(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
構造(I)の全てのトリアルキルホスファートと全ての塩Sとの全質量は、前記水溶液の全質量を基準として65質量%〜95質量%の範囲にある、請求項18から22までのいずれか1項に記載の吸収媒体A1*。
構造(I)の全てのトリアルキルホスファートの全質量の、全ての塩Sの全質量に対する比率は、1:9999〜1:9の範囲にある、請求項18から23までのいずれか1項に記載の吸収媒体A1*。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
湿ったガス混合物の除湿は、多様な技術分野で必要である。
【0003】
例えば、建物又は車両の換気及び空調は、一般に、冷却されるべき空気は、しばしば、所望の温度に冷却する間に温度が露点温度よりも低くなるほど湿っているため、空気の冷却ばかりでなく、空気の除湿も必要である。したがって、従来の空調システムでは、空気の除湿が、電力消費の大部分を占めている。
【0004】
建物用の空調システムの電力消費は、乾燥媒体を用いて水を吸着又は吸収することで空気を除湿し、引き続き水を含む乾燥媒体を、再び水が脱着する温度に加熱することで再生することにより低減される。固体吸着剤による吸着と比べて、液体吸収媒体中への吸収の利点は、空気除湿を、装置の複雑さを減らしかつ僅かな乾燥剤で実施することができ、水を含む乾燥剤の再生を、太陽熱を用いて実施することが容易である点にある。
【0005】
湿ったガス混合物の除湿が用いられる他の技術分野は、吸収式冷凍機の分野である(原理は、国際公開第2014/079675号(WO 2014/079675 A1)に記載されている;「吸収式冷凍機」は、本発明によれば「吸収ヒートポンプ」と同義に使用される)。ここで、湿ったガス混合物は、低圧下での水の蒸発の間に形成される。こうして形成された水蒸気は、湿ったガス混合物から除去する必要があり、こうして、次いで、この混合物は、新たなサイクルに通すために水蒸発に戻すことができる。ここでも、液体吸収媒体中での吸収は、固体吸着媒体による吸着よりも好ましい。
【0006】
吸収式冷凍機で使用することに加えて、ガス流の乾燥を必要とする更なる領域が依然として存在する。これは、このために使用されるイオン液体に関して他の要件を適用する天然ガス精製である。
【0007】
イオン液体を用いて湿分を吸収するために、先行技術は一連のイオン液体を提案する。例えば、独国特許出願公開第102010004779号明細書(DE 10 2010 004 779 A1)は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムクロリドを挙げている。
【0008】
中国特許出願公開第102335545号明細書(CN 102335545 A)は、アルキルホスファートを基礎とする一連のイオン液体、すなわち、とりわけ1,3−ジメチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスファート及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスファートを記載している。
【0009】
Y. Luo et al., Appl. Thermal Eng. 31 (2011) 2772-2777は、空気除湿のために、臭化リチウムの水溶液の代わりに、イオン液体の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラートを使用することを提案している。しかしながら、このイオン液体は、僅かな吸収能力を示すだけであるという欠点を有する。
【0010】
Y. Luo et al., Solar Energy 86 (2012) 2718-2724は、空気除湿のために、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラートの代わりに、イオン液体の1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタートを提案している。このアセタートは、M. Kanakubo et al., J. Mol. Liq. 217 (2016) 112-119にも記載されている。
【0011】
米国特許出願公開第2011/0247494号明細書(US 2011/0247494 A1)は、この目的のために更なるイオン液体、つまり1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタートを提案している。
【0012】
これらのイオン液体を吸収式冷凍機に適用することも、国際公開第2013/050242号(WO 2013/050242 A1)に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この目的を達成する吸収媒体は、意外にも見出された。
【0019】
本発明の詳細な説明
したがって、本発明は、湿ったガス混合物G
1を、構造(I)
【化1】
の少なくとも1種のトリアルキルホスファートと、Q
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-、(Q
+)
2R
2OPO
32-、Q
+M
+R
3OPO
32-からなる群から選択される少なくとも1種の塩Sとの混合物を含む液体吸収媒体A
1と接触させて、湿ったガス混合物G
1と比べて低い水含有率を示すガス混合物G
2及び液体吸収媒体A
1と比べて高められた水含有率を示す液体吸収媒体A
2を得る、湿ったガス混合物G
1を除湿する方法に関する。
Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、特にアルキル基は、各々無関係に、1〜10の炭素原子を有し、
A
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、HSO
4-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、R
*、R′、R″、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、特に1〜10の炭素原子を有するアルキル基であり、
R
1、R
2、R
3は、各々無関係に、特に1〜10の炭素原子を有するアルキル基であり、
かつ、M
+は、アルカリ金属イオン、好ましくはLi
+、K
+又はNa
+、より好ましくはK
+又はNa
+である。
【0020】
「湿った」とは、本発明との関連で、「水、特に水蒸気を含む」を意味するものと解釈される。「除湿」とは、「少なくとも部分的に水を除去すること」を意味するものと解釈される。
【0021】
「少なくとも部分的」とは、本発明との関連で、「一部又は全部」を意味するものと解釈される。
【0022】
したがって、「湿ったガス混合物G
1」は、本発明との関連で、ガス混合物G
1が、水、特に水蒸気(「水蒸気」とは、気体状態の水を意味するものと解釈される)を含み、かつ、この組成は、その他の点で何ら特別な限定を受けないことを意味するものと解釈される。湿ったガス混合物の水含有率は、何ら特別な限定を受けることはないが、特に0.01体積%〜99.99体積%である(「体積%」は、湿ったガス混合物G
1の全体積を基準とした水蒸気の体積を表す)。湿ったガス混合物G
1の組成は、その他の点で、本発明による方法の適用に依存して変化してよい。湿ったガス混合物G
1は、特に、湿った天然ガス、湿った空気(これは、湿った室内空気又は吸収式冷凍機中での水の蒸発から生じる湿った空気であってよい)、好ましくは湿った空気から選択される。湿った天然ガスについての水含有率は、特に、0.01体積%〜15.00体積%であり、湿った空気についての水含有率は、特に、湿った室内空気の場合に0.01体積%〜15.00体積%であり、又は吸収式冷凍機中での水の蒸発から生じる湿った空気に関する場合に好ましい範囲は、特に95.00体積%〜99.99体積%である。
【0023】
この方法で使用される湿ったガス混合物G
1は、特に2℃〜100℃、好ましくは3℃〜60℃、より好ましくは4℃〜50℃、更により好ましくは5℃〜40℃の温度を示し、かつその他の点で何ら特別な限定を受けない。しかしながら、この温度範囲での吸収能力は良好であるため、本発明によるこの方法は、特に、天然ガスの除湿のために適していて、このガスの処理はしばしばこの温度範囲で行われる。
【0024】
本発明による方法の場合に、吸収媒体A
1は、好ましくは10℃〜100℃、好ましくは15℃〜80℃、より好ましくは20℃〜50℃、更により好ましくは20℃〜30℃の温度を示す。
【0025】
この接触は、当業者に公知である任意の方法で、特に水吸収ユニットW
abs1(後で説明する)中で行われてよい。この接触は、吸収媒体A
1が、湿ったガス流のガス混合物G
1から、湿分、すなわち水を少なくとも部分的に吸収することを引き起こす。
【0026】
本発明による方法は、特に、装置V
1中で実施される。この装置V
1は、本発明による方法を実施するために適している程度でのみ限定される。特に、次の構成要素:
(i)湿ったガス混合物を液体吸収媒体、特にA
1と接触させるために設置された少なくとも1つの水吸収ユニットW
abs1
を備えた装置V
1を使用してよい。
【0027】
装置V
1は、また、任意に、次の構成要素を備える:
(ii)熱交換器W
x1を備え、かつ液体吸収媒体、特にA
2から水を少なくとも部分的に除去するために設置された少なくとも1つの水脱着ユニットW
des1、
(iii)及び、水吸収ユニットW
abs1を水脱着ユニットW
des1と接続し、かつ液体吸収媒体、特にA
1及びA
2を循環させることができる循環路U
1。
【0028】
したがって、本発明による方法は、水吸収ユニットW
abs1中で、当業者に通常のように実施されてよい。使用可能な水吸収ユニットW
abs1は、特に当業者に公知の水吸収器を備える。この吸収器は、液体吸収媒体A
1の表面積を増大させ、かつ同時に水の吸収の間に、水吸収器中での液体吸収媒体A
1のできる限り長い滞留時間を達成する原理に基づく。特に、ここでは、充填層、噴霧塔、流下薄膜、気泡塔、段塔、湿式スクラバ(例えばベンチュリスクラバ)、攪拌槽及びこれらの吸収器の組み合わせの群から選択された水吸収器を使用することができる。特に、水吸収器として、流下薄膜、特に多管式流下薄膜を使用することが好ましい。この水吸収ユニットW
abs1は、特に、液体吸収媒体A
1を所望の温度に調節するために設置された付加的な熱交換器W
z1を備えていてもよい。
【0029】
熱交換器W
x1を備えた水脱着ユニットW
des1中では、水を含む液体吸収媒体、特にA
2から、同じ水を引き出すことができる。この水脱着ユニットW
des1は、水を含む液体吸収媒体、特にA
2に熱を供給し、水を含む液体吸収媒体A
1の表面積を増大させ、同時に水脱着ユニットW
des1中での水を含む液体吸収媒体、特にA
2のできる限り長い滞留時間を達成する原理に基づく。
【0030】
熱交換器W
x1を備えた使用可能な水脱着ユニットW
des1は、特に、当業者に公知の熱交換器と水脱着器との組み合わせを備え、特に、上流側の熱交換器、特に多管式熱交換器、平板式熱交換器を備えた水平式管型蒸発器を備える。更に、熱交換器W
