(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0019】
(第1実施形態)
第1実施形態におけるリレー装置の構成について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態のリレー装置は、例えば車両に搭載され、車載部品への電流供給のオン、オフを行うものとして適用されると好適である。
【0020】
リレー装置1は、
図1に示されるように、ケース10と、本体部20と、レジスタ50と、スカート60とを有する構成とされている。なお、
図1は、
図4中のI−I断面に相当している。
【0021】
ケース10は、樹脂等で構成され、収容空間11を有すると共に一端側が開口部とされた有底形状とされている。本実施形態では、ケース10は、有底長方体形状とされており、外周壁面に凸部12が形成されている。そして、ケース10は、後述するように、電磁石25等を収容空間11内に収容する状態で本体部20に組み付けられると共に、開口部側からスカート60が組み付けられる。
【0022】
本体部20は、
図1〜
図5に示されるように、スプール21、電磁石25、ヨーク28、アーマチャプレート29、板バネ30、可動接点31、固定接点32、ストッパ33、第1〜第4ターミナル41〜44、第1、第2中継端子45、46等を有して構成されている。
【0023】
スプール21は、樹脂等で構成されており、第1ベース部22と、ボビン部23と、第2ベース部24とが一体化されて構成されている。なお、ボビン部23は、
図1に示されている。
【0024】
具体的には、ボビン部23は、貫通孔を有する円筒状とされている。そして、第1ベース部22は、ボビン部23における一端側に形成され、第2ベース部24は、ボビン部23における他端側に形成されている。本実施形態では、第1ベース部22および第2ベース部24は、内縁側に開口部が形成された平面略矩形状とされており、それぞれボビン部23の貫通孔を閉塞しないようにボビン部23に備えられている。また、第1ベース部22および第2ベース部24には、それぞれ挿入孔が形成されている。以下では、第1ベース部22における第2ベース部24側の面を第1ベース部22の一面22a、第1ベース部22における一面22aと反対側の面を他面22bとして説明する。そして、後述するように、第1ベース部22における一面22a側に、電磁石25、可動接点31、および固定接点32等が配置されている。
【0025】
なお、
図1〜
図3中では、ボビン部23は、紙面下側が一端側とされ、紙面上側が他端側とされている。つまり、
図1〜
図3中では、ボビン部23の紙面下側に第1ベース部22が備えられ、ボビン部23の紙面上側に第2ベース部24が備えられている。また、本実施形態では、第1ベース部22がベース部に相当している。
【0026】
電磁石25は、コイル26と、コア27とを有している。コイル26は、スプール21におけるボビン部23の外周壁面に沿って線材が巻回れることで構成されている。そして、コイル26は、後述するように、一方のコイル端が第1中継端子45に接続され、他方のコイル端が第2中継端子46に接続されている。
【0027】
コア27は、磁路を形成するものであって磁性体金属材料で構成され、円柱状のコア軸部と、コア軸部より径が大きくされたコア鍔部とを有している。そして、コア27は、コア鍔部が第2ベース部24上に位置するように、コア軸部がボビン部23の筒部の内周(すなわち、貫通孔)に挿入されている。これにより、コイル26が通電されると、コイル26が磁界を形成してコア27が磁気吸引力を発生する。
【0028】
ヨーク28は、磁路を形成するものであり、磁性体金属材料の板状部材で構成されて略L字状とされている。具体的には、ヨーク28は、コイル26の外側に位置し、コア27の軸方向に沿った方向(すなわち、
図1中では紙面上下方向)に延びる第1板部28aと、コア27の軸方向における一端側に位置し、第1板部28aの下端からコア27の軸方向と交差する方向に延びる第2板部28bとを有している。そして、ヨーク28は、第2板部28bがコア27の一端部にかしめ固定されている。なお、コア27の軸方向における一端側とは、コア27のうちの
図1中紙面下側のことである。
【0029】
アーマチャプレート29は、磁路を形成するものであり、磁性体金属材料で構成されて板状とされている。そして、アーマチャプレート29は、一端側がコア27と対向し、他端が第1板部28aの上端に保持され、他端(すなわち、第1板部28aに保持された部位)を支点として揺動可能になっている。より詳細には、アーマチャプレート29は、コア27の磁気吸引力により、他端を支点として一端側(すなわち、コア27と対向する側)がコア27側に吸引されるようになっている。また、アーマチャプレート29は、一端と他端との間の中間部に板バネ30がかしめ固定されている。
