシル基は、アルカリ金属塩またはアンモニア塩を形成していることが好ましい。また吸水性繊維は、親水性繊維をアクリル酸に浸漬し、繊維表面でアクリル酸を析出させることにより製造することができる。
【0028】
使い捨てパンツ型おむつには、吸収性本体の幅方向の両側縁に沿って立ち上がりフラップが設けられていることが好ましい。立ち上がりフラップは、例えば、吸収性本体のトップシート上に接合されてもよく、吸収性本体よりも幅方向の外側に設けられてもよい。立ち上がりフラップは、液不透過性や撥水性の不織布やプラスチックフィルム等により構成されることが好ましく、撥水性の不織布により構成されることがより好ましい。立ち上がりフラップを設けることにより、尿等の横漏れを防ぐことができる。
【0029】
立ち上がりフラップが立ち上がった状態の上端近傍(着用者側の端部)には、起立用弾性部材が設けられることが好ましい。起立用弾性部材の収縮力により、着用者側に立ち上がる立体ギャザーが形成され、尿等の横漏れが防止される。
【0030】
外装部材について詳しく説明する。外装部材は、外側シートと、外側シートの肌面側に配された内側シートとを有する。外側シートは、その外面側が、おむつの外側に面するように位置する。内側シートの肌面側には、吸収性本体が設けられる。外側シートと内側シートは、液透過性であっても液不透過性であってもよく、トップシートやバックシートに使用可能なシート材料を用いることができる。
【0031】
内側シートと外側シートは不織布から構成されることが好ましい。不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることができるが、外側シートは少なくともメルトブロー不織布層を有する不織布から構成される。メルトブロー不織布層を有する不織布としては、メルトブロー不織布層のみから構成されるメルトブロー不織布、メルトブロー不織布層の片面にスパンボンド不織布層が積層されたSM不織布、メルトブロー不織布層の両面にスパンボンド不織布層が積層されたSMS不織布等が挙げられる。メルトブロー不織布層は、メルトブロー法により形成された不織布層を意味し、スパンボンド不織布層は、スパンボンド法により形成された不織布層を意味する。SM不織布やSMS不織布は、メルトブロー不織布層またはスパンボンド不織布層が複数積層されていてもよく、例えばSM不織布には、SMM不織布、SSM不織布、SSMM不織布等が含まれ、SMS不織布には、SMMS不織布、SSMS不織布、SSMSS不織布、SSMMS不織布等が含まれる。
【0032】
外装部材の外側シートは、上記に説明したように、少なくともメルトブロー不織布層を有する不織布から構成され、その上で、外側シートの肌面側に印刷が施されている。すなわち、外装部材は、外側シートの肌面側に印刷部が設けられている。本発明の使い捨てパンツ型おむつはこのように構成されることにより、おむつの外側から見て、外装部材に施した印刷部をクリアに視認でき、おむつの意匠性を高めることができる。これについて説明すると、メルトブロー不織布層は緻密な繊維層から構成され、フィルムのように形成されるため、外側シートの肌面側に印刷を施すことにより、インクがメルトブロー不織布層の肌面側の表面に留まり(つまりインクがメルトブロー不織布層をあまり浸透せずに)、メルトブロー不織布層の肌面側に印刷面が形成される。そのため、メルトブロー不織布層がセル画におけるセルのような役割を果たすことができ、外側シートを外面側から見たときに、当該印刷によって形成された模様等をクリアに視認できる。その結果、外装部材に精緻なデザインを施すことが可能となり、おむつの意匠性を高めることができる。使い捨てパンツ型おむつは、外側シートが、メルトブロー不織布層の肌面側にスパンボンド不織布層が積層された積層不織布から構成され、外側シートの肌面側に施された印刷が直接的にはスパンボンド不織布層になされたものであっても、インクがスパンボンド不織布層を浸透してメルトブロー不織布層の肌面側に印刷面を形成することができるため、外側シートの外面側から見て、当該印刷によって形成された模様等をクリアに視認できる。これに対して、例えば外側シートがスパンボンド不織布層のみを有するスパンボンド不織布から構成される場合は、外側シートの肌面側に印刷を施すと、インクがスパンボンド不織布層を浸透して外側シートの厚み方向に不均一に留まりやすくなるため、外側シートを外面側から見たときに、印刷によって形成された模様の輪郭などがぼやけやすくなる。そのため、外装部材に細かい印刷模様を付与することが難しくなる。
【0033】
