特許第6835735号(P6835735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6835735
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】展開可能な撹拌部材
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/07 20060101AFI20210215BHJP
   A23G 9/22 20060101ALN20210215BHJP
【FI】
   A47J43/07
   !A23G9/22
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-550942(P2017-550942)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公表番号】特表2018-515166(P2018-515166A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】EP2016059541
(87)【国際公開番号】WO2016177630
(87)【国際公開日】20161110
【審査請求日】2019年4月25日
(31)【優先権主張番号】15166523.9
(32)【優先日】2015年5月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ノート, アンドレ
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02225981(EP,A2)
【文献】 実開平01−028235(JP,U)
【文献】 英国特許出願公開第02475542(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0088907(US,A1)
【文献】 特開平06−189863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00−44/02
A23G 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品を調製するためのシステムにおいて使用するための撹拌部材(9)であって、前記製品は容器(8)の内部で動く前記撹拌部材(9)によって調製され、前記撹拌部材(9)は、主撹拌部材(91)と、前記主撹拌部材(91)に対してある移動角距離内で回転可能な1つ又は複数の回転撹拌体(92)とを備え、前記撹拌部材(9)は前記容器(8)内でその回転方向に応じて、前記1つ又は複数の回転撹拌体(92)が展開されず、調製された食品製品を消費するために使用できる、スプーン形態、又は前記撹拌部材(9)が展開され、前記主撹拌部材(91)と前記1つ又は複数の回転撹拌体(92)とが互いに対して回転される、泡立て器形態を採ることができるように構成されている、撹拌部材。
【請求項2】
前記主撹拌部材(91)に対する前記回転撹拌体(92)の前記移動角距離は、前記製品に混入される空気の量に応じて規定される、請求項に記載の撹拌部材(9)。
【請求項3】
前記主撹拌部材(91)に加えられる駆動トルク(200)によって、及び前記製品内の前記撹拌部材(9)の動きにより誘発される、前記駆動トルク(200)と反対方向の、前記回転撹拌体(92)に対する誘発トルク(300)によって、前記撹拌部材(9)の様々な形態が採られる、請求項又はに記載の撹拌部材(9)。
【請求項4】
前記回転撹拌体(92)同士の前記移動角距離及び/又は前記主撹拌部材(91)に対する前記回転撹拌体(92)の前記移動角距離を案内し制限する案内手段を更に備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の撹拌部材(9)。
【請求項5】
前記案内手段は、少なくとも1つのスロットの内側で動く少なくとも1つのピンを備える、請求項に記載の撹拌部材(9)。
【請求項6】
前記案内手段は、前記主撹拌部材(91)と前記回転撹拌体(92)が所定の角度位置でのみ接触するように、前記主撹拌部材(91)及び前記回転撹拌体(92)の形状を構成することによって作られている、請求項に記載の撹拌部材。
【請求項7】
前記撹拌部材(9)が前記システムから取り外されると、前記撹拌部材(9)の1つの形態を固定するように作動可能な固定手段を更に備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の撹拌部材(9)。
【請求項8】
食品製品を調製するためのシステムにおいて、請求項1〜のいずれか一項に記載の撹拌部材(9)を使用する方法であって、前記方法は、前記撹拌部材(9)が前記容器(8)内で調製される製品の種類に応じて、前記1つ又は複数の回転撹拌体(92)が展開されず、調製された食品製品を消費するために使用できる、スプーン形態、又は前記撹拌部材(9)が展開され、前記主撹拌部材(91)と前記1つ又は複数の回転撹拌体(92)とが互いに対して回転される、泡立て器形態を採るように、前記撹拌部材(9)の回転方向を変化させる、方法。
