(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6835955
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】容器の偶発的な初回開口を防止するクロージャ機構
(51)【国際特許分類】
B65D 55/02 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
B65D55/02
【請求項の数】25
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-513984(P2019-513984)
(86)(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公表番号】特表2019-526510(P2019-526510A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(86)【国際出願番号】US2017053873
(87)【国際公開番号】WO2018064250
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年3月12日
(31)【優先権主張番号】62/400,931
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ポート
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム ウラス
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2016/080231(WO,A1)
【文献】
米国特許第06216905(US,B1)
【文献】
米国特許第04711372(US,A)
【文献】
米国特許第04640427(US,A)
【文献】
米国特許第05570818(US,A)
【文献】
英国特許出願公開第00468762(GB,A)
【文献】
欧州特許第01230125(EP,B1)
【文献】
特表2008−506601(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0172742(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0062369(US,A1)
【文献】
米国特許第05133470(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャであって、限界力値に等しい又はそれより大きい開口力の適用時に破断可能又は不可逆的に変形可能である少なくとも1つの係合要素を含み、前記クロージャが、1つ以上の可動部品と、1つ以上の固定部品と、を含み、前記係合要素が、前記クロージャの1つ以上の可動部品及び前記固定部品のうちの1つ以上を係合し、前記係合要素が、
(a)前記クロージャの前記可動部品のうちの1つ以上又は前記固定部品のうちの1つ以上に取り付けられている機械部品であって、前記機械部品が、前記限界力値を下回る開口力の適用時に前記クロージャの前記可動部品と前記固定部品との間の分離を阻止し、前記クロージャがピンアンドホールフリップトップであり、前記クロージャが、前記クロージャのオリフィスを貫通するとともに、先端部を解放するキノコ型ピンを含み、前記係合要素が、前記キノコ型ピンの先端部に取り付けられている機械部品であり、前記キノコ型ピンの先端部は、前記キノコ型ピンの先端部に隣接する前記キノコ型ピンの隣接部分の幅よりも大きい幅を有し、前記機械部品が、限界力値に等しい又はそれより大きい開口力の適用時に破断可能又は不可逆的に変形可能である、機械部品と、
(b)前記クロージャの前記可動部品のうちの1つ以上及び前記固定部品のうちの1つ以上を共に1つ以上の場所で封着することと、
(c)2工程成形プロセスによって作製された、前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品のうちの1つ以上を接続する破断可能なスプリントであって、(1)第1の工程は、閉鎖位置において前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品の両方にまたがる中空空間を含むクロージャをもたらし、(2)第2の工程は、冷却時又は熱硬化時に固まる又は硬くなる液状のプラスチックを前記中空空間に充填することを含む、破断可能なスプリントと、からなる群から選択され、
初回開口後に前記クロージャを開口するのに必要な力に対する前記限界力値の比が、1.25よりも大きい、クロージャ。
【請求項2】
