特許第6835800号(P6835800)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6835800
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20210215BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   H01L31/04 570
   H01L31/04 262
【請求項の数】20
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-219340(P2018-219340)
(22)【出願日】2018年11月22日
(62)【分割の表示】特願2015-230764(P2015-230764)の分割
【原出願日】2015年11月26日
(65)【公開番号】特開2019-24141(P2019-24141A)
(43)【公開日】2019年2月14日
【審査請求日】2018年12月7日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0166746
(32)【優先日】2014年11月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】オ ドンヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム チンスン
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒョンホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ヘチョン
【審査官】 小林 幹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−165268(JP,A)
【文献】 中国実用新案第202423302(CN,U)
【文献】 特開2001−068699(JP,A)
【文献】 特開2013−073890(JP,A)
【文献】 特開2013−065588(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103794663(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0138141(US,A1)
【文献】 特開平08−116079(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第19529306(DE,A1)
【文献】 特開2003−258277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L31/02−31/078
H01L31/18−31/20
H01L51/42−51/48
H02S10/00−10/40
H02S30/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面取りされたコーナー部を含む半導体基板と前記半導体基板上に第1導電性電荷を収集する第1電極と、前記第1導電性電荷と反対の第2導電性電荷を収集する第2電極をそれぞれが含む複数の太陽電池と、
第1方向において前記複数の太陽電池の内、第1太陽電池の第1電極と前記第1太陽電池に隣接した第2太陽電池の前記第2電極に電気的に接続され、
前記第1方向と交差する第2方向で互いに並行に配置された複数の配線材とを含み、
前記半導体基板は、
前記面取りされたコーナー部が含まれた第1領域と第2領域、前記第1領域と第2領域の間の第3領域を含み、
前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ前記第1方向と平行な半導体基板の側面を含み、前記複数の配線材は、互いに同一の第1間隔で位置し、
前記複数の配線材は、
前記太陽電池の前記第1領域と第2領域に各々配置された複数の第1配線材と、前記第3領域に配置された複数の第2配線材を含み、
前記第1領域と前記第2領域にそれぞれ配置された前記複数の第1配線材の数の合より前記第3領域に配置された前記複数の第2配線材の数がさらに多く、
前記第1電極は、前記第1方向にそれぞれ配置された複数の電極パッド部を有し、前記第1領域及び前記第2領域に位置する前記電極パッド部の内、前記第1方向の最外郭に位置する電極パッド部は、前記第3領域に位置する前記電極パッド部の内、前記第1方向の最外郭に位置する電極パッド部と互いに異なる第2方向の位置に形成され、
前記第1配線材の長さは、前記第2配線材の長さより短い、太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記第1配線材に接続された第1電極と第2電極の総数は、前記第2配線材に接続された第1電極と第2電極の総数より少ない、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記第1配線材の端は、前記面取りされたコーナー部から第1距離だけ離れており、前記第2配線材の端は、前記半導体基板の端から第2距離だけ離れている、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記第1距離と前記第2距離は同じである、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記第1距離は隣接する第1電極のピッチより小さい、請求項4に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記第1距離は前記第2距離より短い、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記第1電極は、前記複数の太陽電池のそれぞれの前面に位置し、前記第2電極は、前記複数の太陽電池のそれぞれの後面に位置する、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記第2電極と前記複数の配線材が交差する部分には、電極パッド部が形成される、請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記複数の配線材のそれぞれは、断面が円形であるワイヤで形成される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記複数の配線材のそれぞれは、断面が長方形であるリボンで形成される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記複数の電極パッド部は、前記第1領域と第2領域で、前記第1電極と前記第1配線材の交点に配置される複数の第1パッド部と、
前記第3領域で、前記第1電極と前記第2配線材の交点に配置される複数の第2パッド部を含み、
前記第1配線材の端は、前記複数の第1パッド部の内、前記半導体基板の端の最とも近くに位置する最外郭パッド部に固定され、前記第2配線材の端は前記複数の第2パッド部の内、前記太陽電池の端の最も近くに位置する最外郭パッド部に固定される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
前記第1配線材が固定される第1最外郭パッド部は、前記面取りされたコーナー部から第3距離だけ離れており、前記第2配線材が固定される第2最外郭パッド部は、前記半導体基板の端から第4距離だけ離れている、請求項11に記載の太陽電池モジュール。
【請求項13】
前記第3距離と前記第4距離と同じである、請求項12に記載の太陽電池モジュール。
【請求項14】
前記第3距離と第4距離のそれぞれは、5〜15(mm)である、請求項13に記載の太陽電池モジュール。
【請求項15】
前記第3距離は前記第4距離より短い、請求項12に記載の太陽電池モジュール。
【請求項16】
前記複数の第1パッド部は、複数の第1電極を接続する複数の接続電極のそれぞれに接続され、前記複数の第2パッド部は、前記複数の接続電極のそれぞれに接続される、請求項11に記載の太陽電池モジュール。
【請求項17】
前記複数の接続電極は、前記第1領域と第2領域と前記第3領域のそれぞれに存在する前記第1電極のすべてと接続される、請求項16に記載の太陽電池モジュール。
【請求項18】
前記接続電極は、前記最外郭パッド部と前記半導体基板の端との間に存在する少なくとも一つの第1電極を、前記最外郭パッド部に接続する、請求項16に記載の太陽電池モジュール。
【請求項19】
斜線方向に延長するように構成され、前記最外郭パッド部と前記半導体基板の端との間に存在する少なくとも一つの第1電極を、前記最外郭パッド部に接続するリンク電極をさらに含む、請求項11に記載の太陽電池モジュール。
【請求項20】
