特許第6836041号(P6836041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6836041輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6836041
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 79/20 20200101AFI20210215BHJP
   G01R 23/16 20060101ALI20210215BHJP
   G06M 15/00 20110101ALI20210215BHJP
   G06F 17/10 20060101ALI20210215BHJP
   B63H 1/26 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   B63B79/20
   G01R23/16 D
   G06M15/00
   G06F17/10 Z
   B63H1/26 Z
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-127834(P2020-127834)
(22)【出願日】2020年7月29日
【審査請求日】2020年7月29日
(31)【優先権主張番号】201911347560.3
(32)【優先日】2019年12月24日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】初寧
(72)【発明者】
【氏名】王宇軒
(72)【発明者】
【氏名】童威棋
(72)【発明者】
【氏名】鐘尭
(72)【発明者】
【氏名】呉大転
(72)【発明者】
【氏名】楊帥
(72)【発明者】
【氏名】黄濱
(72)【発明者】
【氏名】武鵬
(72)【発明者】
【氏名】曹琳琳
(72)【発明者】
【氏名】秦世傑
(72)【発明者】
【氏名】李詩▲やん▼
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第110489902(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 79/20
G01H 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法であって、
(1)船舶の輻射ノイズ信号を採集し、フーリエ変換により変調スペクトル図を取得す
るステップと、
(2)変調スペクトル図にローカルピークを探索し、ローカルピーク位置における共振
周波数を取得するステップと、
(3)変調スペクトル図における1番目ローカルピークの共振周波数を確定し、軸周波
数を確定するとともに、ローカルピークの数に基づいて共振周波数の数Nを確定するステ
ップと、
(4)軸周波数と翼周波数間の逓倍関係を確定し、他の共振周波数を確定するステップ
と、
(5)各共振周波数位置の平均スペクトルコヒーレント値を確定し、ナイーブベイズの
推断法によりプロペラ翼数を取得するとともに、最後に翼周波数を確定するステップと、
を含み、
ステップ(2)では、ローカルピークを探索するときは、隣り合う両ローカルピークの
共振周波数の差が下記関係を満たし、
ただし、
はn番目ローカルピーク位置の循環周波数の値であり、
ステップ(3)では、軸周波数を確定するときは、1番目ローカルピーク位置の共振周
波数を軸周波数とし、1番目ローカルピーク位置の共振周波数値が0.9Hzより小さけ
れば、それを除去して、2番目共振周波数を軸周波数とする、
ことを特徴とする輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法。
【請求項2】
ステップ(4)では、他の共振周波数を確定する公式は、
であり、ただし、
はn番目共振周波数、

は軸周波数である、ことを特徴とする請求項1に記載の輻射ノイズ変調に基づくプロペラ
翼数特徴の抽出方法。
【請求項3】
各共振周波数位置の平均スペクトルコヒーレント値

区間内の平均コヒーレント値から平均を求めて得られ、ただし、
はサンプリング点
前の5番目サンプリング点から
後の5番目サンプリング点までの区間を示す、ことを特徴とする請求項1に記載の輻射ノ
イズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法。
【請求項4】
ステップ(5)では、ナイーブベイズの推断法に基づいて、取得の共振周波数値と対応の
平均コヒーレント値との間の関係により、該変調スペクトル図はどの類型のプロペラ翼数
の集合に従属するかを確定し、最後にはプロペラ翼数を確定し、
ナイーブベイズ公式は、
であり、ただし、Y={
}(Yはすべての可能のプロペラ翼数の集合、
はその一つのプロペラ翼数、
はプロペラ翼数が3、
はプロペラ翼数が4、
はプロペラ翼数が5、
はプロペラ翼数が6、
はプロペラ翼数が7とする)、X={