【請求項9】
前記撹拌部材(9)の前記回転方向は、前記製品の種類に応じて、ある種類の製品のレシピ調製中に複数回変化する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記撹拌部材(9)が採る形態、前記撹拌部材(9)の回転速度、並びに前記形態及び/又は前記回転速度が維持される時間のうちの少なくとも1つを制御する、請求項又はに記載の方法。
【請求項11】
更に、前記食品製品を調製するプロセスの終了時に、前記撹拌部材(9)の最終形態を固定し、前記撹拌部材(9)の固定される前記最終形態は、スプーン形状の形態である、請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品、好ましくはアイスクリーム又はホイップヨーグルトなどの冷却された含気菓子を調製するためのシステムに関し、具体的には、本発明は、システム内で作動する展開可能な撹拌部材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家庭でのアイスクリーム消費の大部分は、販売時に冷凍状態で購入される製品が関与している。乳製品に関しては、例えば、製品を冷却した(冷凍)状態に保持するために製品を迅速に家に運ぶ必要がある、製品を冷凍庫で保存する必要がある、及び標準的な冷凍庫の容積を考えると限られた数のフレーバしか入手できないなどのいくつかの欠点が存在する。更に、そのような製品の食感は、かなり固く、できたてのアイスクリームとはまったく異なる。
【0003】
現在利用可能な代替的解決法には、できたてのアイスクリームを作るために、アイスクリームマシンを使用するというものがある。その結果得られる製品の得られた食感は、より満足のいくものではあるが、周知のアイスクリームマシンによる調製手順にはいくつかの欠点がある。
【0004】
具体的には、すべての原材料を予め混合する必要があり、そのようなマシンの容積は、通常、同じフレーバの5回分以上に相当し、必要な時間は約30分である。更に、調製に必要な原材料は、調製マシンの多数の部品(例えば、撹拌器、タンク、又はディスペンサ)と接触し、これらすべてを洗浄する必要がある。他の代替策は、標準的な冷凍室内での冷凍段階前の周囲温度での調製を伴う。したがって、この代替案も、時間がかかり、洗浄作業を必要とする。
【0005】
したがって、特に、調製時間の短縮、食品との接触面を洗浄する手間の回避、要望に応じた製品の魅力ある食感及び多様性の提供など、冷たい菓子又はデザートの調製の簡便性を向上させることに対する要望がある。
【0006】
例えば、米国特許出願公開第2006/0263490号は、その壁及び底部内に、冷凍可能な溶液を収容するためのキャビティを有するカップを取り外し可能に収容するためのカップホルダを含む冷凍菓子製造機に関する。菓子製造機のカップは、調製時に役立ち、かつ飲食用カップとして供されるように設計される。例えば、国際公開第2010/149509号は、冷凍菓子を調製するためのシステムに関し、このシステムは、専用調製装置に挿入させるための円筒状容器を含み、この容器は所定量の原材料を含む。そのシステムの装置は、容器が容器ホルダ内に配置されたときに容器と密接するように設計された内側熱交換面と、容器内で調製した1回分を専用収容容器に供給するための送達出口とが装備されている容器ホルダを含む。
【0007】
更に、食品飲料販売機の分野では、標準となっている要求の1つは、調製後の洗浄がないことである。送出する製品を完全に清潔に調製するための1つの方法は、最初の容器に製品を処理して送出することによってすべての製品移動を避けることである。これに関して、最終製品を得るために初期原材料に適用できるプロセスの1つは、熱伝達(加熱及び/又は冷却)である。製品移送が許されない本ケースにおいては、この熱伝達を達成する最も明白な方法は、パッケージングを通る伝導を用いることによる。これは、例えば、冷却のための蒸気圧縮冷凍回路の蒸発器を介して行われる。したがって、公知の装置における調製プロセスの間に、原材料を保持している容器本体と装置の内側熱交換面との間で容器の外側本体を通る伝導手段によって熱伝達が概ね得られるのが一般的である。
【0008】
同じ出願人に属する文献の国際公開第2014/067987号には、製品が予め充填され、熱伝導性包装材料を介して冷却されたカップ内でデザートを調製するためのシステムが記載されている。そのシステムは、デザートが調製されるようにカップの内部を撹拌するように作られた撹拌部材を含む。そのようなシステムで作製できる製品の範囲は非常に大きく、次のようになる。
冷凍アイスクリームから、その場合撹拌部材はスプーン形状を有し、高粘度を有する製品内で動くのに必要な高トルクを扱うための強度を備える必要がある、
冷たいホイップヨーグルトまで、その場合撹拌部材は、泡立て器形状を有し、この形状は、かなりの量の空気を製品に混入し、ホイップヨーグルトを構成するために製品内に剪断応力を生成するために必要であるので、スプーン形状は効果的でないため、泡立て器形状が必要となる。
【0009】