本発明の使い捨てパンツ型おむつはまた、外側シートの肌面側に印刷部を設けることにより、おむつの製造や使用の際に、当該印刷部が落ちにくくなるという効果も得られる。外装部材において外側シートの肌面側は外部への非露出面となるため、おむつ製造時に外装部材が搬送ローラー等と接触することにより、あるいはおむつ使用時に着用者の衣類等と接触することなどにより、印刷部がこすれて落ちることも起こりにくくなる。
【0034】
外側シートは、少なくとも前側胴部および/または後側胴部に印刷部が設けられることが好ましく、これによりおむつの意匠性を高めることができる。より好ましくは、外側シートは前側胴部と後側胴部の両方に印刷部が設けられ、また、股部にも印刷部が設けられてもよい。印刷部は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の従来公知の印刷方法を用いて形成すればよい。
【0035】
外側シートの肌面側の印刷部は、外側シートを外面側から見たときに視認可能に形成されていることが好ましく、少なくとも一部が白色以外の色で形成されていることが好ましい。より好ましくは、外側シートの肌面側の印刷部は少なくとも一部が有彩色で形成され、これにより外装部材の意匠性を高めることができる。印刷によって形成される模様(デザイン)には、図形、イラスト、柄(パターン)、文字などが含まれる。
【0036】
外側シートは、メルトブロー不織布層とその外面側にスパンボンド不織布層を有する積層不織布から構成されていることが好ましい。すなわち外側シートは、SM不織布(ただし、スパンボンド不織布層が外側シートの外面側に位置する)またはSMS不織布から構成されていることが好ましい。外側シートがこのような不織布から構成されていれば、外側シートの肌面側に施された印刷部を外装部材の外面側から見たときに、印刷模様が穏やかな風合いとなり、使用者にとってより親しみやすい外観とすることができる。
【0037】
外側シートは、メルトブロー不織布層とその肌面側にスパンボンド不織布層を有する積層不織布から構成されていることも好ましい。すなわち外側シートは、SM不織布(ただし、スパンボンド不織布層が外側シートの肌面側に位置する)またはSMS不織布から構成されていることが好ましい。外側シートがこのような不織布から構成されていれば、メルトブロー不織布層の印刷面がスパンボンド不織布層によって保護される形となるため、例えば外側シートと内側シートの間に弾性部材を配したような場合でも、外側シートの肌面側の印刷部が落ちにくくなる。
【0038】
外側シートは、メルトブロー不織布層の両面(外面側と肌面側)にスパンボンド不織布層が設けられた積層不織布から構成されていることがより好ましい。すなわち外側シートは、SMS不織布から構成されていることが好ましい。外側シートがこのような不織布から構成されていれば、おむつの意匠性をより高めることができるとともに、外側シートの肌面側の印刷部を落ちにくくすることができる。
【0039】
外側シートのメルトブロー不織布層の目付(単位面積当たりの質量)は、例えば1g/m
2以上が好ましく、2g/m
2以上がより好ましく、また18g/m
2以下が好ましく、12g/m
2以下がより好ましく、8g/m
2以下がさらに好ましい。外側シートのメルトブロー不織布層がこのような目付で形成されていれば、メルトブロー不織布層に好適に印刷面を形成しやすくなるとともに、メルトブロー不織布層が厚くなりすぎず、外側シートの柔軟性を確保しやすくなる。
【0040】
外側シートのスパンボンド不織布層の目付は、例えば3g/m
2以上が好ましく、4g/m
2以上がより好ましく、5g/m
2以上がさらに好ましく、また12g/m
2以下が好ましく、10g/m
2以下がより好ましく、8g/m
2以下がさらに好ましい。外側シートのスパンボンド不織布層がこのような目付で形成されていれば、外側シートにスパンボンド不織布層を設けることの効果が好適に奏されやすくなるとともに、メルトブロー不織布層の肌面側にスパンボンド不織布層を設ける場合は、メルトブロー不織布層に好適に印刷面が形成されやすくなる。
【0041】
外側シートの目付は、例えば8g/m
2以上が好ましく、12g/m
2以上がより好ましく、15g/m
2以上がさらに好ましく、また36g/m
2以下が好ましく、30g/m
2以下がより好ましく、24g/m
2以下がさらに好ましい。このように外側シートを構成することにより、外側シートの強度を確保しつつ、外側シートをごわつかずに柔軟に形成することが容易になる。
【0042】
