(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1特定手段による前記物体を前記商品として特定する試みが失敗した場合、当該物体を商品として特定することに資する情報を含む所定の情報を提示する提示手段と、
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔概要〕
以下、本発明の情報処理システムの実施形態の概要について説明する。
本発明の情報処理システムは、商品を自動精算する商品認識システムとして適用される。以下、商品を特定するためのレジ端末を含む商品認識システムの実施形態1,2、及び、商品を特定するためのレジ端末を含まない商品認識システムの実施形態3,4について、夫々説明する。
【0010】
図1は、本発明の情報処理システムの実施形態1乃至実施形態4の要点を一覧表にした図である。
図1中の「実施店舗」欄には、実施形態1乃至4の夫々の実施店舗が記載されている。例えば、実施形態1は、主としてコンビニエンスストアでの適用を想定する情報処理システムである。
ただし、この実施店舗は、あくまで例示に過ぎず、実施形態1乃至4の夫々の適用先は特に限定されない。例えば、実施形態1の実施店舗をスーパーマーケット等の小売店舗や食堂、精算が行われる店舗としてもよい。
図1中の「精算場所」欄には、実施形態1乃至4の夫々において、買い物客が精算を行う場所が記載されている。実施形態1,2での精算場所は、レジ端末を例示している。レジ端末は、物体を商品として特定し、その商品を精算する機能を有している。実施形態3での精算場所は、レジ台である。レジ台は、物体から商品として既に特定されたものが置かれ、その商品を精算する機能を有している。実施形態4での精算場所は、精算ゲートを例示している。精算ゲートは、物体から商品として既に特定されたものをレジ台に置かずに、その商品を精算する機能を有している。
【0011】
図1中の「概要」欄には、各実施形態1乃至4の夫々の概要が記載されている。例えば、実施形態1の情報処理システムは、要約すると、レジ端末に置かれた商品の自動精算を行う情報処理システムである。
図1中の「詳細」欄には、各実施形態の詳細が記載されている。つまり、例えば、実施形態1の情報処理システムは、レジ端末に設置されたレジカメラによってレジ端末に置かれた手持ち商品を認識し、その商品の自動精算を行う。
【0012】
ここで、店舗において販売されている商品がどのような商品か特定される前のものを「物体」と呼ぶ。なお、商品ではないものの、例えば買い物客が持参する私物等も「物体」となる。そして、「物体」が商品として特定されたものを「商品」と呼ぶ。したがって、「商品」とは、店頭において販売されているものを意味する。
また、実施形態1乃至4の商品認識システムは、物体を撮像する1台以上のセンシングデバイスを備えている。センシングデバイスは、画像センサー(カメラ等)の他、温度センサーや距離センサー等種々のものを採用することができる。
【0013】
カメラ等の画像センサーにより撮像された画像を、以下「撮像画像」と呼ぶ。さらに、物体を被写体として含む撮像画像を、以下「物体撮像画像」と呼ぶ。一方、商品を被写体として含む撮像画像を、以下「商品撮像画像」と呼ぶ。
また、本明細書では、商品撮像画像及び物体撮像画像に対して各種画像処理を施す場合、実際にはデータの形態で取り扱うが、以下においては説明の便宜上、データは省略して説明する。
ここで、物体撮像画像及び商品撮像画像としては、例えば、レジ端末の物体が置かれる領域全体の撮像画像、商品を個別に切り出した画像、商品のロゴの画像、商品のバーコードの画像、商品のラベルの画像、商品の棚全体の撮像画像、店舗内を天井等から撮像した店舗内の画像等を用いることができる。
また、本発明の情報処理システムでは、物体が商品として特定される場合、物体撮像画像に対して各種認識手法を用いることにより、物体撮像画像の被写体がいずれの商品であるか推定され、物体撮像画像の被写体が合致する商品及びその合致度合いのリスト(以下、「商品候補リスト」とも呼ぶ。)が生成される。
【0014】
さらに、実施形態1乃至4の情報処理システムでは、商品を精算する際に、商品として特定できなかった物体や、売買制限されている商品について、物体撮像画像や商品撮像画像を目検用端末に送信し、目検用端末において、目検者が商品の特定や売買制限の判定(売買制限を解除するか否かの判定等)が行われる。売買制限商品の売買制限の解除は、判定の結果を受けて店員がその場で対応する、もしくはシステムとして目検の結果を採用する、のいずれかの方法で行う。そして、目検者による目検結果が適宜参照されて、商品の精算が行われる。
【0015】
図2は、実施形態1,2におけるシステムフローの概要を表す模式図である。
図2に示すように、実施形態1,2においては、(1)レジ端末で物体撮像画像の撮像及び商品の特定が行われ、(2)商品の特定が行えない物体または売買制限商品であると判定されると、(3)これらの物体あるいは商品に関する関連情報が目検用端末に送信される。関連情報として、例えば、物体撮像画像、商品撮像画像、認識結果のログ、商品候補リスト等を採用することができる。この際、複数フレームの物体撮像画像を送信する構成としてもよい。そして、(4)目検用端末において目検の依頼(目検対象に関する関連情報の受信)が報知され、(5)目検者が目検を実行する。これにより、レジ端末において商品の特定が行えなかった物体を商品として一意に特定したり、売買制限商品の売買制限を解除したりすることができる。さらに、(6)目検者による目検結果(商品の特定結果あるいは売買制限の判定結果等)がレジ端末に送信され、(7)レジ端末において、目検結果が参照される。このとき、レジ端末において、売買制限商品である旨を報知することも可能である。
目検を経ても商品不特定との結果が返されたときや、売買制限商品の売買制限の解除判定に用いる物体(購入者の顔や身分証明書等)の撮像画像が不鮮明なとき等は、レジ端末において画面表示等で購入者に知らせる構成としてもよいし、音声で案内をする構成としてもよい。具体的に考えられるケースとしては(A)商品不特定となった際に、購入者へ商品の置き直し(商品同士を離す、商品を重ねない)を依頼する、(B)売買制限の解除判定に用いる購入者の顔や身分証明書の撮像画像が不鮮明な際に、画像の撮り直しを依頼する、(C)購入者へのレジ端末の使用方法のガイドを行う、等がある。
音声案内をする際には、予め録音された音声を流してもよい。また、レジ端末に備え付けられたマイクロフォンとスピーカーを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
【0016】
また、
図3は、実施形態3,4におけるシステムフローの概要を表す模式図である。
図3に示すように、実施形態3,4においては、(1)店舗内(売場内)で物体撮像画像の撮像及び商品の特定が行われ、(2)商品の特定が行えない物体または売買制限商品であると判定されると、(3)これらの物体あるいは商品に関する関連情報が目検用端末に送信される。関連情報として、例えば、物体撮像画像、商品撮像画像、認識結果のログ、商品候補リスト、物体撮像画像が撮像された位置情報、店舗内で商品あるいは買い物客を追跡するための情報等を採用することができる。この際、複数フレームの物体撮像画像を送信してもよい。そして、(4)目検用端末において目検の依頼(目検対象に関する関連情報の受信)が報知され、(5)目検者が目検を実行する。これにより、店舗内において商品の特定が行えなかった物体を商品として一意に特定したり、売買制限商品の売買制限を解除したりすることができる。さらに、(6)目検者による目検結果(商品の特定結果あるいは売買制限の判定結果等)が売場内に設置された売場装置に送信され、(7)売場装置において、目検結果が参照される。このとき、売場装置において、売買制限商品である旨を報知することも可能である。
目検を経ても商品不特定との結果が返されたときや、売買制限商品の売買制限の解除判定に用いる物体(購入者の顔や身分証明書等)の撮像画像が不鮮明なとき等は、売場装置等において画面表示等で購入者に知らせる構成としてもよいし、音声で案内をする構成としてもよい。具体的に考えられるケースとしては、(A)商品不特定となった際に、購入者へ商品の取り直し(棚からの取り直し、カゴへの入れ直し)を依頼する、(B)売買制限の解除判定に用いる購入者の顔や身分証明書等の撮像画像が不鮮明な際に、画像の撮り直しを依頼する、(C)購入者への売場装置等の使用方法のガイドを行う、等がある。
音声案内をする際には、予め録音された音声を流してもよい。また、売場装置等に備え付けられたマイクロフォンとスピーカーを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
このようなシステムフローが実行される情報処理システムの実施形態1乃至4は、具体的には、以下のような商品認識システムとして実現することができる。
【0017】
実施形態1の商品認識システムは、レジ端末に置かれた物体を被写体として含む物体撮像画像に基づいて、物体の存を認識する。
具体的には例えば、実施形態1では、レジ端末はセンシングデバイスの一例として、1台以上のレジカメラを備えている。レジカメラは、レジ端末の所定エリアを撮像する。具体的には、レジカメラは、物体が置かれる前の所定エリアを撮像する。また、レジカメラは、物体が所定エリアに置かれた後の所定エリアを撮像する。そこで、実施形態1の商品認識システムのうちレジ端末は、物体がレジ端末の所定エリアに置かれる前の撮像画像と、物体がレジ端末の所定エリアに置かれた後の物体撮像画像とを対比することで、物体の存在を認識する。
また、物体がレジ端末の所定エリアに置かれる前の撮像画像と、物体がレジ端末の所定エリアに置かれた後の物体撮像画像とを対比する以外の画像認識におけるセグメンテーション技術を用いて、物体がレジ端末の所定エリアに置かれた後の物体撮像画像のみから物体の存在を認識してもよい。
実施形態1では、レジ端末は、この認識された物体の夫々がいずれの商品であるかを画像認識による物体認識手法によって特定する。ここでは、例えば、ディープラーニング(Deep Learning)により、商品候補を作成し、その後、検証機能を発揮させることで、商品を高い精度で特定する手法が採用される。
また、実施形態1では、設定された条件に応じて、レジ端末に置かれた物体を、レジ端末とネットワークを介して接続された目検用端末において目検者が確認する。この確認結果(目検結果)はレジ端末に送信される。なお、「目検」とは、人間が目視により物体を確認して、例えばその物体が何の商品であるかを特定する等、何らかの結論を出すことを意味する。このような結論を、以下、「確認結果」または「目検結果」と呼ぶ。
このような確認結果(目検結果)がレジ端末に送信された場合、当該レジ端末は、上述の画像認識による物体認識手法による特定結果と、確認結果とに基づいて、最終的な商品の特定を行う。なお、最終的な商品の特定は、レジ端末ではなく、その他の図示せぬ装置や自然人により行われてもよい。
そして、実施形態1では、レジ端末は、次に特定された商品の数量を認識する。実施形態1では、次に特定された商品の精算をする。
【0018】
実施形態2の商品認識システムは、書店のような店舗に対して適用する。具体的には、実施形態2の商品認識システムは、書店内の売場に設置された棚と棚との間やワゴンのような台上(以下、台上を含めて「棚内」として説明する)の物体を書籍の冊数として認識し、この書籍が取られたときにレジ端末に置かれるまで買い物客を追跡し、レジ端末に書籍が置かれた場合、置かれた書籍の冊数を認識したうえで、その書籍を特定することで商品として認識し、当該書籍を自動精算する。このとき、実施形態2では、設定された条件に応じて、レジ端末に置かれた書籍を、レジ端末とネットワークを介して接続された目検用端末において目検者が確認(当該書籍を商品として特定)する。そこで、実施形態2の商品認識システムは、この確認結果(目検結果)もさらに考慮して、商品を特定するようにしてもよい。
なお、目検者は、上述の「書籍」の目視による確認の前に、上述の買い物客を目視で確認してもよい。これにより、商品認識システムによる追跡が失敗等した場合であっても、商品の特定が可能になる。
【0019】
実施形態3の商品認識システムは、スーパーマーケット等の小売店舗に対して適用する。具体的には、実施形態3の商品認識システムは、スーパーマーケット等の小売店舗の売場に置かれたカゴ類(買い物カゴやカート)を認識し、売場を移動するカゴ類を追跡する。実施形態3の商品認識システムでは、物体が棚内から取られた段階でその物体を商品として認識・特定し、レジ台にカゴ類が置かれることで、カゴ類に入れられた商品のリストが読み出され、その商品を自動精算する。このとき、実施形態3では、設定された条件に応じて、棚から取られた物体は、売場に設置されたカメラ等とネットワークを介して接続された目検用端末において目検者によって確認される。そこで、実施形態3の商品認識システムは、この確認結果(目検結果)もさらに考慮して、商品を特定するようにしてもよい。
【0020】
実施形態4の商品認識システムは、スーパーマーケット等の小売店舗に対して適用する。具体的には、買い物客や、スーパーマーケットに置かれた買い物カゴ及びカートだけでなく、買い物客のマイバッグやレジ袋等を含めたカゴ類と買い物客とを移動物体として認識して追跡する。そして、実施形態4の商品認識システムでは、棚から物体が取られた段階で商品を認識・特定し、商品がレジ端末に置かれなくてもレジゲートにて自動精算できるようにする。このとき、実施形態4では、設定された条件に応じて、棚から取られた物体は、売場に設置されたカメラ等とネットワークを介して接続された目検用端末において目検者によっても確認される。そこで、実施形態4の商品認識システムは、この確認結果(目検結果)もさらに考慮して、商品を特定するようにしてもよい。
【0021】
以下、実施形態1乃至実施形態4について、夫々図面を参照して説明する。
【0022】
〔実施形態1〕
実施形態1の情報処理システムは、
図4に示すようなコンビニエンスストア等の店舗に採用される
図5に示すようなレジ端末2を有する商品認識システムである。実施形態1の情報処理システムは、商品がレジ端末に置かれることで、自動精算することができるようにしてある。
【0023】
図4は、実施形態1の情報処理システムを採用する店舗がコンビニエンスストアである場合のレイアウト例を示す図である。
店舗10内の出入口11付近には、レジカウンター12が設置されている。レジカウンター12上には、商品を自動精算するための無人のレジ端末2が設置されている。このレジ端末2の隣には、有人のレジスター13が設置されている。
店舗10内には、商品を陳列する複数台の棚ラック14が設置され、向き合った棚ラック14間が、買い物客が移動する通路15とされている。
棚内の商品は、通路15を移動してきた買い物客によって取られ、レジ端末2の所定エリア(後述の
図5の所定エリアA等)に置かれる。所定エリアに置かれた商品は、買い物客のレジ端末2に対する所定の操作をトリガーとして、レジ端末2により複数商品が一括で特定されて自動精算される。
なお、有人のレジスター13は、従来通り、店員が商品を1個ずつバーコードで認識し、精算する。
【0024】
無人のレジ端末2の外観の構成例について
図5を参照して説明する。
図5は、レジ端末2の外観の構成例を示す概略透視図である。
レジ端末2は、物体が載置される所定エリアAを囲む囲繞部270を備えている。囲繞部270は、天板部271と、底板部272と、一対の側板部273と、を備えている。
【0025】
天板部271と一対の側板部273の夫々には、所定エリアAを撮像するレジカメラ211が夫々固定されている。レジカメラ211は、所定エリアAに置かれた物体を撮像する。
なお、
図5において、レジカメラ211は、3台のみ描画されているが、後述のように5台でもよく、少なくとも1台以上存在すれば足り、台数は限定されない。また、レジ端末2は、買い物客の顔や手等を撮像する外部カメラ212も備える。
【0026】
底板部272上に筐体部275が設置されている。筐体部275の正面には、
図5には図示しないレシート出力部や表示部(後述する
図8の出力部206のレシート出力部Rや表示部D)が備えられている。
筐体部275上には物体を載せる半透明のプレート276が設置される。プレート276の上面の盤面が所定エリアAとされる。プレート276の盤面は、波形状に形成されている。波形状は、正弦波形状だけでなく、矩形波であってもよく、さらに、ピッチや振幅は、均等だけでなく、不均等であってもよい。
プレート276は、このように所定エリアAが凹部と凸部とを繰り返して形成したものとされることで、円柱状や球状の物体の少なくとも一部を凸部と凸部との間に挟み、転がらないようにすることができる。
【0027】
このプレート276内と囲繞部270の天板部271内には、所定エリアAを照明する照明部221が備えられている。照明部221は、囲繞部270の側板部273に備えられてもよい。
照明部221は、白色だけでなく、青色や赤色その他限定しない種々の色で発光する。照明部221が発光することで、所定エリアAに置かれた物体の影が所定エリアAに生じないまたは減少するようにされている。
【0028】
囲繞部270は、レジ端末2の状態、例えば、正常待機中の状態であるか、精算中の状態であるか、店員が操作中の状態であるか、さらに異常事態が発生しているか等を色で視認できるように、提示部210を変色可能としている。
囲繞部270のうち少なくとも天板部271と側板部273は、透明になる透明状態と、不透明になる不透明状態とに切り替えられるように、瞬間調光シートで構成されていてもよい。
その場合、囲繞部270が透明状態とされることで、所定エリアAの視認性を確保することができる。囲繞部270が不透明状態とされることで、撮影時において外部光の影響を抑制しつつ、物体撮像画像を取得することができる。
【0029】
このようなレジ端末2は、情報処理システムの実施形態1としての商品認識システムに組み込まれる。
図6は、本発明の情報処理システムの実施形態1としての商品認識システムの構成を示す構成図である。
実施形態1の商品認識システムは、サーバ1と、n台(nは1以上の任意の整数値)のレジ端末2−1乃至2−nと、目検用端末Qと、を有している。
サーバ1と、n台のレジ端末2−1乃至2−nと、目検用端末Qとは、インターネット等のネットワークNを介して相互に接続されている。目検用端末Qは、レジ端末2から離れた店員が所持したり、店舗のバックヤードに備えたり、店舗から遠隔地にあるコールセンターに備えたりすることができる。
【0030】
なお、説明の便宜上、
図6のサーバ1は、1台しか描画されていないが、実際には複数台の場合もある。
また、以下、レジ端末2−1乃至2−nを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「レジ端末2」と呼ぶ。
【0031】
サーバ1は、複数のレジ端末2の各動作が調和して行われるべく、必要な処理を実行する。レジ端末2は、
図4に示したレジカウンター12上に置かれている。レジ端末2では、買い物客によりレジ端末2の所定エリアAに置かれた物体の数量を特定したうえ、商品を特定し、自動精算する。
ただし、レジ端末2は必ずしもサーバ1の存在を必要とせず、単独でも機能し得る。この場合、サーバ1の有する機能のうち一部または全てを、他の情報処理装置(例えば、レジ端末2)が有する。
【0032】
図7は、
図6の実施形態1の情報処理システムのうちサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。
【0033】
CPU101は、ROM102に記憶されているプログラム、または、記憶部108からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0034】
CPU101、ROM102及びRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104には、また、入出力インターフェース105も接続されている。入出力インターフェース105には、出力部106、入力部107、記憶部108、通信部109及びドライブ110が接続されている。
【0035】
出力部106は、ディスプレイやスピーカー等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部107は、タッチパネル、キーボード、マウスやマイクロフォン等で構成され、各種情報を入力する。
【0036】
記憶部108は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部109は、
図6に示すように、インターネットを含むネットワークNを介してレジ端末2との間で通信を行う。
【0037】
ドライブ110には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア120が適宜装着される。ドライブ110によってリムーバブルメディア120から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
また、リムーバブルメディア120は、記憶部108に記憶されている各種データも、記憶部108と同様に記憶することができる。
【0038】
図8は、
図6の実施形態1の情報処理システムのうちレジ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
レジ端末2は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、バス204と、入出力インターフェース205と、出力部206と、入力部207と、照明部221と、遮光部209と、提示部210と、レジカメラ211と、記憶部208と、通信部213と、ドライブ214と、を備えている。
ドライブ214には、リムーバブルメディア220が適宜装着される。
【0039】
レジ端末2のCPU201、ROM202、RAM203、バス204、入出力インターフェース205、記憶部208、通信部213、ドライブ214、リムーバブルメディア220は、サーバ1のこれらと同様に構成されている。
【0040】
出力部206は、
図5に示した筐体部275に備えられる。出力部206は、商品に関する情報や精算に関する情報等を表示する表示部Dと、レシートを出力するレシート出力部R、音声を出力するスピーカーSとを備えている。
入力部207は、
図5に示した筐体部275に備えられる。入力部207は、タッチパネル(図示せず)やカードリーダー部C、マイクロフォンMを備えている。また、図示しないバーコードリーダーを備えていてもよい。
【0041】
遮光部209は、囲繞部270が瞬間調光シートで構成されている場合に、
図5に示した囲繞部270を透明状態と不透明状態とに切り替える。
提示部210は、レジ端末2の状態が正常待機中の状態であるか、精算中の状態であるか、店員が操作中の状態であるか、さらに異常事態が発生しているか等がわかるように、
図5に示した提示部210が異なる色で発光するように切り替える。なお、提示部210は、前面だけでなく、背面にも備えている。
レジカメラ211は、所定エリアAに置かれた物体を撮像し、その結果として得られる1以上の撮像画像を物体撮像画像として出力する。
【0042】
なお、目検用端末Qのハードウェア構成はサーバ1のハードウェア構成と同様であるため、目検用端末Qのハードウェア構成については、
図7及びその説明を適宜参照することとし、ここでは説明を省略する。
【0043】
図9は、サーバ1、レジ端末2及び目検用端末Qの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