したがって、そのようなシステム及び他の類似のシステムでは、必要な製品、典型的にはアイスクリーム又はホイップヨーグルトを正しく調製するために、撹拌部材を異なるように形状決めするか又は構成する(スプーンとして又は泡立て器として)必要がある。調製しようとしている製品に応じて異なった撹拌部材、すなわちスプーン又は泡立て器を使用することの欠点は二重である。
まず第1に、調製する製品に応じて、ユーザが自分自身で正しい撹拌部材を選択しなければならないので、ユーザの経験に複雑さが増す。誤用は、ユーザが誤用を気付かないことによって非常に否定的に知覚されるかもしれない予想外のカップ内結果物につながるであろう。どの撹拌部材が使用されているかを感知して不適合の場合に警告するための識別手段追加することによってそれを防止することも、マシンに技術的な複雑さ及びコストを追加する。
第2に、泡立て器で調製されたホイップヨーグルトの場合、調製容器から泡立て器を取り外すときでさえ、粘性製品が泡立て器ワイヤ間にくっついて留まることはよく知られている。この製品を手動で取り除くことは、複雑さが増し、ユーザの経験に対して強い欠点となる。
【0010】
それは、ハンドルの中に摺動可能かつ捩り可能に取り付けられた複数のワイヤを有するハンドル及びワイヤバスケットを含む折り畳み可能なワイヤ泡立て器を記載した最先端の文献の米国特許第6,206,561(B1)号から公知である。泡立て器は、使用するときに展開することができ、簡単に保管するために折りたたんで平らにすることができる。泡立て器の二重形状又は形態(泡立て器及びスプーン)をそのような形態によって得ることができず、更に、この泡立て器を自動で展開することは不可能であり、ハンドルに作用してトルクを加えることによって手動で作動される。同様の文献は、例えば、欧州特許第EP 1437078(A2)号であり、折り畳み可能な泡立て器が記載されていて、スペースが非常に最小限に抑えられるように、泡立て器を保管のために平らにすることができる。しかしながら、これらの文献のいずれも、目標とされる製品に応じた複数形態の撹拌部材への解決策を提供することができない。更に、これらの文献のいずれも、本発明が解決しようとしているものと類似の又は近い問題を何ら実際に開示していない。
【0011】
したがって、本発明は、調製される菓子製品に適合した様々な形態を自動的に採ることができる、冷却菓子を調製するためのシステム内の撹拌部材を提供することを目的とし、それは簡単であり、ユーザの側からの誤用を可能にせず、任意の製品が撹拌部材内に堆積したままになって後の洗浄を必要とすることを避けるようにする。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、上記問題を解決しようとするものである。本発明は、他の目的、具体的には本明細書の残りの部分に記述されるような他の問題点の解決も目標とするものである。
【0013】
第1の態様によれば、本発明は、食品製品を調製するためのシステムにおいて使用するための撹拌部材に関し、製品は容器の内部で動く撹拌部材によって調製され、撹拌部材は容器内のその回転方向に応じて様々な形態を採ることができるように構成されている。撹拌部材はスプーン形態又は泡立て器形態を採ることができることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、撹拌部材は典型的には主撹拌部材と、主撹拌部材に対してある移動角距離内で回転可能な1つ又は複数の回転撹拌体とを含む。
【0015】
主撹拌部材に対する回転撹拌体の移動角距離は、製品に混入される空気の量に応じて規定されることが好ましい。
【0016】
本発明によれば、主撹拌部材に加えられる駆動トルクによって及び製品内の撹拌部材の動きにより誘発される駆動トルクと反対方向の回転撹拌体に対する誘発トルクによって、撹拌部材の様々な形態を採ることができる。
【0017】
撹拌部材は、典型的には、回転撹拌体同士の移動角距離及び/又は主撹拌部材に対する回転撹拌体の移動角距離を案内し制限する案内手段を更に含む。
【0018】
典型的には、案内手段は、少なくとも1つのスロットの内側で動く少なくとも1つのピンを含む。
【0019】
案内手段は、主撹拌部材と回転撹拌体が所定の角度位置でのみ接触するように、主撹拌部材と回転撹拌体の形状を構成することによって作ることもできる。
【0020】
また、撹拌部材は、撹拌部材がシステムから取り外されると、撹拌部材の1つの形態を固定するように作動可能な固定手段を更に含むことができる。
【0021】
第2の態様によれば、本発明は、食品製品を調製するためのシステムにおいてそのような撹拌部材を使用する方法に関し、その方法は、撹拌部材が容器内で調製される製品の種類に応じて様々な形態を採るように、撹拌部材の回転方向を変化させる。
【0022】
撹拌部材の回転方向は、製品の種類に応じて、ある種類の製品のレシピ調製中に複数回変化することが好ましい。
【0023】
本発明によれば、撹拌部材が採る形態、撹拌部材の回転速度、並びに形態及び/又は回転速度が維持される時間のうちの少なくとも1つを制御することが好ましい。
【0024】
