(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
先に、本明細書における用語法は、特に説明がない場合であっても、以下による。
(1)金属というときは、金属元素単体のみならず、複数の金属元素を含む合金、金属間化合物を含むことがある。
(2)ある単体の金属元素に言及する場合、完全に純粋に当該金属元素のみからなる物質だけを意味するものではなく、微かな他の物質を含む場合もあわせて意味する。すなわち、当該金属元素の性質にほとんど影響を与えない微量の不純物を含むものを除外する意味ではないことは勿論、たとえば、母相という場合、Snの結晶中の原子の一部が他の元素(たとえば、Cu)に置き換わっているものを除外する意味ではない。例えば、Al、Co、Fe、Mn、Mo、Crのような前記他の物質または他の元素は、金属粒子中、0〜1質量%含まれる場合がある。
(3)エンドタキシャル接合とは、金属・合金となる物質中(本発明ではSnおよびSn−Cu合金を含む母相)に金属間化合物が析出し、この析出の最中にSn−Cu合金と金属間化合物とが結晶格子レベルで接合し、結晶粒を構成することを意味している。エンドタキシャルという用語は公知であり、例えばNature Chemisry 3(2): 160-6、2011年の160頁左欄最終パラグラフに記載がある。
【0012】
本発明における、前記微細空間内の導体(以下、本発明の導体と呼ぶことがある)は、下記の金属粒子(以下、本発明の金属粒子と呼ぶことがある)を用いて形成することができる。
【0013】
図1は、本発明の金属粒子をFIB(集束イオンビーム)で薄くカッティングした断面のSTEM像である。
図1で示される金属粒子の粒子径は、およそ5μmであるが、本発明の金属粒子の粒子径は、微細空間のサイズに合わせたものであることができ、例えば好適には1μm〜50μmの範囲である。
図1の金属粒子を参照すると、該金属粒子は、SnおよびSn−Cu合金を含む母相140中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物120を有している。
【0014】
本発明の金属粒子は、例えばCuが0.7〜15質量%、Niが0.1〜5質量%、Geが0.001〜0.1質量%、残部がSnであり、好ましくは、Cuが1〜15質量%、Niが0.1〜3質量%、Geが0.001〜0.01質量%、残部がSnである。
【0015】
本発明の金属粒子は、例えば8質量%Cu、1質量%Ni、0.001質量%Geおよび残部がSnからなる組成の原材料から製造することができる。例えば、該原材料を溶融し、これを窒素ガス雰囲気中で高速回転する皿形ディスク上に供給し、遠心力により該溶融金属を小滴として飛散させ、減圧下で冷却固化させることにより得られる。
【0016】
本発明の金属粒子の製造に好適な製造装置の一例を
図2を参照して説明する。粒状化室1は上部が円筒状、下部がコーン状になっており、上部に蓋2を有する。蓋2の中心部には垂直にノズル3が挿入され、ノズル3の直下には皿形回転ディスク4が設けられている。符号5は皿形回転ディスク4を上下に移動可能に支持する機構である。また粒状化室1のコーン部分の下端には生成した粒子の排出管6が接続されている。ノズル3の上部は粒状化する金属を溶融する電気炉(高周波炉)7に接続されている。混合ガスタンク8で所定の成分に調整された雰囲気ガスは配管9及び配管10により粒状化室1内部及び電気炉7上部にそれぞれ供給される。粒状化室1内の圧力は弁11及び排気装置12、電気炉7内の圧力は弁13及び排気装置14によりそれぞれ制御される。ノズル3から皿形回転ディスク4上に供給された溶融金属は皿形回転ディスク4による遠心力で微細な液滴状になって飛散し、減圧下で冷却されて固体粒子になる。生成した固体粒子は排出管6から自動フィルター15に供給され分別される。符号16は微粒子回収装置である。
【0017】
溶融金属を高温溶解から冷却固化させる過程は、本発明の金属粒子を形成するために重要である。
例えば次のような条件が挙げられる。
溶解炉7における金属の溶融温度を600℃〜800℃に設定し、その温度を保持したまま、ノズル3から皿型回転ディスク4上に溶融金属を供給する。
皿形回転ディスク4として、内径60mm、深さ3mmの皿形ディスクを用い、毎分8万〜10万回転とする。