サーバ1のCPU101においては、個人情報及び商品情報等を管理するDB管理部141が機能する。DB管理部141はレジ端末2の夫々に備える構成としてもよい。
サーバ1の記憶部108の一領域には、商品DB131が設けられている。商品DB131は、商品情報を記憶するDB(Data Base)である。
【0044】
レジ端末2のCPU201においては、
図9に示すように、発光制御部228と、遮光制御部229と、提示制御部230と、個人認証部231と、画像取得部232と、物体認識部233と、物体数量認識部234と、商品特定部235と、売買制限商品判定部236と、精算部237と、表示制御部238と、目検結果取得部239と、が機能する。
なお、レジ端末2は、個人情報及び商品情報等を保持するDB情報保持部241を備えている。
目検用端末QのCPU101においては、画像表示制御部411と、目検結果送信部412と、が機能する。
【0045】
レジ端末2のCPU201の発光制御部228は、物体を撮像するタイミングで照明部221を発光させる状態と、物体を撮像しないタイミングで照明部221を発光させない状態とに切り替える制御や、所定エリアAに置かれる物体を認識する状況等に応じて照明部221の発光色を切り替える制御を実行する。
遮光制御部229は、囲繞部270が瞬間調光シートで構成されている場合に、囲繞部270を不透明状態と透明状態とに切り替える。即ち、遮光制御部229は、囲繞部270に備えられた遮光部209が所定エリアAに置かれた物体を撮影するタイミングでの不透明状態と、撮像しないタイミングでの透明状態とのうち一方から他方に切り替える制御を実行する。
提示制御部230は、提示部210がレジ端末2の状態を提示する発光色を変化させるように制御を実行する。
【0046】
個人認証部231は、精算処理の最中において、DB管理部141によって管理されている個人情報を参照することにより、買い物客の個人認証を行う。具体的には、個人認証部231は、商品の画像認識前に、顔認証や、カード認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証等の各種生体認証等の認証手法を用いた認証処理を実施する。DB管理部141によって管理されている個人情報は、年齢やアレルギー、ハラル等の情報を含んでいる。したがって、個人認証部231によって取得された個人情報は、売買制限商品判定部236で活用される。
画像取得部232は、物体が所定エリアAに置かれてレジカメラ211によって撮像された物体撮像画像を
図10に示すように取得する。
【0047】
図10は、レジ端末2に置かれた物体の撮像画面の例を示している。ここでは、
図10は、所定エリアAに置かれた物体X、Y、Z、Z’が3台のレジカメラ211の夫々により撮像された結果得られる物体撮像画像の例を示す図である。
図10(a)は、レジ端末2の天板部271に固定されたレジカメラ211によって物体X、Y、Z、Z’が撮像された結果得られる物体撮像画像の例を示している。この物体撮像画像には、6個の物体が含まれている。この物体撮像画像は、物体の影になる物体X、Y、Z、Z’がないため、所定エリアAに置かれた全ての物体X、Y、Z、Z’が撮像されている。
図10(b)は、レジ端末2の一方の側板部273に固定されたレジカメラ211によって物体X、Y、Z、Z’が撮像された結果得られる物体撮像画像の例を示している。この物体撮像画像には、2個の物体が含まれている。この物体撮像画像は、レジカメラ211側の物体X、Y、Z、Z’が奥側の物体を隠した状態となっている。
図10(c)は、レジ端末2の他方の側板部273に固定されたレジカメラ211によって物体X、Y、Z、Z’が撮像された結果得られる撮像画像を示している。この物体撮像画像には、2個の物体が含まれている。この物体撮像画像は、レジカメラ211側の物体X、Y、Z、Z’が奥側の物体を隠した状態となっている。
図10(b)と
図10(c)の夫々の物体撮像画像に含まれる2つの物体Zのうち、一方は同一の物体Z’であるが、他方は異なる物体である。
【0048】
物体認識部233は、上述した所定の画像認識手法を用いて、画像取得部232によって取得された物体撮像画像から、所定エリアAに置かれた物体の存在を認識する。即ち、物体認識部233は、レジ端末2の所定エリアAに物体が置かれる前の背景画像と、物体が置かれた後の物体撮像画像を比較し、背景差分処理により、物体ごとに物体領域を定義(特定)することで、物体の存在を認識する。
なお、物体認識部233は、背景差分処理以外の方法を用い、所定エリアAに物体が置かれる前の背景画像と、物体が置かれた後の物体撮像画像を比較せず、物体撮像画像のみから物体領域を定義することで、物体の存在を認識するようにしてもよい。
【0049】
物体数量認識部234は、物体認識数量と精算数量とを比較することで、所定エリアAに置かれた物体の数量を認識する。物体認識数量は、レジ端末2の複数台のレジカメラ211によって撮像された物体撮像画像から、物体認識部233が認識した物体の数量である。
精算数量は、精算対象の商品の数量である。
物体認識数量は、
図10に示すように、レジカメラ211によって異なることがある。即ち、
図10(a)では、6個の物体が撮像されているが、
図10(b)(c)では、2個の物体が撮像されている。
このような場合、物体数量認識部234は、
図11に示すような論理和を取ることで、物体の数量を認識する。
【0050】
図11は、レジ端末2に置かれた物体の個数を算出するための真理値表の一例を示す図である。
図11は、
図10で示した物体X、Y、Z、Z’についてレジ端末2(
図5)に備えられた第1乃至第5のレジカメラ211が撮像し、撮像できた場合は「1」、撮像できなかった場合は「0」で表している。なお、物体Zと物体Z’は、同じ物体であるものの、撮像したレジカメラ211が異なることから、異なる状態に撮像されていることを表すものである。
図11において、第1のレジカメラ211は「レジ台カメラ1」と表され、同様に、第2乃至第5のレジカメラ211は「レジ台カメラ2」乃至「レジ台カメラ5」と表されている。
図11の例では、物体Xは第1、第4及び第5のレジカメラ211に撮像されている。物体Yは第2、第4及び第5のレジカメラ211に撮像されている。物体Zは第2、第3及び第5のレジカメラ211に撮像されている。物体Z’は第1及び第3のレジカメラ211に撮像されている。
【0051】
図11の例では、第1乃至第5の全てのレジカメラ211に撮像された商品は存在しない。また、物体Zと物体Z’は、同じ商品であるにもかかわらず、撮像したレジカメラ211が異なることから別の物体のように撮像されている。これは、撮像するレジカメラ211のアングルが異なるからであると考えられる。
このことを踏まえ、物体数量認識部234は、論理和を用いた手法によって商品の数量を認定する。即ち、物体が重なって所定エリアAに置かれたり、ある物体が他の物体の影になるように所定エリアAに置かれても、いずれかのレジカメラ211が撮像した物体については、論理和を用いることで所定エリアAに置かれたと認識される。
【0052】
このようにして複数の物体撮像画像から真理値表を用いて認識された物体認識数量と、精算数量とが同一でない場合、物体数量認識部234は、数量が異なるという情報を表示制御部238に出力する。
【0053】
図9に戻り、商品特定部235は、物体認識部233によって存在が認識された物体について、DB情報保持部241に保持されている商品情報とマッチングさせる。即ち、商品特定部235は、まず、特定物体認識、一般物体認識、ディープラーニング等の画像認識手法により、商品候補をリストアップする。このリストアップされた商品候補を「商品候補リストS」と呼ぶ。その後、商品特定部235は、検証機能を発揮させ、商品を高い精度で特定する。
【0054】
検証機能は前述の商品候補をリストアップする手法と異なるアルゴリズムによって「商品候補リストP」をリストアップする機能である。商品候補リストSとPの結果をマッチングさせて、所定の閾値を超える場合、商品を特定する。
「商品候補リスト」のリストアップ手法として、例えば、存在が認識された物体から得られる物体の画像情報と、DB情報保持部241やメモリ上に保持されている画像情報とマッチングさせる方法により実現されてもよい。即ち、両画像の特徴情報が一致する(閾値を超える)と、物体認識部233によって存在が認識された物体が、DB情報保持部241に登録されている商品であるため、商品特定部235は、そのDB情報保持部241に登録された商品であると特定する。
【0055】
ここで、商品特定部235が画像処理手法によって商品を特定できなかったときに、その結果を商品不特定として出力する具体例について説明する。まず、商品特定部235は、DB情報保持部241に保存されている商品画像と所定エリアAで撮像された物体撮像画像とを比較し、両画像が類似する特徴点(類似特徴点)及び特徴量を算出する。次に、商品特定部235は、商品候補リストに含む商品の画像の特徴点及び特徴量をサーバ1の商品DB131から読み取る。次に、商品特定部235は、読み取られた商品候補リストに含む商品の特徴点ごとの特徴量と、認識された物体の特徴点ごとの特徴量とを比較し、DB情報保持部241に保存されている商品画像と所定エリアAで撮像された物体撮像画像との類似特徴点をマッチングする。
【0056】
次に、商品特定部235は、類似特徴点の各組の対応点座標を用いて位置関係を比較し、回転、並進による変化において正しく対応していない(位置関係が合っていない)類似特徴点の組を除去し、残った類似特徴点の数を算出する。商品特定部235は、類似特徴点の数が閾値未満の場合に商品不特定とする。
【0057】
このような商品不特定とする方法にあっては、パッケージ商品でない弁当のような商品を不特定商品とすることがある。弁当は、おかずの位置が若干異なることがあり、このような場合に不特定商品とされるおそれがある。このような場合は、商品特定部235は、商品に貼付されているラベルに記載されたバーコード等を含む多次元コード等各種コードや商品名等の文字を検出し、DB情報保持部241やサーバ1の商品DB131に記憶されている商品情報をもとに商品名や商品コード等を読み取り、商品を特定してもよい。
【0058】
さらに、商品特定部235は、類似商品や関連商品(以下「グループ商品」と呼ぶ)についてDB情報保持部241やサーバ1の商品DB131に記憶されている商品情報を用いて検証する。商品特定部235では、例えば、サイズや色等が違うシリーズもののグループ商品について商品の大きさや色等の特徴を用いて閾値を比較する。商品特定部235は、その閾値が所定の閾値未満の場合に商品不特定とする。
【0059】
本実施形態においては、特定の物体について目検用端末Qによる目検が行われるモード(以下、「特定物体目検モード」と呼ぶ。)と、全ての物体について目検用端末Qによる目検が行われるモード(以下、「全物体目検モード」と呼ぶ。)とが設定可能となっている(以下の各実施形態においても同様とする)。
特定物体目検モードに設定されている場合、商品特定部235は、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等を、目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信する。一方、全物体目検モードに設定されている場合、商品特定部235は、商品の特定結果及び特定された商品の商品撮像画像と、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等とを目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信する。
そして、商品特定部235は、目検結果取得部239が目検用端末Qから取得した目検結果に基づいて、商品の特定を行う。具体的には、商品特定部235によって特定された商品については、目検結果により特定結果が承認または修正された場合、商品特定部235は、目検結果が示す内容に従って、商品の特定を行う。また、商品特定部235によって商品不特定とされた物体については、商品特定部235は、その物体を目検結果が示す商品として特定する。
【0060】
売買制限商品判定部236は、判定情報に基づいて、商品特定部235によって特定された商品が、売買制限商品に該当するか否かを判定する。
なお、売買制限商品としては、(A)タバコ、酒類等のような一定の年齢に達しないと購入できない商品、(B)消費期限切れ・賞味期限切れの商品、(C)アレルギー成分を含むため、体質によって、摂取すべきでない商品、(D)ハラル食品以外の商品等、宗教による制限のある商品、が該当する。
本実施形態において、売買制限商品判定部236は、売買制限商品に該当する商品の商品撮像画像を、目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信する。このとき、売買制限商品判定部236は、売買制限商品の種別(上記の(A)〜(D)等)に応じて、買い物客に関する画像(顔画像、身分証明書の画像等)を、目検結果取得部239を介して目検用端末Qに適宜送信する。この際、買い物客に関する画像が不鮮明なときは、レジ端末2において画面表示や音声案内等で購入者に知らせて、画像の撮り直しを依頼する構成としてもよい。さらに、レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
そして、売買制限商品判定部236は、目検結果取得部239が目検用端末Qから取得した目検結果に基づいて、売買制限商品の販売が許可されるか否か(売買制限が解除されたか否か)を判定する。
【0061】
精算部237は、商品特定部235で特定された全ての商品について合計金額を算出する。その際、売買制限商品判定部236により、売買制限商品があるとされた場合には、それら売買制限商品の全てに対し制限が解除されている必要がある。そこで、精算部237は、所定エリアAに置かれた商品の価格をDB情報保持部241から読み出し、表示部D(
図8)に表示させる。
【0062】
表示制御部238は、物体数量認識部234によって物体認識数量と精算数量とが一致しなかった場合に、商品の数量を確認するよう買い物客や店員に向けて出力部206によって警告するように制御する。表示制御部238は、商品特定部235によって商品が特定されなかった場合、あるいは、目検用端末Qにおける目検によって商品が特定されなかった場合に、買い物客や店員に向けて注意喚起(物体の置き直しの指示等)を出力するように出力部206を制御する。具体的には、画面表示や音声案内等で購入者に知らせて、購入者へ商品の置き直しを依頼する構成としてもよい。さらに、レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。表示制御部238は、売買制限商品判定部236によって物体が売買制限商品であると認定された場合に、売買制限商品である旨を買い物客や店員に向けて警告するように出力部206を制御する。さらに、精算部237で合計金額が算出された場合に、その商品の商品名や価格等を買い物客及び店員に向けて表示させるように出力部206を制御する。
【0063】
目検結果取得部239は、物体撮像画像、または、商品の特定結果及び特定された商品の商品撮像画像を目検用端末Qに送信することにより、目検による商品の特定を依頼し、この依頼に応じて目検用端末Qから送信された目検結果を取得する。目検結果取得部239は、取得した目検結果(商品の特定結果)を商品特定部235に出力する。また、目検結果取得部239は、売買制限商品に該当する商品の商品撮像画像を目検用端末Qに送信することにより、目検による売買制限商品の判定を依頼し、目検用端末Qから送信された目検結果を取得する。このとき、目検結果取得部239は、売買制限商品の種別に応じて、買い物客に関する画像(顔画像、身分証明書の画像等)を、適宜、目検用端末Qに送信する。目検結果取得部239は、取得した目検結果(売買制限商品の判定結果)を売買制限商品判定部236に出力する。
売買制限商品判定部236において物体が売買制限商品であると認定され、目検結果によっても売買制限が解除されなかった商品について、その旨の警告が提示部210や出力部206から提示される。この提示に気づいた店員は売買制限商品を販売しないように、売買制限商品を回収する等の対応を行う。
本商品認識システムにおいて、目検用端末Qとは別に、売買制限商品に対する売買制限の解除を指示するための遠隔操作部を備えることとしてもよい。遠隔操作部は、レジ端末2から離れた店員が所持したり、店舗のバックヤードに備えたりすることができる。遠隔操作部は、1台で複数台のレジ端末2を遠隔操作することも可能である。
【0064】
目検用端末Qにおいて、画像表示制御部411は、レジ端末2から目検の依頼が行われた場合に、レジ端末2から送信された物体撮像画像あるいは商品撮像画像等の画像及びこれらの画像に付随して送信された各種情報(商品候補リスト等)を出力部106に出力する。
目検結果送信部412は、出力部106に出力された物体撮像画像あるいは商品撮像画像について、目検者が入力部107を介して入力した目検結果(商品の特定結果あるいは売買制限商品の判定結果等)を、目検を依頼したレジ端末2に送信する。
【0065】
本明細書の情報処理システムとして適用される商品認識システムは、店舗10で販売される商品について、商品の外観を撮像し商品の価格等の商品情報と共に登録しておくための商品登録システムを備える。商品登録は、店舗10内で行われてもよく、また、商品のメーカーや卸売業者等の店舗外において行われてもよく、場所は限られない。
この商品登録システムは、図示しない登録画像生成部と、商品マスタ登録部と、撮像画像取得部と、認識部と、を備える。
【0066】
登録画像生成部は、レジ端末2の所定エリアAに置かれ得る商品の画像を、商品登録画像として生成する。
商品マスタ登録部は、登録画像生成部により生成された商品登録画像と、当該商品登録画像に被写体として含まれる商品に対して一意に付与された商品識別子とを関連付けて登録する。
撮像画像取得部は、レジ端末2の所定エリアAに置かれた物体の撮像画像を、物体撮像画像として取得する。この物体撮像画像と商品登録画像とに基づいて、商品特定部235は、存在を認識した物体がいずれの商品かを特定する。
物体認識部233は、取得された物体撮像画像に基づいて、所定エリアAに置かれた物体の存在を認識する。
この商品認識システムは、存在が認識された物体の物体撮像画像とDB情報保持部241またはサーバ1の記憶部108に保持されている商品の画像を上述したようにマッチングさせることで、商品特定部235によっていずれの商品であるかが特定される。
【0067】
このような商品認識システムを設置した店舗10では、商品登録画像を生成し、この商品登録画像に含まれる商品に商品識別子を付与することで、商品に一意に付与された商品識別子によるマスタ登録が可能になる。さらに、この商品登録システムを備えた商品認識システムは、バーコードシールを貼付できない商品の商品管理をすることができる。
【0068】
ここで、実施形態1の商品認識システムにおける商品の精算方法について、
図12を参照して説明する。
図12は、
図9のサーバ1、レジ端末2及び目検用端末Qが実行する商品の精算処理を説明するフローチャートである。
この商品の自動精算処理に先立って、レジ端末2の所定エリアAに物体が置かれていない状態で予め撮像された所定エリアAの画像が画像取得部232に保存されている。
この予め撮像された所定エリアAの画像は、所定のタイミングで更新され、買い物客がレジ端末2を使用するたびに更新されず、買い物客が変わっても共用されてもよい。
そして、買い物客がレジ端末の操作ボタンを押すことで、自動精算処理が開始される。
【0069】
ステップS101において、レジ端末2のレジカメラ211は、レジ端末2の所定エリアA上に物体が置かれた後の画像を撮像する。その画像は、例えば、
図10に示すような物体撮像画像として画像取得部232に入力される。
この物体撮像画像は、レジ端末2内が照明部221によって照明されることで、物体の影が生じないまたは減少するようにされている。
物体撮像画像は、表示制御部238に入力され、出力部206から出力されてもよい。
また、レジ端末2の外部カメラ212が買い物客を撮像することで、個人認証部231が買い物客を個人認証する。
【0070】
ステップS102において、レジ端末2の物体認識部233は、上述した所定の画像認識手法を用いて、画像取得部232によって取得された物体撮像画像から、所定エリアAに置かれた物体の存在を認識する。即ち、物体認識部233は、レジ端末2の所定エリアAに物体が置かれる前の背景画像と、物体が置かれた後の物体撮像画像を比較し、背景差分処理により、物体ごとに物体領域を定義(特定)することで、物体の存在を認識する。
【0071】
ステップS103において、レジ端末2の商品特定部235は、レジ端末2の所定エリアAに置かれている物体の中にいずれの商品であるか特定できない物体があるかどうか判定する。
【0072】
ステップS104において、レジ端末2の商品特定部235は、特定物体目検モードまたは全物体目検モードのいずれに設定されているか判定する。
特定物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS106に進む。
また、全物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS105に進む。
【0073】
ステップS105において、レジ端末2の目検結果取得部239は、対象となる物体または商品について、目検用端末Qにおける目検(商品の特定)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS105の後、処理はステップS107に進む。
【0074】
なお、ステップS105において、目検用端末Qにおける目検によっても商品が特定されない物体が存在する場合、レジ端末2の提示部210によってエラー状態が色や音等によって知らされる。
商品不特定によるエラー状態となった場合、物体を置き直し、レジ端末2において、所定の操作をすることで、ステップS101に戻り、再度、物体を撮像し直すこととしてもよい。置き直しは、エラー状態を発見した店員が行ってもよく、買い物客自身で行ってもよい。レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
なお、エラー状態となるのは、レジ端末2のシステム処理が異常となった場合、物体の特徴部分を撮像できなかったり、物体が重なりあったり、影になったりした場合、売買制限商品がレジ端末2に置かれた場合、レジ端末2に商品や私物が置き忘れられた場合等である。物体が重なりあったり、影になったりした場合は、物体を置き直すことで、物体がいずれの商品であるか撮像し、商品を特定できるようになる。
【0075】
商品特定部235がいずれの商品であるか特定できない物体がある場合(ステップS105においてYES)は、処理はステップS105に進む。
【0076】
ステップS106において商品特定部235がいずれの商品であるか特定できない物体がない場合(ステップS103においてNO)は、商品特定部235は、DB情報保持部241またはサーバ1の記憶部に保持された商品名や価格、売買制限商品である等の情報を含めて商品を特定する。これにより、処理はステップS107に進む。特定された商品情報は、表示制御部238に出力されてもよい。
【0077】
ステップS107において、売買制限商品判定部236は、売買制限商品の処理を実行する。売買制限商品の処理とは、特定された商品が売買制限商品であるかどうかを判定する処理である。具体的には、売買制限商品判定部236は、例えば、特定された商品が年齢制限商品かどうか、ハラル非該当商品またはアレルギー成分を含む商品かどうか、消費期限切れ・賞味期限切れ商品かどうか等を判定する。売買制限商品の処理の詳細については、
