【文献】
田中祥之 齋藤光正 松江英明,24GHz帯レーダを用いた心拍計測方法の一検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2018年 1月15日,第117巻 第396号,Pages 149-154,ISSN 0913-5685
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
周波数変調した連続波による送信波を、生体を含む対象物に送信し、前記送信波と前記対象物からの反射波との周波数差に基づいて、前記対象物までの距離毎の強度を時系列的に示す距離スペクトル強度データを検出する検出部と、
前記検出部から出力される距離スペクトル強度データと前記距離スペクトル強度データに予め定められた時間の遅延を与えたデータに対して行った移動平均処理との差を前記距離毎に求めた差分データを算出する算出部と、
前記差分データに基づいて、前記生体の存在を判定する存在判定部と、
を備えた生体情報検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生体(通常は人)の姿勢や呼吸だけでなく、生体の居室内における位置、居室に居るか居ないか(在/不在)、転倒の有無、活動情報等の生体に関する情報を取得して生体を監視したいという要請がある。
【0006】
本発明の目的は、生体の在/不在を含む生体に関する情報を検出することができる生体情報検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]周波数変調した連続波による送信波を、生体を含む対象物に送信し、前記送信波と前記対象物からの反射波との周波数差に基づいて、前記対象物までの距離毎の強度を時系列的に示す距離スペクトル強度データを検出する検出部と、
前記検出部
から出力される距離スペクトル強度データと
前記距離スペクトル強度データに予め定められた時間の遅延を与えたデータに対して行った移動平均処
理との差を前記距離毎に求めた差分データを算出する算出部と、
前記差分データに基づいて、前記生体の存在を判定する存在判定部と、を備えた生体情報検出装置。
[2]前記存在判定部は、予め定められた周期の強度変化を判定対象から除外する、前記[1]に記載の生体情報検出装置。
[3]前記検出部の検出結果に基づいて、最小ノイズフロアを検出する最小フロア検出部をさらに備え、
前記存在判定部は、前記差分データが前記最小ノイズフロアより大きい場合に前記生体が存在すると判定する、前記[1]又は[2]に記載の生体情報検出装置。
[4]前記算出部は、自己から同心円状の距離に応じて少なくとも近傍エリア、検出エリア及び遠方エリアに分けて前記距離毎に求めた差分データを算出し、
前記存在判定部は、前記近傍エリア又は前記遠方エリアの最大の強度が前記検出エリアの最大の強度よりも大きい場合の前記差分データは判定対象から除外し、それ以外の前記
検出エリアにおける前記差分データに基づいて、前記生体の存在を判定する、前記[1]から[3]のいずれか1つの記載の生体情報検出装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生体の在/不在を含む生体に関する情報を検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0011】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る生体情報検出装置が配置された屋内の一例を示す平面図である。
【0012】
同図に示す屋内100には、居室101があり、居室101の壁101aに、生体情報検出装置(以下「センサ」ともいう。)1と、エアコン102とが配置され、居室101の床面101bにベッド103が配置されている。また、居室101には、トイレ104、ドア105等が設けられている。なお、センサ1は、天井や屋内に配置されたベッド103等の他の場所に配置されてもよく、照明器具等の器具に内蔵されてもよい。
【0013】
センサ1は、例えば、居室101内における対象者Pの生体情報を検出する。「生体情報」とは、生体の位置や生体の状態等の生体に関する情報をいう。生体情報には、例えば、居室の在/不在、活動状態、入床状態、姿勢、呼吸数、脈拍数等が含まれる。対象者Pは、生体の一例である。なお、生体は、犬、猫等の動物でもよい。また、対象者Pは複数でもよい。
