(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記軟性部(61)は、前記剛性部(62)よりも直径又は剛度が小さい細いワイヤによって作製され、前記軟性部(61)と前記剛性部(62)は、一体成形されたり、直径の異なる2本の細いワイヤによって組み付けられてなることを特徴とする請求項1に記載の波紋型高周波アブレーションカテーテル。
前記電極支持体を構成する複数の波紋は、電極支持体の前端から後端に向かって順次逓増するサイズで設けられ、或いは、前記電極支持体を構成する複数の波紋は、電極支持体の前端から後端に向かって順次逓減するサイズで設けられていることを特徴とする請求項5に記載の波紋型高周波アブレーションカテーテル。
前記支持密着調節ワイヤ(6)の先端には、カメラ(63)及び/又はフレキシブルガイドワイヤ(64、65)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の波紋型高周波アブレーションカテーテル。
前記密着調節ワイヤ(8)の前端は、電極支持体内に戻った後、前記電極支持体と前記接続カテーテル(10)内における管腔を経由して接続カテーテル(10)の後端に戻り、前記制御ハンドル(20)に固定されたり、前記制御部品(23)に固定されていることを特徴とする請求項10に記載の波紋型高周波アブレーションカテーテル。
前記複数本のワイヤ(8A、8B)に対応する制御部品(23)は、同一の制御部品(23)であることを特徴とする請求項17に記載の波紋型高周波アブレーションカテーテル。
前記複数本のワイヤ(8A、8B)によりそれぞれ制御された複数部分の波紋同士が重なっていることを特徴とする請求項17に記載の波紋型高周波アブレーションカテーテル。
前記電極支持体は、アウタチューブ(1)を含み、前記アウタチューブ(1)の外周には電極(2)が嵌設され、前記アウタチューブ(1)内には1つ又は複数の管腔が設けられ、一部の管腔のそれぞれには、熱電対の素線(4)と高周波ケーブル(3)が1組設けられ、
各々の前記電極(2)内には、高周波ケーブル(3)と熱電対の素線(4)が1組設けられ,前記高周波ケーブル(3)は、前記電極(2)に接続され、前記熱電対の素線(4)は前記電極(2)と絶縁で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の波紋型高周波アブレーションカテーテル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする主な技術課題は、波紋型高周波アブレーションカテーテルを提供することにある。
【0007】
本発明が解決する別の技術課題は、上記高周波アブレーションカテーテルを含む高周波アブレーション機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術案を用いた。
【0009】
長尺状の接続カテーテルを有し、
前記接続カテーテルの前端には電極支持体が設けられ、前記接続カテーテルの後端には制御ハンドルが設けられている、波紋型高周波アブレーションカテーテルであって、
前記電極支持体は1つ又は複数の波紋からなる波紋型電極支持体であり、波紋には1つ又は複数の電極が分布し、
前記電極支持体と前記接続カテーテルとにおける何れかの管腔内には、摺動可能な支持密着調節ワイヤが設けられ、前記支持密着調節ワイヤは、制御ハンドルから離間する軟性部と、制御ハンドルに接近する剛性部とに分けられ、
前記支持密着調節ワイヤの先端は、前記電極支持体の前端外に規制され、前記電極支持体の前端に対して摺動可能であり、
前記支持密着調節ワイヤの末端は、前記制御ハンドルに設けられた制御部品に固定されたり、外付けの制御部品に固定されており、前記制御部品は、前記支持密着調節ワイヤの前後移動を制御するためのものであり、
前記支持密着調節ワイヤの剛性部が前記電極支持体内にある場合、前記電極支持体と前記剛性部とが重なり合っている部位が略直線状になり、
前記支持密着調節ワイヤの軟性部が前記電極支持体内にある場合、前記電極支持体と前記軟性部とが重なり合っている部位が波紋状になっている波紋型高周波アブレーションカテーテル。
【0010】
好ましくは、前記軟性部は、前記剛性部よりも直径又は剛度が小さい細いワイヤによって作製され、前記軟性部と前記剛性部は、一体成形されたり、直径の異なる2本の細いワイヤによって組み付けられてなる。
【0011】
或いは、好ましくは、前記軟性部は、ばね構造又はホース構造を用いている。
【0012】
或いは、好ましくは、前記支持密着調節ワイヤの軟性部と剛性部は、同一の剛性材によって作製され、前段が溝、孔を加工して軟性部になっており、
或いは、前記支持密着調節ワイヤの軟性部と剛性部は、同一の軟性材によって作製され、後段がアウタスリーブを組み付けて剛性部になっている。
【0013】
好ましくは、前記波紋の形状は、複数線分の直線によって構成される折線からなり、或いは、複数線分の曲線からなり、或いは、曲線と直線とからなっている。
【0014】
好ましくは、前記電極は、前記波紋の山/谷に設けられている。
【0015】
好ましくは、前記支持密着調節ワイヤの先端には、カメラ及び/又はフレキシブルガイドワイヤが設けられている。
【0016】
好ましくは、前記電極支持体内に設けられた定型ワイヤをさらに含む。
【0017】
好ましくは、密着調節ワイヤがさらに設けられ、
前記密着調節ワイヤの後段は、前記接続カテーテルにおける何れかの管腔内に摺動可能に設けられ、その後端が前記制御ハンドルに設けられた制御部品に接続されたり、外付けの制御部品に接続され、
前記密着調節ワイヤの前段は、前記電極支持体外に取り付けた後、前記波紋に設けられた1つ又は複数の孔を経由し、或いは、複数の波紋を迂回した後に、その前端が電極支持体内に戻って固定されている。
【0018】
或いは、好ましくは、密着調節ワイヤがさらに設けられ、
前記密着調節ワイヤは、2本又は2本以上の複数本のワイヤからなり、複数本のワイヤは、それぞれ前記電極支持体における1つ又は一部の波紋を調節するためのものであり、一部の波紋が2つ及び2つ以上の複数の波紋を含み、各ワイヤの前端がそれぞれ対応する波紋又は波紋部の一端に固定され、他端が波紋/波紋部を迂回した後、電極支持体内と接続カテーテル内とにおける管腔を経由した後、前記制御ハンドルに設けられている対応する制御部品又は外付けの制御部品に固定されている。
【0019】
上記の高周波アブレーションカテーテルと、前記高周波アブレーションカテーテルに接続された高周波アブレーションホストとを含む高周波アブレーション機器。
【0020】
