(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ペナルティ項は、前記室内気温が前記上限と前記下限との間にあるときに零であり、前記室内気温が前記上限を上回る又は前記下限を下回るときに非零である、請求項2のシステム。
前記ペナルティ項は、前記第1の温度限界が破られるときに第1の量だけ、前記第2の温度限界が破られるときに前記第1の量より大きい第2の量だけ、前記費用を増加させる、請求項4のシステム。
前記機器は、水供給側システム、空気供給側システム、可変冷媒流量ユニット、室内空調ユニット、又はパッケージ化空調ユニットのうちの1つ以上を含む、請求項1のシステム。
前記機器は、水供給側システム、空気供給側システム、可変冷媒流量ユニット、室内空調ユニット、又はパッケージ化空調ユニットのうちの1つ以上を含む、請求項10の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
建物HVACシステム及び建物管理システム
【0018】
次に
図1〜5を参照すると、本開示のシステム及び方法が実装され得るいくつかの建物管理システム(BMS)及びHVACシステムがいくつかの実施形態に従って示される。要約すると、
図1はHVACシステム100を備えた建物10を示す。
図2は建物10にサービスを提供するように使用され得る水供給側システム200のブロック図である。
図3は建物10にサービスを提供するように使用され得る空気供給側システム300のブロック図である。
図4は建物10を監視及び制御するために使用され得るBMSのブロック図である。
図5は建物10を監視及び制御するために使用され得る別のBMSのブロック図である。
【0020】
特に
図1を参照すると、建物10の斜視図が示される。建物10はBMSによりサービスが提供される。BMSは、一般的には、建物又は建物領域内の若しくはその周囲の機器を制御、監視、及び管理するように構成されるデバイス群のシステムである。BMSは例えば、HVACシステム、セキュリティシステム、照明システム、火事警報システム、建物機能又はデバイスを管理することができる任意の他のシステム、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0021】
建物10にサービスを提供するBMSはHVACシステム100を含む。HVACシステム100は、建物10への暖房、冷房、換気又は他のサービスを提供するように構成された多数のHVACデバイス(例えば、加熱機、冷凍機、空気処理ユニット、ポンプ、ファン、熱エネルギー貯蔵など)を含み得る。例えば、HVACシステム100は、水供給側システム120及び空気供給側システム130を含むように示されている。水供給側システム120は、空気供給側システム130の空気処理ユニットに加熱又は冷却流体を提供することができる。空気供給側システム130は、加熱又は冷却流体を使用して、建物10に提供される気流を加熱又は冷却することができる。HVACシステム100で使用することができる例示的な水供給側システム及び空気供給側システムの例は、
図2〜3を参照してさらに詳細に説明する。
【0022】
HVACシステム100は、冷凍機102、ボイラ104及び屋上空気処理ユニット(AHU)106を含むように示されている。水供給側システム120は、ボイラ104及び冷凍機102を使用して動作流体(例えば、水、グリコールなど)を加熱又は冷却することができ、動作流体をAHU 106まで循環させることができる。様々な実施形態では、水供給側システム120のHVACデバイスは、建物10内又は建物10の周りに位置することも(
図1に示されるように)、中央プラントなどの現場を離れた場所に位置することも(例えば、冷却プラント、蒸気プラント、熱プラントなど)可能である。動作流体は、建物10において暖房が必要か又は冷房が必要かに応じて、ボイラ104で加熱することも、冷凍機102で冷却することもできる。ボイラ104は、可燃性物質(例えば、天然ガス)を燃やすことによって又は電熱要素を使用することによって循環流体に熱を加えることができる。冷凍機102は、循環流体から熱を吸収するために、循環流体と熱交換器(例えば、蒸発器)内の別の流体(例えば、冷媒)とを熱交換関係に置くことができる。冷凍機102及び/又はボイラ104からの動作流体は、配管108を介してAHU 106に輸送することができる。
【0023】
AHU 106は、動作流体とAHU 106中を流れる気流とを熱交換関係に置くことができる(例えば、冷却コイル及び/又は加熱コイルの1つ以上の段を介して)。気流は、例えば、外気、建物10内からの還気又は両方の組合せであり得る。AHU 106は、気流に対する加熱又は冷却を提供するために、気流と動作流体との間で熱を伝達することができる。例えば、AHU 106は、動作流体を含む熱交換器上又は熱交換器中で気流を通過させるように構成された1つ以上のファン又はブロワを含み得る。次いで、動作流体は、配管110を介して、冷凍機102又はボイラ104に戻ることができる。
【0024】
空気供給側システム130は、給気ダクト112を介して、AHU 106によって供給された気流(すなわち、給気流)を建物10に送ることができ、還気ダクト114を介して、建物10からAHU 106に還気を提供することができる。いくつかの実施形態では、空気供給側システム130は、複数の可変空気量(VAV)ユニット116を含む。例えば、空気供給側システム130は、建物10の各階又はゾーンに別個のVAVユニット116を含むように示されている。VAVユニット116は、建物10の個々のゾーンに提供される給気流の量を制御するように動作することができるダンパ又は他のフロー制御要素を含み得る。他の実施形態では、空気供給側システム130は、中間VAVユニット116又は他のフロー制御要素を使用することなく、給気流を建物10の1つ以上のゾーンに送る(例えば、供給ダクト112を介して)。AHU 106は、給気流の属性を測定するように構成された様々なセンサ(例えば、温度センサ、圧力センサなど)を含み得る。AHU 106は、建物ゾーンのセットポイント条件を達成するために、AHU 106内及び/又は建物ゾーン内に位置するセンサから入力を受信し、AHU 106中の給気流の流速、温度又は他の属性を調整することができる。
【0026】
次に
図2を参照すると、水供給側システム200のブロック図がいくつかの実施形態に従って示される。様々な実施形態では、水供給側システム200は、HVACシステム100内の水供給側システム120を補完又は置換することができ、又はHVACシステム100から離れるように実装することができる。HVACシステム100内に実装されるとき、水供給側システム200は、HVACシステム100内のHVACデバイスのサブセット(例えばボイラ104、冷凍機102、ポンプ、バルブなど)を含み得、加熱又は冷却された流体をAHU 106へ供給するように動作し得る。水供給側システム200のHVACデバイスは、建物10内に(例えば水供給側システム120の部品として)又は中央プラントなどの現場を離れた場所に位置し得る。
【0027】
図2において、水供給側システム200は、多数のサブプラント202〜212を有する中央プラントとして示されている。サブプラント202〜212は、加熱機サブプラント202、熱回収冷凍機サブプラント204、冷凍機サブプラント206、冷却塔サブプラント208、温熱エネルギー貯蔵(TES)サブプラント210及び冷熱エネルギー貯蔵(TES)サブプラント212を含むように示されている。サブプラント202〜212は、建物又はキャンパスの熱エネルギー負荷(例えば、湯水、冷水、加熱、冷却など)を提供するために、公益事業から資源(例えば、水、天然ガス、電気など)を消費する。例えば、加熱機サブプラント202は、加熱機サブプラント202と建物10との間で温水を循環させる温水ループ214において水を加熱するように構成することができる。冷凍機サブプラント206は、冷凍機サブプラント206と建物10との間で冷水を循環させる冷水ループ216において水を冷却するように構成することができる。熱回収冷凍機サブプラント204は、温水の追加の加熱及び冷水の追加の冷却を提供するために、冷水ループ216から温水ループ214に熱を伝達するように構成することができる。復水器水ループ218は、冷凍機サブプラント206の冷水から吸熱し、冷却塔サブプラント208の吸熱を排熱するか又は吸熱を温水ループ214に伝達することができる。温熱TESサブプラント210及び冷熱TESサブプラント212は、後の使用のために、温熱及び冷熱エネルギーをそれぞれ貯蔵することができる。
【0028】
温水ループ214及び冷水ループ216は、建物10の屋上に位置するエアハンドラーに(例えば、AHU 106)又は建物10の個々の階若しくはゾーンに(例えば、VAVユニット116)加熱及び/又は冷却水を送ることができる。エアハンドラーは、空気の加熱又は冷却を提供するために水が流れる熱交換器(例えば、加熱コイル又は冷却コイル)を通り過ぎる形で空気を押し進める。加熱又は冷却された空気は、建物10の熱エネルギー負荷を供給するために、建物10の個々のゾーンに送ることができる。次いで、水は、さらなる加熱又は冷却を受けるためにサブプラント202〜212に戻る。
【0029】
サブプラント202〜212は建物への循環のために水を加熱及び冷却するものとして示され、説明されているが、熱エネルギー負荷を供給するために、水の代わりに又は水に加えて、他のいかなるタイプの動作流体(例えば、グリコール、CO2など)も使用できることが理解されよう。他の実施形態では、サブプラント202〜212は、中間熱伝達流体を必要とすることなく、建物又はキャンパスに加熱及び/又は冷却を直接提供することができる。水供給側システム200のこれらの又は他の変形形態は、本開示の教示の範囲内である。
【0030】
サブプラント202〜212の各々は、サブプラントの機能を促進するように構成された様々な機器を含み得る。例えば、加熱機サブプラント202は、温水ループ214において温水に熱を加えるように構成された多数の加熱要素220(例えば、ボイラ、電気加熱機など)を含むように示されている。また、加熱機サブプラント202は、いくつかのポンプ222、224を含むようにも示されており、いくつかのポンプ222、224は、温水ループ214において温水を循環させ、個々の加熱要素220中を流れる温水の流速を制御するように構成される。冷凍機サブプラント206は、冷水ループ216において冷水から熱を除去するように構成された多数の冷凍機232を含むように示されている。また、冷凍機サブプラント206は、いくつかのポンプ234、236を含むようにも示されており、いくつかのポンプ234、236は、冷水ループ216において冷水を循環させ、個々の冷凍機232中を流れる冷水の流速を制御するように構成される。
【0031】
熱回収冷凍機サブプラント204は、冷水ループ216から温水ループ214に熱を伝達するように構成された多数の熱回収熱交換器226(例えば、冷蔵回路)を含むように示されている。また、熱回収冷凍機サブプラント204は、いくつかのポンプ228、230を含むようにも示されており、いくつかのポンプ228、230は、熱回収熱交換器226を通じて温水及び/又は冷水を循環させ、個々の熱回収熱交換器226中を流れる水の流速を制御するように構成される。冷却塔サブプラント208は、復水器水ループ218において復水器水から熱を除去するように構成された多数の冷却塔238を含むように示されている。また、冷却塔サブプラント208は、いくつかのポンプ240を含むようにも示されており、いくつかのポンプ240は、復水器水ループ218において復水器水を循環させ、個々の冷却塔238中を流れる復水器水の流速を制御するように構成される。
【0032】
温熱TESサブプラント210は、後の使用のために温水を貯蔵するように構成された温熱TESタンク242を含むように示されている。また、温熱TESサブプラント210は、温熱TESタンク242への又は温熱TESタンク242からの温水の流速を制御するように構成された1つ以上のポンプ又はバルブも含み得る。冷熱TESサブプラント212は、後の使用のために冷水を貯蔵するように構成された冷熱TESタンク244を含むように示されている。また、冷熱TESサブプラント212は、冷熱TESタンク244への又は冷熱TESタンク244からの冷水の流速を制御するように構成された1つ以上のポンプ又はバルブも含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、水供給側システム200のポンプ(例えば、ポンプ222、224、228、230、234、236及び/又は240)又は水供給側システム200のパイプラインの1つ以上は、それらのポンプ又はパイプラインと関連付けられた遮断バルブを含む。遮断バルブは、水供給側システム200の流体の流れを制御するために、ポンプと統合することも、ポンプの上流又は下流に配置することもできる。様々な実施形態では、水供給側システム200は、水供給側システム200の特定の構成及び水供給側システム200によって供給される負荷のタイプに基づいて、より多くの、より少ない又は異なるタイプのデバイス及び/又はサブプラントを含み得る。