図13を参照して後述する。
なお、ステップS105まで(ステップS101以前を含む)の任意のタイミングで個人認証が事前に取得されることで、売買制限商品判定部236は、買い物客ごとに売買制限商品の処理を実行することができる。
【0078】
ステップS108において、精算部237は、所定エリアAに置かれている商品を精算する。
具体的には、精算部237は、ステップS103において特定された商品の価格を個々に取得し、合計することにより、所定エリアAに置かれている全ての商品を精算する。
精算された商品の商品名や価格等の商品情報は、表示制御部238から出力部206に出力され、出力部206の表示部Dに表示され、レシート出力部Rからレシートに印刷されて出力される。
また、このレジ端末2は、通信部213を介してサーバ1に接続されていることから、POS(Point Of Sale)として活用することができる。即ち、レジ端末2によって、精算された商品の購買情報及び年齢性別推定情報がPOSシステムに連携される。
なお、ステップS108において、レジ端末2の提示部210は、物体数量認識部234が特定した物体の数量と、商品特定部235が特定した商品の数量と精算数量とが異なる場合に、その旨を提示してもよい。レジ端末2は、キャンセル機能を備えることで、精算処理を中止することができる。
【0079】
次に、ステップS107における売買制限商品の処理について
図13を参照して詳しく説明する。
図13は、
図9のサーバ1、レジ端末2及び目検用端末Qが実行する売買制限商品の処理を説明するフローチャートである。売買制限商品の売買制限の解除は、判定の結果を受けて店員がその場で対応する、もしくはシステムとして目検の結果を採用する、いずれかの方法で行う。
図13ではシステムとして目検の結果を採用する場合について説明する。
【0080】
ステップS111において、売買制限商品判定部236は、商品特定部235によって特定された商品がアルコール飲料等の年齢確認が必要とされる商品であるかどうかを判定する。
【0081】
ステップS111において、商品特定部235によって特定された商品が年齢確認必要とされる商品であると判定された場合は、即ちYESと判定された場合、処理はステップS112に進む。
ステップS112において、レジ端末2は、外部カメラ212により、購入者の顔や年齢確認用書類を撮像した画像を取得する。ただし、買い物客の個人情報が取得され、ここで年齢確認する必要がない場合は、ステップS112はスキップされ、処理はステップS116に進む。
ステップS113において、レジ端末2の売買制限商品判定部236は、取得した画像を、目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信し、目検を依頼する。この画像を受信した目検者は、画像を元に購入者の年齢を確認する。
この際、購入者の顔や年齢確認用書類を撮像した画像が不鮮明なとき等、購入者の年齢認証に問題があるときは、レジ端末2において画面表示や音声案内等で購入者に知らせて、購入者に画像の撮り直しを依頼する構成としてもよい。さらに、レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
ステップS114において、売買制限商品判定部236は、目検結果取得部239を介して、目検用端末Qから、売買制限を解除する指示を受け付けたか否かを判定する。
【0082】
ステップS114において売買制限を解除する指示を受け付けていないと判定された場合は、処理はステップS115に進む。
ステップS114において売買制限を解除する解除指示を受け付けたと判定されると、即ちYESと判定されると、処理はステップS116に進む。
ステップS115において、目検用端末Qの目検結果送信部412は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を送信する。この警告を受信することにより、例えば、レジ端末2の表示制御部238は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を、出力部206を介して提示する。ステップS115の後、売買制限処理は、終了する。
ステップS116において、売買制限商品判定部236は、売買制限を解除する。
このようにしてステップS116が終了されるか、またはステップS111において年齢制限商品でないと判定された場合(NOであると判定された場合)、処理はステップS117に進む。
【0083】
ステップS117において、売買制限商品判定部236は、商品特定部235によって特定された商品がハラル(許されている)食品以外の商品であるか否か、またはアレルギー商品であるか否かの判定をする。
売買制限商品判定部236が、ハラル商品以外の商品(許されていない商品)である、またはアレルギー商品であると判定した場合は、ステップS118に進む。
【0084】
ステップS118において、表示制御部238がレジの表示部Dに、ハラル商品以外の商品である旨、またはアレルギー商品である旨を表示させる。ただし、買い物客の個人情報が取得され、ここでハラル非該当商品であるかアレルギー商品であるかを判定する必要がない場合は、ステップS118はスキップされ、処理はステップS121に進む。
【0085】
ステップS119において、売買制限商品判定部236は、売買制限を解除する指示を受けたかどうか判定する。
売買制限を解除する指示を受けていないと判定された場合(NOと判定された場合)は、処理はステップS115に進む。
売買制限を解除する指示を受けたと判定された場合(YESと判定された場合)は、ステップS120に進む。
【0086】
ステップS120において、売買制限商品判定部236は、売買制限を解除する。
このようにしてステップS120が終了されるか、またはステップS117においてハラル商品以外の商品でない、またはアレルギー商品でない場合(NOであると判定された場合)、処理はステップS121に進む。
【0087】
ステップS121において、売買制限商品判定部236は、商品特定部235によって特定された商品が消費期限切れの商品であるかどうかを判定する。
売買制限商品判定部236が消費期限切れの商品を含んでいると判定した場合は、ステップS121においてYESと判定され、処理はステップS122に進む。
【0088】
ステップS122において、表示制御部238は、レジ端末2の表示部Dに消費期限切れの商品を含んでいる可能性がある旨の表示をさせる。
ステップS123において、売買制限を解除する指示を受け付けていないと判定された場合は、NOと判定され、処理はステップS115に進む。
【0089】
ステップS123において、売買制限を解除する指示を受け付けたと判定されると、YESと判定され、ステップS124に進む。
ステップ124において、売買制限商品判定部236は、売買制限を解除する。
売買制限商品判定部236が消費期限切れの商品を含んでいないと判定した場合は、ステップS121においてNOと判定され、処理は終了する。
【0090】
これにより、売買制限処理は、終了する。そして、処理は、ステップS106のレジ端末での精算に進む。
このようにして、本情報処理システムは、レジ端末に置かれた商品を認識し、自動精算することができる。また、このとき、目検の対象とされる物体や商品(例えば、レジ端末2において商品の特定が行えない物体や、売買制限商品に該当する商品等)については、目検用端末Qにおける目検が行われ、目検結果(商品の特定結果や売買制限商品の判定結果等)に応じて、自動精算が行われる。
したがって、本情報処理システムによれば、買い物客が商品を購入する際に、商品の代金の精算の自動化が可能になると共に、商品の特定精度を高めることができる。
【0091】
実施形態1は、上述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、
図5に示されたレジ端末2の外観構成は、例示であり、この外観に限定されない。レジ端末2は、少なくとも所定エリアA、レジカメラ211のような撮像部、出力部206が含まれていればよく、他の構成要素を追加してもよい。
また、実施形態1の商品認識システムは、1以上の物体を上流側から下流側へ搬送する搬送機構(例えばベルトコンベア)を設けてもよい。上流側には、撮像部を有する所定エリアが配置される。下流側には、精算エリアが配置される。
所定エリアでは、撮像部によって撮像された物体の数量が計数される。この商品認識システムは、計数された物体の数量と精算エリアで精算された商品の数量が異なる場合に、エラーとして検知する。
【0092】
〔実施形態2〕
実施形態2の情報処理システムは、
図14に示すような書店等の店舗20において、
図5及び
図15に示すようなレジ端末2を含む商品認識システムである。実施形態2の情報処理システムは、商品である書籍がレジ台に置かれることで、自動精算することができるようにしてある。
図14は、実施形態2の情報処理システムを採用する書店のレイアウト例を示す図である。
【0093】
書店のような店舗20は、ゲート21を有する出入口22を設置している。出入口22は、店舗20の規模によって、図示したような2か所に限らず、1か所でも3か所以上であってもよい。ゲート21は、図示したような開閉部材を備えるタイプだけでなく、図示しないがスピーカーやランプのように音や光で異常事態の発生を知らせる機能を備えるタイプ等、不正行為があった場合に対処できるようにされている。
そして、店舗20は、書籍を陳列する複数の棚ラック23を設置している。棚ラック23は、鉛直方向に複数の棚を、間隔をあけて並べ、書籍を陳列する。水平方向に向き合った棚ラック23と棚ラック23との間が通路24とされる。
【0094】
通路24の天井には、複数(図面では1台のみ描かれている)の天井カメラ310が設置されている。天井カメラ310は、店内の状態を死角なく、入店した買い物客を常時撮像する。
また、各棚ラック23には、各棚ラック23内を常時撮像する複数(図面では1台のみ描かれている)の棚カメラ311が設置されてもよい。棚カメラ311は、棚内の状態を死角なく撮像し、棚ラック43の前に立つ買い物客も撮像できるように複数台配置されている。
【0095】
また、店舗20内の出入口22付近には、レジカウンター25が設置されている。レジカウンター25上には、自動精算するための無人のレジ端末2が複数設置されている。このレジ端末2の隣には、有人のレジスター26が設置されている。なお、出入口22付近や通路24には、書籍を入れるための買い物カゴ(図示せず)が置かれることもある。
通路24やレジカウンター25内等において、店員Mtが作業している。店員Mtは、情報端末9を所持している。なお、情報端末9は、店舗20のバックヤードや店舗20外の統括本部等にも設置される。
【0096】
本情報処理システムは、買い物客が棚ラック23の棚内から1冊以上の書籍を取り出したり戻したりした行為を天井カメラ310が撮像し、買い物客に取られた書籍の冊数を把握したうえで、
図15に示すように無人のレジ端末2に置かれた書籍の価格等の情報を取得して自動精算する。
実施形態2では、買い物客を「移動物体Mo」として説明する。
図15は、実施形態2で採用するレジ端末2の概観構成を示す概略斜視図であって、書籍(採番せず)を精算している状態を示している。
【0097】
実施形態2の無人のレジ端末2は、
図5に示した実施形態1のレジ端末2と外観構成を同様にしたものを採用する。
したがって、レジ端末2は、書籍が載置される所定エリアAを囲む囲繞部270を備えている。囲繞部270は、天板部271と、底板部272と、一対の側板部273と、を備えている。この囲繞部270は、
図5に示す実施形態1の囲繞部270と同様に構成されている。
【0098】
したがって、天板部271と一対の側板部273には、所定エリアAを撮像するレジカメラ211が固定されている。少なくとも1台のレジカメラ211は、
図15に示すように、所定エリアAに置かれた書籍の少なくとも背表紙を撮像する。なお、
図15において、書籍は、片方の側板部273に寄せて、背表紙が他方の側板部273に向くように置かれているが、天板部271に設置されるレジカメラ211に背表紙が向けられてもよく、書籍の置き方は制限されない。
【0099】
このようなレジ端末2は、情報処理システムの一実施形態としての商品認識システムに組み込まれる。
図16は、本発明の情報処理システムの実施形態2としての商品認識システムの構成を示す構成図である。
商品認識システムは、サーバ1と、レジ端末2−1乃至2−nと、売場装置3と、目検用端末Qと、を有している。売場装置3は、天井カメラ310によって撮像された書籍の撮像画像から書籍の冊数を認識する機能を備えている。
なお、サーバ1は、レジ端末2−1乃至2−n、売場装置3及び目検用端末Qを管理するため、店舗20のバックヤードまたは店舗外に設置される。また、売場装置3は、
図14に示す店舗20内での移動物体Moを発見し、追跡するため、店舗20内に設置された天井カメラ310を制御する。
サーバ1と、レジ端末2−1乃至2−nと、売場装置3と、目検用端末Qとは、インターネット(Internet)回線等のネットワークNを介して相互に接続されている。目検用端末Qは、レジ端末2から離れた店員が所持したり、店舗のバックヤードに備えたり、店舗から遠隔地にあるコールセンターに備えたりすることができる。
【0100】
なお、説明の便宜上、
図16のサーバ1は、1台しか描画されていないが、実際には複数台の場合もある。
また、以下、レジ端末2−1乃至2−nを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「レジ端末2」と呼ぶ。
【0101】
サーバ1は、レジ端末2及び売場装置3の各動作を管理すべく、各処理を実行する。
サーバ1は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。これらは、
図7に示した実施形態1で説明したサーバ1と同様に構成されている。
【0102】
このようなサーバ1にネットワークNを介して売場装置3が接続されている。
図17は、
図16の商品認識システムのうち売場装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0103】
売場装置3は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、バス304と、入出力インターフェース305と、天井カメラ310と、棚カメラ311と、通信部315と、情報端末9と、を備えている。
【0104】
売場装置のCPU301、ROM302、RAM303、バス304、入出力インターフェース305、通信部315は、
図7に示したサーバ1のこれらと同様に構成されている。
【0105】
天井カメラ310は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルによってネットワークと接続されている。
棚カメラ311は、魚眼カメラ等の広角を撮像できるカメラを採用してもよい。
また、棚カメラ311は、USBケーブルによってネットワークと接続されている。
【0106】
情報端末9は、遠隔操作部390や表示部391等を備えているスマートフォンやタブレット等の情報機器である。遠隔操作部390は、システム処理異常のようなエラー状態等を遠隔操作で解消する機能を備えている。表示部は、エラー状態や移動物体Mo等を表示する画面を備えている。また、情報端末9は、エラー状態を通知する音声発生部(図示せず)を備えている。
店舗内におけるエラー状態としては、例えば、天井カメラ310が棚内から取られた書籍の冊数を認識できなかった場合や精算されていない書籍が店舗外に持ち出されようとした場合等がある。また、レジ端末におけるエラー状態としては、レジ端末2において、書籍を特定できなかったり、冊数を認識できなかった場合、年齢制限商品が精算されようとした場合、レジ端末2内に書籍が置き忘れられている場合等である。
また、サーバ1は、このようなエラーを表示するエラー表示部151と、エラー状態を解除するエラー解除部152とを設けている。
なお、本実施形態において、レジ端末2において、書籍を特定できなかったり、冊数を認識できなかった場合、年齢制限商品が精算されようとした場合には、目検用端末Qによる目検を依頼することにより、エラー状態を解消することも可能となっている。
【0107】
このような売場装置3にネットワークNを介してレジ端末2が接続されている。
レジ端末2は、
図8に示す実施形態1のレジ端末と同様に構成されている。
したがって、実施形態2のレジ端末2は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、バス204と、入出力インターフェース205と、出力部206と、入力部207と、照明部221と、遮光部209と、提示部210と、レジカメラ211と、記憶部208と、通信部213と、ドライブ214と、を備えている。
【0108】
レジカメラ211は、所定エリアAに置かれた書籍を撮像し、その結果として得られる撮像画像を物体撮像画像としてCPU201内の画像取得部232に出力する。レジカメラ211が魚眼カメラのように広角で撮像できる場合や、書籍の背表紙のみ撮像することに特化した場合は、レジカメラ211は1台のみ備えてもよい。
【0109】
なお、目検用端末Qのハードウェア構成はサーバ1のハードウェア構成と同様であるため、目検用端末Qのハードウェア構成については、
図7及びその説明を適宜参照することとし、ここでは説明を省略する。
【0110】
図18は、サーバ1、レジ端末2、売場装置3及び目検用端末Qの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
サーバ1のCPU101は、エラー判定部150を備えている。
サーバ1の記憶部108の一領域には、商品DB131と、位置情報管理DB132とが設けられている。
商品DB131は、書籍に関する書名、価格、著者名、出版社等の情報を記憶するDB(Data Base)である。位置情報管理DB132は、移動物体Moの位置を管理する。
【0111】
レジ端末2のCPU201においては、
図18に示すように、発光制御部228と、遮光制御部229と、提示制御部230と、画像取得部232と、物体認識部233と、商品特定部235と、売買制限商品判定部236と、精算部237と、表示制御部238と、目検結果取得部239と、が機能する。
目検用端末QのCPU101においては、画像表示制御部411と、目検結果送信部412と、が機能する。
【0112】
発光制御部228は、書籍を撮像するタイミングで照明部221を発光させる状態と、書籍を撮像しないタイミングで発光させない状態とに切り替える制御や、所定エリアAに置かれる書籍を認識する状況等に応じて発光色を切り替える制御を実行する。
遮光制御部229は、囲繞部270に備えられた遮光部209が所定エリアAに置かれた書籍を撮影するタイミングでの不透明状態と,撮像しないタイミングでの透明状態とに切り替える制御を実行する。
提示制御部230は、提示部210がレジ端末2の状態を提示する発光色を変化させるように制御を実行する。
【0113】
画像取得部232は、物体が所定エリアAに置かれてレジカメラ211によって撮像された物体画像のデータを取得する。
物体認識部233は、上述した所定の画像認識手法を用いて、所定エリアAに置かれた物体の存在を認識する。
【0114】
商品特定部235は、物体認識部233によって存在が認識された物体について、特定物体認識、一般物体認識、文字認識やディープラーニング等の画像処理手法により、商品候補をリストアップする。このリストアップされた商品候補を「商品候補リストS」と呼ぶ。その後、商品特定部235は、検証機能を発揮させ、商品を高い精度で特定する。なお、以下において説明する「画像認識手法」とは、何らかの画像を用いて何からのものを認識する手法を意味する。例えば特定物体認識、一般物体認識、文字認識、ディープラーニングは、画像認識手法の一例である。
検証機能は前述の商品候補をリストアップする手法と異なるアルゴリズムによって「商品候補リストP」をリストアップする。商品候補リストSとPの結果をマッチングさせて、所定の閾値を超える場合、商品を特定する。
「商品候補リスト」のリストアップ手法として、例えば、存在が認識された物体から得られる物体の画像情報と、DB情報保持部241やメモリ上に保持されている画像情報とマッチングさせる方法により実現されてもよい。即ち、両画像の特徴情報が一致する(閾値を超える)と、物体認識部233によって存在が認識された物体が、DB情報保持部241に登録されている商品であるため、商品特定部235は、そのDB情報保持部241に登録された商品であると特定する。
なお、本実施形態においても、実施形態1と同様に、レジ端末2において商品を特定できなかったときは、その結果が商品不特定として出力される。
そして、実施形態1と同様に、特定物体目検モードに設定されている場合、商品特定部235は、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等を、目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信する。一方、全物体目検モードに設定されている場合、商品特定部235は、商品の特定結果及び特定された商品の商品撮像画像と、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等とを目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信する。
また、本実施形態においては、レジ端末2に置かれた商品(書籍)の冊数と、売場装置3でカウントされた書籍の冊数とが一致しない場合にも、その結果が商品数(冊数)の不一致として出力される。この場合、商品特定部235は、物体撮像画像及び売場装置3でカウントされた書籍の冊数を目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信する。
さらに、商品特定部235は、目検結果取得部239が目検用端末Qから取得した目検結果に基づいて、商品の特定を行う。具体的には、商品特定部235によって特定された商品については、目検結果により特定結果が承認または修正された場合、商品特定部235は、目検結果が示す内容に従って、商品の特定を行う。また、商品特定部235によって商品不特定とされた物体については、商品特定部235は、その物体を目検結果が示す商品として特定する。なお、目検によって冊数が確認(冊数の不一致が解消)されない場合には、エラー表示が行われ、精算が中止される。
【0115】
売買制限商品判定部236は、判定情報に基づいて、商品特定部235によって特定された商品が売買制限商品か否かを判定し、提示する。売買制限商品とは、例えば、ある年齢以下の買い物客には、販売が規制されている書籍である。店員が書籍を販売する場合は、買い物客を見た店員が買い物客の年齢を確認し、販売してよいかどうかを判断できる。
しかし、対面販売ではない、自動精算を採用する本システムでは、店員が買い物客の年齢を確認できる仕組みが必要となる。
本実施形態において、売買制限商品を特定したレジ端末2の売買制限商品判定部236は、売買制限商品に該当する商品の商品撮像画像を、目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信する。このとき、売買制限商品判定部236は、買い物客に関する画像(顔画像、身分証明書の画像等)を、目検結果取得部239を介して目検用端末Qに適宜送信する。この際、買い物客に関する画像が不鮮明なときは、レジ端末2において画面表示や音声案内等で購入者に知らせて、画像の撮り直しを依頼する構成としてもよい。さらに、レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