本発明から提供される波紋型高周波アブレーションカテーテルは、支持密着調節ワイヤの構造を改良することにより、他の機器を介さないという前提で、カテーテル波紋部の直径を変更する。一方、支持密着調節ワイヤの剛性部を電極支持体と重ね合わせるように制御することにより、波紋部の直径が小さくなり、長さが大きくなり、略直線状になってもよく、ガイドカテーテル/シースに適応している。他方、支持密着調節ワイヤを軟性部と電極支持体との重合まで後退させるときに、電極支持体は波紋状に復元してもよい。上記波紋型高周波アブレーションカテーテルは、支持密着調節ワイヤにおいて異なる部位(軟性部又は剛性部又は一部の剛性部及び一部の軟性部)を電極支持体と重ね合わせるように制御することで、電極支持体の形態を変更し、高周波アブレーションカテーテルがガイドカテーテル/シースに入り込んだ場合の難易度を明らかに低下し、波紋型電極支持体が対象管腔を移動することが極めて大幅に便利になり、操作が容易になり、かつ構造が簡易である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】
図1Aは、波紋型高周波アブレーションカテーテルの構造模式図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aに示される波紋型高周波アブレーションカテーテルの側面模式図である。
【
図2】
図2は、
図1Aに示される所示高周波アブレーションカテーテルにおける電極支持体の断面模式図である。
【
図3】
図3は、支持密着調節ワイヤの剛性部が電極支持体と重なり合ってる場合の波紋型高周波アブレーションカテーテルのD−D断面模式図である。
【
図4】
図4は、
図3に示される波紋型高周波アブレーションカテーテルのI部の部分的な拡大模式図である。
【
図5A】
図5Aは、ボタン制御部品でワイヤを前方へ移動させて支持密着調節ワイヤの剛性部が電極支持体と重なり合っている場合の制御ハンドルの状態模式図である。
【
図5B】
図5Bは、ボタン制御部品でワイヤを後方へ移動させて支持密着調節ワイヤの軟性部が電極支持体と重なっている場合の制御ハンドルの状態模式図である。
【
図6】
図6は、本発明から提供される第1支持密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図7】
図7は、本発明から提供される第2支持密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図8】
図8は、本発明から提供される第3支持密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図9A】
図9Aは、第2実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図9B】
図9Bは、第2実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの側面模式図である。
【
図10A】
図10Aは、第3実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図10B】
図10Bは、第3実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの側面模式図である。
【
図11A】
図11Aは、第4実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図11B】
図11Bは、第4実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの側面模式図である。
【
図12A】
図12Aは、第5実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図12B】
図12Bは、第5実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの側面模式図である。
【
図13A】
図13Aは、第5実施例において密着調節ワイヤの作用による収縮後の波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図13B】
図13Bは、第5実施例において密着調節ワイヤの作用による収縮後の波紋型高周波アブレーションカテーテルの側面模式図である。
【
図14】
図14は、第5実施例に示される高周波アブレーションカテーテルにおける電極支持体の断面模式図である。
【
図15】
図15は、第5実施例に示される高周波アブレーションカテーテルにおいて支持密着調節ワイヤ剛性部が電極支持体と重なり合っている場合の波紋型高周波アブレーションカテーテルのF−F断面模式図である。
【
図16】
図16は、
図15に示される波紋型高周波アブレーションカテーテルのII部の部分的な拡大模式図である。
【
図17】
図17は、第5実施例に示される高周波アブレーションカテーテルにおける制御ハンドルの構造模式図である。
【
図18】
図18は、第5実施例において密着調節ワイヤが定型ワイヤに固定されている場合の構造模式図である。
【
図19A】
図19Aは、第5実施例において分岐部を有する3種類の支持密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図19B】
図19Bは、第5実施例において分岐部を有する3種類の支持密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図19C】
図19Cは、第5実施例において分岐部を有する3種類の支持密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図20】
図20は、第6実施例における第1波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図21】
図21は、第6実施例における第2波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図22】
図22は、
図21に示される波紋型高周波アブレーションカテーテルの内部構造模式図である。
【
図23】
図23は、
図21に示される波紋型高周波アブレーションカテーテルの第2密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図24】
図24は、
図21に示される波紋型高周波アブレーションカテーテルの第3密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図25】
図25は、第7実施例における波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【
図26】
図26は、
図25に示される波紋型高周波アブレーションカテーテルの密着調節ワイヤの構造模式図である。
【
図27】
図27は、第8実施例に示される波紋型高周波アブレーションカテーテルの斜視構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面及び具体的な実施例に基づいて、本発明の技術内容をより詳細に説明する。