前記初回開口後に前記クロージャを開口するのに前記必要な力に対する前記限界力値の前記比が1.5よりも大きい、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記初回開口後に前記クロージャを開口するのに前記必要な力に対する前記限界力値の前記比が2よりも大きい、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記初回開口後に前記クロージャを開口するのに前記必要な力に対する前記限界力値の前記比が3よりも大きい、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記初回開口後に前記クロージャを開口するのに前記必要な力に対する前記限界力値の前記比が4よりも大きい、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記初回開口後に前記クロージャを開口するのに前記必要な力に対する前記限界力値の前記比が5よりも大きい、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記クロージャを初めて開口するのに必要な前記限界力が12N〜50Nである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記クロージャを初めて開口するのに必要な前記限界力が18N〜40Nである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記クロージャを初めて開口するのに必要な前記限界力が20N〜35Nである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記クロージャが、熱可塑性材料によって構築される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記クロージャが、フリップトップクロージャである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記クロージャが、ディスククロージャである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記係合要素が、容器の閉鎖状態において不可視である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項14】
前記係合要素が、前記クロージャの前記可動部品に取り付けられている機械部品である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項15】
前記係合要素が破断可能である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項16】
前記係合要素が、前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品を共に1つ以上の場所で封着することである、請求項1〜15のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項17】
前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品を共に前記封着することが溶接することによって達成される、請求項1〜16のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項18】
前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品を共に前記封着することが糊付けすることによって達成される、請求項1〜16のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項19】
前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品を共に前記封着することが、射出成形プロセス及び材料の硬化の後に接着剤を塗布することによって達成される、請求項1〜16のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項20】
前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品を共に前記封着することが、接着性穿孔フィルムを貼り付けることによって達成される、請求項1〜16のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項21】
前記溶接することが熱エネルギーによって生成される、請求項17に記載のクロージャ。
【請求項22】
前記溶接することが超音波によって生成される、請求項17に記載のクロージャ。
【請求項23】
前記溶接することが光エネルギーによって生成される、請求項17に記載のクロージャ。
【請求項24】
前記光がレーザである、請求項23に記載のクロージャ。
【請求項25】
前記係合要素が、2工程成形プロセスによって作製された、前記クロージャの前記可動部品及び固定部品を接続する破断可能なスプリントであり、(1)第1の工程は、閉鎖位置において前記クロージャの前記可動部品及び前記固定部品の両方にまたがる中空空間を含むクロージャをもたらし、(2)第2の工程は、冷却時又は熱硬化時に固まる又は硬くなる液状のプラスチックを前記中空空間に前記充填することを含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載のクロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の偶発的な初回開口を防止する機構に関する。機構は、容器クロージャの可動部品をクロージャの固定部品と係合させている少なくとも1つの係合要素を含む。この係合要素は、容器の最初の開口の間に破断する、又は不可逆的に変形する。