【0030】
板バネ30は、板状部材で構成されて略L字状とされており、一端側が第1板部28aにかしめ固定され、中間部がアーマチャプレート29にかしめ固定され、他端側の自由端部に可動接点31が取り付けられている。そして、この可動接点31の一方の面側に対向する位置に固定接点32が配置され、可動接点31の他方の面側に対向する位置にストッパ33が配置されている。
【0031】
より詳しくは、固定接点32は、コイル26が通電されているときに可動接点31が当該固定接点32と当接するように、アーマチャプレート29がコア27に吸引されるときの可動接点31の移動向き側に配置されている。なお、固定接点32は、後述する第4ターミナル44の一端に備えられている。
【0032】
ストッパ33は、コイル26が通電されていないときの板バネ30の自由端側の移動範囲を規定するように、可動接点31に対向して配置されている。つまり、ストッパ33は、アーマチャプレート29がコア27から離れるときの可動接点31の移動向き側に配置されている。なお、ストッパ33は、黄銅等の金属材料をプレス成型して構成され、圧入または接着等にて第1ベース部22に固定されている。
【0033】
そして、本体部20は、
図1に示されるように、電磁石25等が収容空間11内に収容されると共に、第1ベース部22がケース10の開口部を蓋締めするように、ケース10に組み付けられている。本実施形態では、第1ベース部22がケース10の開口部に圧入されることにより、第1ベース部22がケース10に組み付けられている。
【0034】
また、本体部20には、被実装部材としてのリレーボックスにおけるコネクタ部に挿入され、コネクタ部と電気的、機械的に接続される第1〜第4ターミナル41〜44等が備えられている。本実施形態では、第1〜第4ターミナル41〜44は、銅合金を用いて構成された板状とされており、第1ベース部22の他面22b側から突き出した状態で配置されている。
【0035】
具体的には、第1ターミナル41は、一端部側が第1ベース部22に形成された挿入孔に圧入されて固定され、他端部側が収容空間11外に突き出すように、第1ベース部22に備えられている。
【0036】
また、本実施形態では、第1ターミナル41の近傍には、第1ベース部22を貫通し、一端部側が収容空間11内に位置すると共に他端部側が収容空間11外に位置する第1中継端子45が備えられている。この第1中継端子45は、金属材料で構成され、一端部側がコイル端の一方と接続されていると共に、他端部側が溶接等によって第1ターミナル41と電気的に接続されている。つまり、第1ターミナル41は、第1中継端子45を介してコイル26と接続されるコイル端子として機能するターミナルである。
【0037】
第2ターミナル42は、一端部側が第1ベース部22に形成された挿入孔に圧入されて固定され、他端部側が収容空間11外に突き出すように第1ベース部22に備えられている。
【0038】
そして、本実施形態では、第2ターミナル42の近傍には、第1ベース部22を貫通し、一端部側が収容空間11内に位置すると共に他端部側が収容空間11外に位置する第2中継端子46が備えられている。この第2中継端子46は、金属材料で構成され、一端部側がコイル端の他方と接続されていると共に、他端部側が溶接等によって第2ターミナル42と電気的に接続されている。つまり、第2ターミナル42は、第2中継端子46を介してコイル26と接続されるコイル端子として機能するターミナルである。
【0039】
第3ターミナル43は、一端部側が収容空間11内に位置し、他端部側が収容空間11外に位置するように、第1ベース部22に形成された挿入孔に圧入されて固定されている。そして、第3ターミナル43は、収容空間11内において、一端部側がヨーク28と溶接等によって接合されている。つまり、第3ターミナル43は、可動接点31と接続されるコモン端子として機能するターミナルである。
【0040】
第4ターミナル44は、一端部側が収容空間11内に位置し、他端部側が収容空間11外に位置するように、第1ベース部22に形成された挿入孔に圧入されて固定されている。なお、第4ターミナル44は、
図2および
図3に示されるように、一端部側が第2ベース部24に形成された挿入孔にも挿入され、第2ベース部24上まで延設されている。詳しくは、第4ターミナル44は、一端部が可動接点31と対向する部分まで延設されている。そして、第4ターミナル44は、第2ベース部24上まで延設された一端部に固定接点32が配置されている。つまり、第4ターミナル44は、固定接点32と接続されるメーク端子として機能するターミナルである。