x1を備えた水脱着ユニットW
des1は、組込型熱交換器を備えた水脱着器であってもよい。このような組込型熱交換器を備えた水脱着器は、特に、上昇式薄膜蒸発器、垂直長管型蒸発器、垂直短管型蒸発器、強制循環型蒸発器、攪拌式薄膜蒸発器である。水脱着ユニットW
des1として、流下薄膜、特に多管式流下薄膜を使用することが特に好ましい。
【0031】
循環路U
1内で、特に水吸収ユニットW
abs1からの水を含む液体吸収媒体A
2は、水脱着ユニットW
des1に案内され、かつ更により好ましくは、特に本発明による方法が連続式に実施される場合に、水脱着ユニットW
des1からの液体吸収剤は、水吸収ユニットW
abs1に案内される。
【0032】
この循環路U
1は、特に、導管、特にチューブ、ホースからなる群から選択される導管である。
【0033】
更に好ましい実施態様の場合に、循環路U
1は、また、ポンプを備える。
【0034】
できるだけ多くの湿分が湿ったガス混合物G
1から吸収されるために、湿ったガス混合物G
1の接触の間に、吸収媒体A
1を冷却することが好ましい。これは、例えば、水吸収ユニットW
abs1中の付加的な熱交換器W
z1を介して達成してよい。
【0035】
本発明による方法において、湿ったガス混合物G
1を、構造(I)
【化2】
の少なくとも1種のトリアルキルホスファートとQ
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-、(Q
+)
2R
2OPO
32-、Q
+M
+R
3OPO
32-からなる群から選択される少なくとも1種の塩Sとの混合物を含む液体吸収媒体A
1と接触させて、湿ったガス混合物G
1と比べて低い水含有率を示すガス混合物G
2及び液体吸収媒体A
1と比べて高められた水含有率を示す液体吸収媒体A
2を得て、
Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、特にアルキル基は、各々無関係に、1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有し、
A
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、HSO
4-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、
R
*、R′、R″、R
A、R
B、R
C、R
1、R
2、R
3は、各々無関係に、特に1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル基であり、
かつ、M
+は、アルカリ金属イオン、好ましくはLi
+、K
+又はNa
+、より好ましくはK
+又はNa
+である。
【0036】
本発明による方法の好ましい実施態様の場合に、塩Sは、Q
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-からなる群から選択され、Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、アルキル基は、各々無関係に、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2の炭素原子を有し、かつA
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、ここで、R
*、R
1、R′、R″、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル基である。
【0037】
本発明による方法のより好ましい実施態様の場合に、塩Sは、一般式Q
+(R
1O)
2PO
2-を示し、Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、アルキル基は、各々無関係に、メチル又はエチルであり、R
1、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、メチル又はエチルである。
【0038】
本発明による方法の更により好ましい実施態様の場合に、塩Sは、一般式Q
+(R
1O)
2PO
2-を示し、Q
+は、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムからなる群から選択され、R
A、R
B、R
C、R
1は、各々無関係に、メチル又はエチルである。更により好ましくは、Q
+は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムであり、R
A、R
B、R
C、R
1は、各々無関係に、メチル又はエチルである。
【0039】
更に、本発明による方法の前述の全ての実施態様の場合に、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、メチル、エチルから選択される場合が特に好ましく、より好ましくは、R
A=R
B=R
C=メチル又はR
A=R
B=R
C=エチル、特に好ましくはR
A=R
B=R
C=エチルである。
【0040】
液体吸収媒体A
1は、本発明による方法において、構造(I)のトリアルキルホスファートと塩Sとの純粋な混合物の形で使用してもよい。あるいは、より好ましくは本発明による方法において、液体吸収媒体A
1は、特に、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートと全ての塩Sの全質量が、水溶液の全質量を基準として65質量%〜95質量%の範囲にある水溶液である。よりいっそう好ましくは、A