典型的には、本発明の方法は、更に、食品製品を調製するプロセスの終了時に、撹拌部材の最終形態を更に固定することを含む。
【0025】
撹拌部材の固定される最終形態は、スプーン形状の形態であることが好ましい。
【0026】
本発明の更なる特徴、利点及び目的は、当業者には、以下の本発明の発明を実施するための形態を読み、包含された図面の図と併せて解釈すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による、冷却された菓子製品を調製するためのシステムの概略図である。
図2図2aおよび図2bはそれぞれ、本発明による展開可能な撹拌部材の閉じた形態および展開された形態の図である。
図3図3aおよび図3bはそれぞれ、本発明による展開可能な撹拌部材の、閉じた形態および展開された形態の正面図であり、図3cおよび図3dはそれぞれ、本発明による展開可能な撹拌部材の、閉じた形態および展開された形態の断面図であり、それに作用する力も示している。
図4図4a、図4bおよび図4cは、展開されたときの撹拌部材部分の動きを制限するために使用される機械的ストッパの構成である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、容器8及び容器8内で冷凍菓子を調製するように設計された食品調製マシン20を含む、本発明によるシステムの好ましい実施形態に関する。本発明によれば、アイスクリーム又はホイップヨーグルトなどの含気及び冷却菓子は容器8内で調製されることが好ましい。
【0029】
容器8は、使い捨て容器として構成され、典型的には、最終製品の調製のための原材料の少なくとも一部を内部に含むのが好ましく、異なる実施形態によれば、及び本発明の範囲内にも含まれるが、原材料は、注出容器から出て容器8内に注出され得る。何らかの方法で、原材料は最終的に容器8内で処理される。
【0030】
マシン20は、その中に容器8を受け入れる受け座1を含むことが好ましい。受け座1は、図1に示すように断面側面図で見た場合、V字形又は切頭円錐形に形状決めされることが好ましい。したがって、受け座1は、容器8が配置される挿入開口部23a、及び様々なサイズの容器の収容を可能にする下部開口部23bを含むことが好ましい。更に、受け座1は、環状のリング部として形成されることが好ましい。受け座1は、専用支持手段23cによってマシンのハウジングに接続されることが好ましい。そのような実施形態によれば、それぞれサイズの異なる容器8を受け座1によって支持することができる。
【0031】
調製マシン20は、好ましくはマシン20の受け座1と接続されるか、又は一体的に形成される熱交換要素又は冷却要素1aに接続された冷却ユニット4を更に含む。熱交換要素1aは、マシンの冷却ユニット4に流体的に接続された蒸発器であることが好ましい。したがって、熱交換要素1aは、容器に収容された製品の温度を急速に低下させるために、容器8及びそれに囲まれた菓子製品から熱エネルギを回収する熱交換器として機能する。
【0032】
熱交換要素1aは、容器がマシンの受け座1に配置されたときに、容器8の外壁面8d及び熱交換壁部分に重なって隣接して配置されるように形状決めされることが好ましい。
【0033】
熱交換要素1aは、容器8がマシン内に配置されたときに、容器の外壁面8dと接触するように配置された熱交換接触面21を含む。したがって、熱交換接触面21は受け座1の内面に配置される。熱交換要素1aの熱交換接触面21と容器8の熱交換壁部分は、相補的な形状であることが好ましい。
【0034】
熱交換要素1aは、優れた熱伝達特性を提供する材料、好ましくはステンレス鋼、銅又はアルミニウムなどの金属であることが好ましい。したがって、容器8と熱交換要素1aの間の熱伝達が著しく向上する。
【0035】
図1に示すように、容器受け座1は、部分的にのみ熱交換要素1aから構成されることが好ましい。受け座1は、例えばポリマ又はプラスチック材料などのより低い熱容量の材料からできた断熱部1bを更に含むことが好ましい。そのような実施形態によれば、熱慣性、したがってエネルギ損失が低減され、容器8のより迅速な冷却が可能になる。断熱部1bは、容器の壁に密着して感知手段を外部環境から絶縁するように更に作用し、より正確な製品温度が得られる。
【0036】
マシン20は、マシンの構成要素の動作を制御するための制御ユニット6を含むことが好ましい。制御ユニット6は、少なくとも冷却ユニット4及び温度感知手段に接続されることが好ましい。
【0037】
マシン20の冷却ユニット4は、熱交換要素1aを冷却するように適合されている。熱交換要素1aは優れた熱伝導率を有するので、容器8、特に熱交換要素1aと接触しているときの容器8の熱交換壁部分12は効果的に冷却される。冷却ユニット4は、熱交換要素1a、熱交換壁部12、ひいては容器8をできるだけ急速に冷却するための任意の冷凍及び/又は循環熱伝達システムを含むことができる。
【0038】
