(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ハウジング(31、32)を更に備え、前記ハウジング(31、32)が、前記第1及び前記第2のセンサ(11、19)の両方を含む、請求項1又は2に記載の体毛除去装置(10)。
前記第1のセンサ(11)が加速度センサを備え、前記加速度センサが、体毛除去動作中、前記体毛除去装置(10)の加速度を感知することによって前記体毛除去装置(10)の現在の操作を判定し、前記複数の第1の入力データ(141、142、...、14n)として加速度センサデータを前記制御ユニット(13)に提供する、及び/又は前記複数の第2の入力データ(142)として前記加速度センサデータを前記適合ユニット(17)に提供するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の体毛除去装置(10)。
前記第1のセンサ(11)及び前記第2のセンサ(19)の少なくとも一方が、ジャイロスコープを備え、前記ジャイロスコープが、前記体毛除去動作中、前記体毛除去装置(10)の回転を感知することによって、前記体毛除去装置(10)の前記現在の操作を判定し、前記複数の第2の入力データ(181、182、...、18m)としてジャイロスコープセンサデータを前記適合ユニット(17)に提供する、及び/又は前記第1の入力データ(181)として前記ジャイロスコープセンサデータを前記制御ユニット(13)に提供するように構成され、及び/又は
前記第1のセンサ(11)及び前記第2のセンサ(19)の少なくとも一方が、圧力センサを備え、前記圧力センサが、前記体毛除去動作中、前記体毛除去装置(10)によって加えられる圧力を感知することによって、前記体毛除去装置(10)の現在の操作を判定し、前記複数の第2の多入力データ(181、182、...、18m)として圧力センサデータを前記適合ユニット(17)に提供し、及び/又は前記第1の入力データ(181)として前記圧力センサデータを前記制御ユニット(13)に提供するように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の体毛除去装置(10)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
均等又は等価の要素若しくは均等又は等価の機能を有する要素は、以下の記述で、均等又は等価の参照符合で示される。
【0015】
更に、本明細書に開示される寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳密に制限されると理解すべきではない。むしろ、特に別段の指定がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0016】
いくつかの態様は装置又はデバイスに関して説明されているが、これらの態様は、対応する方法の説明も表すことは明らかであり、ブロック又はデバイスは方法工程又は方法工程の特徴に対応する。同様に、方法又は方法工程に関して説明した態様は、対応する装置又はデバイスの対応するブロック又はアイテム又は特徴の説明も表す。
【0017】
以下の実施例は、体毛除去装置を参照して説明され、体毛除去は散髪を含んでもよい。体毛除去装置は、例えば、シェーバ、乾式かみそり又は湿式かみそりとして使用され、任意に電気的に駆動され得るかみそり、グルーミング器、脱毛器、光学的脱毛装置などを含み得る。
【0018】
簡潔化のため、以下の説明は、体毛除去装置の非限定的な例としてシェーバを指すものとする。しかしながら、これは、上述した他の装置を除外するものと理解すべきではない。また、体毛除去装置は、シェーバなどの体毛除去デバイス、及び任意に追加のデバイスを含んでもよい体毛除去システムとして理解されるべきである。したがって、「シェーバ」は、「シェーバシステム」、例えば、シェーバ及び追加のデバイスを意味するとも理解されるべきである。追加のデバイスは、洗浄センターなどの専用デバイス、又はスマートフォンなどの非専用デバイスであってもよい。
【0019】
最初に言及したように、例えば、様々な状況に対して調節可能な体毛除去装置などの調節可能体毛除去装置を有することが望ましい。しかしながら、使用者が調節を行う必要がある場合、これは複数の欠点を有する場合がある。第1に、この調節は不便であるため、調節が使用されないことがある。第2に、達成しようとしていることを最も良好に実現するにはどのような調節が必要なのかが、使用者にとって明らかではないことが非常に多い。典型的な例は、標準的な剃毛ルーチン中に切り残しが多い個々の処理し残した毛髪という、よくある問題によって説明され得る。その後使用者は、剃毛を残した後に異なる方法で、これらの個々の毛髪を剃毛することを試みる。典型的な挙動は、切断要素上で圧力を増大させて領域全体にわたって短いストロークを繰り返すことであるが、調査が示すように、圧力を増大させるのではなく減少させることが、この状況にとっては有益であろう。
【0020】
あるいは、調節は自動であってもよい。しかしながら、自動調節を試みる既存のデバイスは、最適な結果をもたらさない。好ましくない性能の典型的な理由が2つ明らかになっている。
【0021】
第1に、調節は予め定められており、全ての男性には作用しない場合がある。例えば、皮層刺激につながる剃圧のレベルは、人によって変動し、同じ使用者でも日によって変動し得る。皮層刺激を回避するために特定レベルの剃圧に所定の方法で反応するシェーバは、その反応が早すぎる使用者もいれば、遅すぎる使用者もいる。
【0022】
第2に、設計は、剃毛の高い複雑性を十分に考慮していない場合がある。例えば、全体的な剃毛の結果及び経験の質は、密着性、皮膚の快適さ、剃毛時間、滑走特性、皮膚体験、制御感、顎ひげ輪郭の精度などの多くの様々な相互作用する剃毛パラメータの総和に左右される。次に、これらの剃毛パラメータは、複雑に相互作用する複数の行動的、生理的、気候的、及びその他のパラメータの組み合わせによって影響/決定される。
【0023】
以下に更に詳細に説明する体毛除去装置は、剃毛挙動パラメータに基づいて体毛除去装置の1つ以上の機能特性をリアルタイムで自動的に調節することによって、こうした問題に対処する。
【0024】
図1は、体毛除去装置10の一例の概略ブロック図を示す。体毛除去装置10は、体毛除去動作中、身体部分から体毛を除去するためのものである。
【0025】
体毛除去装置10は、体毛除去動作中、体毛除去装置10の現在の操作を判定するように構成された第1のセンサ11を備えてもよい。使用者が異なれば、体毛除去動作の実行中、異なる方法で体毛除去装置10を取り扱う場合がある、すなわち、使用者が異なれば、体毛除去動作の実行中、異なるスタイルで体毛除去装置10を取り扱う場合がある。例えば、第1の使用者は、体毛除去動作の実行中、体毛除去装置10を第2の使用者よりも低速で移動させる、又は第1の使用者は、体毛除去動作の実行中、体毛除去装置10を第2の使用者よりも強く身体に押し当てることがある。より広義には、体毛除去装置の操作は、体毛除去装置が体毛を除去する/短くするために現在使用されている方法を定義し得る。体毛除去動作の実行中、体毛除去装置10の現在の操作を判定するように構成され得るセンサの例は後述する。
【0026】
体毛除去装置10は、体毛除去特性を変更するためのアクチュエータ12を備えてもよい。アクチュエータ12は、専用のハードウェアアクチュエータであってもよく、その例を以下に示す。アクチュエータ12は、いくつかの実施例では、ソフトウェアに実装されてもよい。アクチュエータ12は、体毛除去装置10の1つ以上の関連する部分に作用することによって体毛除去装置10の体毛除去特性を変更することができ、1つ以上の部分は、体毛除去動作中に体毛除去特性に対して異なる効果を有し得る異なる調節を含んでもよい。当該1つ以上の部品に作用する際、アクチュエータ12は、当該1つ以上の部品の調節を変更してもよい。例えば、アクチュエータ12は、かみそり刃と使用者の皮膚との間の距離を変更し、体毛切断動作中の体毛の長さに影響をもたらすことができる。
【0027】
図1は、アクチュエータ12が変更し得る別個の状態1、2、3、4のうちの1つをとるときの体毛除去特性を示す。しかしながら、以下の説明が明らかにするように、これは単なる例であって、アクチュエータ12が体毛除去装置の体毛除去特性を変更し得る状態の数は2つ以上の任意の数であり、あるいは体毛除去特性の連続的な変動も、アクチュエータ12によっても達成され得る。アクチュエータ12は、体毛除去装置10に連結する、例えば、体毛除去装置10内又は上に装着することができる。以下でより詳細に概説されるように、アクチュエータ12は、例えば、剪断ヘッドなどの体毛除去装置10の可動に装着された部材に保持力を加えるばねの予荷重を変更するものであってもよい。保持力を機械的に変更する代わりに、アクチュエータ12は、静電的及び/又は磁気的に保持力を変化し加えてもよい、すなわち、保持力は、可動に装着された部材に作用する静電力及び/又は磁力によって生成されてもよく、静電力及び/又は磁力の強度を補正することによって補正されてもよい。したがって、体毛除去特性は、体毛カットの品質、剃毛の軟らかさなど、又はより具体的には、可動剪断ヘッドマウントの剛性などの観点から体毛除去装置10を定義することができる。
【0028】
更に非限定的な例として、アクチュエータ12は、2つの往復運動する切断刃間の距離を調節するために、体毛除去装置10の調節機構を駆動し得るサーボモータであってもよい。第1のモードでは、アクチュエータ12は、第1の体毛除去特性1、例えば、第1の体毛切断長をもたらす刃間の第1の距離を調節してもよい。第2のモードでは、アクチュエータ12は、第2の体毛除去特性2、例えば、第2の体毛切断長をもたらす刃間の第2の距離を調節してもよい。
【0029】
要約すると、アクチュエータ12は、体毛除去特性を変更する物理的機能を提供するため、それ自体がハードウェアの一部であり得る機械などの専用の物理的機能要素に作用し得る。換言すれば、アクチュエータ12は、特定の体毛除去特性を達成するため、体毛除去装置の装置機能特性を調節してもよい。したがって、アクチュエータ12による物理的機能要素の調節は、特定のデバイス機能特性を調節して、特定の体毛除去特性をもたらすことができる。
【0030】
デバイス機能特性とは、例えば、シェーバの色の調節又は香りの放出などの剃毛に直接関係しない特性とは対照的に、剃毛に直接関連し得るシェーバの特性を意味する。
【0031】
以下の非網羅的リストは、特定の体毛除去特性を達成するために調節され得るデバイス機能特性のいくつかの非限定的な例を提供することができる。
●様々な切断要素及び/又は非切断要素(例えば、ガード、櫛など)の相対高さ
●刃周波数
●刃振幅
●個々の切断要素の浮力
●ヘッドを旋回/傾斜させるのに必要な力
●切断部と使用者の皮膚と接触している非切断部(例えば、ヘッドフレーム)との面積比
●皮膚張力要素
●本体に対するヘッドの3D角度