最初の開口の間に係合要素を破断又は不可逆的に変形させ、容器を開口させるのに必要となる追加の力は、物品の輸送又は保管の間における偶発的な開口の危険性を軽減する。係合要素は、製品の利用者に不可視であり得る。ひとたび最初の開口の間に破断又は不可逆的に変形させられれば、係合要素は、その後の消費者による容器の開口及び閉鎖のサイクルを妨げることはない。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、ボディウォッシュ、食器用洗剤又は洗濯用洗剤のような液状の日用消費財は、一般に、硬質プラスチック容器に入れて販売される。これらの容器は大量に製造され、一般に、経済的な理由から単純な技術アプローチ又は設計に従う。パック材料は、一般に、容器の充填よりも前の工程で製造される。最終的な販売可能ユニットは、封じ込められている液体を漏らすことのない安全な輸送を確実にするために、しっかりと閉鎖されている必要がある。ほとんどの場合、製造現場において充填に使用されるオリフィスは、消費者の自宅における使用段階のために設計されるオリフィスと同一であるか又は少なくともそれに近い。このことは、通常はチューブには当てはまらず、チューブは、充填プロセス後に恒久的に封止されると同時に、意図的な消費者用分注オリフィスが充填位置の反対側端部に配置される。プラスチック容器内にボトル詰めされたほとんどの標準的な液体は、製造業者でのボトルの充填後に容器に取り付けられ、かつ、ねじ込み、スナップ嵌め、又は封着のいずれかが行われるプラスチックキャップ(クロージャ又はクロージャ組立体とも称する)によって閉鎖される。ボトルにスナップ嵌め又は封着された全てのキャップは、一般に可動性特徴部を備える。可動性特徴部を有するキャップの例は、フリップトップクロージャ又はディスクトップクロージャである。これらのキャップは、キャップの主部がボトルに取り付けられている状態を維持したまま、消費者がボトルを開口し、制御された方法で製品を分注することを可能にする。
【0003】
クロージャは、製品の使用の間、過大な力を必要とせずに、消費者によって容易に開口及び閉鎖させることができるような方法で設計されることが望ましい。しかしながら、弱い力を使用して容易に開口させることができるクロージャは、製品の製造、輸送及び保管の間、偶発的かつ不所望に開口されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、(1)初回開口に更に大きい力を必要とし、(2)初回開口後かつ消費者による常用の間において容器の開口及び閉鎖に比較的小さい力を必要とするクロージャが必要である。換言すれば、クロージャは、製品の消費者が容器を容易に開口し、その内容物の一部を分注し、必要に応じて容器を閉鎖することを可能にすると同時に、製造、輸送及び保管条件下において堅固さを提供する必要がある。クロージャの性能の一部は、これら2つの根本的に異なる必要条件、即ち、初回開口前は堅固であること、及びその後の開口は容易であることによって定義することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器クロージャ構造体、例えば、少なくとも1つの破断可能な又は不可逆的に変形可能な係合要素を含むクロージャを提供することによって上述の必要性を満たす。具体的には、限界力値に等しい又はそれより大きい開口力の適用時に破断可能又は不可逆的に変形可能である少なくとも1つの係合要素を有するクロージャであり、クロージャは、1つ以上の可動部品と、1つ以上の固定部品と、を含み、係合要素は、クロージャの可動部品及び固定部品を係合し、係合要素は、クロージャの可動部品又は固定部品に取り付けられている機械部品であって、機械部品は、限界力値を下回る開口力の適用時にクロージャの可動部品と固定部品との間の分離を阻止する、機械部品と、クロージャの可動部品及び固定部品を共に1つ以上の場所で封着することと、2工程成形プロセスによって作製された、クロージャの可動部品及び固定部品を接続する破断可能なスプリントであって、(1)第1の工程は、閉鎖位置においてクロージャの可動部品及び固定部品の両方にまたがる中空空間を含むクロージャをもたらし、(2)第2の工程は、冷却時又は熱硬化時に固まる又は硬くなる液状のプラスチックを中空空間に充填することを含む、スプリントと、からなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】キノコ型ピン(3)先端部がオリフィス(4)を通して挿入され、内側で展開されている、キノコ型ピン(3)の断面図である。可動フリップトップ(1)を開口すると、設計された破断点においてキノコ型ピン(3)から先端が引きちぎられる。
【
図2】
図1に示されているように、キノコ型ピン(3)及びオリフィス(4)の拡大図である。
【
図3】基部(2)と可動フリップトップ(1)との間の接触領域にレーザ溶接点(5)を有するクロージャの図であり、クロージャの外側に位置付けられている。
【
図4】基部(2)と可動フリップトップ(1)との間の接触領域にレーザ溶接点(5)を有するクロージャの図であり、クロージャの内側に位置付けられ、ピン(6)とオリフィス(4)との間に位置付けられている。
【
図5A】破断可能なスプリント(7)を有するクロージャの図である。成形プロセス中の第1の射出の後の基部(2)及び可動フリップトップ(1)クロージャである。
