特許第6836251号(P6836251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836251
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】コンテナターミナル輸送管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20210215BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   G06Q10/08 300
   B65G63/00 J
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-68342(P2019-68342)
(22)【出願日】2019年3月29日
(65)【公開番号】特開2020-166724(P2020-166724A)
(43)【公開日】2020年10月8日
【審査請求日】2019年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】501027500
【氏名又は名称】国土交通省関東地方整備局長
(73)【特許権者】
【識別番号】501204525
【氏名又は名称】国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】松永 康男
(72)【発明者】
【氏名】石橋 洋信
(72)【発明者】
【氏名】花田 祥一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 三吉
(72)【発明者】
【氏名】公平 和裕
(72)【発明者】
【氏名】森川 忠泰
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 正太
(72)【発明者】
【氏名】吉江 宗生
【審査官】 相澤 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−239404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入車両がコンテナターミナルのターミナルゲートに到着する前に、搬入票情報(貨物情報)が電子情報としてコンテナターミナルに提供され、搬入車両がコンテナターミナルのターミナルゲートに到着する前に搬入票情報(貨物情報)と船社が保有するブッキング情報(貨物情報)の照合を可能とし、
ブッキング情報の正誤を事前に荷主、海貨業者または倉庫業者やコンテナターミナル内のクラークへ通達し、コンテナターミナルに搬入車両が到達する前に搬入票情報を修正できることを特徴とするコンテナターミナル輸送管理システム。
【請求項2】
入場用のターミナルゲートを有しコンテナが蔵置されるコンテナターミナルを管理するとともに船社端末からの情報を入力可能なターミナルオペレーションシステム(TOS)と、このターミナルオペレーションシステム(TOS)に接続され、ターミナル内のクラーク、荷主、海貨業者または倉庫業者や陸運業者がアクセス可能な端末を有する港湾情報システムとを有し、船社端末から入力された搬入手続きに必要な貨物情報を、前記TOSを経由して港湾情報システムに送信・蓄積し、当該港湾情報システムを経由して荷主、海貨業者または倉庫業者の端末に表示し、当該端末から追加事項の追加登録を行い、この追加情報を含む搬入票情報をTOSに送信し、送信情報とTOSに保存されている船社端末からの情報との照合をなすことを特徴とするコンテナターミナル輸送管理システム。
【請求項3】
陸運業者端末からコンテナ番号、ドライバー情報を含む搬入予約情報が港湾情報システムに入力され、この搬入予約情報は搬入票情報とともに、コンテナターミナルの入場用のターミナルゲートにてPS(Port Security)カードリーダにPSカードをかざすことで、PSカードのドライバー情報によりTOSの貨物情報と紐付き、ターミナルゲートでの搬入車両の通過許可の一部手続きとコンテナ蔵置場所の提示を可能にしたことを特徴とする請求項2に記載のコンテナターミナル輸送管理システム。
【請求項4】
国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律が定める本人確認を講ずる出入管理情報システムの一部であるPS(Port Security)カードリーダへPS(Port Security)カードをかざすことにより、
制限区域に指定されている区域(コンテナターミナル)への陸運ドライバーの本人確認その他措置の一部又は全てを行うことで円滑に入場可否を判断し、
入場可能と判断された場合は陸運ドライバーへ前記ターミナルゲートの通過許可を出すことで、