●本体に対するヘッドの高さ
●フォイル孔サイズ/パターン
●シェーバヘッド振動
●ハンドル振動
●モータ音
【0032】
その代わり、以下は(物理的)機能特性であるとみなしてはならない。
●シェーバがオンかオフか。
●シェーバから発生する場合であっても、化学物質や流体などの貼付。
●信号/フィードバック。
●データ収集パラメータなど−物理的変化ではない。
●フィードバック設定などへの変更−物理的変化ではない。
【0033】
更に
図1を参照すると、体毛除去装置10は、制御ユニット13を更に備えてもよい。制御ユニット13は、アクチュエータ12を制御するように構成される。そのため、制御ユニット13は、第1のセンサ11から第1の入力データ14
1を受信するように構成されてもよい。上述したように、第1のセンサ11は、体毛除去動作の実行中、体毛除去装置10の現在の操作に関連するセンサデータを提供してもよい。したがって、当該第1の入力データ14
1は、体毛除去装置10の現在の操作を表す情報を含んでもよい。
【0034】
更に、制御ユニット13は、当該受信した第1の入力データ14
1を、体毛除去動作中にアクチュエータ12を制御するための出力信号16にマッピングするように構成されてもよい。制御ユニット13は、受信した第1の入力データ14
1をアクチュエータ12の出力信号16にマッピングするための制御関数15(f
control)を使用するように構成される。すなわち、制御ユニット13は、第1の入力データ14
1に基づいて出力信号16を判定するように構成され、この目的で、出力信号16は、制御関数15(f
control)に従って第1の入力データ14
1に依存することを特徴とする。
【0035】
体毛除去装置10は、適合ユニット17を更に備えてもよい。適合ユニット17は、第2の入力データ14
2、18を受信するように構成されてもよい。適合ユニット17は、移行18によって示されるように、第2のセンサ19から当該第2の入力データを受信してもよい。追加的に又は代替的に、適合ユニット17は、破線の移行14
2によって示されるように、第1のセンサ11から当該第2の入力データを受信してもよい。
【0036】
第2の入力データ14
2は、制御ユニット13に供給される第1の入力データ14
1と同じセンサデータ及び/又は情報を含んでもよい。この場合、適合ユニット17に供給される第2の入力データ14
2は、制御ユニット13に供給される第1の入力データ14
1に対応する。あるいは、第2の入力データ14
2は、制御ユニット13に供給される第1の入力データ14
1とは異なるセンサデータ及び/又は情報を含んでもよい。
【0037】
受信した第2の入力データ14
2、18、に応じて、適合ユニット17は、矢印21によって示されるように、体毛除去動作中に制御ユニット13の制御関数15を適合させるように構成されてもよい。したがって、制御ユニット13は、適合ユニット17から入力21を受信するように構成されてもよい。当該入力21に応答して、制御ユニット13は、制御関数15を現状に適合させる、すなわち、制御関数15を体毛除去装置10の判定された現在の操作に適合させることができる。
【0038】
適合は、制御関数15を修正することを含み得る。例えば、制御関数15は、様々な入力情報を使用することによって、第1の入力データ14
1を様々な方法で処理して、第1の入力データ14
1などを処理するための様々なパラメータを使用するように変更されてもよい。追加的に又は代替的に、適合は、制御関数15の変更を含んでもよい。例えば、制御ユニット13は、第1の入力データ14
1を処理するため、第1の制御関数15から第2の制御関数に変更してもよい。換言すれば、適合は、1つの事前構成された制御関数から別の制御関数に切り替える、又は制御関数15のパラメータを変更することによって実行されてもよく、例えば、これは、第2の入力データ14
2、18のリアルタイム評価に応じて行われる。評価は、以下により詳細に説明するように、第2の入力データ14
2、18に等しいか、又は組み合わせによってそこから導出される信号の所定の直近の履歴の平均と、減算又は除算などによる、信号の平均と最新バージョンの信号との比較又は差別化組み合わせとを含んでもよく、制御関数の変更が剃毛処置を向上させ得る剃毛中、例えば、特定の非通常状態に至ったことを、比較又は組み合わせに基づいて判定することができる。以下に説明するように、ニューラルネットワーク及び/又は機械学習分類子も併せて使用することによって、ニューラルネットワークを第2の入力データ14
2、18に適用することに基づいて上記の状態に至ったことを識別できる。各「状況」は、対応する事前構成された制御関数と関連付けられ、それに応じて制御ユニット13を切り替えることができる。あるいは、制御関数のパラメータは、状況に合わせて制御関数を段階的又は不連続に適合させてもよい。
【0039】
この制御関数15の適合は、動作中、すなわち体毛除去動作の実行中に行われる。したがって、制御関数15は、適合ユニット17によってリアルタイムで、すなわち、体毛除去動作の実行中に動的に適合されてもよい。従来技術では、体毛除去動作の実行前に固定動作スキームを予め選択することしかできない。固定動作スキームが選択されると、リアルタイムでは、すなわち、体毛除去動作の実行中にはそれ以上適合されない。
【0040】
適合ユニット17は、制御ユニット13の制御関数15をリアルタイムで適合する可能性を提供する。したがって、この概念も、アクチュエータから直接フィードバックを受信するときのみ機能する共通フィードバック制御ループと異なる。上記概念は、アクチュエータからのフィードバックを取得することなく機能することができる。
【0041】
本開示のアクチュエータ12は、制御関数15の適合中、能動的であってもよい。換言すれば、アクチュエータ12は、体毛除去動作中に制御ユニット13によって制御されてもよい。したがって、アクチュエータ12は体毛除去特性を変更することができるため、当該体毛除去特性は通常動作中、すなわち、体毛除去動作中に変更し得る。よって、特別な較正モードや設定モードなどの必要性がない場合がある。体毛除去特性は、通常の体毛除去動作中に1回又は数回変更されてもよい、すなわち、アクチュエータ12は、体毛除去動作中に1回又は数回制御ユニット13によって制御されてもよい。制御ユニット13は、体毛除去動作中に連続的又は不連続的にアクチュエータ12を制御してもよい。体毛除去動作中にアクチュエータ12を制御することは、制御関数13によって現在使用されており、適合ユニット17によって適合され得る制御関数15に依存する。制御関数15の適合は、適合ユニット17によって自動的に実行されてもよい。一般的なシステムでは、使用者は、任意の機能的変化をトリガ又は開始する必要があり、使用者は、例えば、ボタンを押すことによってアクチュエータ又は制御ユニットに直接作用することができる。ここでは、適合ユニット17は、熱心なユーザの介入を必要とせず、少なくとも第1又は第2のセンサ11、19から受信した第2の入力データ14
2、18に基づいて、制御ユニット13の制御関数15を自動的に適合する可能性を提供する。
【0042】
また、適合ユニット17は、複数の時点で受信した第2の入力データ14
2、18
1、18
2、...、18
mに応じて、制御ユニット13の制御関数15を複数回繰り返し適合させるように構成されてもよい。換言すれば、適合ユニット17による制御関数15の適合は、体毛除去動作中に1回のみ実行されるというわけでなくてもよい。適合ユニット17は、体毛除去動作中に、数回、すなわち、複数の時点で第2の入力データ14
2、18を受信するように構成されてもよい。入力データ14
2、18は体毛除去動作中に経時的に変化し得るため、これにより明確になる。したがって、適合ユニット17は、通常の体毛除去動作中にリアルタイムで適合を実行することができるように、毛髪除去動作中に制御関数15を繰り返し適合させることができる。
【0043】
適合ユニット17は、制御関数15を連続的に又は不連続に適合させてもよい。例えば、適合ユニット17は、第2の入力データ14
2、18を連続的に受信し、制御関数15を連続的に適合させてもよい。この場合、適合ユニットと制御ユニット13との間にローパスフィルタが設けられてもよい。追加的に又は代替的に、適合ユニット17は、第2の入力データ14
2、18を、離散した時点で、例えば、1秒毎、又は3秒毎、又は10秒毎に受信するように構成されてもよい。
【0044】
また、アクチュエータ12は、リアルタイムで、すなわち、制御関数15の適合に直接応答して、体毛除去特性を変更してもよい。例えば、アクチュエータ12は、コンマ何秒内に体毛除去特性を変更することができる。
【0045】
更に、制御関数15の自動リアルタイム適合は、使用者の身体部分に対する位置情報に依存しなくてもよい。すなわち、制御関数15の自動適合がリアルタイムで、すなわち、体毛除去動作の実行中に行われるため、この概念は使用者の身体のどこでも使用され得る。したがって、適合はその場で実行することができるため、利用可能な特定の身体部分に関する任意の基準プロファイルを記憶装置に有しておく必要がない場合がある。
【0046】
よって、体毛除去装置10は、体毛除去動作の実行中、変動する状況に対して極めて動的に反応し得る。制御関数15の適合は、ミリ秒以内又はナノ秒以内に実行されてもよい。すなわち、適合ユニットの応答時間は、例えば、0.25秒以下であってもよく、又は1秒以下であってもよい。この時間は、例えば、アクチュエータがハードウェアアクチュエータである場合、アクチュエータ12が十分に(例えば、その移動量全体の半分)移動するまでの時間として推定される。
【0047】
更に、制御関数15の動的自動リアルタイム適合は、体毛除去装置10の現在の操作、すなわち、体毛除去動作の実行中の体毛除去装置10の操作に基づく。前述したように、使用者が異なれば、体毛除去装置10を異なるように取り扱う場合がある。しかしながら、制御関数15の適合は体毛除去装置の現在の操作に基づくため、制御関数15の適合は使用者によって独自に実行してよい。
【0048】
装置10の更なる可能な詳細の説明を続ける前に、本装置は、体毛除去特性を有利に適合させる目的に加えて、使用者のスマートフォンを介した口頭での通知又は装置のLEDを介した光信号などのフィードバック/通知信号を使用者に提示することによって、制御ユニット及びアクチュエータによる体毛除去特性の適合も伴うことに留意されたい。好都合なことに、使用者は、製品が反応している、又は挙動を変更していることを、上記フィードバック信号によって通知される。このような通知を受けた使用者は、装置の異なる体毛除去特性に反応するため、適合ユニットによって誘発される適合を「受諾」し、異なる操作に反応しないようにすることができる。このため、装置及び使用者による、ある種のエスカレートしていく作用及び反作用のシナリオを回避することができる。
【0049】