粒状化室1として、9×10
-2Pa程度まで減圧する性能を有する真空槽を使用して減圧した上で、15〜50℃の窒素ガスを供給しつつ排気を同時に行って、粒状化室1内の気圧を1×10
−1Pa以下とする。
【0018】
また、本発明の金属粒子における金属間化合物の組成は、Sn、Cu、Ni、Geの原子数の比として、例えばSn40〜60、Cu30〜50、Ni4〜9、Ge0.001〜0.01である。
【0019】
また、本発明の金属粒子における金属間化合物の割合は、金属粒子全体に対し、例えば20〜60質量%であり、30〜40質量%が好ましい。
前記金属間化合物の組成および割合は、前記金属粒子の製造条件に従うことにより満たすことができる。
【0020】
本発明の金属粒子は、前記Sn−Cu合金および前記金属間化合物の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなることが好ましい。上述のように、エンドタキシャル接合とは、金属・合金となる物質中(本発明ではSnおよびSn−Cu合金を含む母相)に金属間化合物が析出し、この析出の最中にSn−Cu合金と金属間化合物とが結晶格子レベルで接合し、結晶粒を構成するものである。エンドタキシャル接合の形成により、金属間化合物の脆さの課題を解決できるとともに、下記で説明するSnの結晶構造の変化による機械的強度の低下も抑制でき、更に高い耐熱性及び機械的強度を有する導体を提供できる。なお、本発明の金属粒子を用いて形成された本発明の導体は、金属粒子のエンドタキシャル接合が維持されることを本発明者らは確認している。
本発明の金属粒子のエンドタキシャル接合は、本発明の金属粒子を形成するための、溶融金属を高温溶解から冷却固化させる条件にしたがって形成することができる。
【0021】
Snの結晶構造は、約13℃〜約160℃の温度領域では正方晶(なお、正方晶の結晶構造を有するSnをβ−Snという。)であり、これより低い温度領域になると立方晶(なお、立方晶の結晶構造を有するSnをα−Snという。)に結晶構造が変化する。また、β−Snの結晶構造は、約160℃を超える温度領域で高温相結晶の斜方晶に変化する(なお、斜方晶の結晶構造を有するSnをγ−Snという。)。そして、とりわけ正方晶のβ−Snと立方晶のα−Snの間の相転移時には、大きな体積変化が生じることが一般的に知られている。
本発明の金属粒子は、約160℃以下でも(たとえば、常温でも)高温相結晶を含有している。たとえば、この金属粒子を加熱する際に、当該金属材料を完全には溶融させない半溶融状態とし、金属間化合物と母相とのエンドタキシャル接合を含む状態とすれば、冷却後の160℃以下の温度領域でも高温相結晶を含む状態を維持する。そして、かかる高温相結晶は、ある程度まで温度を下げても、正方晶の低温相結晶β−Snへの相転移を起こしにくく、正方晶のβ−Snに相転移しないままのSnについては、α−Snへの相転移が生じず、温度の低下によるα−Snへの相転移に伴う大きな体積変化が生じない。したがって、160℃以下の温度領域でも(たとえば、常温でも)高温相結晶を有するSnを含む導体は、Snを組成に含む他の導体(すなわち、160℃以下の温度領域でも高温結晶相を意図的には含ませていないもの)よりも、温度変化による体積変化が低減される。
したがって、本発明の金属粒子は、幅広い温度領域で(たとえば、常温でも)高温相結晶相を含有し、正方晶の低温相β−Snが生じることを出来る限り回避することによって、温度変化による正方晶のβ−Snから立方晶のα−Snへの相転移に伴う大きな体積変化を起こしにくいという性質を有するため、導体を形成するための材料に有用である。
【0022】
上記Snの結晶構造の変化の抑制による効果は、金属粒子中のエンドタキシャル接合によって良好に奏される。
【0023】
また本発明の金属粒子において、エンドタキシャル接合は、母相と金属間化合物との接合面の全体を100%としたとき、30%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。前記エンドタキシャル接合の割合は、例えば次のようにして算出できる。
下記
図1で示すような金属粒子の断面を電子顕微鏡写真撮影し、金属間化合物とSn−Cu合金との接合面を任意に50か所サンプリングする。続いて、その接合面を画像解析し、下記