【0014】
センサ1の検出可能距離は、例えば0〜8mである。センサ1からの距離に応じて同心円状に、近傍エリア(例えば、2m以下)121、検出エリア(2mを超え5m以下)122、及び遠方エリア(5mを超え8m以下)123が設定されている。検出エリア122は、生体情報の検出を目的とした領域である。近傍エリア121及び遠方エリア123は、生体情報の検出を目的としていない領域である。なお、上記のように検出可能距離のうち一部に検出エリア122を設けたが、これは一例であって、必ずしも設けなくてもよい。
【0015】
図2は、センサ1の構成例を示すブロック図である。センサ1は、検出系2と、第1の処理系3と、第2の処理系4と、通信部5とを備える。
【0016】
通信部5は、第1の処理系3及び第2の処理系4により得られた生体情報の検出結果を有線又は無線により外部に送信する。外部としては、例えば、対象者Pを管理する管理センタ等が考えられる。管理センタは、通信部5から送信された生体情報に基づいて警報を発する等の動作を行う。
【0017】
(検出系の構成)
検出系2は、RFレーダ20と、I/Q折畳同期加算部21と、周波数変換部22とを備える。
【0018】
RFレーダ20は、周波数変調した連続波による送信波を対象物(生体等の移動体やベッド等の固定物を含む。)に送信し、対象物からの反射波を受信し、送信波と反射波との周波数差(ビート周波数)をI信号及びQ信号(以下「IQ信号」という。)として出力する。送信波は、例えば24GHz帯を用いる。掃引周波数帯域を200MHzとした場合、RFレーダ20は、24.05GHz〜24.25GHzの範囲で変調した送信波を送信する。なお、周波数帯は、24GHzに限られない。
【0019】
I/Q折畳同期加算部21は、RFレーダ20から出力されたIQ信号の重ね合わせを予め定められた回数繰り返し行う。これによりIQ信号のSN比が向上する。
【0020】
周波数変換部22は、I/Q折畳同期加算部21から出力されたIQ信号をフーリエ変換することにより、対象物までの距離毎の強度(以下、パワーともいう。)を時系列的に示すデータ(以下「距離スペクトル強度データ」ともいう。)を出力する。
【0021】
(第1の処理系の構成)
第1の処理系3は、第1の差分データ算出部30と、スペクトラム変換部31と、フィルタ部32と、位置判定部33と、エリア毎パワー部34と、動作判定部35と、最小ノイズフロア検出部36Aと、最大ノイズフロア検出部36Bと、正規化処理部37とを備える。
【0022】
第1の差分データ算出部30は、周波数変換部22から出力される距離スペクトル強度データに予め定められた時間(例えば、20.48ms)の遅延を与える遅延部30aと、周波数変換部22の出力データに遅延部30aの出力データを加算する加算部30bとを備える。これにより距離スペクトル強度データとその1つ前の距離スペクトル強度データとの差を距離毎に求めた差分データが得られる。
【0023】
スペクトラム変換部31は、第1の差分データ算出部30からの差分データに対し、連続する複数の周波数BIN毎にパワーを求め、それを対数に変換する。
【0024】
フィルタ部32は、スペクトラム変換部31の出力データに対して連続する複数の周波数BIN毎に移動平均処理(ローパスフィルタに相当する処理)を行い、処理結果(距離毎のパワー)を第1の動き情報32aとして位置判定部33に出力する。なお、第1の動き情報32aは全ての位置のパワーが含まれている。例えば、生体が4mに位置するときは
図4の実線に類似した波形が得られる。
【0025】
位置判定部33は、第1の処理系3のフィルタ部32からの第1の動き情報32aと第2の処理系4のフィルタ部42からの第2の動き情報42aに基づいて、対象者Pの位置を判定し、それを位置情報33aとして通信部5に出力する。
【0026】
第1の処理系3のフィルタ部32から対象者Pの毎分60回以上の比較的速い動きの情報(例えば、歩行等)が得られ、第2の処理系4のフィルタ部42から対象者Pの毎分50回以下の比較的遅い動きの情報(例えば、呼吸数等)が得られる。
【0027】