1中で、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートと全ての塩Sの全質量が、水溶液の全質量を基準として70質量%〜90質量%の範囲にある、更により好ましくは75質量%〜87質量%の範囲にある。
【0041】
本発明による方法において、吸収媒体A
1中での構造(I)の全てのトリアルキルホスファートの塩Sに対する比率は、何ら更なる限定を受けない。しかしながら、本発明による方法において、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートの全質量の、全ての塩Sの全質量に対する比率が、1:9999〜1:9、より好ましくは1:9999〜1:99、更により好ましくは1:9999〜1:999の範囲にある吸収媒体A
1を使用することが好ましい。
【0042】
本発明による方法で得られる、湿ったガス混合物G
1と比べて低い水含有率を示すガス混合物G
2は、除湿されたガス流を表し、除湿された天然ガスの場合には、発電に供給することができる。
【0043】
本発明による方法において得られる液体吸収媒体A
2は、液体吸収媒体A
1と比べて高められた水含有率を示す。A
2は、これに含まれる塩Sに関して、及びこれに含まれる構造(I)のトリアルキルホスファートに関して、A
1と同じであり、好ましくはその水含有率によってのみ区別されることが認識されるであろう。
【0044】
本発明による方法の好ましい実施態様の場合に、更なる工程[「任意の工程b)」、ここで、本発明による方法は、この関連で、「工程a)」と解釈される]において、液体吸収媒体A
2から水を少なくとも部分的に除去して、液体吸収媒体A
2と比べて低い水含有率を示す液体吸収媒体A
3を得ることが行われる。ここでは、付加的に熱が液体吸収媒体A
2に供給される。熱の供給及び少なくとも部分的な除去は、当業者に公知の任意の方法で、特に熱交換器W
x1を備えた水脱着ユニットW
des1中で行ってよい。液体吸収媒体A
2からの水の少なくとも部分的な除去は、液体吸収媒体A
2と比べて低い水含有率を示す液体吸収媒体A
3を提供する。
【0045】
液体吸収媒体A
3は、これに含まれる塩Sに関して、及びこれに含まれる構造(I)のトリアルキルホスファートに関して、A
2と同じであり、好ましくはその水含有率によってのみ区別されることが認識されるであろう。
【0046】
更に好ましい実施態様の場合に、本発明による方法は、連続式で行われる。これは、特に、工程b)に引き続き、工程a)及びb)が少なくとも1回実施され、かつ各々の場合に付加的に実施された工程a)で使用された液体吸収媒体A
1は、少なくとも部分的に、直前に実施された工程b)から得られた液体吸収媒体A
3である、つまり特に、各々の場合に付加的に実施された工程a)中で使用された液体吸収媒体A
1の水含有量は、直前の工程b)からの液体吸収媒体A
3の水含有率と同じであることを意味するものと解釈される。
【0047】
この実施態様において、液体吸収媒体A
2には、液体吸収媒体A
3から熱が供給される場合が更により好ましい。これは、特に、多管式熱交換器及び平板型熱交換器からなる群から選択される付加的な熱交換器W
y1中で行ってよい。これにより、本発明による方法を、特にエネルギー効率の良い形で実施することが可能になる。
【0048】
本発明は、また、別の態様において、構成要素
(i)構造(I)
【化3】
の少なくとも1種のトリアルキルホスファートと、Q
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-、(Q
+)
2R
2OPO
32-、Q
+M
+R
3OPO
32-からなる群から選択される少なくとも1種の塩Sとの混合物を含む、液体吸収媒体A
1*、
(ii)湿ったガス混合物と液体吸収媒体A
1*とを接触させるために設置された少なくとも1つの水吸収ユニットW
abs2、
(iii)熱交換器W
x2を備え、かつ液体吸収媒体A
1*から水を少なくとも部分的に除去するために設置された少なくとも1つの水脱着ユニットW
des2、
(iv)及び、水吸収ユニットW
abs2を水脱着ユニットW
des2と接続し、かつ液体吸収媒体A
1*を循環させることができる循環路U
2を備える、湿ったガス混合物、特に湿った空気を除湿する装置V
2において、
Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、特にアルキル基は、各々無関係に、1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有し、
A
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、HSO
4-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、
R
*、R′、R″、R
A、R
B、R
C、R
1、R
2、R
3は、各々無関係に、特に1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル基であり、
かつ、M
+は、アルカリ金属イオン、好ましくはLi
+、K
+又はNa
+、より好ましくはK
+又はNa
+であることを特徴とする、湿ったガス混合物、特に湿った空気を除湿する装置V
2に関する。
【0049】
本発明による装置V
2は、湿ったガス混合物、特に湿った空気を除湿するために適している。この装置は、次の構成要素を備える:
第一の構成要素として、本発明による装置V
2は、構造(I)
【化4】
の少なくとも1種のトリアルキルホスファートと、Q