【0023】
(第1実施例)
図1A乃至
図5Bから分かるように、本発明から提供される波紋型高周波アブレーションカテーテルは、長尺状の接続カテーテル10を含み、接続カテーテル10の前端には波紋型電極支持体が設けられ(
図1A参照)、接続カテーテル10の後端には制御ハンドル20が設けられている(
図5A及び5B参照)。実際の作製中、電極支持体は、接続カテーテル10と一体に作製されてもよく、電極支持体は、接続カテーテル10の前端が波紋状に定型される部分である。電極支持体も、独立して作製されてから、接続カテーテル10と一体に接続されてもよい。
【0024】
図1Aに示されるように、波紋型電極支持体は、アウタチューブ1と、アウタチューブ1に設けられている1つ又は複数の電極2とを含む。アウタチューブ1は、1つ又は複数の波紋からなる波紋状に定型されている。波紋の形状は、複数線分の直線によって構成される折線であってもよく、例えば、三角波であってもよい。波紋の形状も複数線分の曲線からなる正弦波、円弧波等であってもよい。波紋の形状も曲線と直線とからなってもよく、例えば、R角を有する台形波である。また、波紋の形状も他の凸凹構造を有する形状であってもよい。なお、同一の電極支持体では、複数の波紋の形状およびサイズが同じであってもよく、異なってもよい。以下、具体的な実施例に基づいて、詳細に説明する。波紋型電極支持体の複数の波紋は、異なる平面に位置してもよく、同一の平面に位置してもよい。第1実施例では、波紋の全てが同一の平面に位置している。複数の電極2がそれぞれ各波紋に分布している。その中、電極2が波紋の山又は谷に設けられていることが好ましい。電極2は、アウタチューブ1の外周に嵌設されているブロック状電極又はリング状電極であってもよい。電極2の外面は、アウタチューブ1の外面と揃って、或いはアウタチューブ1の外面よりもやや高くなってもよい。電極2の外面もアウタチューブ1の外面よりも低くなってもよい。
【0025】
図1Bに示される側面模式図から分かるように、第1実施例では、波紋型電極支持体における各波紋は、同一の平面に位置し、複数の電極2は、それぞれ各山及び谷に設けられている。以下の他の実施例では、波紋型電極支持体の複数の波紋も、異なる平面に分布してもよい。各波紋が同じ角度で相互に交差している場合、複数の電極2が電極支持体の側投影面に円周方向に沿って均一に分布し、即ち、対象管腔の外周には略円周に分布してもよい。勿論、各波紋の相互の交差角度が一致していない場合に、複数の電極2が電極支持体の側投影面に円周方向に沿って不均一に分布してもよい。そして、電極支持体が長い場合に、電極支持体の長尺方向において複数の波紋が一定の規則又はランダムに繰り返されてもよいため、複数の電極2を、電極支持体の側投影面に重なるものとしてもよい。
【0026】
図2、
図3及び
図4に示された内部断面図から分かるように、電極支持体のアウタチューブ1は、単体の管腔又は複数の管腔であってもよい。アウタチューブ1は、高分子材料又は金属材料を用いて作製し、例えばステンレス鋼又は記憶合金等の材料を用いて作製してもよい。アウタチューブ1は、直管材、棒材を用いて加工してなってもよく、予め波紋状に作製した特殊形状のものを使用してもよい。
図2に示されるように、アウタチューブ1が複数の管腔を使用する場合、電極支持体のアウタチューブ1内おいて中心管腔に加え、複数の管腔が設けられてもよい。そのうち、一部の管腔のそれぞれには、高周波ケーブル3と熱電対の素線4が1組設けられている。各組の高周波ケーブル3及び熱電対の素線4の先端が個別電極2内に設けられている。そのうち、高周波ケーブル3の先端は、電極2と緊密に固定され、例えば溶接、導電ペースト接着等のプロセスで接続されるようになっている。2本の熱電対の素線4の先端は、溶接され、熱電対の素線の先端の絶縁層5によって覆われてから、高周波ケーブル3及び電極2と絶縁で設けられている。
【0027】
図2に示されるように、この実施例において、アウタチューブ1における何れかの管腔には、定型ワイヤ7が設けられている。定型ワイヤ7は、電極支持体の波紋状を支持するように電極支持体の変形領域部に固定されている。勿論、電極支持体が直接波紋状に定型されているため、定型ワイヤ7が省略されてもよい。例えば、記憶合金又は高分子材料でアウタチューブを作製する場合、アウタチューブが直接定型されてもよく、定型ワイヤ7を設けることが省略される。
【0028】
図2に示されるように、電極支持体及び接続カテーテル10内には、支持密着調節ワイヤ6を収納するための管腔がそれぞれ設けられている。電極支持体及び接続カテーテルの対応する管腔内には支持密着調節ワイヤ6が設けられている。支持密着調節ワイヤ6は、電極支持体及び接続カテーテルの対応する管腔内において前後を摺動可能である。支持密着調節ワイヤ6を収納するための管腔は、電極支持体及び接続カテーテルの中心管腔であってもよく、中心周囲に分布している複数の管腔のうちの一つであってもよい。
図3に示されるように、支持密着調節ワイヤ6の先端は、電極支持体の前端外に規制され、電極支持体の前端に対して摺動可能である。支持密着調節ワイヤ6の先端には、カメラ63が設けられている。支持密着調節ワイヤ6の末端は、接続カテーテル10の中心管腔又は他の管腔を通過し、支持密着調節ワイヤ6の前後移動を制御するための制御ハンドル20に固定されている。
【0029】
図5A及び
図5Bに示されるように、制御ハンドル20にはボタン制御部品22が設けられている。支持密着調節ワイヤ6の末端は、ボタン制御部品22に固定されている。ボタン移動部品22の制御ハンドル20における位置を変更することによって、支持密着調節ワイヤ6は前後移動するように制御されている。
【0030】
本発明から提供される波紋型高周波アブレーションカテーテルは、支持密着調節ワイヤ6の構造を改良することにより、ガイドカテーテル/シースを介さないという前提で、略直線状になるように、電極支持体の直径の変化を図り、ガイドカテーテル/シース及び対象管腔に挿入しやすくなると同時に、対象管腔に到達した後に、支持密着調節ワイヤ6を後方に引くことにより、電極支持体を波紋状に復元させてもよい。具体的に、
図6に示されるように、この高周波アブレーションカテーテルでは、支持密着調節ワイヤ6は、制御ハンドル20から離間する軟性部61(先端に接近する)と制御ハンドル20に接近する剛性部62(末端に接近する)との両方を有する。軟性部61の長さは、電極支持体のアウタチューブ1の長さ以上であることが好適である。勿論、特別な場合に、軟性部61の長さも電極支持体のアウタチューブ1の長さよりも小さくなってもよい。制御ハンドル20で支持密着調節ワイヤ6と電極支持体との重合領域を変更することにより、電極支持体の波紋部の直径が変更されてもよい。
【0031】
図5A及び