}(Xは分類目標の変調スペクトル、
は該変調スペクトルにおける各共振周波数位置の振幅大小関係とする)、P(X)は分類
自身の確率(定常数)、
は各プロペラ翼数の類型
の先験的確率、
は所定Xの
プロペラ翼数類型への従属確率、
はプロペラ翼数類型
のX発生確率、
はプロペラ翼数類型
の変調スペクトルにおける特徴
発生の確率であり、各
を算出すると、
が最大値であれば、Xは類型
に従属する、ことを特徴とする請求項1に記載の輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特
徴の抽出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号の周波数成分の抽出の技術領域に関し、特に輻射ノイズ変調に基づくプロ
ペラ翼数特徴の抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の輻射ノイズは、回転翼(プロペラ)の回転際におけるキャビテーション・ノイズに
より引き起こされる。船舶の輻射ノイズの変調スペクトルは船舶のプロペラ翼数の特徴情
報を含む。各共振周波数と振幅の関係を分析することにより、船舶プロペラの軸周波数、
翼周波数およびプロペラ翼数の特徴量を抽出することができる。
【0003】
民船のプロペラの軸周波数、k翼周波数およびプロペラ翼数の特徴量情報が獲得可能であ
れば、船舶型番の判断に寄与する。海に沿っては密輸・密航などがある。音声センサーに
より船舶のノイズ情報を捕捉し、フーリエ変換により変調スペクトルを取得し、プロペラ
の軸周波数、翼周波数およびプロペラ翼数の特徴量情報を抽出できれば、監督者が船舶の
種類を判断できる。
【0004】
従来、世界では以下のような識別方法が使用されている。変調スペクトルを取得し、変調
スペクトルから幅値のピークおよびピーク位置の共振周波数を読み込む。プロペラ翼数特
徴識別規則(表1)に基づいて、変調スペクトルにおける共振周波数および振幅からプロ
ペラ翼数特徴値を抽出する。P(n)は軸周波数のn番目高調波線スペクトルの幅値を示
す。

【0005】
ところが、船舶の構造、動作状況や環境などによっては、変調スペクトルの構成が複雑で
あり、識別規則に基づいては典型的な場合しか識別できなく、すべての変調スペクトル構
成は適用不可能である。例えば
になった場合、表1のすべてのプロペラ翼数識別規則の条件は満たされるため、プロペラ
翼数を識別できない。
【0006】
中国特許出願201910790217.Xにおいて、回転翼特徴の抽出方法に関して、
回転翼キャビテーション後流微細特徴の多次元統計モデリング方法が開示されたが、抽出
特徴は回転翼の幾何学パラメータと動作状況の特徴に主に限り、軸周波数、翼周波数やプ
ロペラ翼数の特徴に及ばない。
【0007】
戴衛国、邱家興様等は2015年に「ベクトル計算機に多クラス分類適用の船舶プロペラ
翼数識別への研究」が公表されている。目標船舶の輻射ノイズの包絡信号識別スペクトル
に基づいて船舶のプロペラ翼数分類を実行する実験に適応する、誤り訂正コード組合出力
のベクトル計算機に多クラス分類適用の改良アルゴリズムが提案されたが、該方法はベク
トル計算機適用の推断法を利用し、大量の既知サンプル、および変調スペクトルにおける
33次元まで多くの特徴抽出が必要であり、操作が複雑である。また、本文では軸周波数
や翼周波数の具体的識別法は提出されていなった。
【発明の概要】
【0008】
従来の技術問題に対して、本発明は、輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方
法を提出する。各種類民船の輻射ノイズ変調スペクトルを分析することができ、軸周波数
、翼周波数やプロペラ翼数の特徴量の抽出に便利である。
【0009】
この輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法は、下記ステップを含む。
(1)船舶の輻射ノイズ信号を採集し、フーリエ変換により変調スペクトル図を取得する

(2)変調スペクトル図にローカルピークを探索し、ローカルピーク位置における共振周
波数を取得する。
(3)変調スペクトル図における1番目ローカルピークの共振周波数を確定し、軸周波数
を確定するとともに、ローカルピークの数に基づいて共振周波数の数Nを確定する。
(4)軸周波数と翼周波数間の逓倍関係を確定し、他の共振周波数を確定する。
(5)各共振周波数位置の平均スペクトルコヒーレント値を確定し、ナイーブベイズの推
断法によりプロペラ翼数を取得するとともに、最後に翼周波数を確定する。
ステップ1では、取得する変調スペクトル図は循環周波数を横軸とし、平均スペクトルコ
ヒーレント値を縦軸とする。
【0010】
MATLAB(登録商標)ソフトウェアのfindpeaks関数により平均コヒーレン
ト値のローカルピークおよび対応の循環周波数を探索する。MATLAB(登録商標)
のfindpeaksツールボックス関数により元の波形における波ピーク位置を探出す