前記複数の第2配線材の数は、前記複数の第1配線材の数より少なくとも5倍以上多い、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池を複数の配線材で互に接続させた太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
最近石油や石炭のような既存エネルギー資源の枯渇が予測されながらこれらを取り替える代替エネルギーに対する関心が高くなる。その中でも、太陽電池は、太陽エネルギーから電気エネルギーを生産する電池として、エネルギー資源が豊富に利用でき、環境汚染の問題がなく、注目されている。
【0003】
一般的な太陽電池は、p型またはn型のような互いに異なる導電型(conductive type)の半導体からなる基板(substrate)110とエミッタ部120(emitter layer)、及び基板110とエミッタ部120にそれぞれ接続された電極を備える。このとき、基板110とエミッタ部120の界面にはp−n接合が形成されている。
【0004】
このような太陽電池に光が入射されると、半導体で複数の電子-正孔の対が生成され、生成された電子−正孔対は、電子と正孔にそれぞれ分離され、電子と正孔はn型半導体とp型半導体の方向に、例えば、エミッタ部120と基板の方向に移動し、基板110とエミッタ部120と電気的に接続された電極によって収集され、この電極を電線で接続して電力を得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、このような技術的背景から創案されたもので、新しいタイプの太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
好適な一実施の形態において、太陽電池モジュールは、第1導電性電荷を収集する第1電極と、前記第1導電性電荷と反対の第2導電性電荷を収集する第2電極をそれぞれが含み、互いに隣接するように配置した複数の太陽電池と、前記第1電極を隣接した太陽電池の第2電極に電気的に接続し、互いに並行に配置される複数の配線材を含み、前記複数の配線材は、曲線端を備えるコーナー部を備える前記太陽電池のコーナー領域に配置される第1配線材と、前記コーナー領域を除外した前記太陽電池の非コーナー領域に配置される第2配線材を含む。
【0007】
好ましく、前記第1配線材の長さは、前記第2配線材の長さより短い。
【0008】
好ましく、前記第1配線材に接続された第1電極と第2電極の総数は、前記第2配線材で接続された第1電極と第2電極の総数より少ない。
【0009】
好ましく、前記第1配線材の端は、前記コーナー部から第1距離だけ離れており、前記第2配線材の端は、前記太陽電池の端から第2距離だけ離れている。
【0010】
好ましく、前記第1距離と前記第2距離は同一であり、前記第1距離は、前記第1電極のピッチより小さい。
【0011】
好ましく、前記第1距離は、前記第2距離より短いことがありえる。
【0012】
ここで、前記第1電極は、前記複数の太陽電池のそれぞれの前面に位置し、前記第2電極は、前記複数の太陽電池のそれぞれの後面に位置することができる。
【0013】
併せて、前記第1電極と前記配線材または前記第2電極と前記配線材が交差する部分には、電極パッド部が形成されることができる。
【0014】
また、前述したようと異なって、前記第1電極と前記第2電極の全ては、前記複数の太陽電池のそれぞれの後面に位置することも可能である。
【0015】
このような場合、前記第1電極と前記第1電極に電気的に接続される前記複数の配線材が交差する部分には、導電性接着部が形成され、前記第1電極と前記第2電極に電気的に接続される前記複数の配線材が交差する部分には絶縁性接着部が形成されることができる。
【0016】
前記隣接する太陽電池の前記第2電極に接続された前記複数の配線材と前記第1電極に接続された前記複数の配線材は、互いに接続バーを介して接続することができ、このとき、前記接続バーは、互いに隣接した太陽電池の間に位置することができる。
【0017】
このような前記接続バーは、前記第2電極に接続された前記複数の配線材の長さ方向及び前記第1電極に接続された前記複数の配線材の長さ方向と交差する方向に延長することができる。
【0018】
さらに、前記太陽電池の非コーナー領域は、前記太陽電池の半導体基板の中心に位置し、前記太陽電池のコーナー領域は、前記半導体基板の前記非コーナー領域の両側に位置し、前記コーナー領域の長さは、前記非コーナー領域の長さよりも短いことがありえる。
【0019】
このとき、前記コーナー領域には、前記第1電極に接続される少なくとも1つの配線材と前記第2電極に接続される少なくとも1つの配線材が位置することができる。
【0020】
また、前記複数の配線材のそれぞれは、断面が円形であるワイヤで形成されるか、断面が長方形であるリボンで形成することができる。
【0021】
また、前記第2配線材の端と前記太陽電池の端の間に存在し、前記第1配線材又は前記第2配線材と接続されていない第1電極は、接続バーによって前記第2配線材に接続された第1電極に接続されうる。
【0022】
好ましく、前記太陽電池モジュールは、前記コーナー領域において、前記第1電極と前記第1配線材の交点が配置される複数の第1パッド部と、前記非コーナー領域において、前記第1電極と前記第2配線材の交点に配置される複数の第2パッド部を含み、前記第1配線材の端は、前記複数の第1パッド部の内、前記太陽電池の端に最も近く位置する最外郭パッド部に固定され、第2配線材の端は、前記複数の第2パッド部の内、前記太陽電池の端の最も近くに位置する最外郭パッド部に固定される。
【0023】
好ましくは、前記第1配線材が固定される第1最外郭パッド部は、前記コーナー部から第3距離だけ離れており、前記第2配線材が固定される第2最外郭パッド部は、前記太陽電池の端から第4距離だけ離れている。
【0024】
好ましくは前記第3距離と前記第4距離は同じであり、前記第3距離と第4距離は、それぞれ5−15(mm)である。
【0025】
好ましくは、前記第3距離は、前記第4距離より短く、前記第1最外郭パッド部と前記第2最外郭パッド部は、前記第1電極の延長方向に基づいて、同じ線上に位置する。
【0026】
好ましくは、前記複数の第1パッド部と前記複数の第2パッド部は、複数の接続電極のそれぞれによって互いに接続されている。
【0027】
好ましくは、前記接続電極は、前記コーナー領域と、前記非コーナー領域のそれぞれに存在する第1電極のすべてと接続されている。
【0028】
好ましくは、前記接続電極は、前記最外郭パッド部と前記太陽電池の端との間に存在する少なくとも一つ以上の第1電極を、前記最外郭パッド部に接続させている。
【0029】
好ましくは、前記太陽電池モジュールは、斜線方向に延長するように構成され、前記最外郭パッド部と前記太陽電池の端との間に存在する少なくとも一つの第1電極を、前記最外郭パッド部に接続するリンク電極を含む。
【0030】
好ましくは、前記第2配線材の数は、前記第1配線材の数よりも少なくとも5倍以上多い。
【0031】
好ましくは、前記複数の配線材のそれぞれは、前記複数の配線材の総数を、前記太陽電池の幅で区画されたそれぞれの領域の中央に位置する。
【0032】
本発明の一実施の形態においては、コーナー部を含む太陽電池でコーナー部にも配線材を配置して、太陽電池全体で均一に電荷を収集することができるようにしている。
【0033】
本発明の一実施の形態においては、コーナー領域に配置される複数の配線材の長さを非コーナー領域に配置される複数の配線材の長さよりも短くし、コーナー部で複数の配線材同士ショート(短絡)する問題を解決する。
【0034】
本発明の一実施の形態においては、非コーナー領域に配置される複数の配線材の長さをコーナー領域に合わせて太陽電池モジュールを製造する際に、一度の切断工程で、すべての複数の配線材を切断できるようにする。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施の形態においては、コーナー部を含む太陽電池においてコーナー部にも配線材を配置し、太陽電池全体で均一に電荷を収集することができるようにしている。
【0036】
本発明の一実施の形態においては、コーナー領域に配置される配線材の長さを非コーナー領域に配置される配線材の長さより短くし、コーナー部で配線材同士ショートする問題を解決する。
【0037】
本発明の一実施の形態においては、非コーナー領域に配置される配線材の長さをコーナー領域に合わせて太陽電池モジュールを製造する際に、一度の切断工程で、すべての配線材を切断できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本願発明の実施例による太陽電池モジュールの全体の様子を示す図である。
図2図1のAーA線方向に沿った断面様子を示す図である。
図3図1のB−B線方向に沿った断面様子を示す図である。
図4】配線材の様子を示す図である。