【0041】
ここで、本実施形態における第1〜第4ターミナル41〜44の配置箇所等について、
図5等を参照しつつ説明する。
【0042】
第1〜第4ターミナル41〜44は、上記のように、他端部側が第1ベース部22の他面22bから突き出すように配置されているが、詳しくは、第1ベース部22の他面22bに対する法線方向に沿って突き出すように配置されている。また、第1ターミナル41および第2ターミナル42は、第1ベース部22の他面22bから突き出している部分の形状が同じとされている。同様に、第3ターミナル43および第4ターミナル44は、第1ベース部22の他面22bから突き出している部分の形状が同じとされている。
【0043】
そして、第1〜第4ターミナル41〜44は、
図5に示されるように、第1ベース部22の他面22bに対する法線方向から視たとき(以下では、単に他面22b側から視たときという)、第1ベース部22の外縁部にそれぞれ配置されており、内縁部には配置されていない。
【0044】
さらに、詳述すると、第1ベース部22は、他面22bに対する法線方向から視たとき、相対する第1辺211および第2辺212と、相対する第3辺213および第4辺214とを有する矩形状とされている。第1〜第4ターミナル41〜44は、それぞれ厚さ方向と交差する2つの主面41a〜44aと、厚さ方向と平行となる2つの側面41b〜44bを有する板状とされている。そして、第1〜第4ターミナル41〜44は、主面41a〜44aにおける第1ベース部22の面方向に沿った方向の長さ(すなわち、板幅)が側面における第1ベース部22の面方向に沿った方向の長さ(すなわち、板厚)より大きくされた板状とされている。言い換えると、第1〜第4ターミナル41〜44は、それぞれ主面41a〜44aに対する法線方向から外力が印加された場合に当該法線方向に折れ曲がり易く、側面41b〜44bに対する法線方向から外力が印加された場合に当該法線方向に折れ曲がり難い構成とされている。つまり、第1〜第4ターミナル41〜44は、主面41a〜44aの法線方向に対する剛性が側面41b〜44bの法線方向に対する剛性より低くされている。
【0045】
そして、第1ターミナル41は、第1辺211の近傍において、主面41aが第1辺211と平行となるように配置されている。第2ターミナル42は、第2辺212の近傍において、主面42aが第2辺212と平行となるように配置されている。第3ターミナル43は、第3辺213の近傍において、主面43aが第3辺213と平行となるように配置されている。第4ターミナル44は、第4辺214の近傍において、主面44aが第4辺214と平行となるように配置されている。
【0046】
つまり、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1ターミナル41の主面41aと第2ターミナル42の主面42aとが対向し、第3ターミナル43の主面43aと第4ターミナル44の主面44aとが対向するように配置されている。本実施形態では、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1ターミナル41の主面41aと第2ターミナル42の主面42aとが平行となり、第3ターミナル43の主面43aと第4ターミナル44の主面44aとが平行となるように配置されている。
【0047】
また、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aと第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aとが交差するように配置されている。本実施形態では、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aと第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aとが直交するように配置されている。
【0048】
なお、第1〜第4ターミナル41〜44は、圧入等によって第1ベース部22に挿入されるが、ここでの平行とは製造誤差等の微小なずれを含むものであり、略平行を意味している。同様に、ここでの直交とは、製造誤差等の微小なずれを含むものであり、略直交を意味している。
【0049】