図3に示されるように、支持密着調節ワイヤ6を前方へ押すことで、その剛性部62を電極支持体内に位置させて軟性部61を電極支持体の前端から露出させるように支持密着調節ワイヤ6を前方へ移動させる場合、電極支持体の波紋状は、支持密着調節ワイヤ6の剛性部62の作用によって、直径が小さくなり、長さが大きくなり、略直線状になっている。好適な場合に、電極支持体は、
図3に示されるような直線状を呈してもよい。
図5Bに示されるように、支持密着調節ワイヤ6を後方に引くことで、その軟性部61が電極支持体に入り込むように支持密着調節ワイヤ6を後退させる場合、電極支持体は、電極支持体内に剛性部62がなくなり軟性部61だけがある時(
図1A参照)まで、軟性部61の入り込みに従って徐々に曲がっている。電極支持体は、波紋状に復元している。勿論、軟性部61の一部領域を電極支持体の前段と重ね合わせ、剛性部62の一部領域を電極支持体の後段と重ね合わせてもよい。この場合、電極支持体の前段と軟性部との重合領域は、波紋状に復元され、後段と剛性部との重合領域は、依然として略直線状になっている。設計によって、複数の波紋が異なる直径を有するようになっている。その後、支持密着調節ワイヤ6の剛性部62と波紋型電極支持体との重合領域を制御することにより、波紋型電極支持体は、直径の異なる血管で密着を実現することができる。つまり、この高周波アブレーションカテーテルでは、その剛性部62を電極支持体のアウターチューブ1と重ね合わせるように支持密着調節ワイヤ6の前方への移動を制御することで、ガイドカテーテル/シース又は対象管腔に適宜に入り込むように電極支持体の波紋部の直径を小さくすることができる。同時に、電極支持体が対象管腔内に到達すると、支持密着調節ワイヤ6を後方に引いて、その軟性部62を電極支持体のアウターチューブ1と重ね合わせることで、電極支持体は波紋状に復元し、密着を実現することができる。ボタン制御部品22の制御ハンドル20における位置については、
図5A及び
図5Bに示されるように、ボタン移動部品22が左側の位置に移動する時に、軟性部61は露出し、剛性部62は電極支持体のアウターチューブ1と重なり合っている。ボタン移動部品22が右側の位置に移動する時に、支持密着調節ワイヤ6の軟性部61は電極支持体のアウターチューブ1と重なり合っている。
【0032】
電極支持体が自然に拡張して密着された後に、さらに支持密着調節ワイヤ6を引くことで、電極2を管壁に緊密に接触させて電極2の密着状態を改良するように、電極2の密着状況を微調節できる。上記高周波アブレーションカテーテルは、支持密着調節ワイヤ6が電極支持体内に設けられ、支持密着調節ワイヤ6の軟性部61が電極支持体のアウターチューブと重なり合ってから、再び支持密着調節ワイヤ6を引き、支持密着調節ワイヤ6の可動幅が小さくなるので、電極支持体の形状だけを微調節することに用いられている。高周波アブレーションカテーテルを選択する時に、波紋部の直径が対象管腔の直径よりも大きくなり又は近くなる高周波アブレーションカテーテルを選択することが提案されている。このように、電極支持体が対象管腔において自動的に展開して波紋状に復元する中、血管壁の作用によって、緊密な密着が可能になる。上記高周波アブレーションカテーテルは、直径が波紋部の最初の直径以下となる対象管腔に対して良好な密着効果を有する。
【0033】
また、本発明から、支持密着調節ワイヤ6と密着調節ワイヤ8が同時に設けられた高周波アブレーションカテーテルが提供されている。そのうち、密着調節ワイヤ8は、後段が接続カテーテル10における何れかの管腔内に摺動可能に設けられ、かつその後端が制御ハンドル20に挿入した後に、制御ハンドル20に設けられた制御部品と接続され、或いは、その後端が制御ハンドル20を通過した後に外付けの制御部品と接続されている。密着調節ワイヤ8の前段は、電極支持体外に突き抜けた後に、波紋に設けられた一つ又は複数の孔を経由したり、複数の波紋を迂回した後に、その前端が電極支持体内に戻って固定されている。密着調節ワイヤ8を後方に引いて、直径の異なる血管に適するように波紋部の直径を大きい範囲内に変更することができる。この場合、電極支持体の波紋状の最初の直径は、対象管腔の直径よりも小さくなってもよい。支持密着調節ワイヤ6と密着調節ワイヤ8が同時に設けられた高周波アブレーションカテーテルの具体的な構成は、第5実施例乃至第7実施例を参照してもよい。そのうち、密着調節ワイヤ8は、別途に設ける細いワイヤであってもよい。密着調節ワイヤ8も、支持密着調節ワイヤ6から分岐された細いワイヤの分岐部であってもよい。密着調節ワイヤ8が設けられているという内容については、以下、具体的な実施例に基づいて詳述する。ここにて、取りあえず展開して述べない。
【0034】
以下、
図6乃至
図8に基づいて、本発明から提供される波紋型高周波アブレーションカテーテルにおいて使用可能な支持密着調節ワイヤ6の具体的な構成を詳細に説明する。
【0035】
支持密着調節ワイヤ6は、制御ハンドル20から離間する軟性部61(先端に接近する)と制御ハンドル20に接近する剛性部62(靠近末端)との両方を有する。支持密着調節ワイヤ6は、高分子材又は金属材で作製されてもよく、ワイヤ材又は管材であってもよい。そのうち、
図6に示されるように、支持密着調節ワイヤ6の軟性部61は、細いワイヤで螺旋状に作製されてもよい。剛性部62は、直径が相対的に大きく又は高い剛度を有するワイヤ材で作製されてもよい。
図7に示されるように、支持密着調節ワイヤ6の軟性部61および剛性部62は、同じ種類のワイヤ材において異なる直径によって、軟性や剛性に関する要求を満たすことができる。支持密着調節ワイヤ6も、前段が軟性となって後段が剛性となるという要求を満たすように、剛度の異なる材料で組付けられてなってもよい。
図8に示されるように、支持密着調節ワイヤ6も剛性材を1本採用し、前段を溝、孔等への加工によって軟性部61とすることができる。或いは、支持密着調節ワイヤ6も軟性材を1本採用し、後段を組付アウタスリーブを組み付けることによって剛性部62とすることができる。勿論、支持密着調節ワイヤ6の軟性部及び剛性部も、例えばチューブ又はばねで軟性部61を作製するような他の実現形態を有してもよい。
【0036】
図6〜8に示されるように、支持密着調節ワイヤ6の先端には、対象管腔の内部を即時撮像するカメラ63が設けられてもよい。同時に、支持密着調節ワイヤ6の前端には、フレキシブルガイドワイヤがさらに設けられてもよい。フレキシブルガイドワイヤは、
図7に示されるストレートヘッド型フレキシブルガイドワイヤ64であってもよく、
図8に示されるエルボ型フレキシブルガイドワイヤ65であってもよい。これにより、この高周波アブレーションカテーテルは、ガイドカテーテル/シースを省略し、直接血管に入ることが可能となる。手術の操作は簡素化された。
【0037】
(第2実施例乃至第4実施例)
図9A及び
図9Bに示される第2実施例では、2つずつの円弧波が、1つの平面に位置しているため、複数の波紋は、その側面投影面に
図9Bに示される発散状を呈している。複数の電極2は、それぞれ各波紋に分布してもよく、そのうち、電極2を波紋の山/谷に設けることが好適である。