図5】太陽電池のコーナー部を説明するための図である。
図6】太陽電池のコーナー部を拡大して示す図である。
図7】配線材が太陽電池のどこに位置するかを説明するための図である。
図8】太陽電池の配線材同士ショートする問題を説明するための図である。
図9】本発明の第1の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示す図である。
図10図9に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す図である。
図11】隣接した二つの太陽電池においてコーナー部を選択的に拡大して示す図である。
図12図11のC−C線に沿った断面様子を示す図である。
図13】第1配線材の端と第2配線材の端が同一線上に位置する様子を示す図である。
図14】本発明の第2の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示す図である。
図15図14に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す図である。
図16】本発明の第3の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示す図である。
図17図16に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す図である。
図18】本発明の第4の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示す図である。
図19図18に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す図である。
図20】本発明の他の実施の形態において、後面接触型太陽電池を用いて構成された太陽電池モジュールの全体様子を示す図である。
図21図20に示した太陽電池の断面様子を示す図である。
図22】隣接した二つの太陽電池がコネクタによって接続される様子を示す図である。
図23図20の太陽電池モジュールにおいて隣接した二つの太陽電池が配線材によって接続された平面の様子を示す図である。
図24図24は、図22で説明した太陽電池モジュールの前面の一部分を拡大した拡大図であり、図24は、図22で説明した太陽電池モジュールの後面の一部分を拡大図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
この明細書に添付された図面は、発明を容易に説明するために図式化した様子を示す。したがって、添付された図面は、実際とは異なる場合がある。
【0040】
以下で説明される実施の形態は、好ましい一形態であるだけであり、本願発明をすべて示すものではない。特に、以下の実施の形態を介して説明される各構成要素を選択的に取捨選択し、これらを結合して作成された実施の形態もまた、各構成要素は、既に説明されたものであるから、これもまた本願発明に属するものである。
【0041】
また、以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。説明において、図中、同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰り返さない。
【0042】
以下、図1図4を参照で本発明の一実施の形態に係る太陽電池モジュールを説明する。図1は、太陽電池モジュールの全体様子を、図2図1のA−A線方向に沿った断面を、図3図1のB−B線方向に沿った断面を、図4は、配線材の様子を示す。
【0043】
図1図4に示されたような、この実施の形態の太陽電池モジュールは、互いに隣接に配置された複数の太陽電池(C1−C3)を薄い線幅を有する複数の配線材125が接続している。配線材125は、隣接した二つの太陽電池の内、いずれか1つの前面に形成された前面電極113に物理的、電気的に接続されており、他の一つの後面に形成された後面電極115に物理的、電気的に接続されてある。配線材125は、このように隣接した二つの太陽電池の前面電極113と後面電極115にそれぞれ接続されて二太陽電池を電気的に接続させる。
【0044】
この実施の形態において、太陽電池は、半導体基板111の前面と後面からそれぞれ光を吸収する両面受光型(bifacial)構造で前面電極113と後面電極115が同じ形で配列されているものと説明する。以下の実施の形態は、一つの例示であるだけで、特別な制限がない限り、すべての既知の構造の太陽電池にも同じように実現することができる。
【0045】
太陽電池は、薄い厚さを有する多面体形状を有しており、横と縦の大きさが約156(mm)* 156(mm)であり、厚さは150(μm)−250(μm)である。
【0046】
光が入射される面である前面には、前面電極113が位置して配線材125と接続されてある。この前面電極113は、半導体基板111と反対になる導電性の電荷を収集する。一例では、半導体基板111がp型半導体基板であれば、前面電極113は、電子を収集する。
【0047】
半導体基板111は、p−n接合を成しており、第1導電性不純物を含みn型またはp型半導体基板からなる。
【0048】
この半導体基板111の後面には、前面電極113と類似の形態を成している後面電極115が形成されてある。後面電極115は、前面電極113と反対になる導電性の電荷を収集する。
【0049】
半導体基板111と、前面電極113、半導体基板111と後面電極115の間には、不純物が高濃度にドープされたエミッタ層と後面電界部、そして電荷が表面から再結合することを防止または抑制するパッシベーション膜が存在する。
【0050】
このような構成を有する太陽電池は、配線材125によって隣接した二つの太陽電池が接続されるが、配線材125は、隣接した二つの太陽電池の前面と後面にそれぞれ形成された前面電極113と後面電極115に電気的に接続されてある。
【0051】
一方、この実施の形態において、各太陽電池(C1−C3)は、角が円形の一部として行われたコーナー部111aを含む。一例として、類似型ウエハ(pseudo type wafer)は、製造工程上の理由から、このようにコーナー部111aを含んでおり、この擬似型ウエハで製造された太陽電池は、本実施の形態のようにコーナー部111aを有することになる。
【0052】
この実施の形態において、配線材125は、位置に応じて、コーナー部111aを横切るように配置される一対の第1配線材125aとこの第1配線材125aとの間に位置する複数の第2配線材125bを含む。
【0053】
第1配線材125aは、隣接した二つの太陽電池を接続している複数の配線材の内で最外側に位置しており、複数の第2配線材125bは、これらの間に位置してコーナー部111aを横切らず、隣接する二つの太陽電池を接続させている。第1配線材125aと第2配線材125b、そして第2配線材同士は一定の間隔で離れていて、ストライプ配列をなす。
【0054】
配線材125は、図4の(A)において例示するようなワイヤ形状を成している。図4で(B)は、配線材125の断面形状を示す。
【0055】
示されたような、配線材125は、コーティング層125aがコア層125bを薄い厚さ(12(μm )内外)でコーティングした円型断面様子を有し、全体250(μm )−500(μm )の厚さを有する。しかし、これと違って、配線材125は、断面が長方形であるリボン形であることができ、このように、断面が長方形であるリボン形を有する配線材125は、幅が0.5mm〜2mmの間で有り得る。
【0056】
コア層125bは、Ni、Cu、Ag、Alのような導電性が良い金属材質であり、コーティング層125bは、Pb、SnまたはSnIn、SnBi、SnPb、Sn、SnCuAg、SnCuのような化学式を有する金属物質、特にはんだを含んでおり、母材を溶融結合させるはんだ付け(soldering)を介して配線材125を電極(113、115)に接続させることができる。
【0057】
隣接した二つの太陽電池を接続する際に、この配線材125は、半導体基板が156(mm)* 156(mm)大きさを有する場合に、10個−18個が使用されるが、個数は、基板の大きさや電極の線幅、厚さ、ピッチなどを変数として調整される。
【0058】
以上の説明は、配線材125が、断面が円形であるワイヤ形状であることに基づいたが、断面が長方形、楕円形など多様な形状を有することができる。
【0059】
このような配線材125は、隣接した二つの太陽電池を電気的に接続させるが、一方は、第1太陽電池(C1)の前面電極113に接続され、他の方は、第2太陽電池(C2)の後面電極115に接続される。また、配線材125は、第2太陽電池(C2)と第3太陽電池(C3)との間でも、これらを接続し、一方は、第2太陽電池(C2)の前面電極113に接続され、他の方は第3太陽電池(C3)の後面電極115に接続される。これにより、第1〜第3の太陽電池(C1−C3)が配線材125によって互いに電気的に接続がされ、一つの太陽電池に基づいて、前面と後面にそれぞれ配線材125が位置している。