すなわち、個人の使用者は、個人的剃毛挙動に基づいて判定又は識別されてもよく、個人的剃毛挙動は、体毛除去装置10の現在の操作から直接的に導出され得る。個々の使用者は、例えば、家族のうちの特定の一員であってもよい。
【0050】
追加的に又は代替的に、使用者の種類は、一般的な剃毛挙動に基づいて判定又は識別されてもよく、一般的な剃毛挙動は、体毛除去装置10の現在の操作から直接的に導出され得る。例えば、第1の群の使用者が通常、首部分から体毛除去動作を開始する一方、第2の群の使用者は通常、頬部分から体毛除去動作を開始する場合がある。したがって、これらの異なる使用者群は、異なる使用者種類を表してもよく、1人以上の個々の使用者が1つの使用者群に含まれ得る。
【0051】
別の例としては、シェーバストロークの異なる速度及び/又は長さが挙げられる。例えば、第1の使用者は、第2の使用者よりも速い剃毛速度で剃毛することができる。追加的に又は代替的に、第1の使用者は、第2の使用者よりも長いシェーバストロークを実行することができる。
【0052】
更に、別の例としては、剃毛圧力が挙げられる。例えば、第1の使用者は、第2の使用者よりも剃毛中に皮膚により大きな圧力を加えることがある。
【0053】
このような実施形態によれば、適合ユニット17は、第2の入力データ14
2、18に基づいて個々の使用者又は使用者の種類を判定し、判定された個々の使用者又は使用者の種類に応じて体毛除去動作中に制御ユニット13の制御関数15を適合させて、判定された使用者又は使用者の種類に応答して制御ユニット13がアクチュエータ12を制御するように構成されてもよい。
【0054】
したがって、制御関数15の自動動的リアルタイム適合はパーソナライズすることができる。すなわち、同定された各使用者が、特定の使用者であっても特定の使用者の種類に属していても、体毛除去動作の実行中にパーソナライズされた適合から恩恵を受けることができる。この場合も、当該パーソナライズされた適合は、体毛除去装置を現在操作している人の体毛除去挙動に基づくものであり、当該操作は第1のセンサ11によって判定されてもよい。
【0055】
以下の非網羅的リストは、第1のセンサ11及び任意に第2のセンサ19によって構成されるセンサ、すなわち、センサ(●)及び関連する剃毛挙動(○)をパラメータとして含み得るセンサのいくつかの非限定的な例を提供する。
【0056】
剃毛挙動は、人間によるシェーバの操作に関連し得る。測定されるパラメータは、相対的であってもよい(例えば、使用者の顔又は他の対象に対する位置/動き)、又は他の形式、例えば絶対的であってもよい。これらのパラメータは、体毛除去装置10の現在の操作を判定するために、第1のセンサ11によって感知され得るパラメータを表すことができる。しかしながら、これらのパラメータは、第2のセンサ19によって感知され得るパラメータの例であってもよい。
●加速度計
○ストローク特性、例えば、速度、加速度、長さ、方向、向き、周波数、パターン、同じ領域にわたる反復ストローク、及びこれらの量の全ての派生物
○デバイスの配向及び移動、例えば、位置、加速度、速度、運動頻度、運動パターン、及びこれらの量の派生物
○シェーバヘッド、シェーバハンドル、切断要素、又は皮膚領域の振動
●ジャイロスコープ
○ストローク特性、例えば、シェーバの回転運動に関連する方向、向き、周波数、パターン、及びこれらの量の全ての派生物
○デバイス/デバイス部分(例えば、ヘッド/本体)の配向及び移動、例えば、剃毛の回転運動に関連する位置、加速度、速度、運動頻度、運動パターン、及びこれらの量の派生物。これらは、絶対的に及び/又は使用者の顔若しくは腕/手などの他の対象物に対して測定され得る。
●運動追跡/運動捕捉
○ストローク特性、例えば、速度、加速度、長さ、方向、向き、周波数、パターン、及びこれらの量の全ての派生物
○デバイスの配向及び移動、例えば、位置、加速度、速度、運動頻度、運動パターン、及びこれらの量の派生物
○使用者の配向及び移動、例えば、位置、加速度、速度、運動頻度、運動パターン、2番目の手の使用(例えば、皮膚を引き伸ばす、又は逃がした1本の毛を捕捉しようとするため)。これは、シェーバ又は浴室の鏡などの任意の他の対象物に対して絶対的又は相対的であり得る。
●光学センサ、例えば、カメラシステム又はその他
○しかめ面
○頭部の先端
○皮膚の伸長又は皺
●圧力、例えば、静電容量型センサ又は抵抗式タッチセンサ又はその他
○顔と切断部/シェーバヘッドとの間の皮膚接触力
○各切断要素にかかる力及び各種要素の分布
●タッチセンサ、例えば、静電容量型センサ又は抵抗式タッチセンサ
○把持力
○把持面−位置及び面積
○把持の種類
●力センサ(1D、2D、3D、xD)
○使用者がデバイスを皮膚に押し付ける結果的な方向
●ホールセンサ
○外力によるシェーバ部品同士の相対移動
●モータ電流ベースの検出システム
○皮膚接触力
○体毛切断活動
○切断要素の摩耗/状態
【0057】
上に挙げたセンサの種類は、第1のセンサ11及び任意に第2のセンサ19によって構成されてもよく、それらのセンサは、シェーバ10自体の内部又はシェーバ10の外部にあってもよく、例えば、運動追跡装置、ウェアラブル電子機器(例えば、スマートウォッチ)、又はスマートフォンなどの外部デバイス内に設けることができる。
【0058】
よって、一実施形態によれば、体毛除去装置10はハウジングを備えてもよく、ハウジングは、第1のセンサ11及び第2のセンサ19の両方を含んでもよい。すなわち、両センサ11、19は、体毛除去装置10に一体化され得る内部センサであってもよい。
【0059】
あるいは、第1のセンサ11及び第2のセンサ19のうちの少なくとも一方は、体毛除去装置10のハウジングの外部にあってもよい。一実施例では、ハウジングは第1のセンサ11を含んでもよく、第1のセンサ11が内部センサであり、第2のセンサ19が体毛除去装置10のハウジングの外部にあってもよい。
【0060】
更に、複数のセンサ信号を組み合わせて剃毛挙動の全体を知ることは、単一のセンサのみを使用する場合よりも良好な結果をもたらし得る。したがって、より良好な結果は、例えば、複数のセンサ及び/又は複数の種類のセンサからのデータに対する調節に基づく、又は様々な/複数のシェーバパラメータを調節することができるシェーバを用いて達成することができる。
【0061】
上述の剃毛挙動は、第1のセンサ11によって判定することができる人間によるシェーバの操作に関連し得る。それは、生物学的特性、例えば、体毛又は皮膚特性又は顔の輪郭などではない場合がある。
【0062】
以下は剃毛挙動の例に当たらない場合がある。
●電流消費(しかしながら挙動を検出するために電流を「センサ」として使用することができる)
●ダイヤルを回転させること、スイッチを動かすこと、ボタンを押すことなど。
●シェーバヘッド/アタッチメントの変更
●ジェスチャ/スワイプ(挙動だが、剃毛挙動ではない)
●皮膚への物質の貼付(挙動だが、剃毛挙動ではない)
●使用者の皮膚又は体毛に貼付される実際の物質
●剃毛挙動の結果として生じるが、それ自体は剃毛挙動ではないもの、例えば、皮膚の隆起の形状/高さ
●剃毛時間−剃毛時間だけでは剃毛挙動とはみなされない。しかしながら、他の剃毛挙動に加えて、剃毛時間を入力として使用してもよい。
【0063】
更に、デバイス機能特性は、アクチュエータ12によって変更可能な機械的構造に依存してもよく、当該デバイス機能特性は物理的又は他のものであってもよく、物理的特性は物理的変更が生じることを意味し、例えば、位置の変更や硬さの変更などであり、フィードバックメッセージの提供やデータ送信設定の変更などの純粋なソフトウェア変更ではない。1つ以上のデバイス機能特性を変更することで、体毛除去特性を変更することができる。
【0064】
図2は、制御ユニット13及び適合ユニット17の入力及び出力のいくつかの例をそれぞれ説明するため、体毛除去装置10の一例を示す別の概略ブロック図である。
図1と同じ要素には同じ参照番号が付される。
【0065】
図2では、制御ユニット13は、第1のセンサ11から第1の入力データ14
1を受信してもよい。制御ユニット13は、追加の任意の第1の入力データ、例えば、追加の任意の第1の入力データ14
3〜第1の入力データ14
nを任意に受信してもよい。追加の任意の入力データ14
3〜14
nのうちの1つ以上は、第1のセンサ11によって提供されてもよい。あるいは、追加の任意の入力データ14
3〜14
nは、1つ以上の追加センサ(図示せず)によって提供されてもよい。第1の入力データ14
1〜14
nのうちの1つ以上は、リアルタイムデータ、すなわち、体毛除去動作の実行中に収集又は処理されるデータであってもよい。
【0066】
適合ユニット17は、第2のセンサ19から第2の入力データ18
1を受信してもよい。あるいは、適合ユニット17は、
図1を参照して上述したように、第1のセンサ11から第2の入力データ14
2を受信してもよい。適合ユニット17は、任意に1つ以上の追加の第2の入力データ、例えば、追加の任意の第2の入力データ18
2〜第2の入力データ18
mを受信してもよい。追加の任意の第2の入力データ18
2〜18
mのうちの1つ以上は、第2のセンサ19によって提供されてもよい。あるいは、追加の任意の第2の入力データ18
2〜18
mは、1つ以上の更なるセンサ(図示せず)によって提供されてもよい。
【0067】
制御ユニット13は、
図1を参照して前述したように、第1の入力データ14
1〜14
nを出力信号16
1にマッピングしてもよい。制御ユニット13はまた、第1の入力データ14
1〜14
nを1つ以上の追加の任意の出力信号16
3〜16
nにマッピングしてもよい。マッピングされた出力信号16
1、16
3〜16
nは、体毛除去動作中にアクチュエータ12を制御するためにアクチュエータ12に送信されてもよい。更に任意に、マッピングされた出力信号のうちの少なくとも1つは、第1のマッピングされた出力信号16
1から分岐する出力信号16
2によって例示的に示されるように、適合ユニット17にフィードバックされてもよい。
【0068】
適合ユニット17について上述した1つ以上の第2の入力データ18
1〜18
mは、例えばセンサ又はデバイスICを用いて、体毛除去装置自体によって収集されたデータであってもよい。追加的に又は代替的に、適合ユニット17の1つ以上の第2の入力データ18
1〜18
mは、外部ソースからのデータであってもよい、及び/又は、複数の使用者、例えば、クラウド、スマートフォン、企業サーバ、洗浄センター、歯ブラシ、スマートウォッチなどの複数の使用者から得られてもよい。
【0069】
以下の非網羅的リストは、第2の入力データ18
1〜18
mに関するいくつかの更なる非限定的な例を提供するものである。
●デバイス自体によって収集されるデータ(センサ、デバイスIC、...)及び/又は
●複数の使用者(クラウド、スマートフォン、企業サーバ、クリーニングセンター、歯ブラシ、スマートウォッチ、...)から得られる外部ソースからのデータ、及び/又は
●挙動、環境、生理学的、その他のデータ、及び/又は
●その他
●リアルタイム及び/又は過去の値(傾向、勾配、展開、...)