そして、売買制限商品判定部236は、目検結果取得部239が目検用端末Qから取得した目検結果に基づいて、売買制限商品の販売が許可されるか否か(売買制限が解除されたか否か)を判定する。
目検結果によって売買制限商品の販売が許可された場合には、商品の精算が継続される。一方、目検結果によって売買制限商品の販売が許可されない場合には、売買制限商品である旨を提示し、精算処理を中断する。この場合、エラー表示部151により、エラー状態を受け取った店員が買い物客の年齢を確認し、レジ端末2を操作し、制限状態を解除することとしてもよい。それにより、精算処理が再開される。また、レジ端末2は、買い物客の顔や手等を写すレジカメラ211を備え、買い物客の年齢を推定することで、所定の年齢に達していないと判断される買い物客には売買制限商品を販売しないようにしてもよい。
【0116】
そのため、売買制限商品判定部236は、サーバ1のDB管理部141の情報から年齢制限書籍等の売買制限商品を特定する。
売買制限商品判定部236は、個人認証に得られる買い物客の情報と紐づけ、売買制限してもよい。当該書籍が売買制限商品であると判定されると、表示部Dが売買制限商品である旨を提示する。
【0117】
精算部237は、商品特定部235で特定された書籍であって、売買制限商品判定部236で販売可能とされた書籍について合計金額を算出する。例えば、精算部237は、所定エリアAに置かれた書籍の価格をDB情報保持部241から読み出して加算し、表示部D(
図8)に表示させ、精算する。
【0118】
表示制御部238は、レジ端末2のレジカメラ211で撮像され、精算部237で精算される書籍の題名や価格等を購入者及び店員に向けて表示させる制御を実行する。表示制御部238は、商品特定部235によって商品が特定されなかった場合、あるいは、目検用端末Qにおける目検によって商品が特定されなかった場合に、買い物客や店員に向けて注意喚起(物体の置き直しの指示等)を出力するように出力部206を制御する。具体的には、画面表示や音声案内等で購入者に知らせて、購入者へ商品の置き直しを依頼する構成としてもよい。さらに、レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
【0119】
目検結果取得部239は、物体撮像画像、または、商品の特定結果及び特定された商品の商品撮像画像を目検用端末Qに送信することにより、目検による商品の特定を依頼し、この依頼に応じて目検用端末Qから送信された目検結果を取得する。目検結果取得部239は、取得した目検結果(商品の特定結果)を商品特定部235に出力する。また、目検結果取得部239は、売買制限商品に該当する商品の商品撮像画像を目検用端末Qに送信することにより、目検による売買制限商品の判定を依頼し、目検用端末Qから送信された目検結果を取得する。このとき、目検結果取得部239は、買い物客に関する画像(顔画像、身分証明書の画像等)を、適宜、目検用端末Qに送信する。目検結果取得部239は、取得した目検結果(売買制限商品の判定結果)を売買制限商品判定部236に出力する。
【0120】
目検用端末Qにおいて、画像表示制御部411は、レジ端末2から目検の依頼が行われた場合に、レジ端末2から送信された物体撮像画像あるいは商品撮像画像等の画像及びこれらの画像に付随して送信された各種情報(商品候補リスト等)を出力部106に出力する。
目検結果送信部412は、出力部106に出力された物体撮像画像あるいは商品撮像画像について、目検者が入力部107を介して入力した目検結果(商品の特定結果あるいは売買制限商品の判定結果等)を、目検を依頼したレジ端末2に送信する。
【0121】
売場装置3のCPU301においては、
図18に示すように、個人認証部320と、移動物体追跡部330と、位置情報管理部340と、冊数カウント部350と、が機能する。
【0122】
個人認証部320は、個人情報取得部321を備えている。
個人認証部320は、個人情報取得部321によって取得された買い物客の個人情報から、サーバ1のDB管理部141において登録されている買い物客が誰であるかを個人認証する。なお、個人認証部320と個人情報取得部321は、実施形態1と同様にレジ端末2に備えてもよい。
【0123】
ここでの個人情報は、例えば、氏名や性別、生年月日、住所、電話番号といった個人を特定できる情報だけでなく、指紋や静脈、虹彩等の生体情報、クレジットカード番号や銀行口座番号といった金融に関する情報等のプライバシーに関する情報も含まれる。
個人情報取得部321は、例えば出入口22に設置されたゲート21に備えられる。この個人情報取得部321は、買い物客のICカードやスマートフォン、タブレット等の携帯情報端末をタッチする読取装置や、指紋や静脈、虹彩等の生体情報を読み取る読取装置等が採用される。
【0124】
入店時に個人認証できなかった場合は、買い物中において天井カメラ310が撮像した買い物客の画像から個人認証してもよい。
取得された個人情報は、売買制限(解除含む)や購買分析に活用される。
【0125】
図19は、
図18の売場装置3に備えられた移動物体追跡部330の詳細な機能的構成例を示している機能ブロック図である。
移動物体追跡部330は、
図19に示すように、天井カメラ310によって撮像された画像から移動物体Moを発見し、移動する移動物体Moを追跡するため、天井カメラによる移動物体発見部3302と、天井カメラによる移動物体領域定義部3304と、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305とを備える。
【0126】
また、天井カメラによる移動物体追跡部330は、USBケーブルやネットワークN等を通じて天井カメラ310と接続されている。したがって、天井カメラ310は、他の天井カメラ310やパーソナルコンピュータ等と連携される。
【0127】
天井カメラによる移動物体発見部3302は、移動物体Moの状態を、天井カメラ310によって撮像された撮像画像に基づいて状態空間モデル(ベイジアンフィルタ等)を用いて推定し、移動物体Moを発見し、一意に識別可能なIDを採番する。
【0128】
ところで、天井カメラ310からの映像では、天井カメラ310に正対していない移動物体Moの周辺領域が角度をもって(斜め方向から)撮像されるため、移動物体Moの位置情報を正確に取得できないおそれがある。したがって、撮像画像に対してキャリブレーションによる補正をかけることで、正対しているように撮像することも考えられる。しかし、このような補正をかけても、精度高く位置情報を取得できない場合がある。
そこで、天井カメラ310は、距離センサー等を用いて移動物体Moの高さ情報を取得することで、精度の高い位置情報を取得してもよい。
【0129】
天井カメラによる移動物体領域定義部3304は、移動した後の移動物体Moの領域の位置情報を更新する。移動物体Moは、移動し続けるため、1つの天井カメラ310によって撮像されている範囲内で移動領域が変更し、他の天井カメラ310によって撮像される範囲内でも移動する。移動物体Moが移動するたびに移動物体領域が定義され、位置情報を管理する位置情報管理DB132やメモリ等の各移動物体領域の位置情報が更新される。
【0130】
移動物体領域追跡部3305は、移動物体領域の位置を推定し、移動物体Moの移動物体領域を追跡し続ける。
【0131】
図20は、
図18売場装置3に備えられた位置情報管理部340の詳細な機能的構成例を示している機能ブロック図である。
位置情報管理部340は、カメラ間情報受け渡し部341と、各カメラの位置定義部342と、移動物体表示部343と、を備える。
カメラ間情報受け渡し部341は、各天井カメラ310に撮像された画像情報を他の天井カメラ310に撮像された画像情報と共有するようにすることにより、移動物体Moがある天井カメラ310の撮像画像から別の天井カメラ310に撮像されるようになっても、移動物体領域を追跡し続けることができる。
【0132】
カメラ間情報受け渡し部341は、例えば、天井カメラ310に撮像されて得られた情報を統括するサーバ1を通じて、商品DB131を含め、記憶部108上において天井カメラ310間で情報をやり取りする。
他の例として、天井カメラ310の台数が多いことに鑑み、カメラ間情報受け渡し部341は、サーバ1を通じることなく各天井カメラ310で撮像された画像を各天井カメラ310間で例えばP2Pによって受け渡すようにしてもよい。
【0133】
各カメラの位置定義部342は、各天井カメラ310が店内のどこを映しているかの位置情報を定義する。即ち、各カメラの位置定義部342は、カメラ間情報受け渡し部341によって別々の天井カメラ310に撮像された移動物体が店舗内のどこに位置しているかを把握する。
この各カメラの位置定義部342は、各天井カメラ310の撮像画像を合成し、1枚の店舗マップを作成する。また、この各カメラの位置定義部342は、各天井カメラ310、棚カメラ311の座標を店舗マップ上の座標に置き換える。また、各カメラの位置定義部342は、各天井カメラ310によって撮像された撮像画像について、透視変換により、計算上、店舗内床面に正対した撮像画像となるように補正する。
【0134】
なお、天井カメラ310が距離センサーを搭載することにより、高さ情報を取得するようにすることで、位置情報管理部340は、歪んだ撮像画像を的確に補正し、移動物体Moを的確に認識することができる。
移動物体表示部343は、各カメラの位置定義部342によって写されている位置情報を、店舗30内の移動物体Moを表示する。移動物体表示部343は、店員Mtが保持する情報端末9、あるいは店舗のバックヤードの画面等として採用されてもよい。
【0135】
図21は、
図18の売場装置3に備えられた冊数カウント部350の詳細な機能的構成例を示している機能ブロック図である。
冊数カウント部350は、冊数認識部351と、移動物体と冊数紐づけ部352と、冊数不特定判定部353と、人と紐づく冊数管理部354と、天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部355と、天井カメラによる受け渡された冊数認識部356を備える。
【0136】
冊数認識部351は、移動物体Moが棚から取った書籍と棚に戻した書籍の冊数を天井カメラ310に撮像された撮像画像から認識する。冊数認識部351は、撮像画像内に「物体進入検知ライン」等が設けられることにより、棚内への移動物体領域の入出を検知し、この検知した際の撮像画像から、移動物体Moが棚内から取った物体と、棚に戻した物体の領域を定義する。その物体領域の数を書籍の冊数として認識する。なお、天井カメラ310にズーム機能が備わっている場合に、天井カメラ310と移動物体Moとの距離を考慮して、天井カメラがズームをした後、冊数認識部351が、冊数認識を行ってもよい。
【0137】
さらに冊数認識部351は、棚カメラ311によって、移動物体Moが棚から取った書籍と棚に戻した書籍の冊数を認識してもよく、天井カメラ310と棚カメラ311の組み合わせから、買い物客が棚から取った書籍と棚に戻した書籍の冊数を認識してもよい。その際の棚カメラ311は、広範囲にわたって撮像できるカメラであってもよい。
【0138】
移動物体と冊数紐づけ部352は、冊数認識部351によって認識された書籍の冊数と、その書籍を取った当該人とを紐づける。
冊数不特定判定部353は、冊数が認識できなかった場合、冊数が認識できなかったことを移動物体Moに紐づける。
【0139】
人と紐づく冊数管理部354は、位置情報管理DB132等を活用し、移動物体MoのIDに紐づく冊数カウントリストを常に管理し続ける。書籍が棚から取られた際は、取得された書籍数分が加算される。反対に、書籍が棚に戻された際は、戻された書籍数分が減算される。
【0140】
天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部355は、移動物体領域間で書籍が受け渡された場合、各移動物体Moに紐づく冊数情報を受け渡された移動物体Moに受け渡す。
なお、この天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部355は、ディープラーニング等の物体認識手法を用いて、人の動きを分析し、受け渡し認識してもよく、受け渡しの際に移動物体領域の中の手を認識しても良く、移動物体領域(手を含んでもよい)間の重なりを認識してもよい。天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部355は、天井カメラ310に替えて棚カメラ311を使用してもよい。その際の棚カメラ311は、広範囲にわたって撮像できるカメラでもよい。
【0141】
天井カメラによる受け渡された冊数認識部356は、移動物領域体間で書籍が受け渡された場合、その書籍の数を認識する。例えば、天井カメラによる受け渡された冊数認識部356は、受け渡しが認識された時点での撮像画像から書籍の数を認識する。
天井カメラによる受け渡された冊数認識部356は、ズーム機能を有する天井カメラを備えることにより、受け渡しが行われたと推定される箇所をズームアップし、書籍の数を認識してもよい。
天井カメラによる受け渡された冊数認識部356は、天井カメラ310に替えて広範囲を撮像できる棚カメラ311を使用することで、書籍の数を認識してもよい。
また、天井カメラによる受け渡された冊数認識部356は、天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部355によって特定された夫々の移動物体Moと、ここで認識された書籍の数とを紐づけ、冊数リストを更新する。
【0142】
次に、実施形態2の商品認識システムにおける書籍の精算方法について、
図22を中心に
図14も合わせて参照して説明する。
図22は、実施形態2において書籍の精算処理を説明するフローチャートである。
【0143】
ステップS201において、買い物客(移動物体Mo)が店舗(
図14)の出入口22から店内に入店すると、出入口22付近に設置された天井カメラ310がその買い物客の撮像を開始する。
買い物客が通路24を進むと、奥側の天井カメラ310がその買い物客を撮像する。このようにして、複数の天井カメラ310が買い物客を常時撮像する。出入口22付近にゲート21を設けてもよい。
出入口22にゲート21が備えられている場合、ゲート21は、常時、閉じられているが、買い物客が入店するタイミングで開けられ、入店後に閉じられる。なお、ステップS201の前に、個人認証部320が買い物客の個人認証し、買い物客の個人情報を取得してもよい。
【0144】
ステップS202において、天井カメラによる移動物体発見部3302が、ステップS201で撮像されている買い物客の領域(移動物体領域)のみを抽出することで移動物体Moとして定義のうえ、移動物体MoにIDを発番し、当該IDとIDに紐づく店内における位置情報を位置情報管理DB132や売場装置3のRAM303に登録する。
【0145】
ステップS203において、天井カメラによる移動物体領域定義部3304が、天井カメラ310によって撮像されている範囲内で移動したときに、移動後の移動物体Moの領域の位置を改めて定義する。位置情報は人の位置を管理する位置情報管理DB132やメモリ等で管理され、領域定義ごとに更新される。この定義された位置は、別の天井カメラ310において撮像されている位置でも認識される。
【0146】
ステップS204において、買い物客が購入したい書籍を目指して通路24を移動することを踏まえ、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305が移動物体領域の位置を推定し、移動物体Moを追跡し続ける。ステップS201において移動物体Moが常時撮像され、ステップS202において、移動物体MoにIDが発番され、ステップS203において、移動後の移動物体Moの領域の位置情報を更新し、さらにカメラ間情報受け渡し部341によって位置情報がやり取りされているため、移動物体Moが通路24を移動し、異なる天井カメラ310で撮像されても、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305は、移動物体Moを追跡し続けることができる。
【0147】
ステップS205において、冊数認識部351が、IDを発番された移動物体Moによって棚から取られた書籍と棚に戻された書籍の冊数を認識する。
なお、ステップS205において、取られた書籍の冊数をカウントできなかった場合は、図示していない冊数不特定判定部がエラーを出力する。
【0148】
ステップS206において、移動物体と冊数紐づけ部352が、ステップS205で認識(カウント)された書籍の冊数と移動物体Moとを紐づける。したがって、冊数認識部351は、一意に特定された買い物客が何冊の書籍を取ったかを認識する。
【0149】
ステップS207において、人と紐づく冊数管理部363が、サーバ1のDB管理部141を活用して人と紐づく書籍の冊数を管理し続ける。したがって、買い物客が棚内から取った書籍が棚内に戻されたときであっても、人と紐づく冊数管理部363は、買い物客が所持している書籍の冊数を認識する。
【0150】
買い物客は、書籍を取り終えると、レジ端末2まで行き、その書籍をレジ端末2の所定エリアAに置く。その書籍は、
図15に示すように、背表紙がレジ端末2の少なくとも1台以上のカメラ211に写されるように置かれる。そして、買い物客がレジ端末2に備えられた入力部207であるボタンを押下等する。レジ端末2は、このボタンの押下等をトリガーとし、商品特定を行う。商品特定は画像認識手法を駆使し、書籍の表紙や背表紙等から書名を特定することにより行われる。
【0151】
ステップS210において、レジ端末2の商品特定部235が、ステップS207で認識された移動物体Moに紐づく冊数情報と、レジ端末2の所定エリアAに置かれた書籍の冊数情報とが一致するかどうかを検証する。この検証の具体的な流れについては、
図23を参照して後述する。
移動物体Moに紐づく冊数情報と、レジ端末2の所定エリアAに置かれた書籍の冊数情報とが一致しない場合は、目検用端末Qにおける目検(冊数の確認)が依頼される。目検によって冊数が確認(冊数の不一致が解消)されない場合には、エラー表示部151にエラーが表示され、精算することができない。また、その状態で退店を試みると、出入口22付近に設置されたエラー表示部151が音、光等により警告が発せられる。ゲート21が設置されている場合は、閉じられた状態を維持する。
ステップS210において、レジ端末2に置かれた書籍が制限有無に該当するかどうかを売買制限商品判定部236が併せて判定する。ステップS207まで(ステップS201以前を含む)の任意のタイミングで個人情報が事前に取得されることで、売買制限商品判定部236は、制限のある書籍を購入できない買い物客が購入しようとしているときに、エラー表示部151によってエラー表示する。
【0152】
ステップS211において、レジ端末2の精算部237が所定エリアAに置かれた書籍の合計金額を精算する。即ち、実施形態1において説明したように商品特定部235によって書籍の価格等の情報が得られ、合計金額が算出される。買い物客は、クレジットカードや電子マネー等で支払うことで、精算が完了する。
なお、精算が完了すると、DB管理部141は、人に紐づく冊数カウントリストを「精算済」の状態に更新する。
【0153】
また、出入口22付近において、買い物客が精算されていない書籍を持ち出そうとしているとき、即ち移動物体Moに紐づく冊数カウントリストが「精算済」になっていない状態のときは、持ち出し検知部がそれを検知し、出入口22付近のエラー表示部151やレジ端末2の提示部210が音や光等で提示する。また、ゲート21が設置されている場合、ゲート21は閉じた状態を維持し、買い物客は退店することができない。ゲート21が閉じた状態を維持する他、エラー表示部151等が音や光等により警告を発してもよい。これにより、万引きを防止することができる。
エラー表示部151やレジ端末2の提示部210は、エラー状態に応じて異なる色で発光するようにもされてもよい。
【0154】
図23は、
図22のステップS210において書籍の冊数情報と精算される冊数との検証について説明するフローチャートである。
ステップS221において、レジ端末2の入力部207の読取開始ボタンが押下されると、レジ端末2の画像取得部232がレジ端末2の所定エリアAに置かれた物体撮像画像を取得した後、存在が認識された物体について、商品特定部235がいずれの商品かを特定し、商品の冊数をも認識する。
ステップS222において、売場装置3の冊数カウント部350の人と冊数紐づけ部362が、レジ端末2に置かれた書籍の冊数の情報を移動物体MoのIDから照会する。
【0155】
ステップS223において、商品特定部235が、レジ端末2に置かれた書籍の冊数と、人と紐づく冊数管理部でカウントされた書籍の冊数とが一致するか判定する。
レジ端末2に置かれた書籍の冊数と、人と紐づく冊数管理部でカウントされた書籍の冊数とが一致する場合(YES)は、処理はステップS226に進む。
レジ端末2に置かれた書籍の冊数と、人と紐づく冊数管理部でカウントされた書籍の冊数とが一致しない場合(NO)は、処理はステップS224に進む。
ステップS224において、商品特定部235は、物体撮像画像及び売場装置3でカウントされた書籍の冊数を目検結果取得部239を介して目検用端末Qに送信することにより、目検用端末Qにおける目検(冊数の確認)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS225において、商品特定部235は、冊数の不一致が解消した旨の目検結果を取得したか否かを判定する。
ステップS225において冊数の不一致が解消した旨の目検結果を取得していないと判定された場合は、レジ端末2のエラー表示部151がエラーを表示し、警告を発する。
この際、レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
なお、警告が発せられた状態のまま退店を試みると、出入口22付近のエラー表示部151が音や光等により警告を発する。ゲート21が設置されている場合は、ゲート21は閉じた状態を維持し、買い物客は退店できない。これにより、万引きを防止することができる。
ステップS225において冊数の不一致が解消した旨の目検結果を取得したと判定された場合は、処理はステップS226に進む。
ステップS226において、商品特定部235は、特定物体目検モードまたは全物体目検モードのいずれに設定されているか判定する。
特定物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS227に進む。
また、全物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS228に進む。
ステップS227において、目検結果取得部239は、対象となる書籍について、目検用端末Qにおける目検(商品の特定)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS227の後、処理はステップS229に進む。
ステップS228において、商品特定部235は、レジ端末2の所定エリアAに置かれている書籍の中にいずれの書籍であるか特定できないものがあるかどうか判定する。商品特定部235がいずれの書籍であるか特定できないものがある場合(ステップS228においてYES)は、処理はステップS227に進む。
【0156】
ステップS228において商品特定部235がいずれの書籍であるか特定できないものがない場合(ステップS228においてNO)は、商品特定部235は、DB情報保持部241またはサーバ1の記憶部に保持された書籍名や価格、売買制限商品である等の情報を含めて書籍を特定する。これにより、処理はステップS229に進む。特定された書籍の情報は、表示制御部238に出力されてもよい。
