(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、ジャンクションボックスのように、電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器などを介して電気的に接続されている電力装置において火災などに結びつく電気事故の発生を未然に防止し、更に、負荷側電路が接続されている種々の電力・電気機器・装置が損傷等する事故が発生することを未然に防止するシステムを提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]
電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている電力装置と、
前記筐体内の温度を常時検知し、検知した前記筐体内の前記温度に関する情報である筐体内温度情報を前記筐体に係る前記電力装置を特定する情報と共にデジタル情報で出力する筐体内温情報取得手段と、
前記負荷側電路の温度を常時検知し、検知した前記負荷側電路の前記温度に関する情報である電路温度情報を前記筐体に係る前記電力装置を特定する情報と共にデジタル情報で出力する電路温度情報取得手段と、
前記負荷側電路に接続されて電圧値、電流値及び抵抗値を常時検知し、検知した前記負荷側電路の電圧値、電流値及び抵抗値に関する情報である電圧・電流・抵抗値情報を前記筐体に係る前記電力装置を特定する情報と共にデジタル情報で出力する電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段と、
前記筐体内温情報取得手段で取得した前記筐体内の前記温度と、あらかじめ設定されている筐体内監視温度とを比較する筐体内温度監視手段と、
前記電路温度情報取得手段で取得した前記負荷側電路の前記温度と、あらかじめ設定されている負荷側電路監視温度とを比較する負荷側電路温度監視手段と、
前記電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段で取得した電路電圧・電流・抵抗値と、あらかじめ設定されている負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値とを比較する電路電圧・電流・抵抗値監視手段と、
前記筐体内温情報取得手段で取得した前記筐体内の前記温度が前記筐体内監視温度を越えたと前記筐体内温度監視手段が判定した際に、前記電気機器を介した前記電源側電路から前記負荷側電路への電力供給を遮断する電力遮断信号を出力する第一の電力遮断手段と、
前記電路温度情報取得手段で取得した前記負荷側電路の前記温度が前記負荷側電路監視温度を越えたと前記負荷側電路温度監視手段が判定した際に、前記電気機器を介した前記電源側電路から前記負荷側電路への電力供給を遮断する電力遮断信号を出力する第二の電力遮断手段と、
前記電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段で取得した前記電路電圧・電流・抵抗値が前記負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値を越えたと前記負荷側電路電圧・電流・抵抗値監視手段が判定した際に、前記電気機器を介した前記電源側電路から前記負荷側電路への電力供給を遮断する電力遮断信号を出力する第三の電力遮断手段と、
前記筐体内温情報取得手段で取得した前記筐体内の前記温度が前記筐体内監視温度を越えたと前記筐体内温度監視手段が判定した際に、前記筐体に係る前記電力装置を特定する情報と共に、温度警報信号を出力する第一の警報信号発出手段と、
前記電路温度情報取得手段で取得した前記負荷側電路の前記温度が前記負荷側電路監視温度を越えたと前記負荷側電路温度監視手段が判定した際に、前記筐体に係る前記電力装置を特定する情報と共に、温度警報信号を出力する第二の警報信号発出手段と、
前記電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段で取得した前記電路電圧・電流・抵抗値が前記負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値を越えたと前記電路電圧・電流・抵抗値監視手段が判定した際に、前記筐体に係る前記電力装置を特定する情報と共に、電圧・電流・抵抗値警報信号を出力する第三の警報信号発出手段と、
前記第一の警報信号発出手段が出力した前記温度警報信号、前記第二の警報信号発出手段が出力した前記温度警報信号、前記第三の警報信号発出手段が出力した前記電圧・電流・抵抗値警報信号のいずれかに基づいて、前記電力装置を管理している管理者が使用している管理者端末及び、前記電力装置の管理を担当している担当者が所有している担当者端末に対して、前記筐体に係る前記電力装置を特定する情報と共に、警報通知情報を出力する警報通知情報出力手段と
を備えているデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
【0009】
[2]
前記負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されており、
前記第一の電力遮断手段、前記第二の電力遮断手段、前記第三の電力遮断手段のそれぞれから出力される前記電力遮断信号は前記電気機器又は前記回路開閉器のいずれかに対して出力される[1]のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
【0010】
[3]
前記第一の電力遮断手段、前記第二の電力遮断手段、前記第三の電力遮断手段のそれぞれから出力される前記電力遮断信号は前記回路開閉器に対して出力される[2]のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
【0011】
[4]
前記電力遮断信号の入力を受けた前記回路開閉器に対して前記負荷側電路を介した前記負荷への電力供給を復旧させる電力復旧信号を出力する電力復旧信号出力部を備えている[3]のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
【0012】
[5]
前記筐体内温度監視手段は、前記筐体内温情報取得手段で取得した前記筐体内の前記温度と、あらかじめ設定されている筐体内警報温度とを、更に、比較し、
前記負荷側電路温度監視手段は、前記電路温度情報取得手段で取得した前記負荷側電路の前記温度と、あらかじめ設定されている負荷側電路警報温度とを、更に、比較し、
前記筐体内温情報取得手段で取得した前記筐体内の前記温度が前記筐体内警報温度を越えたと前記筐体内温度監視手段が判定した際に、前記電力装置に対して配備されている火災報知設備機器に火災警報情報を出力する第一の火災警報情報出力手段と、
前記電路温度情報取得手段で取得した前記負荷側電路の前記温度が前記負荷側電路警報温度を越えたと前記負荷側電路温度監視手段が判定した際に、前記電力装置に対して配備されている前記火災報知設備機器に火災警報情報を出力する第二の火災警報情報出力手段と、
を更に備えている[1]〜[4]のいずれかのデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
【0013】
[6]
前記電力装置の近傍に前記電力装置を撮影するデジタルカメラが配備されており、