外側シートのメルトブロー不織布層は、α−オレフィン系共重合体を10質量%〜50質量%含有する繊維から形成されていることが好ましい。このように外側シートのメルトブロー不織布層が構成されていれば、メルトブロー不織布層の柔軟性を高めることが容易になり、外側シートの柔軟性を確保しやすくなる。メルトブロー不織布層の構成繊維のα−オレフィン系共重合体の含有量は、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、また45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
【0043】
α−オレフィン系共重合体は、2種以上のα−オレフィンが共重合したものであれば特に限定されず、炭素数2〜10のα−オレフィンを共重合したものがより好ましい。α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィンのランダム共重合体であることが好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィン以外のモノマー単位を有するものであってもよく、例えばジエン化合物由来の単位を有していてもよい。この場合のジエン化合物としては非共役ジエン化合物であることが好ましく、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン等の鎖状非共役ジエンや、シクロヘキサジエン等の環状非共役ジエン等が挙げられる。なお、α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィン由来の単位を主成分として含むことが好ましく、α−オレフィン系共重合体100質量%中のα−オレフィン由来の単位の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらにより好ましい。α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィン由来の単位のみを含むものであってもよい。
【0044】
α−オレフィン系共重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、またはプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましい。α−オレフィン系共重合体がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である場合、α−オレフィン系共重合体中、エチレン由来の単位の含有量は、炭素数3〜20のα−オレフィン由来の単位の含有量よりも多いことが好ましい(モル基準)。α−オレフィン系共重合体がプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体である場合、α−オレフィン系共重合体中、プロピレン由来の単位の含有量は、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の単位の含有量よりも多いことが好ましい(モル基準)。
【0045】
外側シートを構成する不織布は、エンボス不織布であることが好ましい。外側シートがエンボス不織布から構成されていれば、外側シートの柔軟性を高めることができ、おむつの着用感を向上させることができる。外装部材の外面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様を目立たせるようにする点からは、外側シートは、肌面側にエンボス面を有し、外面側に非エンボス面を有することがより好ましい。外側シートの外面側を非エンボス面とすることにより、外装部材の外面側から見て外側シートの肌面側のエンボスが目立たなくなり、外側シートの外面側がエンボス面となる場合と比べて、外側シートの肌面側に施された印刷模様を目立たせるようにすることができる。
【0046】
外側シートを構成する不織布は、全光線透過率がある程度低く形成されていてもよい。上記に説明したように、本発明の使い捨てパンツ型おむつは、外装部材の外面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様をクリアに視認することができるため、外側シートの不織布の全光線透過率をある程度低く形成することができ、これにより外側シートによる視覚的な遮蔽性を高めることができる。外側シートの不織布の全光線透過率は、例えば30%以上であってもよく、40%以上であってもよく、50%以上であってもよい。外側シートの不織布の全光線透過率の上限は特に限定されないが、85%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、75%以下がさらに好ましい。なお、ここで説明した外側シートの不織布の全光線透過率は、印刷を施す前の外側シートの不織布の全光線透過率を意味し、外側シートの非印刷部の全光線透過率を意味する。全光線透過率は、JIS K 7375:2008に基づき測定する。