【0157】
ステップS229において、売買制限商品判定部236は、商品特定部235によって特定された書籍が、年齢確認が必要とされる書籍であるかどうかを判定する。
【0158】
ステップS229において、商品特定部235によって特定された書籍が、年齢確認が必要とされる書籍であると判定された場合は、即ちYESと判定された場合、処理はステップS230に進む。
ステップS229において、商品特定部235によって特定された書籍が、年齢確認が必要とされる書籍でないと判定された場合は、即ちNOと判定された場合、処理は書籍の自動精算処理に戻る。
ステップS230において、表示制御部238は、レジ端末2の表示部Dに年齢確認のための画面を表示させる。ただし、買い物客の個人情報が取得され、ここで年齢確認する必要がない場合は、ステップS230はスキップされ、処理はステップS234に進む。
この際、購入者の顔や年齢確認用書類を撮像した画像が不鮮明なとき等、購入者の年齢認証に問題があるときは、レジ端末2において画面表示や音声案内等で購入者に知らせて、購入者に画像の撮り直しを依頼する構成としてもよい。さらに、レジ端末2に備え付けられたマイクロフォンMとスピーカーSを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
ステップS231において、目検結果取得部239は、対象となる書籍について、目検用端末Qにおける目検(売買制限商品の判定)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS232において、売買制限商品判定部236は、売買制限を解除する指示を受け付けたか否かを判定する。
【0159】
ステップS232において売買制限を解除する指示を受け付けていないと判定された場合は、処理はステップS233に進む。
ステップS232において売買制限を解除する解除指示を受け付けたと判定されると、即ちYESと判定されると、処理はステップS234に進む。
ステップS233において、目検用端末Qの目検結果送信部412は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を送信する。この警告を受信することにより、例えば、レジ端末2の表示制御部238は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を、出力部206を介して提示する。ステップS234の後、処理は終了し、精算が中止となる。
ステップS234において、売買制限商品判定部236は、売買制限を解除する。
このようにしてステップS234が終了されるか、またはステップS229において年齢制限商品でないと判定された場合(NOであると判定された場合)、処理は書籍の自動精算処理に戻る。
このようにして、本情報処理システムは、店舗内で買い物客が取った書籍の冊数を認識し、レジ端末に置かれた書籍の冊数との一致を判定する。また、このとき、目検の対象とされる場合(例えば、冊数が一致しない場合、レジ端末2において商品の特定が行えない場合、売買制限商品に該当する書籍の場合等)については、目検用端末Qにおける目検が行われ、目検結果(書籍の冊数の確認結果、書籍の特定結果、売買制限商品の判定結果等)に応じて、自動精算が行われる。
したがって、本情報処理システムによれば、買い物客が書籍等の商品を購入する際に、商品の代金の精算の自動化が可能になると共に、商品の特定精度を高めることができる。
【0160】
実施形態2において、移動物体Mo(買い物客)の追跡において想定されるエラーには、(A)買い物客が店舗20の出入口22から入店した際に、天井カメラによる移動物体発見部3302が移動物体を検出できなかった場合、(B)天井カメラによる移動物体領域追跡部3305が追跡中の移動物体Moを見失った場合、(C)二つ以上の異なる移動物体Moの夫々に紐付けられたIDが追跡途中に入れ替わった場合、等が含まれる(当然これらに限定されない)。
【0161】
各エラー状態に応じ、本実施形態が採用するシステムが、以下の例を含む、種々の対応を行う。
(A)天井カメラ310により撮像された買い物客を被写体として含む画像を目検用端末Qに送信し、目検による買い物客の検出を依頼する。目検者が買い物客を検出した場合は、新たな移動物体Moを定義の上、IDを発番して、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による追跡を開始する。目検者が買い物客を検出できなかった場合は、その旨を店員に報知する。
(B)位置情報管理DB132に登録されているどのIDとも紐づけられていない買い物客が認められた場合、その買い物客の撮像画像と、紐づけられるべきID候補のリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去の買い物客とIDとの紐づけ情報に基づいて、最も適切なIDを当該買い物客に紐づけ、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による再追跡を開始する。何らかの理由で再追跡が開始できなかった場合は、その旨が店員に報知される。
また、買い物客との紐づけを失ったIDが検出された場合には、当該IDと、どのIDとも紐づけられていない買い物客の撮像画像のリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去の買い物客とIDとの紐づけ情報に基づいて、当該IDに買い物客を紐づけることを試み、紐づけが成功した場合は、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による再追跡を開始する。何らかの理由で再追跡の開始が失敗した場合は、その旨が店員に報知される。
(C)夫々の買い物客の画像リストと、夫々の買い物客に紐づけられるべきIDのリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去の買い物客とIDとの紐づけ情報に基づいて、最も適切に、IDを買い物客に割り振ることを試みる。IDを買い物客に適切に割り振ることができた場合は天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による再追跡を開始する。IDを買い物客に適切に割り振ることができない場合は、割り振りを諦め、紐づけが入れ替わったままの旨を店員に報知する。
【0162】
〔実施形態3〕
図24は、実施形態3の商品認識システムを採用するスーパーマーケットのレイアウト例を示す図である。
実施形態3の商品認識システムは、
図24に示すようなスーパーマーケット等の店舗30に対して適用するシステムである。
【0163】
店舗30では、入口31から出口32まで売場が設けられている。売場には、商品を陳列する複数の棚ラック33が設置されている。向き合った2つの棚ラック33の間は、通路34とされている。
【0164】
入口31には、買い物カゴやショッピングカート等のカゴ類(採番せず)が置かれている。出口32の手前は、精算エリア35とされている。精算エリア35内には、複数のレジ台36が設置されている。レジ台36は、n台の精算機4を備えている。実施形態3では、実施形態1,2で採用したようなレジ端末2を備えない。また、実施形態3では買い物客を移動物体Moとして扱う実施形態2と異なり、システム上把握(発見・追跡等)されるカゴ類を移動物体Moとして扱う。
【0165】
買い物客は、入口31から入店し、カゴ類を取って通路34を進む。買い物客は、棚内の商品を取って、カゴ類の中に入れて通路34を進む。買い物客は、購入したい商品を全て取ると、精算エリア35へ進み、精算機4で精算する。
通路34や精算エリア35等において、店員Mtが見回り等をしている。店員Mtは、情報端末9aを所持している。情報端末9aは、スマートフォン等の携帯型情報処理端末であり、店内の状態を表示する画面等を備えている。
図24において、雲形で描かれた線図の内側には、店舗30内でなく、店舗30外や店舗30のバックヤードの様子が描画されている。店舗30外には、サーバ1(
図7)が設置されている。店舗30外に存在する管理センターや店舗30バックヤード等では、店員Mtが大型モニターの画面(図示せず)や情報端末9bの画面を通じて店舗30内を監視している。また、以下、情報端末9aと情報端末9bとを区別する必要がない場合、これらをまとめて、「情報端末9」と呼ぶ。また、
図24には図示されていないが、本実施形態においても、実施形態1,2と同様に、目検用端末Qが設置されている。
【0166】
通路34や棚ラック33、その他、店舗30内の任意の位置の上方の天井には、複数の天井カメラ310が離間して夫々設置されている。天井カメラ310は、通路34や棚ラック33、その他その下方の所定領域を撮像する。即ち、天井カメラ310は、移動物体Moが進入した場合には、移動物体Moを被写体として含む当該所定領域を撮像する。
【0167】
また、各棚ラック33内の各棚の複数個所の夫々には、センシングデバイスの一例として棚カメラ311が設置されている。棚カメラ311は、棚内や棚内の商品、その他所定領域を撮像する。また、棚カメラ311は、棚内の所定領域内に買い物客の手等が進入した場合や、棚内から物体が取られた場合に、その手や棚内の物体等を物体撮像画像として撮像する。
カゴ類の夫々には、センシングデバイスの一例としてカゴカメラ312(
図24において図示せず)が取り付けられていてもよい。
その場合、売場装置3のカゴカメラ312は、カゴ類に1台以上設置され、カゴ類に入れられた物体を常時撮像する。カゴカメラ312は、カゴ類の内側を死角なく撮像できるように設置されている。カゴカメラ312は、カゴ類に入れられた物体の少なくとも正面等の特徴がある部位を撮像する。
【0168】
また、カゴカメラ312は、ネットワークNを通じて天井カメラ310や棚カメラ311と連携される。この連携により、売場装置3は、カゴカメラ312によって撮像された撮像画像と、天井カメラ310や棚カメラ311によって撮像された物体の撮像画像の両撮像画像とを共有することができる。この共有により、この撮像画像に撮像された物体から商品を特定する精度を高めることができる。
【0169】
実施形態3の商品認識システムは、天井カメラ310によって撮像される移動物体Moが移動しても、その移動物体Moを追跡し続ける機能を備えている。実施形態3の情報処理システムは、棚ラック33から取られた物体がいずれの商品であるかを、棚カメラ311によって撮像された撮像画像から特定する機能を備えている。
実施形態3の商品認識システムは、カゴ類に入れられた物体がいずれの商品であるかを、カゴカメラ312によって撮像された撮像画像から特定する機能を備えていてもよい。
実施形態3の商品認識システムは、棚内の物体がいずれの商品であるかが特定され、さらに、その商品が精算機4において自動精算する機能を備えている。この自動精算に際して、精算機4において移動物体Moと紐づけられていた商品の情報とが読み出され、自動精算が可能となる。
精算機4は、購入商品の合計金額、点数、明細の表示、売買制限商品判定の表示、決済機能等、買い物を完結するために必要な機能を含んでいる。
【0170】
天井カメラ310、棚カメラ311及びカゴカメラ312は、
図25及び
図26に示すような売場装置3に組み込まれる。売場装置3は、天井カメラ310や棚カメラ311等によって撮像された撮像画像から商品を特定するための機能や移動物体Moを発見・追跡するための機能を備える。この売場装置3は、
図25に示すような商品認識システムに組み込まれる。
【0171】
図25は、実施形態3の商品認識システムの構成を示す構成図である。
実施形態3の商品認識システムは、サーバ1と、売場装置3と、精算機4と、目検用端末Qと、を有している。実施形態3では、物体がいずれの商品であるかを売場装置3が特定するために、実施形態1,2で説明したレジ端末2に替えて精算機4を備えている。
図25において、サーバ1及び売場装置3は、1台しか描画されていないが、実際には複数台の場合もある。また、以下、精算機4を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「精算機4」と呼ぶ。
サーバ1と、売場装置3と、精算機4と、目検用端末Qとは、インターネット等のネットワークNを介して相互に接続されている。
サーバ1は、実施形態1のサーバ1(
図7)と同様に構成される。また、目検用端末Qは、実施形態1の目検用端末Qと同様に構成される。
【0172】
図26は、
図25の商品認識システムのうち売場装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
売場装置3は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、バス304と、入出力インターフェース305と、天井カメラ310と、棚カメラ311と、カゴカメラ312と、通信部315と、情報端末9と、を備える。
【0173】
売場装置3のCPU301、ROM302、RAM303、バス304、入出力インターフェース305、通信部315は、
図7に示したサーバ1のこれらと同様に構成される。
売場装置3の天井カメラ310、棚カメラ311、通信部315、情報端末9は、実施形態2において説明した売場装置3(
図17)のこれらと同様に構成される。
【0174】
図27は、サーバ1、売場装置3、精算機4及び目検用端末Qの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0175】
サーバ1は、CPU101と、記憶部108と、通信部109と、エラー表示部151と、エラー解除部152と、を備えている。
これらは、
図18に示した実施形態2と同様に構成されている。
【0176】
目検用端末Qにおいて、画像表示制御部411は、売場装置3または精算機4から目検の依頼が行われた場合に、売場装置3または精算機4から送信された物体撮像画像あるいは商品撮像画像等の画像及びこれらの画像に付随して送信された各種情報(商品候補リスト等)を出力部106に出力する。
目検結果送信部412は、出力部106に出力された物体撮像画像あるいは商品撮像画像について、目検者が入力部107を介して入力した目検結果(商品の特定結果あるいは売買制限商品の判定結果等)を、目検を依頼した売場装置3または精算機4に送信する。
【0177】
売場装置3のCPU301においては、
図27に示すように、個人認証部320と、移動物体追跡部330と、位置情報管理部340と、棚商品認識部360と、カゴ商品認識部370と、売買制限商品判定部380と、目検結果取得部301aと、が機能する。
【0178】
個人認証部320は、個人情報取得部321を備えている。
個人認証部320及び個人情報取得部321は、
図18に示した実施形態2と同様に構成されている。
【0179】
図28は、
図27の売場装置3に備えられた移動物体追跡部330の詳細な機能的構成例を示す機能ブロック図である。
移動物体追跡部330は、
図28に示すように、天井カメラによる移動物体発見部3302と、天井カメラによるカゴ発見部3303と、天井カメラによるカゴ領域定義部3306と、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307と、グルーピング部3308天井カメラによるカゴ領域間受け渡し認識部3310と、天井カメラによる受け渡された物体認識部3312と、天井カメラによる受け渡された商品特定部3313と、を備えている。
ただし、実施形態3の移動物体追跡部330は、買い物客を移動物体として扱う実施形態2と異なり、システム上把握(発見・追跡等)されるカゴ類を移動物体Moとして扱う。
【0180】
移動物体追跡部330は、天井カメラ310とUSBケーブルやネットワークN等を通じて接続されている。したがって、天井カメラ310は、他の天井カメラ310やパーソナルコンピュータ等と連携される。
【0181】
天井カメラによる移動物体発見部3302は、天井カメラ310によって撮像された撮像画像に基づいて状態空間モデル(ベイジアンフィルタ等)を用いて店内を移動する物体(買い物客、カゴ、カート等)を発見する。
【0182】
天井カメラによるカゴ発見部3303は、移動物体発見部3302にて発見された店舗30内を移動する物体からカゴ類(移動物体Mo)を発見し、その移動物体Moに個別のIDを採番する。この移動物体MoのIDは、退店または精算完了等の所定のタイミングまで使い続けられる。
この店舗30内を移動する物体から移動物体Moを発見する手法としては、例えば、個体識別可能な情報を保持したマーカーを各カゴ類に1か所以上付けておき、天井カメラによるカゴ発見部3303は、このマーカーを目印として移動物体Moを発見する。マーカーは、例えば2次元コードや特徴的な形状のような、移動物体Moを特定できればよく、限定されない。
店舗30内を移動する物体から移動物体Moを発見する他の手法として、天井カメラによるカゴ発見部3303は、カゴ類の色情報や形状情報等のカゴ特有の情報を利用してもよい。その際、天井カメラによるカゴ発見部3303は、カゴ類の色や形状が床面等から区別できることから、移動物体Moを発見することができる。
【0183】
店舗30内を移動する物体から移動物体Moを発見する手法として、カゴ類を低温にして、サーモグラフィ等を使用してもよい。その際、天井カメラによるカゴ発見部3303は、カゴ類以外の領域との温度差から、低温にされた移動物体Moを発見する。
店舗30内を移動する物体から移動物体Moを発見する手法として、カゴ類から無害なガスを発生させ、サーモグラフィ等を使用してもよい。その際、天井カメラによるカゴ発見部3303は、カゴ類から発生した無害なガスの発生に伴う温度変化をサーモグラフィ等で検知し、移動物体Moを発見する。
【0184】
店舗30内を移動する物体から移動物体Moを発見する手法として、カゴ類から可聴音かどうかにかかわらず音を発生させてもよい。その際、天井カメラによるカゴ発見部3303は、そのカゴ類から発生する音を検知することで、移動物体Moを発見する。
店舗30内を移動する物体から移動物体Moを発見する手法として、不可視の塗料をカゴ類に塗布し、不可視の塗料を認識できるセンサーを使用してもよい。その際、天井カメラによるカゴ発見部3303は、カゴ類に塗布された不可視の塗料をセンサーが認識することによって移動物体Moを発見する。
店舗30内を移動する物体から移動物体Moを発見する手法として、天井カメラ310からカゴ類に可視光や赤外線等を照射してもよい。その際、天井カメラによるカゴ発見部3303は、カゴ類に照射された可視光や赤外線の反射光を受信することで移動物体Moを発見する。
【0185】
天井カメラによるカゴ領域定義部3306は、天井カメラによるカゴ発見部3303によって発見された移動物体Moの周辺のうち撮像画像内の一定の範囲を移動物体Moの領域として定義する。移動物体Moの領域を定義するには、例えば、上述のようにカゴ類にマーカーを付けた場合において、このマーカーを付けた添付位置から一定の範囲を移動物体Moの領域として定義する。
カゴ類に複数のマーカーが付けられている場合において、天井カメラによるカゴ領域定義部3306は、天井カメラ310が全てのマーカーを撮像できなくても、各マーカーが移動物体Moの領域における自らの位置情報を保持していることから、1つ以上のマーカーから移動物体Moの領域を定義してもよい。
【0186】
天井カメラによるカゴ領域定義部3306は、上述のカゴ領域を定義する手法を補完する手法を併用してもよい。補完手法としては、上述のようにカゴ類を低温にする場合において、サーモグラフィ及び画像認識から低温の領域を移動物体Moの領域と定義する。
別の補完的手法としては、上述のようにカゴ類から無害のガスを発生させる場合において、ガスの発生に伴う温度変化をサーモグラフィ等で検知し、画像認識技術をも駆使することで、温度変化のあった領域を移動物体Moの領域と定義する。
【0187】
さらに別の補完的手法としては、天井カメラによるカゴ領域定義部3306は、上述のようにカゴ類の縁に不可視の塗料を塗布した場合において、塗料の塗布位置からカゴ類の縁を推定し、その縁により閉じられた領域を移動物体Moの領域と定義する。
さらに別の補完的手法としては、天井カメラによるカゴ領域定義部3306は、上述のように天井カメラ310から可視光や赤外線等を照射する場合において、その反射の測定結果から移動物体Moの領域を定義する。
【0188】
天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、移動物体Moの領域の位置を推定(定義)する。天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、移動物体Moを発見した時点から退店または精算完了等の所定の時点まで、同一のIDにより、移動物体Moを追跡し、位置情報を把握し続ける。
【0189】
そのため、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、例えば、多数の天井カメラ310が連携することで、常時、撮像画像内のカゴ領域を追跡し続ける。多数の天井カメラ310が連携するようにするため、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、ある天井カメラ310によって撮像された撮像画像が隣り合った天井カメラによって撮像された撮像画像に引き継がれるようにする。天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、追跡している移動物体Moの位置情報をサーバ1の位置情報管理DB132や記憶部108に格納する。
【0190】
天井カメラによるカゴ領域追跡部3307が移動物体Moを追跡するための他の手法として、移動物体Moを特定する情報を有するマーカーが各カゴ類に付けられ、天井カメラ310がこのマーカーを含む移動物体Moを撮像する。天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、撮像画像からマーカーを抽出することで、移動物体Moを発見し、位置情報を取得する。
天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、マーカーを撮像画像から発見し、移動物体Moの位置情報を取得することで、移動物体Moが移動しても、移動物体Moを追跡し続けることができる。
【0191】
天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、移動物体Moを追跡するための他の手法として、ベイジアンフィルタ、高速フーリエ変換、TLD等の画像内における物体追跡の技術を用いて移動物体Moを追跡してもよい。
あるいは、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、カゴ類が持つ色や形状等の特徴データをもとに、同じ特徴データを取得した移動物体Moは同一の移動物体Moである、と推定しながら移動物体Moを追跡してもよい。その際、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、追跡対象の特徴データを収集し続ける。
【0192】
いずれにしても、天井カメラ310からの映像では、天井カメラ310に正対していない移動物体Moが角度をもって(斜め方向から)撮像されるため、位置情報を正確に取得できないおそれがある。したがって、撮像画像に対してキャリブレーションによる補正をかけることで、正対しているように撮像することも考えられる。しかし、このような補正をかけても、高い精度で移動物体Moの位置情報を取得できないことがあり得る。