前記第一の警報信号発出手段が前記温度警報信号を出力した後、または、前記第二の警報信号発出手段が前記温度警報信号を出力した後、あるいは、前記第三の警報信号発出手段が前記電圧・電流・抵抗値警報信号を出力した後、前記管理者端末から取得した画像情報要求情報及び/又は前記担当者端末から取得した画像情報要求情報に基づいて、前記デジタルカメラが撮影している前記電力装置の画像情報をリアルタイムで出力する画像情報出力手段
を更に備えている[1]〜[5]のいずれかのデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
【0014】
[7]
前記電力装置の近傍に前記電力装置を撮影し温度を検知する温度検知手段が配備されている、又は、
前記回路開閉器の近傍に前記回路開閉器を撮影し温度を検知する温度検知手段が配備されている、又は、
前記電力装置の近傍と前記回路開閉器の近傍とに前記電力装置を撮影し温度を検知する温度検知手段と前記回路開閉器を撮影し温度を検知する温度検知手段とがそれぞれ配備されていて、
前記温度検知手段がリアルタイムで撮影し検知している前記電力装置の画像情報及び検知温度情報、又は、前記回路開閉器の画像情報及び検知温度情報、又は、前記電力装置の画像情報及び検知温度情報と前記回路開閉器の画像情報及び検知温度情報とを、
所定のタイミングで、前記管理者端末及び/又は前記担当者端末へ送出する検知温度情報出力手段
を更に備えている[2]のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、ジャンクションボックスのように、電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器などを介して電気的に接続されている電力装置において火災などに結びつく電気事故の発生を未然に防止し、更に、負荷側電路が接続されている種々の電力・電気機器・装置が損傷等する事故が発生することを未然に防止するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明に係るデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの一実施形態の構成を説明する概念図。
【
図2】この発明に係るデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの一実施形態のシステム構成の一例を説明するブロック図。
【
図3】この発明に係るデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの動作概要の一例を説明するフロー図。
【
図4】既存の電力装置に本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用される場合の一例を説明するブロック図。
【
図5】既存の電力装置に本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用される場合の他の例を説明するブロック図。
【
図6】既存の電力装置に本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用される場合の他の例を説明するブロック図。
【
図7】既存の電力装置に本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用される場合の他の例を説明するブロック図。
【
図8】既存の電力装置に本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用される場合の他の例を説明するブロック図。
【
図9】本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用されている電力装置の一例を説明するブロック図。
【
図10】本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用されている電力装置の他の例を説明するブロック図。
【
図11】本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用されている電力装置の他の例を説明するブロック図。
【
図12】本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用されている電力装置の他の例を説明するブロック図。
【
図13】本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用されている電力装置の他の例を説明するブロック図。
【
図14】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図4図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図15】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図5図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図16】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図6図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図17】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図7図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図18】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図8図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図19】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図9図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図20】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図10図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図21】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図11図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図22】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図12図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図23】電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている
図13図示の形態の電力装置で負荷側電路に前記電気機器とは異なる種類の回路開閉器が配備されている場合一例を説明するブロック図。
【
図24】
図2図示のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムのシステム構成において電力装置の近傍や回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器)の近傍に温度検知手段の一例としてのサーモグラフィックカメラが配備される実施形態の一例を説明するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器などを介して電気的に接続されている電力装置において火災などに結びつく電気事故の発生を未然に防止するシステムに関しては従来から種々の対応が行われている。例えば、建物施設の関係で説明すると次のようになる。