【0060】
電極と配線材を接続させる好ましい一形態は、母材を溶融結合させるはんだ付けである。しかし、この工程は必須ではない。
【0061】
この実施の形態において、前面電極113と配線材125が交差する地点には、選択的にパッド部140をさらに形成することができる。パッド部140は、前面電極113と配線材125が交差する領域を広げ配線材125を前面電極113に接続時に接触抵抗を低減させ、配線材125と、前面電極113間の結合力を高め、これにより、前面電極113から配線材125に電荷の移動がよく起きるようにする。
【0062】
一方、前面電極113と配線材125を半田付けする場合に、配線材125を隣接した二つの太陽電池の前面と後面にそれぞれ位置させ、配線材125が前面電極113及び後面電極115とそれぞれ対向させ、この状態で配線材125のコーティング層125aを溶融温度以上で数秒間加熱する。これにより、コーティング層125aが溶融された冷やしながら配線材125が電極に付着される。
【0063】
この実施の形態において、配線材125は、前面電極113とパッド部140を介してはんだ付けされ、また、パッド部140がない交差点でも配線材125は、前面電極113と直接溶融結合されるため、電極と配線材との間の接触抵抗を低減させセルの効率を高めることができ、配線材の結合強度もまた高めることができる。
【0064】
代替的な例において、配線材125は、電極に導電性接着剤で付着されることもある。導電性接着剤は、エポキシ(epoxy)系合成樹脂またはシリコン系合成樹脂にNi、Al、Ag、Cu、Pb、Sn、SnIn、SnBi、SnPb、Sn、SnCuAg、SnCuと表記される導電性粒子(conductive particle)またははんだ(solder)が含まれている物質であり、液状で熱を加えると熱硬化される物質である。また、配線材125は、電極に半田ペーストにも付着することができる。はんだペーストは、鉛(Pb)または錫(Sn)のようなはんだ粒子を含むペーストで、溶融温度以上に熱を加えると、はんだペーストの中に存在するはんだ粒子が溶融しながら二母材を溶融結合させる。
【0065】
この実施の形態において、前面電極113は、従来のように広い線幅を有するバス電極を含まない代わりに、前述したように配線材125に直接接続される。したがって、バス電極を省略することができるので、製造コストを削減することができ、また、光の受光面に広い面積に渡って形成されたバス電極を省略することができるので、その分受光効率が良くなり、結局、太陽電池の効率を良くすることができる。
【0066】
そして、この実施の形態において、太陽電池は、両面受光型構造であるから、後面電極は、前述した前面電極と比較して、電極間のピッチだけ差があるだけであって、残りは同一である。したがって、後面電極に対して前面電極の説明で代わりをする。
【0067】
以下、前述したような太陽電池モジュールを構成する太陽電池100の内、コーナー部111aに対して図5及び図6を参照に詳しく説明する。図5は、太陽電池のコーナー部を説明するための図であり、図6は、コーナー部を拡大して示す図である。
【0068】
図5及び図6に例示したような、太陽電池100は、横及び縦が同じ約正方形平面形状をなしている。現在の市場で最も広く使用される基板111の大きさは、156(mm)* 156(mm)であるので、以下の説明は、これに基づく。なお、いかなるサイズの基板も利用可能である。
【0069】
横*縦の大きさがそれぞれ156(mm)である太陽電池において、各コーナー部111aは、半径(r)が100−104(mm)である円の一部として行われる。この場合に、コーナー部111aの横の長さ(x)は、約11−13(mm)となる。そして、コーナー部111aの縦の長さ(y)は、横の長さと同じであるため、縦の長さ(y)も約11−13(mm)である。
【0070】
したがって、コーナー部111aから基板の垂直方向の長さ(y)は、基板の全体縦の長さ、156(mm)より最大22(mm)−26(mm)ほど短くすることができる。したがって、コーナー部111aは湾曲部又は曲線端を備えるが、コーナー部111aのそれぞれが直線端を備える場合には、湾曲部又は曲線端は不要である。さらに、コーナー部111aの形状に基づけば、半導体基板111は、例えば、八角形のような多角形とすることもできる。
【0071】
一方、この実施の形態のように、複数の配線材125で互いに隣接した太陽電池を接続する場合に、配線材125は、太陽電池で生成された電荷を効率的に収集して伝達するために、図7に例示するように位置する。
【0072】
図7においては、12個の配線材で互いに隣接した太陽電池を接続する場合を例として説明する。
【0073】
図7において、複数個でなされた配線材は、太陽電池100から生成された電荷を均一に収集して伝達することが望ましいので、太陽電池全体に均等に配置しなければならない。したがって、配線材は、太陽電池100の横の長さを12等分したとき、等分された各領域の中心に位置する。
【0074】
図において、「Cl」は、太陽電池100を12等分する区分線であり、「Bp」は等分された各領域の中心線を示す。この中で、配線材は、中心線(Bp)に合わせて位置し、隣接した二つの太陽電池を電気的に接続させることになる。
【0075】
ここで、区分線(Cl)との間の距離(Ep)は「太陽電池の横の長さ/12」であるから13(mm)になり、コーナー部111aの横の長さは11−13(mm)で、Ep/2より大きい。したがって、太陽電池に配置された複数の配線材の内、最外郭に位置する第1配線材125aは、コーナー部111aを横切るように位置することになる。
【0076】
言い換えれば、以下のような数式1を満足する時、第1配線材125aは、コーナー部111aを横切るように位置することになる。
【0077】
[数式1]
コーナー部の横の長さ(Cp)>(太陽電池の幅/配線材の数)/2
【0078】
そして、太陽電池100を12等分して、その中央に配線材を配置する場合に、太陽電池100の先端から配線材までの距離(t)は、(太陽電池の横の長さ/配線材の数)/2となる。
【0079】
一方、前述したようにコーナー部111aで太陽電池の縦の長さ(y)は、全体縦の長さ、156(mm)より22(mm)−26(mm)ほど短くすることができる。したがって、仮に、コーナー部111aが含まれているコーナー領域(AC1、AC2)に配置される配線材の長さがコーナー部111aがない非コーナー領域(AT)に配置される配線材の長さと同じであれば、コーナー領域に位置する配線材の場合には、コーナー部111aにより太陽電池100の外に露出される。
【0080】
ところで、図8に例示するように、配線材は、隣接した二つの太陽電池(CE1、CE2)の前面電極と後面電極をそれぞれ接続しており、一つの太陽電池を基準に配線材は、前面と後面にそれぞれ位置している。また、前面と後面にそれぞれ位置するこれら(125UP、125DW)は同一線上に位置している。したがって、配線材がコーナー部111aから露出されると、露出された配線材と同一線上で対向する他の配線材とショート(短絡)する問題が発生する。
【0081】
この実施の形態においては、このような問題点を考慮して、次のように配線材を太陽電池にワイヤリング(wiring)して、前述した問題点を解決している。
【0082】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示し、図10は、図9に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す。
【0083】
図9及び図10において、太陽電池100の前面には、前面電極113が形成されている。
【0084】
前面電極113は、薄い線幅を有し、一つの方向に長く延長されており、隣接したものと並行するように配置されストライプ配列を成している。この前面電極113は、40(μm)−100(μm)の線幅を有し、厚さは15(μm)−30(μm)、電極と電極の間の距離であるピッチ(p)は1.3(mm)−1.9(mm)である。
【0085】
この実施の形態の前面電極113は、このように薄い線幅を有していることに対し、従来のようなバス電極は存在しない。したがって、前面電極113が配線材125と接続されるとき、両者の間の接触面積が小さく、電荷輸送が難しいだけでなく、両者の間を電気的、物理的に接続するのに困難がある。
【0086】
このような点を考慮し、前面電極113は、パッド部140をさらに含んでいる。
【0087】
パッド部140は、配線材125と、前面電極113が交差する交差点に配置がされ、配線材の長さ方向にnライン(n=自然数)ごとに形成されることが望ましい。図面では、5ラインごとにパッド部140が形成されることを例示する。