●単一又は複数の入力とすることができる
●f
controlへの1つ以上の入力と同じにすることができる。
●f
controlからの1つ以上の出力とすることができる。
【0070】
環境データの非限定的な例としては、室内の温度又は湿度に関連するデータが挙げられる。例えば、データが、室内の温度及び/又は湿度が直近の数分/数時間以内に上昇した可能性があるという情報を提供する場合、この情報は、使用者がシャワーを浴びた可能性があることを示す。その結果、体毛除去装置と皮膚との間の摩擦は通常よりも高くなり得る。したがって、適合ユニット17は、この特定状況に反応するため、制御ユニット13を適宜適合させることができる。
【0071】
生理学的データの非限定的な例としては、例えば、体毛除去装置で処置される身体部分の生理機能に関連するデータが挙げられる。例えば、データは、皮膚の水分、体毛の長さ、体毛の柔軟性又は堅さなどに関する情報を提供し得る。この場合も、適合ユニット17は、この特定状況に反応するため、制御ユニット13を適宜適合させることができる。
【0072】
適合ユニット17は、1つ以上の第2の入力データ18
1〜18
mを処理するための適合関数25(f
modify algorithm)を含んでもよい。例えば、適合ユニット17は、第1のセンサ11から第2の入力データ14
2を受信し、及び/又は、第2のセンサ19から及び/又は1つ以上の追加のセンサ(図示せず)から1つ以上の第2の入力データ18
1〜18
mを受信するように構成されてもよい。更に、適合ユニット17は、前述の適合関数25(f
modify algorithm)を使用することによって、当該受信した第2の入力データ14
2、18
1〜18
mを、体毛除去動作中に制御関数15(f
control)を適合させるための出力信号21にマッピングするように構成されてもよい。
【0073】
前述したように、適合させることは、制御関数15を修正すること又は制御関数15を変更することを含み得る。
【0074】
制御ユニット13に実装され得る制御関数15及び適合ユニット17内に実装され得る適合関数25は共に共通する関数又はアルゴリズムを提供してもよく、本明細書ではアルゴリズム又は自己修正アルゴリズムとも称する場合がある。
【0075】
適合ユニット17は、適合関数25を用いて第2の入力データ14
2、18
1〜18
mを処理してもよい。この処理の結果に基づいて、制御ユニット13の制御関数15を適合させることができる。
【0076】
以下の非網羅的リストは、適合関数25のいくつかの非限定的な例を提供することができ、すなわち、第2の入力データ14
2、18
1〜18
mの処理は以下に基づく。
●統計モーメント(平均値、STD、分布、最小値/最大値、二乗平均平方根、中央値、...)
●フィルタリング(外れ値、ノイズ、...)
●平滑化
●重み付け
●マッピング
●オーバーサンプリング/アンダーサンプリング
●入力量の組み合わせ
●特定のパラメータがどのように時間と共に変化するか
●特定のパラメータがどのように基準パラメータと比較されるか
●その他。
【0077】
しかしながら、ファジー論理は通常固定される重み付け係数によって変動する離散関数に基づくため、ファジー論理を適合関数25として使用することができない。関数自体は変更されず、係数と関数との間の相互依存性が固定される。
【0078】
適合関数25は、制御関数15を適合させるための単一の関数又は複数の関数を含み得る。次いで、制御関数15を様々な方法で適合させることができる。例えば、適合関数25の結果は、以下に挙げるような様々な方法で制御関数15を適合させることができる。
●制御関数15(例えば、異なる曲線)/データ処理
●データ収集
●どの入力パラメータ/引数及び何個の入力パラメータ/引数が制御関数15に入るか
【0079】
以下の非網羅的リストは、制御関数15を使用して処理されるため、制御ユニット13に提供される1つ以上の第1の入力データ14
1、14
3〜14
nのいくつかの非限定的な例を提示することができる。
●適合関数25(f
modify algorithm)の出力21も参照されたい。
●単一又は複数の入力とすることができる。
●複数の使用者(クラウド、スマートフォン、Corp.サーバ、クリーニングセンター、歯ブラシ、スマートウォッチ、...)から得られる外部ソースからのデータ、及び/又は
●挙動、環境、生理学的、その他のデータ、及び/又は
●適合関数25(f
modify algorithm)から制御関数15(f
control)への入力21を除いて、制御関数15(f
control)へのその他全ての第1の入力データ14
1、14
3〜14
nは、剃毛挙動に関するリアルタイムデータ、例えば、以下挙げるものの1つ以上からのデータであってもよい。
○加速度計
○ジャイロスコープ
○運動追跡/運動捕捉
○圧力センサ、例えば静電容量センサ又は抵抗膜式タッチセンサ
○モータ電流ベースの検出システム
○カメラシステム又は他の光学センサ
○タッチセンサ
○ホールセンサ
○静電容量型センサ
○力センサ(1D、2D、3D、xD)
○その他
【0080】
制御関数15(f
control)の目的は、アクチュエータ12を駆動してシェーバ特性を調節することである。制御関数15は、単一の関数又は複数の関数を含んでもよい。以下の非網羅的リストは、制御関数15の実施のためのいくつかの非限定的な例を提供するものである。
●センサ/入力データを解釈することができ、出力信号を判定することができる、及び/又は
●センサ/入力データに基づいて、又はそれに応じてアクチュエータ12を制御することができる、及び/又は
●制御ユニット13に設置することができる。
○例えば、マイクロプロセッサ、小型PC(アルデュイーノ、ラズベリー、Pi、...)、インダストリアルPC、スマートフォン、スマートデバイス、スマートウォッチ、又は他のスマートウェアラブル、クリーニングセンター、クラウドベース
【0081】
更に、以下の非網羅的リストは、制御ユニット13の上述の1つ以上の出力16
1〜16
nのいくつかの非限定的な例を提供するものである。
●出力はリアルタイムでる可能性も遅延している可能性もある。
●単一又は複数の出力16
1〜16
nであり得る。
●アクチュエータ12は、制御ユニット13の出力16
1〜16
nに基づき、以下のうちの1つ以上を介して制御され得る。
○サーボモータ
○ギヤモータ
○磁気又は渦電流などの制御可能ブレーキ
○制御可能ダンパ
○ソレノイド
○圧電素子
○圧電駆動
○電気活性ポリマー
○形状記憶合金(例えば、加熱要素を介して起動される)
○バイメタルアクタ(例えば、加熱要素を介して起動される)
○空気式駆動装置
○リニア駆動装置
○その他。
【0082】
アクチュエータ12は、特定の体毛除去特性を達成するため、体毛除去装置10の物理的機能要素を調節する。いくつかの実施形態では、上述したように、調節は専用アクチュエータを介して実行されてもよい。専用アクチュエータとは、この調節機能を有さない同じシェーバと比較して、追加の構成要素(例えば、追加のサーボモータ)が調節を始動すると予測されることを意味する。専用アクチュエータは、例えば、使用者にとって調節をより明白にするために必要とされる場合がある。一方で、調節は自動的に行われなければならず、消費者が所望する効果は変化自体ではなく(例えば、ネック辺りを堅めにすることは直接的な効果ではない)調節の結果(例えば、操縦性向上)であるが、調査が示すように、消費者も製品が何かを行っているということを認識できる場合、製品への信頼性が高まることが多い。
【0083】
このような調節を駆動することができる専用のアクチュエータ12の例を以下に挙げる。
○サーボモータ
○ギヤモータ
○磁気又は渦電流などの制御可能ブレーキ
○制御可能ダンパ
○ソレノイド
○圧電素子
○圧電駆動部
○電気活性ポリマー
○形状記憶合金(例えば、加熱要素を介して起動される)
○バイメタルアクタ(例えば、加熱要素を介して起動される)
○空気式駆動装置
○リニア駆動装置
○その他。
【0084】
しかしながら、シェーバモータ自体は専用アクチュエータとみなしてはならない。調査が示すように、モータの振幅又は周波数の変更による効果は、未熟な使用者にとっては容易に気づかれない。
【0085】
具体例としては、アクチュエータを制御する関数f
controlへの入力、すなわち、第1の入力は、皮膚への圧力の測定値、シェーバの切断活動の測定値、及び三次元全てにおけるシェーバの加速度の測定値であってもよい。同様に、制御関数を修正する関数f
modifyを使用する第2の入力の組み合わせの具体例も、皮膚への圧力の測定値、シェーバの切断活動の測定値、及び三次元全てにおけるシェーバの加速度の測定値を含み得る。
【0086】
体毛除去装置10の例によると、フィードバックや情報などを、任意に調節に加えて提供してもよい。調査が示すように、消費者は製品が行っていることを伝えられるのを好まないが、自動的調節に追加されるフィードバック/情報は有用であり得る。例えば、これは、調節をわずかに目立たせる方法であってもよい(消費者関連の上記の点を参照されたい)。これは、調節がより高レベルな情報に対して行われるとき、LEDライトのように簡易であり得る。しかしながら、任意の追加情報/フィードバックに加えて、シェーバが自動調節を行うことが重要である。導入部で論じたように、装置が上記情報を提供する場合であっても、使用者は最良の調節がどのようなものかを常に正確に判断できるわけではなく、この情報を信じないことさえある。
【0087】
調節をより目立たせる代替手段は、始動モードの形態をとってもよい(例えば、特性を極端な値まで迅速に調節した後、シェーバを最初にオンにしたときの開始値へ戻す)。
【0088】
別の例によれば、体毛除去装置10は、任意に、使用者が制御ユニット13及び/又は適合ユニット17によって判定されたものとは異なるデバイス機能特性(調節)を設定/使用できるようにするオーバーライド機能を備えてもよい。
【0089】
体毛除去装置10の更に別の例によれば、使用者が異なる「モード」を選択する更なる可能性がある。例えば、体毛除去装置10が本明細書において既に説明した調節に加えてどのような調節を行うかに関して追加のパラメータを導入する「スポーツモード」又は「快適モード」は、例えば、自己修正がどの程度迅速に行われるかに影響を及ぼし得る。しかしながら、これは、先行技術における「プロファイル」の使用と混同すべきではない。「モード」自体はデバイス機能調節を「定義」せず、自己修正アルゴリズム(すなわち、制御ユニット13及び適合ユニット17)がなおデバイス機能調節の判定のベースを形成し、「モード」はそこに追加因数を加える、すなわち、「モード」の選択は調節を予め決定するものではない。
【0090】
図3A及び3Bは、この場合、シェーバである体毛除去装置10の別の実施形態を示す。
図3Aはシェーバ10の側面図を示し、
図3Bはシェーバ10の正面図を示す。更に、
図4は、機能構成要素及びシェーバ10内の情報フローの概略ブロック図を示す。
【0091】
シェーバ10は、シェーバハンドル31及びシェーバヘッド32を備えてもよく、シェーバヘッドは、少なくとも1つの自由度でシェーバハンドル31に対して移動可能である(例えば、シェーバヘッド32は、シェーバハンドルの長軸34に直交して配向された回転軸33(本明細書では旋回軸と称する)を中心に回転する)。シェーバハンドル31は、
図4にも示すように、加速度計センサ及びジャイロスコープを備えてもよい。
【0092】
加速度計は、周囲の重力場に関するシェーバ10の空間的方向及び移動を判定するように設定されてもよい。ジャイロスコープは、長軸31を中心としたシェーバ10の捩じれを判定するように設定されてもよい。加速度計及びジャイロスコープのうちの少なくとも一方は、体毛除去装置10の現在の操作を判定する第1のセンサ11によって構成されてもよい。しかしながら、加速度計及びジャイロスコープのうちの少なくとも一方は、追加的に又は代替的に、各々のセンサデータを適合ユニット17に提供する第2のセンサ19として使用されてもよい。当該両方の場合を