任意選択で、マシン20は、例えば水などの液体を保持するための液体タンク2及び専用のポンプを更に含んでもよい。液体タンク2は、マシン20の受け座1内に配置されたときに容器8に液体を供給するための液体注出手段2aに接続されてもよい。液体タンク2は、初期製品が粉末、ゲル又は液体濃縮物である場合に必要となり得るものであり、したがって、正しい食感を有する最終製品を達成するために所定の希釈比に従って希釈する必要がある。
【0039】
更に、マシン20は、製品8bに固体又は液体形態のトッピングを提供するための1つ以上のトッピングリザーバ3及び関連するバルブ又はポンプ(図示せず)を含み得る。トッピングは、液体クーリ、液体チョコレート、ハチミツ、キャラメル又はクリスプ、フレーク、チョコレートビットなどの固体製品であってもよい。更に、トッピングは、例えば溶融チョコレートなどの追加で設けられた加熱源によって液化されてもよい。
【0040】
マシン20は、撹拌部材9に接続し、それを複合運動で駆動するように適合された撹拌ユニット5を更に含む(後により詳細に説明する)。このため、撹拌ユニット5には、撹拌部材9に選択的に接続するように設計された接続手段5aを備えることが好ましい。撹拌部材9は、マシン20の一部であってもよく、又は容器8の一部(容器8と一体又は容器8の一部)として設けられてもよい。
【0041】
トッピングリザーバ3及び撹拌ユニット5は、コンテナ8を容器受け座1に出し入れすることができるように、マシンの可動構造7に取り付けられることが好ましい。したがって、可動構造7は、閉鎖位置(図1に示す)から開放位置(図示せず)までマシン20のハウジングの残りの部分に対して相対的に移動するように適合される。したがって、マシン20の残りの部分に対する可動構造体7の運動は、回転及び/又は並進であってもよい。
【0042】
以下で、冷凍又は冷却された菓子の製造のためのマシンの基本的な作動原理を説明する。
【0043】
最初に、マシン20の可動構造7は開放位置に配置され、その開放位置では容器8の中央開口部8cを閉鎖するために設けられた蓋部材が除去された容器8が受け座1に挿入される。開放位置では、撹拌部材9はマシンの撹拌ユニット5に手動で接続されてもよい。
【0044】
次いで、可動構造体7は、撹拌ユニット5及びトッピングリザーバ3が容器8に向かって下降した閉鎖位置に配置される。この位置では、撹拌部材9は容器8の内面12aに隣接する位置に配置される。
【0045】
容器8内の製品は、次いで、容器の外壁面8dと好ましくは容器の熱交換壁部分12と相互作用する熱交換要素1aによって冷却される。同時に、撹拌ユニット5は、容器8内の撹拌部材9の動きを提供することができる。
【0046】
熱交換要素1aの動作は、温度感知手段(図示せず)によって検出された温度に応じて設定されることが好ましい。したがって、上記温度感知手段によって測定された温度に応じて、熱交換要素1aのオンオフ及び特定の冷却温度などの概略の動作を設定することができる。
【0047】
調製プロセスの間、トッピングリザーバ3から容器8内の主製品に液体又は固体のトッピングを添加することができる。これは、液体トッピングが消費者にとって魅力的な視覚的な渦を生成し、固体のトッピングがクリスピなままであるように、調製プロセスの終わり近くで行われることが好ましい。
【0048】
所定の冷却温度に達してその温度が温度感知手段によって感知されたとき、冷却動作は、製品を最適供給温度に保つために停止又は低減されることが好ましい。
【0049】
次いで、マシン20の可動構造体7をその開放位置に配置し、コンテナ8を受け座1から取り外すことができる。撹拌ユニット5は、可動構造7を開放状態に配置するときに撹拌部材9から分離するように適合されてもよい。撹拌部材9は、容器8内の最終製品内に残されるのが好ましく、最終状態でスプーンとして構成されて調製された菓子8bの消費に使用できる。したがって、容器は、冷凍菓子の調製の間、初期容器、処理容器及び最終容器として同時に機能する。したがって、マシンの構成要素の洗浄作業は必要ない。
【0050】
本発明によれば、例えば300mL、200mL又は150mLなどの異なる容積を包含する異なる容器を提供することができる。それぞれの容器8によって調製される製品に依存して、容器8のサイズ及び容積は、特定の製品を調製するのに必要な所定量の原材料を含むように適合される(容器が原材料の少なくとも一部を内部に含む1回使用のものとして構成される実施形態において)。容器は、常温保存可能な食用原材料を含むことが好ましい。更に、容器は、例えば蓋部材(図示せず)によってコンパートメント11に封入される空気などの気相を更に含んでもよい。好ましい実施形態では、菓子原材料の量は、提供される容器の容積の20〜60%が好ましい。容器の残りの部分は、ガスを充填してもよい。代替的に又は付加的に、無菌充填及び保存可能期間の延長のために、容器内に窒素を供給することができる。
【0051】
既述のように、使い捨て容器のための好ましい実施形態では、蓋部材(図示せず)が、容器の開口部8cを閉鎖し、したがってその中に原材料を封入するために各容器に設けられることが好ましい。
【0052】