【0018】
<建物施設の電力供給構成>
建物施設では、通常、電力会社より6600Vで高圧受変電設備(キュービクル)で受電している。受変電設備は、一般に、真空遮断器、高圧負荷開閉器(フューズ)、高圧カットアウト等で保護され、電灯、動力のトランスで電灯単相3線200V、動力3相3線200Vに降圧し、電灯、動力の幹線経由で電力が供給され、各配電盤より分岐幹線により電灯、動力の分電盤に配線された制御盤のリモート装置(IOTB、RIO)等を経由し、各設備機器に電力が供給される。配電盤、分電盤、制御盤には過電流防止のノーフューズブレーカー(NFB)、水周りの漏電防止の漏電ブレーカー(ELB)に電気事故防止の保護機能がある。
【0019】
<建物施設の電気事故防止>
前記の通り、例えば、受変電設備は、真空遮断器、高圧負荷開閉器(フューズ)、高圧カットアウト等で、単相、三相電源系統の電灯、動力配電盤はノーフューズブレーカー、漏電ブレーカーを設置し、電気事故を防止している。しかし、経年劣化または工事の不都合等によるネジの締め付け不足、接続端子の緩み、隙間、誤配線、粉塵等と絶縁被覆の絶縁不良による火災は発生し、未だ充分ではないと思われる。また、配電盤、分電盤と機器、器具間の延長コードまたは、配線の分岐配線接続のジャンクションボックスとそれ以降の延長コードには通常ブレーカーは設置されていないのが一般的であり、ショート等による電気火災事故の事例も見受けられる。
【0020】
<デジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの概要と特徴>
図2は、この発明に係るデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの一実施形態のシステム構成の一例を説明するブロック図である。真空遮断器、高圧負荷開閉器(フューズ)、高圧カットアウトを備えている高圧受変電設備(キュービクル)で電力会社からの6600Vを受電している。電灯、動力のトランスで電灯単相3線200V、動力3相3線200Vに降圧し、電灯、動力の幹線経由で電力が供給される。各配電盤より分岐幹線により電灯、動力の分電盤に配線された制御盤のリモート装置(IOTB、RIO)等を経由し、各設備機器に電力が供給される。また、配電盤、分電盤からジャンクションボックスを介して接続機器との間の延長コードまたは、配線の分岐配線接続が行われている。
【0021】
図2及び、デジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの動作概要の一例を説明するフロー図である
図3を参照して、この実施形態のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの概要と特徴を説明する。
【0022】
受変電設備、配電盤や制御盤等の盤内、ジャンクションボックス、設備機器、装置、器具、配線等の平常時温度は32℃〜40℃程度である。電源スイッチ、制御リモートスイッチ、コネクタ等の発火事例は通常220℃〜250℃程度である。
【0023】
配線されている電線等の負荷側電路監視温度は、例えば、90℃に設定できる。これは、上述した、受変電設備、配電盤や制御盤等の盤内、ジャンクションボックス、設備機器、装置、器具、配線等の平常時温度が32℃〜40℃程度で、電源スイッチ、制御リモートスイッチ、コネクタ等の発火事例は通常220℃〜250℃程度であることから安全を考慮して設定することができる。
【0024】
盤内やジャンクションボックスなどの筐体内監視温度は、例えば、60℃に設定できる。これも、上述した、受変電設備、配電盤や制御盤等の盤内、ジャンクションボックス、設備機器、装置、器具、配線等の平常時温度が32℃〜40℃程度で、電源スイッチ、制御リモートスイッチ、コネクタ等の発火事例は通常220℃〜250℃程度であることから安全を考慮して設定することができる。
【0025】
なお、上述した受変電設備、配電盤や制御盤等の盤内、ジャンクションボックス、設備機器、装置、器具、配線等の平常時温度32℃〜40℃程度、電源スイッチ、制御リモートスイッチ、コネクタ等の発火事例の通常の温度220℃〜250℃程度から、安全サイドに考慮して、上述の負荷側電路監視温度は90℃〜130℃の範囲で、筐体内監視温度は60℃〜80℃の範囲で、それぞれ、任意に設定することが可能である。
【0026】
誤配線、ネジの緩み、コネクタ接続の隙間及び粉塵、経年劣化等によるスパークによる絶縁被覆材の溶融、等々によって電線等が温度上昇し、例えば、電線の温度が上述の負荷側電路監視温度に到達すれば、温度センサーの異常高温感知により電源装置のブレーカーにデジタル解除システムが入力し、ブレーカーが自動的に電源オフされ該当する負荷側電路などの焼損、破壊、発火事故の発生を防止するシステムである。
【0027】
同様に、誤配線、ネジの緩み、コネクタ接続の隙間及び粉塵、経年劣化等によるスパークによる絶縁被覆材の溶融、等々によって受変電設備、配電盤や制御盤等の盤内、ジャンクションボックスなどの温度が上昇し、上述の筐体内監視温度に到達すれば、温度センサーの異常高温感知により電源装置のブレーカーにデジタル解除システムが入力し、ブレーカーが自動的に電源オフされ該当する受変電設備、配電盤や制御盤等の盤内、ジャンクションボックスなどの焼損、破壊、発火事故の発生を防止するシステムである。 負荷側電路が接続されている負荷に応じて、当該負荷側電路に許容される電圧値、電流値、抵抗値があらかじめ設定されている。例えば、負荷が空調機器の場合、原動機の場合、コンピュータなどの精密機器の場合、医療機器、等々などの場合に応じて、それぞれ当該負荷に接続している負荷側電路に許容される電圧値、電流値、抵抗値が異なる。この許容される値を越えてしまうと、負荷側電路が接続されている負荷である前述した機器の損傷や、動作不良などが発生することがある。そこで、負荷側電路が接続されている負荷に応じてそれぞれの負荷側電路に対して負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値があらかじめ設定されている。負荷側電路の電圧、電流、抵抗値を常時計測しておいて許容範囲外の異常数値を感知すると電源装置のブレーカーにデジタル解除システムが入力し、ブレーカーが自動的に電源オフされ、前述の負荷側電路が接続されている負荷である前述した機器の損傷や、動作不良が発生することを未然に防止するシステムである。
【0028】
配電盤、分電盤からの分岐配線のジャンクションボックスまたは、接続機器にブレーカーを設置し、延長コード配線がショートまたは要注意温度である前述の負荷側電路監視温度に達すれば、ブレーカーが自動的に電源オフされ、発火事故の発生を防止するシステムである。また、負荷側電路の電圧、電流、抵抗値が上述した許容範囲外の異常数値になれば、ブレーカーが自動的に電源オフされ、負荷側電路が接続されているコンピュータ、精密機器、医療機器などの損傷・動作不良発生を防止するシステムである。
【0029】
本システムは、例えば、大容量の発電設備、受変電設備、配電盤、分電盤、配線、接続機器等と微弱電流の計測、計装、信号等に対応できる。
【0030】
<デジタル電力解除システムによる温度警報発報>