図4に示すようなエンドタキシャル接合が、サンプリングした接合面に対してどの程度存在するのかを調べる。
【0024】
本発明の導体は、上述のように、本発明の金属粒子を用いて形成することができる。該金属粒子を用いて形成された本発明の導体は、該金属粒子の結晶構造と同様の結晶構造を有することが、本発明者らによって確認されている。
【0025】
すなわち、本発明の導体の組成は、例えばCuを0.7〜40質量%、Niを0.1〜5質量%およびGeを0.001〜0.01質量%含み、好ましくは、Cuを1〜15質量%、Niを1〜3質量%およびGeを0.001〜0.01質量%含む。
また、本発明の導体における前記金属間化合物の組成は、Sn、Cu、Ni、Geの原子数の比として、例えばSn40〜60、Cu30〜50、Ni4〜9、Ge0.01〜0.06である。
また、金属間化合物は、Snを60〜95質量%、Cuを4〜40質量%、Niを0.1〜5質量%およびGeを0.01〜0.06質量%含む。
また、本発明の導体における金属間化合物の割合は、導体に対し、例えば50〜90質量%であり、60〜80質量%が好ましい。
【0026】
本発明の導体は、前記Sn−Cu合金および前記金属間化合物の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなることが好ましい。エンドタキシャル接合は、Sn−Cu合金と金属間化合物との接合面の全体を100%としたとき、30%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。
【0027】
次に本発明の導体の形成方法の具体例について説明する。
本発明の導体は、微細空間に充填可能な大きさの本発明の金属粒子を準備し、これを液状分散媒中に分散させて分散液を得る工程(1)と、真空下、前記分散液を前記微細空間内に充填する工程(2)と、前記工程(2)を経た後、前記微細空間に対し遠心力を施し加圧する工程(3)と、を有する方法により形成することができる。
【0028】
前記工程(1)において、前記液状分散媒としては、フラックス、マロン酸等の有機酸、エタノール等のアルコール類、またはこれらの混合物等が挙げられ、液状分散媒中の本発明の金属粒子の含有量は、例えば70〜90質量%が好ましく、87〜82質量%がさらに好ましい。
【0029】
前記工程(2)は、真空下、前記分散液を前記微細空間内に充填する工程である。
この工程(2)は、例えば、真空スクリーン印刷法等の公知の技術により行うことができる。前記真空スクリーン印刷法としては、例えば公知の真空スクリーン印刷機を用い、具体的には、真空スクリーン印刷機の真空チャンバに対象物を設置し、該真空チャンバ内の真空度を10
2〜10
4Pa程度とし、該真空チャンバ内にて対象物表面に工程(1)で調製した分散液(ペースト)を添加し、スキージー動作、印刷埋め込み開始、刷り込み動作を行った後、該真空チャンバ内を大気圧に戻し、対象物を取り出すステップを経て行うことができる。
【0030】
前記工程(3)は、前記工程(2)を経た後、前記微細空間に対し遠心力を施し加圧する工程である。
この工程(3)は、例えば、遠心分離機に対象物を設置し、遠心分離機内雰囲気を例えば窒素のような不活性ガスで置換した後、例えば55〜1000×g程度で前記微細空間に対し遠心力を施し加圧する工程が挙げられる。また、エンドタキシャル接合形成のために、本発明の金属粒子には、220℃〜250℃の加熱を施すのがよい。
【0031】
また、この工程(3)を行った後、工程(4)として、加圧チャンバー内で0.11MPa〜0.3MPa程度の雰囲気圧力を前記対象物に施す形態が好ましい。雰囲気圧力の制御は常法にしたがい行えばよく、加圧時間は例えば1分〜60分程度である。また工程(4)においては、50〜250℃に雰囲気温度を上昇させることが好ましい。
【0032】
なお、上記工程(4)において雰囲気温度を上記のように上昇させると、溶剤のような前記微細空間内の前記液状分散媒を蒸発させることができる。これにより、前記微細空間内の導体がより緻密構造となる。
【0033】
本発明の工程(2)および(3)によれば、上記特定の方法を組み合わせて前記分散液(機能性材料)を微細空間内に充填するから、本来、充填の困難な微粉末を、機能性材料の流動性を利用して、微細空間内に例えば溶剤ともに確実に充填することができる。なお、本発明の工程(3)または工程(4)を経た後は、冷却工程を行うことが好ましい。冷却温度は、使用する本発明の金属粒子の融点を考慮して適宜設定すればよい。