【0088】
このパッド部140の数は大きさ、電極の厚さ、ピッチのような変数を考慮して決定される。
【0089】
このようなパッド部140と、前面電極113は、同一工程でスクリーン印刷法で同時に形成されるか、または他の工程でそれぞれ分かれて形成することができる。
【0090】
以上の説明は、前面電極113に基づいて説明したが、この実施の形態の太陽電池は、両面受光型太陽電池で、後面電極115もまた前面電極113と同じ形に形成されることで、後面電極115の詳細な説明は省略する。
【0091】
配線材125は、このように形成される前面電極113と交差する方向に隣接した二つの太陽電池(CE1、CE2)を接続している。
【0092】
この実施の形態において、配線材125は、図7を介して説明したように、配線材の数に区画された各領域の中央に位置し、コーナー領域(AC1、AC2)と非コーナー領域(AT)にそれぞれに位置している。
【0093】
具体的には、太陽電池の非コーナー領域(AT)は、半導体基板の中心に位置し、前記太陽電池のコーナー領域(AC1、AC2)は、前記半導体基板において、前記非コーナー領域(AT)の両側にそれぞれ位置し、前記コーナー領域(AC1、AC2)の長さは、前記非コーナー領域(AT)の長さよりも短いことがありうる。
【0094】
このとき、前記コーナー領域(AC1、AC2)には、前記第1電極113に接続される配線材と前記第2電極115に接続される配線材が位置することができる。
【0095】
前述したような条件で、配線材125は、総12個が配置され、コーナー領域(AC1、AC2)には、第1配線材125aが、非コーナー領域125bには、第2配線材125bが位置する。コーナー領域(AC1、AC2)には、それぞれ1つの配線材が位置し、非コーナー領域125bには、総10個の第2配線材125bが位置する。配線材と配線材との間には一定の距離で離れており、隣接したものと並行するように一方向に長く延長され、ストライプ配列を成している。
【0096】
第1配線材125aは、コーナー部111aが含まれているコーナー領域(AC1、AC2)で隣接した二つの太陽電池(CE1、CE2)を接続しており、これと比較して第2配線材125bは、コーナー部がない非コーナー領域(AT)で隣接した二つの太陽電池(CE1、CE2)を接続している。
【0097】
第1配線材125aの一方は、第1太陽電池(CE1)の前面に位置して前面電極と接続されており、他の方は、第2太陽電池(CE2)の後面に位置して後面電極と接続されている。また、第1配線材125aの一端125a’は、第1太陽電池(CE1)の後面で、下のコーナー部(111a_dw)に隣接しており、もう一方の端(125a“)は、第2太陽電池(CE2)の前面から上のコーナー部(111a_up)に隣接し位置して二太陽電池(CE1、CE2)を接続する。
【0098】
第2配線材125bもまた第1配線材125aと同様に、一方は、第1太陽電池(CE1)の前面に位置し、前面電極と接続されており、他の方は、第2太陽電池(CE2)の後面に位置し、後面電極と接続される。また、第2配線材125bの端(125b’)は、第1太陽電池(CE1)の加担(CE11)に隣接し、もう一方の端(125b“)は、第2太陽電池(CE2)の上端(CE21)に隣接した状態で、2つの太陽電池(CE1、CE2)を接続する。したがって、この実施の形態において、第1配線材125aの総長さは、コーナー部111により、第2配線材125bの総長さより短く、第1配線材125aの端と第2配線材125bの端は「Sf」だけシフトされている。シフト距離(Sf)は、コーナー部111aの幅(配線材の長さ方向の長さ)より小さい。
【0099】
このように、この実施の形態では、第1配線材125aの総長さが第2配線材の総長さよりも短いので、第1配線材125aに接続された前面電極と後面電極の総個数もまた第2配線材125bに接続された前面電極と後面電極の総個数より少ない。
【0100】
以下、図11及び図12を参照して、コーナー部に配置された配線材についてさらに詳しく説明する。図11は、隣接した二つの太陽電池でコーナー部を選択的に拡大して示し、図12は、図11のC−C線に沿った断面様子を示す。
【0101】
示されたような、第1太陽電池(CE1)において第1配線材125aの端(E1)は、コーナー部111a1から第1距離(d1)だけ離れており、第2配線材125bの端(E2)は、第1太陽電池(CE1)の端(CE11)から第2距離(d2)だけ離れている。
【0102】
好ましく、非コーナー領域(AT)で第2配線材125bの端(E2)は、第1太陽電池(CE1)の端(CE11)と、これに直接隣接した前面電極113eとの間に位置している。
【0103】
第2配線材125bの端(E2)が第1太陽電池(CE1)の端(CE11)より前に位置して二つの太陽電池(CE1、CE2)との間に置かれれば、図8のような配置を成し太陽電池を挟んで向かい合っている配線材同士ショートすることがありうる。そして、第2配線材125bの端(E2)が最後の前面電極113eより後にある場合、最後の前面電極113eが第2配線材125bと接続されないため、最後の前面電極113eから収集される電荷を第2配線材125bに渡すことができない効率が低下することがある。
【0104】
同様に、第1配線材125aもコーナー部111a1から第1距離(d1)だけ離れているので、太陽電池を挟んで向かい合っている他の第1配線材125aとショートするのを防止することができる。
【0105】
このように、この実施の形態では、第1配線材125aがコーナー部111a1から一定の距離(d1)だけ離れて位置しており、前述したようにコーナー部111aにより、太陽電池の上、下に位置する第1配線材125aがショートされる問題を解決することができる。
【0106】
ところで、このように第1配線材125aをコーナー部111a1で一定の距離(d1)だけ離れるようになれば、コーナー部11により、第1配線材125aの端(E1)と第1太陽電池(CE1)の端(CE11)との間に存在する、前面電極と電気的に接続されていない。これにより、電荷収集がよくならないことがあるが、この実施の形態では、第1配線材125aに直接隣接している第2配線材125bをすべての前面電極113と接続できるように配置して、これらの問題点を解決している。
【0107】
一方、この実施の形態において、第1配線材125aは、コーナー部111a1から第1距離(d1)だけ離れており、第2配線材125bは、第1太陽電池(CE1)の端(CE11)から第2距離(d2)だけ離れている。したがって、第1配線材125aの端(E1)と第2配線材125bの端(E2)は、同じ線上に位置していない。
【0108】
好ましい一形態では、第1距離(d1)と、第2距離(d2)は同一である。そして、第2距離(d2)は、前面電極113のピッチ(p)より小さいことが望ましい。第2距離(d2)がピッチ(p)より大きくなると、第2配線材125bが最後の前面電極113eと電気的に接続されないことがある。
【0109】
これと同様に、第1距離(d1)もまた前面電極113のピッチ(p)より小さくすべき、第1配線材125aをできるだけ多くの前面電極113と接続させることができる。
【0110】
そして、第1配線材125aは、コーナー領域(AC1)に位置しており、第1配線材125aに接続された前面電極113の数は、第2配線材125bに接続された前面電極113の数より小さい。
【0111】
一方、図13は、第1配線材125aの端(E1)と第2配線材125bの端(E2)が同一線上に位置する様子を示す。このように、第1配線材125aの端(E1)と第2配線材125bの端(E2)が同一線上に位置するようになると、製造工程を単純化することができる利点がある。前述したところでは、第1配線材125aの端(E1)と第2配線材125bの端(E2)が同一線上にないので、第1配線材125aと第2配線材125bを分けてカットするべきであるが、このように第1配線材125aの端(E1)と第2配線材125bの端(E2)が同一線上に位置すると、第1配線材125aと第2配線材125bを共にカットすることができる。
【0112】
図13において例示するような、第1配線材125aの端(E1)と第2配線材125bの端(E2)は、同一線上に位置しているので、4番目の前面電極113cで配線材の端(E1、E2)まで突出した距離(Pd)は、第1配線材125aと第2配線材125bが同一である。
【0113】
第1配線材125aの端(E1)は、コーナー部111a1から第3距離(d3)だけ離れており、第2配線材125の端(E2)は、第2太陽電池(C2)の端(CE11)で第4距離(d4)だけ離れている。第1配線材125aの端(E1)と第2配線材125bの端(E2)は、同一線上に位置する反面、第1配線材125aが位置するコーナー部111a1により第3距離(d3)は、第4距離(d4)より短い。