そこで、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、距離センサー等を用いて移動物体Moの高さ情報を取得することで、精度の高い位置情報を取得する。このようにして天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、移動物体Moを追跡し続けてもよい。
【0193】
グルーピング部3308は、複数のカゴ類(移動物体Mo)を紐づけてもよい。このように紐づけられることで、精算エリア35内に設置された精算機4において、各移動物体Moの商品リストをまとめて精算することができる。
【0194】
天井カメラによるカゴ領域間受け渡し認識部3310は、移動物体Mo間で物体が受け渡された(出入りがあった)ことを天井カメラ310等によって認識する。天井カメラによるカゴ領域間受け渡し認識部3310は、移動物体Moの領域間の重なりを認識して受け渡しを認識してもよい。天井カメラによるカゴ領域間受け渡し認識部3310は、物体の受け渡しがされた移動物体Moを特定し、各移動物体MoのIDに紐づく商品リストを読み込む。
【0195】
天井カメラによる受け渡された物体認識部3312は、受け渡しが認識された時点の撮像画像から物体の領域を定義する。
天井カメラによる受け渡された物体認識部3312は、天井カメラ310をズーム可能なカメラにし、受け渡しが行われたと推定される箇所をズームアップし、物体の領域定義をしてもよい。
【0196】
天井カメラによる受け渡された商品特定部3313は、受け渡された物体が、物体領域定義後の画像から、読み込まれた移動物体Moに紐づく商品リストのうちいずれの商品かを特定し、前記天井カメラによるカゴ領域間受け渡し認識部3310で特定した移動物体Moと、受け渡しで特定された商品を紐づけ、各移動物体Moに紐づく商品のリストを更新する。
天井カメラによる受け渡された物体認識部3312、天井カメラによる受け渡された商品特定部3313は、天井カメラ310の代わりに、広範囲を撮像可能な棚カメラ311等で実現してもよい。
【0197】
位置情報管理部340は、実施形態2において説明した位置情報管理部340と同様に構成されている。
即ち、位置情報管理部340は、
図20に示すように、カメラ間情報受け渡し部341と、各カメラの位置定義部342と、移動物体表示部343と、を備えている。
【0198】
図29は、
図27の売場装置3に備えられた棚商品認識部360の詳細な機能的構成を示す機能ブロック図である。
棚商品認識部360は、棚カメラによる物体認識部3602と、棚カメラによる商品特定部3603と、カゴと商品紐づけ部3605と、カゴと紐づく商品リスト管理部3607と、棚カメラによる物体入出検知部3608と、商品不特定判定部3609と、ラベル認識部3610と、値引きシール認識部3611と、棚カメラまたは天井カメラによるカゴ入出検知部3612と、を備える。
棚商品認識部360は、棚カメラ311とUSBケーブルやネットワークを通じ、他のカメラやパーソナルコンピュータ等と連携される。
【0199】
棚カメラによる物体認識部3602は、物体が棚内から取られた、または物体が棚内に置かれた(戻された)画像の前後の画像を比較し、商品特定の対象となる画像領域を定義する(領域定義)。
即ち、棚カメラによる物体認識部3602は、物体が棚内から取られたまたは棚に置かれた前の物体撮像画像と、物体が棚内から取られたまたは棚に置かれた後の物体撮像画像の変化前後の物体撮像画像を比較し、変化のあった画像領域を特定する。棚カメラによる物体認識部3602は、画像領域を特定する際にRGBデータ夫々で変化を確認する。
【0200】
また、棚カメラによる物体認識部3602は、物体入出検知部をトリガーに、物体が棚内から取られたまたは棚に置かれた前の物体撮像画像と、物体が棚内から取られたまたは棚に置かれた後の物体撮像画像の変化前後の比較とは別の方法を用い、1枚の物体撮像画像のみから物体の領域を定義してもよい。
物体の色データが同じであるため、入出等の変化があっても変化がなかったと判定されないようにするため、棚カメラによる物体認識部3602は、物体の影を利用することによっても領域を定義してもよい。
認識した物体領域の情報は、棚カメラによる商品特定部3603に引き渡される。
【0201】
棚カメラによる商品特定部3603は、棚カメラによる物体認識部3602によって認識された棚内の物体がいずれの商品であるかを特定する。棚カメラによる商品特定部3603は、特定物体認識、一般物体認識、ディープラーニング等の画像処理手法により、商品候補をリストアップする。このリストアップされた商品候補を「商品候補リストS」と呼ぶ。その後、棚カメラによる商品特定部3603は、検証機能を発揮させることで、商品を高い精度で特定する。
【0202】
検証機能は前述の商品候補をリストアップする手法と異なるアルゴリズムによって「商品候補リストP」をリストアップする。商品候補リストSとPの結果をマッチングさせて、所定の閾値を超える場合、商品を特定する。
「商品候補リスト」のリストアップ手法として、例えば、存在が認識された物体から得られる物体の画像情報と、商品DB131やメモリ上に保持されている画像情報とマッチングさせる方法により実現されてもよい。即ち、両画像の特徴情報が一致する(閾値を超える)と、棚カメラによる物体認識部3602によって存在が認識された物体が、商品DB131に登録されている商品であるため、棚カメラによる商品特定部3603は、その商品DB131に登録された商品であると特定する。ディープラーニングにより、商品候補を作成し、その後、検証機能を発揮させることで、商品を高い精度で特定する。
【0203】
棚カメラによる商品特定部3603は、棚カメラ311によって撮像された撮像画像の1フレームで商品を特定せず、天井カメラ310によって撮像された撮像画像も駆使し、複数の撮像画像にわたって商品を特定してもよい。その際、棚カメラによる商品特定部3603は、商品候補に対し、パーセンテージを持たせ、購入履歴、時間、場所、人の嗜好等の情報をもとに、パーセンテージを加算し、一定の閾値を超えたときに商品を特定する。
【0204】
カゴと商品紐づけ部3605は、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品の商品情報と移動物体Moとを紐づける。この前提として、1台の棚カメラ311が撮像する所定エリア内に、1台の移動物体Moのみが存在する場合であれば、当該移動物体MoのIDを特定することで、移動物体Moと商品情報とを紐づけることができる。この際、カゴと商品紐づけ部3605は、移動物体Moに付けられたマーカー等に付随する位置情報を用いて移動物体MoのIDを特定する。
【0205】
別の前提として、1台の棚カメラ311が撮像する所定エリア内に複数台の移動物体Moが存在する場合であれば、後述の棚カメラまたは天井カメラによるカゴ入出検知部が移動物体Mo内への物体の入出を検知した結果、棚内から取られた物体が入った移動物体Moを特定し、当該移動物体Moと商品情報とを紐づける。
さらに別の前提として、1台の棚カメラ311が撮像する所定エリア内に移動物体Moが1台も存在しないとされる場合であれば、少なくとも1台以上の棚カメラ311または少なくとも1台以上のカゴカメラ312によって、移動物体Moへの入出を検知し、その移動物体Moを特定したうえで、その特定された移動物体Moと商品情報とを紐づける。
【0206】
カゴと紐づく商品リスト管理部3607は、精算までの間、移動物体Moと特定された商品とを紐づける商品リストを管理し続ける。即ち、カゴと紐づく商品リスト管理部3607は、位置情報管理DB132等を活用し、移動物体MoのIDに紐づく商品のリストを常に管理し続ける。
物体が棚内から取られた際、カゴと紐づく商品リスト管理部3607は、取得された商品数分加算される。反対に、商品が棚内に戻された際、カゴと紐づく商品リスト管理部3607は、戻された商品数分を減算する。
【0207】
棚カメラによる物体入出検知部3608は、棚内へ物体が進入したことを検知することで、棚カメラによる物体認識部3602の発動のトリガーとすることができる。
例えば、棚カメラによる物体入出検知部3608は、棚内への物体の進入を、各棚カメラ311の撮像画像に設定した「進入検知領域」における画像データの変化から検知する。また、棚カメラによる物体入出検知部は、入ってきた物体を画像内で追跡することで、物体が領域外に退出したことも検知する。
【0208】
物体を追跡するために、棚カメラによる物体入出検知部3608は、棚内の進入検知領域にパーティクルフィルタをまく。複数の買い物客が同時に手を伸ばした場合のように、複数の移動物体Moを同時に追跡できるようにするため、1つ目の物体が進入後に、前記「進入検知領域」に再度、パーティクルをまき、次の物体の進入に備える。
ただし、同じ領域に複数の物体が進入しないことを前提とすれば、棚カメラによる物体入出検知部3608は、既に物体が存在する領域にかかる進入検知領域にはパーティクルをまかない。
【0209】
棚カメラによる物体入出検知部3608は、所定領域において、一定の尤度を持つパーティクルの占める割合が閾値以上の場合は「物体入」と判定し、一定の尤度を持つパーティクルが閾値未満の場合は「物体出」と判定する。
一度になるべく少ない量の物体の領域が推定されるように、棚カメラによる物体入出検知部は、商品が進入される都度、入出を検知する。
変化前後の画像は、推定領域で利用できるようにサーバ1の記憶部108に記憶される。
【0210】
棚カメラによる物体入出検知部3608は、上述の例以外に、物体の撮像画像から得られるスペクトル(波長)データから物体入出を検知してもよい。さらに、棚カメラによる物体入出検知部は、重量・圧力センサー、赤外線センサー、エチレンガスセンサー等の方法を用いて物体入出を検知してもよい。
【0211】
商品不特定判定部3609は、棚カメラによる商品特定部3603によって商品を特定できなかったことを棚から物体を取った移動物体Moと紐づける。
【0212】
ここで、棚カメラによる商品特定部3603における検証機能により、商品を特定することができなかった場合について説明する。まず、棚カメラによる商品特定部3603は、物体が棚から取られた画像と物体が棚に置かれた画像とが類似する特徴点数を特定する。例えば、両画像に撮像された物体のサイズを特定したうえで比較し、色違いを特定したうえで色を比較し、両物体が類似しているかどうかを決定する。特徴点数が少ないと、商品を特定することができず、誤って精算されないようにすることができる。
【0213】
ラベル認識部3610は、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品に応じて、貼付されたラベルを認識する。ラベル認識部3610は、画像認識の手法を駆使し、ラベルに記載された文字、バーコード等を含む多次元コードを読み取り、商品特定を補完する。
【0214】
値引きシール認識部3611は、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品に応じて、貼付された値引きシールを認識する。値引きシール認識部3611は、画像認識の手法を駆使し、商品に貼付された値引きシールの値引き額や割引率を特定する。値引きシール認識部3611は、商品特定部の処理中に実行される。
【0215】
棚カメラまたは天井カメラによるカゴ入出検知部3612は、棚カメラ311または天井カメラ310の少なくともいずれか一方がカゴ類に付けられたマーカー等から棚カメラ及び天井カメラの所定エリア内に移動物体Moが存在しているかどうかや存在していない場合の移動物体Moへの入出を検知する。棚カメラまたは天井カメラによるカゴ入出検知部3612は、さらに、マーカー等により定義された移動物体Moの領域への進入を検知してもよい。その際、移動物体Moの領域への進入は、追跡されている商品の位置情報と移動物体Moの領域の進入検知ライン(カゴの縁等)の位置情報との比較により行う。
【0216】
実施形態3の情報処理システムは、さらに、カゴ商品認識部370を備えていてもよい。
図30は、
図27の売場装置3に備えられたカゴ商品認識部370の詳細な機能的構成例を示す機能ブロック図である。
カゴ商品認識部370は、カゴカメラによるカゴ入出検知部372と、カゴカメラによる物体認識部373と、カゴカメラによる商品特定部374と、カゴ商品の不特定判定部375と、カゴ商品のラベル認識部376と、カゴ商品の値引きシール認識部377と、を備える。
【0217】
カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、カゴ類(移動物体Mo)内へ買い物客の手のような物体が進入した際に、その進入を検知することで、カゴカメラによる物体認識部373の発動のトリガーとすることができる。カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、カゴ類内への物体の進入を、各カゴカメラ312の撮像画像に設定した「進入検知領域」における画像の変化から検知する。
【0218】
カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、撮像画像のフレーム内に入ってきた物体をそのフレーム内で追跡することで、その移動物体Moがそのフレーム外に退出したことも検知する。カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、パーティクルフィルタを用いて物体を追跡する。
カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、複数の移動物体Moを同時に追跡するため、1つ目の物体が進入した後、進入検知領域に再度、パーティクルをまき、次の物体の進入に備える。
カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、所定領域内において、一定の尤度を持つパーティクルの占める割合が閾値以上である場合に「物体入」と判定し、閾値未満である場合に「物体出」と判定する。カゴカメラによるカゴ入出検知部は、一度になるべく少ない量の物体の領域を推定するように、物体が入出するたびに入出を検出する。
【0219】
カゴカメラによる物体認識部373は、買い物客の手等の物体がカゴ類(移動物体Mo)内に入った際の画像とカゴ類(移動物体Mo)内から出た後の画像とを比較し、棚内から取られてカゴ類(移動物体Mo)内に入れられた(またはカゴ類(移動物体Mo)内から棚に戻された)物体を商品特定するために画像領域を定義する。カゴカメラによる物体認識部373は、RGBデータを用いて領域の変化を確認する。
カゴカメラによる物体認識部373は、物体の撮像画像から得られるスペクトル(波長)データ、重量センサー、圧力センサー、赤外線センサー、メチレンガスセンサー等から物体を認識してもよい。
【0220】
カゴカメラによる商品特定部374は、カゴ類に入れられた物体がいずれの商品かを特定する。カゴカメラによる商品特定部374は、カゴカメラによる物体認識部373により認識された物体について、特定物体認識、一般物体認識、ディープラーニング等の画像処理手法により、商品候補をリストアップする。このリストアップされた商品候補を「商品候補リストS」と呼ぶ。その後、カゴカメラによる商品特定部374は、検証機能を発揮させ、商品を高い精度で特定する。
【0221】
検証機能は、前述の商品候補をリストアップする手法と異なるアルゴリズムによって「商品候補リストP」をリストアップする。カゴカメラによる商品特定部374は、商品候補リストSとPとをマッチングさせ、所定の閾値を超える場合に商品を特定する。
商品候補のリストアップの手法として、例えば、存在が認識された物体から得られる物体撮像画像の情報と、商品DB131や記憶部108によって保持されている画像情報とをマッチングさせる方法により、実現してもよい。即ち、両画像の特徴情報が一致する、即ち、閾値を超えると、カゴカメラによる物体認識部373によって存在が認識された物体は、その商品DB131に登録された商品であると特定する。
カゴカメラによる商品特定部374は、撮像画像の1フレームで商品を特定せず、複数フレームにわたる撮像画像から商品を特定してもよい。その際、カゴカメラによる商品特定部374は、商品候補に対し、パーセンテージを持たせ、購入履歴、時間、場所、人の嗜好等の情報をもとにパーセンテージを加算し、一定の閾値を超えたときに商品を特定してもよい。
本実施形態においては、特定の物体について目検用端末Qによる目検が行われる特定物体目検モードと、全ての物体について目検用端末Qによる目検が行われる全物体目検モードとが設定可能となっている。
特定物体目検モードに設定されている場合、カゴカメラによる商品特定部374は、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等を、目検結果取得部301aを介して目検用端末Qに送信する。一方、全物体目検モードに設定されている場合、カゴカメラによる商品特定部374は、商品の特定結果及び特定された商品の商品撮像画像と、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等とを目検結果取得部301aを介して目検用端末Qに送信する。
そして、カゴカメラによる商品特定部374は、目検結果取得部301aが目検用端末Qから取得した目検結果に基づいて、商品の特定を行う。具体的には、カゴカメラによる商品特定部374によって特定された商品については、目検結果により特定結果が承認または修正された場合、カゴカメラによる商品特定部374は、目検結果が示す内容に従って、商品の特定を行う。また、カゴカメラによる商品特定部374によって商品不特定とされた物体については、カゴカメラによる商品特定部374は、その物体を目検結果が示す商品として特定する。なお、カゴカメラによる商品特定部374が目検による商品の特定を依頼する場合、カゴ商品のラベル認識部376による商品特定の補完を経た後に、依頼を行うこととしてもよい。この場合、カゴ商品のラベル認識部376による商品特定の補完の結果、商品が特定されたものを除外して、目検による商品の特定を行うことができる。
【0222】
カゴ商品の不特定判定部375は、カゴカメラによる商品特定部374によって、カゴに入れられた物体を商品として認識できなかったことを当該移動物体MoのIDと紐づける。
カゴ商品のラベル認識部376は、カゴカメラによる商品特定部374によって、カゴに入れられて特定された商品に応じて、貼付されたラベルを認識する。カゴ商品のラベル認識部は、画像認識の手法を駆使し、ラベルに記載された文字、バーコード等を含む多次元コードを読み取り、商品特定を補完する。
カゴ商品の値引きシール認識部377は、画像認識の手法を駆使し、カゴカメラによる商品特定部374によって特定された商品に貼付された値引きシールの値引き額や、割引率を特定する。カゴ商品の値引きシール認識部は、カゴカメラによる商品特定部が処理中に値引き額等の特定を実行する。
【0223】
また、本情報処理システムは、売買制限商品判定部380と、遠隔操作部390と、を備える。
売買制限商品判定部380は、実施形態1において説明したように、特定された商品が売買制限商品であるか否かを判定する。売買制限商品判定部は、売買制限商品を検知すると、その情報をエラー表示部151に表示されるようにする。
本実施形態において、売買制限商品判定部380は、売買制限商品に該当する商品の商品撮像画像を、目検結果取得部301aを介して目検用端末Qに送信する。このとき、売買制限商品判定部380は、売買制限商品の種別に応じて、買い物客に関する情報(顔画像、個人情報等)を、目検結果取得部301aを介して目検用端末Qに適宜送信する。
そして、売買制限商品判定部380は、目検結果取得部301aが目検用端末Qから取得した目検結果に基づいて、売買制限商品の販売が許可されるか否か(売買制限が解除されたか否か)を判定する。
遠隔操作部390は、情報端末38やサーバ1に備えられ、例えば、エラー状態が通知されたときに、エラー状態を解消する機能を有している。
【0224】
目検結果取得部301aは、物体撮像画像、または、商品の特定結果及び特定された商品の商品撮像画像を目検用端末Qに送信することにより、目検による商品の特定を依頼し、この依頼に応じて目検用端末Qから送信された目検結果を取得する。目検結果取得部301aは、取得した目検結果(商品の特定結果)を棚商品認識部360に出力する。また、目検結果取得部301aは、売買制限商品に該当する商品の商品撮像画像を目検用端末Qに送信することにより、目検による売買制限商品の判定を依頼し、目検用端末Qから送信された目検結果を取得する。このとき、目検結果取得部301aは、買い物客に関する情報(顔画像、個人情報等)を、適宜、目検用端末Qに送信する。目検結果取得部301aは、取得した目検結果(売買制限商品の判定結果)を売買制限商品判定部380に出力する。
【0225】
精算エリア35内に設置された精算機4は、1以上のカゴ類内に入れられた全商品の合計金額を算出し、精算乃至、決済する。精算機では、追跡し続けた移動物体Mo及び移動物体Moに紐づいた商品情報をもとに精算する。
そのため、精算機4は、
図27に示すように、CPU401と、入力部406と、出力部407と、通信部409と、を備えている。
CPU401においては、精算部435と、入力制御部436と、出力制御部437と、が機能する。
【0226】
入力部406は、クレジットカードや電子マネーの読み取り部等を備えている。
出力部407は、精算商品を表示する画面やレシートを出力する機能等を備えている。
精算部435は、精算金額及び精算対象品を確定する。
入力制御部436は、入力部406からの信号を入力し、CPU401を作動させる。
出力制御部437は、精算部435の演算結果を出力部407に出力する。
精算機4は、移動物体Moの位置情報と予め定められた精算エリア35の位置関係を比較し、移動物体Moの位置情報が精算エリア35内に入ったこと、あるいは、移動物体Moが精算機4に置かれたことをトリガーに精算する。
【0227】
あるいは、精算機4に精算開始を指示するボタンが備えられ、ボタン押下等をトリガーに精算してもよく、精算機4に重量センサー(図示せず)を備え、移動物体Moが置かれた際の重量の変化を認識し、精算機4が精算するようにしてもよい。
精算機4は、現金だけでなく、商品券や金券、仮想通貨等でも支払いができるようにされている。
このような精算機4においては、エラー状態が起こり得る。エラー状態とは、(A)システム処理異常、(B)商品不特定の物体が移動物体Moに紐づいている場合、(C)売買制限商品が移動物体Moに紐づいている場合、等が例として挙げられる(当然これらに限定されない)。
【0228】
各エラー状態に応じ、本実施形態が採用するシステムが種々の対応を行う。
(A)の場合は、システム処理異常の旨を精算機4、情報端末38a、情報端末38b、サーバ1に提示する。これにより、店員がエラー状態を解消することが可能となる。エラー状態の解消は、遠隔操作部390により、行われてもよい。
(B)の場合は、商品不特定の物体が移動物体Moに紐づいている旨が精算機4、情報端末38a、情報端末38b、サーバ1に提示される。本実施形態において、(B)のエラー状態が発生した場合、目検用端末Qにおける目検が行われ、その目検結果に応じて、精算が継続または中止される。これにより、精算を自動的に行うことが可能なケースを増加させることができる。なお、(B)のエラー状態が発生した場合、店員がエラー状態を解消することとしてもよい。エラー状態の解消は、遠隔操作部390により、行うことができる。