【0047】
一方、内側シートは、スパンボンド不織布またはエアスルー不織布から構成されていることが好ましく、スパンボンド不織布から構成されていることがより好ましい。内側シートがこのような不織布から構成されていれば、内側シートが比較的嵩高く形成され、外装部材の肌面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様を目立たなくさせることができる。特に、内側シートをスパンボンド不織布から構成することにより、内側シートの柔軟性も確保しやすくなる。なお本発明において、スパンボンド不織布とは、スパンボンド不織布層のみからなる不織布を意味する。
【0048】
内側シートの目付は、例えば8g/m
2以上が好ましく、12g/m
2以上がより好ましく、15g/m
2以上がさらに好ましく、また36g/m
2以下が好ましく、30g/m
2以下がより好ましく、24g/m
2以下がさらに好ましい。このように内側シートを構成することにより、内側シートの強度を確保しつつ、内側シートをごわつかずに柔軟に形成しやすくなる。
【0049】
内側シートの全光線透過率は特に限定されないが、外装部材の肌面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様を目立たなくさせる点から、外側シートの不織布の全光線透過率よりも低いことが好ましい。内側シートの全光線透過率は、例えば10%以上であってもよく、25%以上であってもよく、40%以上であってもよい。内側シートの全光線透過率の上限は特に限定されないが、85%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、75%以下がさらに好ましい。なお、ここで説明した内側シートの全光線透過率は、内側シートを構成するシート材料の全光線透過率を意味し、内側シートが不織布から構成される場合は、内側シートを構成する不織布の全光線透過率を意味する。
【0050】
内側シートは、外側シートと部分的に接合されていることが好ましい。すなわち、外側シートと内側シートは全面接合されるのではなく、外側シートと内側シートに部分的に設けられた接合部で互いに接合されることが好ましい。外側シートと内側シートが部分的に接合されることとにより、外装部材の肌面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様を目立たなくさせることができる。この場合の接合部の形状や配置は特に限定されない。接合部は、例えば任意の形状で散点状に設けられてもよく、格子状や線状に設けられてもよい。接合部が散点状に設けられる場合、接合部の1つ1つの形状は、円形、楕円形、多角形、波形、星形等、特に限定されず、これらは規則的な配置パターンで設けられてもよく、ランダムな配置パターンで設けられてもよい。接合部が格子状や線状に設けられる場合、格子状や線状のパターンを構成する各線は、直線、波線、ジグザグ線等いずれであってもよく、この場合、各線は外側シートまたは内側シートの幅方向または前後方向のほぼ全体にわたって設けられることが好ましい。
【0051】
外装部材は、外側シートと内側シートの間に種々の弾性部材を配することができる。外装部材に弾性部材を配することにより、使い捨てパンツ型おむつのフィット性を高めたり、また漏れ防止効果を高めることができる。
【0052】
例えば、外装部材の前側胴部と後側胴部には、外側シートと内側シートの間におむつの幅方向に延びる胴部弾性部材が配されていることが好ましく、これによりおむつの胴部周りのフィット性を高めることができる。本発明の使い捨てパンツ型おむつでは、例えば外装部材の前側胴部および/または後側胴部に印刷部が設けられ、その上で外装部材の前側胴部と後側胴部に胴部弾性部材が配されていても、印刷部が外側シートの肌面側に設けられることにより、外装部材の外面側から見て、当該印刷部によって形成された模様等をクリアに視認することができる。すなわち、胴部弾性部材の収縮力によって外装部材の前側胴部や後側胴部がおむつの幅方向に縮んでも、外装部材の外面側から見て、外側シートの肌面側の印刷模様がぼけることなくクリアに視認することができる。
【0053】