【0035】
次に
図3を参照すると、空気供給側システム300のブロック図がいくつかの実施形態に従って示される。様々な実施形態では、空気供給側システム300は、HVACシステム100内の空気供給側システム130を補完又は置換し得る、又はHVACシステム100から離れて実装され得る。HVACシステム100内に実装される際、空気供給側システム300は、HVACシステム100内のHVACデバイスのサブセット(例えばAHU106、VAVユニット116、ダクト112−114、ファン、ダンパなど)を含み得、建物10内又はその周囲に位置し得る。空気供給側システム300は、水供給側システム200により供給される加熱又は冷却された流体を使用することにより、建物10へ供給される気流を加熱又は冷却するように動作し得る。
【0036】
図3において、空気供給側システム300は、エコノマイザタイプの空気処理ユニット(AHU)302を含むように示されている。エコノマイザタイプのAHUは、加熱又は冷却のために空気処理ユニットによって使用される外気及び還気の量を変動させる。例えば、AHU 302は、還気ダクト308を介して建物ゾーン306から還気304を受け取り、給気ダクト312を介して給気310を建物ゾーン306に送ることができる。いくつかの実施形態では、AHU 302は、建物10の屋根に位置する屋上ユニットでも(例えば、
図1に示されるAHU 106)、還気304と外気314の両方を受け取るように別の方法で配置することも可能である。AHU 302は、組み合わせて給気310を形成する外気314及び還気304の量を制御するように排気ダンパ316、混合ダンパ318及び外気ダンパ320を操作するように構成することができる。混合ダンパ318を通過しないいかなる還気304も、排気322として排気ダンパ316を通じてAHU 302から排気することができる。
【0037】
ダンパ316〜320の各々は、アクチュエータによって操作することができる。例えば、排気ダンパ316は、アクチュエータ324によって操作することができ、混合ダンパ318は、アクチュエータ326によって操作することができ、外気ダンパ320は、アクチュエータ328によって操作することができる。アクチュエータ324〜328は、通信リンク332を介してAHUコントローラ330と通信することができる。アクチュエータ324〜328は、AHUコントローラ330から制御信号を受信し、AHUコントローラ330にフィードバック信号を提供することができる。フィードバック信号は、例えば、現在のアクチュエータ若しくはダンパ位置の表示、アクチュエータによって与えられるトルク若しくは力の量、診断情報(例えば、アクチュエータ324〜328によって実行された診断テストの結果)、ステータス情報、試運転情報、構成設定、較正データ、及び/又は、アクチュエータ324〜328によって収集、格納若しくは使用することができる他のタイプの情報若しくはデータを含み得る。AHUコントローラ330は、1つ以上の制御アルゴリズム(例えば、状態ベースアルゴリズム、極値探索制御(ESC)アルゴリズム、比例・積分(PI)制御アルゴリズム、比例・積分・微分(PID)制御アルゴリズム、モデル予測制御(MPC)アルゴリズム、フィードバック制御アルゴリズムなど)を使用してアクチュエータ324〜328を制御するように構成されたエコノマイザコントローラであり得る。
【0038】
依然として
図3を参照すると、AHU 302は、給気ダクト312内に配置された冷却コイル334、加熱コイル336及びファン338を含むように示される。ファン338は、給気310に強制的に冷却コイル334及び/又は加熱コイル336を通過させ、建物ゾーン306に給気310を提供するように構成することができる。AHUコントローラ330は、給気310の流速を制御するために、通信リンク340を介してファン338と通信することができる。いくつかの実施形態では、AHUコントローラ330は、ファン338の速度を変調することによって、給気310に適用される加熱又は冷却の量を制御する。
【0039】
冷却コイル334は、配管342を介して水供給側システム200から(例えば、冷水ループ216から)冷却流体を受け取り、配管344を介して水供給側システム200に冷却流体を戻すことができる。バルブ346は、冷却コイル334中を流れる冷却流体の流速を制御するために、配管342又は配管344に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、冷却コイル334は、給気310に適用される冷却の量を変調するために独立して起動及び解除を行うことができる(例えば、AHUコントローラ330によって、BMSコントローラ366によってなど)冷却コイルの複数の段を含む。
【0040】
加熱コイル336は、配管348を介して水供給側システム200から(例えば、温水ループ214から)加熱流体を受け取り、配管350を介して水供給側システム200に加熱流体を戻すことができる。バルブ352は、加熱コイル336中を流れる加熱流体の流速を制御するために、配管348又は配管350に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、加熱コイル336は、給気310に適用される加熱の量を変調するために独立して起動及び解除を行うことができる(例えば、AHUコントローラ330によって、BMSコントローラ366によってなど)加熱コイルの複数の段を含む。
【0041】
バルブ346及び352の各々は、アクチュエータによって制御することができる。例えば、バルブ346は、アクチュエータ354によって制御することができ、バルブ352は、アクチュエータ356によって制御することができる。アクチュエータ354〜356は、通信リンク358〜360を介してAHUコントローラ330と通信することができる。アクチュエータ354〜356は、AHUコントローラ330から制御信号を受け取り、コントローラ330にフィードバック信号を提供することができる。いくつかの実施形態では、AHUコントローラ330は、給気ダクト312(例えば、冷却コイル334及び/又は加熱コイル336の下流)に配置された温度センサ362から給気温度の測定値を受信する。また、AHUコントローラ330は、建物ゾーン306に配置された温度センサ364から建物ゾーン306の温度の測定値を受信することもできる。
【0042】
いくつかの実施形態では、AHUコントローラ330は、給気310に提供される加熱又は冷却の量を変調するために(例えば、給気310のセットポイント温度を達成するか又は給気310の温度をセットポイント温度範囲内に維持するために)、アクチュエータ354〜356を介してバルブ346、352を操作する。バルブ346、352の位置は、冷却コイル334又は加熱コイル336によって給気310に提供される加熱又は冷却の量に影響を及ぼし、所望の給気温度を達成するために消費されるエネルギーの量と相関し得る。AHU330は、コイル334〜336を起動若しくは解除することによって、ファン338の速度を調整することによって、又は、両方の組合せによって、給気310及び/又は建物ゾーン306の温度を制御することができる。
【0043】
依然として
図3を参照すると、空気供給側システム300は、建物管理システム(BMS)コントローラ366及びクライアントデバイス368を含むように示されている。BMSコントローラ366は、空気供給側システム300、水供給側システム200、HVACシステム100、及び/又は建物10に資源供給する他の制御可能システム用のシステムレベルコントローラ、アプリケーション又はデータサーバ、ヘッドノードあるいはマスタコントローラとして機能する1つ以上のコンピュータシステム(例えば、サーバ、監視コントローラ、サブシステムコントローラなど)を含み得る。BMSコントローラ366は、同様の又は異種のプロトコル(例えば、LON、BACnetなど)に従って、通信リンク370を介して、複数の下流建物システム又はサブシステム(例えば、HVACシステム100、セキュリティシステム、照明システム、水供給側システム200など)と通信することができる。様々な実施形態では、AHUコントローラ330及びBMSコントローラ366は、分離することも(
図3に示されるように)、統合することもできる。統合された実装形態では、AHUコントローラ330は、BMSコントローラ366のプロセッサによって実行するように構成されたソフトウェアモジュールであり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、AHUコントローラ330は、BMSコントローラ366から情報(例えば、コマンド、セットポイント、動作境界など)を受信し、BMSコントローラ366に情報(例えば、温度測定値、バルブ又はアクチュエータ位置、動作ステータス、診断など)を提供する。例えば、AHUコントローラ330は、温度センサ362〜364からの温度測定値、機器オン/オフ状態、機器動作能力、及び/又は、建物ゾーン306内の可変状態若しくは条件のモニタ及び制御を行うためにBMSコントローラ366によって使用することができる他の任意の情報をBMSコントローラ366に提供することができる。
【0045】
クライアントデバイス368は、HVACシステム100、そのサブシステム、及び/又はデバイスを制御、閲覧又は別の方法で相互作用するための1つ以上のヒューマンマシンインタフェース又はクライアントインタフェース(例えば、グラフィカルユーザインタフェース、報告用のインタフェース、テキストベースのコンピュータインタフェース、顧客に直接対応するウェブサービス、ウェブクライアントにページを提供するウェブサーバなど)を含み得る。クライアントデバイス368は、コンピュータワークステーション、クライアント端末、リモート若しくはローカルインタフェース、又は、他の任意のタイプのユーザインタフェースデバイスであり得る。クライアントデバイス368は、据置型端末でも、モバイルデバイスでもよい。例えば、クライアントデバイス368は、デスクトップコンピュータ、ユーザインタフェースを有するコンピュータサーバ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、PDA、又は、他の任意のタイプのモバイル若しくは非モバイルデバイスであり得る。クライアントデバイス368は、通信リンク372を介して、BMSコントローラ366及び/又はAHUコントローラ330と通信することができる。
【0047】
ここで
図4を参照すると、いくつかの実施形態による、建物管理システム(BMS)400のブロック図が示されている。BMS 400は、様々な建物機能の自動的なモニタ及び制御を行うために建物10において実装することができる。BMS 400は、BMSコントローラ366及び多数の建物サブシステム428を含むように示されている。建物サブシステム428は、建物電気サブシステム434、情報通信技術(ICT)サブシステム436、セキュリティサブシステム438、HVACサブシステム440、照明サブシステム442、エレベータ/エスカレータサブシステム432及び火災安全サブシステム430を含むように示されている。様々な実施形態では、建物サブシステム428は、より少ない、追加の又は代替のサブシステムを含み得る。例えば、建物サブシステム428は、冷蔵サブシステム、広告若しくは看板サブシステム、調理サブシステム、自動販売サブシステム、プリンタ若しくはコピーサービスサブシステム、又は、建物10のモニタ及び制御を行うために制御可能な機器及び/又はセンサを使用する他の任意のタイプの建物サブシステムを同様に含むことも、それらを代替として含むこともできる。いくつかの実施形態では、建物サブシステム428は、
図2〜3を参照して説明されるような、水供給側システム200及び/又は空気供給側システム300を含む。
【0048】
建物サブシステム428の各々は、その個々の機能及び制御活動を完了するためのいかなる数のデバイス、コントローラ及び接続も含み得る。HVACサブシステム440は、