また、第1、第2ターミナル41、42は、他面22b側から視たとき、第1ベース部22の他面22bにおける中心C(以下では、単に中心Cともいう)を基準として点対称となるように配置されている。第3、第4ターミナル43、44は、他面22b側から視たとき、中心Cを基準として点対称となるように配置されている。なお、第1ベース部22の他面22bにおける中心Cとは、他面22b側から視たときの第1ベース部22の外郭線における中心のことである。
【0050】
そして、上記のように、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1ターミナル41および第2ターミナル42の突き出している部分の形状が同じとされ、第3ターミナル43および第4ターミナル44の突き出しいている部分の形状が同じとされている。
【0051】
このため、本実施形態では、
図5および
図6に示されるように、本体部20を中心Cを回転軸として180°回転させたとしても、第1ベース部22の他面22bから突き出している部分の配置、構成は回転前と一致する。言い換えると、本実施形態では、第1〜第4ターミナル41〜44は、中心Cを回転軸として180°回転させたとしても、突き出している部分の配置、形状が回転前と一致するように、配置、構成されている。
【0052】
また、
図1〜
図3、
図7に示されるように、第1ターミナル41および第2ターミナル42には、他面22bから突き出している部分に一対の挿入溝41c、42cが形成されている。そして、第1ターミナル41および第2ターミナル42には、コイル26への通電を遮断した際に発生するサージ電流を還流させるためのレジスタ50が配置されている。
【0053】
本実施形態では、レジスタ50は、内部に抵抗体を有すると共に一対の挿入部51を有する部材とされ、各挿入部51がそれぞれ挿入溝41c、42cに圧入されることで第1ターミナル41および第2ターミナル42と電気的、機械的に接続される。つまり、レジスタ50は、他面22b側から視たとき、第1ベース部22における第1〜第4ターミナル41〜44が配置される外縁部よりも内側の内縁側に配置されている。
【0054】
また、
図1に示されるように、第1ベース部22における収容空間11から露出する部分には、樹脂等で構成されるシール剤47が配置されている。詳しくは、シール剤47は、隙間を封止するものであり、第1ベース部22と、第1〜第4ターミナル41〜44、および第1、第2中継端子45、46との隙間を封止すると共に、第1ベース部22とケース10との隙間を封止するように配置されている。
【0055】
スカート60は、樹脂等で構成され、中空部61を有する筒形状、具体的にはケース10の外形に対応する外形を有する筒形状とされている。そして、スカート60には、中空部61内に、当該中空部61を第1中空部61aと第2中空部61bとに区画する区画部62が備えられている。なお、区画部62には、複数の挿入孔が形成されている。
【0056】
そして、スカート60は、第1中空部61aにレジスタ50等が収容されると共に、区画部62に形成された挿入孔を通じて第1中空部61aから第2中空部61bに第1〜第4ターミナル41〜44が突き出すように、ケース10に組み付けられている。本実施形態では、スカート60は、第1中空部61aを構成する外周壁面にケース10の凸部12に対応する形状の凹部63が形成されており、ケース10の凸部12とスカート60の凹部63とがスナップフィット接合されることでケース10に嵌合されている。
【0057】
なお、上記のように、第1ターミナル41および第2ターミナル42は、第1ベース部22の他面22bから突き出している部分の形状が同じとされている。このため、第1ターミナル41および第2ターミナル42のうちのスカート60の第2中空部61b内に突き出している部分の形状は、同じとなる。また、第3ターミナル43および第4ターミナル44は、第1ベース部22の他面22bから突き出している部分の形状が同じとされている。このため、第3ターミナル43および第4ターミナル44のうちのスカート60の第2中空部61b内に突き出している部分の形状は、同じとなる。
【0058】
以上が本実施形態におけるリレー装置1の構成である。このようなリレー装置1は、コイル26が通電されるとアーマチャプレート29がコア27側に吸引され、可動接点31が固定接点32に当接して電気回路が閉じられ、図示しない電気負荷に通電される。一方、コイル26への通電が遮断されると、板バネ30の復元力によって可動接点31がストッパ33側に移動され、可動接点31が固定接点32から離れて、電気負荷への通電が停止される。
【0059】