図4に示す。
【0093】
図3A及び3Bに示す実施例によれば、第1のセンサ11は加速度計を備え、当該加速度計は、剃毛動作中のシェーバ10の加速度を感知することによってシェーバ10の現在の操作を判定し、加速度センサデータを第1の入力データ14
1として制御ユニット13に提供し、及び/又は加速度センサデータを第2の入力データ14
2として適合ユニット17に提供するように構成されてもよい。
【0094】
更に、本例によれば、第2のセンサ19はジャイロスコープを備え、ジャイロスコープは、剃毛動作中のシェーバ10の回転を感知することによってシェーバ10の現在の操作を判定し、ジャイロスコープセンサデータを第2の入力データ18
2として適合ユニット17に提供するように構成されてもよい。追加的に又は代替的に、ジャイロスコープは、
図4に示すように、ジャイロスコープセンサデータを第1の入力データ18
1として制御ユニット13に提供するように構成されてもよい。
【0095】
あるいは、第1のセンサ11は加速度計とジャイロスコープの両方を含むことも可能であり、加速度計は、剃毛動作中のシェーバ10の加速度を感知することによってシェーバ10の現在の操作を判定し、加速度センサデータを第1の入力データ14
1として制御ユニット13に提供し、及び/又は加速度センサデータを第2の入力データ14
2として適合ユニット17に提供するように構成されてもよく、ジャイロスコープは、剃毛動作中のシェーバ10の回転を感知することによってシェーバ10の現在の操作を判定し、ジャイロスコープセンサデータを第2の入力データ18
2として適合ユニット17に提供し、及び/又はジャイロスコープセンサデータを第1の入力データ18
1として制御ユニット13に提供するように構成されてもよい。
【0096】
更にあるいは、第2のセンサ19は、加速度計及びジャイロスコープの両方を含むこともできる。
【0097】
ハンドル31に対するシェーバヘッド32の相対移動は、例えば、旋回剛性の観点から、アクチュエータ12によって制御されてもよい。例えば、この目的でサーボモータを使用してもよく、サーボモータは、例えばシェーバハンドル31をシェーバヘッド32に接続するばね35の予荷重を変更することによって、シェーバハンドル31に対するシェーバヘッド32の旋回力を調節するように設定されてもよい。アクチュエータ12を操縦する実際の関数は、個々の使用者の剃毛挙動に基づいてもよい。
図4に示すように、当該実際の関数は、制御ユニット13に実装され得る制御関数15の上述の出力信号16に対応させてもよい。
【0098】
消費者調査によると、多くの使用者が、首を剃毛する際に、長軸34を中心にシェーバ10を回転させ、シェーバの前側点が使用者から離れるように握りを変更することが分かっている。次に、シェーバ10は、旋回軸33に平行な軸36を中心に回転する。この挙動をとる使用者の意図は、剃りにくい場合が多いこの領域において、より密着した剃毛を実現するようにシェーバを当てることである。シェーバヘッド32の無抵抗/容易な動作/円滑な旋回運動は、この場合、逆効果である。したがって、ヘッド32とハンドル31とを接続するばね35の予荷重を増加させることが目的となる。
【0099】
使用者によるシェーバの回転の程度及び速度は、使用者間で異なるだけでなく、剃毛間又は剃毛中であっても大きく異なる。したがって、自動自己修正アルゴリズムが、シェーバの電子ユニット37に提供される。当該アルゴリズムは、制御関数15の上述の自動動的リアルタイム適合に対応する。よって、電子ユニット37は、例えば、ばね35の予荷重を調節することによって旋回力を調節するサーボモータ12を制御するための制御関数15を有する制御ユニット13を備えてもよい。更に電子ユニット37は、制御ユニット13の制御関数15を適合させるための適合関数25を含む適合ユニット17を更に備えてもよい。
【0100】
適合ユニット17は、シェーバ10の現在の操作に基づいて、すなわち、この例では、加速度センサデータ14
2及びジャイロスコープデータ18
2の少なくとも一方である第2の入力データに基づいて、制御関数15を適合させる。(
図4を参照)。
【0101】
制御ユニット13は、サーボモータ12を制御するために適合された制御関数15を使用する。
図4により詳細に示すように、制御ユニット13は、この例では、加速度センサデータ14
1及びジャイロスコープデータ18
1のうちの少なくとも一方である第1の入力データを受信してもよい。制御ユニット13は、事前に適合された制御関数15を使用して、この第1の入力データ14
1、18
1を処理する。適合された制御関数15は、サーボモータ12を制御するための出力16を生成する。出力16は適合された制御関数15から導出されるため、この例では、サーボモータ12への影響はばね35に作用し、ばね35の予荷重を適合させることである。
【0102】
したがって、適合ユニット17は制御関数15、ひいては出力16を適合させて、同じ第1の入力データが制御ユニット13によって処理される場合でも、アクチュエータ12の異なる挙動をもたらす。
【0103】
任意で、制御ユニット13とアクチュエータ12との間にアクチュエータ12用のドライバ41を配置してもよい。ドライバ41は、制御ユニット13の出力データ16を供給されてもよく、受信した出力データ16に基づいてアクチュエータ12を駆動してもよい。アクチュエータ12は、上述したように、体毛除去特性を調節する機械的構造35に作用し得る。
【0104】
例えば、本実施形態のシェーバ10は、加速度計データ14
1、14
2及び任意にジャイロスコープデータ18
1、18
2の連続的モニタリングに基づいてばね35の予荷重調節を制御し、異なる時間スケール(=可変プロービング時間)で摺動平均値及び摺動分散値を計算するように構成されてもよい。このように、シェーバ10は、使用者の剃毛挙動に個別に反応し、より滑らかで骨の折れない剃毛を実現することができる。
【0105】
この実施形態によれば、適合ユニット17は、統計測定値を取得するための第2の入力データ14
2、18
2から導出された信号の平均化などの時間統計評価を実行し、統計測定値及び任意に第2の入力データ14
2、18
2の現在のサンプルに応じて、制御ユニット13の制御関数15を適合させるように構成されてもよい。時間統計評価は、第2の入力データ14
2、18
2の現在のサンプルを含む第2の入力データ14
2、18
2から導出された信号の時間窓上で実行されてもよい。得られた統計測定値は、平均、すなわち何らかの中心傾向測定値、分散測定値、例えば、標準偏差又は分散値、最大値/最小値、二乗平均平方根、重み付け、オーバーサンプリング/アンダーサンプリングなどであってもよい。
【0106】
例えば、加速度センサ11からの信号のx方向の平均値(座標系の図)を取得することができる。
図4に示すように、シェーバ10の振動から生じ得る妨害周波数成分は、任意に、ローパスフィルタ又はバンドパスフィルタであり得るフィルタ38によってフィルタリングされてもよい。信号は、アルゴリズム、すなわち、アクチュエータ12を制御するために制御ユニット13内に実装される制御関数15によって使用されてもよい。アクチュエータ12の位置は、制御関数15によって以下の合計として計算することができる。
●オフセット(上で計算した平均に対応し得る)
●加速度センサ11によって測定されるx方向の加速度に比例する寄与分(第2の入力データ14
2、18
2の上述した現在のサンプルに対応し得る)。
【0107】
更に任意に、適合ユニット17に実装された適合関数25などのアルゴリズムは、例えば1Hzの特定の値を上回る妨害周波数成分を除去するためのローパスフィルタ39を含んでもよい。適合ユニット17によって構成され得る任意の論理ブロック40は、第2の入力データ14
2に基づいて加速度センサ11のx値の摺動平均を計算することができる。換言すれば、任意の論理ブロック40は、合計値抽出用の抽出装置であってもよい。
【0108】
次いで、論理ブロック17、すなわち、適合ユニット17は、抽出装置40から計算された平均値を連続的に、すなわち、頻繁かつ使用者によってトリガされずに取得することができ、アルゴリズム内、すなわち、制御ユニット13に実装された制御関数15内の前述のオフセット値をこの値と置き換えることができる。
【0109】
上述の平均又は統計測定値を計算するための時間定数又は時間間隔は、例えば、平均剃毛時間の長であり得る。一実施形態によれば、適合ユニットは、平均体毛除去動作の時間長である1つの時間間隔にわたる時間平均化若しくは統計評価を実行する、又は現在の体毛除去動作の時間長である1つの時間間隔にわたる時間平均化若しくは統計的評価を実行する、異なる長さの少なくとも2つの時間間隔にわたる時間平均化又は統計的評価を実行するように構成されてもよく、各時間間隔は、体毛除去動作中の平均ストローク長の半分〜3倍などの長さである。1つ以上の時間間隔はそれぞれ、例えば、1秒〜10秒又は30秒未満であってもよい。時間平均化又は統計評価は、1つ以上の適合ユニットの入力信号14
2、18
2、又は、所定長の過去の時間間隔にわたって延在する移動窓上で組み合わせによって得られる信号の平均化又は統計表化によって実行することができる。時間平均化は、現在のサンプルの加重平均及び平均の直近バージョンを使用して平均値を連続的に更新することによって、無限インパルス応答を有することができる。後者の場合、平均化の時間間隔は、平均の更新に90%超寄与する過去の時間間隔として解釈することができる。以下の説明は、統計平均化の1つの構成要素として平均化することに焦点を当てるが、これらの全ての実施例は、これを任意の統計評価に変更することによって抽象化してもよい。
【0110】
この場合、経時的な使用者の剃毛挙動の変化を考慮するように選択される(例えば、剃毛挙動が夏時間と冬時間とで変化するとき)ため、例えば、最後の10回の剃毛が記憶され、この特定の使用者に合うようにアルゴリズム15の参照値を適合させるために使用されてもよい。あるいは、全ての過去の剃毛値をアルゴリズム15の修正のために考慮に入れてもよく、最近の剃毛値ほど高く重み付けされる。
【0111】
一実施形態によれば、適合ユニット17は、体毛除去動作中又は終了時に平均を記憶し、制御ユニット13の制御関数15を適合させるため、後続の体毛除去動作の開始時に保存された平均を使用するように構成されてもよい。
【0112】
更に、
図4に例示するように、この調節の必要性を識別する成功率は、フィルタ39によって任意でフィルタリングされたジャイロスコープ19からのセンサデータをアルゴリズムの計算に組み込むことによって更に高めることができ、消費者調査も示すように、そのような時点において、使用者は長軸34を中心としてシェーバ本体31の捩りを増大させる。
【0113】
体毛除去装置10、すなわちシェーバは、任意に、データ転送のための接続を可能にするインタフェースを備えてもよく、インタフェースは、例えば、外部からシェーバのマイクロプロセッサにデータを転送して、判定された挙動の改善用の機能を更新する、若しくは、例えば、シェーバ10から外部にデータを転送して、上述の改善のためにスマートフォン上に情報又は他の測定データを表示してもよい。
【0114】
次に、
図3A及び
図3Bを参照して、別の実施形態について説明する。前述したように、当該図は、ハンドル31と、ばね35によって連結されたシェーバヘッド32とを備えるシェーバ10を示す。ばね35は、以下に簡単に説明するように、ヘッド32の旋回力を調節するように構成されてもよい。
【0115】
シェーバ10は、本体31に対して旋回又は傾斜することができるように取り付けられたシェーバヘッド32を有する。可撓性シェービングヘッド32は、様々な顔面領域への良好な適合を可能にする一方で、シェーバ10の保持方法に自由度を与える。シェービングヘッド32は、頬、首、及び下顎の異なる輪郭に追従することができる。これにより、使用者がシェーバ10を保持する角度(特定の範囲内)とは無関係に、切断要素領域全体が皮膚と接触する時間が可能な限り多く確保される。これは、押圧力がより大きな面積にわたって広がり、このことが皮膚へのより低い圧力につながるために、顔と接触する最大切断面積を確保し、より良好な効率(より迅速な剃毛)及びより良好な皮膚快適性の利点をもたらす。