図1〜3を参照して説明されるような、HVACシステム100と同じコンポーネントの多くを含み得る。例えば、HVACサブシステム440は、冷凍機、ボイラ、任意の数の空気処理ユニット、エコノマイザ、フィールドコントローラ、監視コントローラ、アクチュエータ、温度センサ、及び、建物10内の温度、湿度、気流又は他の可変条件を制御するための他のデバイスを含み得る。照明サブシステム442は、任意の数の照明器具、バラスト、照明センサ、調光器、又は、建物空間に提供される光の量を制御可能に調整するように構成された他のデバイスを含み得る。セキュリティサブシステム438は、占有センサ、映像監視カメラ、デジタル映像レコーダ、映像処理サーバ、侵入検出デバイス、アクセス制御デバイス及びサーバ又は他のセキュリティ関連デバイスを含み得る。
【0049】
依然として
図4を参照すると、BMSコントローラ366は、通信インタフェース407及びBMSインタフェース409を含むように示されている。インタフェース407は、BMSコントローラ366及び/又はサブシステム428のユーザ制御、モニタリング及び調整を可能にするために、BMSコントローラ366と外部のアプリケーション(例えば、モニタリング及び報告アプリケーション422、企業制御アプリケーション426、リモートシステム及びアプリケーション444、クライアントデバイス448上に存在するアプリケーションなど)との間の通信を容易にすることができる。また、インタフェース407は、BMSコントローラ366とクライアントデバイス448との間の通信を容易にすることもできる。BMSインタフェース409は、BMSコントローラ366と建物サブシステム428(例えば、HVAC、照明セキュリティ、エレベータ、配電、ビジネスなど)との間の通信を容易にすることができる。
【0050】
インタフェース407、409は、建物サブシステム428又は他の外部のシステム若しくはデバイスとのデータ通信を実施するための有線又は無線通信インタフェース(例えば、ジャック、アンテナ、送信機、受信機、トランシーバ、ワイヤ端子など)であることも、それらを含むことも可能である。様々な実施形態では、インタフェース407、409を介する通信は、直接的であることも(例えば、ローカル有線又は無線通信)、通信ネットワーク446を介することも(例えば、WAN、インターネット、セルラネットワークなど)可能である。例えば、インタフェース407、409は、イーサネット(登録商標)ベース通信リンク又はネットワークを介してデータを送信及び受信するためのイーサネットカード及びポートを含み得る。別の例では、インタフェース407、409は、無線通信ネットワークを介して通信するためのWi−Fiトランシーバを含み得る。別の例では、インタフェース407、409の一方又は両方は、セルラフォン又は携帯電話通信トランシーバを含み得る。一実施形態では、通信インタフェース407は送電線通信インタフェースであり、BMSインタフェース409はイーサネットインタフェースである。他の実施形態では、通信インタフェース407及びBMSインタフェース409は両方とも、別個のイーサネットインタフェースであるか又は同じイーサネットインタフェースである。
【0051】
依然として
図4を参照すると、BMSコントローラ366は、処理回路404を含むように示されており、処理回路404は、プロセッサ406及びメモリ408を含む。処理回路404は、処理回路404及びその様々なコンポーネントがインタフェース407、409を介してデータの送信及び受信を行えるように、BMSインタフェース409及び/又は通信インタフェース407に通信可能に接続することができる。プロセッサ406は、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理コンポーネントのグループ、又は、他の適切な電子処理コンポーネントとして実装することができる。
【0052】
メモリ408(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶装置など)は、本出願で説明される様々なプロセス、層及びモジュールを完了及び/又は促進するためのデータ及び/又はコンピュータコードを格納するための1つ以上のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置など)を含み得る。メモリ408は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであることも、それらを含むことも可能である。メモリ408は、データベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、又は、他の任意のタイプの様々な活動をサポートするための情報構造及び本出願で説明される情報構造を含み得る。いくつかの実施形態によれば、メモリ408は、処理回路404を介してプロセッサ406に通信可能に接続することができ、本明細書で説明される1つ以上のプロセスを実行する(例えば、処理回路404及び/又はプロセッサ406によって)ためのコンピュータコードを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、BMSコントローラ366は、単一のコンピュータ(例えば、1つのサーバ、1つのハウジングなど)内で実装される。様々な他の実施形態では、BMSコントローラ366は、複数のサーバ又はコンピュータ(例えば、分散した場所に存在することができる)にわたって分散させることができる。さらに、
図4はBMSコントローラ366の外部に存在するものとしてアプリケーション422、426を示しているが、いくつかの実施形態では、アプリケーション422、426は、BMSコントローラ366内(例えば、メモリ408内)でホストすることができる。
【0054】
依然として
図4を参照すると、メモリ408は、企業統合層410、自動化測定及び検定(AM&V)層412、需要応答(DR)層414、欠陥検出及び診断(FDD)層416、統合制御層418及び建物サブシステム統合層420を含むように示されている。層410〜420は、建物サブシステム428及び他のデータ源から入力を受信し、入力に基づいて建物サブシステム428の最適な制御動作を決定し、最適な制御動作に基づいて制御信号を生成し、生成された制御信号を建物サブシステム428に提供するように構成することができる。以下の段落は、BMS 400の層410〜420の各々によって実行される一般機能のいくつかを説明する。
【0055】
企業統合層410は、様々な企業レベルのアプリケーションをサポートするために情報及びサービスをクライアント又はローカルアプリケーションに供給するように構成することができる。例えば、企業制御アプリケーション426は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)又は任意の数の企業レベルビジネスアプリケーション(例えば、会計システム、ユーザ識別システムなど)にサブシステム全体に及ぶ制御を提供するように構成することができる。企業制御アプリケーション426は、BMSコントローラ366を構成するための構成GUIを提供するように同様に構成することも、そのように代替として構成することもできる。さらなる他の実施形態では、企業制御アプリケーション426は、インタフェース407及び/又はBMSインタフェース409で受信された入力に基づいて建物性能(例えば、効率、エネルギー使用、快適性又は安全性)を最適化するために、層410〜420と連動することができる。
【0056】
建物サブシステム統合層420は、BMSコントローラ366と建物サブシステム428との間の通信を管理するように構成することができる。例えば、建物サブシステム統合層420は、建物サブシステム428からセンサデータ及び入力信号を受信し、建物サブシステム428に出力データ及び制御信号を提供することができる。また、建物サブシステム統合層420は、建物サブシステム428間の通信を管理するように構成することもできる。建物サブシステム統合層420は、多数のマルチベンダ/マルチプロトコルシステムにわたって通信(例えば、センサデータ、入力信号、出力信号など)を翻訳する。
【0057】
需要応答層414は、建物10の需要を満たすことに応答して、資源使用量(例えば、電気使用、天然ガス使用、水使用など)及び/又はそのような資源使用量の金銭的費用を最適化するように構成することができる。最適化は、使用時間価格、削減信号、エネルギー利用可能性、又は、ユーティリティプロバイダ、分散型エネルギー生成システム424、エネルギー貯蔵427(例えば、温熱TES 242、冷熱TES 244など)若しくは他の供給源から受信された他のデータに基づき得る。需要応答層414は、BMSコントローラ366の他の層(例えば、建物サブシステム統合層420、統合制御層418など)から入力を受信することができる。他の層から受信される入力は、温度、二酸化炭素レベル、相対湿度レベル、大気質センサ出力、占有センサ出力、部屋スケジュール及び同様のものなどの環境又はセンサ入力を含み得る。また、入力は、電気使用(例えば、kWhで表現される)、熱負荷測定値、価格情報、予想価格、平準化価格、公益事業からの削減信号及び同様のものなどの入力も含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、需要応答層414は、受信したデータ及び信号に応答するための制御論理を含む。これらの応答は、統合制御層418の制御アルゴリズムと通信すること、制御戦略を変更すること、セットポイントを変更すること、又は、制御の下で建物機器若しくはサブシステムを起動/解除することを含み得る。また、需要応答層414は、貯蔵されたエネルギーをいつ利用するかを決定するように構成された制御論理も含み得る。例えば、需要応答層414は、ピーク使用時間が始まる直前に、エネルギー貯蔵427からのエネルギーの使用を開始すると決定することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、需要応答層414は、需要(例えば、価格、削減信号、需要レベルなど)を表す1つ以上の入力に基づいて又は同需要に基づいてエネルギー費用を最小化する制御動作を能動的に開始する(例えば、自動的にセットポイントを変更する)ように構成された制御モジュールを含む。いくつかの実施形態では、需要応答層414は、制御動作の最適なセットを決定するために、機器モデルを使用する。機器モデルは、例えば、建物機器の様々なセットによって実行される入力、出力及び/又は機能を説明する熱力学モデルを含み得る。機器モデルは、建物機器の集合体(例えば、サブプラント、冷凍機アレイなど)又は個々のデバイス(例えば、個々の冷凍機、加熱機、ポンプなど)を表し得る。
【0060】
需要応答層414は、1つ以上の需要応答ポリシ定義(例えば、データベース、XMLファイルなど)をさらに含むことも、それらを活用することも可能である。ポリシ定義は、ユーザのアプリケーション、所望の快適レベル、特定の建物機器に合わせて又は他の関心事に基づいて、需要入力に応答して開始された制御動作を調整できるように、ユーザによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースを介して)編集又は調整することができる。例えば、需要応答ポリシ定義は、特定の需要入力に応答してどの機器をオン又はオフにするか、システム又は機器の部品をどのくらいの時間オフにするべきか、どのようなセットポイントを変更することができるか、許容セットポイント調整範囲はどれほどか、通常のスケジューリングされたセットポイントに戻る前に高需要セットポイントをどのくらいの時間保持するか、能力限界にどれほど近づいているか、どの機器モードを利用するか、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、熱貯蔵タンク、バッテリバンクなど)への及びエネルギー貯蔵デバイスからのエネルギー伝達料金(例えば、最大料金、警報料金、他の料金限界情報など)、現場生成されたエネルギーをいつ送り出すか(例えば、燃料電池、電動発電機セットを介して)を指定することができる。
【0061】
統合制御層418は、制御決定を行うために建物サブシステム統合層420及び/又は需要応答層414のデータ入力又は出力を使用するように構成することができる。建物サブシステム統合層420によって提供されるサブシステム統合により、統合制御層418は、サブシステム428が単一の統合上位体系として挙動するように、サブシステム428の制御活動を統合することができる。いくつかの実施形態では、統合制御層418は、別個のサブシステムが単独で提供できる快適性及びエネルギー節約と比べて、より優れた快適性及びエネルギー節約を提供するために、多数の建物サブシステムからの入力及び出力を使用する制御論理を含む。例えば、統合制御層418は、第2のサブシステムに対するエネルギー節約制御決定を行うために、第1のサブシステムからの入力を使用するように構成することができる。これらの決定の結果は、建物サブシステム統合層420に送り返すことができる。