また、このようなリレー装置1は、特に図示しないが、例えば、車両に搭載された被実装部材としてのリレーボックスに接続されて用いられる。詳しくは、リレーボックスは、第1〜第4ターミナル41〜44が挿入可能なコネクタ部を備えている。そして、上記リレー装置1は、第1〜第4ターミナル41〜44におけるスカート60の第2中空部61bに突き出している部分が各コネクタ部に挿入されることにより、リレーボックスと電気的、機械的に接続される。
【0060】
この際、本実施形態では、第1〜第4ターミナル41〜44は、中心Cを回転軸として180°回転させたとしても、突き出している部分の配置、構成が回転前と一致するように配置、構成とされている。このため、リレー装置1をリレーボックスに接続する際、180°回転させた状態でも接続可能となり、リレー装置1のリレーボックスに対する取付性を向上できる。
【0061】
また、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aと第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aとが交差するように配置されている。このため、車両の振動等によって第1〜第4ターミナル41〜44が折れ曲がることを抑制でき、リレー装置1とリレーボックスとの接続強度が低下する等の問題が発生することを抑制できる。
【0062】
すなわち、
図8に示されるように、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aと平行な方向を第1方向、第1方向と直交する方向を第2方向とする。なお、第2方向は、第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aと平行な方向でもある。
【0063】
この場合、第1方向に沿った第1外力F1が印加されると、当該第1外力F1は、第1、第2ターミナル41、42の側面41b、42bに印加されると共に、第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aに印加される。つまり、第1外力F1は、第1、第2ターミナル41、42が折れ曲がり難い方向に印加される力となる。このため、第1外力F1が印加された場合には、第1、第2ターミナル41、42によってリレー装置1が第1方向に移動することを抑制できると共に第3、第4ターミナル43、44が折れ曲がることを抑制できる。
【0064】
同様に、第2方向に沿った第2外力F2が印加されると、当該第2外力F2は、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aに印加されると共に、第3、第4ターミナル43、44の側面43b、44bに印加される。つまり、第2外力F2は、第3、第4ターミナル43、44が折れ曲がり難い方向に印加される力となる。このため、第2外力F2が印加された場合には、第3、第4ターミナル43、44によってリレー装置1が第2方向に移動することを抑制できると共に第1、第2ターミナル41、42が折れ曲がることを抑制できる。したがって、本実施形態では、リレー装置1とリレーボックスとの接続強度が低下する等の問題が発生することを抑制できる。
【0065】
なお、ここでは、リレー装置1がリレーボックスに接続された後の第1外力F1、第2外力F2が印加された場合の状態を例に挙げて説明した。しかしながら、例えば、スカート60が装着される前の搬送時等においても、第1外力F1および第2外力F2が印加される可能性がある。このような場合においても、第1〜第4ターミナル41〜44が上記のように配置されていることにより、互いに折れ曲がることを抑制できる。
【0066】
次に、上記リレー装置1の製造方法について、
図9を参照しつつ説明する。
【0067】
まず、
図9(a)に示されるように、レジスタ50が備えられていない本体部20を用意する。なお、第1〜第4ターミナル41〜44は、上記のように、第1ベース部22の他面22bにおける外縁部から当該他面22bの法線方向に沿って突き出すように配置されている。また、本実施形態では、
図9(a)の工程では、ケース10も本体部20に組み付けられているが、ケース10は省略して示してある。
【0068】
そして、
図9(b)に示されるように、レジスタ50を治具70にて保持し、第1、第2ターミナル41、42に形成された挿入溝41c、42cにレジスタ50の挿入部51を圧入することにより、レジスタ50を第1、第2ターミナル41、42に電気的、機械的に接続する。
【0069】