【0116】
適合システムの設定に応じて、皮膚上の感触及びシェービングヘッド32の皮膚上での動き方は大幅に異なる。消費者の注意をあまり要することなく、輪郭上で滑らかに滑動できるように高可撓性の柔軟な構造が好ましい。店頭での購買決定も、人が宣伝用見本に触れて感じたときの剃毛システムの可撓性に影響を受ける。これらの全ての理由が、典型的には、可能な限り低い抵抗で可能な限り多くの旋回運動を生成することを目的としたシェーバ設計をもたらした。
【0117】
しかしながら、ある特定の剃毛挙動について及び/又は剃毛のある瞬間においては、軽い旋回運動が不都合であり得ることが特定されている。2つの例を以下に列挙する。
1.使用者が特に高い圧力で顔にシェーバを押し付けると、制御性が失われた感覚が生じて、ヘッド32が突然離れるように旋回する可能性がある。
2.目標の高い圧力を単一のフォイルに加えることは容易ではない(例えば、一部の男性は、密着度を高めるために剃毛の最後に圧力を高める)。軽い旋回は、典型的には、全ての切断要素が顔と接触するようにヘッド32を回転させる。一部の男性は、ヘッド32がそれ以上旋回できないように、シェーバハンドル31を極端な角度で保持することによって旋回を妨害する。しかしながら、これは人間工学的ではない。
【0118】
これらの問題に対して典型的に提供される現在の解決策は、起動され得るシェービングヘッドに対する手動のロックである。消費者は、可撓性とロックの設定のいずれかを選択することができるが、これは不便であり、余分なステップであるので、消費者は他の選択肢(例えば、ヘッドを指で保持すること)を試みることが多い。調査が示すように、手動ロックは好ましくない場合が多い。
【0119】
本実施形態は、挙動検出(例えば、剃毛圧の検出、移動の方向及び速度の検出、シェーバハンドルの角度の検出、どの切断要素が皮膚に接触しているかの検出)に基づいて、旋回運動に抵抗する力を自動的に適合させることによる異なるアプローチをとる。特に、本実施形態は、旋回剛性を制御するアルゴリズムが、現在の瞬間及び経時的に検出される特定の使用者の典型的な挙動に基づいて自己修正するという点で、様々な男性によって使用される非常に広範囲の様々な剃毛挙動にもかかわらず、全ての使用者にとっての解決策を提供する。
【0120】
図3A及び3Bに示すように、シェーバ10は、旋回ヘッド32を備えてもよく、また、圧力センサ19、並びに運動11の方向及び速度を検出し得るセンサ、例えば加速度計を備えてもよい。剃毛圧力は、例えば、シェーバのPCBから推定されるシェーバのモータ電力消費から、圧力感知アルゴリズムを使用することによって測定されてもよい。PCB上には、加速度計11も搭載されてよい。シェーバ10の3つの軸全ての加速度を検出してもよい。
【0121】
制御ユニット13及び/又は適合ユニット17を備え得る電子ユニット37は、圧力センサ19及び加速度計11から信号を受信してもよい。加速度計11から、電子ユニット37は、剃毛ストロークの頻度及び長さを判定することができる。例えば、加速度計11は、加速度センサデータを第1の入力データとして制御ユニット13に提供してもよい。制御ユニット13は、制御関数15を用いて当該加速度センサデータを処理してもよい。制御関数15の出力16は、アクチュエータ12を操縦するために使用されてもよい。
【0122】
リアルタイムでは、加速度計11からの値を使用して、電子ユニット37内の一組の特性曲線を評価し、アクチュエータ12の入力信号を生成することができる。これは、アクチュエータ12を操縦するため、一組の特性曲線から出力値を取得することと同等であり得る。本例では、アクチュエータ12を使用してばね35を引っ張り、旋回ヘッド32の特定の硬さを設定することができる。当該一組の特性曲線は、制御ユニット13で利用可能な一組の事前構成された制御関数15aに対応してもよい。
【0123】
一実施形態によれば、制御ユニット13は、一組の事前構成された制御関数15aを含んでもよく、適合ユニット17は、体毛除去動作中に、第2の入力データに基づいて事前構成された制御関数15aのうちの1つを選択することによって、制御ユニット13の制御関数15を体毛除去動作中に適合させるように構成されてもよい。換言すれば、一組の事前構成された制御関数15aは、上述したように、制御ユニット13において利用可能である。適合ユニット17は、制御ユニット13が一組の事前構成された制御関数15aのうちのどれを現在の制御関数15として選択するべきかを制御ユニット13に指示する命令を制御ユニット13に提供してもよい。これは、シェーバ10の現在の操作に基づくものであり、剃毛動作の実行中に行われる。したがって、本実施形態は、制御関数15を変更する、すなわち、現在の剃毛動作中のシェーバ10の現在の操作に最も適し得る特定の制御関数を選択することによって、制御関数15を適合させる例について説明することができる。
【0124】
別の実施形態によれば、制御関数15は、例えば、制御関数15又は所定の一組の制御関数15aのうちの1つ以上のパラメータを修正する、例えば、更新することによって適合されてもよい。例えば、適合ユニット17は、以下の実施例で説明するように、特性曲線のうちの少なくとも1つのパラメータを修正する、例えば、更新するように制御ユニット13に指示する命令を制御ユニット13に提供してもよい。
【0125】
アクチュエータ12の駆動信号を判定する一組の特性曲線は、使用者の挙動を監視することによって特定の使用者に常に適合されてもよい。例えば、過去の使用に基づいて、アルゴリズム、例えば、適合ユニット17は、「低」、「中」、又は「高」とみなされる圧力範囲を調節してもよい。例えば、通常1〜2Nの圧力で剃毛する男性の場合、シェーバ10は、2Nがこの使用者にとって高圧であると学習し、一方、通常3〜5Nの圧力で剃毛する男性の場合、シェーバは、2Nがこの使用者にとって低圧であると学習する。次いで、これらの範囲を使用して、特性曲線のパラメータを更新してもよい。
【0126】
したがって、本実施形態では、適合ユニット17は、第2の入力データに基づいて、事前構成された一組の制御関数15aに含まれる少なくとも1つの事前構成された制御関数のパラメータ化を変更するように構成されてもよい。
【0127】
上記の例で述べたように、制御ユニット13は、一組の所定の制御関数15a(例えば、特性曲線)を使用してもよい。この組15aは、第1のセンサデータを処理するための様々な制御関数、例えば、「低」圧データを処理するための1つの制御関数、「中」圧センサデータを処理するための1つの制御関数、及び「高」圧データを処理するための1つの制御関数を含んでもよい。この場合、制御ユニット13は、現在検知されている圧力センサデータを少なくとも2つのクラスのうちの1つに分類することができ、すなわち、制御ユニット13は、現在感知されている第1のセンサデータが「低」、「中」、又は「高」のいずれであるかを判定することができる。
【0128】
制御ユニット13は、分類を閾値に基づいてもよい。例えば、受信した圧力センサデータが閾値を下回る場合、第1のクラス、例えば、「低」圧クラスに分類されると判定することができる。受信した圧力センサデータが閾値を上回る場合、第2のクラス、例えば、「高」圧クラスに分類されると判定することができる。
【0129】
したがって、本実施形態によれば、制御ユニット13は、受信した第1の入力データを分類するための分類を実行するように構成されてもよく、この分類は閾値を使用する閾値化によって実行され、受信した第1の入力データの値が閾値を下回る又は上回る場合、受信した第1の入力データの値は少なくとも2つのクラスのうちの1つに分類される。あるいは、分類は、ニューラルネットワーク又はML分類子によって実行されてもよく、その例は、
図5を参照して本明細書で後述する。
【0130】
各クラス「低」、「中」、及び「高」は、少なくとも1つの値又は値範囲を含み得る。例えば、クラス「低」は、1N〜2Nの圧力範囲を含んでもよく、クラス「中」は、3Nの単一の圧力値のみを含んでもよい。
【0131】
しかしながら、「低」、「中」、又は「高」であると考えられる圧力値又は範囲は、適合ユニット17によって適合されてもよい。
【0132】
例えば、適合ユニット17は、1つ以上の第2の入力データ、例えば、剃毛動作の実行中に圧力センサによって感知された圧力値を記憶してもよい。剃毛動作中又は剃毛動作後、適合ユニット17は、剃毛中に感知された圧力センサ値の平均を計算してもよい。適合ユニット17は、使用者によって実行される1回目の剃毛動作から平均を計算してもよい。例えば、適合ユニット17は、剃毛動作中に特定の期間が経過した後に平均の計算を開始してもよい。例えば、適合ユニット17は、現在の剃毛動作の開始から1秒後、又は10秒後、又は20秒後に平均の計算を開始してもよい。
【0133】
例えば、「高圧」剃毛男性の平均値が約5Nである一方、「低圧」剃毛男性の平均値は約2Nであり得る。次いで、この計算された平均値は、例えば、上述の分類を実行するために適合/更新された閾値として制御ユニット13によって使用されてもよい。したがって、制御ユニット13の閾値は、適合ユニット17によって常時適合されてもよい。より詳細には、第1の入力データを処理する(例えば、分類する)ための閾値を使用する制御関数15(例えば、分類)は、第2の入力データに基づいて、適合ユニット17によって適合させることができる。第1の入力データ及び第2の入力データは両方とも圧力センサによって提供されてもよい。
【0134】
本実施形態によれば、適合ユニット17は、第2の入力データに基づいて、制御ユニット13によって実行される第1の入力データの分類を適合させるよう構成されてもよく、適合ユニット17は、体毛除去動作中に得られた第2の入力データの平均値を計算し、制御ユニット13の閾値をこの平均値と置き換えるように構成される。
【0135】
適合ユニット17は、各剃毛動作の平均値を計算し、例えば、1つ以上の以前に計算された平均値を適合、例えば、更新してもよい。すなわち、閾値は適合、例えば、更新してもよい。適合ユニット17による適合は、連続的であってもよい。適合は、1回の剃毛動作中に1回又は複数回実行されてもよい、若しくは2回以上の剃毛動作中に1回又は複数回実行されてもよい。
【0136】
換言すれば、自己修正段階は、最初の剃毛の開始時に開始してもよい。シェーバ10の電子ユニット37は、中間値を生成してもよい。剃毛回数が多くなるほど、記憶される標準範囲の精度が高くなる。
【0137】
更に、上述の実施形態では、第1のセンサは、圧力センサ及び加速度計のうちの少なくとも1つを含んでもよく、圧力センサは、体毛除去動作中に体毛除去装置によって使用者の皮膚に加えられる圧力を感知することによって体毛除去装置の現在の操作を判定するように構成され、加速度計は、体毛除去動作中の除毛ストロークの頻度及び長のうちの少なくとも1つを感知することによって、体毛除去装置の現在の操作を判定するように構成される。
【0138】
上述したように、制御ユニット13は、例えば、自己修正分類子とも称され得るニューラルネットワークを使用することによって、第1の入力データを分類してもよい。追加的に又は代替的に、適合ユニット17は、ニューラルネットワークなどの自己修正分類子を含んでもよい。
【0139】