第1の動き情報32a及び第2の動き情報42aには、パワーのピークが発生したときの時間及びセンサ1からの距離が含まれる。したがって、位置判定部33は、パワーのピークが発生した時間及び距離を追跡することにより、対象者Pの居室101内における現在の位置、及び位置の変化等の位置情報33aを検出することができる。
【0028】
例えば、対象者Pが居室101に入室し、ベッド103に横になったとすると、居室101に入室した際は、第1の動き情報32a及び第2の動き情報42aが共に高いレベルを示すが、ベッド103に横になって体動が無くなると、第1の動き情報32aのレベルが下がり、第2の動き情報42aが高いレベルを示す。
【0029】
エリア毎パワー部34は、算出に使用する距離範囲を指定することでエリア121、122、123毎のパワーを出力する。すなわち、エリア毎パワー部34は、第1の差分データ算出部30から出力された距離スペクトル強度データを、検出エリア122に関する距離スペクトル強度データ(以下「第1のエリア動き情報」という。)34a(
図4参照)と、近傍エリア121に関する第1のエリア動き情報34bと、遠方エリア123に関する第1のエリア動き情報34cに分けて出力する。
【0030】
動作判定部35は、エリア毎パワー部34が出力したエリア121、122、123毎の第1のエリア動き情報34a〜34cと、最小ノイズフロア検出部36Aが検出した最小ノイズフロア36a(
図4参照)とに基づいて、検出エリア122における対象者Pの動作の有無を判定し、判定結果を動作情報35a(
図4参照)として通信部5に出力する。
【0031】
すなわち、動作判定部35は、検出エリア122におけるパワーが最小ノイズフロア36aを超え、さらに閾値以上に変動した場合、対象者Pが動作したと判定する。また、動作判定部35は、近傍エリア121又は遠方エリア123における最大のパワーが検出エリア122における最大のパワーよりも大きい場合、検出エリア122のパワーは近傍エリア121又は遠方エリア123のパワーの上昇の影響を受けたとして検出エリア122のパワーを動作判定から除外する。これにより、例えば、
図3に示すように、対象者Pが検出エリア122及び遠方エリア123に存在しないにも拘らず例えば居室101の外で他の人の動きがあったために、遠方エリア123おける距離7mで最大のパワーが得られ、検出エリア122では距離4mで閾値を超える最大のパワーが得られる場合があるが、対象者Pが遠方エリア123に存在しているという誤判定を避けることができる。
【0032】
また、動作判定部35は、エアコン102の風向きを変更するフラップやエアコン102の掃除ロボットのように予め定められた周期で動作した場合、これに基づくパワーを判定対象から除外する。なお、判定対象から除外するものは、これらに限られない。
【0033】
最小ノイズフロア検出部36Aは、検出エリア122におけるパワーの最小値を追跡することで最小ノイズフロア36a(
図4参照)を検出する。最大ノイズフロア検出部36Bは、検出エリア122におけるパワーの最大値を追跡することで最大ノイズフロア(図示せず)を検出する。但し、最小ノイズフロア及び最大ノイズフロアは値が極端に変化しないように変化量を制限している。
【0034】
正規化処理部37は、最小ノイズフロア検出部36Aにより検出された最小ノイズフロア36aと最大ノイズフロア検出部36Bにより検出された最大ノイズフロアとの差を複数(例えば10)の段階の評価値(0〜10)に分け、エリア毎パワー部34から出力された検出エリア122における第1のエリア動き情報34aを正規化した評価値による活動情報37aに変換する。なお、予め測定又は予測した最小ノイズフロア36a及び最大ノイズフロアに基づいて正規化してもよい。
【0035】
(第2の処理系の構成)
第2の処理系4は、第2の差分データ算出部40と、スペクトラム変換部41と、フィルタ部42と、エリア毎パワー部44と、動作判定部45とを備える。第2の差分データ算出部40は、算出部の一例である。動作判定部45は、存在判定部の一例である。
【0036】
第2の差分データ算出部40は、周波数変換部22から出力される距離スペクトル強度データに予め定められた時間(例えば、20.48ms)の遅延を与えるとともに、周波数変換部22から出力される距離スペクトル強度データに対して移動平均処理を行う移動平均部40aと、周波数変換部22の出力データに移動平均部40aの出力データを加算する加算部40bとを備える。これにより距離スペクトル強度データと時系列的にその1つ前の距離スペクトル強度データとの差を距離毎に求めた差分データが得られる。