【0114】
一方、この実施の形態のように、第2配線材125bの端(E2)を第1配線材125aの端(E1)に合わせて位置させると、第2配線材125bに接続されない前面電極が存在する。ところが、このように前面電極が配線材に接続されない場合は、前面電極で収集された電荷が配線材に伝達されず、太陽電池の効率が低下することがある。
【0115】
本発明においては、このような点を考慮し、第2配線材125bのシフトにより配線材と接続されない電極を配線材と接続された他の電極に接続させ、このような問題を解決する。
【0116】
この実施の形態では、最後の前面電極113eと4番目の前面電極113cとの間を電気的に接続する接続バー114を含む。
【0117】
この接続バー114により、第2配線材125bに接続されない最後の前面電極113eから4番目の前面電極113cとの間に存在する前面電極が互いに接続され、また、4番目の前面電極113cは、配線材に接続されているので、配線材に直接接続されていなかった前面電極もまた配線材に接続される。
【0118】
この実施の形態において、接続バー114は、前面電極113の一部として構成されるか、または電極とは無関係なことがある。一例として、この接続バー114は、配線材125で成り得、この場合に、接続バー114は、配線材125が前面電極113と半田付けされるとき、共に形成される。
【0119】
また、接続バー114の数は、配線材に接続されない電極の数に比例して増加するか、減少することがある。例えば、配線材に接続されていない電極の数が多くなるほど、これに比例して、接続バー114の数もまた増える。
【0120】
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示し、図15は、図14に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す。
【0121】
図14及び図15において、太陽電池100の前面には、前面電極113と接続電極116が形成されている。
【0122】
前面電極113は、前述した第1の実施の形態と同様に、薄い線幅を有し、一つの方向に長く延長されており、隣接したものと並行するように配置されてストライプ配列を成している。この前面電極113は、40(μm)−100(μm)の線幅を有し、厚さは15(μm)−30(μm)、電極と電極の間の距離であるピッチ(p)は1.3(mm)−1.9(mm)である。
【0123】
接続電極116はまた、前面電極113と同様に薄い線幅を有し、前面電極113と交差する方向に長く延長され、前面電極113を電気的、物理的に接続させている。
【0124】
好ましい一形態において、接続電極116は、前面電極113と同様に、40(μm)−100(μm)の線幅を有し、厚さは15(μm)−30(μm)である。
【0125】
このような接続電極116は、配線材が位置するところに対応して位置し、配線材と交差することになる前面電極113を接続させる。この実施の形態において、接続電極116は、配線材と同様に、各コーナー領域(AC1、AC2)に1つ存在し、非コーナー領域(AT)には、10個存在する。
【0126】
コーナー領域に位置する接続電極116bは、コーナー領域(AC1、AC2)に存在する前面電極113を電気的、物理的に接続させており、非コーナー領域(AT)に位置する接続電極116aは、非コーナー領域(AT)に存在する前面電極113を電気的、物理的に接続させている。これにより、コーナー領域と非コーナー領域で前面電極113は、接続電極116によって互いに接続されている。
【0127】
この実施の形態は、このように接続電極116を形成し、前面電極を接続させるとともに、配線材に対応する位置に形成することにより、配線材と電極との間の結合力を高める一方、前面電極113で収集された電荷が配線材125によく伝達されるようにする。
【0128】
一例で、配線材125は、パッド部140に半田付けで固定されるが、配線材125は、接続電極116とも向き合った状態で位置しており、接続電極116にもはんだ付けされるため、配線材と電極間の結合力が高まる。
【0129】
この実施の形態においても、前面電極113と接続電極116が交差する交差点に沿ってパッド部140が形成されている。
【0130】
パッド部140は、前面電極113と配線材125が交差する領域を広げ配線材125を前面電極113に接続時の接触抵抗を減らし、前面電極113で収集された電荷が配線材125によく伝達されるようにして、配線材125と、前面電極113との間の結合力を高める。
【0131】
配線材の長さ方向に、パッド部140は、すべての交差点ごとに形成されることが望ましいが、このような場合、受光面積を減らす一方、製造原価を上昇させる問題がある。このような点を考慮し、この実施の形態では、5ラインごとにパッド部140が形成されることを例示する。パッド部の数は、電荷収集効率とパッド部の大きさ、そして配線材と電極の結合力などを考慮して決定される。
【0132】
このようなパッド部140は、前述した接続電極116によって互いに接続されている。
【0133】
接続電極116の長さ方向に基づいて、太陽電池の端(Ced)に最も近い位置する第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)は、太陽電池の端(CE)で一定距離離れて位置している。
【0134】
これ、コーナー領域(AC1、AC2)に配置された第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)は、コーナー部111aにより、太陽電池の端からそれぞれ第1距離(dq1)だけ離れて位置するか、非コーナー領域(AT)に配置された第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)は、第1距離(dq1)より遠い第2距離(dq2)だけ離れて位置する。
【0135】
この実施の形態において、最外側のパッド部(140a、140b)は、図で例示したような隣接したものと同じ位置に形成されることが好ましい。
【0136】
これに、すべての配線材125の先端はこの最外郭パッド部(140a、140b)に合わせて固定されるが、もし最外郭パッド部(140a、140b)の位置が異なっていれば配線材をカットするとき配線材125ごとにカットするべきであるが、この実施の形態のように隣接したものと同じ位置にあると、すべての配線材125を一度にカットすることができるので、製造コストと時間を削減することができる。
【0137】
以上の説明は、太陽電池の前面に形成された前面電極113と接続電極116を基準に説明したが、この実施の形態の太陽電池は、両面受光型太陽電池で、後面電極115もまた前面電極113と同じ形に形成され、接続電極、パッド部もまた前述したところと同じように形成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0138】
図15で例示したような、第1及び第配線材(125a、125b)は、隣接した二つの太陽電池の前面電極と後面電極にそれぞれ接続され、これらを電気的、物理的に接続させている。
【0139】
第1配線材125aの一端(125a_ed1)は、第1太陽電池(CE1)の後面に形成された第2最外郭パッド部(140b’)に合わせて接続されており、もう一方の端(125a_ed2)は、第2太陽電池(CE2)の前面に形成された第1最外郭パッド部140aに合わせて接続される。
【0140】
第1配線材125aが、このように最外郭パッド部(140a、140b)に接続されると、最外郭パッド部(140a、140b)とコーナー部111aとの間に存在する、前面電極113と第1配線材125aが接続されておらず、太陽電池の効率が低下することがある。しかし、この実施の形態、最外郭パッド部(140a、140b)と、太陽電池の端との間に存在する、前面電極113は、接続電極116によって最外郭パッド部(140a、140b)に接続されており、前述した問題を解決するか、又は抑制している。
【0141】
第2配線材125bもまた第1配線材125aと同様に、その端がそれぞれの最外郭パッド部(140a、140b’)に接続されており、接続電極116は、最外郭パッド部(140a、140b)と太陽電池の端との間に存在する、前面電極113を接続させるように形成されている。
【0142】
このように、第1及び第2配線材の端が最外郭パッド部にそれぞれ接続されており、第1及び第2配線材は、それぞれのコーナー部と太陽電池の端から一定の距離離れたまま、第1及び第2の太陽電池(CE1、CE2)にそれぞれ固定される。したがって、図8に例示するような、太陽電池を挟んで向かい合っている二配線材が重なってショートする問題を解決することができる。また、配線材125の先端がパッド部140に合わせて固定されているので、配線材の端をしっかり固定させることができ、配線材の先端で起こる問題を解決することができる。