図5は、自己修正分類子56の例を示す。本例でも、先の例で記載されているように、シェーバ10のフィードバックを定義するアルゴリズムは、自己修正分類子(例えば、ニューラルネットワーク)を含んでもよい。この場合、センサの出力、例えば、剃毛圧力51、ストローク頻度52、切断活動53、体毛密度54、空気湿度55は、1つ以上の剃毛挙動分類子56の入力ノードにリンクされてもよい。分類子56の後続の(隠れた)層において、信号51、52、53、54、55を処理し、多くの差別化ノードによって組み合わせることができる。最終的に、分類子56は、現在の剃毛挙動がシェーバヘッドの保持ばね予荷重を増加又は低減することで、シェービングシステムが肌に当たる感覚を強めるか弱めるかを判定することができる。換言すれば、分類子56は、第1及び/又は第2の入力データであり得る入力信号51、52、53、54、55を処理してもよく、分類子56は、これらの入力データ51、52、53、54、55を、アクチュエータ12を制御するための出力57にマッピングして、例えば、シェーバヘッドの硬さを向上させる、又はアクチュエータ12を制御するための出力58にマッピングして、例えば、シェーバヘッドの硬さを低下させる、又はアクチュエータ12を制御するための出力59にマッピングして、例えば、体毛除去装置10の任意の他の物理的変化を実行することができる。分類子56は、自己学習するものであってもよい。
【0140】
最初に分類子56を定義するために、分類子は、予め多数の試験剃毛の分類済み剃毛挙動データを用いて教育されてもよい(工場レベル)。次いで、シェーバ10は、使用者の特定の挙動(在宅の使用者レベル)及びシェーバ10による調節に対する使用者の反応を学習することによって、及び/又はウェブベースソース(クラウドレベル)から更に教育されたバージョンで分類子56を更新することによって、使用者に対してより詳細に自己調節することができる。後者については、多数の異なる使用者及び剃毛に関するデータが収集され、教育データセットを増強する。この文脈における教育は、分類子の性能を向上させるため、差別化ノード間のリンクが体系的かつ自動的に調節され、重み付けされ、又は追加/削除されてもよいことを意味する。
【0141】
分類子56は、制御ユニット13及び適合ユニット17を備えてもよい。分類子56は、深層学習ネットワーク、例えば、反復ニューラルネットワークを含んでもよい。
【0142】
アルゴリズムが自己修正する可能性があるときの別の例は、(例えば、通常とは大きく異なる挙動を検出することによって)シェーバが他の使用者によって使用されているのを認識するときである。この場合、アルゴリズムは、(既に最初の使用者に関する設定を修正したと仮定して)デフォルト/工場設定に戻すように自己修正することができる。
【0143】
上記の実施例及び実施形態は、様々な方法で使用することができる。シェーバ10のいくつかの非限定的な例を説明するため、
図3A及び3Bに示すシェーバ10を再度参照する。
【0144】
図示されるように、旋回ヘッド32は、シェーバ本体31のホルダ上に装着され得る軸33上に取り付けてもよい。非対称剃毛圧力がシェーバ10に加えられると、トルクが発生し、シェービングヘッド32は顔の輪郭に位置合わせされるように軸33を中心に旋回する。旋回ヘッド32の反力は最小限に抑えられて、低圧が加えられるときでもシェーバ10の良好な適合を確保する。例えば、上述の引張ばね35などの機構をヘッド32の下端とシェーバ本体31との間に取り付けてもよい。機構35は、ヘッド32を旋回させる力を設定する。機構35が提供する力が強く設定されるほど、ヘッド32の旋回が困難になる。アクチュエータ12はシェーバ本体31に取り付けられてもよく、例えば、ばね35の一端がシェーバ本体31に取り付けられてもよい。アクチュエータ12は、機構35に作用することによって機構35の保持力を設定することができる。例えば、アクチュエータ12は、ばね35の長を変更することによってばね35の予荷重を設定し得る。中立アクチュエータ位置では、機構35は、低い保持力を提供することができ、例えば、ばね35は最低の予荷重を有してもよく、ヘッド32は非常に容易に旋回することができる。最大作動時に、機構35は、より高い保持力を提供することができ、例えば、ばね35が強く引かれて、シェービングヘッド32は旋回するのにより高い剃毛圧力を要する。消費者は、より剛性かつ硬質なシステムを感じる。アクチュエータ12は、保持力、例えばばね荷重を、最小作動位置と最大作動位置との間で無段階に設定することができる。すなわち、旋回剛性は、アクチュエータ12によって変更され、旋回剛性とは、旋回ヘッド32の現在の旋回位置又は何らかの所定の中立位置から外への移動に対する旋回ヘッド32の抵抗、又は別の言い方をすれば、シェーバヘッド32の旋回抵抗を説明するものである。したがって、旋回剛性は、ヘッド32を現在の旋回位置から外へ移動させるために超えなければならない抵抗モーメントを説明する。よって、旋回剛性は、皮膚上で旋回ヘッドの先端部を移動させるときに使用者の皮膚に加えられる皮膚接触力、すなわち、抵抗力を決定する。上述したように、シェーバ10は、1つ以上のセンサ、例えば、圧力センサ及び加速度計を更に備えてもよい。
【0145】
一実施形態は、剃毛動作中にシェーバ10が使用者の皮膚に加える現在の圧力を感知するように構成された圧力センサを備えるシェーバ10に関する。シェーバ10は、シェーバ本体31と、当該シェーバ本体31に枢動可能に取り付けられているシェーバヘッド32とを備えてもよく、シェーバヘッド32は、枢動軸33を中心に旋回することによってシェーバ本体31に対して移動するように構成される。
【0146】
シェーバ10は、保持力をシェーバヘッド32に提供する保持力機構35を更に備えてもよく、保持力機構35は、シェーバ本体31及びシェーバヘッド32に取り付けられ、シェーバヘッド32を旋回させるための旋回力は、保持力機構35によって提供される保持力に依存する。
【0147】
更に、シェーバ10は、上述の例を参照して説明したように、シェーバ10の体毛除去特性を変更するばね機構35の予荷重を変更するためのアクチュエータ12を備えてもよい。アクチュエータ12は、ハードウェアアクチュエータ12であってもよく、又はアクチュエータ12は、ソフトウェアで実装されるソフトウェアアクチュエータであってもよい。
【0148】
シェーバ10は、アクチュエータ12を制御するための制御ユニット13を更に備えてもよく、制御ユニット13は、圧力センサから圧力センサデータを受信し、制御関数15を使用することによって、当該受信した圧力センサデータを、剃毛動作中にアクチュエータ12を制御するための出力信号にマッピングするように構成される。例えば、シェーバ10は、旋回力の調節を含んでもよく、制御ユニット13は、アクチュエータ12を制御して、保持力機構35上で作動させて提供する保持力を増減させ、例えば、ばねの予荷重を増加又は減少させるためにばね35を締める又は緩める。その結果、ヘッド32を旋回するための旋回力が増減されて、シェーバ10の様々な剃毛特性をもたらすことができる。制御ユニット13は、アクチュエータ12を制御するための適合制御関数15を使用してもよい。
【0149】
シェーバ10は、圧力センサから圧力センサデータを受信し、剃毛動作中、受信したセンサデータに応じて制御ユニット13の制御関数15を適合させるように構成された適合ユニット17を更に備えてもよい。上記の例を説明するため、適合ユニット17は、制御関数15を適合させることによって旋回力を適合させることができる。適合された制御関数15は、アクチュエータ12の異なる応答挙動をもたらし得る。例えば、アクチュエータ12は、ばね35をより高速/低速に、より早く/遅く締めることができる。
【0150】
追加的に又は代替的に、適合ユニット17は、第2のセンサから追加のセンサデータを受信し、剃毛動作中、受信した追加センサデータに応じて制御ユニット13の制御関数15を適合させるように構成されてもよい。この追加センサデータは、例えば、上述の加速度計によって提供されてもよい。
【0151】
図7は、上述したように、体毛除去装置10(例えば、シェーバ)を制御する方法の概略ブロック図である。具体的には、
図7は、体毛除去動作中に体毛を身体部分から除去するための体毛除去装置を制御する方法の概略ブロック図を示す。
【0152】
ブロック701は、体毛除去動作中の体毛除去装置10の現在の操作の感知に基づいて、第1のセンサ11から第1の入力データ14
1、14
2、...、14
nを受信するステップを含む。
【0153】
ブロック702は、体毛除去装置10の体毛除去特性を変更するためのアクチュエータ12を制御するステップを含み、制御ステップは、第1の入力データ14
1、14
2、...、14
nを受信し、制御関数15を使用することによって、当該受信した第1の入力データ14
1、14
2、...、14
nを、体毛除去動作中にアクチュエータ12を制御するための出力信号16にマッピングすることを含む。
【0154】
ブロック703は、第1のセンサ11及び/又は第2のセンサ19から第2の入力データ14
2、18
1、18
2、...、18
mを受信し、受信した第2の入力データ14
2、18
1、18
2、...、18
mに応じて制御ユニット13の制御関数15を適合させるステップを含む。
【0155】
これまでに記載した実施形態のいくつかの追加の実施形態又は可能な拡張は、
図6を参照して、シェーバなどの体毛除去装置10について述べた以下のリストで箇条書きを使って簡単に要約する。
1.(c.f.(
図6のブロック601を参照)通常使用中(及び任意にこの使用前及び後)、1つ以上のセンサを介してパラメータを自動的に検出する。
●これらのパラメータは、主に剃毛挙動パラメータである。
●パラメータは、任意に、男性の剃毛の生理学的特性や気候条件などであってもよい。
●検出は連続的であっても、そうでなくてもよい。
●理想的には、複数の種類のセンサ、例えば、機械的、光学的、電気的センサ、及び/又は複数の種類のパラメータ(例えば、圧力及び移動)を検出するセンサであってもよい。
2.(c.f.(
図6のブロック602を参照)アルゴリズム/数学関数(f
control/f
modifyal algorithm)を介して(検出されたセンサデータ/入力に基づいて)所望のデバイス機能特性を判定する。
●デバイス機能特性(単数又は複数)は、物理的特性又は他の特性であってもよい。
●数学関数/アルゴリズムは、固定でも所定でもなく、代わりに、1つ又は複数のソースからのデータに基づいて自己修正することができる。この修正は、通常の使用中に行うことができ、例えば、使用後に限定されない。このため、有利なことに、修正及びその結果得られる恩恵が、リアルタイムで最初の剃毛から達成される。
3.(c.f.(
図6のブロック603を参照)アルゴリズムの出力に基づいて、この/これらのデバイス機能特性を自動的かつ能動的に調節する。
●この/これらの機能特性の調節は、使用者の剃毛パラメータを改善する。理想的には、特定の状況に応じて、様々な剃毛パラメータを(剃毛パラメータ自体を調節することによって、又は様々なデバイス機能特性を調節することによって)最適化することができる。
●フィードバック/情報/その他が、調節に加えて提供されてもよく、提供されなくてもよい。
●調節を駆動するための少なくとも1つの専用アクチュエータが存在し得る。
【0156】
上記のリストの項目1に関しては、「通常の使用中」という表現は、本明細書では「体毛除去動作中」又は「体毛除去動作の実行中」と同義に使用されてもよい。「通常の使用中」という表現は、例えば、体毛除去装置10を特殊/較正モードに切り替える必要がなく、パラメータを検出するために特殊/較正手順を実施する必要もないことを意味することができる。これでは不便であろう。それはまた、できるだけ多くのデータが収集される利点を有するデータ収集時間が最大にされ、かつデータ収集が常に最新であることを意味する。
【0157】
「自動的」という表現は、例えば、データ収集が行われるように、使用者がスイッチを押す、質問への応答などの入力を提供する、オプションを選択するなどの必要がないことを意味することができる。
【0158】
上記リストの項目2に関しては、「検出されたセンサデータに基づいて」という表現は、直接的な使用者の入力(単独)、例えば、使用者が質問に答える、プロファイルを作成する、結果を評価する、ボタンを押す、オプションを選択するなどを含まないことを意味する。
【0159】
上述リストの項目3に関しては、「能動的」という表現は、受動素子(例えば、室温に純粋に反応するバイメタル要素、受動的ばね)を介して変化が生じない代わりに、アルゴリズム(f
control/f