容器8は、本質的に円錐形状を有することが好ましい。あるいは、容器は、本質的に湾曲形状を有してもよい。そのような容器8の形状によれば、温度の変化による容器本体8aの伸長及び/又は収縮は、マシン20の受け座1内の容器8の適切な支持に悪影響を及ぼさない。特に、容器8と受け座1の間の緊密な支持、したがって熱交換壁部12と熱交換要素1aの間の密接な接触が確保される。
【0053】
マシン20は、制御ユニット6に接続されたトルク感知手段(図示せず)を更に含むことができる。したがって、撹拌ユニット5、特にその専用モータの回転速度及び電流を制御するように適合された制御ユニット6は、電流に比例するトルクを感知することができる。したがって、容器8内で調製される製品の粘度を制御ユニット6により検出して、調製プロセスを監視し、容器内の製品が消費できる状態になっているかどうかを検出することができる。
【0054】
制御ユニット6は、温度感知手段によって測定された温度に応答して撹拌ユニット5を制御するように更に設計され得る。撹拌ユニットの制御は、その速度及び/又はその回転方向であってもよい。
【0055】
本発明による撹拌部材9は、撹拌部材9の駆動方向に応じて、スプーン形状(図2a参照)又は泡立て器形状(図2b参照)のいずれかを採ることができる。したがって、撹拌部材9の回転方向によって自動的に、撹拌部材9は一方の形状又は他方の形状を採用し、これは、先に述べた、先行技術における公知の欠点及び問題を回避する。
1つだけの撹拌部材が使用されるので、システムに複雑さが加えられることはなく、すべての誤用が回避され、結果が保証される。
泡立て器形状を必要とする調製の最後に、撹拌部材9をスプーン形状に戻すことにより、公知の先行技術の場合のように、泡立て器ワイヤの間に製品が残ることがない。
更に、本発明の撹拌部材9は、アイスクリーム製品が製造されるときに、簡単なスプーン形状が可能にするよりも効率的かつより高いオーバーランで製品に空気を混入させるのを更に促進する。
【0056】
典型的には泡立て器として構成された、先行技術の公知の撹拌部材では、撹拌部材を開閉する動作(それらを展開するか又は平らにする)は、ユーザが泡立て器のハンドルに作用することによって手動で行われる。しかし、更に説明されるように、本発明では、撹拌部材9の開放すなわち展開は、ハンドルに加える付加的なトルクを使用するのではなく、製品自体の抵抗トルクを使用して自動的に行われる。また、目標は、(撹拌部材9の初期位置決め時に及び使われた後に再び)スプーンをスプーン形状を有し必ずしも平らでないように構成させることである。
【0057】
したがって、本発明による撹拌部材9は、容器8内の回転方向に応じて様々な形態を採ることができるように構成されている。これらの形態は、通常、それらが製品に適用するトルクによって及び/又はそれらが製品に混入する空気の量によって異なる。撹拌部材9はスプーン形態又は泡立て器形態を採るように構成されることが好ましい。
【0058】
典型的には、この回転の方向に応じた撹拌部材9の形状の変化を可能にするのは、それ自体の軸を中心とした撹拌部材9の回転(スピン回転)である。撹拌部材9の容器8の軸を中心とした回転(旋回)は、撹拌部材9による1つ又は別の形態の採用を更に助長することができるか、又は、上記旋回の方向に応じて、ある方向にそれを制限することができる。これは、例えば図3c又は3dを見ることによって理解することができる。
【0059】
本発明のシステムで製造される製品は、冷却製品であることが好ましく、アイスクリーム又はホイップヨーグルトなどの含気された冷却菓子であることが更に好ましい。しかし、展開可能な撹拌部材9は、他のタイプの製品、ペストリ、ケーキ、熱い含気されたソースなどの高温及び/又は周囲温度の製品、一般に本発明の撹拌機を使用することによってより良好に含気され混合される任意の種類の製品を調製するのにも使用することができる。
【0060】
本発明の展開可能な撹拌部材9は以下を含む。
マシン20の駆動軸又は撹拌ユニット5に挿入されて、それによって駆動される部分である主撹拌部材91。
主撹拌部材91又は他の回転体に連結されて、ある移動角距離内で回転が許容される、又はある直線移動距離内で移動が許容される、又はそれらの2つの組み合わせが許容される、1つ以上の回転撹拌体92。
【0061】
図2aは、スプーンとして構成された撹拌部材9の配置を示しており、回転撹拌体92は展開されていない。この形態は、典型的には、撹拌部材9の初期位置決めにおいて採られ、プロセスの最後においても、スプーンとして構成された(したがって、平らではない形状を有する)撹拌部材9が調製された菓子製品を消費するために使用される場合に採られる。図2bは、展開され、構成され、泡立て器として形成された撹拌部材9を示す。既に議論したように、撹拌部材9によって採られる形状又は形態は、典型的には以下のような製造される製品のタイプにも依存する。
冷凍アイスクリーム、その場合、高粘度を有する製品の内部で動くのに高トルクを扱うための強度が必要とされるので、撹拌部材9はスプーン形状を採り、
冷却されたホイップヨーグルト、その場合、撹拌部材9は泡立て器形状を採用し、この形状は、かなりの量の空気を製品に混入するため、及びホイップヨーグルトを構成するために製品中に剪断応力を生成するために必要であり、この場合スプーン形状は効果的でない。