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-、(Q
+)
2R
2OPO
32-、Q
+M
+R
3OPO
32-からなる群から選択される少なくとも1種の塩Sとの混合物を含む液体吸収媒体A
1*を備え、
Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、特にアルキル基は、各々無関係に、1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有し、
A
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、HSO
4-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、
ここで、R
*、R′、R″、R
A、R
B、R
C、R
1、R
2、R
3は、各々無関係に、特に1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル基であり、
かつ、M
+は、アルカリ金属イオン、好ましくはLi
+、K
+又はNa
+、より好ましくはK
+又はNa
+である。
【0050】
本発明による装置V
2の好ましい実施態様の場合に、A
1*中で、塩Sは、Q
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-からなる群から選択され、Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、アルキル基は、各々無関係に、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2の炭素原子を有し、A
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、ここで、R
*、R
1、R′、R″、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル基である。
【0051】
本発明による装置V
2のより好ましい実施態様の場合に、A
1*中で、塩Sは、一般式Q
+(R
1O)
2PO
2-を示し、Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここでアルキル基は、各々無関係に、メチル又はエチルであり、R
1、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、メチル又はエチルである。
【0052】
本発明による装置V
2のよりいっそう好ましい実施態様の場合に、A
1*中で、塩Sは、一般式Q
+(R
1O)
2PO
2-を示し、Q
+は、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムからなる群から選択され、R
A、R
B、R
C、R
1は、各々無関係に、メチル又はエチルである。更により好ましくは、Q
+は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムであり、R
A、R
B、R
C、R
1は、各々無関係に、メチル又はエチルである。
【0053】
更に、本発明による装置V
2の上述の全ての実施態様の場合に、A
1*中で、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、メチル、エチルから選択される場合が特に好ましく、より好ましくは、R
A=R
B=R
C=メチル又はR
A=R
B=R
C=エチル、特に好ましくは、R
A=R
B=R
C=エチルである。
【0054】
液体吸収媒体A
1*は、本発明による方法において、構造(I)のトリアルキルホスファートと塩Sとの純粋な混合物の形で使用されてよい。あるいは、より好ましくは本発明による方法において、液体吸収媒体A
1*は、特に、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートと全ての塩Sの全質量が、水溶液の全質量を基準として65質量%〜95質量%の範囲にある水溶液である。よりいっそう好ましくは、A
1*中で、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートと全ての塩Sの全質量が、水溶液の全質量を基準として70質量%〜90質量%の範囲にある、更により好ましくは75質量%〜87質量%の範囲にある。
【0055】
液体吸収媒体A
1*中での構造(I)の全てのトリアルキルホスファートの塩Sに対する比率は、何ら更なる限定を受けない。しかしながら、本発明による装置V
2中で、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートの全質量の、全ての塩Sの全質量に対する比率が、1:9999〜1:9、より好ましくは1:9999〜1:99、更により好ましくは1:9999〜1:999の範囲にある吸収媒体A
1*を使用することが好ましい。
【0056】
第2の構成要素として、本発明による装置V
2は、湿ったガス混合物を液体吸収媒体A
1*と接触させるために設置された水吸収ユニットW
abs2を備える。この水吸収ユニットW
abs2は、特に、液体吸収媒体A
1*を冷却可能にするために設置された付加的な熱交換器W
z2を備えていてよい。この種の使用可能な水吸収ユニットW
abs2は、特に当業者に公知の水吸収器を備える。この吸収器は、液体吸収媒体A
1*の表面積を増大させ、かつ同時に水の吸収の間に、水吸収器中での液体吸収媒体A