前記の電線温度が負荷側電路監視温度に達すれば、要注意であることを知らせる温度警報信号を発報するシステムである。また、前記の盤内やジャンクションボックスなどの温度が筐体内監視温度に達すれば、要注意であることを知らせる温度警報信号を発報するシステムである。
【0031】
更に、前記の電線の電圧、電流、抵抗値が許容範囲外の異常数値になれば要注意であることを知らせる電圧・電流・抵抗値警報信号を発報するシステムである。
【0032】
上述の温度警報信号、電圧・電流・抵抗値警報信号は、VPN等のネットワークを介して、要注意となった電力装置を特定する情報と共に、関係者のPCモニタ、管理担当者が所持していて本発明のシステム運用用のアプリケーションがダウンロードされているスマートフォンに表示される。これによって、盤などの焼損、発火事故を事前に防止し、負荷側電路が接続されているコンピュータ、精密機器、医療機器などの損傷・動作不良発生を防止するシステムである。
【0033】
上述した、電源スイッチ、制御リモートスイッチ、コネクタ等の発火事例の通常の温度220℃〜250℃程度を考慮し、火災発生の可能性がある温度よりも安全を確保できる温度範囲において、関係者へ通報できるシステムである。
【0034】
上述の負荷側電路監視温度の許容範囲90℃〜130℃や、筐体内監視温度の許容範囲60℃〜80℃よりも高温の温度範囲で、上述した、電源スイッチ、制御リモートスイッチ、コネクタ等の発火事例の通常の温度220℃〜250℃程度から、安全サイドに考慮して、更に、負荷側電路警報温度、筐体内警報温度をそれぞれ設定することが可能である。
【0035】
例えば、負荷側電路警報温度として180℃、筐体内警報温度として150℃を設定することができる。
【0036】
上述したように、電線等が温度上昇し、例えば、電線の温度が上述の負荷側電路警報温度に到達すれば、温度センサーの異常高温感知により、建物などにおける消防設備である火災報知設備機器、すなわち、要注意となった上述の電力装置に対して配備されている火災報知設備機器に連結するシステムである。
【0037】
受変電設備、配電盤や制御盤等の盤内、ジャンクションボックスなどの温度が上昇し、上述の筐体内警報温度に到達すれば、温度センサーの異常高温感知により、建物などにおける消防設備である火災報知設備機器、すなわち、要注意となった上述の電力装置に対して配備されている火災報知設備機器に連結するシステムである。
【0038】
なお、火災報知設備機器から、消防署などの関係機関に対して自動的に連絡を行う体制にし、たとえ火災が発生する事態になったとしても、消防署など関係諸機関による迅速な対処を可能にする体制にすることができる。
【0039】
なお、上述した、電源スイッチ、制御リモートスイッチ、コネクタ等の発火事例の通常の温度220℃〜250℃程度から、安全サイドに考慮して、上述の負荷側電路警報温度は180℃〜200℃の範囲で、筐体内警報温度は150℃〜200℃の範囲で、それぞれ、任意に設定することが可能である。
【0040】
本システムでは、受変電設備のキュービクル内、主要配電盤、分電盤内または周囲にデジタルカメラを設置し、上記の電線または盤内の温度が要注意温度または、電流、電圧、抵抗値が許容範囲外の異常数値を感知すると、デジタルカメラが取得するリアルタイムの画像情報を、関係者のPCモニタ、スマートフォンに送信する機能を持たせることができる。
【0041】
<デジタルエレクトリックセフティコントロールシステム>
この実施形態に係るデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムを
図1を参照して説明する。
【0042】
デジタルエレクトリックセフティコントロールシステムは、電力装置1と、筐体内温情報取得手段8と、電路温度情報取得手段9と、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10と、筐体内温度監視手段11と、負荷側電路温度監視手段12と、電路電圧・電流・抵抗値監視手段13と、第一の電力遮断手段14と、第二の電力遮断手段15と、第三の電力遮断手段16と、第一の警報信号発出手段17と、第二の警報信号発出手段18と、第三の警報信号発出手段19と、警報通知情報出力手段20と、第一の火災警報情報出力手段21と、第二の火災警報情報出力手段22と、画像情報出力手段24と、電力復旧信号出力手段25と、検知温度情報出力手段26とを含んで構成されている。
【0043】
電力装置1は、電源側からの電源側電路3と負荷に向かう負荷側電路4とが筐体内に配備されている電気機器2を介して電気的に接続されているものである。例えば、種々の受変電設備、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、リモート制御装置盤、配電盤や分電盤などと機器・器具間の延長コードまたは配線の分岐配線接続のジャンクションボックスなどである。
【0044】
電気機器2としては、上述した電力装置1を構成する筐体内に配備されていて、電源側からの電源側電路3と負荷に向かう負荷側電路4との間で電気的接続を図るもので、例えば、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどがあげられる。
【0045】
負荷側電路4が向かっている負荷としては、例えば、原動機、昇降機、空調設備、換気設備、照明設備、冷蔵・冷凍ケース、冷蔵庫・冷凍庫、計測器、コンピュータ機器、監視カメラ、医療機器、通信装置、等、電力の供給を受けて稼働する電力・電気装置・機器であって、建物などの内外を問わずに配備されて使用される電力・電気装置・機器、電車・車・航空機・船などの乗り物・移動手段に配備されて使用される電力・電気装置・通信装置・機器などが含まれる。
【0046】
電力装置1に対しては火災報知設備機器40が配備されている。また、電力装置1の近傍に電力装置1を、常時、あるいは、撮影開始指示入力を受けたときに撮影するデジタルカメラ41が配備されている。
【0047】
筐体内温情報取得手段8は、前述の電力装置1を構成する筐体の内部の温度を常時検知し、検知した筐体内の前記温度に関する情報である筐体内温度情報を、前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共にデジタル情報で出力するものである。
【0048】
電路温度情報取得手段9は、前述の負荷側電路4の温度を常時検知し、検知した負荷側電路4の前記温度に関する情報である電路温度情報を前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共にデジタル情報で出力するものである。
【0049】
電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10は、負荷側電路4に接続されて電圧値、電流値及び抵抗値を常時検知し、検知した負荷側電路4の電圧値、電流値及び抵抗値に関する情報である電圧・電流・抵抗値情報を前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共にデジタル情報で出力するものである。
【0050】
筐体内温度監視手段11は、筐体内温情報取得手段8で取得した前記筐体内の前記温度と、あらかじめ設定されている筐体内監視温度とを比較する処理を行う。
【0051】
また、筐体内温度監視手段11は、更に、筐体内温情報取得手段8で取得した前記筐体内の前記温度と、あらかじめ設定されている筐体内警報温度とを比較する処理を行う。
【0052】
負荷側電路温度監視手段12は、電路温度情報取得手段9で取得した負荷側電路4の前記温度と、あらかじめ設定されている負荷側電路監視温度とを比較する処理を行う。