【0062】
統合制御層418は、論理的には、需要応答層414の下であるように示されている。統合制御層418は、需要応答層414と協力して建物サブシステム428及びそれらのそれぞれの制御ループの制御を可能にすることによって、需要応答層414の有効性を強化するように構成することができる。この構成は、有利には従来のシステムと比べて、破壊的な需要応答挙動を低減することができる。例えば、統合制御層418は、冷却水温度のセットポイントの需要応答駆動上方調整(又は温度に直接若しくは間接的に影響を及ぼす別の成分)が、冷凍機で保存されたものより多くの総建物エネルギー使用をもたらすことになるファンエネルギー(又は空間を冷却するために使用される他のエネルギー)の増加をもたらさないことを保証するように構成することができる。
【0063】
統合制御層418は、需要負荷制限が進行中の間でさえも制約(例えば、温度、照明レベルなど)が適切に維持されることを需要応答層414がチェックするように、需要応答層414にフィードバックを提供するように構成することができる。また、制約は、安全性、機器動作制限及び性能、快適性、消防規則、電気工事規定、エネルギー規定及び同様のものに関連するセットポイント又は検知境界も含み得る。また、統合制御層418は、論理的には、欠陥検出及び診断層416及び自動化測定及び検定層412の下でもある。統合制御層418は、複数の建物サブシステムからの出力に基づいて、これらのより高いレベルに計算済みの入力(例えば、集計)を提供するように構成することができる。
【0064】
自動化測定及び検定(AM&V)層412は、統合制御層418又は需要応答層414によって命令される制御戦略が正しく機能していることを検証するように構成することができる(例えば、AM&V層412、統合制御層418、建物サブシステム統合層420、FDD層416によって集計されたデータを使用して又は別の方法で)。AM&V層412によって行われる計算は、建物システムエネルギーモデル及び/又は個々のBMSデバイス若しくはサブシステムに対する機器モデルに基づき得る。例えば、AM&V層412は、モデルの精度を決定するために、モデル予測出力を建物サブシステム428からの実際の出力と比較することができる。
【0065】
欠陥検出及び診断(FDD)層416は、建物サブシステム428、建物サブシステムデバイス(すなわち、建物機器)、並びに、需要応答層414及び統合制御層418によって使用される制御アルゴリズムに対する進行中の欠陥検出を提供するように構成することができる。FDD層416は、統合制御層418から、1つ以上の建物サブシステム若しくはデバイスから直接、又は、別のデータ源から、データ入力を受信することができる。FDD層416は、検出された欠陥を自動的に診断し、応答することができる。検出又は診断された欠陥への応答は、ユーザ、保守スケジューリングシステム、又は、欠陥の修理を試みるか若しくは欠陥に対処するように構成された制御アルゴリズムに警告メッセージを提供することを含み得る。
【0066】
FDD層416は、建物サブシステム統合層420で利用可能な詳細なサブシステム入力を使用して、欠陥コンポーネントの具体的な識別又は欠陥の原因(例えば、緩んだダンパリンク機構)を出力するように構成することができる。他の例示的な実施形態では、FDD層416は、統合制御層418に「欠陥」事象を提供するように構成され、統合制御層418は、受信された欠陥事象に応答して、制御戦略及びポリシを実行する。いくつかの実施形態によれば、FDD層416(又は、統合制御エンジン若しくはビジネスルールエンジンによって実行されるポリシ)は、エネルギー浪費を低減するため、機器の寿命を延ばすため又は正しい制御応答を保証するために、欠陥デバイス又はシステムの周りのシステム若しくは直接制御活動を停止することができる。
【0067】
FDD層416は、様々な異なるシステムデータストア(又はライブデータ用のデータポイント)に格納するか又はアクセスするように構成することができる。FDD層416は、データストアの何らかのコンテンツを使用して、機器レベル(例えば、特定の冷凍機、特定のAHU、特定の端末ユニットなど)で欠陥を識別することができ、他のコンテンツを使用して、コンポーネント又はサブシステムレベルで欠陥を識別することができる。例えば、建物サブシステム428は、BMS 400及びその様々なコンポーネントの性能を示す時間的な(すなわち、時系列)データを生成することができる。建物サブシステム428によって生成されるデータは、統計特性を呈する測定済みの又は計算済みの値を含み得、対応するシステム又はプロセス(例えば、温度制御プロセス、フロー制御プロセスなど)がそのセットポイントからの誤差の観点からどのように機能しているかについての情報を提供することができる。これらのプロセスは、システムの性能がいつ劣化し始めるかを暴露し、その劣化がより深刻になる前に欠陥を修理するようにユーザに警告するために、FDD層416によって検査することができる。
【0068】
ここで
図5を参照すると、いくつかの実施形態による、別の建物管理システム(BMS)500のブロック図が示されている。BMS 500は、HVACシステム100、水供給側システム200、空気供給側システム300、建物サブシステム428のデバイス、並びに、他のタイプのBMSデバイス(例えば、照明機器、セキュリティ機器など)及び/又はHVAC機器のモニタ及び制御を行うために使用することができる。
【0069】
BMS 500は、自動機器発見及び機器モデル分散を促進するシステムアーキテクチャを提供する。機器発見は、複数の異なる通信バス(例えば、システムバス554、ゾーンバス556〜560、564、センサ/アクチュエータバス566など)にわたって及び複数の異なる通信プロトコルにわたってBMS 500の複数のレベルで起こり得る。いくつかの実施形態では、機器発見は、各通信バスに接続されたデバイスのステータス情報を提供するアクティブノードテーブルを使用して遂行される。例えば、各通信バスは、新しいノードに対して対応するアクティブノードテーブルをモニタすることによって、新しいデバイスに対するモニタを行うことができる。新しいデバイスが検出されると、BMS 500は、ユーザが対話することなく、新しいデバイスとの相互作用を開始することができる(例えば、制御信号を送信する、デバイスからのデータを使用する)。
【0070】
BMS 500のいくつかのデバイスは、機器モデルを使用して、それら自体をネットワークに提示する。機器モデルは、他のシステムとの統合のために使用される機器オブジェクト属性、ビュー定義、スケジュール、傾向及び関連BACnet値オブジェクト(例えば、アナログ値、2進値、多状態値など)を定義する。BMS 500のいくつかのデバイスは、それら自体の機器モデルを格納する。BMS 500の他のデバイスは、外部(例えば、他のデバイス内)に格納された機器モデルを有する。例えば、ゾーンコーディネータ508は、バイパスダンパ528の機器モデルを格納することができる。いくつかの実施形態では、ゾーンコーディネータ508は、バイパスダンパ528又はゾーンバス558の他のデバイスの機器モデルを自動的に作成する。また、他のゾーンコーディネータも、それらのゾーンバスに接続されたデバイスの機器モデルを作成することができる。デバイスの機器モデルは、ゾーンバスのデバイスによって暴露されたデータポイントのタイプ、デバイスタイプ及び/又は他のデバイス属性に基づいて自動的に作成することができる。自動機器発見及び機器モデル分散のいくつかの例は、以下でさらに詳細に論じる。
【0071】
依然として
図5を参照すると、BMS 500は、システムマネージャ502、いくつかのゾーンコーディネータ506、508、510、518及びいくつかのゾーンコントローラ524、530、532、536、548、550を含むように示されている。システムマネージャ502は、データ通信リンク574(例えば、BACnet IP、イーサネット、有線又は無線通信など)を介してクライアントデバイス504(例えば、ユーザデバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルデバイスなど)と通信することができる。システムマネージャ502は、データ通信リンク574を介してクライアントデバイス504にユーザインタフェースを提供することができる。ユーザインタフェースは、ユーザがクライアントデバイス504を介してBMS 500のモニタ及び/又は制御を行えるようにする。
【0072】
いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は、システムバス554を介してゾーンコーディネータ506〜510、518と接続される。システムマネージャ502は、マスタスレーブトークンパッシング(MSTP)プロトコル又は他の任意の通信プロトコルを使用して、システムバス554を介してゾーンコーディネータ506〜510、518と通信するように構成することができる。また、システムバス554は、システムマネージャ502を、定容(CV)屋上ユニット(RTU)512、入力/出力モジュール(IOM)514、サーモスタットコントローラ516(例えば、TEC5000シリーズサーモスタットコントローラ)、及び、ネットワークオートメーションエンジン(NAE)又は第三者コントローラ520などの他のデバイスと接続することもできる。RTU 512は、システムマネージャ502と直接通信するように構成することができ、システムバス554に直接接続することができる。他のRTUは、中間デバイスを介してシステムマネージャ502と通信することができる。例えば、有線入力562は、第三者RTU 542をサーモスタットコントローラ516に接続することができ、サーモスタットコントローラ516は、システムバス554に接続される。
【0073】
システムマネージャ502は、機器モデルを含むいかなるデバイスに対するユーザインタフェースも提供することができる。ゾーンコーディネータ506〜510、518及びサーモスタットコントローラ516などのデバイスは、システムバス554を介してシステムマネージャ502にそれらの機器モデルを提供することができる。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は、機器モデルを含まない接続バイス(例えば、IOM 514、第三者コントローラ520など)の機器モデルを自動的に作成する。例えば、システムマネージャ502は、デバイス木(device tree)要求に応答するいかなるデバイスの機器モデルも作成することができる。システムマネージャ502によって作成された機器モデルは、システムマネージャ502内に格納することができる。次いで、システムマネージャ502は、システムマネージャ502によって作成された機器モデルを使用して、それら自体の機器モデルを含まないデバイスに対するユーザインタフェースを提供することができる。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は、システムバス554を介して接続された機器の各タイプのビュー定義を格納し、格納されたビュー定義を使用して機器に対するユーザインタフェースを生成する。
【0074】
各ゾーンコーディネータ506〜510、518は、ゾーンバス556、558、560、564を介してゾーンコントローラ524、530〜532、536、548〜550のうちの1つ以上と接続することができる。ゾーンコーディネータ506〜510、518は、MSTPプロトコル又は他の任意の通信プロトコルを使用してゾーンバス556〜560、564を介してゾーンコントローラ524、530〜532、536、548〜550と通信することができる。また、ゾーンバス556〜560、564は、ゾーンコーディネータ506〜510、518を、可変空気量(VAV)RTU 522、540、切替バイパス(COBP)RTU 526、552、バイパスダンパ528、546及びPEAKコントローラ534、544などの他のタイプのデバイスと接続することもできる。
【0075】