ターミナルゲートでの搬入車両の通過許可の一部手続きとコンテナ蔵置場所への円滑な指示と同時に、ドライバーのコンテナターミナル(SOLAS区域)への円滑な入場許可を可能にしたことを特徴とする請求項3に記載のコンテナターミナル輸送管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナターミナル輸送管理システムに係り、特にコンテナターミナルのゲートに到着した車両の流れをスムーズにできるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナをコンテナターミナルに運び入れる場合、コンテナを積んだシャーシをヘッドと呼ばれる車両により牽引し、コンテナターミナルの入り口であるゲートでコンテナの重量やシール番号を確認し、コンテナターミナル内の指定された積み下ろし場所まで搬入する。これらの一連の作業は、まず、倉庫などから貨物をバンニングし、海貨業者・倉庫業者などが搬入票(紙)に、総重量、コンテナ自重、シール番号を記入する。そして、陸運業者はトレーラを選定し、その運転手に搬入票(紙)を手渡し、コンテナターミナルのゲートに到着したとき、搬入票(紙)をスキャナで読み取らせる。これにより、搬入票(紙)の情報のうち、コンテナの総重量、コンテナ自重、シール番号の3項目は、コンテナ搬入時に初めてコンテナターミナル側に通知される。コンテナターミナル内のクラークが搬入票(紙)の情報とTOS(ターミナルオペレーションシステム)上の貨物情報とを照合し、TOSからターミナルゲートのヘッドにコンテナの蔵置場所情報が送信される。
【0003】
ところが、従来の方法では、紙製の搬入票を用いて手入力しなければならず、ターミナルゲートでは総重量、コンテナ自重、シール番号の3項目は、コンテナ搬入時に初めてコンテナターミナル側に伝達されるため、それまでは準備活動ができない。また、コンテナターミナル内のクラークがスキャンされた搬入票(紙)とTOS上の貨物情報を照合する処理に時間を要している。また、搬入票(紙)の貨物情報とTOS上の貨物情報が合致しない場合、コンテナターミナル内のクラークと海貨業者・倉庫業者等の間で正しい貨物情報の確認作業が必要となり、ターミナルゲートにおける通過許可手続きに更なる時間を要している。
【0004】
これに対し、特許文献1に記載の技術のように、予めコンテナターミナルへの導入経路に車両認識ゲートを設け、ここにトレーラが入ったときに車両番号やコンテナ番号を認識装置からキャッチし、そのデータを無線装置で受付ゲートに送るようにし、時間短縮を図るようにしたものがある。このようにすれば、少なくともトレーラがゲートに到着したときには運んできたコンテナの蔵置箇所などは調べておくことができる。
【0005】
また、特許文献2のように、コンテナターミナルに対して搬出入するコンテナに関する情報を、指定端末装置から運送業者等がターミナル管理サーバに通知する際に、運転者に携行させたICタグに固有の識別情報を併せて通知するものも知られている。トレーラはICタグを携行し、入り口ゲートのゲート受付装置の載置台にICタグを載置させる。 ゲート受付装置に接続されたゲート端末装置が、このICタグの識別情報に対応したコンテナの情報をターミナル管理サーバから読み出し、ゲート受付装置を介してICタグの表示部に、該コンテナの蔵置位置を表示することができる。このようにすることで、ゲート部における運転手への指示を、紙を介さず電子的に処理することで、効率化を図っている。
【0006】
また、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律の定めにより、制限区域に指定されている区域に入場する場合は、制限区域に人または車両が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、本人確認その他の措置を講ずることとされている。トレーラがコンテナターミナルに入場する際には、この本人確認その他措置を講ずる出入管理情報システムの一部であるPS(Port Security)カードリーダへPS(Port Security)カードをかざすことにより本人確認その他措置を講ずることでゲート部での手続き効率化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−214044号公報
【特許文献2】特開2009−220952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1の場合には車両認識ゲートを別途に設ける必要があり、これは不経済である。特許文献2の場合には高価なICタグや指定端末装置を運転手に持たせなければならず、これも不経済である。
従来の紙や紙の代わりに用いられる電子情報としての搬入票の場合、搬入票情報(貨物情報)がトレーラと同時にコンテナターミナルに到着し、そこから搬入票情報(貨物情報)と船社が保有するブッキング情報(貨物情報)の照合を介していたため、ターミナルゲート部での処理に時間を要するとともに、本来ターミナルゲートに到着すべきでないコンテナがターミナルゲートに到着する場合や搬入票情報(貨物情報)または船社が所有するブッキング情報(貨物情報)に誤入力がある場合に、その都度不要な処理・情報の確認作業を行う必要が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンテナターミナル輸送管理システムは、上記従来の問題点に着目し、搬入車両がコンテナターミナルの入場用ターミナルゲートに到着する前に、搬入票情報(貨物情報)が電子情報としてコンテナターミナルに提供され、搬入車両がコンテナターミナルの入場用ターミナルゲートに到着する前に搬入票情報(貨物情報)と船社が保有するブッキング情報(貨物情報)の照合を可能とし、