【0053】
また、負荷側電路温度監視手段12は、更に、電路温度情報取得手段9で取得した負荷側電路4の前記温度と、あらかじめ設定されている負荷側電路警報温度とを比較する処理を行う。
【0054】
電路電圧・電流・抵抗値監視手段13は、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10で取得した電路電圧・電流・抵抗値と、あらかじめ設定されている負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値とを比較する処理を行う。
【0055】
負荷側電路4が接続されている負荷に応じて許容される電圧値、電流値、抵抗値があらかじめ設定されている。例えば、負荷が空調機器の場合、原動機の場合、コンピュータなどの精密機器の場合、医療機器、等々などの場合に応じて、それぞれ許容される電圧値、電流値、抵抗値が異なる。この許容される値を越えてしまうと、機器の損傷や、動作不良などが発生することがある。そこで、負荷側電路4が接続されている負荷に応じてそれぞれ負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値があらかじめ設定されており、これとの比較が行われる。
【0056】
第一の電力遮断手段14は、筐体内温情報取得手段8で取得した前記筐体内の前記温度が前記筐体内監視温度を越えたと筐体内温度監視手段11が判定した際に、電気機器2を介した電源側電路3から負荷側電路4への電力供給を遮断する電力遮断信号を出力する処理を行う。例えば、電気機器2を遮断する電力遮断信号を電気機器2に対して出力する処理を行う。
【0057】
第二の電力遮断手段15は、電路温度情報取得手段9で取得した負荷側電路4の前記温度が前記負荷側電路監視温度を越えたと負荷側電路温度監視手段12が判定した際に、電気機器2を介した電源側電路3から負荷側電路4への電力供給を遮断する電力遮断信号を出力する処理を行う。例えば、電気機器2を遮断する電力遮断信号を電気機器2に対して出力する処理を行う。
【0058】
第三の電力遮断手段16は、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10で取得した前記電路電圧・電流・抵抗値が前記負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値を越えたと負荷側電路電圧・電流・抵抗値監視手段13が判定した際に、電気機器2を介した電源側電路3から負荷側電路4への電力供給を遮断する電力遮断信号を出力する処理を行う。例えば、電気機器2を遮断する電力遮断信号を電気機器2に対して出力する処理を行う。
【0059】
この実施形態のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが配備されている、電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている電力装置が、
図4〜
図13図示のように、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2が電力装置1を構成する筐体内に配備されていて、電源側からの電源側電路3と負荷に向かう負荷側電路4との間で電気的接続が図られている場合、上述した、第一の電力遮断手段14、第二の電力遮断手段15、第三の電力遮断手段16から出力される上述の電力遮断信号は、それぞれ、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2に供給される。
【0060】
この実施形態のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが配備されている、電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器を介して電気的に接続されている電力装置は、
図14〜
図23図示のように、
図4〜
図13図示の構成に加えて、更に、負荷側電路に、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の回路開閉器が配備されている形態にすることもできる。
【0061】
この場合の、回路開閉器としては、例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器を採用することができる。
【0062】
このような構成である場合には、第一の電力遮断手段14、第二の電力遮断手段15、第三の電力遮断手段16のそれぞれから出力される上述の電力遮断信号は、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2あるいは、電気機器2とは異なる種類の前記回路開閉器の何れかに対して出力される形態にすることができる。
【0063】
そして、この場合に、第一の電力遮断手段14、第二の電力遮断手段15、第三の電力遮断手段16のそれぞれから出力される上述の電力遮断信号は、最初に、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の前記回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなど)に供給する形態にすると有利である。
【0064】
回路開閉器が主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどである場合、遮断した後に復旧させるときには担当者などの確認の上で復旧が行われるが、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器はリモートコントロールで復旧させることが可能である。
【0065】
そこで、筐体内温情報取得手段8で取得した前記筐体内の温度に関する情報が前記筐体内監視温度を下回った、電路温度情報取得手段9で取得した負荷側電路4の温度に関する情報が前記負荷側電路監視温度を下回った、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10で取得した電路電圧・電流・抵抗値に関する情報が前記負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値を下回ったと電力復旧信号出力手段25が判定したときに、電力復旧信号出力手段25が上述した電力遮断信号の入力を受けていた前記回路開閉器(マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなど)に対して負荷側電路を介した前記負荷への電力供給を復旧させる電力復旧信号を出力する構成にすることができる。
【0066】
これによって、必要がある場合に、負荷側電路を介した前記負荷への電力供給を遮断し、一方で、電力供給を遮断しておく必要がなくなった前記負荷への電力供給を自動的に復旧させることができる。
【0067】
上述したように、第一の電力遮断手段14、第二の電力遮断手段15、第三の電力遮断手段16のそれぞれから出力される上述の電力遮断信号が、まず、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の前記回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなど)に供給されて電力供給が遮断された後であって、電力供給復旧に担当者の立ち合い、確認、等が必要になる程度の不具合が更に生じたときに、引き続いて、第一の電力遮断手段14、第二の電力遮断手段15、第三の電力遮断手段16のそれぞれから上述の電力遮断信号を出力して主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2に供給する形態にすることができる。