【0062】
主撹拌部材91に撹拌ユニット5によって駆動トルク200が加えられると、主として、反対の符号を有する(すなわち反対方向の)誘発トルク300が、製品内の撹拌部材9の動きにいくらかの抵抗を与える製品の粘度によるだけでなく、回転撹拌体92の自身の慣性によっても、回転撹拌体92に誘発される。これは添付の図3a〜図3dに例示されている。
【0063】
撹拌ユニット5が主撹拌部材91を反時計方向に駆動すると(すなわち主撹拌部材91への駆動トルク200が反時計方向に加えられる)、誘発トルク300が回転撹拌体92に時計方向に加えられる。回転撹拌体92は時計回りの動きで対応するストッパに到達する(これについては更に詳細に説明する)ので、撹拌部材9はスプーンとして構成されスプーン形状に留まる(図3a及び3b参照)。
【0064】
一方、主撹拌部材91が撹拌ユニット5により時計方向に駆動されると(すなわち駆動トルク200が主撹拌部材91に時計回り方向に加えられると)、誘発トルク300が回転撹拌体92に反時計方向に加えられる。同様に、回転撹拌体92は、反時計回りの動きで対応するストッパに到達するので(これについては更に詳細に説明する)、撹拌部材9は、泡立て器として構成され泡立て器の形状に留まる(図3c及び3d参照)。
【0065】
上記の例は、本発明の撹拌部材9の解決策及び可能な構成を示す。しかしながら、例えば逆転構成のように、他の解決策が可能であり、その場合撹拌部材9は、主撹拌部材91の反時計回りの回転が撹拌部材9が泡立て器形状に構成されることに通じ、主撹拌部材91の時計回りの回転が撹拌部材9がスプーンとして構成されることに通じるように、構成される。
【0066】
本発明の好ましい実施形態によれば、図4a、b、cに更に示されるように、回転撹拌体92同士の相対的な動き及び/又は主撹拌部材91に対する回転撹拌体92の相対的な動きは、対応するスロットの内側で動くピンによって案内され、制限される。図4aは、例えば、スプーンとして構成された撹拌部材9の初期位置決めを表す。第1の回転撹拌体92’と主撹拌部材91の間の動きは、主撹拌部材91に配置された一次スロット501内を動く第1の回転撹拌体92’に取り付けられた一次ピン401によって規定され案内される。したがって、第1の回転撹拌体92’の主撹拌部材91に対する動きは、この一次スロット501内の端部501’及び501”によって制限される。したがって、第1の回転撹拌体92’の時計方向への動きは、端部501’によって図4bに示す位置に制限されており、この例では第1の回転撹拌体92’が主撹拌体91の上になるように作られているので、それらの間には相対的な変位角は存在しない。この形態は、図4bに示すように、撹拌部材9がスプーンとして構成される場合に意図される。第1の回転撹拌体92’の反時計方向への動きは、端部501”によって制限され、その動きは、例えば図3c及び図3dに示されるように(泡立て器形態)、第1の回転撹拌体92’と主撹拌部材91の間に例えばある角度αを与えるように構成され得る。
【0067】
同様に、第2の回転撹拌体92”と第1の回転撹拌体92’の間の動きは、第1の回転撹拌体92’に配置された二次スロット502内を動く第2の回転撹拌体92”に取り付けられた二次ピン402によって規定され案内される。したがって、第2の回転撹拌体92”の第1の回転撹拌体92’に対する動きは、この二次スロット502内の端部502’及び502”によって制限される。したがって、第2の回転撹拌体92”の時計方向への動きは、端部502’によって図4cに示す位置に制限され、この例では第2の回転撹拌体92”が第1の回転撹拌体92’の上になるように作られているので、それらの間には相対的な変位角は存在しない。この形態は、図4cに示すように、撹拌部材9がスプーンとして構成される場合に意図される。第2の回転撹拌体92”の反時計方向への動きは、端部502”によって制限され、例えば図3c及び図3dに示されるように(泡立て器形態)、この動きは第2の回転撹拌体92”と第1の回転撹拌体92’の間に例えばある角度βを与えるように構成され得る。この位置では、第2の回転撹拌体92”は主撹拌部材91に対して角度(α+β)で配置される。本発明によれば、複数の回転撹拌体92の間で異なるそれぞれの角運動を構成することができる。
【0068】
ピン及びスロットは、図3a、図3b、図3cに示されるように、互いに対して、及び主撹拌部材91に対して回転撹拌体92の角運動を正確に規定する、本発明の撹拌部材9の好ましい構成である。しかしながら、同様の結果、すなわちこれらの角運動を正確に案内し制限する任意の他の機械的構成も、本発明の範囲内に含まれるべきである。これらの機械的案内手段のための別の可能な実施形態は、主撹拌部材91の形状と回転撹拌体92の形状を介してそれらが所定の角度位置で接触するように、簡単な方法で行うことである。この実施形態は、以下のような利点を提供する。
部品数の減少(中心軸、すなわち主撹拌部材91のための1つだけのピン)、
簡単な組み立て(ピンなし)、
低コスト、
ピンが動くスロットが除去される、より衛生的な解決策(ピンが動くスロットは、製品が集まることができ洗浄しにくい場所である)。