ブッキング情報の正誤を事前に荷主、海貨業者または倉庫業者やコンテナターミナル内のクラークへ通達し、コンテナターミナルに搬入車両が到達する前に搬入票情報を修正できることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るコンテナターミナル輸送管理システムは、入場用のターミナルゲートを有しコンテナが蔵置されるコンテナターミナルを管理するとともに船社端末からの情報を入力可能なターミナルオペレーションシステム(TOS)と、このターミナルオペレーションシステム(TOS)に接続され、ターミナル内のクラーク、荷主、海貨業者または倉庫業者や陸運業者がアクセス可能な端末を有する港湾情報システムとを有し、船社端末から入力された搬入手続きに必要な貨物情報を、前記TOSを経由して港湾情報システムに送信・蓄積し、当該港湾情報システムを経由して荷主、海貨業者または倉庫業者の端末に表示し、当該端末から追加事項の追加登録を行い、この追加情報を含む搬入票情報をTOSに送信し、送信情報とTOSに保存されている船社端末からの情報との照合をなすことを特徴とするものである。
【0011】
また、この場合において、陸運業者端末からコンテナ番号、ドライバー情報を含む搬入予約情報が港湾情報システムに入力され、この搬入予約情報は搬入票情報とともに、コンテナターミナルの入場用のターミナルゲートにてPS(Port Security)カードリーダにPSカードをかざすことで、PSカードのドライバー情報によりTOSの貨物情報と紐付き、ターミナルゲートでの搬入車両の通過許可の一部手続きとコンテナ蔵置場所の提示を可能にしたことを特徴とする。
【0012】
また、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律が定める本人確認及びその他措置を講ずる出入管理情報システムの一部であるPS(Port Security)カードリーダへPS(Port Security)カードをかざすことにより、制限区域に指定されている区域(コンテナターミナル)への陸運ドライバーの本人確認及びその他措置の一部又は全てを行うことで円滑に入場可否を判断し、入場可能と判断された場合は陸運ドライバーへ前記ターミナルゲートの通過許可を出すことで、ターミナルゲートでの搬入車両の通過許可の一部手続きとコンテナ蔵置場所への円滑な指示と同時に、ドライバーのコンテナターミナル(SOLAS区域)への円滑な入場許可を可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によって、本発明では、搬入手続きに必要となる貨物情報をTOSから港湾情報システムへ送信し、港湾情報システムを経由し、海貨業者・倉庫業者等の端末に表示し、海貨業者・倉庫業者等の端末で、港湾情報システムから呼び出した貨物情報を必要であれば修正し、コンテナ総重量、コンテナ自重、シール番号を港湾情報システムに追加登録することで、港湾情報システムに登録された海貨業者・倉庫業者等が所有している貨物情報と、ターミナルオペレーションシステム(TOS)に入力されている船社が所有している貨物情報を照合し、照合結果を港湾情報システムから荷主・海貨業者・倉庫業者等やコンテナターミナル内のクラークに通達する。これによりコンテナターミナルにおいて、コンテナ到着前に搬入票情報を照合することができるのである。そして、TOSでは入場用のターミナルゲートが管理下にあるので、ここにトラックの運転手が持参しているIDカードとして機能するPS(Port Security)カードをPS(Port Security)カードリーダにかざすことにより、港湾情報システム上で運転手情報と紐付けされたコンテナ情報が送信され、運ぶべき照合データ(搬入票情報)からターミナルゲートでの搬入車両の通過許可の一部手続きを行いコンテナ蔵置場所情報が送信され、コンテナターミナルへの移動がスムーズに行うことができる。
【0014】
また、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律が定める本人確認その他措置を講ずる出入管理情報システムの一部であるPS(Port Security)カードリーダへPS(Port Security)カードをかざすことにより、制限区域に指定されている区域(コンテナターミナル)への陸運ドライバーの本人確認その他措置の一部又は全てを行うことで円滑に入場可否を判断し、入場可能と判断された場合は陸運ドライバーへ前記ターミナルゲートの通過許可を出す。よって、PS(Port Security)カードリーダへPS(Port Security)カードをかざすことにより、前記のコンテナ搬入車両へターミナルゲートの通過許可に必要な前記貨物情報の照合と同時に、陸運ドライバーのターミナルゲートの通過許可に必要な本人確認その他措置の一部又は全てを一括で行うことで、円滑なターミナルゲートでの手続きが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るコンテナターミナル輸送管理システムの実施例の構成図である。