ゾーンコーディネータ506〜510、518は、様々なゾーニングシステムに対するモニタ及び命令を行うように構成することができる。いくつかの実施形態では、各ゾーンコーディネータ506〜510、518は、別個のゾーニングシステムに対するモニタ及び命令を行い、別個のゾーンバスを介してゾーニングシステムに接続される。例えば、ゾーンコーディネータ506は、ゾーンバス556を介してVAV RTU 522及びゾーンコントローラ524に接続することができる。ゾーンコーディネータ508は、ゾーンバス558を介してCOBP RTU 526、バイパスダンパ528、COBPゾーンコントローラ530及びVAVゾーンコントローラ532に接続することができる。ゾーンコーディネータ510は、ゾーンバス560を介してPEAKコントローラ534及びVAVゾーンコントローラ536に接続することができる。ゾーンコーディネータ518は、ゾーンバス564を介してPEAKコントローラ544、バイパスダンパ546、COBPゾーンコントローラ548及びVAVゾーンコントローラ550に接続することができる。
【0076】
ゾーンコーディネータ506〜510、518の単一のモデルは、複数の異なるタイプのゾーニングシステム(例えば、VAVゾーニングシステム、COBPゾーニングシステムなど)を処理するように構成することができる。各ゾーニングシステムは、RTU、1つ以上のゾーンコントローラ及び/又はバイパスダンパを含み得る。例えば、ゾーンコーディネータ506、510は、VAV RTU 522、540にそれぞれ接続されたVerasys(登録商標)VAVエンジン(VVE)として示されている。ゾーンコーディネータ506は、ゾーンバス556を介してVAV RTU 522に直接接続されるのに対して、ゾーンコーディネータ510は、PEAKコントローラ534に提供された有線入力568を介して第三者VAV RTU 540に接続される。ゾーンコーディネータ508、518は、COBP RTU 526、552にそれぞれ接続されたVerasys COBPエンジン(VCE)として示されている。ゾーンコーディネータ508は、ゾーンバス558を介してCOBP RTU 526に直接接続されるのに対して、ゾーンコーディネータ518は、PEAKコントローラ544に提供された有線入力570を介して第三者COBP RTU 552に接続される。
【0077】
ゾーンコントローラ524、530〜532、536、548〜550は、センサ/アクチュエータ(SA)バスを介して個々のBMSデバイス(例えば、センサ、アクチュエータなど)と通信することができる。例えば、VAVゾーンコントローラ536は、SAバス566を介してネットワーク接続センサ538に接続されるように示されている。ゾーンコントローラ536は、MSTPプロトコル又は他の任意の通信プロトコルを使用してネットワーク接続センサ538と通信することができる。
図5では1つのSAバス566しか示されていないが、各ゾーンコントローラ524、530〜532、536、548〜550は異なるSAバスに接続できることを理解すべきである。各SAバスは、ゾーンコントローラを、様々なセンサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、光センサ、占有センサなど)、アクチュエータ(例えば、ダンパアクチュエータ、バルブアクチュエータなど)及び/又は他のタイプの制御可能な機器(例えば、冷凍機、加熱機、ファン、ポンプなど)と接続することができる。
【0078】
各ゾーンコントローラ524、530〜532、536、548〜550は、異なる建物ゾーンのモニタ及び制御を行うように構成することができる。ゾーンコントローラ524、530〜532、536、548〜550は、それらのSAバスを介して提供された入力及び出力を使用して、様々な建物ゾーンのモニタ及び制御を行うことができる。例えば、ゾーンコントローラ536は、温度制御アルゴリズムにおけるフィードバックとして、SAバス566を介してネットワーク接続センサ538から受信された温度入力(例えば、建物ゾーンの測定温度)を使用することができる。ゾーンコントローラ524、530〜532、536、548〜550は、様々なタイプの制御アルゴリズム(例えば、状態ベースアルゴリズム、極値探索制御(ESC)アルゴリズム、比例・積分(PI)制御アルゴリズム、比例・積分・微分(PID)制御アルゴリズム、モデル予測制御(MPC)アルゴリズム、フィードバック制御アルゴリズムなど)を使用して、建物10内又は建物10の周りの可変状態又は条件(例えば、温度、湿度、気流、照明など)を制御することができる。
【0079】
費用標的最適化を有するシステムマネージャ
【0080】
次に
図6を参照すると、システムマネージャ502をより詳細に示すブロック図が例示的実施形態に従って示される。以下に詳述されるように、システムマネージャ502は、機器600の制御入力を決定するために最大エネルギー費用により制約される一方で居住者快適性を考慮し費用関数を最適化するためにペナルティ項を使用する費用関数を生成するように構成され得る。システムマネージャ502は、ニューラルネットワークを使用して建物の状態の分類を識別し、次にこの分類と最大及び最低温度のプロファイルとを関連付けることによりペナルティ項を決定し得る。システムマネージャ502のこれら及び他の機能が以下に詳細に説明される。
【0081】
システムマネージャ502は機器600及びセンサ618へ通信可能に結合され得る。様々な実施形態によると、機器600は、
図1〜5に示す様々なHVAC機器(例えばHVACシステム100、水供給側システム200、空気供給側システム300及びその部品)、
図13〜14のVRFシステム2100、
図16のVRFシステム2200、
図17の窓空調機2300、
図18の室内空調システム2400、及び/又は
図19のパッケージ化空調機システム2500を含む。機器600は、1つの部屋、複数の部屋、1つの建物、複数の建物などのうちの1つ以上のものの室内気温に影響を与えるように動作可能である。センサ618は、機器600及びシステムマネージャ502の動作を容易にする測定結果を提供する。センサ618は、部屋又は建物の室内気温、室外気温、及び/又は部屋又は建物の湿度を測定し得る。
【0082】
システムマネージャ502は、分類器回路602、プロファイル選択回路604、プロファイルデータベース606、リアルタイムプロファイル更新回路608、費用関数生成器610、費用関数オプティマイザ612、及びグラフィカルユーザインタフェース生成器614を含むように示される。システムマネージャ502はトレーニング回路616と通信可能である。以下にさらに詳細に説明されるように、分類器回路602は、建物の現在状態を類別するために、ニューラルネットワークと、分類器回路602がサービスする機器600及び建物に関するデータとを使用する。分類器回路602は分類をプロファイル選択回路604へ提供し、プロファイル選択回路604は、プロファイルデータベース606内に記憶された参照テーブルを使用することにより、分類と最高温度プロファイル及び最低温度プロファイルとを関連付ける。最高温度プロファイル及び最低温度プロファイルは計画期間(例えば次の24時間の各時間)中の各時間ステップの快適温度の範囲に関する限界を表す。リアルタイムプロファイル更新回路608は、温度設定点又は他のユーザ入力に対するユーザ変更に基づき最高温度プロファイル及び/又は最低温度プロファイルをリアルタイムに更新するように構成される。
【0083】
費用関数生成器610は最高温度プロファイル及び最低温度プロファイルを受信し、これらプロファイルを、費用関数を生成するために使用する。費用関数は、エネルギー消費費用項と、最高温度プロファイル及び最低温度プロファイルにより定義されるペナルティ項とを含む。費用関数は次のように表され得る。
【数1】
式中、NHは期間中の時間ステップの総数であり、Δt
iは各時間ステップの長さであり、P
iは、時間ステップi内に機器600により消費される電力であり、C
iは、時間ステップi中に公益事業会社により請求される単位電力当たりの価格であり、Soft
iはソフトペナルティ関数であり、Hard
iはハードペナルティ関数である。項
【数2】
は、デマンドチャージ(需要電力料金)期間内のj=1〜M間の時間ステップ毎に要求される最大電力に対し公益事業会社により課金される最大需要電力料金を捕捉する。費用関数生成器610はまた、全費用を最大エネルギー消費費用未満として制限するために不等式制約を設定する。いくつかの実施形態では、最大費用制約は上記費用関数全体の合計値に関する限界を設定する。他の実施形態では、最大費用制約はペナルティ項に当てはまらない(すなわち
【数3】
の値は最大費用制約により制限される)。したがって、不等式制約は、期間中に公共料金のユーザの予算が越えないということを保証し得る。
【0084】
費用関数オプティマイザ612は費用関数生成器610から費用関数を受信する。費用関数オプティマイザ612は、計画期間中の最大費用制約を越えることなく費用関数を最小化する計画期間中の温度設定点軌道を決定する。温度設定点軌道は計画期間中の時間ステップ毎の温度設定点を含む。費用関数オプティマイザ612は、計画期間全体にわたる最適化を容易にするために計画期間中の将来温度、価格などを予測するためにモデル予測制御手法を使用し得る。次に、温度設定点軌道は機器600へ提供される。機器600は、温度設定点軌道を追跡するために建物の室内気温に影響を与えるように動作する。
【0085】
いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザインタフェース生成器614は、費用関数オプティマイザ612が直面する最適化問題を視覚化するグラフィカルユーザインタフェースを生成するように、そしてユーザに最大費用制約を定義する最大エネルギー消費費用を入力できるようにするように構成される。このようなグラフィカルユーザインタフェースの例が
図7〜9に示され、それを参照し詳細に説明される。
【0086】
次に
図7〜9を参照すると、費用関数オプティマイザ612により解決される最適化問題を示すグラフ702、グラフ800、グラフ900を示すグラフィカルユーザインタフェース700が例示的実施形態に従って示される。
図7はグラフ702を示し、
図8はグラフ800を示し、
図9はグラフ900を示す。グラフィカルユーザインタフェース700は、グラフィカルユーザインタフェース生成器614により生成され、ユーザのパーソナルコンピュータデバイス(例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ)上、機器600のディスプレイ上、又はいくつかの他のインタフェース上に提示される。
【0087】
図7のグラフ702は、室内気温T
z線703、温度設定点線704、ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソフト制約温度最小線712を示す。バー714は現在時刻を示すので、バー714の右側の線703−712は将来のものであり、バー714の左側の線703−712は履歴データを表す。グラフィカルユーザインタフェース700はまた、計画期間中の最大エネルギー消費費用を設定する標的費用716を示す。標的費用716は、計画期間中の最大エネルギー消費費用を変更するためにユーザにより変更され得る。いくつかの実施形態では、ユーザはまた、ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及び/又はソフト制約温度最小線712を再配置することにより温度制約を変更し得る。
【0088】
ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソフト制約温度最小線712は、費用関数生成器610により生成されるペナルティ関数において使用される閾値を示す。ソフト制約ペナルティ関数Soft
iは、室内気温T
z線703がソフト制約温度最大線708とソフト制約温度最小線712との間であると零であり、室内気温T
z線703がソフト制約温度最大線708を越える又はソフト制約温度最小線712を下回るとソフトペナルティ値である。すなわち、Soft
iは、室内気温T
zが好適温度範囲外であるとソフトペナルティ値を費用関数へ適用する。ソフト制約ペナルティ関数Soft
iの一例は以下の通りである。
【数4】
式中、T
max,soft,iは時間ステップiにおけるソフト制約温度最大線708の値であり、T
min,soft,iは時間ステップiにおけるソフト制約温度最小線712の値であり、T
z,iは時間ステップiにおける室内気温線703の値であり、w
softはソフトペナルティへ適用されるペナルティ重み付けである。
【0089】
ハード制約ペナルティ関数Hard
iは、室内気温T
z線703がハード制約温度最大線706とハード制約温度最小線710との間にあると零であり、室内気温T
z線703がハード制約温度最大線706を越える又はハード制約温度最小線710を下回ると、ハードペナルティ値を有する。すなわち、Hard
iは、室内気温T