【
図5B】破断可能なスプリント(7)を有するクロージャの図である。第1の射出の後の閉鎖状態の基部(2)及び可動フリップトップ(1)である。
【
図5C】破断可能なスプリント(7)を有するクロージャの図である。成形プロセス中の第2の射出の後の閉鎖状態の基部(2)及び可動フリップトップ(1)であり、破断可能なスプリント(7)が作製され、基部及び可動フリップトップ(1)を接続している。
【
図5D】破断可能なスプリント(7)を有するクロージャの図である。初回開口後の開口状態の基部(2)及び可動フリップトップ(1)であり、破断可能なスプリント(7)が規定の力において破断されており、その後の開口は通常のデフォルトの開口力に従うことになる。
【
図6】クロージャの基部(2)に塗布された粘着性のある帯状の糊(8)を有するクロージャの図である。可動フリップトップ(1)の閉鎖後、初回開口には、糊(8)から剥がれるために更に大きい力を必要とし、その後の開口は通常のデフォルトの開口力に従うことになる。
【
図7】接着剤が塗られた穿孔フィルム(9)の貼り付けによって固定されたクロージャの図であり、可動フリップトップ(1)が固定されるようにクロージャの背面からクロージャの前面に至るまで、規定の糊タックを有するテープが可動フリップトップ(1)に貼り付けられている。初回開口の際に、テープは剥がされるか、完全に除去される。
【
図8A】閉鎖位置における、破断可能な機械部品(11)を有するディスクトップクロージャ(10)の図である。
【
図8B】開口位置における、破断可能な機械部品(11)を有するディスクトップクロージャ(10)の図であり、破断可能な機械部品(11)が、ディスクトップクロージャ(10)から剥離している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特に指定がない限り、本明細書において使用する全ての百分率及び比率は、組成物全体の重量によるものとする。特に指示がない限り、全ての測定は周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約25℃、約1気圧、及び相対湿度約50%における条件を意味する。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。区切られた上下の範囲限界は組み合わせ可能であり、明示的に区切られていない更なる範囲を作る。
【0008】
消費財の典型的な容器は、フリップトップクロージャ又はディスククロージャのいずれかを含む。非限定的な例はフリップトップクロージャであり、このクロージャは、可動フリップトップ(1)の一体部品としてのピン(6)と、クロージャの基部(2)上にある開口部又はオリフィス(4)と、を有しており、基部(2)は容器に固定され得る。このようなクロージャ機構は、輸送中及び使用中の両方においてシステムを堅固にする。代替的に、ディスクトップクロージャ(10)の非限定的な例では、可動部品は、クロージャの本体に組み込まれているディスクであり得、軸の周りを回転する。クロージャの動く部品のこの回転は、容器の内容物を容器の外側とつなげる流路を作成し、その結果、内容物は消費者によって分注されることができるようになる。フリップトップクロージャ及びディスクトップクロージャを作製する典型的な方法は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)のような様々なプラスチックの射出成形を含む。
【0009】
可動部品を備えたクロージャを有する容器は、製品使用の間に消費者によって容易に開口及び閉鎖される。即ち、容器は、日常の開口及び閉鎖操作のために過大な力を必要としない。しかしながら、同容器は、消費者に届くまでは、偶発的な開口及び液体の漏出が起こることなく安全に輸送されかつ保管されることが望ましい。実際に、フリップトップクロージャ及びディスククロージャなど、動く部品を有するクロージャを含む容器において時折遭遇する問題は、製造、輸送及び保管の間における容器の偶発的な開口及び製品の漏出である。本発明は、偶発的な開口の起こる確率が極めて低い状態で容器クロージャが安全に輸送及び保管されるように、容器クロージャを設計及び製造できることを明らかにしてきた。また、同容器クロージャは、消費者による製品の常用の間に消費者によって容易に開口及び閉鎖されることができる。これは、容器を初めて開口するのに必要な力が、初回開口後に容器を開口するのに必要な力よりも有意に大きいクロージャを使用することによって達成される。より具体的には、これらのクロージャは、容器の偶発的な初回開口を防止する機構を使用する。機構は、クロージャの可動部品をクロージャの固定部品と係合させている少なくとも1つの係合要素を含む。この係合要素は、容器の最初の開口の間に破断する、又は不可逆的に変形する。最初の開口の間に係合要素を破断又は不可逆的に変形させ、容器を開口させるのに必要となる追加の力は、物品の輸送又は保管の間における偶発的な開口の危険性を有意に低減する。係合要素は、以下の方法のうちの1つ以上によって実現される。
(a)クロージャの可動部品又は固定部品に取り付けられている機械部品を使用することによる方法であり、機械部品は、特定の限界値を下回る力を適用して部品間の分離を阻止しており、限界値を上回る力が適用されると、機械部品は、容器の最初の開口の間に破断するか又は不可逆的に変形する。