【0034】
前記微細空間内の金属粒子は、母相が溶融金属凝縮抑えアンカーの役割を果たし、金属間化合物は金属拡散接合の役割をなし微細空間での導通孔配線及び放熱材の役割を果たし、得られた導体は電気抵抗が低く、機械的強度に優れる。
【0035】
なお、本明細書において、分散液とは、微細な金属粒子が液体の分散媒中に分散した懸濁液又はペーストを言い、同じ粒度の粒子がそろった単分散系,粒度が不ぞろいに変化する多分散系の両系を含む。また、粗粒の分散系のみならず、コロイダルな分散系をも含む。
【0036】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
図5は、本発明の一実施形態を説明するための、微細空間の断面図である。
まず、微細空間103を有する対象物100を準備する(
図5(a))。対象物100には、ウエハ、回路基板、積層基板、半導体チップ、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)等、微細空間を有する電子機器基板が広く含まれる。微細空間103には、TSV(Through Silicon Via)で代表される貫通孔、非貫通孔(盲孔)等が含まれる。微細空間103の内壁面は、絶縁膜又は絶縁層によって構成されている。
【0037】
対象物100に設けられた微細空間103は、貫通孔又は非貫通孔であり、開口部の孔径D1、深さH1を有している。孔径D1は、例えば1μm〜300μmであり、好ましくは10μm〜100μmであり、深さH1は、孔径D1とのアスペクト比が、1以上10以下、好ましくは5以上10以下となる値である。対象物1が、例えばウエハである場合には、上述した微細空間103は、ウエハ面内に多数設けられる。
【0038】
上述した対象物100の微細空間103に、機能性材料50を充填する。機能性材料50は、本発明の金属粒子52を液状分散媒51中に分散させた(
図5(b))ものでなる。充填方法は、上記本発明の工程(2)および(3)で説明した通りである。
【0039】
次に、液状分散媒51を蒸発させた後、冷却固化することにより、微細空間3の内部においてち密な構造を持ち、電気抵抗が低く、機械的強度に優れた導体が形成される(
図5(c))。
【0040】
本発明の金属粒子は、樹脂膜で被覆された金属粒子500であることが好ましい。樹脂被覆された金属粒子は、酸化防止及び凝集防止作用が得られるからである。その概念図を、
図6に示した。
図6を参照すると、金属粒子501が、樹脂膜502で被覆されている。樹脂膜502は、酸化防止膜及び凝集防止膜として機能する。そのような技術は、例えば、特開2006−22384号公報で知られている。
【0041】
特開2006−22384号公報に開示された技術によれば、金属粒子の表面が樹脂層で被覆された樹脂被覆金属粒子を製造するに当たり、金属粒子として、トリアジンチオール化合物で表面処理された金属粒子と、重合性反応基を有し且つトリアジンチオール化合物と反応し得る有機化合物とを反応させて得られた表面に重合性反応基を有する金属粒子を用い、前記表面に重合性反応基を有する金属粒子と、重合性単量体との重合によって樹脂被覆を行う。
【0042】
上述のようにして樹脂膜502で被覆した金属粒子500は、液状分散媒中に分散され、機能性材料を構成する。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明が下記例に制限されるものではない。
【0044】
(実施例1)
(金属粒子の調製)
原材料として8質量%Cu、1質量%Ni、0.001質量%Geおよび残部がSnからなる組成の原材料を用い、
図2に示す製造装置により、直径約3〜40μmの金属粒子1を製造した。
その際、以下の条件を採用した。
溶解炉7に溶融るつぼを設置し、その中に上記原材料を入れ、650℃で溶融し、その温度を保持したまま、ノズル3から皿型回転ディスク4上に溶融金属を供給した。
皿形回転ディスク4として、内径60mm、深さ3mmの皿形ディスクを用い、毎分8万〜10万回転とした。
粒状化室1として、9×10