【0037】
移動平均処理では、時系列的に連続するN個の値を平均した平均値を、時間方向に1つずつ移動しながら算出する。検出したい動きの周波数に応じてNの値を定めればよい。本実施の形態では、毎分10〜50回の呼吸数が検出できるようにNの値を定める。なお、移動平均処理は、単純移動平均を用いてもよく、重み付け移動平均を用いてもよい。重み付け移動平均を用いることにより、本来のデータに近いデータが得られる。重み付け移動平均は、直近ほど大きな係数を用いる。
【0038】
スペクトラム変換部41と、第1の処理系3のスペクトラム変換部31と同様に、連続する複数の周波数BIN毎にパワーを求め、それを対数に変換する。
【0039】
フィルタ部42は、第1の処理系3のフィルタ部32と同様に、スペクトラム変換部41の出力データに対して連続する複数の周波数BIN毎に移動平均処理(ローパスフィルタに相当する処理)を行い、処理結果(距離毎のパワー)を第2の動き情報42aとして位置判定部33に出力する。なお、第2の動き情報42aは全ての位置のパワーが含まれている。例えば、生体が4mに位置するときは
図4の実線に類似した波形が得られる。
【0040】
エリア毎パワー部44と、第1の処理系3のエリア毎パワー部34と同様に、算出に使用する距離範囲を指定することでエリア121、122、123毎のパワー(強度)を算出する。すなわち、エリア毎パワー部44は、第2の差分データ算出部40から出力された距離スペクトル強度データを、検出エリア122に関する距離スペクトル強度データ(以下「第2のエリア動き情報」という。)44a(
図4参照)と、近傍エリア121に関する第2の動き情報44bと、遠方エリア123に関する第2の動き情報44cに分けて出力する。
【0041】
動作判定部45は、エリア毎パワー部44が算出したエリア121、122、123毎の第2のエリア動き情報44a〜44cと、最小ノイズフロア検出部36Aが検出した最小ノイズフロア36aとに基づいて、対象者Pの居室101に存在するか否かを示す在/不在情報45a(
図4参照)を出力する。なお、動作判定部45は、最小ノイズフロア検出部36Aのデータを用いずにエリア毎パワー部44の出力データのレベルと予め定めた閾値との比較により在/不在を判定してもよい。
【0042】
(実施の形態の動作)
次に、本実施の形態の動作の一例を
図4〜
図6を参照して説明する。
【0043】
(1)居室における対象者の動作
図4は、居室内におけるパワーの時系列的変化の一例を示す図である。
図4の横軸は時間を示し、縦軸は動作情報35a及び在/不在情報45aを除きパワー(dB:デシベル)を示す。対象者Pがドア105を開けて居室101に入室すると、
図4のaで示すように、第1の処理系3のエリア毎パワー部34から出力される第1のエリア動き情報34a、及び第2の処理系4のエリア毎パワー部44から出力される第2のエリア動き情報44a(例えば、呼吸)のパワーが共に大きくなる。
【0044】
また、
図4のaで示すように、第1の処理系3の正規化処理部37が出力する活動情報37aは、第1のエリア動き情報34aに対応して大きなレベルとなる。
【0045】
入室した対象者Pが移動してベッド103に横になると、
図4のbに示すように、第1のエリア動き情報34a及び第2のエリア動き情報44aのパワーは、共に小さくなるが、第1のエリア動き情報34aの方が第2のエリア動き情報44aよりもレベルは小さくなる。対象者Pの体動が呼吸よりも遅くなると、このような傾向になる。このときは、活動情報37aは活動していないことを示している。
【0046】
対象者Pがベッド103の上で寝返りをすると、
図4のc、dに示すように、体が動くため、第1のエリア動き情報34a及び第2のエリア動き情報44aのパワーが共に瞬間的に大きくなる。
【0047】
(2)エアコンのフラップ動作
図5は、エアコン102のフラップが動作した場合のパワーの時系列的変化の一例を示す図である。
図5の横軸は時間を示し、縦軸は在/不在情報45aを除きパワー(dB:デシベル)を示す。
【0048】
対象者Pがドア105を開けて居室101に入室すると、