modify algorithm)の出力が調節を「起動」する、例えば、サーボモータをオンにする、スイッチを設定する、ヒーターをオンにしてバイメタル要素を起動することを意味することができる。
【0160】
上述の体毛除去装置10の実施形態及び実施例の全ては、以下の利点及び消費者利益を提供し得る。
●剃毛経験及び/又は剃毛結果の大幅な改善
●平均的な男性だけではなく全ての使用者にとっての改善
●使用者からの直接入力は必須ではなく、簡便であり、専門知識の欠如によって制限されない。
●通常ルーチンの間に自動的に行われる−簡便であり、条件が変化した場合であっても最新の状態を維持し、最初の剃毛から調節することができる。
●出力は、使用者への純粋なフィードバック又は指示ではない−消費者調査が示すように、消費者は典型的には、機械によって何をすべきかを告げられるのを好まない。
【0161】
更に、本明細書で論じる個々の実施形態及び特徴の例は全て、自由に組み合わせることができる。
【0162】
更に、体毛除去装置は、以下の実施形態において実現されてもよく、また、本明細書で論じる実施例及び実施形態のそれぞれと自由に組み合わせることができる。
【0163】
第1の実施形態は、体毛除去動作中、体毛を身体部分から除去するための体毛除去装置を提供してもよく、体毛除去装置は、体毛除去動作中に体毛除去装置の現在の操作を判定するように構成された第1のセンサと、当該体毛除去装置の体毛除去特性を変更するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御するための制御ユニットであって、第1のセンサから第1の入力データを受信し、制御関数を使用することによって、当該受信した第1の入力データを、体毛除去動作中にアクチュエータを制御するための出力信号にマッピングするように構成された制御ユニットと、第1のセンサ及び/又は第2のセンサから第2の入力データを受信し、体毛除去動作中、受信した第2の入力データに応じて制御ユニットの制御関数を適合させるように構成された適合ユニットとを備える。
【0164】
第1の実施形態を参照する第2の実施形態によれば、第1のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、運動追跡デバイス、運動捕捉デバイス、カメラシステムなどの光学センサ、静電容量式圧力センサ、抵抗圧力センサ、静電容量式タッチセンサ、抵抗式タッチセンサ、一次元力センサ、二次元力センサ、三次元力センサ、少なくとも4次元の多次元力センサ、ホールセンサ、及びモータ電流ベースの検出センサから成る群の少なくとも1つを含んでもよい。
【0165】
第1及び/又は第2の実施形態を参照する第3の実施形態によれば、アクチュエータは、様々な切断要素及び/又は非切断要素(例えば、ガード、櫛など)の相対高さ、刃周波数、刃振幅、個々の切断要素の浮力、ヘッドを旋回/傾斜させるのに必要な力、使用者の皮膚に接する切断部と非切断部(例えば、ヘッドフレーム)との面積比、皮膚張力要素、本体に対するヘッドの3D角度、本体に対するヘッドの高さ、フォイル孔寸法/パターン、シェーバヘッド振動、ハンドル振動、モータ音から成る群のうち少なくとも1つを調節する専用アクチュエータに作用することによって、体毛除去特性を変更するように構成されてもよい。
【0166】
前述の実施形態のうちの1つを参照する第4の実施形態によれば、アクチュエータは、サーボモータ、ギヤモータ、磁気又は渦電流などの制御可能ブレーキ、制御可能ダンパ、ソレノイド、圧電素子、圧電駆動装置、電気活性ポリマー、形状記憶合金(例えば、加熱要素を介して起動される)、バイメタルアクタ(例えば、加熱要素を介して起動される)、空気式駆動装置、及び線形駆動装置から成る群のうち少なくとも1つを含んでよい。
【0167】
前述の実施形態のうちの1つを参照する第5の実施形態によれば、第1のセンサ及び/又は第2のセンサは、体毛除去装置10の操作に応じて、追加の専用ユーザ入力とは無関係に第1の入力データ及び/又は第2の入力データを提供するように構成されている。
【0168】
前述の実施形態のうちの1つを参照する第6の実施形態によれば、第1のセンサは、圧力センサ及び加速度計のうちの少なくとも1つを備えてもよく、圧力センサは、体毛除去動作中に体毛除去装置によって使用者の皮膚に加えられる圧力を感知することによって、体毛除去装置の現在の操作を判定するように構成されてもよく、加速度計は、体毛除去動作中の除毛ストロークの頻度及び長の少なくとも一方を感知することによって、体毛除去装置の現在の操作を判定するように構成されてもよい。
【0169】
前述の実施形態のうちの1つを参照する第7の実施形態によれば、適合ユニットは、平均を得るために、第2の入力データから導出された信号の時間平均をとり、当該平均及び第2の入力データの現在のサンプルに応じて、制御ユニットの制御関数を適合させるように構成されてもよい。
【0170】
第7の実施形態を参照する第8の実施形態によれば、適合ユニットは、体毛除去動作の持続時間の長さである1つの時間間隔にわたって時間平均をとる、平均体毛除去動作の長さである1つの時間間隔にわたって時間平均をとる、又は少なくとも2つの時間間隔にわたって時間平均をとるように構成されてもよく、各時間間隔は体毛除去動作中の平均ストロークの長さである。
【0171】
第7の実施形態又は第8の実施形態を参照する第9の実施形態によれば、適合ユニットは、体毛除去動作の終了時に平均を記憶し、制御ユニットの制御関数を適合させるため、後続の体毛除去動作の開始時に保存された平均を使用するように構成されてもよい。
【0172】
いくつかの態様は装置の文脈で説明されているものの、これらの態様はまた、対応する方法の説明を表すことは明らかであり、ブロック又はデバイスは、方法工程又は方法工程の特徴に対応する。同様に、方法工程の文脈で説明した態様はまた、対応する装置の対応するブロック又はアイテム又は特徴の説明を表す。方法工程のうちのいくつか又は全ては、例えば、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、又は電子回路のようなハードウェア装置により(又はそれを使用して)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップのうちの1つ以上は、このような装置により実行されてもよい。
【0173】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアに、又はソフトウェアに、又は少なくとも部分的にハードウェアに、又は少なくとも部分的にソフトウェアに実装することができる。この実装は、電子的可読制御信号が記憶され、それぞれの方法が遂行されるようにプログラマブルコンピュータシステムと協働する(又は協働することができる)デジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク、DVD、Blu−Ray、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、又はFLASHメモリを使用して遂行され得る。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であってもよい。
【0174】
本発明によるいくつかの実施形態は、電子的可読制御信号を有するデータキャリアを備え、データキャリアは、本明細書に記載の方法のうちの1つが遂行されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる。
【0175】
概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作するときに、これらの方法のうちの1つを遂行するように動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに記憶されてもよい。
【0176】
他の実施形態は、機械可読キャリアに記憶された、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するためのコンピュータプログラムを含む。
【0177】
言い換えれば、本発明の方法のある実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で動作するときに、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0178】
本発明の方法の更なる実施形態は、したがって、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するためのコンピュータプログラムを含む、それが記録されたデータキャリア(又はデジタル記憶媒体、又はコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、又は記録媒体は、典型的には、有形及び/又は非一時的である。
【0179】
本発明の方法の更なる実施形態は、したがって、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号のシーケンスである。データストリーム又は信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続を介して、例えばインターネットを介して転送されるように構成されてもよい。
【0180】
更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するように構成又は適合された処理手段、例えばコンピュータ又はプログラマブル論理デバイスを含む。
【0181】
更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0182】
本発明による更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するためのコンピュータプログラムを受信器に(例えば、電子的又は光学的に)転送するように構成された装置又はシステムを備える。受信器は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、メモリデバイスなどであってもよい。装置又はシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信器に転送するためのファイルサーバを備えてもよい。
【0183】
いくつかの実施形態では、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能のうちのいくつか又は全てを遂行してもよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法のうちの1つを遂行するために、マイクロプロセッサと協働してもよい。一般に、方法は、できれば任意のハードウェア装置により遂行されることが好ましい。
【0184】
本明細書に記載の装置は、ハードウェア装置を使用して実装されても、コンピュータを使用して実装されても、又はハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して実装されてもよい。
【0185】
本明細書に記載の方法は、ハードウェア装置を使用して遂行されても、コンピュータを使用して遂行されても、又はハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して遂行されてもよい。
【0186】
上述の実施形態は、単に本発明の原理の例示である。本明細書に記載の配置及び詳細に対する変更及び変形は当業者に明らかであろうことが理解される。したがって、すぐ次の特許請求の範囲によってのみ限定され、かつ本明細書に記載の実施形態の記載及び説明により提示された具体的な詳細によっては限定されないことが意図である。
【0187】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指定がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。