【0143】
図16は、本発明の第3の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示し、図17は、図16に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す。
【0144】
図16及び図17において、第3の実施の形態の太陽電池は、第2の実施の形態と比較して、太陽電池の端から第1及び第2最外郭パッド部との間に存在する、前面電極がリンク電極(Lk)によって接続される点のみが差である。
【0145】
この実施の形態において、接続電極116’は、第1最外郭パッド部140aと第2最外郭パッド部140bとの間に存在し、これらの間に位置している前面電極113を互に接続させている。
【0146】
そして、第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)と、太陽電池の端との間に存在する、前面電極113は、リンク電極(Lk)によって第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)にそれぞれ電気的、物理的に接続されている。
【0147】
リンク電極(LK)は、第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)で太陽電池の端(Ed)に向かって斜線方向に延びている。このリンク電極(LK)は一対で、配線材125に基づいて、左右対称を成している。
【0148】
リンク電極(LK)の間で、前面電極は存在しない、第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)のそれぞれで太陽電池の端(Ced)に向かって前面電極113が「V」字状に掘られた溝状を有する。
【0149】
この実施の形態では、このようにリンク電極(LK)で、第1及び第2最外郭パッド部140aのそれぞれと太陽電池の端との間に存在する、前面電極を物理的、電気的に接続させている。このようなリンク電極(LK)は、前面電極113の一部として構成される。
【0150】
図18は、本発明の第4の実施の形態に係る太陽電池の平面様子を示し、図19は、図18に示した太陽電池が配線材で接続された平面様子を示す。
【0151】
図18及び図19において、第4実施の形態の太陽電池は、第3の実施の形態と比較して、第1及び第2最外郭パッド部の位置においてのみ差がある。
【0152】
コーナー領域(AC1、AC2)に配置された第1及び第2最外郭パッド部(140a1、140b1)はコーナー部111aから第3距離(dq3)だけ離れて位置しており、非コーナー領域(AT)に配置された第1及び第2最外郭パッド部(140a2、140b2)は、太陽電池の端から第4距離(dq4)だけ離れて位置する。
【0153】
好ましく、第3距離(dq3)と第4距離(dq4)は実質的に同じであり、その距離は5−15(mm)である。
【0154】
この実施の形態においては、第1及び第2最外郭パッド部が太陽電池の端または角部111aから同じ距離に離れて位置しているので、第3の実施の形態と異なり、第1及び第2最外郭パッド部は同一線上に位置しない。したがって、配線材の端は、第1及び第2最外郭パッド部に合わせて固定されるので、コーナー領域(AC1、AC2)に位置する第1配線材125aと非コーナー領域(AT)に位置する第2配線材125bを分けてカットするべきが、逆に配線材の結合力を高めることができる。
【0155】
配線材は、隣接した二つの太陽電池を接続する際に、前面と後面にそれぞれ接続するべきで二太陽電池が隣接したところで反るべきである。ところで、配線材は、前述したように金属材で作られているので、反られると物理的なストレスが発生し、また、モジュール化の過程で高温にさらされて熱的ストレスと重なって配線材と太陽電池との間の結合力は落ちることになる。
【0156】
ところで、実験的に配線材が太陽電池の端から5−15(mm)ほど離れて最外郭パッド部に付着される場合に、結合力が高まることがわかった。そこで、この実施の形態では、このような点を考慮し、第1及び第2最外郭パッド部(140a、140b)を5−15(mm)だけ落として形成し、配線材の結合力を向上させる。離れた距離が5(mm)より小さくなると、むしろ結合力が落ち、15(mm)より大きい場合には、太陽電池の発電領域が減る問題がある。
【0157】
以上の実施の形態は、両面受光型太陽電池を基準に、本発明の実施の形態を説明した。以下では、電極がすべて太陽電池の後面に位置する後面接触型太陽電池を使用した本発明の実施の形態について説明する。
【0158】
図20は、本発明の他の実施の形態において、後面接触型太陽電池を用いて構成された太陽電池モジュールの全体様子を示し、図21は、太陽電池の断面様子を示す。
【0159】
この実施の形態において、太陽電池10のそれぞれは、薄い厚さを有する立方体形状を有しており、一方の面(例えば、基板の後面)に電子と正孔を分けて収集する第1電極11と第2電極13が形成されている。
【0160】
第1電極11と第2電極13は、縦方向に長く延長されており、隣接したものと並行するように配列されている。また、第1電極11と第2電極13は、横方向に交互に配列されており、隣接したものと一定の距離を置いて離れている。
【0161】
この第1電極11と第2電極13は、配線材(wiring member)25にそれぞれ電気的に接続されて隣接した他の太陽電池の第2電極13または第1電極11と接続される。
【0162】
配線材25は、電極(11、13)の長さ方向と交差する横方向に配置され、隣接した二つの太陽電池を直列接続させている。
【0163】
配線材25は、前述したようと同じように導電性が良い金属からなるコア層とはんだ物質からなるコーティング層で構成される。この実施の形態において配線材25は、薄い厚さを有する四角の帯状をなしていることが好ましく、配線材25の断面様子は長方形の形で、線幅は1−2(mm)であり、厚さは50−150 (μm)である。この実施の形態の配線材もまた、前述したようと同じように、ワイヤ形状であることも可能である。この実施の形態では、太陽電池が後面接触型構造であるため、配線材が太陽電池の後面に位置する。それなので、配線材により受光面が減らないので、このように配線材を薄い板材形状を有するように構成して電極と接触する面積を育て電極と配線材との間の結合力を育てている。
【0164】
この実施の形態において、配線材25は、第1配線材21と第2配線材23を含む。第1配線材21は、中央に配置された第2太陽電池10bの第1電極11に物理的、電気的に接続されており、他の方は、第3太陽電池10cの第2電極13に物理的、電気的に接続されて、第2太陽電池10bと第3太陽電池10cを直列接続させている。そして、第2配線材23は、中央に配置された第2太陽電池10bの第2電極13に物理的、電気的に接続されており、他の方は、第1太陽電池10aの第1電極11に物理的、電気的に接続されて、第2太陽電池10bと、第1太陽電池10aを直列接続させている。
【0165】
160(mm)* 160(mm)大きさの太陽電池に基づいて、それぞれ12−18個の第1配線材21と第2配線材23が使用されて隣接している二つの太陽電池と接続される。
【0166】
この第1配線材21と第2配線材23は、縦方向に交互に配列されており、隣接したものと並行するように配列されている。
【0167】
このように配線材25が電極(11、13)と交差する方向に配置されることにより、配線材25を電極(11、13)に接続することが容易になり、また、電極(11、13)と配線材25との間の整列(align)が易しくなる。そして、この実施の形態において、第1電極11と第2電極13は、すべてが後面に並行するように配列されており、配線材25は、これと交差する方向に接続されることにより、配線材25の熱変形方向と電極(11、13)の熱変形方向が交差して、熱変形に起因した潜在的なストレスから太陽電池を保護することができる。
【0168】
このような実施の形態において、第1電極11とのいずれかの1つの配線材25が交差する交差点41から第1電極11とのいずれかの1つの配線材25が導電性接着部を介して接続され、第2電極13と、もう一つの配線材25が交差する交差点41から第2電極13と、もう一つの配線材は、導電性接着部を介して接続することができる。
【0169】
さらに、第2電極13に接続される他の一つの配線材は、第1電極11と交差する交差点41から絶縁性接着部を介して第1電極11と絶縁することができ、第1電極11に接続されるいずれか1つの配線材は、第2電極13と交差する交差点41から絶縁性接着部を介して第2電極13と絶縁することができる。
【0170】