図5のaに示すように、第1のエリア動き情報34a及び第2のエリア動き情報44aが大きなレベルとなる。在/不在情報45aは在室を示している。
【0049】
その後、対象者Pは遠方エリア123に存在するトイレ104に入ったため、在/不在情報45aが不在を示している。
【0050】
対象者Pはトイレ104から出てエアコン102を起動する操作を行い、ドア105から退室すると、入室してエアコン102を起動する操作を行った瞬間は
図5のbに示すように、第1のエリア動き情報34a及び第2のエリア動き情報44aのパワーが共に大きくなるため、在/不在情報45aは在室を示している。
【0051】
対象者Pが退室しているが、
図5のcに示すように、エアコン102のフラップの動作により第2のエリア動き情報44aのパワーが大きくなっているため、在/不在情報45aは在室を示している。動作判定部45は、第2のエリア動き情報44aが予め定められた周期で動作し、かつ、第1のエリア動き情報34aのレベルが閾値より小さい。これが予め定められた時間継続すると、動作判定部45は、対象者Pは不在と判定し、不在を示す在/不在情報45aを出力する。上記の状態が予め定められた時間継続した後に在/不在情報45aを出力することにより、誤判定を抑制することができる。
【0052】
(3)エアコン内の掃除ロボット
図6は、エアコン内の掃除ロボットが動作した場合のパワーの時系列的変化の一例を示す図である。
図6の横軸は時間を示し、縦軸は在/不在情報45aを除きパワー(dB:デシベル)を示す。
【0053】
エアコン102内の掃除ロボットがあるタイミングで動作すると、
図6のaに示すように、ゆっくりした動作であるため、第1のエリア動き情報34aのレベルは小さいが、第2のエリア動き情報44aのレベルが大きいため、動作判定部45は、在室を示す在/不在情報45aを出力する。動作判定部45は、
図6のaの時間と、掃除ロボットが停止しているbの時間と、次のcの時間を検出すると、掃除ロボットの動作によって第2のエリア動き情報44aのレベルが大きくなっていると判断し、動作判定部45は、不在を示す在/不在情報45aを出力する。掃除ロボットの動作を複数回検出した後に在/不在情報45aを出力することにより、誤判定を抑制することができる。
【0054】
(実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)検出系2が検出した距離スペクトル強度データに基づいて、近傍エリア121、検出エリア122及び遠方エリア123に分けて得られた第2のエリア動き情報44a〜44cにより対象者Pが検出エリア122に存在するか否かを判定することができる。
(2)エアコン102のフラップやエアコン102内の掃除ロボットが動作しても、それに基づく周期の強度変化を判定対象から除外できるので、対象者Pが検出エリア122に存在するか否かを精度良く判定することができる。
(3)最小ノイズフロアと差分データとの差を判定することにより、最小ノイズフロアで対象者Pが存在すると誤判定することを抑制することができる。
【0055】
[変形例]
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形、実施が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…生体情報検出装置(センサ)、2…検出系、3…第1の処理系、
4…第2の処理系、5…通信部、
20…RFレーダ、21…I/Q折畳同期加算部、22…周波数変換部、
30…第1の差分データ算出部、30a…遅延部、30b…加算部、
31…スペクトラム変換部、32…フィルタ部、33…位置判定部、
33a…位置情報、34…エリア毎パワー部、34a…第1のエリア動き情報、
35…動作判定部、36A…最小ノイズフロア検出部、
36B…最大ノイズフロア検出部、37…正規化処理部、37a…活動情報、
40…第2の差分データ算出部、40a…移動平均部、40b…加算部、
41…スペクトラム変換部、42…フィルタ部、44…エリア毎パワー部、
44a…第2のエリア動き情報、45…動作判定部、45a…在/不在情報、
100…屋内、101…居室、101a…壁、101b…床面、102…エアコン、
103…ベッド、104…トイレ、105…ドア、121…近傍エリア、
122…検出エリア、123…遠方エリア、P…対象者