(C)の場合、売買制限商品が移動物体Moに紐づいている旨が精算機4、情報端末38a、情報端末38b、サーバ1に提示する。本実施形態において、(C)のエラー状態が発生した場合、目検用端末Qにおける目検が行われ、その目検結果に応じて、精算が継続または中止される。これにより、精算を自動的に行うことが可能なケースを増加させることができる。なお、(C)のエラー状態が発生した場合、例えば年齢制限による売買制限商品の場合であれば、店員が買い物客の年齢を確認したり、消費・賞味期限切れの商品による売買制限商品の場合であれば、店員が商品の交換対応をしたり、アレルギー・ハラル食品以外による売買制限商品の場合であれば、買い物客が自ら確認することにより、エラー状態を解消することとしてもよい。エラー状態の解消は、遠隔操作部390により、行うことができる。
【0229】
ここで、実施形態3の商品認識システムによって、物体から商品を特定し、その商品について精算する方法について、
図31を参照して説明する。
図31は、
図27のサーバ1と売場装置3と精算機4が実行する自動精算処理の基本的な流れを説明するフローチャートである。
【0230】
ステップS301において、買い物客が(移動物体)が店舗30(
図24)の入口31から店内に入店し、入口31付近に設置された天井カメラ310がその買い物客の撮像を開始する。買い物客がカゴやカードを手にし、通路34を進むと奥の天井カメラ310がその買い物客の撮像を開始する。このようにして複数の天井カメラ310が買い物客、カゴ、カートを含む店舗30内全体を常時撮像する。なお、ステップS301の前に、個人認証部320が買い物客の個人認証し、買い物客の個人情報を取得してもよい。
【0231】
ステップS302において、天井カメラによる移動物体発見部3302は、状態空間モデル(ベイジアンフィルタ)等を用いて撮像画像中の移動する物体(採番せず)を発見する。
撮像画像には、店舗30内を移動する物体だけでなく、静止物体も撮像されているため、天井カメラによる移動物体発見部3302は、静止物体を除去した店舗30内を移動する物体のみ発見する。
【0232】
ステップS303において、天井カメラによるカゴ発見部3303は、天井カメラによる移動物体発見部3302によって発見された物体の中から、カゴ類(実施形態3における移動物体Mo)を発見し、個別のIDを採番する。IDは、退店または精算完了等の特定のタイミングまで使い続けられる。
【0233】
ステップS304において、天井カメラによるカゴ領域定義部3306は、天井カメラによるカゴ発見部3303によって発見した移動物体Moの領域の位置を定義する。また、天井カメラ310によって撮像されている範囲内で移動物体Moが移動したときに、移動後の移動物体Moの領域の位置を改めて定義する。位置情報は移動物体MoのIDと紐づけて位置情報管理DB132やメモリ等で管理され、領域定義ごとに更新される。この定義された位置は、別の天井カメラ310において撮像されている位置でも認識される。
【0234】
ステップS305において、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307は、ある天井カメラ310によって撮像されている撮像画像内で移動物体Moが移動する位置を推定する。さらに、天井カメラによるカゴ領域定義部3306が移動したと推定される位置に対し、移動物体Moの領域を定義し、位置情報管理DB132やメモリ上に記憶されている移動物体Moの位置情報を更新する。
【0235】
ステップS306において、棚カメラによる物体入出検知部3608は、買い物客の手等の物体が棚内に入ったこと及び出たことを検知する。この検知がトリガーとなって、棚カメラによる物体認識部3602が発動する。棚内への物体の進入は、各棚カメラ311に設定された進入検知領域における画像データが変化したかどうかによって検知する。
棚カメラによる物体入出検知部3608は、棚内に進入した物体を追跡し続けることで物体が棚内から退出したことを検知する。
【0236】
ステップS307において、棚カメラによる物体認識部3602は、棚内へ前記物体が進入する前の撮像画像と、棚内から移動物体Moが退出した後の撮像画像とを比較し、棚内から取られた物体を認識する。
【0237】
ステップS308において、棚カメラによる商品特定部3603は、検出された移動物体Moがいずれの商品であるかを特定する。棚カメラによる商品特定部3603は、物体認識部3602により検出された物体について、特定物体認識、一般物体認識、ディープラーニング等の画像処理手法により、商品候補をリストアップする。このリストアップされた商品候補を「商品候補リストS」と呼ぶ。その後、棚カメラによる商品特定部3603は、検証機能を発揮させ、商品を高い精度で特定する。
【0238】
検証機能は、前述の商品候補をリストアップする手法と異なるアルゴリズムによって「商品候補リストP」をリストアップする。棚カメラによる商品特定部3603は、商品候補リストSとPとをマッチングさせ、所定の閾値を超える場合に商品を特定する。
商品候補のリストアップの手法として、例えば、存在が認識された物体から得られる物体撮像画像の情報と、商品DB131や記憶部108によって保持されている画像情報とをマッチングさせる方法により、実現してもよい。即ち、両画像の特徴情報が一致する、即ち、閾値を超えると、棚カメラによる物体認識部3602によって存在が認識された物体は、その商品DB131保持された商品であると特定する。
なお、商品不特定判定部3609は、商品を特定することができなかった場合に、エラー情報をサーバ1へ送信する。このエラー情報は、エラー表示部151や情報端末38に表示される。
【0239】
ステップS309において、カゴと商品紐づけ部3605は、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品と移動物体MoのIDと紐づける。即ち、特定された商品を取った買い物客が持つカゴ類(移動物体Mo)がいずれかを特定する。
また、棚から商品または物体を取った・戻した時に商品不特定判定部3609によって商品を特定できなかった場合、商品不特定の情報(エラー情報)を移動物体MoのIDと紐づける。
【0240】
ステップS310において、移動物体Moと紐づく商品リスト管理部357は、移動物体MoのIDに紐づく商品のリストを管理し続ける。この管理は移動物体Moが精算エリア35に移動する等、所定のタイミングまで続けられる。
【0241】
ステップS311において、精算エリア35において、移動物体Moの全商品が合計され、精算機37で精算乃至決済されると、移動物体Moに紐づく商品リストを精算済みのステータスに更新し、自動精算処理を終了する。また、移動物体Moが商品不特定の情報(エラー情報)に紐づいていた場合は、自動精算処理を終了せず、エラー情報をサーバ1へ送信する。このエラー情報は、エラー表示部151や情報端末38に表示される。即ち、店員が買い物客のもとにかけよりエラーの確認・解除を行うことができる。
【0242】
なお、精算されていない移動物体Moが出口32を通過した場合、エラー情報がサーバ1へ送信される。このエラー情報は、エラー表示部151や情報端末38a、情報端末38bに表示される。出口32付近に警報機(図示せず)が備えられていると、警報機は音や光等により、警告を発する。
実施形態3の自動精算処理は、棚カメラによって撮像された画像に基づいて商品を特定するため、カゴに入れられた物体について商品を特定する必要はない。
しかし、その商品が間違って特定されていないかを検証するため、カゴに入れられた物体についても商品を特定することが好ましい。
【0243】
図32は、
図27のサーバ売場装置と精算機が実行する自動精算処理のカゴ内商品を認識する処理を説明するフローチャートである。
【0244】
ステップS321において、カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、カゴの領域以外の尤度が低くなるように、事前に撮像画像内の所定の位置に設定された進入検知領域にパーティクルを設置する。
ステップS322において、カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、パーティクルの尤度によって物体(買い物客の手等)がカゴ内の進入検知領域に進入したことを検知する。なお、複数物体の進入に備えるため、物体がカゴ内の進入検知領域に進入したのち、カゴカメラによるカゴ入出検知部372は、新たなパーティクルを設置する。
ステップS323において、カゴカメラ312は、物体(買い物客の手等)が進入検知領域に進入した時点のカゴ内の状態を撮像する。カゴカメラ312は、進入検知領域外も撮像している。
例えば、撮像された画像(前画像)には、3個の商品が撮像されていたとする。なお、前画像に撮像されている商品は、すでに物体から特定されているため、商品となる。
【0245】
ステップS324において、カゴカメラ312は、物体が進入検知領域から退出した時点のカゴ内の状態を撮像する。例えば、このときに撮像された画像(後画像)には、前述の3個の商品に追加して1個の物体が撮像されていたとする。
【0246】
ステップS325において、カゴカメラによる物体認識部373は、前画像と後画像とを比較し、追加された1個の物体についての画像領域を定義する。
ステップS326において、カゴカメラによる商品特定部374は、増加した1個の物体がいずれの商品であるかを特定する。この商品の特定は、棚商品認識部360がした特定の手法と同じ手法を採用することができる。
【0247】
ステップS327において、カゴカメラによる商品特定部374は、特定物体目検モードまたは全物体目検モードのいずれに設定されているか判定する。
特定物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS328に進む。
また、全物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS329に進む。
ステップS328において、目検結果取得部301aは、対象となる物体について、目検用端末Qにおける目検(商品の特定)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS328の後、処理はステップS329に進む。
ステップS329において、カゴカメラによる商品特定部374は、追加された1個の物体がいずれの商品であるか特定できないものであるかどうか判定する。カゴカメラによる商品特定部374がいずれの商品であるか特定できないものである場合(ステップS329においてYES)は、処理はステップS327に進む。
【0248】
ステップS329においてカゴカメラによる商品特定部374がいずれの商品であるか特定できた場合(ステップS329においてNO)は、カゴカメラによる商品特定部374は、サーバ1の記憶部に保持された商品名や価格、売買制限商品である等の情報を含めて商品を特定する。これにより、処理はステップS330に進む。特定された商品情報は、出力部407に出力されてもよい。
また、ステップS329においてカゴカメラによる商品特定部374がいずれの商品であるか特定できなかった場合は、カゴカメラに備え付けられた図示しない表示部の画面表示や、図示しないスピーカーによる音声案内等で、購入者へ商品のカゴへの入れ直しを依頼する構成としてもよい。さらに、カゴカメラに備え付けられた図示しないマイクロフォンを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
【0249】
ステップS330において、売買制限商品判定部380は、カゴカメラによる商品特定部374によって特定された商品が、年齢確認が必要とされる商品であるかどうかを判定する。
【0250】
ステップS330において、カゴカメラによる商品特定部374によって特定された商品が、年齢確認が必要とされる商品であると判定された場合は、即ちYESと判定された場合、処理はステップS331に進む。
ステップS330において、カゴカメラによる商品特定部374によって特定された商品が、年齢確認が必要とされる商品でないと判定された場合は、即ちNOと判定された場合、カゴ内商品の認識処理は終了となる。
ステップS331において、出力制御部437は、精算機4の出力部407に年齢確認のための画面を表示させる。ただし、買い物客の個人情報が取得され、ここで年齢確認する必要がない場合は、ステップS330はスキップされ、処理はステップS335に進む。ここで、買い物客の年齢認証に問題があるときは、精算機4に備え付けられた図示しないスピーカーと図示しないマイクロフォンを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
ステップS332において、目検結果取得部301aは、対象となる商品について、目検用端末Qにおける目検(売買制限商品の判定)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS333において、売買制限商品判定部380は、売買制限を解除する指示を受け付けたか否かを判定する。
【0251】
ステップS333において売買制限を解除する指示を受け付けていないと判定された場合は、処理はステップS334に進む。
ステップS333において売買制限を解除する解除指示を受け付けたと判定されると、即ちYESと判定されると、処理はステップS335に進む。
ステップS334において、目検用端末Qの目検結果送信部412は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を送信する。この警告を受信することにより、例えば、精算機4の出力制御部437は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を、出力部407を介して提示する。ステップS334の後、処理は終了し、精算が中止となる。
ステップS335において、売買制限商品判定部380は、売買制限を解除する。
このようにしてステップS335が終了されるか、またはステップS330において年齢制限商品でないと判定された場合(NOであると判定された場合)、カゴ内商品の認識処理は終了となる。
【0252】
このようにして、本情報処理システムは、カゴ内に入れられた物体がいずれの商品であるかを特定する。
そして、本情報処理システムは、上述のステップS308において特定した商品とステップS326において特定した商品とが一致しているかどうかを検証することができる。商品が不特定の場合、エラー状態の旨がエラー表示部151、情報端末38a、情報端末38bに表示される。そして、目検の対象とされる物体や商品(例えば、レジ端末2において商品の特定が行えない物体や、売買制限商品に該当する商品等)については、目検用端末Qにおける目検が行われ、目検結果(商品の特定結果や売買制限商品の判定結果等)に応じて、自動精算が行われる。
したがって、本情報処理システムによれば、買い物客が商品を購入する際に、商品の代金の精算の自動化が可能になると共に、商品の特定精度を高めることができる。
また、精算することが適切でない物体や商品が精算にかけられた場合に、誤って精算されないようにすることができる。また、商品が不特定の旨が情報端末38a、情報端末38bに表示されると、店員がこのカゴが位置している売場まで行き、商品を検証してもよく、店内外の店員等が遠隔操作でエラー状態を解除してもよい。
【0253】
実施形態3において、移動物体Mo(カゴやカート)の追跡において想定されるエラーには、(A)買い物客が店舗30の入口31から入店し、カゴやカートを手にした際に、天井カメラによる移動物体発見部3302が移動物体Moを検出できなかった場合、(B)天井カメラによるカゴ領域追跡部3307が追跡中の移動物体Moを見失った場合、(C)二つ以上の異なる移動物体Moの夫々に紐付けられたIDが追跡途中に入れ替わった場合、等が含まれる(当然これらに限定されない)。
【0254】
各エラー状態に応じ、本実施形態が採用するシステムが、以下の例を含む、種々の対応を行う。
(A)天井カメラ310により撮像された、カゴやカートを保持する買い物客を被写体として含む画像を目検用端末Qに送信し、目検による移動物体Moの検出を依頼する。目検者が移動物体Moを検出した場合は、当該買い物客の保持するカゴやカートに対応する新たな移動物体Moを定義の上、IDを発番して、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307による追跡を開始する。目検者が移動物体Moを検出できなかった場合は、その旨を店員に報知する。
(B)位置情報管理DB132に登録されているどのIDとも紐づけられていないカゴやカートが認められた場合、そのカゴやカートを保持する買い物客を含む撮像画像と、紐づけられるべきID候補のリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去のカゴやカートとIDとの紐づけ情報に基づいて、最も適切なIDを当該カゴやカートに紐づけ、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307による再追跡を開始する。何らかの理由で再追跡が開始できなかった場合は、その旨が店員に報知される。
また、カゴやカートとの紐づけを失ったIDが検出された場合には、当該IDと、どのIDとも紐づけられていないカゴやカートを保持する買い物客の撮像画像のリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去のカゴやカートとIDとの紐づけ情報に基づいて、当該IDにカゴやカートを紐づけることを試み、紐づけが成功した場合は、天井カメラによるカゴ領域追跡部3307による再追跡を開始する。何らかの理由で再追跡の開始が失敗した場合は、その旨が店員に報知される。
(C)夫々のカゴやカートを保持する買い物客の画像リストと、夫々のカゴやカートに紐づけられるべきIDのリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去のカゴやカートとIDとの紐づけ情報に基づいて、最も適切に、IDをカゴやカートに割り振ることを試みる。IDをカゴやカートに適切に割り振ることができた場合は天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による再追跡を開始する。IDをカゴやカートに適切に割り振ることができない場合は、割り振りを諦め、紐づけが入れ替わったままの旨を店員に報知する。
【0255】
〔実施形態4〕
図33は、実施形態4における商品認識システムを採用するスーパーマーケットのレイアウト例を示す図である。
実施形態4の情報処理システムは、
図33に示すようなスーパーマーケット等の店舗40に対して適用する商品認識システムである。実施形態4の情報処理システムは、商品がレジ台に置かれることなく精算ゲート5−1乃至5−3を通過するだけでも自動精算できるようになされている。
【0256】
店舗40において、入口41には、買い物カゴやショッピングカート等(採番せず)が置かれている。出口42の手前には、精算ゲート5−1乃至5−3と店員Mtが操作する精算レジ6とが設置されている。また、入口41から出口42までの間に、商品を陳列する複数の棚ラック43が設置されている。棚ラック43においては、鉛直方向に複数の棚が、所定の間隔をあけて並べられ、複数の棚の夫々には各種商品が陳列される。以下、棚と棚との間を「棚内」とも記述する。水平方向に向き合った棚ラック43と棚ラック43との間が通路44とされる。
【0257】
買い物客は、入口41から入店し、買い物カゴを取って、ショッピングカートを押して、あるいは、持参したマイバッグを持って通路44を進む。買い物客は、棚内の商品を取って、カゴ類の中に入れて通路44を進む。買い物客は、購入したい商品を全て取ると、精算エリア45へ進み、精算する。
通路44や精算エリア45等において、店員Mtが見回り等をしている。店員Mtは、情報端末9aを所持している。情報端末9aは、スマートフォン等の携帯型情報処理端末であり、店内の状態を表示する機能、店内で発生したエラー状態を表示する機能、遠隔操作機能等を備えている。
【0258】
図33において、雲形で描かれた線図の内側には、店舗40内でなく、店舗40外や店舗40のバックヤードの様子が描画されている。店舗40外または店舗のバックヤードには、サーバ1(
図7)が設置されている。店舗外やバックヤードでは、店員Mtが大型モニターの画面(図示せず)や情報端末9bの画面を通じて店舗40内を監視することができる。
なお、買い物カゴ、ショッピングカート及びマイバッグを含めてカゴ類と呼ぶ。精算ゲート5−1乃至5−3を含む通路44が精算エリア45とされる。また、カゴ類等と買い物客を含めて移動物体Moと呼ぶ。
【0259】
入口41から出口42までの間の通路44の天井には、複数の天井カメラ310が設置されている。また、各棚ラック43内の各棚の複数個所には、複数の棚カメラ311が設置されている。
なお、
図33において、雲形で描かれた線図の内側には、店舗40内でなく、店舗40外や店舗40のバックヤードの様子が描画されている。店舗40外には、サーバ1(
図7)が設置されている。バックヤードでは、店員Mtが大型モニターの画面(図示せず)や情報端末9bの画面を通じて店舗30内を監視している。
【0260】
図34は、本情報処理システムの実施形態4としての商品認識システムの構成を示す構成図である。
実施形態4の商品認識システムは、
図35に示すような構成を有している。
商品認識システムは、サーバ1と、売場装置3と、n台(nは任意の整数)の精算ゲート5−1乃至5−nと、を有している。なお、実施形態1及び2において採用したレジ端末2は、実施形態4において採用されない。
サーバ1と、売場装置3と、精算ゲート5−1乃至5−nとの夫々は、インターネット(Internet)回線等のネットワークNを介して相互に接続されている。
なお、説明の便宜上、
図34のサーバ1は、1台しか描画されていないが、実際には複数台の場合もある。
また、以下、精算ゲート5−1乃至5−nを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「精算ゲート5」と呼ぶ。
【0261】
サーバ1は、売場装置3及び精算ゲート5の各動作を管理すべく、各処理を実行する。サーバ1は、
図7に示した実施形態1のサーバ1のハードウェア構成と同様に構成されている。
【0262】
したがって、サーバ1は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。
【0263】
売場装置3は、
図26に示した実施形態3のハードウェア構成と同様に構成されているが、図示されたカゴカメラ312を備えていない。
【0264】
したがって、売場装置3は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、バス304と、入出力インターフェース305と、天井カメラ310と、棚カメラ311と、情報端末9と、通信部315と、を備えている。
【0265】
ただし、実施形態4でのエラー状態は、システム処理において異常が発生した場合や、棚商品認識において商品を特定できなかった場合、不特定の物体や売買制限商品が紐づいている移動物体Moが精算ゲート5を通過しようとした場合、精算していない買い物客(移動物体Mo)が退店しようとしている場合等種々の状況下で発生する。
【0266】
このような売場装置3にネットワークNを介して精算ゲート5が接続されている。
精算ゲート5は、精算機5aを用いた精算ゲート5−1、電子マネー等を利用する精算ゲート5−2、通過するだけで精算できる精算ゲート5−3に区分されている。
有人の精算レジ6以外の精算ゲート5−1〜5−3には、常時閉じている開閉部材(採番せず)が備えられていてもよい。
【0267】