図9Bに示される側面模式図から分かるように、この実施例では、波紋型電極支持体における各波紋は、その側面投影面に互いに交差するように分布し、複数の電極2は、それぞれ各山(又は谷と称される)に設けられている。各波紋が同じ角度で互いに交差している場合、複数の電極2は、電極支持体の側投影面に円周方向に沿って均一に分布し、即ち、対象管腔の外周に略円周に分布してもよい。勿論、各波紋の相互交差角度が一致していない場合、複数の電極2は、電極支持体の側投影面に円周方向に沿って不均一に分布してもよい。そして、電極支持体が長い場合、電極支持体の長さ方向の複数の波紋も一定の規則又はランダムに繰り返されてもよいため、複数の電極2は、電極支持体の側投影面に重なってもよい。
【0038】
図10A及び
図10Bに示される第3実施例では、波紋型電極支持体は、複数の円弧波からなっているが、複数の波紋の全てが異なる平面に位置している。複数の電極が、それぞれ個別の円弧波の山に位置しているため、複数の電極の側投影面が対象管腔の円周方向に分布するようになっている。この場合、アブレーションが一回完成された後,カテーテルを直接移動させて対象管腔の他の部位に対してアブレーションを行うことができる。
【0039】
図11A及び
図11Bに示される第4実施例では、波紋型電極支持体の複数の波紋の全てが異なる平面に位置している。なお、複数の波紋は、略螺旋型のように分布している。複数の電極がそれぞれ個別の波紋の山に位置しているため、複数の電極は、対象管腔の円周方向に分布するようになっている。この実施例では、複数の波紋は、一周又は複数周の螺旋型のように分布してもよい。
【0040】
上記4つの実施例をまとめて分かるように、波紋型電極支持体における複数の波紋の形状は、複数線分の直線からなる三角波であってもよく、或いは、複数線分の円弧からなる円弧波(
図9A及び10A参照)、正弦波(
図1A参照)であってもよく、或いは、直線と曲線とからなる台形波又は他の未図示の波紋における何れか1つであってもよい。複数の波紋は、同一の平面に分布してもよく、異なる平面に分布してもよく、ひいては、複数の波紋も、略螺旋型に取り巻いてもよいため、電極は、円周方向に分布するようになっている。複数の波紋が同一の平面に分布しているのに対して、複数の波紋が異なる平面に分布している場合、実際のアブレーション手術では、波紋型電極支持体は、対象管腔において任意の方向に密着することができる。また、上記図示した実施例では、同一の電極支持体で波紋状を構成する複数の波紋の形状が同じである。勿論、波紋状を構成する複数の波紋の形状及びサイズも異なってもよく、各波紋の形態、間隔、山の位置、谷の位置等がそれぞれ異なってもよい。サイズの異なる波紋で波紋型電極支持体を構成するときに、密着状態を調節する場合、一部領域の波紋のサイズを調節することで一部電極の密着状態を調節することができると同時に、他の領域の形態は調節しなくてもよい。このように異なる波紋からなる波紋型電極支持体の密着調節方式は、その異なる領域を電極支持体と重ね合わせるように支持密着調節ワイヤ6を引くことによって実現されてもよく、密着調節ワイヤ8を引くことによって実現されてもよい。詳細は、下記第8実施例から提供される複数本のワイヤからなる密着調節ワイヤ8の構成及び密着調節方式についての案内を参照してもよい。
【0041】
上記をまとめ、上記波紋型高周波アブレーションカテーテル内には軟性部と剛性部を有する支持密着調節ワイヤが設けられていることにより、ガイドカテーテル/シースを介さないという前提で、シース/対象管腔に入り込みやすくするように、電極支持体の直径の変化を実現することができる。なお、対象管腔に入り込んだ後、電極支持体の一部又は全部の領域を選択的に波紋状に復元することができる。
【0042】
(第5実施例)
図12A乃至
図17から分かるように、この実施例から提供される高周波アブレーションカテーテルでは、電極支持体のアウタチューブ1と接続カテーテル10内には密着調節ワイヤ8を収納する管腔がさらに設けられている。密着調節ワイヤ8の後段は、接続カテーテルにおける何れかの管腔内に摺動可能に設けられてもよく、かつその後端80が制御ハンドル20外に設けられた制御部品23に接続されている(
図17参照)。密着調節ワイヤ8は、接続カテーテルの管腔内を前後に摺動可能である。密着調節ワイヤ8を収納するための管腔は、中心管腔であってもよく、中心管腔の周辺に分布している複数の偏心管腔のうちの一つであってもよい。
図12Aに示されるように、密着調節ワイヤ8の前段は、電極支持体の後端に近い孔から電極支持体外に突き抜け、異なる波紋に設けられた複数の孔を経由し、最後に、その前端が電極支持体の前端に接近する孔から電極支持体内に戻って固定されている。密着調節ワイヤ6は、異なる波紋に設けられた孔を摺動可能である。
【0043】
密着調節ワイヤ8の前端は、固定位置が異なってもよく、電極支持体の前端に固定されてもよく、支持密着調節ワイヤ6の前端に固定されてもよく、さらに、定型ワイヤ7に固定されてもよく、或いは、電極支持体2及び接続カテーテル内の対応する管腔を経由した後,密着調節ワイヤ8の後端80とともに制御部品23に固定されたり、制御ハンドル20のケースに固定されてもよい。
【0044】
具体的に、
図15に示される構造において、密着調節ワイヤ8の前端は、電極支持体前端に近い孔11から電極支持体2内に戻った後に、電極支持体及び接続カテーテル内の管腔を経由して、密着調節ワイヤ8の後端とともに接続カテーテルの後端に戻り、制御ハンドル20のケース又は制御部品22に設けられている。つまり、密着調節ワイヤ8の前端と後端が
図17に示されるような同一の制御部品23に固定され、或いは、密着調節ワイヤ8の前端と後端は、その一端が制御ハンドル20のケースに固定され、他端が制御部品23に固定されてもよい。制御部品23を引いて、それに従って密着調節ワイヤ8を後方に移動させることにより、電極支持体の直径は大きな範囲で変更されてもよい。
【0045】
勿論、密着調節ワイヤ8の前端は、電極支持体の前端に簡易に固定されたり、支持密着調節ワイヤ6の前端又は支持密着調節ワイヤ6の電極支持体内に位置している何れかの部位に固定されたり、定型ワイヤ7における何れかの部位に固定され、或いは、密着調節ワイヤ8の前端は電極支持体の管腔に固定されてもよく、その前端に対して固定させる機能があっていればよい。密着調節ワイヤ8を後方に引くときに、密着調節ワイヤ8の作用によって、電極支持体は収縮変形を発生し、その波紋の直径が大きくなり、複数の波紋の軸方向の間隔が収縮するようになっている。密着調節ワイヤ8の前端が支持密着調節ワイヤ6又は定型ワイヤ7に固定されたときに、密着調節ワイヤ8と支持密着調節ワイヤ6/定型ワイヤ7は、同一の材質で作製してもよい。この場合、密着調節ワイヤ8は、支持密着調節ワイヤ6/定型ワイヤ7から後方へ分岐された細いワイヤであると捉えられてもよい。
【0046】
例えば、