zが快適温度範囲外である(すなわち、室内空気は不快な程度に寒い又は暑い)とハードペナルティ値を費用関数へ適用する。ハードペナルティ値は実質的にソフトペナルティ値より大きい(例えば、10倍大きい、100倍大きい、1000倍大きい)。ハード制約ペナルティ関数Hard
iの一例は以下の通りである。
【数5】
式中、T
max,hard,iは時間ステップiにおけるハード制約温度最大線706の値であり、T
min,hard,iは時間ステップiにおけるハード制約温度最小線710の値であり、T
z,iは時間ステップiにおける室内気温線703の値であり、w
hardはハードペナルティへ適用されるペナルティ重み付け(w
hard>w
soft)である。
【0090】
これにより、ソフト制約ペナルティ関数Soft
i及びハード制約ペナルティ関数Hard
iは居住者快適性を費用関数に取り込む。さらに、Soft
i及びHard
iは最適化問題に対する不等式制約よりむしろペナルティ関数として実施されるので、最適化問題に対する解決策は、エネルギー消費費用節約とのトレードオフが十分に大きい場合に室内気温T
zが不快温度までドリフトする(すなわち、ソフト又はハード制約を越える)ことを可能にする工程を含み得る。別の言い方をすれば、ソフト制約ペナルティ関数Soft
i及びハード制約ペナルティ関数Hard
iは居住者快適性を定量化する費用関数に含まれる。したがって、費用関数を最適化することは居住者快適性を最適化する工程を含む。
【0091】
図8のグラフ800はまた、室内気温T
z線703、温度設定点線704、ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソフト制約温度最小線712を示す。グラフ800は、ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソフト制約温度最小線712が時間の経過と共に変わり得るということを示すために含まれる。以下に詳述されるように、ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソフト制約温度最小線712は、分類器回路602により決定された分類に基づきプロファイル選択回路604により選択される最高温度プロファイル及び最低温度プロファイルに基づき決定される。
【0092】
図9のグラフ900は電力線902及び価格線904を示す。電力線902は、過去動作電力と予測動作電力との両方を含む機器600の動作電力を時間の経過と共に示す。価格線904は、機器600により消費される電力の価格(例えば機器600の電力を供給する公益事業会社により設定される)を示す。グラフ900は、エネルギー価格が時間の経過と共に変わり得るということと、費用関数オプティマイザ612が計画期間中の温度設定点軌道を決定する際に時間の経過に伴うエネルギー価格の変化を考慮し得るということとを示す。例えば、費用関数オプティマイザ612は費用関数を最適化する際に使用される将来エネルギー価格を予測し得る。
【0093】
次に
図10を参照すると、システムマネージャ502の分類器回路602及びプロファイル選択回路604の詳細な図が例示的実施形態に従って示される。
【0094】
分類器回路602は様々な入力を受信し、建物の現在分類を出力する。入力は、期間中の複数時間ステップの建物外の気温を提供する室外気温(T
oa)プロファイルを含み得る。T
oaプロファイルは、記録された測定、気象予報、又はそれらのいくつかの組合せに基づき得る。入力はまた、期間中の複数時間ステップの部屋/建物の湿度を提供する部屋湿度又は相対湿度(RH:relative humidity)プロファイルを含み得る。RHプロファイルは、記録された測定、湿度予測、又はいくつかのそれらの組合せに基づき得る。分類器回路602はまた、冷却負荷(C
load)プロファイル及び加熱負荷(H
load)プロファイルを受信する。冷却負荷プロファイル及び加熱負荷プロファイルは、期間中の時間ステップ毎の冷却及び加熱要求のレベルを捕捉する。分類器回路602はまた、建物の削減モードだけでなく機器600及び/又は建物の日付、時刻、及び場所も取り込む。
【0095】
分類器回路602はそれらの入力を処理し、建物及び機器600の現在分類を決定する。現在分類は一組の可能な分類から選択される。様々な実施形態では、多くの分類システムが可能である。示された実施形態では、一組の可能な分類は
図11の表1100により示される。表1100は、外気温度T
oa、部屋湿度RH、冷熱負荷、温熱負荷、季節、及び削減を含む6つのカテゴリを含む。6つのカテゴリのそれぞれは5つの関連状態を有する。現在分類を選び出すために、1つの状態が6つのカテゴリのそれぞれから選択される。したがって、表1100は5
6=15625の可能な分類を含む一組の可能な分類を示す。
【0096】
入力と分類とを関連付けるために、分類器回路602はニューラルネットワーク(例えば畳み込みニューラルネットワーク)を利用する。ニューラルネットワークは、関連性を決定する規則の明示的ステートメントを要求すること無しに入力と出力とを関連付けるプログラムを生成するべく、ニューロンをモデル化する人工的インテリジェントソフトウェアプログラムである。畳み込みニューラルネットワークは、層で編成されており、複数の隠れ層を介してデータを入力層から出力層へと渡す。畳み込みニューラルネットワークは、データを処理し出力を生成するときに、学習された重みを使用する。ここで、学習された重みは、
図12を参照して以下に詳述されるようにトレーニング回路616により生成される。
【0097】
したがって、分類器回路602は、建物及び/又は機器600に関係する入力を受信し、次に現在分類を決定するために畳み込みニューラルネットワークにおいて学習された重みを使用する。次に、分類器回路602は現在分類をプロファイル選択回路604へ提供する。
【0098】
プロファイル選択回路604は現在分類とT
maxプロファイル及びT
minプロファイルとを関連付ける。プロファイル選択回路604は、各可能入力とT
maxプロファイルとT
minプロファイルとの間の関連性の参照テーブルへアクセスするためにプロファイルデータベース606と通信し得る。次に、プロファイル選択回路604は、参照テーブル上で現在分類を見出し、対応するT
max及びT
minプロファイルを識別し得る。各T
maxプロファイルは計画期間全体にわたる時間ステップ毎(例えば24時間中の各時間)の内部気温に対する上側制約を定義し、一方、各T
minプロファイルは計画期間全体にわたる時間ステップ毎の外気温度に対する下側制約を定義する。いくつかの実施形態では、T
max及びT
minプロファイルは、上に論述されたペナルティ関数Soft
i及びHard
iに対応する時間ステップ毎のハード制約とソフト制約との両方を定義する。すなわち、このような実施形態では、T
maxプロファイルは
図7及び
図8のソフト制約温度最大線708及びハード制約温度最大線706を定義し、一方、T
minプロファイルは
図7及び
図8のソフト制約温度最小線712及びハード制約温度最大線714を定義する。他の実施形態では、ハード及びソフト制約は他のいくつかのやり方で(例えばソフト制約としてT
maxプロファイルを使用し、次にハード制約を決定するために一定量を加えることにより)T
max及びT
minのプロファイルから導出される。
【0099】
併せて、
図10に示すように、分類器回路602及びプロファイル選択回路604は建物及び/又は機器に関係する様々な入力を受信し、この入力に基づき最適化問題の温度制約を決定する。
【0100】
次に
図12を参照すると、トレーニング回路616が例示的実施形態に従って示される。トレーニング回路616は、分類器回路602のニューラルネットワークに使用される学習された重みを決定する。トレーニング回路616は、オフラインで(すなわち、システムマネージャ502の動作制御ループの外で)実行され、システムマネージャ502の生成及びインストール中に主として使用され得る。学習された重みは、システムマネージャ502のリアルタイム動作より先に決定され得、これにより類別処理が実質的に効率的となる。
【0101】
トレーニング回路616は教師付き学習(supervised learning)、モデル駆動型教師無し学習(model−driven unsupervised learning)又はいくつかの他の手法を使用し得る。教師付き学習では、トレーニング回路616は、分類器回路602と同じカテゴリの入力データ(T
oaプロファイル、RHプロファイル、C
loadプロファイル、H
loadプロファイル、日付、時刻、場所、削減モード)を受信し、現在分類をユーザ(すなわち人)から受信し、入力とユーザが決定した現在分類との間の関連性に基づきニューラルネットワークの重み付けを学習する。入力と出力との大きなデータセットをこのようにして受信することにより、トレーニング回路616は、トレーニング回路616が一組の学習された重みを自動的に決定できるようにするデータを提供される。この一組の学習された重みは、それらの同じ関連性を自動的に作製するようにニューラルネットワークを調節する。教師付き学習は、建物及び/又は機器600からの実データにより行われ得る、又は模擬入力を使用して適用され、それらの模擬入力に基づく分類のユーザ決定を促す。
【0102】
モデル駆動型教師無し学習手法では、建物及び機器600のモデルは、現在分類を決定するために使用される(教師付き学習手法のようにユーザ提供現在分類を有するのとは対照的に)。出力は、同じ入力に基づき正確な分類を提供することができるがオンライン制御に使用するにはコンピュータ的に余りに高価であり得る事前プログラム可能モデリング技術により予測される。したがって、モデルは、トレーニング回路616により受信されるデータを生成するために使用され、そしてニューラルネットワークをトレーニングする(すなわち学習された重みを決定する)ために使用される。分類器回路602の畳み込みニューラルネットワークは、教師無し学習のデータを生成するために使用される非AIモデリング手法より実質的により効率的(すなわち、より高速、より少ない計算資源を必要するなど)である。
【0103】
様々な他の実施形態では、ニューラルネットワークをトレーニングする他の今知られ又は将来開発される手法もまた、分類器回路602により使用される学習された重みを提供するためにトレーニング回路616により使用され得る。
【0104】
次に
図13を参照すると、システムマネージャ502のリアルタイムプロファイル更新回路608が例示的実施形態に従って示される。リアルタイムプロファイル更新回路608は、温度設定点を変更するためにユーザ入力に基づき現在分類、T
maxプロファイル、及び/又はT
minプロファイルを更新するように構成される。
【0105】
機器へ提供される温度設定点は、システムマネージャ502により(例えば費用関数オプティマイザ612により)決定され得、そしてまたユーザにより変更され得る(例えばグラフィカルユーザインタフェース生成器614により生成されるグラフィカルユーザインタフェースを介し)。ユーザが温度設定点を変更すると、温度設定点T
spの変更がリアルタイムプロファイル更新回路608へ提供される。リアルタイムプロファイル更新回路608はまた、現在室内気温T
z及び現在温度制約(T
max、T
min)を受信する。
【0106】
リアルタイムプロファイル更新回路608は、温度設定点T
spの変更が現在分類、T
maxプロファイル、及び/又はT
minプロファイルの変更を必要とするかどうかを決定し、そうであれば、新しい現在分類、T
maxプロファイル、及び/又はT
minプロファイルを決定する。例えば、T
spの変更がT
spをT
maxより大きくなるように変更すれば、リアルタイムプロファイル更新回路608は、T
maxプロファイルが計画期間の残りの期間中は上方にシフトされるべきであるということを決定し得る。別の例として、T
spの変更がT
spをT
minより小さくなるように変更すれば、リアルタイムプロファイル更新回路608は、T
minプロファイルが計画期間の残りの期間中は下方にシフトされるべきであるということを決定し得る。リアルタイムプロファイル更新回路608はまた、これに応じて現在分類のT
maxプロファイルを更新するためにプロファイルデータベース606と通信し得る。T
spがT
minとT
maxとの間の値へ変更されれば、リアルタイムプロファイル更新回路608は、現在分類、T
maxプロファイル、及びT
minプロファイルが更新される必要がないということを決定し得る。
【0107】
いくつかのケースでは、リアルタイムプロファイル更新回路608は、T