-2Pa程度まで減圧する性能を有する真空槽を使用して減圧した上で、15〜50℃の窒素ガスを供給しつつ排気を同時に行って、粒状化室1内の気圧を1×10
−1Pa以下とした。
【0045】
得られた金属粒子1は、前記
図1に示すような断面を有していた。
図3は、
図1で示した金属粒子断面のEDSによる元素マッピング分析結果である。この分析結果から、Cuが10.24質量%、Niが0.99質量%、Geが0.001質量%、残部Snであることが判明した。
【0046】
また、金属粒子1における金属間化合物は、金属粒子中、30〜35質量%を占めていた。
【0047】
図4は、金属粒子1の実施例1で得られた金属粒子断面のSTEM像および部分分析結果である。
図4上段を参照すると、SnおよびSn−Cu合金を含む母相140中に、Sn、Cu、NiおよびGeからなる金属間化合物120が存在していることが分かる。また、母相140と金属間化合物120との間で、格子定数(および結晶方位)が揃い(
図4では0.3nm)、それぞれの結晶が、連続的に結晶格子レベルで接合していることが確認された。すなわち、
図4上段によれば、格子の接合が実現していることからエンドタキシャル接合であることが確認され、なおかつ、
図4下段の母相140と金属間化合物120の界面の透過型電子回折パターンによれば、その結晶間にはバッファー層がないことも確認された。
【0048】
また
図4から、本実施例の金属粒子におけるSnの少なくとも一部が、常温下でも高温相結晶を含有していることが分かった。
【0049】
(導体の形成)
微細空間を有する対象物として、TSV(Through Silicon Via)における貫通孔を準備した。
該貫通孔は、孔径が15μmであり、かつアスペクト比が4であった。
【0050】
液状分散媒としてマロン酸/エタノールを用い、前記本発明の金属粒子を分散させ、分散液を調製した(工程(1))。
【0051】
得られた分散液を用い、下記工程(2)および(3)を行い、微細空間3内に分散液を充填した。
【0052】
工程(2):真空チャンバに対象物を設置し、真空チャンバ内の真空度を10
2Paとし、この真空チャンバ内にて対象物表面に分散液を添加し、スキージー動作、印刷埋め込み開始、刷り込み動作を行う真空スクリーン印刷を行った後、大気圧に戻し、対象物を取り出した。
工程(3):前記取り出した対象物を、遠心分離機のチャンバ内ボックスに設置し、チャンバ内ボックス内をN
2雰囲気で充満させ、大気圧、500rpm、1分間の遠心分離を行った。
工程(4):続いて、チャンバ内ボックス内にN
2ガスを加圧導入し、0.2MPaに到達させ、この加圧雰囲気を2分維持したまま、500rpmで遠心分離を行い、2分後、同回転数でチャンバ内ボックス内を230℃、2分間維持し、その後減速遠心を行い、40℃まで冷却し、対象物を取り出した。
【0053】
微細空間3内に形成された導体の断面顕微鏡写真(倍率:1500倍)を
図7に示す。
図7の結果から、微細空間3内に、ち密な構造を有する導体32が形成されていることが判明した。
【0054】
図8は、実施例1で得られた導体の断面における金属間化合物結晶と母相のSn−Cu合金との界面を示すTEM像である。また右下部分は、Sn−Cu合金−金属間化合物結晶界面の透過型電子回折パターンである。このTEM像および回折パターンから、金属間化合物がSn−Cu合金とエンドタキシャル接合した結晶構造を有することが明らかとなった。
【0055】
(比較例1)
上記特許文献1(特許第4278007号公報)に記載された実施形態を追試したところ、後工程で溶融金属を使用した方法では、
図9に示すように、微細な銅配線が崩壊していることが判明した。
【0056】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様及び説明されない他の適用技術分野を想到しえることは自明である。
【解決手段】微細空間を有する電子機器基板であって、前記微細空間内には導体が設けられ、前記導体は、SnおよびSn−Cu合金を含む母相中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物を有する構造であり、前記Sn−Cu合金と前記金属間化合物とは、少なくとも1部の間でエンドタキシャル接合が形成されてなる、電子機器基板によって前記課題を解決した。