胴部弾性部材は、外側シートと内側シートに接着されていることが好ましい。すなわち、外側シートと内側シートは胴部弾性部材を介して互いに接合されていることが好ましい。この場合、外装部材には、外側シートと内側シートの非接着領域がおむつの幅方向に延びるように存在していることが好ましく、これにより、外装部材の肌面側から見て、外側シートの肌面側に施された印刷模様が目立ちにくくなる。また、外側シートと内側シートを全面接着する場合と比べて、外装部材の柔軟性を高めることができる。胴部弾性部材は、伸張状態で、外側シートと内側シートに接着されていることが好ましい。
【0054】
胴部弾性部材は、前側胴部および/または後側胴部に、前後方向に並んで複数本設けられることが好ましい。また、胴部弾性部材のうち、ウェスト開口部の縁に沿って前後方向に狭い間隔で設けられる弾性部材を腰部弾性部材として設けてもよく、これにより着用者の腰周りに沿ったウェストギャザーが形成され、背中側や腹部側からの尿等の排泄物の漏れが防止される。
【0055】
外装部材の柔軟性を高める点からは、胴部弾性部材はその両端部のみ(例えば、胴部弾性部材の端から30mm以内の部分のみ)が外側シートと内側シートに接合され、両端部の間の中間部が外側シートと内側シートに接合されないことも好ましい。この場合、前後方向に並んで複数設けられた胴部弾性部材の間で、外側シートと内側シートがおむつの幅方向に並んだ接合部で互いに接合されることが好ましく、これにより胴部弾性部材の配設位置を所定の範囲に収めることができるとともに、外装部材の柔軟性を確保することができる。
【0056】
外側シートは、ウェスト開口部の縁で内側シート側に折り返されていることが好ましい。これにより、外装部材のウェスト開口部の縁をきれいに形成することができる。この場合、胴部弾性部材の少なくとも一部は、ウェスト開口部の縁で折り返された外側シートの間に配されてもよい。
【0057】
外装部材には、脚開口部の縁に沿って脚部弾性部材が配されていてもよく、これにより脚開口部からの尿等の排泄物の漏れを防止することができる。脚部弾性部材を構成する弾性部材の数は特に限定されないが、複数本並んで設けられることが好ましい。脚部弾性部材は外側シートと内側シートの間に配されることが好ましい。
【0058】
使い捨てパンツ型おむつに設けられる各弾性部材としては、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常の使い捨ておむつに用いられる弾性伸縮材料を用いることができる。各弾性部材は、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)や溶着(例えば、超音波溶着)等の公知の接合手段を用いて、伸張状態で取り付けられることが好ましい。例えば、繊度40〜1,240dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1〜5.0倍に伸張して配設し、固定する。接着剤としては、ゴム系のホットメルト接着剤を用いることが好ましい。なお、前記倍率は、非伸張状態を1.0倍とする。
【0059】
次に、本発明の使い捨てパンツ型おむつについて、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図1〜
図4には、本発明の使い捨てパンツ型おむつの一例を示す。
図1は使い捨てパンツ型おむつの斜視図を表し、
図2は、
図1に示した使い捨てパンツ型おむつの前側胴部と後側胴部との接合を解いて平面に展開した状態を肌面側から見た平面図を表し、
図3は、
図1に示した使い捨てパンツ型おむつの前側胴部と後側胴部との接合を解いて平面に展開した状態を外面側から見た平面図を表し、
図4は、
図2および
図3に示した使い捨てパンツ型おむつのIV−IV断面図を表す。図面では、矢印xがおむつの幅方向を表しており、矢印yがおむつの前後方向を表しており、矢印zがおむつの厚み方向を表している。
【0060】
使い捨てパンツ型おむつ1は、前側胴部Pと後側胴部Qとこれらの間に位置する股部Rとから構成され、ウェスト開口部3と一対の脚開口部4を有するパンツ形状に形成されている。使い捨てパンツ型おむつ1は、少なくとも股部Rに吸収性本体7が設けられ、吸収性本体7の外面側に外装部材2が設けられている。外装部材2は少なくとも前側胴部Pと後側胴部Qに配置されていればよく、図面では、外装部材2は股部Rにも配置されている。すなわち、外装部材2は前側胴部Pと後側胴部Qとこれらの間に位置する股部Rとを有し、前側胴部Pと後側胴部Qとが幅方向xの両側のサイド接合部11で互いに接合されることにより、パンツ形状に形成されている。なお、前側胴部Pと後側胴部Qは、前後方向yに対して、ウェスト開口部3と脚開口部4の間に位置する部分に相当する。