spのユーザの変更が、現在分類が変更分類へ更新されるべきであるということを示すということを決定し得る。次に、リアルタイムプロファイル更新回路608は、新分類を決定するためにプロファイルデータベース606へアクセスし、当該変更分類をプロファイル選択回路604へ提供する。
【0108】
したがって、リアルタイムプロファイル更新回路608は、システムマネージャ502が居住者不快感をよりうまく最小化するために費用関数最適化問題に対する制約をリアルタイムで解析し得るようにする。
【0110】
ここで
図13〜14を参照すると、可変冷媒流量(VRF)システム2100がいくつかの実施形態に従って示される。VRFシステム2100は1つ以上の室外VRFユニット2102と複数の室内VRFユニット2104とを含むように示される。室外VRFユニット2102は、建物外に位置し得、冷媒を加熱又は冷却するように動作し得る。室外VRFユニット2102は、液相、気相、及び/又は加熱気相(super−heated gas phase)間で冷媒を変換するために電気を消費し得る。室内VRFユニット2104は建物内の様々な建物ゾーン全体にわたって分散され得、加熱又は冷却された冷媒を室外VRFユニット2102から受け取り得る。各室内VRFユニット2104は、室内VRFユニット2104が位置する特定建物ゾーンの温度制御を提供し得る。用語「室内」は、室内VRFユニット2104が通常は建物内に位置するということを表すために使用されるが、いくつかのケースでは、1つ以上の室内VRFユニットが例えばパティオ、入口通路、歩道などを加熱/冷却するために「室外」(すなわち建物外に)位置する。
【0111】
VRFシステム2100の1つの利点は、他の室内VRFユニット2104が加熱モードで動作する一方でいくつかの室内VRFユニット2104が冷却モードで動作し得ることである。例えば、室外VRFユニット2102及び室内VRFユニット2104のそれぞれは加熱モード、冷却モード、又はオフモードで動作し得る。各建物ゾーンは独立に制御され得、様々な温度設定点を有し得る。いくつかの実施形態では、各建物は、建物外(例えば屋上)に位置する最大3つの室外VRFユニット2102と、建物全体にわたって(例えば様々な建物ゾーン内に)分散される最大128個の室内VRFユニット2104とを有する。建物ゾーンは、他の可能性もあるが、アパートユニット、オフィス、小売りスペース、及び共用領域を含み得る。いくつかのケースでは、様々な建物ゾーンは、多様なテナントにより所有される、リースされる、又はそうでなければ占有され、すべてVRFシステム2100によりサービスされる。
【0112】
多くの様々な構成がVRFシステム2100には存在する。いくつかの実施形態では、VRFシステム2100は、各室外VRFユニット2102が単一冷媒戻りラインと単一冷媒出口ラインとへ接続する二重配管システムである。二重配管システムでは、室外VRFユニット2102のすべては、加熱された冷媒又は冷却された冷媒のうちの一方だけが単一冷媒出口ラインを介し供給され得るので、同じモードで動作し得る。他の実施形態では、VRFシステム2100は、各室外VRFユニット2102が冷媒戻りライン、温熱冷媒出口ライン、及び冷熱冷媒出口ラインへ接続する三重配管システムである。三重配管システムでは、加熱と冷却の両方がデュアル冷媒出口ラインを介し同時に提供され得る。三重配管VRFシステムの例は
図16を参照し詳細に説明される。
【0113】
次に
図16を参照すると、VRFシステム2200を示すブロック図がいくつかの実施形態に従って示される。VRFシステム2200は、室外VRFユニット202、いくつかの熱回収ユニット2206、及びいくつかの室内VRFユニット2204を含むように示される。室外VRFユニット202は、コンプレッサ2208、ファン2210、又は液相、気相、及び/又は加熱気相間で冷媒を変換するように構成された他の電力消費冷却部品を含み得る。室内VRFユニット2204は建物内の様々な建物ゾーン全体にわたって分散され得、加熱又は冷却された冷媒を室外VRFユニット202から受け取り得る。各室内VRFユニット2204は、室内VRFユニット2204が位置する特定建物ゾーンの温度制御を提供し得る。熱回収ユニット2206は、室外VRFユニット202と室内VRFユニット2204との間の冷媒の流れを(例えばバルブを開閉することにより)制御し得、室外VRFユニット202によりサービスされる加熱又は冷却負荷を最小化し得る。
【0114】
室外VRFユニット202はコンプレッサ2208及び熱交換器2212を含むように示される。コンプレッサ2208は冷媒を熱交換器2212と室内VRFユニット2204との間で循環する。コンプレッサ2208は室外ユニット制御回路214により制御される可変周波数で動作する。高周波では、コンプレッサ2208はより大きな伝熱容量を室内VRFユニット2204に与える。コンプレッサ2208の消費電力はコンプレッサ周波数に比例して増加する。
【0115】
熱交換器2212は、VRFシステム2200が冷却モードで動作するときは凝縮器(冷媒が熱を外気へ廃棄し得るようにする)として又はVRFシステム2200が加熱モードで動作するときには蒸発器(冷媒が外気から熱を吸収し得るようにする)として機能し得る。ファン2210は熱交換器2212を介し気流を供給する。ファン2210の速度は熱交換器2212内の冷媒への又はそれからの伝熱速度を変調するように調整され得る(例えば室外ユニット制御回路214により)。
【0116】
各室内VRFユニット2204は熱交換器2216及び膨張バルブ2218を含むように示される。熱交換器2216のそれぞれは、室内VRFユニット2204が加熱モードで動作するときは凝縮器(冷媒が熱を部屋又はゾーン内の大気へ廃棄し得るようにする)として又は室内VRFユニット2204が冷却モードで動作するときには蒸発器(冷媒が部屋又はゾーン内の大気から熱を吸収し得るようにする)として機能し得る。ファン2220は熱交換器2216を介し気流を供給する。ファン2220の速度は熱交換器2216内の冷媒への又はそれからの伝熱速度を変調するように調整され得る(例えば室内ユニット制御回路2222により)。
【0117】
図16では、室内VRFユニット2204は冷却モードで動作するように示される。冷却モードでは、冷媒は冷却ライン2224を介し室内VRFユニット2204へ供給される。冷媒は、膨張バルブ2218により冷たい低圧状態へ膨張され、そして建物内の部屋又はゾーンから熱を吸収するために熱交換器2216(蒸発器として機能する)を貫流する。次に、加熱された冷媒は戻りライン2226を介し室外VRFユニット202へ逆流し、コンプレッサ2208により熱い高圧状態に圧縮される。圧縮された冷媒は、熱交換器2212(凝縮器として機能する)を貫流し、熱を外気へ廃棄する。冷却された冷媒は冷却ライン2224を介し室内VRFユニット2204へ戻すことができる。冷却モードでは、流量調節バルブ2228が閉じられ、膨張バルブ230は完全に開放され得る。
【0118】
加熱モードでは、冷媒は加熱ライン2232を介し熱い状態の室内VRFユニット2204へ供給される。温熱冷媒は、熱交換器2216(凝縮器として機能する)を貫流し、熱を建物の部屋又はゾーン内の大気へ廃棄する。次に、冷媒は、冷却ライン2224を介し室外VRFユニット(
図16に示す流れ方向とは反対方向)へ逆流する。冷媒は膨張バルブ230により冷たい低圧状態へ膨張され得る。膨張された冷媒は熱交換器2212(蒸発器として機能する)を貫流し、外気から熱を吸収する。加熱された冷媒は、コンプレッサ2208により圧縮され、熱い圧縮状態の加熱ライン2302を介し室内VRFユニット2204へ戻すことができる。加熱モードでは、流量調節バルブ2228は、コンプレッサ2208からの冷媒が加熱ライン2302に流入し得るように完全に開放され得る。
【0119】
図16に示すように、各室内VRFユニット2204は室内ユニット制御回路2222を含む。室内ユニット制御回路2222は、建物ゾーン温度設定点に応答して、又は建物ゾーンへ加熱/冷却を提供する他の要求に応答してファン2220及び膨張バルブ2218を含む室内VRFユニット2204の部品の動作を制御する。例えば、室内ユニット制御回路2222はファン2220をオン/オフする信号を生成し得る。室内ユニット制御回路2222はまた、室内VRFユニット2204により必要とされる伝熱容量とこの容量に対応するコンプレッサ2208の周波数とを決定する。室内VRFユニット2204がある容量の加熱又は冷却を提供しなければならないということを室内ユニット制御回路2222が決定すると、室内ユニット制御回路2222は、必要とされる容量に対応するコンプレッサ周波数を含むコンプレッサ周波数要求を生成し、これを室外ユニット制御回路214へ送信する。
【0120】
室外ユニット制御回路214は、1つ以上の室内ユニット制御回路2222からコンプレッサ周波数要求を受信し、次に例えばこれらのコンプレッサ周波数要求を合計することによりコンプレッサ全周波数に集約する。いくつかの実施形態では、コンプレッサ周波数は上限を有し、コンプレッサ全周波数が上限を越えることができないようにする。室外ユニット制御回路214は、例えばコンプレッサのDCインバータコンプレッサモータに与えられる入力周波数としてコンプレッサ全周波数をコンプレッサへ提供する。したがって、室内ユニット制御回路2222及び室外ユニット制御回路214は共同して、加熱/冷却要求に整合するようにコンプレッサ周波数を変調する。室外ユニット制御回路214はまた、流量調節バルブ2228及び膨張バルブ2230のバルブ位置、コンプレッサ電力設定点、冷媒流量設定点、冷媒圧力設定点(例えば圧力センサ2306により測定される圧力の差圧設定点)、オン/オフ命令、ステージング(staging)命令を制御する信号、又はコンプレッサ2208の動作に影響を与える他の信号、及びファン速度設定点、ファン電力設定点、気流設定点、オン/オフ命令、又はファン2210の動作に影響を与える他の信号を含むファン2210へ提供される制御信号を生成し得る。
【0121】
室内ユニット制御回路2222及び室外ユニット制御回路214は、制御回路2214、2222により生成される又はそれへ提供される1つ以上の制御信号のデータ履歴を提供及び/又は格納し得る。例えば、室内ユニット制御回路2222は、生成されたコンプレッサ要求周波数、ファンオン/オフ時間及び室内VRFユニット2204オン/オフ時間のログを提供及び/又は格納し得る。室外ユニット制御回路214は、コンプレッサ要求周波数及び/又はコンプレッサ全周波数及びコンプレッサランタイムのログを格納及び/又は提供し得る。
【0122】
VRFシステム2200は、室外メータ2252及び室内メータ2254を介しエネルギーグリッド2250により供給される電力で動作するものとして示される。様々な実施形態によると、エネルギーグリッド2250は、電力の任意の供給源(例えば公益事業会社により維持され、1つ以上の電力プラントにより電力が供給される電気グリッド)である。室外メータ2252は、室外VRFユニット202の時間の経過に伴う消費電力を例えばキロワット時(kWh)で測定する。室内メータ2254は室内VRFユニット2204の時間の経過に伴う消費電力を例えばkWhで測定する。VRFシステム2200は、電力を供給する公益事業会社により課金されるエネルギー消費費用を室外メータ2252及び/又は室内メータ2254の測定消費電力に基づき発生する。電力の価格(例えばkWh当たりドル)は時間の経過に伴って変動し得る。
【0123】
VRFシステム2200はまた、システムマネージャ502を含む。
図6〜13を参照して上に詳細に説明されたように、システムマネージャ502は、居住者快適性も維持しながらVRFシステム2200のエネルギー消費費用を最小化するように構成される。
【0125】
次に
図17を参照すると、窓空調機2300が例示的実施形態に従って示される。窓空調機2300は、建物の外壁2302に跨るように建物の窓に取り付けられるように構成される。したがって、窓空調機2300は、室内(すなわち建物内)と室外(すなわち建物外)との両方へ気流を供給する及び/又はそれらから空気を受け取ることができる。窓空調機2300は時に、当該技術分野では室内空調機とも呼ばれる。
【0126】
窓空調機2300は、熱を室内空気から外気へ転送するヒートポンプとして働く。
図17に示すように、窓空調機2300は室内空気を取り入れ、冷却された空気を部室内に出力する。窓空調機2300はまた、外気を取り入れ、排気を建物外に出力する。窓空調機2300は、コンプレッサ、復水器、蒸発器、及び外壁2302を横断する(すなわち室内から室外への)熱の転送を容易にする1つ以上のファンを含み得る。したがって、窓空調機2300は室内空気の温度を温度設定点に向けて低下させるように構成される。
【0127】