ここで、導電性接着部は、鉛(Pb)、錫(Sn)のようなはんだが含まれているはんだペースト、エポキシ(epoxy)系合成樹脂またはシリコン系合成樹脂に導電性粒子(conductive particle)が含まれている導電性接着剤の内、いずれか1つで有り得る。このような導電性接着部が溶融して、配線材は、二つの母材を結合させるはんだ付けを介して第1電極11または第2電極13と選択的に接続することができる。
【0171】
さらに、絶縁性接着部は、エポキシ(epoxy)系合成樹脂、シリコン系合成樹脂またはセラミック物質で形成でき、このような絶縁性接着部を介して配線材25は、第1電極11または第2電極13と選択的に絶縁される。
【0172】
図20で、交差点41に示された点は、配線材25と電極(11、13)が接続される接点を示し、この接点にしたがって、前述した導電層、はんだペーストが形成されたり、電極と配線材がはんだ付けされている。
【0173】
図21に例示したように、この実施の形態において、太陽電池10は、第1電極11と第2電極13のすべてが半導体基板15の後面に位置する後面接触型の構造を成している。
【0174】
半導体基板15は、p−n接合を成しており、半導体基板15の前面(光が入射される面)と後面(前面の反対面)のそれぞれに光の反射防止又は反射抑制とパッシベーション(passivation)機能を担当する薄い膜(16、17)が形成されている。
【0175】
そして、第1電極11と、半導体基板15との間、そして第2電極13と、半導体基板15との間には、それぞれエミッタ18と後面電界部19が薄い厚さで形成されて電極(11、13)の方向に電荷がよく収集することができるように構成されている。
【0176】
一方、前述した図20に示した太陽電池モジュールでは、配線材が隣接した二つの太陽電池を接続している。しかし、図22に示すように配線材は、それぞれの太陽電池にのみ接続されており、隣接した二つの太陽電池は、コネクタ(CN)によって互いに接続されることも可能である。
【0177】
さらに詳細には、第2太陽電池10bにおいて第1配線材211は、第1電極11に接続されており、これと隣接し、並行するように配置された第2配線材231は、第2電極13に接続されている。第3太陽電池10cにおいて第1配線材211は、第2電極13に接続されており、これと隣接し、並行するように配置された第2配線材231は、第1電極11に接続されている。
【0178】
そして、第2太陽電池10bから第1配線材211は、第3太陽電池10cに向かって突出しており、第3太陽電池10cでも第1配線材211は、第2太陽電池10bに向かって突出して第2太陽電池10bと第3太陽電池10cの間で、この二つは重なっている。
【0179】
コネクタ(CN)は、第1配線材211と交差する方向に長く、第2太陽電池10bと第3太陽電池10cとの間に位置して重なっている第1配線材211と物理的、電気的に接続される。好ましい一形態において、コネクタ(CN)は、配線材で構成されたり、導電性を有する金属物質からなり、前述したはんだペースト、導電層、またははんだ付けを介して第1配線材211と物理的、電気的に接続される。
【0180】
第1太陽電池10aと第2太陽電池10bとの間にもこれと同様にコネクタによって接続されるので、その詳細な説明は省略する。
【0181】
以下、図23を参照して図20に示した太陽電池モジュールの内、配線材は、太陽電池にどのように接続される説明する。図23は、図20の太陽電池モジュールで隣接した二つの太陽電池が配線材によって接続された平面様子を示す。
【0182】
図23において、第1太陽電池(CE1)と第2太陽電池(CE2)は、第1配線材21によって接続される。第1配線材21は、第1太陽電池(CE1)の第1電極11に接続されており、また、第2太陽電池(CE2)の第2電極13に接続されている。
【0183】
第1配線材21と、第1配線材21の間には、第2配線材23が位置しており、第2配線材23は、配線材の長さ方向に隣接した他の太陽電池(図示せず)と接続される。
【0184】
第1配線材21は、位置に応じて、コーナー部111aが含まれたコーナー領域(AC1)に位置するコーナー配線材(21a)とコーナー部111aがない非コーナー領域(AT)に位置する非コーナー配線材25bに分けることができる。
【0185】
コーナー配線材21aの一端21a’は、第1太陽電池(CE1)の下部コーナー部(111a_dw)に位置しおり、他の一方の端(2”)は、第2太陽電池(CE2)の上部コーナー部(111a_up)に位置している。
【0186】
コーナー配線材21aが、このようにコーナー部にまで形成されるので、コーナー領域(AT)に属するすべての第1電極11とコーナー配線材21aが接続され電荷の収集効率を高めることができる。
【0187】
同様に、非コーナー配線材21bの一端21b’は、第1太陽電池(CE1)の端に位置しており、もう一方の端21b”は、第2太陽電池(CE2)の端に位置している。したがって、非コーナー領域(AT)に属するすべての第1電極11は、非コーナー配線材25bに接続されるので、電荷の収集効率を高めることができる。
【0188】
一方、このように配線材25の端が太陽電池の端と同じように位置する場合に、配線材25が、太陽電池から離れることがやさしいので、配線材の端に対応してパッド部140が、さらに形成することができる。
【0189】
パッド部140は、配線材25の端と会う電極の面積を広げ配線材が離れないようにする。パッド部140は、電極と同一物質で形成されるか、電極と異なる別個の物質からなることもまた可能である。
【0190】
パッド部140と配線材との間には、前述したはんだペーストまたは導電層が位置して配線材をパッド部140にしっかり付着されるようにする。選択的に、配線材は、パッド部140に半田付けされることも可能である。
【0191】
以上の説明は、太陽電池がコーナー部を含む場合を例に説明したが、前述した実施の形態は、コーナー部のない平面形状が四角形である、一般的な太陽電池にも同様に適用することができる。
【0192】
さらに、図22で説明した太陽電池モジュールで太陽電池コーナー部(AC1)の一例について図24を参照して、さらに具体的に説明すると、次の通りである。
【0193】
図24の(a)は、図22で説明した太陽電池モジュールの前面の一部分を拡大した拡大図であり、図24の(b)は、図22で説明した太陽電池モジュールの後面の一部分を拡大した 拡大図である。
【0194】
図24の(a)及び(b)において、第1配線材211は、各太陽電池(CE1、CE2)の第1電極11に接続されており、第2配線材231は、各太陽電池(CE1、CE2)の第2電極13に接続することができる。
【0195】
さらに、第1太陽電池(CE1)の第1配線材211と第2太陽電池(CE2)の第2配線材231は、コネクタ(CN)に共通に接続されて、第1太陽電池(CE1)と第2太陽電池(CE2)は、互いに直列接続することができる。
【0196】
さらに、各太陽電池(CE1、CE2)に接続された第1、第2配線材(211、231)は、キャリア伝送効率をさらに高めるために図24の(a)及び(b)に示すように、各太陽電池(CE1、CE2)のコーナー部(AC1)にも位置することができる。
【0197】
この時、図24の(a)及び(b)に示すように、隣接した二つの太陽電池がコネクタ(CN)によって互いに接続される場合、第1太陽電池(CE1)のコーナー部(AC1 )に接続された第1配線材211が第1太陽電池(CE1)の外に突出した長さ(211A)は、第2太陽電池(CE2)のコーナー部(AC1)に接続された第2配線材231が第2太陽電池(CE2)の外に突出した長さ(231B)とは異なることがある。
【0198】
すなわち、図24の(b)に示すように、第1太陽電池(CE1)に接続された第1配線材211が第2太陽電池(CE2)に向かって第1太陽電池(CE1)の半導体基板外に突き出した長さ(211A)は、第2太陽電池(CE2)に接続された第2配線材231が第1太陽電池(CE1)に向かって第2太陽電池(CE2)の半導体基板外に突き出した長さ(231B)は、互いに異なることがある。
【0199】
このように、本発明に係る太陽電池モジュールでにおいて、コネクタ(CN)により隣接した二つの太陽電池の第1配線材211と第2配線材231が互いに電気的に接続される場合、太陽電池のコーナー部(AC1)にも第1、第2配線材(211、231)が位置するようにするが、第1、第2配線材(211、231)の突出した長さ(211A、231B)をそれぞれ異なるようにして、第1、 2配線材(211、231)の先端をそれぞれコネクタ(CN)に重畳されるように位置させることがあり、太陽電池モジュールの製造工程をさらに容易にしながら、太陽電池モジュールの効率をさらに向上させることができる。
図1
図2
図3
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