る。まず、1番目ローカルピークおよびその共振周波数
を探出する。
【0011】
ステップ(2)では、ローカルピークを探索するときは、隣り合う両ローカルピークの共
振周波数の差が下記関係を満たす。
ただし、
はn番目ローカルピーク位置の循環周波数の値である。
【0012】
ステップ(3)では、軸周波数を確定するときは、1番目ローカルピーク位置の共振周波
数を軸周波数とする。もし1番目ローカルピーク位置の共振周波数値が0.9Hzより小
さければ、それを除去して、2番目共振周波数を軸周波数とする。
【0013】
ステップ(4)では、他の共振周波数を確定する公式:
ただし、
はn番目共振周波数、

は軸周波数である。
ステップ(5)では、共振周波数によって対応の平均コヒーレント値を確定する。共振周
波数
位置の平均コヒーレント値は
とする。
はn番目共振周波数位置の幅値を示す。
各共振周波数位置の平均スペクトルコヒーレント値

区間内の平均コヒーレント値から平均を求めて得られる。ただし、
はサンプリング点
前の5番目サンプリング点から
後の5番目サンプリング点までの区間を示す。
【0014】
ステップ(5)では、ナイーブベイズの推断法に基づいて、取得の共振周波数値と対応の
平均コヒーレント値との間の関係により、該変調スペクトル図はどの類型のプロペラ翼数
の集合に従属するかを確定する。最後には、プロペラ翼数を確定する。
サンプルの数が十分である場合、直接にナイーブベイズの推断法を使用してもよく、その
結果も非常に確実的である。サンプルの数量が少ない場合、表1のプロペラ翼数識別規則
における各プロペラ翼数時の幅値間の関係に基づいてアナログサンプルを生成して、判断
目標の変調スペクトル図を分類してもよい。その分類結果はプロペラ翼数となる。ナイー
ブベイズ公式:
ただし、Y={
}(Yはすべての可能のプロペラ翼数の集合、
はその一つのプロペラ翼数、
はプロペラ翼数が3、
はプロペラ翼数が4、
はプロペラ翼数が5、
はプロペラ翼数が6、
はプロペラ翼数が7とする)、X={
}(Xは分類目標の変調スペクトル、
は該変調スペクトルにおける各共振周波数位置の振幅大小関係とする)、P(X)は分類
自身の確率(定常数)、
は各プロペラ翼数の類型
の先験的確率、
は所定Xの
プロペラ翼数類型への従属確率、
はプロペラ翼数類型
のX発生確率、
はプロペラ翼数類型
の変調スペクトルにおける特徴
発生の確率である。各
を算出すると、
が最大値であれば、Xは類型
に従属する。
【0015】
ナイーブベイズ推断法は、ベイズ定理(Bayes´ Theorem)に基づき、各特
徴条件は相互独立的であると考えられる。事前に提供される訓練集合サンプルによって入
力から出力までの同時確率分布を学習し、学習により得られたモデルに基づいて、分類目
標Xを入力して、後験的確率Yが最大にできる出力を求めるものである。
軸周波数およびプロペラ翼数を取得すると、翼周波数はプロペラ翼数×軸周波数である。
従来の技術に比べて、本発明は下記の効果を有している。
本発明は、ローカルピークの探索に限定条件を加味することにより、位置が近い両ローカ
ルピークを識別しないようにできる。軸周波数の確定に限定条件を加味することにより、
ノイズの影響で過低軸周波数を識別する誤り判断を避けることができる。共振周波数位置
のピークを確定するときは、一つの周波数区間内でピーク平均値を求める。プロペラ翼数
を判断するときは、ナイーブベイズの推断法を使用する。その優勢は小サンプルに適用可
能であるとともに、従来の技術に述べた従来の識別規則により解決できない問題を解決で
きる。最後に、様々な変調スペクトル構成から軸周波数、翼周波数やプロペラ翼数特徴量
を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法の模式的フローチャート図である。
図2】本発明の実施例に係る特徴抽出目標の変調スペクトルである。
図3】本発明の実施例に係るMATLAB(登録商標)のfindpeaks関数により得られるピークを示す図である。
図4】本発明の実施例に係る判断により得られる軸周波数の周波数を示す図である。
図5】本発明の実施例に係る最後に識別した結果図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面および実施例を参考しながら本発明をさらに詳しく説明する。特筆すべきのは
、実施例の作用は、本発明を容易に理解させることにあり、発明の制限としてはならない
【0018】
図1に示されるように、輻射ノイズ変調に基づくプロペラ翼数特徴の抽出方法は下記ステ
ップを含む。
S01:本例では、ある商船からの輻射ノイズを用いる。商船のプロペラ翼数は3、商船
のプロペラ回転数は111回転/分、翼周波数は5.55Hz、軸周波数は1.85Hz
とする。商船の輻射ノイズを短時間フーリエ変換することにより変調スペクトルを取得す
る。変調スペクトル図においてローカルピーク、およびローカルピーク位置の共振周波数