【0069】
形態が異なる展開可能な撹拌部材の利点は、それがマシン内で使用されるときに明らかである。しかし、製品調製が完了したときに、撹拌部材9がマシンによって解放されたら、ユーザがそれを用いて簡単に製品を消費する(食べる)ことができるように、撹拌部材9はもう一度スプーンとして構成されることも望ましい。これは、次のような機械的システムで行うことができる。
切り替えを可能にするマシンの特定の部分のおかげで、撹拌部材9がマシンに挿入されたときにスプーンと泡立て器の形態を切り替えることができる、
撹拌部材9がマシン内に配置されていないとき、これらの形態の間の切り替えを防止する。
【0070】
この機能を可能にするために、本発明による撹拌部材9は、いったん冷却された食品製品が調製されたら、撹拌手段がマシンから取り除かれた場合にのみ作動する(すなわちブロック機能ないしは固定機能を作動させる)固定手段(図示せず)を含むことが好ましい。典型的には、食品製品の調製が終了すると、撹拌部材9はそれに応じて回転してスプーンとして構成されるので、ユーザはそれにより直接製品を消費することができる。マシンの外側で起こり得る撹拌部材9の任意の更なる回転と無関係に、スプーン形状の形態が残るように、固定手段が作動されるのは、この時点である。
【0071】
別の態様によれば、本発明は、更に、本発明による冷凍菓子を調製するためのシステムにおいて撹拌部材9を使用する方法に関する。その方法は、概して、撹拌部材9の回転方向に応じて、具体的には主撹拌部材91の回転方向に応じて、撹拌部材9(泡立て器又はスプーン)の形態を変更することに基づく。したがって、撹拌部材91の回転方向を変えることによって、撹拌部材の能力から最適な利益が得られる。本発明によれば、撹拌部材9の形態の変更は簡単である(主撹拌部材91の向きの変更のみが必要)ので、供給される最終製品を最適化するために、あるタイプの製品のレシピ調製ステップの間、撹拌部材9の形態を必要なだけ複数回変更することも可能である。
【0072】
本発明の方法を説明するために、2つの典型的な例を以下に示す。
【0073】
アイスクリーム製品を製造する。
ステップ1。温度低下。撹拌部材9は、中速で回転するスプーンとして構成され、製品が依然として非常に液状であるため、この段階では飛散する危険性が非常に低いまま製品の均一な冷却を確実にするために中速で回転する。
ステップ2。泡立て。約0℃の温度に達すると、撹拌部材9は泡立て器として構成され、高剪断応力により製品内に空気を十分に混入することを可能にする中速で回転し、スプーン形状で得られないオーバーラン値を得ることを可能にする。このステップは、各製品タイプ及び目標とするオーバーランによって規定されるある時間続き得る。
ステップ3。冷凍。撹拌部材9は再びスプーンとして構成され、アイスクリーム製品は、冷凍された最終状態にされ、その後、ユーザが調製された最終製品を消費して楽しむことができるようにマシンが開く。
【0074】
ホイップヨーグルト製品の製造。
ステップ1。温度低下。撹拌部材9は、スプーンとして構成され、製品が依然として非常に液状であるこの段階では飛散する危険性が非常に低いまま製品の均一な冷却を確実にするため中速で回転する。
ステップ2。泡立て。製品の温度が約0℃度に達すると、撹拌部材9は泡立て器として構成され、高剪断応力により製品内に空気を十分に混入することを可能にする中速で回転し、スプーン形状で得られないオーバーラン値を得ることを可能にする。このステップは、製品及び目標とするオーバーランに依存して、ある時間続き得る。
ステップ3。スプーン形態に戻る撹拌部材の配置。撹拌部材9は、ほんの数秒間にスプーンとして再び構成され、マシンを開けたときに、調製された製品の消費のために使用する準備ができていて、ユーザがワイヤの間に通常残っている製品を取り除く必要がある泡立て器ではない、スプーンツールをユーザが見出すことが可能になる。
【0075】
本発明によるシステム、撹拌部材及び方法の主な利点のいくつかを以下にここに示す。
撹拌部材の構成は、ユーザによる機械の操作を簡素化し、それでもなお、例えば、アイスクリームからホイップヨーグルトまで、広範囲の製品を調製する可能性を提供する。
更に、ホイップヨーグルトを製造する場合、調製の最後の数秒間に、撹拌部材9をスプーン形態に単に戻すことにより、製品が泡立てワイヤの内部に残って、後で取り除くことが困難であるという周知の問題を避けることが可能になる。
また、アイスクリームを製造する場合、レシピの残りのためにスプーン形状形態に戻る前に、製品に多量のオーバーランを含めるために、冷凍前に泡立て器形状を採ることにより、調製物を非常に効率的に泡立てることが可能になる。
【0076】
本発明は、本発明の好ましい実施形態を参照して説明されているが、添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの修正及び変形を実施することができる。
図1
図2a
図2b
図3a-3b】
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c