1*のできる限り長い滞留時間を達成する原理に基づく。特に、ここでは、充填層、噴霧塔、流下薄膜、気泡塔、段塔、湿式スクラバ(例えばベンチュリスクラバ)、攪拌槽及びこれらの吸収器の組み合わせの群から選択された水吸収器を使用することができる。特に、水吸収器として、流下薄膜、特に多管式流下薄膜を使用することが好ましい。
【0057】
第3の構成要素として、本発明による装置V
2は、熱交換器W
x2を備え、かつ液体吸収媒体A
1*から水を少なくとも部分的に除去するために設置された水脱着ユニットW
des2を備える。特に、このために、当業者に公知の熱交換器と水脱着器との組み合わせを使用してよい。水脱着ユニットW
des2は、液体吸収媒体A
1*に熱を供給し、液体吸収媒体A
1*の表面積を増大させ、同時に水脱着ユニット中での液体吸収媒体A
1*のできる限り長い滞留時間を達成する原理に基づく。
【0058】
熱交換器W
x2を備えた使用可能な水脱着ユニットW
des2は、特に、当業者に公知の熱交換器と水脱着器との組み合わせを備え、特に、上流側の熱交換器、特に多管式熱交換器、平板式熱交換器を備えた水平式管型蒸発器を備える。更に、熱交換器W
x2を備えた水脱着ユニットW
des2は、組込型熱交換器を備えた水脱着器であってもよい。組込型熱交換器を備えたこのような水脱着器は、特に、上昇式薄膜蒸発器、垂直長管型蒸発器、垂直短管型蒸発器、強制循環型蒸発器、攪拌式薄膜蒸発器である。水脱着ユニットW
des2として、流下薄膜、特に多管式流下薄膜を使用することが特に好ましい。
【0059】
第4の構成要素として、本発明による装置V
2は、水吸収ユニットW
abs2を水脱着ユニットW
des2と接続し、かつ液体吸収媒体A
1*を循環させることができる循環路U
2を備える。この循環路U
2は、好ましくは、導管、より好ましくはチューブ、ホースからなる群から選択される導管である。更に好ましい実施態様の場合に、循環路U
2は、また、ポンプを備える。
【0060】
好ましい実施態様の場合に、装置V
2は、更なる熱交換器W
y2を(水脱着ユニットW
des2中に備えられた熱交換器W
x2に対して更に)備える。熱交換器W
y2は、水吸収ユニットW
abs2から水脱着ユニットW
des2へ送られる液体吸収媒体A
1*に、液体吸収媒体A
1*から熱が供給されるように設置され、この媒体は、水脱着ユニットW
des2から離れるように案内される。これは、熱交換器W
y2として、特に多管式熱交換器、平板型熱交換器から選択される熱交換器を使用することによって保証することができる。
【0061】
更に好ましい実施態様の場合に、装置V
2は、吸収ヒートポンプの一部である。この吸収ヒートポンプは、更なる構成要素として、凝縮器、蒸発器及び冷却剤を備え、ここで冷却剤は水である。
【0062】
この凝縮器は、特に、導管を介して水脱着ユニットW
des2と接続されていて、かつ水脱着ユニットW
des2中で液体吸収媒体A
1*から少なくとも部分的に除去された水を凝縮するために設置されている。この凝縮器は、また、好ましくは冷却水循環路を備えている。
【0063】
この蒸発器は、特に、導管(この導管は、絞り手段を備えていてよい)を介して凝縮器と接続されていて、かつ更なる導管を介して水吸収ユニットW
abs2に接続されていて、かつ凝縮器から凝縮された水を蒸発させるために設置されている。この蒸発器は、好ましくは、また、できる限り低い温度で凝縮水の蒸発を可能にするために、<1bar、より好ましくは<0.1barの圧力を示す。この蒸発器は、更に好ましくは、付加的に、熱を取り出し、かつ凝縮された水を蒸発させることができる装置(例えば、水を蒸発させる空間に冷却剤を通す冷却剤導管)を備えていてよい。
【0064】
最後に、本発明は、吸収媒体A
1*自体にも関し、ここで、この吸収媒体A
1*は、構造(I)
【化5】
の少なくとも1種のトリアルキルホスファートと、Q
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-、(Q
+)
2R
2OPO
32-、Q
+M
+R
3OPO
32-からなる群から選択される少なくとも1種の塩Sとの混合物を含み、
Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、特にアルキル基は、各々無関係に、1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有し、
A
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、HSO
4-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、
ここで、R
*、R′、R″、R
A、R
B、R
C、R
1、R
2、R
3は、各々無関係に、特に1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、よりいっそう好ましくは1〜4、更により好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル基であり、
かつ、M
+は、アルカリ金属イオン、好ましくはLi
+、K
+又はNa
+、より好ましくはK
+又はNa
+である。
【0065】
本発明による吸収媒体A
1*の好ましい実施態様の場合に、この媒体中で、塩Sは、Q
+A
-、Q
+(R
1O)
2PO
2-からなる群から選択され、Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここで、アルキル基は、各々無関係に、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2の炭素原子を有し、A
-は、R
*COO