(b)1つ以上の場所においてクロージャ機構の可動部品及び固定部品を共に封着することによる方法であり、2つの部品は、クロージャの閉鎖位置において接触面を有する。これは、両部品のプラスチック表面の溶接、糊付け、又はテープ貼り付けによって達成することができる。テープ貼り付けでは、穿孔接着フィルムが使用される。
(c)クロージャの可動部品及び固定部品を接続する破断可能なスプリント(7)を有することによる方法。スプリントは、2工程成形プロセスによって作製され、(1)第1の工程は、(閉鎖位置において)クロージャの可動部品と固定部品の両方にまたがる中空空間を含むクロージャをもたらし、(2)第2の工程は、冷却時又は熱硬化時に固まる又は硬くなる液状のプラスチックを中空空間に充填することを含む。
【0010】
破断可能な又は変形可能な係合要素の位置は、初回開口イベントが消費者に不可視となり、消費者による追加の意識的な行動を必要としないよう、隠れる場所に選択することができる。
【0011】
機械部品は、特定の限界値を下回る力を適用して部品間の分離を阻止しており、限界値を上回る力が適用されると、機械部品は、容器の最初の開口の間に破断するか又は不可逆的に変形する。
【0012】
本発明の実施形態では、初回開口後にクロージャを開口するのに必要な力に対する限界力値の比は、1.25よりも大きい。更なる実施形態では、初回開口後にクロージャを開口するのに必要な力に対する限界力値の比は、1.5よりも大きい。また更なる実施形態では、初回開口後にクロージャを開口するのに必要な力に対する限界力値の比は、2よりも大きい。更なる実施形態では、初回開口後にクロージャを開口するのに必要な力に対する限界力値の比は、3よりも大きい。更なる実施形態では、初回開口後にクロージャを開口するのに必要な力に対する限界力値の比は、4よりも大きい。更なる実施形態では、初回開口後にクロージャを開口するのに必要な力に対する限界力値の比は、5よりも大きい。実施形態では、初めてクロージャを開口するのに必要な限界力は、約12N〜約50Nである。更なる実施形態では、初めてクロージャを開口するのに必要な限界力は、約18N〜約40Nである。また更なる実施形態では、初めてクロージャを開口するのに必要な限界力は、約20N〜約35Nである。
【0013】
可動又は固定クロージャ部品に取り付けられている機械部品
本発明の実施形態は、クロージャの可動部品をクロージャの固定部品と係合させている係合要素を有するクロージャであり、係合要素は、クロージャの可動部品に含まれている機械部品である。機械部品の存在は、十分な大きさの力が適用されない限り、クロージャの可動部品と固定部品との間の分離を不可能にする。この限界値を下回る大きさの力の適用は、容器が前に開口されたことがなければ、容器にいかなる影響も与えない。この限界値を上回る大きさのクロージャへの力の適用は、機械部品を破断又は不可逆的に変形させ、クロージャの可動部品及び固定部品の分離を可能にし、容器を初めて開口させる。容器の最初の開口後、及び機械部品が破断又は変形した後、機械部品はクロージャにいかなる影響も与えず、容器は有意に低減された力で開口されることができる。機械的接続は、クロージャの様々な領域に配置することができ、利用者によって見えるようにすることも隠されることもできる。
【0014】
本発明の一実施形態は、可動フリップトップクロージャ(1)を有するピンアンドホールであり、ピンの下部は、ピンの隣接部分の幅よりも大きい幅を有する機械部品で終わる。このピンは、キノコ型ピン(3)と称する。キャップ供給業者での可動フリップトップ(1)の初回閉鎖の間、キノコ型ピン(3)の先端部は、キャップの基部(2)のオリフィス(4)を通って機械的に押し込まれ、基部(2)の中空空間の内側で解放される。本発明の実施形態では、キャップがキャップメーカーで製造された後、キノコ型先端部の幅の広い部分が、初回の可動フリップトップ(1)閉鎖プロセスの間にオリフィス(4)を通って押し込まれる。キノコ型先端部が押し通され、緩和/展開されると、キノコ型先端部は、オリフィス(4)と連結している場合と同じように引き戻すことができない。
【0015】
キノコ型ピン(3)の幅が広い部分、即ち、キノコ型ピン(3)先端部は、容器の最初の開口の間に破断するように又は不可逆的に変形するように設計されている。キノコ型ピンの残りの部分からのキノコ型ピン(3)先端部の破断又は不可逆的な変形には、特定の力を必要とする。キノコ型ピン(3)は、容器を初めて開口する際に、前もって決められた特定の力が必要とされるように、設計することができる。したがって、この機構は、初めて容器を開口するための比較的大きい力の必要条件を付与する(製造、輸送、保管又は店舗陳列の間の容器の偶発的な開口を防止する)。意図的な初回開口及びキノコ型ピン(3)先端部の破断又は不可逆的な変形の後、その後の容器の開口及び閉鎖に必要な力は、有意に低下することになる。
【0016】
この選択肢の別の実施形態はディスククロージャ(10)であり、このクロージャは、
図8A及び