図18に示される構造では、密着調節ワイヤ8の前端は定型ワイヤ7の前端に固定されている。この場合、定型ワイヤ7と密着調節ワイヤ8は、同じ種類の細いワイヤで作製してもよい。密着調節ワイヤ8と定型ワイヤ7はそれぞれ、それら前端から後方へ分岐された2本の細いワイヤ分岐部であり、定型ワイヤ7に対応する分岐部が電極支持体における何れかの管腔に固定され、密着調節ワイヤ8に対応する分岐部の後段が電極支持体及び/又は接続カテーテルの管腔を摺動可能である。密着調節ワイヤ8と定型ワイヤ7が異なる材質で作製する (例えば定型ワイヤ7が管材を、密着調節ワイヤ8が細いワイヤを使用する) ときに、密着調節ワイヤ8の前端/前段と、定型ワイヤ7とは、溶接、かしめ、接着等の方式で組み付けられてもよい。
【0047】
図19A乃至
図19Cに示される3種類の構造では、密着調節ワイヤ8の前端は支持密着調節ワイヤ6に固定され、
図19Aに示されるように支持密着調節ワイヤ6の前端に固定されてもよく、
図19B及び19Cに示されるように軟性部61に固定されてもよい。支持密着調節ワイヤ6と密着調節ワイヤ8は、同じ種類の細いワイヤで作製してもよい。密着調節ワイヤ8と支持密着調節ワイヤ6はそれぞれ、それらの前端から後方へ分岐された2本の細いワイヤ分岐部であり、支持密着調節ワイヤ6に対応する分岐部と密着調節ワイヤ8に対応する分岐部はそれぞれ、電極支持体において異なる管腔に設けられてもよく、密着調節ワイヤ8に対応する分岐部の後段が突き抜けて電極支持体外を迂回して接続カテーテル内に戻った後、接続カテーテル内の管腔を通過し、接続カテーテルの後端に戻って対応する制御部品23に固定されている。支持密着調節ワイヤ6に対応する分岐部と密着調節ワイヤ8に対応する分岐部は、電極支持体の同一の管腔内に設けられてもよい。密着調節ワイヤ8と支持密着調節ワイヤ6が異なる材質で作製されるときに、例えば、
図19Cに示されるように、支持密着調節ワイヤ6の軟性部61がばねを使用し、密着調節ワイヤ8が細いワイヤを使用するときに、密着調節ワイヤ8の前端/前段と、支持密着調節ワイヤ6とは、溶接、かしめ、接着等の方式で組み付けられてもよい。
【0048】
図17から分かるように、この実施例では、制御ハンドル20にはボタン制御部品22が設けられ、制御ハンドル20外には、密着調節ワイヤ8に接続するための制御部品23が設けられている。支持密着調節ワイヤ6の末端60が接続カテーテルを突き抜けた後、制御ハンドル20に入り込み、ボタン制御部品22に固定されている。密着調節ワイヤ8の末端80が接続カテーテルを突き抜けた後、制御ハンドル20に入り込み、制御ハンドル20を通過した後、外付けの制御部品23に固定されている。勿論、支持密着調節ワイヤ6に接続された制御部品22も、外付けのように制御ハンドル20外に設けられてもよく、支持密着調節ワイヤ6の後端が制御ハンドル20を通過した後、外付けの制御部品22に接続されている。同様に、制御部品23も制御ハンドル20に設けられてもよく、密着調節ワイヤ8が制御ハンドル20に挿入してからそれと接続されている。
【0049】
図12A乃至
図13Bには、密着調節ワイヤ8を有する波紋型高周波アブレーションカテーテルが直径の異なる対象管腔に入り込んだ場合の使用状態模式図が示されている。仮に、波紋状電極支持体がΦBの最初の直径を有し、波紋部の長さがAであるものとする。密着調節ワイヤ8を緩めることにより、密着調節ワイヤ8が緩んだ。この場合、支持密着調節ワイヤ6を前方へ移動させることで、カテーテル前端の波紋部は、長さが延長し、略直線状になり、対象管腔に入りこんでもよい。
図12Aに示されるように、波紋型電極支持体がシースから細い血管内に入いり込んだ(仮に対象管腔の直径ΦCが波紋状の最初直径ΦB以下である)ときに、支持密着調節ワイヤ6を後方に引くことで、その軟性部61が電極支持体内に入り込み、電極支持体の波紋が自動的にほぼ対象管腔の直径ΦCまで拡張している。複数の電極2は、電極支持体の自然拡張の作用によって、管壁に接触している。この場合、電極支持体の波紋部の長さが(A-1)まで延長し、密着調節ワイヤ8をピンと張って電極2の密着状態を改良することができる。
図13Aに示されるように、波紋型電極支持体がシース内から太い血管内に入いり込んだときに、仮に、対象管腔の直径が波紋状の最初直径ΦB以上であれば、電極支持体が自然に拡張した後、電極2が良好に密着することができない。この場合、密着調節ワイヤ8を後方に引くことで、電極支持体の波紋状の直径が対象管腔の直径ΦDと等しくなり、又はそれよりやや大きくなるように増加してもよい(
図13B参照)。複数の電極2は、密着調節ワイヤ8の作用によって、管壁と緊密に接触している。この場合、電極支持体の波紋部の長さが(A-2)まで縮小し、電極支持体に分布している複数の電極同士の軸方向の間隔が小さくなる。高周波が終了した後に、密着調節ワイヤ8を緩めることにより、電極支持体が緩んだ。その後、支持密着調節ワイヤ6を前方へ移動させることで、その剛性部62が電極支持体内に入り込んだ。電極支持体が略直線状になっている。電極支持体がシースに入りやすくなるため、対象管腔で高周波アブレーションカテーテルを回転するように移動させたり、高周波アブレーションカテーテルを対象管腔から外部へ移動させることができる。
【0050】
(第6実施例)
図20及び
図21は、第6実施例における高周波アブレーションカテーテルの2種類の構造模式図である。この実施例では、密着調節ワイヤ8は、波紋型電極支持体に対して偏心して設けられている。その設置位置は、電極支持体のトップであってもよく、電極支持体の中心位置とトップ位置との間の任意の位置であってもよい。
【0051】
図20に示される構造では、密着調節ワイヤ8は、波紋型電極支持体に対して偏心して設けられている。密着調節ワイヤ6の前段は、電極支持体の後端に近い孔から突き抜けた後、複数の波紋を迂回してから、電極支持体の前端に近い孔から、電極支持体の前端に入った後、固定されている。
【0052】
図21に示される構造では、密着調節ワイヤ8は、波紋型電極支持体に対して偏心して設けられている。なお、密着調節ワイヤ8の前段は、電極支持体の後端に近い孔から突き抜けた後、波紋に設けられた孔を経由してから、電極支持体の前端に近い孔から電極支持体前端に入り込んだ後、固定されている。
【0053】
図21に示される高周波アブレーションカテーテルでは、電極支持体は、2つの波紋を有し、かつ密着調節ワイヤ8は偏心して設けられている。そのうち、密着調節ワイヤ8は、1本のワイヤを採用してもよく、2本のワイヤを採用してもよい。
【0054】