-、R′SO
3-、R″SO
4-からなる群から選択されるアニオンであり、R
*、R
1、R′、R″、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル基である。
【0066】
本発明による吸収媒体A
1*のより好ましい実施態様の場合に、この媒体中で、塩Sは、一般式Q
+(R
1O)
2PO
2-を示し、Q
+は、ジアルキルイミダゾリウムカチオンであり、ここでアルキル基は、各々無関係に、メチル又はエチルであり、R
1、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、メチル又はエチルである。
【0067】
本発明による吸収媒体A
1*のよりいっそう好ましい実施態様の場合に、この媒体中で、塩Sは、一般式Q
+(R
1O)
2PO
2-を示し、Q
+は、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムからなる群から選択され、R
A、R
B、R
C、R
1は、各々無関係に、メチル又はエチルである。更により好ましくは、Q
+は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムであり、R
A、R
B、R
C、R
1は、各々無関係に、メチル又はエチルである。
【0068】
更に、本発明による吸収媒体A
1*の上述の全ての実施態様の場合に、A
1*中で、R
A、R
B、R
Cは、各々無関係に、メチル、エチルから選択される場合が好ましく、より好ましくは、R
A=R
B=R
C=メチル又はR
A=R
B=R
C=エチル、特に好ましくは、R
A=R
B=R
C=エチルである。
【0069】
液体吸収媒体A
1*は、構造(I)のトリアルキルホスファートと塩Sの純粋な混合物の形で存在してよい。あるいは、より好ましくは、液体吸収媒体A
1*は、特に、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートと全ての塩Sとの全質量が、水溶液の全質量を基準として65質量%〜95質量%の範囲にある水溶液である。よりいっそう好ましくは、A
1*中で、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートと全ての塩Sとの全質量が、水溶液の全質量を基準として70質量%〜90質量%の範囲にある、更により好ましくは75質量%〜87質量%の範囲にある。
【0070】
液体吸収媒体A
1*中での構造(I)の全てのトリアルキルホスファートの塩Sに対する比率は、何ら更なる限定を受けない。液体吸収媒体A
1*中で、構造(I)の全てのトリアルキルホスファートの全質量の、全ての塩Sの全質量に対する比率は、好ましくは1:9999〜1:9、より好ましくは1:9999〜1:99、更により好ましくは1:9999〜1:999の範囲内にある。
【0071】
以下に説明する
図1及び2は、本発明による方法及び本発明による装置の好ましい実施態様を示す。
【0072】
図1に示した装置V
1は、導管<101>が導入されかつ導管<102>が導出される水吸収ユニットW
abs1<103>(任意付加的に熱交換器W
z1<104>を備える)と、熱交換器W
x1<108>と水脱着器<109>を備えかつ導管<111>が導入されかつ導管<110>、<112>及び<113>が導出される水脱着ユニットW
des1と、導管<106>、<111>及び<113>又は<106>、<111>、<112>及び<105>から形成された循環路U
2(それぞれの場合に、任意に、導管<114>を備える)とを備える。
図1の装置は、任意に、導管<106>及び<112>が導入されかつ導管<105>及び<111>が導出される更なる熱交換器W
y1<107>を備えていてもよい。更に、装置V
1は、液体吸収媒体A
1も含む。この媒体は、上述の構成要素の水吸収ユニットW
abs1、水脱着ユニットW
des1、循環路U
1の1つ以上の中に含まれている。水吸収ユニットW
abs1<103>は、任意に、付加的な熱交換器W
z1<104>も備えていてよく、この熱交換器W
z1<104>により液体吸収媒体A
1は、例えば10℃〜100℃、好ましくは15℃〜80℃、より好ましくは20℃〜50℃、更により好ましくは20℃〜30℃の温度にもたらされていてよい。任意に、循環路U
2は、付加的に、液体吸収媒体A
1を運ぶためのポンプを備えていてもよい。
【0073】
本発明による方法を、ここで、
図1を用いて装置V
1に関して例示的に記載する:
例えば、2℃〜100℃の温度を示す湿ったガス混合物G
1の流れ(この流れは、湿った空気、湿った天然ガス又は湿ったガス混合物であってよく、これらの選択に関しては
図2にも当てはまる)は、導管<101>を介して水吸収ユニットW
abs1<103>に供給され、かつ導管<105>を介して又は導管<113>を介して水吸収ユニットW
abs1<103>に供給される液体吸収媒体A
1と接触される。この水吸収ユニットW
abs1<103>は、W
abs1について上述に列挙された任意の水吸収器、特に流下薄膜であってよい。水吸収ユニットW
abs1<103>中で、導管<101>を介して供給されたガス混合物G
1を、導管<105>又は導管<113>を介して供給された液体吸収媒体A
1と接触させることは、液体吸収媒体A
1と比べて高められた水含有率を示す液体吸収媒体A
2を提供し、かつガス混合物G
2の流れは、導管<102>を介して搬出され、ここで、G
2は、湿ったガス混合物G
1と比べて低い水含有率を示す。用途に依存して、G
2は、特に除湿された天然ガスである。水吸収ユニットW