【0061】
吸収性本体7は、トップシート8とバックシート9とこれらの間に配された吸収性コア10とを有する(
図2および
図4を参照)。吸収性本体7は、使い捨てパンツ型おむつ1の少なくとも股部Rに存在すればよく、さらに前側胴部Pおよび/または後側胴部Qに延在していることが好ましい。吸収性本体7や吸収性コア10は、例えば、略砂時計形や略長方形に形成される。
【0062】
吸収性本体7には、幅方向xの両側に立ち上がりフラップ12が設けられることが好ましい。立ち上がりフラップ12を設けることにより、尿等の排泄物の横漏れを防ぐことができる。立ち上がりフラップ12が立ち上がった状態の上端部(着用者側の端部)には、起立用弾性部材13が設けられることが好ましい。起立用弾性部材13の収縮力により、立ち上がりフラップ12が起立しやすくなる。
【0063】
外装部材2は、外側シート5と、外側シート5の肌面側に配された内側シート6とを有する。外側シート5はメルトブロー不織布層を有する不織布から構成され、外側シート5の肌面側5Aに印刷部が設けられている(
図4を参照)。外装部材2はこのように構成されることにより、外装部材2の外面側から見て、外側シート5の肌面側5Aに施された印刷模様をクリアに視認でき、おむつの意匠性を高めることができる。外側シート5は、メルトブロー不織布層とその外面側にスパンボンド不織布層を有する積層不織布から構成されていることが好ましく、メルトブロー不織布層の両面にスパンボンド不織布層が設けられたSMS不織布から構成されていることがより好ましい。一方、内側シート6はスパンボンド不織布から構成されていることが好ましく、これにより、外装部材2の肌面側から見て、外側シート5の肌面側5Aに施された印刷模様を目立たなくさせることができ、また内側シート6の柔軟性も確保しやすくなる。
【0064】
図1〜
図3に示すように、外装部材2の前側胴部Pと後側胴部Qには、外側シート5と内側シート6の間に幅方向xに延びる胴部弾性部材14が設けられることが好ましい。胴部弾性部材14を設けることにより、着用者の胴周りのフィット性が高められる。なお、外側シート5の肌面側5Aには、少なくとも前側胴部Pおよび/または後側胴部Qに印刷部が設けられていることが好ましい。使い捨てパンツ型おむつ1は、外装部材2の前側胴部Pと後側胴部Qに胴部弾性部材14が設けられ、外装部材2が幅方向xに収縮しても、外側シート5の肌面側5Aに施された印刷模様をクリアに視認することができる。なお、外側シート5と内側シート6は胴部弾性部材14を介して互いに接合され、外装部材2には、外側シート5と内側シート6の非接着領域が幅方向xに延びるように存在していることが好ましい。このように外側シート5と内側シート6の間に非接着部を設けることにより、外装部材2の肌面側から見て、外側シート5の肌面側5Aに施された印刷模様が目立ちにくくなり、また外装部材2の柔軟性を高めることができる。
【0065】
胴部弾性部材14のうち、ウェスト開口部3の縁に沿って前後方向yに狭い間隔で設けられる弾性部材を、腰部弾性部材15として設けてもよい。これにより着用者の腰周りに沿ったウェストギャザーが形成され、おむつの背中側や腹部側からの尿等の排泄物の漏れが防止される。
【0066】
外装部材2には、脚開口部4の縁に沿って、脚部弾性部材16が設けられることが好ましい。脚部弾性部材16は、外側シート5と内側シート6の間に配されることが好ましい。図面では、脚部弾性部材16は、脚開口部4の前側の縁に沿って設けられる前側脚部弾性部材16Fと、脚開口部4の後側の縁に沿って設けられる後側脚部弾性部材16Bとから構成されている。前側脚部弾性部材16Fと後側脚部弾性部材16Bとにより、脚開口部4の縁のほぼ全周にわたり弾性部材が設けられる。脚部弾性部材16により、着用者の脚周りに沿ったレッグギャザーが形成され、股部からの尿等の排泄物の漏れが防止される。なお、図面では、前側脚部弾性部材16Fと後側脚部弾性部材16Bが互いに離間して設けられているが、前側脚部弾性部材16Fと後側脚部弾性部材16Bは互いに接していたり交差していてもよい。
【0067】
脚部弾性部材16は、股部Rを幅方向xに横切る部分で断続的に設けられることが好ましい。これにより、股部Rで吸収性本体7や吸収性コア10が歪むことを低減することができる。脚部弾性部材16を断続的に設ける方法としては、例えば、脚部弾性部材16を外装部材2に固定した後、脚部弾性部材16をカッター等で切断すればよい。この際、脚部弾性部材16は複数箇所で切断することが好ましい。