図22に示される構造では、密着調節ワイヤ8は、1本のワイヤであり、その後段が接続カテーテル内の管腔から制御ハンドル20に戻って、その後端が制御ハンドル20に設けられた制御部品又は外付けの制御部品に固定され、その中央部が電極支持体の後端に近い孔12から突き抜けた後、それぞれ2つの波紋間の中央に設けられた山における孔13及び孔14に2か所で固定され、その前端が電極支持体の前端に近い孔11から電極支持体内に入り込み、電極支持体及び接続カテーテル内の管腔を経由して接続カテーテルの後端に戻って、その後端とともに同一の制御部品に固定されたり、後端とともに別々に各々の制御部品に設けられている。このような構造では、密着調節ワイヤ8の前端及び後端は、共に接続カテーテル内の管腔を通過し、かつその前端及び後端はそれぞれ、各々に対応する制御部品(対応制御部品と略称)に固定されている。2つの対応制御部品は、共に制御ハンドル20に設けられたり、制御ハンドル20外に設けられてもよく、或いは、2つの対応制御部品も、一方が制御ハンドル20に設けられ、他方が制御ハンドル20外に設けられてもよい。2つの対応制御部品のそれぞれで密着調節ワイヤ8の前段及び後段を制御することにより、2つの波紋の収縮度合が別々に調節されてもよい。そして、密着調節ワイヤ8の前端及び後端も共に同一の制御部品に固定されてもよい。同一の制御部品によって、2つの波紋の収縮度合が同時に制御されている。
【0055】
図23及び
図24に示されるように、
図21に示される構造では、密着調節ワイヤ8も2つの波紋をそれぞれ調節する2本のワイヤ8A、8Bからなってもよい。各ワイヤの前端は、それぞれ対応する波紋の一端に固定され、他端は対応する波紋を迂回した後、波紋の他端から電極支持体内に戻り、電極支持体内及び接続カテーテル内の管腔を経由して制御ハンドルに戻ってから、制御ハンドルに設けられた対応制御部品又は外付けの対応制御部品に固定されている。
【0056】
図23では、細いワイヤ8Aの前端は、2つの波紋間に設けられた孔13に固定され、後端は左側の波紋を迂回した後、電極支持体の前端に近い孔11を経由して電極支持体内に戻り、電極支持体内及び接続カテーテル内の管腔を経由して制御ハンドルに戻ってから、対応制御部品に固定されている。細いワイヤ8Bの前端は、2つの波紋間に設けられた別の孔14に固定され、後端は右側の波紋を迂回した後、電極支持体の後端に近い孔12を経由して電極支持体内に戻って、電極支持体内及び接続カテーテル内の管腔を経由して制御ハンドルに戻ってから、対応制御部品に固定されている。
図24では、細いワイヤ8Bの設置が
図23の設置と同じである。細いワイヤ8Aの前端は電極支持体の前端に近い孔11に固定され、後端は左側の波紋を迂回した後、2つの波紋間に設けられた孔13を経由して電極支持体内に戻り、電極支持体内及び接続カテーテル内の管腔を経由して制御ハンドルに戻ってから、対応制御部品に固定されている。細いワイヤ8A、8Bにそれぞれ固定された2つの対応制御部品は共に制御ハンドル20に設けられたり、制御ハンドル20外に設けられてもよい。密着調節ワイヤ8A、8Bは、それぞれ2つの波紋の収縮度合を制御するためのものである。2つの対応制御部品で密着調節ワイヤ8A、8Bをそれぞれ制御することで、2つの波紋の収縮度合を別々に調節することができる。また、細いワイヤ8Aと細いワイヤ8Bとの対応制御部品も同一の制御部品であってもよい。
【0057】
(第7実施例)
図25及び
図26に示される第7実施例では、密着調節ワイヤ8は、それぞれ1つの波紋及び一部の波紋(即ち、1つの波紋部)を調節するための2本のワイヤ8A’、8B’である。各ワイヤの前端は、それぞれ対応する波紋/波紋部の一端に固定され、他端は対応する波紋/波紋部を迂回した後、波紋/波紋部の他端から電極支持体内に戻り、電極支持体内及び接続カテーテル内の管腔を経由して制御ハンドルに戻ってから、対応制御部品に固定されている。
図26に示されるように、細いワイヤ8A’、8B’の前端は共に電極支持体の前端に近い孔11に固定され、2本の細いワイヤの後端80は、それぞれ2つの波紋間に設けられた孔13と電極支持体後端に近い孔12を経由して電極支持体内に戻り、最後に対応制御部品に固定されている。細いワイヤ8A’は、電極支持体の前端に近い個別波紋の収縮度合を制御し、細いワイヤ8B’は、波紋部全体を制御する。図示しない実施例では、波紋部全体は、2つの波紋を含み、即ち、細いワイヤ8B’は、2つの波紋の収縮度合を制御する。細いワイヤ8B’に応じて調節される波紋部は、細いワイヤ8A’に応じて調節される個別波紋を含む。当該実施例では、2本のワイヤの後端にそれぞれ接続する対応制御部品は、同一の制御部品であってもよい。
【0058】
第6実施例及び第7実施例から分かるように、電極支持体が2つ以上の波紋を有するときに、密着調節ワイヤ8は、2本又は2本以上の複数本のワイヤからなってもよい。複数本のワイヤは、それぞれ電極支持体における1つ又は一部の波紋を調節する。一部の波紋には2つ又は2つ以上の複数の波紋が含まれている。各ワイヤの前端は、それぞれ対応する波紋/波紋部の一端に固定され、他端は対応する波紋/波紋部を迂回した後、波紋/波紋部の他端から電極支持体内に戻り、電極支持体内及び接続カテーテル内の管腔を経由して対応制御部品に固定されている。1本のワイヤが個別の波紋を調節するときに、その前端は、この波紋の一端に固定され、後端は、この波紋の他端に設けられた孔から電極支持体内に挿入している。1本のワイヤが、何れかの一部の波紋を調節するときに、その前端は、この一部の波紋の一端に固定され、後端は、この一部の波紋の他端の孔から電極支持体内に挿入している。上記複数本のワイヤによりそれぞれ制御される複数の一部の波紋同士が重なってもよい。
図23及び
図24に示される構造は、密着調節ワイヤが2本のワイヤを有し、2本のワイヤがそれぞれ調節電極支持体における2つの波紋を調節するための構造例である。
図25及び
図26に示される第7実施例の構造は、密着調節ワイヤ8がそれぞれ電極支持体における1つの波紋及び一部の波紋を調節する2本のワイヤを有する構造例である。
【0059】
複数の制御部品を使用して電極支持体において異なる波紋部をそれぞれ制御するときに、この高周波アブレーションカテーテルが対象位置に入った後、必要に応じて、電極支持体の対応波紋部を分段拡張してもよく、即ち、高周波が必要な波紋部の直径だけを変更し、電極支持体において異なる波紋部の直径を調節する場合の柔軟性を大きくし、高周波アブレーションカテーテル密着調節の難易度を低下することができる。
【0060】
また、上記複数本のワイヤの後端は、同一の制御部品に固定されてもよい。同一の制御部品によって、上記複数本のワイヤが共に制御されている。
【0061】
(第8実施例)
図27に示されるように、本実施例から提供される高周波アブレーションカテーテルの電極支持体は、複数のサイズの異なる波紋からなっている。そのうち、波紋の全てのサイズが共に異なってもよく、一部の波紋が同一のサイズを採用し、その他の波紋が別のサイズを採用してもよい。
【0062】