【0068】
第一の警報信号発出手段17は、筐体内温情報取得手段8で取得した前記筐体内の前記温度が前記筐体内監視温度を越えたと筐体内温度監視手段11が判定した際に、前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共に、温度警報信号を出力する処理を行う。
【0069】
第二の警報信号発出手段18は、電路温度情報取得手段9で取得した負荷側電路4の前記温度が前記負荷側電路監視温度を越えたと負荷側電路温度監視手段12が判定した際に、前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共に、温度警報信号を出力する処理を行う。
【0070】
第三の警報信号発出手段19は、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10で取得した前記電路電圧・電流・抵抗値が前記負荷側電路監視電圧・電流・抵抗値を越えたと電路電圧・電流・抵抗値監視手段13が判定した際に、前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共に、電圧・電流・抵抗値警報信号を出力する処理を行う。
【0071】
警報通知情報出力手段20は、第一の警報信号発出手段17が出力した前記温度警報信号、第二の警報信号発出手段18が出力した前記温度警報信号、第三の警報信号発出手段19が出力した前記電圧・電流・抵抗値警報信号のいずれかに基づいて、電力装置1を管理している管理者が使用している管理者端末31及び、電力装置1の管理を担当している担当者が所有している担当者端末32a、32b、32c、32dに対して、前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共に、警報通知情報を出力する処理を行う。
【0072】
管理者端末31は、モニタなどの画像情報表示手段を備えているパーソナルコンピュータ等によって構成することができる。担当者端末32a、32b、32c、32dは、本発明のシステム運用用のアプリケーションがダウンロードされているスマートフォンなどの携帯端末によって構成することができる。
【0073】
第一の火災警報情報出力手段21は、筐体内温情報取得手段8で取得した前記筐体内の前記温度が前記筐体内警報温度を越えたと筐体内温度監視手段11が判定した際に、電力装置1に対して配備されている火災報知設備機器40に火災警報情報を出力する処理を行う。
【0074】
第二の火災警報情報出力手段22は、電路温度情報取得手段9で取得した負荷側電路4の前記温度が前記負荷側電路警報温度を越えたと負荷側電路温度監視手段12が判定した際に、電力装置1に対して配備されている火災報知設備機器40に火災警報情報を出力する処理を行う。
【0075】
この火災報知設備機器40からは、
図2図示のように、消防署などの関係機関に対して自動的に連絡を行う体制にすることにより、たとえ火災が発生した場合であっても、消防署など関係諸機関による迅速な対処を可能にする体制にすることができる。
【0076】
画像情報出力手段24は、第一の警報信号発出手段17が前記温度警報信号を出力した後、または、第二の警報信号発出手段18が前記温度警報信号を出力した後、あるいは、第三の警報信号発出手段19が前記電圧・電流・抵抗値警報信号を出力した後、管理者端末31から取得した画像情報要求情報及び/又は担当者端末32a、32b、32c、32dから取得した画像情報要求情報に基づいて、デジタルカメラ41が撮影している電力装置1の画像情報をリアルタイムで出力する処理を行う。これによって、管理者端末31のモニタ画面や、担当者端末32a、32b、32c、32dの画像情報表示画面に、有線又は無線のネットワーク30を介して、デジタルカメラ41が撮影している電力装置1の画像情報がリアルタイムで表示されるようにするものである。
【0077】
以上に説明した実施形態で、種々の受変電設備、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、リモート制御装置盤、配電盤や分電盤などと機器・器具間の延長コードまたは配線の分岐配線接続のジャンクションボックスなどである電力装置1の近傍に電力装置1を撮影し温度を検知する温度検知手段が配備されている形態にすることができる。
【0078】
あるいは、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器)の近傍に当該回路開閉器を撮影し温度を検知する温度検知手段が配備されている形態にすることもできる。
【0079】
また、電力装置1の近傍に電力装置1を撮影し温度を検知する温度検知手段が配備されていて、なおかつ、前記回路開閉器の近傍に前記回路開閉器を撮影し温度を検知する温度検知手段が配備されている形態にすることもできる。
【0080】
電力装置1や前述した回路開閉器を撮影し温度を検知する温度検知手段としては、例えば、サーモグラフィックカメラ、等を採用することができる。サーモグラフィックカメラ、等は、撮影している電力装置1や前述した回路開閉器における画像情報(例えば、熱分布画像)と、当該熱分布画像中に数値で表示される電力装置1や前述した回路開閉器の温度情報とを取得するものである。
【0081】
図24は、
図2図示のこの発明に係るデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムの一実施形態のシステム構成において、上述したように、電力装置1の近傍や、回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器)の近傍に上述した温度検知手段の一例としてサーモグラフィックカメラが配備される実施形態を説明するものである。
【0082】
図24の実施形態では、サーモグラフィックカメラの近傍に、サーモグラフィックカメラで撮影する対象を照明する機器も付帯されている例で説明している。
【0083】
図示を省略しているが、
図4〜
図23図示のシステム構成においても、
図24に例示したように、種々の受変電設備、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、リモート制御装置盤、配電盤や分電盤などと機器・器具間の延長コードまたは配線の分岐配線接続のジャンクションボックスなどである電力装置1の近傍や、回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器)の近傍にこれらを撮影し温度を検知する温度検知手段(例えば、サーモグラフィックカメラ、等)や照明が配備されている実施形態にすることができる。
【0084】
これらの実施形態の場合に、検知温度情報出力手段26は、前記温度検知手段(例えば、サーモグラフィックカメラ、等)がリアルタイムで撮影している電力装置1の画像情報と検知温度情報、又は、前記回路開閉器の画像情報と検知温度情報、又は、電力装置1の画像情報及び検知温度情報と前記回路開閉器の画像情報及び検知温度情報とを、所定のタイミングで、管理者端末31及び/又は担当者端末32a〜32dへ送出する処理を行う。
【0085】