を探索する。
【0019】
特徴抽出目標の変調スペクトルは図2に示される。該ステップにおいては、Matlab
中のfindpeaks関数により平均コヒーレント値のローカルピーク、および対応の
循環周波数を探索する。
隣り合う両ローカルピークの共振周波数の差は下式の関係を満たす。
式中、
はn番目ローカルピーク位置の循環周波数の値である。ピークの探索結果は図3に示され
る。
【0020】
S02:軸周波数およびその共振周波数を確定する。もし1番目ローカルピーク位置の共
振周波数値が0.9Hzより小さいければ、それを除去し、2番目共振周波数を軸周波数
とする。軸周波数は
とする。図4に示されるように、本実施例において
とし、1番目ローカルピーク位置の共振周波数が0.9Hz未満でないという条件を満た
し、1番目位置の共振周波数が軸周波数であり、
となっている。ローカルピークの数により、共振周波数の数Nを確定する。本例では、7
つのピークがあるから、N=7となる。
【0021】
S03:軸周波数および翼周波数の逓倍関係により、他の共振周波数の値を確定する。
軸周波数および翼周波数は逓倍関係:
(ただし、
はn番目の共振周波数、
とする)ので、
逓倍関係に基づいて、軸周波数が既定であれば、翼周波数位置の可能の共振周波数を確定
することができる。
【0022】
S04:各共振周波数位置の平均スペクトルコヒーレント値を確定する。
誤差が存在するので、各共振周波数位置のコヒーレント値を計算するときは、
区間内の平均コヒーレント値の平均を求めて、
位置の平均コヒーレント値
を得られる。ただし
はサンプリング点
前の5番目サンプリング点から
後の5番目サンプリング点までの区間を示す。
【0023】
S05:ナイーブベイズ推断法に基づいて、プロペラ翼数を取得する。分類問題を解決す
る。即ちナイーブベイズの推断法に基づいて、得られた共振周波数値と対応の平均コヒー
レント値間の関係により、該変調スペクトル図がどの種類のプロペラ翼数の集合に従属す
るかを確定する。最後には、プロペラ翼数を確定する。本例では、得られた変調スペクト
ル図における幅値間の関係は
ある。ナイーブベイズの推断法に基づくナイーブベイズの公式:
本例では、Y={
}(Yはすべての可能のプロペラ翼数の集合、
はその一つのプロペラ翼数、
はプロペラ翼数が3、
はプロペラ翼数が4、
はプロペラ翼数が5、
はプロペラ翼数が6、
はプロペラ翼数が7である)、X={
}(Xは分類目標の変調スペクトル、
は該変調スペクトルにおける各共振周波数位置の振幅の大小関係である。またP(X)は
分類自身の確率である(定乗数)。
は各プロペラ翼数類型の先験的確率、即ち
の確率である。
は所定Xの
プロペラ翼数類型への従属確率である。
はプロペラ翼数類型
のXの発生確率である。
はプロペラ翼数類型
の変調スペクトルにおける特徴
発生の確率である。各
を計算すると、
が最大値であれば、Xが類型
に従属すると思われる。
【0024】
プロペラ翼数の変調スペクトル図の大量サンプルが既知であり、或いは表1の規則により
模擬したサンプルによれば
が既定量であるから、
を算出できる。本例では、得られる変調スペクトル図における幅値間の関係は
がある。該変調スペクトル図における振幅間の関係はXのある特徴
により示される。最後に計算により
が最大値となる。したがって、プロペラ翼数が3であると確定できる。最後に翼周波数は
プロペラ翼数×軸周波数となっており、即ち翼周波数は5.565Hzとなる。最後の識
別結果は図5に示される。
【0025】
上記の実施例の説明は、本発明の方法およびその精神を理解するためのものである。当業
者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、本発明をいくつかの改良および修正を
加えて実施することもでき、これらの改良および修正はすべて本発明の保護範囲に含まれ
ることは言うまでもない。
【要約】      (修正有)
【課題】簡単な操作で船舶の種類を判断するために、音声センサによるプロペラの軸周波数、翼周波数およびプロペラ翼数の特徴量情報を抽出する方法を提供する。
【解決手段】(1)船舶の輻射ノイズ信号を採集し、フーリエ変換により変調スペクトル図を取得するステップと、(2)変調図にローカルピークを探索し、ローカルピーク位置における共振周波数を取得するステップS01と、(3)変調図における1番目ローカルピークの共振周波数を確定し、軸周波数を確定するとともに、ローカルピークの数に基づいて共振周波数の数Nを確定するステップS02と、(4)軸周波数と翼周波数間の逓倍関係を確定し、他の共振周波数を確定するステップS03と、(5)各高調波周波数位置の平均スペクトルコヒーレント値を確定しS04、ナイーブベイズの推断法によりプロペラ翼数を取得するS05、とともに、最後に翼周波数を確定するステップと、を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5