図8Bに示されているように、可動部品(ディスク)の作動点の部分の下に位置する、クロージャの固定部品に取り付けられた破断可能な機械部品(11)を含む。作動点は、容器クロージャを開口するために消費者が押下するディスクの部分である。クロージャが「閉鎖位置」にあり、かつ、クロージャが開口されたことがない場合、破断可能な機械部品(11)は無傷である。機械部品は、容器の最初の開口の間に破断するように設計されている。ディスククロージャの固定部品の残りの部分からの破断可能な機械部品(11)の破断には、特定の力を必要とする。ディスククロージャへの破断可能な機械部品(11)の取り付けは、容器を初めて開口する際に、前もって決められた特定の力が必要とされるように、設計することができる。したがって、この機構は、初めて容器を開口するための比較的大きい力の必要条件を付与する(製造、輸送、保管又は店舗陳列の間の容器の偶発的な開口を防止する)。意図的な初回開口及び破断可能な又は変形可能な要素の破断又は不可逆的な変形の後、その後の容器の開口及び閉鎖に必要な力は、有意に低下することになる。
【0017】
この選択肢の別の実施形態はツイスト&ロッククロージャであり、このクロージャは、クロージャの可捩部品に取り付けられた破断可能な機械部品を含む。破断可能な機械部品は、クロージャの閉鎖状態において固定部品及び可捩部品を接続しており、最初の捩りによって破断し、初回開口を可能にするために、記載の限界値を上回る力を必要とする。したがって、この機構は、初めて容器を開口するための比較的大きい力の必要条件を付与する(製造、輸送、保管又は店舗陳列の間の容器の偶発的な開口を防止する)。意図的な初回開口及び破断可能な又は変形可能な要素の破断又は不可逆的な変形の後、その後の容器の開口及び閉鎖に必要な力は、有意に低下することになる。
【0018】
この選択肢の別の実施形態はシリコーン弁クロージャであり、このクロージャは、クロージャの固定部品に取り付けられた破断可能な機械部品を含む。この固定要素は、消費者による最初の開口の間に破断される/不可逆的に変形されるまで、シリコーン弁へのアクセスを防止する。シリコーン弁クロージャに典型的に選択される可動部品は、フリップトップ又はねじ込みキャップの設計に従っており、シリコンオリフィスを外部環境から隠している。
【0019】
クロージャが「閉鎖位置」にあり、かつ、クロージャが開口されたことがない場合、破断可能な機械部品は無傷である。機械部品は、容器の最初の開口の間に破断するように設計されている。ディスククロージャの固定部品の残りの部分からの破断可能な機械部品の破断には、特定の力を必要とする。シリコンオリフィスを環境から遮蔽しているキャップへの破断可能な機械部品の取り付けは、容器を初めて開口する際に、前もって決められた特定の力が必要とされるように、設計することができる。したがって、この機構は、初めて容器を開口するための比較的大きい力の必要条件を付与する(製造、輸送、保管又は店舗陳列の間の容器の偶発的な開口を防止する)。意図的な初回開口及び破断可能な又は変形可能な要素の破断又は不可逆的な変形の後、その後の容器の開口及び閉鎖に必要な力は、有意に低下することになる。
【0020】
キノコ型ピン(又は他の破断可能な部品)材料及びプロセス
本発明の実施形態では、PP、HDPE、PETといった一般の射出成形材料など、一般のキャップ材料の非限定的な例が、キノコ型ピン(3)材料に使用され得る。キノコ型ピン(3)又は他の破断可能な/変形可能な要素の作製は、射出成形のための標準的なプラスチック部品製造プロセスに基づく。これらのプロセスでは一般に、規定のプラスチック材料が加熱によって液体状態にされ、圧力を加えて規定の中空空間、即ち、成形型に注入される。この成形型構造体は、液状のプラスチックが冷却後に固まり、成形型から脱離されたときのプラスチック部品の最終的な3次元形状を画定する。プラスチック部品の可動要素の機能性は、プラスチック(規定の鎖長及び規定の機械的特性を有するポリオレフィン)の機械的特性と連結ヒンジを含めた可動要素の厚さ及び形状との両方によって定められる。
【0021】
A.封着
本発明の実施形態は、クロージャの可動部品をクロージャの固定部品と係合させている係合要素を有するディスクトップクロージャであり、係合は、1つ以上の場所においてクロージャ機構の可動部品及び固定部品を共に封着することによって達成される。これは、両部品のプラスチック表面の(1)溶接、(2)糊付け、又は(3)テープ貼り付けによって達成することができる。テープ貼り付けでは、穿孔接着フィルムが使用される。
【0022】
ここでもまた、初回開口、及び溶接された、糊付けされた、又はテープ貼り付けされた部品を有するクロージャには、規定の限界力が必要となる。初回開口後は部品間の封着が不可逆的に破壊されているので、その後の容器の開口及び閉鎖に必要な力は有意に低下することになる。本発明の容器は、クロージャ部品間の封着の存在又は場所を消費者に伝えることは意図していない。したがって、破断点は、好ましくは、通常の保管及び使用下において利用者に対して目立たない領域に位置する。
【0023】
溶接材料及びプロセス
本発明の実施形態では、PP、高密度ポリエチレン(HDPE)、PET、PET−G、ポリ塩化ビニル(PVC)などの一般のキャップ材料の非限定的な例が、溶接材料に使用され得る。
【0024】