検知温度情報出力手段26が、管理者端末31及び/又は担当者端末32a〜32dへ向けて、前記温度検知手段(例えば、サーモグラフィックカメラ、等)がリアルタイムで撮影している電力装置1の画像情報及び検知温度情報、又は、前記回路開閉器の画像情報及び検知温度情報、又は、電力装置1の画像情報及び検知温度情報と前記回路開閉器の画像情報及び検知温度情報とを送出する前述の所定のタイミングの一つとして、警報通知情報出力手段20が、警報通知情報を出力する処理を行ったときがあげられる。
【0086】
すなわち、警報通知情報出力手段20が、第一の警報信号発出手段17が出力した前記温度警報信号、第二の警報信号発出手段18が出力した前記温度警報信号、第三の警報信号発出手段19が出力した前記電圧・電流・抵抗値警報信号のいずれかに基づいて、電力装置1を管理している管理者が使用している管理者端末31及び、電力装置1の管理を担当している担当者が所有している担当者端末32a、32b、32c、32dに対して、前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共に、警報通知情報を出力する処理を行った際である。
【0087】
このタイミングで前記温度検知手段(例えば、サーモグラフィックカメラ、等)がリアルタイムで撮影している、種々の受変電設備、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、リモート制御装置盤、配電盤や分電盤などと機器・器具間の延長コードまたは配線の分岐配線接続のジャンクションボックスなどである電力装置1の熱分布画像と当該熱分布画像中に数値で表示される温度情報、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器)の熱分布画像と当該熱分布画像中に数値で表示される温度情報を、管理者端末31及び/又は担当者端末32a〜32dへ送出することで、管理者や担当者は設備の温度異常を把握し、設備の焼損や、発火事故の発生を事前に防止することに役立てることができる。
【0088】
また、前述の所定のタイミングの他の一つとして、あらかじめ定められている年次、月次、週次、日次、1時間ごと等の所定の時間ごと等のタイミングをあげることもできる。
【0089】
前記温度検知手段(例えば、サーモグラフィックカメラ、等)がリアルタイムで撮影している、種々の受変電設備、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、リモート制御装置盤、配電盤や分電盤などと機器・器具間の延長コードまたは配線の分岐配線接続のジャンクションボックスなどである電力装置1の熱分布画像と当該熱分布画像中に数値で表示される温度情報、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器)の熱分布画像と当該熱分布画像中に数値で表示される温度情報を、このように、所定の年次、月次、週次、日次、1時間ごと等の所定の時間ごと等で管理者、担当者が管理者端末31、担当者端末32a〜32dで取得することで、設備の焼損や、発火事故が発生することを未然に防止することに役立てることができる。
【0090】
更に、前述の所定のタイミングの他の一つとして、管理者端末31及び/又は担当者端末32a〜32dから検知温度情報要求情報を取得したときをあげることもできる。
【0091】
管理者や担当者が任意で検知温度情報を要求し、管理している、あるいは担当している前述の電力装置1、回路開閉器の熱分布画像情報と当該熱分布画像中に数値で表示される検知温度情報を取得することで、設備の焼損や、発火事故が発生することを未然に防止することに役立てることができる。
【0092】
種々の受変電設備、配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、リモート制御装置盤、配電盤や分電盤などと機器・器具間の延長コードまたは配線の分岐配線接続のジャンクションボックスなどである電力装置1や、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなどの回路開閉器)の平常時温度は32℃〜40℃である。これらをリアルタイムで温度検知手段(例えば、サーモグラフィックカメラ、等)にて撮影していることで、温度検知手段が取得した熱分布画像と当該熱分布画像中に数値で表示される検知温度情報により、前述の電力装置1や、回路開閉器などが平常時の温度状態(32℃〜40℃)を逸脱した高温状態になって、設備の焼損や、発火事故が発生することを未然に防止するための対応が必要になったことを、管理者端末31、担当者端末32a〜32dの表示画面に表示される熱分布画像情報と当該熱分布画像中に数値で表示される検知温度情報から直ちに把握し、対処することが可能になる。
【0093】
上記に構成の一例を説明したデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム50は、コンピュータから構成することができる。この場合、図示していないが、オペレーティングシステムや、インストールあるいはダウンロードした所定のコンピュータプログラムなどに従って、この実施形態のシステムの各種の機能が実現されるように制御を行うCPU、オペレーティングシステムや種々のコンピュータプログラムなどを記憶し、また、CPUが各制御のための処理を実行する上で必要なデータを記憶する記憶部としてのROM、CPUが処理を実行する上で必要なデータを記憶し、CPUによって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用されるRAMやハードディスク、通信インターフェース等の情報入出力部などが備えられていて、これらが必要なバスラインで接続されている構成になる。
【0094】
上述した筐体内温情報取得手段8〜電力復旧信号出力手段25は、これらのすべてが一つの装置・機器に配備されている構成にする必要はない。例えば、電力装置1にこれらの中の一部の構成を備えている装置・機器が配備されていて、これが、電力装置1とは離れたところに配備されていて、その他の構成を備えているコンピュータからなる他の装置・機器と有線又は無線のネットワークを介して情報交信可能に接続されている形態にすることもできる。あるいは、電力装置1に上述した筐体内温情報取得手段8〜電力復旧信号出力手段25の中の一部の構成を備えている装置・機器が配備されていて、これが、電力装置1とは離れたところに配備されていて、その他の構成の中の一部を備えているコンピュータからなる他の装置・機器及び、その他の構成の中の残りの一部を備えているコンピュータからなる他の装置・機器と有線又は無線のネットワークを介して情報交信可能に接続されている形態にすることもできる。
【0095】
例えば、筐体内温情報取得手段8を、盤内温度センサ7の形態にして、電力装置1の筐体に配備しておく構成にすることができる。電力装置1の筐体に盤内温度センサ7が配備されていて、盤内温度センサ7が、常時、筐体の内部の温度を検知し、検知した温度情報をデジタル情報として出力し、この情報を、有線又は無線のネットワークを介してデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム50の通信インターフェース部が取得し、取得した情報を、不図示の制御部が、不図示の情報格納手段(記憶部)に記録すると共に、筐体内温度監視手段11による処理動作に供されるように処理することになる。
【0096】