図2】荷主30からのTOS10に送られ港湾情報システム28での保有する情報である。
図3】配車係からの予約情報が組み込まれた港湾情報システムの保有情報である。
図4】海貨業者・倉庫業者等のバンニングにより発生した情報を入れた港湾情報システム保有情報である。
図5】港湾情報システムとTOSのデータ比較表である。
図6】港湾情報システムからTOSへの送信保有情報である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明に係るコンテナターミナル輸送管理システムの実施例を、図面を参照して、コンテナが輸出される場合について詳細に説明する。
コンテナが蔵置されるコンテナターミナル12があり、そのコンテナターミナル12内ではコンテナの集積や積み出しを行うクレーンや、コンテナの移動を行うコンテナ搬送台車などが用いられている。これらの機器を管理するターミナルオペレーションシステム(以下TOSという)10が設けられており、これは入場用のターミナルゲート13の端末を有してあらゆる機器の操作が可能となっており、また、コンテナ蔵置箇所を出力可能となっている。また、船社14からの船社端末16を介してブッキング情報が入力可能とされている。
【0017】
さらに、TOS10と通信可能に接続され、コンテナターミナル内のクラーク17、海貨業者・倉庫業者18や陸運(配車係)20によるアクセス可能なクラーク端末22、海貨端末24、陸運端末26を有する港湾情報システム28が設けられている。この港湾情報システム28は海運関係者が接続し、海運に関係する情報の交換を可能としている。
【0018】
今、実入りコンテナをコンテナターミナル12内に搬入する場合(輸出)は次のようになる。
まず、ブッキング時に、荷主30は船社14に貨物明細を共有する。更に、荷主30は海貨業者・倉庫業者等18にシッピングインストラクション(船積指図書)を与えておく。海貨業者・倉庫業者等18は、これを受けて陸運(配車係)20に連絡をして、所定の搬入車両32と運転手34を手配しておく。
【0019】
<1:ブッキング情報の送信(船社14→TOS10)>
荷主30は売買契約の納期に合わせて、商品を準備すると同時に適船を選んで、船社14にブッキングを行う。これを受けて船社14は船の空き情報などをチェックした上で、ブッキングナンバーを荷主30に付与すると同時にTOS10にブッキング情報を送信する。ブッキング情報としては、船積み予定船、積地、揚地、荷渡地、品目、数量、海貨業者名などである。
【0020】
<2:貨物情報の送信(TOS10→港湾情報システム28)>
送信したブッキング情報のうち、搬入票に必要な貨物情報をTOS10から港湾情報システム28に送信する。ブッキング情報には所属する会社や運搬コンテナに関する情報が含まれるが、港湾情報システム28に送信する貨物情報は、ブッキング情報のうち、以下の9項目(船社名、ブッキング番号、本船名、航海番号、揚港、荷渡地、荷主名、コンテナ種別、コンテナ番号)を送るものとしている。この送信情報の項目は、船社14とTOS10との間で任意に調整可能である。
したがって、港湾情報システム28の保有する情報としては、図2に示されるデータとなる。
【0021】
<3:搬入予約情報の送信(陸運・配車係20→港湾情報システム28)>
荷主30から海貨業者・倉庫業者等18を通じて陸運(配車係)20に連絡が入るので、その陸運(配車係)20が使用する搬入車両32と運転者34とを特定し、搬入予約を港湾情報システム28に送信する。送信情報としては、a)コンテナ番号、b)ドライバー情報(PSカード情報)、c)車両番号 、d)搬入予約日/時間枠である。
したがって、港湾情報システム28が保有する情報に上記a)コンテナ番号、b)ドライバー情報(PSカード情報)、c)車両番号 、d)搬入予約日/時間枠などの予約情報を加え、港湾情報システム28の情報は、図3に示されるデータとなる。
【0022】
<4:貨物情報の呼び出し(港湾情報システム28→海貨業者・倉庫業者等18)>
海貨業者・倉庫業者等18でコンテナバンニングを行う際、貨物情報(9つ)を港湾情報システム28から海貨端末24に呼び出す。
【0023】
<5:貨物情報の追加・内容確認送信(海貨業者・倉庫業者等18→港湾情報システム28>
コンテナバンニングした後の、総重量、コンテナ自重、シール番号を追加登録する。
荷主30からの貨物情報と以下の貨物情報(12項目)を照合し、必要であれば港湾情報システム28の登録情報を修正後、端末から港湾情報システム28に送信する。
送信情報としては、船社名、ブッキング番号、本船名、航海番号、揚港、荷渡地、荷主名、コンテナ種別、コンテナ番号であり、これに追加情報として送信されるのは、総重量、コンテナ自重、シール番号となる。
したがって、港湾情報システム28が保有する情報は、総重量、コンテナ自重、シール番号が追加情報として加わった、図4に示すようになる。
【0024】
<6:貨物情報と搬入票(電子)情報を照合(港湾情報システム28⇔TOS10)>
次に、TOS10保有の貨物情報(9つ)と港湾情報システム28保有の搬入票(電子)を示す図4の情報を、図5に示したように、電子的に照合する。