複数の波紋は、電極支持体の前端から後端へ順次逓増するサイズで設けられてもよい。支持密着調節ワイヤ6を引くことで、軟性部61の一部領域と電極支持体の前段との重合を制御することができる。剛性部62の一部領域が電極支持体の後段と重なり合っている。この場合、電極支持体の前段領域が波紋状に復元し、後段領域が依然として略直線になっているため、電極支持体は、直径の異なる血管内で密着されている。例えば、アブレーションされる対象場所の直径が小いときに、この場合、支持密着調節ワイヤ6を引くことで、軟性部61の一部領域と電極支持体の前段とを重ね合わせ、剛性部62の一部領域と電極支持体の後段とを重ね合わせることができる。密着調節ワイヤ8を引くことで、電極の密着を良好にすることができる。この場合、直径の小さい対象管腔をアブレーションすることができる。アブレーションされる対象場所の直径が大きいときに、支持密着調節ワイヤ6を引くことで、軟性部61と電極支持体全体とを重ね合わせ、剛性部62を接続カテーテル内に後退させることができる。この場合、密着調節ワイヤ8を引くことで、電極密着状態を改良することができる。この場合、直径の大きい対象管腔をアブレーションすることができる。
【0063】
この高周波アブレーションカテーテルには複数本のワイヤからなる密着調節ワイヤ8が設けられているときに、異なるワイヤは、それぞれ電極支持体の異なる部分を制御し、異なるワイヤを引くことで、波紋部に対応する領域の波紋のサイズを変更し、電極支持体の部分的な密着を実現することができる。複数本のワイヤからなる密着調節ワイヤ8の具体的な設置方式は、第6実施例及び第7実施例を参照してもよい。ここで、再び重複しない。
【0064】
複数の波紋が電極支持体の前端から後端に順次逓増するサイズで設けられているときに、この電極支持体を使用する高周波アブレーションカテーテルは、対象管腔の直径がますます小さくなる状況に適用してもよい。例えば、この高周波アブレーションカテーテルを使用して直径の大きな血管から直径の小さい分岐された血管に入りこんでアブレーションを行ってもよい。この場合、小径の波紋部に対応する複数本のワイヤを制御することで、小径の波紋部を良好に密着させ、小径の波紋部で分岐された小さい血管に対してアブレーションを行うことができる。或いは、複数本のワイヤを制御することで、大径の波紋部と小径の波紋部を同時に密着させ、大きな血管と小さな血管に対してアブレーションを同時に行ったり、前後にアブレーションを行う。
【0065】
同様に、電極支持体を構成する複数の波紋も、電極支持体の前端から後端へ順次逓減するサイズで設けられてもよい。複数の波紋が電極支持体の前端から後端へ順次逓減するサイズで設けられた場合と同様に、支持密着調節ワイヤ6において異なる領域を電極支持体と重ね合わせるように制御することで、電極支持体における波紋部の直径を変更し、高周波アブレーションカテーテルによる異なる直径の血管内のアブレーションを実現することができる。この高周波アブレーションカテーテルには複数本のワイヤからなる密着調節ワイヤ8が同時に設けられているときに、異なるワイヤは、それぞれ電極支持体において異なる部分を制御し、異なるワイヤを引くことで、波紋部に対応する領域の波紋サイズを変更し、電極支持体の部分的な密着を実現することができる。複数の波紋が電極支持体の前端から後端へ順次逓減するサイズで設けられているときに、この電極支持体を使用した高周波アブレーションカテーテルは、対象管腔の直径がますます大きくなる状況に適用してもよい。例えば、「尿道システムによる腎盂領域の交感神経除去アブレーション術」に適用し、高周波アブレーションカテーテルは、尿道を経由して膀胱に入り込み、さらに輸卵管に入り込み、腎盂領域に到達し、この場合、密着調節ワイヤを調節することで、大径の波紋部と腎盂領域を良好に密着させ、小径の波紋部と輸卵管を良好に密着させ、輸卵管及び腎盂領域近傍の交感神経に対してアブレーションを同時に行う。
【0066】
上記をまとめ、波紋型高周波アブレーションカテーテルには軟性部及び剛性部を有する支持密着調節ワイヤが設けられ、密着調節ワイヤを前方へ移動させることで、その剛性部を電極支持体と重ね合わせ、直線状になるように電極支持体の形態を変更し、高周波アブレーションカテーテルがシース又は対象管腔に入り込みやすくなる。なお、高周波アブレーションカテーテルが対象管腔に入り込んだ後、密着調節ワイヤを後方へ引いてその軟性部を電極支持体と重ね合わせることで、電極支持体は波紋状に復元し、密着を実現した。より良い密着効果を奏して直径の異なる血管に適応できるために、波紋型高周波アブレーションカテーテルには密着調節ワイヤがさらに設けられてもよい。密着調節ワイヤを後方へ引くことで、電極支持体の波紋状の直径を変更することができる。なお、上記密着調節ワイヤも複数本のワイヤの構造を採用し、高周波アブレーションカテーテルにおいて異なる波紋部の各々の制御を実現し、直径調節の難易度を簡素化することができる。
【0067】
実際の臨床治療にあたって、本発明から提供される高周波アブレーションカテーテル及び高周波アブレーション機器は、異なる部位、複数種類の異なる直径の血管又は気管の神経アブレーションに適用し、例えば、腎動脈内の神経アブレーションによる難治性高血圧患者の治療に適用し、腹腔動脈内の神経アブレーションによる糖尿病患者の治療に適用し、さらに、気管/気管支の交感神経分岐のアブレーションによる哮喘患者の治療に適用し、十二指腸の交感神経分岐のアブレーションによる十二指腸の潰瘍患者の治療に適用し、或いは、腎盂、肺動脈などにおける他の血管又は気管内の神経アブレーションに用いられてもよい。説明すると、本発明から提供される高周波アブレーションカテーテルは、臨床治療にあたって上記列挙された適用に限られず、他の部位の神経アブレーションに用いられてもよい。
【0068】
以上、本発明から提供される高周波アブレーションカテーテルについて説明した。本発明は、上記高周波アブレーションカテーテルを含む高周波アブレーション機器を同時に提供している。この高周波アブレーション機器は、上記波紋型高周波アブレーションカテーテルを含む他、上記高周波アブレーションカテーテルに接続した高周波アブレーションホストをさらに含む。そのうち、電極支持体における支持密着調節ワイヤ及び密着調節ワイヤは、接続カテーテルを通過した後に制御ハンドルに対応的に接続し、制御ハンドルで密着調節ワイヤを引くことで、電極支持体を異なる直径の対象管腔に良く密着するように電極支持体の形状を変更することができる。なお、電極支持体における高周波ケーブル、熱電対の素線はそれぞれ、接続カテーテルを通過して高周波アブレーションホストにおいて対応する回路に接続し、高周波アブレーションホストの複数の電極への高周波制御及び温度のモニタリングを実現した。制御ハンドルの設置及び高周波アブレーションホストの設置は、開示された本出願人の先行特許出願を参照してもよいので、ここでその具体的な構造について詳細に述べない。
【0069】
以上、本発明から提供される波紋型高周波アブレーションカテーテル及びその機器を詳細に説明した。当業者にとって、本発明の実質的な精神を逸脱しないという前提でなされた如何なる自明な変更は、本発明の請求の範囲に属するものとする。