また、電路温度情報取得手段9を、電線温度センサ6の形態にして、電力装置1の筐体に配備しておく構成にすることができる。電力装置1の筐体に電線温度センサ6が配備されていて、電線温度センサ6が、常時、負荷側電路4の温度を検知し、検知した温度情報をデジタル情報として出力し、この情報を、有線又は無線のネットワークを介してデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム50の通信インターフェース部が取得し、取得した情報を、不図示の制御部が、不図示の情報格納手段(記憶部)に記録すると共に、負荷側電路温度監視手段12による処理動作に供されるように処理することになる。
【0097】
また、負荷側電路4に接続されて電圧値、電流値及び抵抗値を常時検知し、検知した負荷側電路4の電圧値、電流値及び抵抗値に関する情報である電圧・電流・抵抗値情報を前記筐体に係る電力装置1を特定する情報と共にデジタル情報で出力する電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10を、電圧・電流・抵抗計測器5にして電力装置1の筐体に配備しておく構成にすることができる。電力装置1の筐体に電圧・電流・抵抗計測器5が配備されていて、これが、常時、負荷側電路4の電圧値、電流値、抵抗値を検知し、検知した電圧・電流・抵抗値情報をデジタル情報として出力し、この情報を、有線又は無線のネットワークを介してデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム50の通信インターフェース部が取得し、取得した情報を、不図示の制御部が、不図示の情報格納手段(記憶部)に記録すると共に、電路電圧・電流・抵抗値監視手段13による処理動作に供されるように処理することになる。
【0098】
上記において、電力装置1とは離れたところに配備されていて、電力装置1に配備されている筐体内温情報取得手段8、電路温度情報取得手段9、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10などと有線又は無線のネットワークを介して接続されていて、上述したその他の構成の中の一部や残りの構成を備えている他の一または複数の装置・機器の中に、クラウド上に設置されているサーバコンピュータが含まれている構成にすることもできる。
【0099】
図4〜
図8は、既存の電灯盤、動力盤、配電盤、分電盤、制御盤(リモート制御装置盤)、ジャンクションボックスなどに本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムを配備する場合の構成を説明するブロック図である。
【0100】
図14〜
図18は、それぞれ、
図4〜
図8図示の構成に加えて、更に、負荷側電路に、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなど)が配備されている場合を説明するものである。
図14、
図15、
図16、
図18では回路開閉器としてマグネットスイッチが採用されている。
図17では、回路開閉器として電磁接触器とサーマルリレーとで構成されるマグネットスイッチが回路開閉器として採用されている。
【0101】
各図において「監視システム」とされているところに筐体内温情報取得手段8、電路温度情報取得手段9、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10が配備されている。そして、「監視システム」と有線又は無線のネットワークを介して情報交信可能に接続される、いずれも、コンピュータからなる「中央監視制御装置」、「サーバー」に、上述したデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム50を構成するその他のユニット部分がそれぞれ配備されることになる。
【0102】
図9〜
図13は、本発明のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムが採用されている電灯盤、動力盤、配電盤、分電盤、制御盤(リモート制御装置盤)、ジャンクションボックスの構成を説明するブロック図である。
【0103】
図19〜
図23は、それぞれ、
図9〜
図13図示の構成に加えて、更に、負荷側電路に、主幹ブレーカー、漏電ブレーカーなどからなる電気機器2とは異なる種類の回路開閉器(例えば、マグネットスイッチ、パワーリレー、ソリッドステートリレーなど)が配備されている場合を説明するものである。
図19、
図20、
図22、
図23では回路開閉器としてマグネットスイッチが採用されている。
図21では、回路開閉器として電磁接触器とサーマルリレーとで構成されるマグネットスイッチが回路開閉器として採用されている。
【0104】
各図において「監視システム」とされているところに筐体内温情報取得手段8、電路温度情報取得手段9、電路電圧・電流・抵抗値情報取得手段10が配備されている。そして、「監視システム」と有線又は無線のネットワークを介して情報交信可能に接続される、いずれも、コンピュータからなる「中央監視制御装置」、「サーバー」に、上述したデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム50を構成するその他のユニット部分がそれぞれ配備されることになる。
【0105】
この実施形態のデジタルエレクトリックセフティコントロールシステムによれば、上記で説明した所定の場合に、第一の電力遮断手段14、第二の電力遮断手段15、第三の電力遮断手段16からそれぞれ電力遮断信号が出力されて、電源側電路から負荷側電路への電力供給が遮断される。この場合には、同時に、第一の警報信号発出手段17、第二の警報信号発出手段18、第三の警報信号発出手段19、警報通知情報出力手段20によって、上述したように、電力供給が遮断された負荷(原動機、昇降機、空調設備、換気設備、照明設備、冷蔵・冷凍ケース、冷蔵庫・冷凍庫、計測器、コンピュータ機器、監視カメラ、医療機器、等、電力の供給を受けて稼働する電力・電気装置・機器であって、建物などの内外を問わずに配備されて使用される電力・電気装置・機器、電車・車・航空機・船などの乗り物・移動手段に配備されて使用される電力・電気装置・機器など)を特定できる情報と共に、その旨が電力装置を管理している管理者が使用している管理者端末31及び、電力装置の管理を担当している担当者が所有している担当者端末32a、32b、32c、32dに対して通知される。
【0106】
そこで、管理者、担当者は、電力供給が遮断された上述の負荷が瞬時のうちに復旧されるべき負荷である場合には、必要な対処を直ちに行うことができる。
配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤、制御盤、ジャンクションボックスのように、電源側からの電源側電路と負荷に向かう負荷側電路とが筐体内に配備されている電気機器などを介して電気的に接続されている電力装置において火災発などに結びつく電気事故の発生を未然に防止し、更に、負荷側電路が接続されている種々の電力・電気機器・装置が損傷等する事故が発生することを未然に防止するデジタルエレクトリックセフティコントロールシステム。
負荷側電路の温度が任意設定した要注意温度または、盤内の温度が任意設定した要注意温度に達すれば、温度センサが感知し、前記電気機器を介した前記電源側電路から前記負荷側電路への電力供給を遮断する。負荷側電路の電圧、電流、抵抗値が接続されている各負荷を考慮してあらかじめ設定されている値をこえると、負荷側電路の電圧・電流・抵抗計測機器が関知し、前記電気機器を介した前記電源側電路から前記負荷側電路への電力供給を遮断する。これにより該当盤の焼損、発火事故を防止するシステム。