封着選択肢の一実施形態は、クロージャの可動部品及び固定部品を共に溶接することによって封着が達成される、ディスククロージャ又は可動フリップトップ(1)クロージャである。溶接は、(i)熱エネルギー(表面を加熱する)、(ii)超音波、(iii)レーザなどの光、又は(iv)表面の加圧などの圧力といった様々な市販のエネルギー源の適用によって実施することができる。エネルギーの適用は、クロージャのプラスチック材料の部品を軟化又は融解させ、1つ以上の場所においてクロージャの可動部品及び固定部品を共に封着する。溶接イベントの場所は、部品の3次元形状に基づいて選択されることができる。溶接は、キャップの外側(消費者から見える領域、
図3)でも内側(見えない側、
図4)でも行うことができる。一例は、ピン(6)の溶接がオリフィス(4)の内側にある。本発明の一実施形態では、レーザ技術の適用は、プラスチック部品の3次元領域の内側にある位置での2つの部品の溶接を可能にする(
図4)。
【0025】
封着選択肢の別の実施形態は、クロージャの可動部品及び固定部品を共に糊付けすることによって封着が達成される、ディスククロージャ又は可動フリップトップ(1)クロージャである。これは、例えば、中粘着性の糊又は接着剤(8)をいずれか又は両方の表面に塗布することによって達成される。規定の圧力での閉鎖及び対応の硬化時間後、初回開口には、開口力において意図された一回限りの増強が必要になる。糊は、所望の開口力となるのに必要な粘着性を提供する、対応のクロージャプラスチック材料に適した任意の市販の糊であってよい。好ましくは、糊は、初回開口後及び使用中の開口−閉鎖サイクルにおいて再び接着することはできない。中粘着性の糊(8)は、規定の保持力/接着力を有する接着剤である。このような接着剤は、消費者が雑誌と小袋のどちらも損傷させることなく試供品を剥がすことができるように、小袋に入った化粧製品の試供品を保持するために雑誌で使用されるものと同様のものである。可逆的な中粘着性の糊についての別の一般の使用は、ポスター又は軽量の絵画を壁に固定するために使用される「パワーストリップ(Power Stripes)」であり、意図された使用の後に残留物なしで剥がすことが可能である。
【0026】
封着選択肢の別の実施形態は、接着剤が塗られた穿孔フィルム(9)をクロージャの蓋及び本体の上に貼り付けることによって封着が達成される、ディスククロージャ又は可動フリップトップ(1)クロージャである。所望の開口力において必要な結果を提供することができる対応のクロージャプラスチック材料に適している任意の市販の穿孔フィルムを使用することができる。穿孔フィルムは、「ホール部」及び「ランド部」を有するように設計されている。ランド部は、ホール部の間の領域である。クロージャを初めて開口する際にテープを破るのに必要な引き裂き力は、フィルムの材料及び厚さ、ホール部とランド部との比、並びにホール部間の距離を含む様々な要因に依存する。したがって、穿孔フィルムは、所望の開口力を達成するように設計することができる。
【0027】
封着選択肢の別の実施形態は、クロージャの可動部品及び固定部品を接続する破断可能なスプリント(7)を利用することによって封着が達成される、ディスククロージャ又は可動フリップトップ(1)クロージャである。これにより、輸送及び保管の間に堅固なクロージャが維持される。スプリントを有するクロージャは、2工程のプロセスを使用した射出成形で製造することができる。第1の工程、即ち、射出成形工程は、閉鎖位置においてクロージャの可動部品と固定部品の両方にまたがる中空空間を含むクロージャをもたらす。中空空間は、その後の第2のプロセス工程において、当業者にとって周知の射出成形を用いて液状のプラスチックが充填される。充填には、クロージャの残りの部分と同じ又は異なるポリマー樹脂を使用することができる。充填は、冷却時又は熱硬化時に固化又は硬化する。プラスチックの硬化後、プラスチックはスプリントを形成する。その後、スプリントは、十分な力、即ち、限界値を上回る力が使用されると、クロージャの初回開口の間に破壊される。限界値は、中空空間の形状、スプリントの材料及び使用されたプロセスに依存することになる。
【0028】
従来の溶接手段によってクロージャの2つの部品の間に接続を作成しており、溶接手段の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:あらゆる種類の射出成形された3次元設計、両要素を構成している材料のポリマー鎖の物理的な接続又は両方のプラスチック表面の間に化学的な結合を形成することができる特定の接着剤の塗布による、近接している2つのプラスチック表面を結合する全ての市販の手段。両要素の材料のポリマー鎖の物理的な接続のために必要なエネルギー源は、熱エネルギー(熱)、レーザ光、超音波又は圧力などの任意の市販の発生源であってよい。
【0029】
本発明の実施形態では、溶接ステーションは、キャップが方向付けられた方法でその中に搬送されるだけでよい独立した単位操作であり得る。
【0030】
本発明の実施形態では、代替溶接技術の使用が考慮され得る。非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
1.内側(ピン−オリフィス間)又は外側(蓋−本体間)でレーザ溶接する
2.熱溶接する(レーザに記載したのと同様に両方の位置で可能)
3.超音波溶接する(レーザに記載したのと同様に両方の位置で可能)
4.クロージャの蓋と本体との間に中粘着性の糊を塗布する(キャップメーカーにおいて、別個の装置)
クロージャの蓋及び本体の上に剥離可能なテープを貼り付ける(キャップメーカー又は製造プラントにおいて、別個の装置)