abs1<103>は、任意に、付加的熱交換器W
z1<104>を備えていてもよく、この熱交換器W
z1<104>によって液体吸収媒体A
1は、例えば10℃〜100℃、好ましくは15℃〜80℃、より好ましくは20℃〜50℃、更により好ましくは20℃〜30℃の温度に調節することができる。好ましくは、導管<106>、<111>及び熱交換器W
y1<107>を介して(又は、熱交換器W
y1<107>が使用されていない場合には、導管<106>、<111>及び<114>を介して)、液体吸収媒体A
2は、次いで、熱交換器W
x1<108>及び水脱着器<109>から構成された水脱着ユニットW
des1に通される。水を含む液体吸収媒体A
2に、更に、任意の熱交換器W
y1<107>中で熱が供給されてよい。液体吸収媒体A
2から水を少なくとも部分的に除去することは、水脱着器<109>中で実施され、液体吸収媒体A
2と比べて低い水含有率を示す液体吸収媒体A
3を提供する。除去された水は、次いで、水脱着器<109>から、液体又は蒸気として、好ましくは蒸気として、導管<110>を介して搬出される。液体吸収媒体A
3は、次いで、水脱着器<109>から搬出され、かつ水吸収ユニットW
abs1<103>に戻される。これは、直接、つまり
図1に破線で示された導管<113>を介して行ってよい。あるいは、好ましくは、液体吸収媒体A
3は、導管<112>を介して、任意の熱交換器W
y1<107>に供給されてもよく、ここで、導管<106>を介して任意の熱交換器W
y1<107>に供給された液体吸収媒体A
2に、次いで導管<112>を介して任意の熱交換器W
y1<107>に供給された液体吸収媒体A
3から熱が供給される。濃縮された液体吸収媒体A
3が、導管<105>又は<113>を介して水吸収ユニットW
abs1に供給される場合に、この媒体は、新たなサイクルにおいてガス流を少なくとも部分的に除湿するためにA
1として再使用される。
【0074】
図2は、装置V
2が組み込まれている吸収式冷凍機を図式的に示す。構成要素<101>〜<114>は、
図1に記載された装置V
2についてと同じものを示す。更に、
図2中の吸収式冷凍機は、導管<110>を介して水脱着ユニットW
des2<109>と接続されている凝縮器<211>を備え、かつ、水脱着ユニットW
des2中で液体吸収媒体A
1*から少なくとも部分的に除去された水を凝縮するために設置されている。この凝縮器<211>は、好ましくは、また、冷却水を供給することができる熱交換器<212>を備える。
【0075】
図2に示された吸収式冷凍機は、また、導管<216>(この導管<216>は、任意に絞り手段<213>を備えていてよい)を介して凝縮器<211>と接続し、かつ導管<101>を介して水吸収ユニットW
abs2と接続された蒸発器<214>を備える。蒸発器<214>は、凝縮器から凝縮された水を蒸発させるために設置されている。更に、蒸発器<214>は、更に好ましくは、媒体を供給する熱交換器<215>を備えていてもよく、この媒体から熱が取り出され、凝縮された水を蒸発させる(例えば、特に冷却剤として水を用いた冷却剤導管、この冷却剤は蒸発器<214>に通される)。
【0076】
本発明による方法の実施態様(
図2を用いて装置V
1に関して以後に記載される)の場合に、蒸発器<214>に由来する湿ったガス混合物Gは、導管<101>を介して水吸収ユニットW
abs1<103>に通される。水脱着ユニットW
des1で除去された水は、導管<110>を介して凝縮器<211>に供給され、そこでこの水は再凝縮される。この凝縮器中に取り付けられた熱交換器<212>としての冷却水循環路は、任意に同様にこのために使用される。凝縮された水は、次いで導管<216>を介して蒸発器<214>に供給され、ここで水の蒸発は、特に低圧で行われ、それにより冷却効果がもたらされる。これは、任意に、絞り手段<213>を用いて行ってもよい。これは、蒸発器<214>内での冷却作用を達成し、例えば、冷却剤を、熱交換器<215>を介して冷却してよい。生成された水蒸気は、次いで、導管<101>を介して水吸収ユニットW
abs1<103>に戻される。
【0077】
以下の実施例は、本発明を説明することを意図しているが、本発明を決して限定するものではない。
【実施例】
【0078】
分解をシミュレートするために、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート(「EMIM DEP」、国際公開第2004/016631号(WO 2004/016631 A1)に従って製造)とトリエチルホスファート(「TEP」、Sigma Aldrichから購入;CAS番号:78−40−0)との混合物を、20分間150℃で保温する。
【0079】
V1:EMIM DEP85質量%及びH
2O15質量%の混合物
E1:EMIM DEP75質量%、H
2O15質量%、TEP10質量%の混合物
E2:EMIM DEP80質量%、H
2O15質量%、TEP5質量%の混合物
E3:EMIM DEP84質量%、H
2O15質量%、TEP1質量%の混合物
この保温の後に、気相を、ガスクロマトグラフィー及び質量分析により、分解生成物のN−メチルイミダゾールについて調査した。
【0080】
火炎イオン化検出器を用いて測定したN−メチルイミダゾールピークの強度ピークの領域は、気相中の割合に正比例する。
【0081】
試料V1では、明確なN−メチルイミダゾールピークが観察されたが、このピークは試料E1、E2、E3では存在しなかった。これは、トリエチルホスファートの意外な安定化効果を示す。
【0082】
相応する結果が、他のトリアルキルホスファートについても観察される。