窓空調機2300は、外壁2302を横断するように熱を転送するべく動作するとき、エネルギーグリッド2250から電力を消費する。窓空調機2300は、例えば温度設定点に基づき様々なレベルの冷却を建物へ提供するために様々な電力で動作するように制御可能であり得る。窓空調機2300はまた、必要に応じオン/オフされ得る。したがって、窓空調機2300は、より多くの冷却を提供する際により多くの電力を、より少ない冷却を提供する際により少ない電力を消費する。
【0128】
システムマネージャ502は、窓空調機2300の制御信号を提供するとともに窓空調機2300からデータを受信するために窓空調機2300へ通信可能に結合される。例えば、システムマネージャ502は温度設定点を窓空調機2300へ提供し得る。システムマネージャ502は
図6〜13を参照して詳細に説明される。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は窓空調機2300に一体化される。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は遠隔的に(例えばクラウドサーバ上で)動作する及び/又は複数の窓空気調節器2300にサービスする。
【0130】
次に
図18を参照すると、室内空調システム2400が例示的実施形態に従って示される。室内空調システム2400は建物の部屋の冷却を提供する。室内空調システム2400は室外ユニット2402及び室内ユニット2404を含む。室内ユニット2404が建物の外壁2302により室外ユニット2402から分離されるように、室外ユニット2402は建物外に位置し、一方室内ユニット2404は建物内に位置する。室内ユニット2404は外壁2302の室内面上に取り付けられ得る。室内ユニット2404及び室外ユニット2402は制御信号及びデータを交換するようへ通信可能に結合される。室内ユニット2404はまた、室外ユニット2402を介し電力を受け取り得、その逆も同様である。
【0131】
室外ユニット2402は冷媒を冷却するためにエネルギーグリッド2250から電力を消費する。次に、冷媒は、室外ユニット2402から室内ユニット2404へ外壁406を貫通するパイプ2408を通して送られる。ファン2410は、熱を部屋から冷媒へ転送するために空気を部屋からパイプ2408全体にわたって吹き付ける。次に、冷媒は、室外ユニット2402へ逆流し、ここで再冷却され室内ユニット2404へ循環して戻る。したがって、室内空調システム2400は、熱を室内から室外へ外壁2302全体にわたって転送するように動作する。
【0132】
室外ユニット2402及び室内ユニット2404は部屋の温度設定点を追跡するように制御され得る。例えば、室外ユニット2402は、冷媒流の可変速度及び/又は様々な冷媒温度を室内ユニット2404へ提供するために様々な電力で動作するように制御され得る。ファン2410は様々な速度で動作するように制御され得る。室内空調システム2400はまた、必要に応じオン/オフするように制御可能である。したがって、室内空調システム2400は、より多くの冷却を部屋へ提供する際により多くの電力をエネルギーグリッド2250から消費する。
【0133】
システムマネージャ502は、室内空調機システム2400の制御信号を提供するとともにデータを室内空調機システム2400から受信するために室外ユニット2402及び/又は室内ユニット2404へ通信可能に結合される。例えば、システムマネージャ502は温度設定点を室内空調機システム2400へ提供し得る。システムマネージャ502は
図6〜13を参照して詳細に説明される。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は室外ユニット2402及び/又は室内ユニット2404に一体化される。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は遠隔的に(例えばクラウドサーバ上で)動作する及び/又は複数の室内空調機システム2400にサービスする。
【0135】
次に
図19を参照すると、パッケージ化空調機システム2500が例示的実施形態に従って示される。パッケージ化空調機システム2500は、パッケージ化空調機2504、吸気ベント2506、及び冷気ダクト2508を含む。パッケージ化空調機2504は室外に位置し、一方、吸気ベント2506及び冷気ダクト2508は、空気がパッケージ化空調機2504と建物の内部との間に流れ得るようにするために、パッケージ化空調機2504から建物の外壁2302を貫通する。
【0136】
パッケージ化空調機システム2500は、吸気ベント2506を介し建物の内部から室内空気を吸い込むためにエネルギーグリッド2250から電力を消費し、空気を冷却するために室内空気から熱を除去し、冷気を冷気ダクト2508へ供給する。パッケージ化空調機システム2500は熱を外気へ追い出す。冷気ダクト2508は、建物の室内気温を下げるために、冷気が外壁2302を横断して流れ、建物の空気内に流れることを可能にする。
【0137】
パッケージ化空調機2504は建物の温度設定点を追跡するように制御され得る。例えば、パッケージ化空調機2504は、様々な温度の冷気及び/又は様々な流速の冷気を冷気ダクト2508へ供給するために様々な電力で動作し得る。パッケージ化空調機2504は、より高い比率の電力消費量で動作することにより及び/又はより多くの時間、動作することにより、より多くの冷却を部屋へ提供する際に、エネルギーグリッド2250からより多くの電力を消費する。
【0138】
システムマネージャ502は、室内空調機システム2400の制御信号を提供するとともにパッケージ化空調機2504からデータを受信するためにパッケージ化空調機2504へ通信可能に結合される。例えば、システムマネージャ502は温度設定点をパッケージ化空調機2504へ提供し得る。システムマネージャ502は
図6〜13を参照して詳細に説明される。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502はパッケージ化空調機2504に一体化される。いくつかの実施形態では、パッケージ化空調機2504は、遠隔的に(例えばクラウドサーバ上で)動作する及び/又は複数の室内空調機システム2400にサービスする。
【0140】
様々な例示的な実施形態に示されるようなシステム及び方法の構築及び配列は単なる例示である。この開示ではほんのわずかの実施形態のみを詳細に説明してきたが、多くの変更形態(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び割合、パラメータの値、取り付け方法、材料の使用、色、配向などの変化)が可能である。例えば、要素の位置を逆にするか又は別の方法で変化させることができ、個別の要素又は位置の性質又は数を変更するか又は変化させることができる。それに従って、そのような変更形態はすべて本開示の範囲内に含まれることが意図される。いかなるプロセス又は方法ステップの順序又は順番も代替の実施形態に従って変化させるか又は並べ替えることができる。本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件及び配列における他の置換、変更、変化及び省略を行うことができる。
【0141】
本明細書で使用される用語「回路」は、本明細書で説明された機能を実行するように構造化されたハードウェアを含み得る。いくつかの実施形態では、各「回路」は、本明細書で説明された機能を実行するようにハードウェアを構成するための機械可読媒体を含み得る。回路は、限定しないが処理回路系、ネットワークインタフェース、周辺デバイス、入力デバイス、出力デバイス、センサなどを含む1つ以上の回路系部品として具現化され得る。いくつかの実施形態では、回路は、1つ以上のアナログ回路、電子回路(例えば集積回路(IC)、ディスクリート回路、システムオンチップ(SOC:system on a chip)回路など)、通信回路、ハイブリッド回路、及び任意の他のタイプの「回路」の形式を採用し得る。この点に関し、「回路」は、本明細書で説明された動作を遂行するための又はその実現を容易にするための任意のタイプの部品を含み得る。例えば、本明細書で述べた回路は、1つ以上のトランジスタ、論理ゲート(例えばNAND、AND、NOR、又はXOR、NOT、XNORなど)、抵抗器、マルチプレクサ、レジスタ、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、配線などを含み得る。
【0142】
「回路」はまた、1つ以上のメモリデバイスへ通信可能に結合された1つ以上のプロセッサ又は1つ以上のメモリデバイスを含み得る。この点に関し、1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶された命令を実行し得る、又はそうでなければ1つ以上のプロセッサへアクセス可能な命令を実行し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは様々なやり方で具現化され得る。1つ以上のプロセッサは、少なくとも本明細書で説明された動作を実行するのに十分なやり方で構築され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは複数の回路により共有され得る(例えば、回路A及び回路Bが同じプロセッサを含み得る又はそうでなければ共有し得、いくつかの例示的実施形態では、メモリの様々な領域を介して記憶される又はそうでなければアクセスされる命令を実行し得る)。その代りに又は追加的に、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のコプロセッサとは独立にいくつかの動作を実行するように構造化され得る。他の例示的実施形態では、2つ以上のプロセッサが、独立した、並列の、パイプライン化された、又はマルチスレッド化された命令実行を可能にするためにバスを介し結合され得る。各プロセッサは、1つ以上の汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)、又はメモリにより提供される命令を実行するように構造化された他の好適な電子データ処理部品として実装され得る。1つ以上のプロセッサは、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ(例えばデュアルコアプロセッサ、トリプルコアプロセッサ、クワッドコアプロセッサなど)、マイクロプロセッサなどの形式を採用し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは装置外にあってもよく、例えば1つ以上のプロセッサは遠隔プロセッサ(例えば、クラウドベースプロセッサ)でもよい。その代りに又は追加的に、1つ以上のプロセッサは装置の内部及び/又は局所に存在し得る。この点に関し、その所与の回路又は部品は、局所的に(例えばローカルサーバ、ローカルコンピューティングシステムなどの一部として)又は遠隔的に(例えばクラウドベースサーバなどの遠隔サーバの一部として)配置され得る。そのために、本明細書で説明した「回路」は1つ以上の場所全体にわたり分散された部品を含み得る。本開示は、様々な動作を遂行するためのいかなる機械可読媒体における方法、システム及びプログラム製品をも企図する。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、この又は別の目的のために組み込まれた適切なシステム用の専用コンピュータプロセッサによって、あるいは、配線接続されたシステムによって実装することができる。本開示の範囲内の実施形態は、格納された機械実行可能命令又はデータ構造を保持するか又は有するための機械可読媒体を含むプログラム製品を含む。そのような機械可読媒体は、汎用若しくは専用のコンピュータ又はプロセッサを伴う他の機械によるアクセスが可能な利用可能ないかなる媒体でもあり得る。例示として、そのような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、あるいは、機械実行可能命令又はデータ構造の形態の所望のプログラムコードを保持又は格納するために使用することができ、汎用若しくは専用コンピュータ又はプロセッサを伴う他の機械によるアクセスが可能な他の任意の媒体を含み得る。上記の組合せもまた、機械可読媒体の範囲内に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、ある特定の機能又は機能グループを汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用処理機械に実行させる命令及びデータを含む。