【0031】
レーザによって修正される部品は、プロセスの間、特別に設計された治具内に固定される。これにより、部品の3次元形状に基づいた最適な環境内に位置付けられて、およそ2×2mmの規定のスポットにおいて溶接操作を精密に実行することが可能になる。透明な部品の場合、溶接位置は、2つの部品の実際の接続面においてプラスチック部品の内側になるように選択される。レーザビームは、最初に透明なプラスチックの第1の層を通過し、固体プラスチックパートの内側にある規定の焦点においてのみエネルギーを放出する。非透光性のプラスチック構成要素の場合、エネルギー放出の区域は、プラスチック部品の外側であるが2つの要素が近接している(acre in)領域内に留まるように選択される。形状及び所望の開口力に応じて、1つ又は複数のレーザ溶接点(5)を適用することができる。レーザタイプ、波長及びエネルギー/インパルス継続時間の選択は、溶接される部品の材料特性に依存している。PPダイオードの場合
【実施例】
【0032】
レーザ光を利用して、クロージャの内側に位置する単一の位置でピンアンドホール型の穴と共にピン(6)を可動フリップトップ(1)クロージャと一体に溶接する。クロージャは、消費者製品液体容器に取り付けられている。溶接の位置の結果として、溶接は容器の利用者から見えなくなっている。容器を初めて開口する際に必要な最小の力は、以下に示す方法を使用して測定し、記録する。この初回開口の間に、溶接取付部は破壊される。次いで、初回開口後に容器を開口するのに必要な力を、同じ装置を使用して測定し、記録する。実験は10回繰り返し、必要な初回開口力及び初回開口後の必要な開口力の両方について平均及び標準偏差を算出する。以下の表に記載の収集データは、初回開口に必要な力が、初回開口後にクロージャを開口するのに必要な力よりも有意に大きいことを示している。
【0033】
ディスククロージャの場合、同じ実験プロトコルを繰り返すことができる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
レーザによって溶接する方法
レーザを使用して溶接される部品は、プロセスの間、特別に設計された治具内に固定する。これにより、部品の3次元形状に基づいた最適な環境内に位置付けられて、およそ2×2mmの規定のスポットにおいて溶接操作を精密に実行することが可能になる。半透明の部品の場合、溶接位置は、2つの部品の実際の接続面においてプラスチック部品の内側になるように選択する。レーザビームは、最初に透明なプラスチックの第1の層を通過し、固体プラスチックパートの内側にある規定の焦点においてのみエネルギーを放出する。非透光性のプラスチック構成要素の場合、エネルギー放出の区域は、プラスチック部品の外側であるが2つの要素が近接している領域内に留まるように選択する。形状及び所望の開口力に応じて、1つ又は複数のレーザ溶接点(5)を適用することができる。レーザタイプ、波長及びエネルギー/インパルス継続時間の選択は、溶接される部品の材料特性に依存する。非限定的な実施例では、波長990nm、エネルギー20W及びインパルス継続時間0.1〜0.3秒を有するPPダイオードレーザを使用する。
【0037】
パッケージ開口力を測定する方法
パッケージクロージャの開口力は、想定される力の範囲に適用可能なロードセルを有する装置を使用して測定する。装置は、引張と圧縮の両方の試験を行うことができる。治具を使用して、測定の間、容器を適所に保持する。開口力を試験するパッケージは、測定を実施する前に少なくとも4時間室温に置く。
【0038】
フリップトップクロージャの場合、T型先端部をロードセルに取り付ける。T型先端部は、ヒンジの反対側でクロージャのリフトタブ(又はリップ)の下に位置付け、T型先端部を上方に移動させる試験速度は、設計意図を支持する動きでクロージャを引いて開口状態になるように、毎分225mmである。T型先端部は、クロージャを完全に開口させるほど十分遠い距離を移動することができるようにする。ディスククロージャの場合、クロージャを十分に開口させ、「閉鎖」から「開口」位置を達成するために垂直に適用した力を測定する。いずれの場合でも、測定手順の間に検出された力の最大値を記録する。プロセスは10回繰り返し、平均値を算出する。
【0039】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0040】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか、又は別途制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、その文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、又はその文献が単独で、あるいは任意のその他の参照文献との任意の組み合わせにおいて、かかる発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示することを認めるものでもない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0041】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。