この際、本実施形態では、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1ベース部22の他面22bにおける外縁部から当該他面22bの法線方向に沿って突き出すように配置されている。このため、第1〜第4ターミナル41〜44で囲まれる空間に治具70を容易に挿入できると共に、治具70の操作可能範囲を広くできる。したがって、レジスタ50を第1、第2ターミナル41、42に容易に取り付けることができ、レジスタ50の第1、第2ターミナル41、42に対する取付性を向上できる。
【0070】
なお、その後は特に図示しないが、シール剤47を配置し、スカート60をケース10に組み付けることにより、上記リレー装置1が製造される。
【0071】
以上説明したように、本実施形態では、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1ベース部22の他面22bにおける外縁部から当該他面22bの法線方向に沿って突き出すように配置されている。そして、レジスタ50は、他面22b側から視たとき、外縁部の内側の内縁部に位置するように、第1ターミナル41および第2ターミナル42と電気的、機械的に接続されている。このため、レジスタ50が搭載される空間を広くでき、レジスタ50を容易に取り付けることができる。つまり、レジスタ50の取付性を向上できる。
【0072】
また、第1〜第4ターミナル41〜44は、中心Cを回転軸として180°回転させた際、第1ベース部22の他面22bから突き出している部分の配置、構成が回転前と一致するように、配置、構成されている。このため、リレーボックスに対する取付性を向上できる。
【0073】
さらに、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aと第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aとが交差するように配置されている。このため、第1〜第4ターミナル41〜44が折れ曲がってしまうことを抑制できる。特に、リレー装置1がリレーボックスに接続されている場合には、リレー装置1がリレーボックスから抜け出ることを抑制できる。
【0074】
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0075】
例えば、上記第1実施形態では、リレー装置1は、スカート60の第2中空部61bに突き出している部分がリレーボックスのコネクタ部に挿入される。このため、第1ターミナル41および第2ターミナル42は、第1中空部61a内に位置する部分の形状が同じとされていなくてもよい。同様に、第3ターミナル43および第4ターミナル44は、第1中空部61a内に位置する部分の形状が同じとされていなくてもよい。つまり、第1ターミナル41および第2ターミナル42は、リレーボックスに挿入される部分の形状が同じとされていればよい。同様に、第3ターミナル43および第4ターミナル44は、リレーボックスに挿入される部分の形状が同じとされていればよい。
【0076】
また、上記第1実施形態において、第1ターミナル41および第2ターミナル42は、中心Cに対して点対称に配置されていなくてもよい。また、第3ターミナル43および第4ターミナル44は、中心Cに対して点対称に配置されていなくてもよい。さらに、上記第1実施形態において、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aと第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aとが交差するように配置されていなくてもよい。これらのような構成としても、第1〜第4ターミナル41〜44を第1ベース部22の外縁部に配置することにより、レジスタ50を容易に取り付けることができる。
【0077】
さらに、上記第1実施形態において、第1〜第4ターミナル41〜44は、第1ベース部22における第1〜第4辺211〜214とそれぞれ平行とされていなくてもよい。例えば、
図10に示されるように、他面22b側から視たとき、第1ターミナル41は、主面41aと第1辺211および第3辺213との成す角度が45°となり、第2ターミナル42は、主面42aと第2辺212および第4辺214との成す角度が45°となるように配置されていてもよい。また、第3ターミナル43は、主面43aと第2辺212および第3辺213との成す角度が45°となり、第4ターミナル44は、主面44aと第1辺211および第4辺214との成す角度が45°となるように配置されていてもよい。このような構成としても、第1、第2ターミナル41、42の主面41a、42aと第3、第4ターミナル43、44の主面43a、44aとが交差する状態となるため、リレー装置1とリレーボックスとの接続強度が低下することを抑制できる。