これはTOS10の持っている荷主30データと、港湾情報システム28を介して種々操作したデータとが一致するか否かを検証するものである。いま、TOS10の有している情報は、船社名、ブッキング番号、本船名、航海番号、揚港、荷渡地、荷主名、コンテナ種別、コンテナ番号であるので、これを照合情報として、港湾情報システム28からの情報と比較するのである。
港湾情報システム28の情報は、上記9つの情報に加えて、コンテナバンニングによって加えられたコンテナの総重量、コンテナ自重、シール番号、およびコンテナ番号、ドライバー情報(PSカード情報)、車両番号、搬入予約日/時間枠である。比較対象は9つの情報で十分であり、電子的に同一か否かが照合される。この際、港湾情報システム28とTOS10の搬入票(電子)情報が不一致の場合は、港湾情報システム28から海貨業者・倉庫業者等18(又は荷主30)やクラーク17に情報の不一致を伝達し、海貨業者・倉庫業者等18が登録情報を再度修正する。これは海貨業者・倉庫業者等18の誤入力やTOS10の情報がブッキング時点より更新された場合に起こりえる。
【0025】
<7:搬入票(電子)情報・搬入予約情報を送信(港湾情報システム28→TOS10)>
情報の照合作業が終了した段階で、港湾情報システム28からTOS10に搬入票(電子)情報・搬入予約情報を加えた情報の送信が行われる。これは図6に示されるような情報となる。
情報の送信後に、港湾情報システム28、TOS10の搬入票(電子)情報が更新された場合、再度情報の照合が行われ情報が不一致となる場合は、前述と同様に港湾情報システム28から海貨・倉庫等18(又は荷主30)やクラーク17に情報の不一致を伝達し、海貨・倉庫等18が登録情報を再度修正する。正しい搬入票(電子)情報をコンテナ到着前にTOS10に送信することにより入場用のターミナルゲート13での手続きの効率化が図れる。すなわち、ドライバー情報は、身分証となるPS(Port Security)カード36のデータから得られ、これにより情報の不一致なくコンテナ番号を伝達でき、貨物情報を得ることができる。
したがって、入場用のターミナルゲート13では運転者34が単にPSカード36をPSカードリーダ38にかざすだけでよくなる。
【0026】
<8:PSカード36情報の読取(PSカード36→PSカードリーダ38)>
陸運・ドライバー34がPSカード36をPSカードリーダ38にかざし、PSカード情報を読み取る。
【0027】
<9:PSカード情報の送信(PSカードリーダ38→TOS10・出入管理情報システム40>
PSカードリーダ38からTOS10と出入管理情報システム40にPSカード情報を送信する。
【0028】
<10:行先情報の送信(TOS10・出入管理情報システム40→陸運・ドライバー34)>
TOS10・出入管理情報システム40が陸運・ドライバー34のターミナルゲートの通過許可の一部手続きを行うとともに、TOS10からはPSカードリーダー38を通じて陸運・ドライバー34へ搬入貨物の蔵置場所情報を送信する。
【0029】
<11:入場>
ターミナルゲートの通過許可のための他手続きも終了しクラーク17からのターミナルゲートの通過許可がでた段階で、コンテナターミナル内に搬入車両32が入場する。
このように、本発明の実施形態によれば、ドライバー34が運転中でも、搬入手続きに必要となる貨物情報をTOS10から港湾情報システム28へ送信し、港湾情報システム28を経由し、海貨・倉庫等の海貨端末24に表示し、海貨業者・倉庫業者等18の海貨端末24で、港湾情報システム28から呼び出した貨物情報に加え、コンテナ総重量、コンテナ自重、シール番号を追加登録して、海貨業者・倉庫業者等18の海貨端末24を介した港湾情報システム28の貨物情報と、荷主30である船社14からの貨物情報を照合し、港湾情報システム28へ送信する。これによりコンテナターミナル12において、コンテナ到着前に搬入票情報を照合することができるのである。そして、TOS10では入場用のターミナルゲート13が管理下にあるので、ここにトラックの運転者34が持参しているIDカードとして機能するPSカード36によって読取データが送信されることで、ターミナルゲート13の通過許可の手続きの一部を行うとともに、運ぶべき照合データ(搬入票情報)からコンテナ蔵置場所情報が送信され、コンテナターミナル12への移動がスムーズに行うことができる。運転者34の持っているPSカード36を入場用のターミナルゲート13でPSカードリーダ38にかざすだけで貨物情報の照合が行われので、入場用のターミナルゲート13での混雑は著しく改善されることとなる。
【符号の説明】
【0030】
10……ターミナルオペレーションシステム、
12……コンテナターミナル、
13……ターミナルゲート、
14……船社、
16……船社端末、
17……クラーク、
18……海貨業者・倉庫業者等、
20……陸運(配車係)、
22……クラーク端末、
24……海貨端末、
26……陸運端末、
28……港湾情報システム
30……荷主、
32……搬入車両、
34……運転者(ドライバー)、
36……PSカード、
38……PSカードリーダ、
40……出入管理情報システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6