また、精算機5aを用いた精算ゲート5−1は、精算ボタン(図示せず)を備え、購入商品の金額の合計を算出し、出口42側に設置された精算機5aにて精算する。精算機5aは、精算ゲート5−1よりも出口42側に設置されている。この精算機5aは、現金、クレジットカード、電子マネー、ポイント支払い、商品券・仮想通貨、プリペイドカード等で支払いができる決算手段を備えている。
この精算機5aを用いた精算ゲート5−1にあっては、決済する人が、精算ボタンを押下すると、この押下がトリガーとなって後述する移動物体領域に紐づく商品情報が読み出され、精算金額が確定し、精算ゲート5−1を通過可能となる。開閉部材が備えられている場合は、開閉部材が開く。そして、決済する人が精算機5aによって決済すると、退店可能となる。
【0268】
電子マネー等を利用する精算ゲート5−2は、ゲート本体に電子マネー等をかざすことで精算する。即ち、電子マネー等を利用する精算ゲートは、カード読取部(図示せず)を備え、精算機5aを用いた精算ゲート5−1のような精算ボタンを備えず、精算機5aを使用しない。
電子マネー等には、決済可能なICカードだけでなく、クレジットカード、いわゆるポイントカード、プリペイドカード等の狭義のカードだけでなく、情報携帯端末も含まれるが、以下、各種カードとして説明する。
決済する人がこの精算ゲート5−2の精算エリア45に進入し、各種カードがカード読取部に読み取られると、後述する移動物体領域に紐づく商品情報が読み出され、精算及び決済が完了し、精算ゲート5−2を通過可能となる。
【0269】
精算ゲート5−3は、入口41や通路44等において個人情報が取得された買い物客が、精算ゲート5−3を通過するのみで、精算及び決済が完了させる。即ち、現金を支払う、カードを読み取らせる等せずに、精算及び決済が完了する。
【0270】
有人の精算レジ6は、店員Mtが商品の価格を個々に入力し、精算する。
図35は、
図34の商品認識システムのうち精算ゲート5のハードウェア構成を示すブロック図である。
精算ゲート5は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、バス504と、入出力インターフェース505と、入力部506と、出力部507と、記憶部508と、通信部409と、を備えている。
【0271】
精算ゲート5のCPU501、ROM502、RAM503、バス504、入出力インターフェース505、記憶部508、通信部509は、サーバ1のこれらと同様に構成されている。
【0272】
入力部506は、精算機5aを用いた精算ゲート5−1にあってはゲート本体に備えられた精算ボタンであり、電子マネーを利用する精算ゲート5−2と通過するだけで精算できる精算ゲート5−3にあっては各種カード等の情報を検知する情報読取部である。
【0273】
出力部507は、精算ゲート5−1〜5−3に備えられた開閉部材(採番せず)を開閉する信号を出力する。また、精算機5aを用いた精算ゲート5−1は、精算機5aに精算する金額や商品名等を出力する。
【0274】
図36は、上述した
図7のサーバ1と
図26の売場装置3と
図35の精算ゲート5との機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0275】
サーバ1は、実施形態3と同様のCPU101と、記憶部108と、エラー表示部151と、エラー解除部152とを備えている。
サーバ1は、実施形態3のサーバ1と同様に構成されている。
【0276】
図37は、実施形態3における売場装置3に備えられた移動物体追跡部330の詳細な機能的構成例を示す機能ブロック図である。
売場装置3のCPU301においては、
図37に示すように、個人認証部320と、移動物体追跡部330と、位置情報管理部340と、棚商品認識部360と、カゴ商品認識部370と、売買制限商品判定部380と、を備える。
個人認証部320と、移動物体追跡部330と、位置情報管理部340と、カゴ商品認識部370と、売買制限商品判定部380は、実施形態3と同様に構成されている。
【0277】
個人認証部320は、実施形態3と同様の個人情報取得部321を備えている。個人認証部320は、個人情報取得部321またはサーバ1のDB管理部141から個人情報を取得する。
【0278】
移動物体追跡部330は、
図37に示すように、天井カメラによる移動物体発見部3302と、天井カメラによる移動物体領域定義部3304と、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305と、グルーピング部3308と、血縁関係判定部3309と、天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3311と、天井カメラによる受け渡された物体認識部3312と、天井カメラによる受け渡された商品特定部3313と、を備えている。
天井カメラによる移動物体発見部3302は、天井カメラ310によって撮像された撮像画像に基づいて状態空間モデル(ベイジアンフィルタ等)を用いて移動物体Mo(買い物客、カゴ、カート等)を発見する。
天井カメラによる移動物体領域定義部3304は、天井カメラによる移動物体発見部3302により発見された移動物体Moの領域を移動物体領域として定義する。天井カメラによる移動物体領域定義部3304は、移動物体Moを中心として、変化のあった領域を連続的に見つけることで、移動物体領域を定義する。即ち、天井カメラによる移動物体領域定義部3304は、発見した移動物体Moと、その移動物体Mo及びその移動物体Moの周辺のうち一定の範囲内を移動物体領域として定義する。
【0279】
その上で、買い物客を上側から見た場合の骨格モデルを当てはめることで、おおよそのポーズを推定し、実際に得られた映像での移動物体領域と比較することで、移動物体Moを明確に定義してもよい。
ここで、人を中心とした領域を人領域と呼ぶと、人領域は移動物体領域の下位概念となる。
また、カゴ類を中心とした領域をカゴ領域と呼ぶと、カゴ領域は移動物体領域の下位概念となる。
また、カートを中心とした領域をカート領域と呼ぶと、カート領域は移動物体領域の下位概念となる。
【0280】
天井カメラによる移動物体領域追跡部3305は、移動物体Moの移動を追跡する。例えば、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305は、移動物体Moの特徴データ(色や形状等)を収集することによっても、移動物体Moの移動を追跡する。
あるいは、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305は、ベイジアンフィルタ、高速フーリエ変換、TLD(Tracking−Learning−Detection)等の画像内における物体追跡の技術を用いて、移動物体Moの移動を追跡する。
【0281】
グルーピング部3308は、家族や友人等の複数人で来店した場合において、その複数人をグルーピングする。
また、グルーピング部3308は、移動物体Mo同士の距離感(重なり、くっついている等)、移動方向(ベクトル)等の情報を用い、複数人をグルーピングしてもよい。
グルーピング部3308は、人領域とカゴ領域・カート領域を紐づけてもよい。
このようにグルーピング部3308が機能することにより、精算ゲート5において、一人によって精算することができる。
【0282】
血縁関係判定部3309は、顔認証手法を用い、親子関係や兄弟関係等を見分ける。血縁関係判定部は、グルーピング部の機能を補助する。血縁関係判定部は、ディープラーニングの顔認識手法を用いて顔の類似度を判定し、血縁関係を推定してもよい。
【0283】
買い物客(移動物体Mo)から買い物客(移動物体Mo)への商品の受け渡しが発生した場合、天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3311が移動物体Moから移動物体Moへ物体が受け渡されたことを認識し、受け渡した/渡された移動物体Moを特定し、各移動物体Moに紐づく商品リストを読み込む。
【0284】
天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3311は、買い物客(移動物体Mo)から買い物客(移動物体Mo)への商品の受け渡しが発生したことを認識し、この受け渡した移動物体Moと渡された移動物体Moとを特定し、各移動物体Moに紐づく商品リストを読み込む。天井カメラによる受け渡された物体認識部3312は、その後、受け渡しが認識された時点の撮像画像から物体の領域を定義する。
さらに、天井カメラによる受け渡された商品特定部が受け渡された物体が、物体領域定義後の画像から、読み込まれた受け渡しを行った移動物体Moに紐づく商品リストのうちいずれの商品かを特定し、天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3311で特定した各移動物体Moと、受け渡しで特定された商品を紐づけ、夫々の商品のリストを更新する。
天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3111は、ディープラーニング等の物体認識手法を用いて、買い物客(移動物体Mo)の動きを分析し、受け渡し認識してもよく、受け渡しの際に人領域の中の手を認識してもよく、受け渡しの認識は人領域(手を含んでもよい)間の重なりを認識してもよい。
天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3311は、天井カメラの代わりに、広範囲を撮像可能な棚カメラ等で実現されてもよい。
【0285】
その後天井カメラによる受け渡された物体認識部3312が、受け渡しが認識された時点の撮像画像から物体の領域を定義する。
【0286】
さらに、天井カメラによる受け渡された商品特定部3313が、天井カメラによる受け渡された物体認識部3312により、認識された物体が、読み込まれた移動物体Mo(受け渡しを行った人)に紐づく商品リストのうちいずれの商品かを特定し、天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3311で特定した各移動物体Moと、天井カメラによる受け渡された商品特定部3313で特定された商品を紐づけ、各移動物体Moの商品のリストを更新する。
【0287】
天井カメラによる受け渡された物体認識部3312は、天井カメラをズーム可能なカメラにし、受け渡しが行われたと推定される箇所をズームアップし、物体の領域定義をしてもよい。
天井カメラによる移動物体領域間受け渡し認識部3311、天井カメラによる受け渡された物体認識部3312、天井カメラによる受け渡された商品特定部3313は、天井カメラの代わりに、広範囲を撮像可能な棚カメラ等で実現されてもよい。
【0288】
位置情報管理部340は、実施形態2と同様、
図20に示すように、カメラ間情報受け渡し部341と、各カメラの位置定義部342と、移動物体表示部343を備える。
【0289】
図38は、実施形態4における売場装置3に備えられた棚商品認識部360の詳細な機能的構成例を示す機能ブロック図である。
棚商品認識部360は、
図38に示す棚カメラによる物体認識部3602と、棚カメラによる商品特定部3603と、移動物体と商品紐づけ部3604と、移動物体と紐づく商品リスト管理部3606と、棚カメラによる物体入出検知部3608と、商品不特定判定部3609と、ラベル認識部3610と、値引きシール認識部3611と、を備えている。
【0290】
これらのうち、棚カメラによる商品特定部3603は、棚カメラによる物体認識部3602によって認識された棚内の物体がいずれの商品であるかを特定する。棚カメラによる商品特定部3603は、特定物体認識、一般物体認識、ディープラーニング等の画像処理手法により、商品候補をリストアップする。このリストアップされた商品候補を「商品候補リストS」と呼ぶ。その後、棚カメラによる商品特定部3603は、検証機能を発揮させることで、商品を高い精度で特定する。
【0291】
検証機能は前述の商品候補をリストアップする手法と異なるアルゴリズムによって「商品候補リストP」をリストアップする。商品候補リストSとPの結果をマッチングさせて、所定の閾値を超える場合、商品を特定する。
「商品候補リスト」のリストアップ手法として、例えば、存在が認識された物体から得られる物体の画像情報と、商品DB131やメモリ上に保持されている画像情報とマッチングさせる方法により実現されてもよい。即ち、両画像の特徴情報が一致する(閾値を超える)と、棚カメラによる物体認識部3602によって存在が認識された物体が、商品DB131に登録されている商品であるため、棚カメラによる商品特定部3603は、その商品DB131に登録された商品であると特定する。ディープラーニングにより、商品候補を作成し、その後、検証機能を発揮させることで、商品を高い精度で特定する。
【0292】
棚カメラによる商品特定部3603は、棚カメラ311によって撮像された撮像画像の1フレームで商品を特定せず、天井カメラ310によって撮像された撮像画像も駆使し、複数の撮像画像にわたって商品を特定してもよい。その際、棚カメラによる商品特定部3603は、商品候補に対し、パーセンテージを持たせ、購入履歴、時間、場所、人の嗜好等の情報をもとに、パーセンテージを加算し、一定の閾値を超えた時に商品を特定する。
【0293】
本実施形態においては、特定の物体について目検用端末Qによる目検が行われる特定物体目検モードと、全ての物体について目検用端末Qによる目検が行われる全物体目検モードとが設定可能となっている。
特定物体目検モードに設定されている場合、棚カメラによる商品特定部3603は、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等を、目検結果取得部301aを介して目検用端末Qに送信する。一方、全物体目検モードに設定されている場合、棚カメラによる商品特定部3603は、商品の特定結果及び特定された商品の商品撮像画像と、商品不特定とされた物体の物体撮像画像及び関連する情報等とを目検結果取得部301aを介して目検用端末Qに送信する。
そして、棚カメラによる商品特定部3603は、目検結果取得部301aが目検用端末Qから取得した目検結果に基づいて、商品の特定を行う。具体的には、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品については、目検結果により特定結果が承認または修正された場合、棚カメラによる商品特定部3603は、目検結果が示す内容に従って、商品の特定を行う。また、棚カメラによる商品特定部3603によって商品不特定とされた物体については、棚カメラによる商品特定部3603は、その物体を目検結果が示す商品として特定する。なお、棚カメラによる商品特定部3603が目検による商品の特定を依頼する場合、カゴ商品のラベル認識部376による商品特定の補完を経た後に、依頼を行うこととしてもよい。この場合、ラベル認識部3610による商品特定の補完の結果、商品が特定されたものを除外して、目検による商品の特定を行うことができる。
なお、棚商品認識部360における他の機能部については、実施形態2と同様である。
【0294】
精算ゲート5のCPU501においては、
図35に示すように、精算部535と、入力制御部536と、出力制御部537と、が機能する。
【0295】
精算部535は、追跡され続けた移動物体領域が精算エリア45に進入したときに、1以上の移動物体領域に紐づく商品情報(商品のリスト)が通信部509を介してサーバ1から入力され、精算金額及び精算対象商品を確定する。
入力制御部536は、ゲート本体に備えられた精算ボタンや情報読取部等の入力部506からの信号を入力する。
出力制御部437は、出力部507に精算金額を表示させたり、精算機5aに情報を出力したり、開閉部材を開閉させたりする。
【0296】
また、精算部535は、追跡され続けた移動物体Moが、即ち、決済する人が精算エリア45に進入した場合、1以上の移動物体Moに紐づく商品情報(商品のリスト)をもとに、精算金額・精算対象商品を確定する。
また、例えば、父親が財布を持って決済する場合において、同伴者である母親と子供に紐づく商品情報(商品のリスト)をも、グルーピングを活用し、父親が決済できるようにしてもよい。
【0297】
そして、精算機5aを用いた精算ゲート5−1は、商品金額の合計を算出し、精算する装置であり、精算ボタン(図示せず)を備えている。精算機5aは、精算ゲート5よりも出口42側に設置されている。この精算機5aは、現金、ポイント支払い、商品券・金券等で支払いができる決済手段を備えている。
【0298】
この精算ゲート5−1にあっては、決済する人が精算ボタンを押下すると、この押下がトリガーとなって移動物体Moに紐づく商品情報が読み出され、精算金額が確定し、精算ゲート5−1を通過可能となる。そして、決済する人が精算機によって決済すると、退店可能となる。
【0299】
ただし、例えば、精算対象商品が年齢制限商品であり、年齢確認ができていないといったエラー状態となった場合は、情報端末9a、情報端末9bやエラー表示部151にエラー状態の旨が提示される。その際、精算ゲート5−1は、開閉部材を閉じたままにする等し、通過不可の状態を維持する。精算ゲート5−1は、音や光等の手段によって、エラー状態である旨を提示してもよい。店員Mtが年齢を確認する等、制限を解除できる状態となると、店員Mtの操作によってエラー解除部152の操作により、制限が解除され、精算ゲート5−1は通過可能な状態となる。なお、制限の解除は、遠隔操作によって実現することもできる。
また、移動物体Moにいずれの商品か特定できない物体(不特定の物体)が紐づいている場合も、年齢制限商品の際と同様の流れとなる。なお、この不特定の物体を、有人の精算レジ6において、店員Mtが対応し、商品を特定してもよい。
【0300】
また、電子マネーを用いた精算ゲート5−2にあっては、カード読取部(図示せず)を備え、前記精算ゲート5−1のような精算ボタンを備えず,精算機5aを使用しない。カード読取部は、カードがクレジットカード、デビッドカード、電子マネー、プリペイドカード等いずれあっても、対応できるようにされている。
【0301】
そして、決済する人がこの精算ゲート5−2の精算エリア45に進入し、カードがカード読取部に読み取られると、移動物体Moに紐づく商品情報が読み出され、精算及び決済が完了し、精算ゲート5−2を通過可能となる。
精算対象商品が売買制限商品であったり、移動物体Moに不特定の物体が紐づいている場合は、上述の精算ゲート5−1と同じ動作となる。
【0302】
また、精算ゲート5−3は、追跡され続けた移動物体Moが個人認証済みであり、決済の情報が特定されている必要がある。
精算ゲート5−3は、決済する人が精算ゲート5−3の精算エリア45に進入すると、エラーがない限り、自動精算され、精算ゲート5−3を通過可能となる。
精算対象商品が売買制限商品であったり、移動物体Moに不特定の物体が紐づいている場合は、上述の精算ゲート5−1と同じ動作となる。
【0303】
実施形態4の商品認識システムは、上述した機能以外に、図示しない遠隔操作部を備えてもよい。
【0304】
売買制限商品判定部380は、特定された商品が売買制限商品に該当するか否かを判定する。即ち、売買制限商品判定部380は、DB情報から、特定された商品が酒類、タバコ類の年齢制限による売買制限商品と判定する。また、売買制限商品判定部380は、画像認識等を活用し、当該商品が消費期限・賞味期限切れによる売買制限商品と判定する。また、売買制限商品判定部380は、個人認証により得られた個人情報と紐づけ、当該商品が買い物客に対しアレルギー、ハラル食品以外等の売買制限商品と判定する。
また、売買制限商品判定部380は、当該商品が売買制限商品であると判定した場合、売買制限商品である旨を提示する。また、売買制限商品判定部380は、個人認証から得られた個人情報から売買制限を行ってもよい。また、売買制限商品判定部380は、顔や手認識から年齢性別を推定し、売買制限を行ってもよい。
【0305】
遠隔操作部は、システム処理異常、商品不特定または売買制限等のエラー状態の通知を受けた場合、遠隔操作でエラー状態を解消する。エラー状態を検知した天井カメラ310、棚カメラ311や精算ゲート5は、エラー状態である旨と当該状態の撮像画像を、ネットワークNを経由し、店内または店外の遠隔操作用の情報端末9a,9bやサーバ1に通知する。これら装置の操作により、エラー状態を解消することができる。
当然、店内の有人レジにてエラー状態を解除してもよく、店員Mt等がエラー状態の発生している場に赴きエラー状態を解除してもよい。
【0306】
次に、本実施形態4の商品認識システムにおける商品の精算方法について、
図39を参照して説明する。
図39及び
図40は、
図36のサーバ1と売場装置3と精算ゲート5が実行する自動精算処理を説明するフローチャートである。
【0307】
ステップS401において、買い物客が(移動物体)が店舗40(
図33)の入口41から店内に入店し、入口41付近に設置された天井カメラ310がその買い物客の撮像を開始する。買い物客がカゴやカードを手にし、通路44を進むと奥の天井カメラ310がその買い物客の撮像を開始する。このようにして実施形態3と同様に複数の天井カメラ310が買い物客、カゴ、カートを含む店舗30内全体を常時撮像する。なお、ステップS401の前に、個人認証部320が買い物客の個人認証し、買い物客の個人情報を取得してもよい。
【0308】
ステップS402において、天井カメラによる移動物体発見部3302が移動物体Moを発見し、個別のIDを採番する。IDは、退店または精算完了等の特定のタイミングまで使い続けられる。なお、このタイミングで個人認証部320が買い物客の個人認証をし、買い物客の個人情報を取得してもよい。さらに、グルーピング部3308が複数の移動物体Moを1つのまとまりとして、グルーピングしてもよく、血縁関係判定部3309が複数の買い物客(移動物体Mo)の血縁関係を判定し、グルーピング部3308の補完をしてもよい。
【0309】
ステップS403において、天井カメラによる移動物体領域定義部3304が天井カメラによる移動物体発見部3302によって発見した移動物体Moを含む所定の領域を定義する。また、天井カメラ310によって撮像されている範囲内で移動物体Moが移動したときに、移動後の移動物体Moの領域の位置を改めて定義する。位置情報は移動物体MoのIDと紐づけて位置情報管理DB132やメモリ等で管理され、領域定義ごとに更新される。この定義された位置は、別の天井カメラ310において撮像されている位置でも認識される。
【0310】
ステップS404において、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305がある天井カメラ310によって撮像されている撮像画像内で移動物体Moが移動する位置を推定する。さらに、移動物体領域定義部334が移動したと推定される位置に対し、移動物体Moの領域を定義し、位置情報管理DB132やメモリ上に記憶されている移動物体Moの位置情報を更新する。
【0311】
ステップS405において、実施形態3と同様に、棚カメラによる物体入出検知部3608が物体の棚内への入出を検知する。
【0312】
ステップS406において、実施形態3と同様に、棚カメラによる物体入出検知部3608発動をトリガーとし、棚カメラによる物体認識部3602が、物体が取られた画像または物体が置かれた画像の前後の画像を比較し、商品特定の対象となる画像領域を定義する。
また、ステップS406に際して、天井カメラによる物体取得認識部が棚内等から移動物体Moが物体を取得したことを認識してもよい。
【0313】
ステップS407において、実施形態3と同様に、棚カメラによる商品特定部3603が、物体がいずれの商品であるかを特定する。この特定された商品が売買制限商品である場合は、移動物体Moに売買制限商品が紐づけられる。また、物体がいずれの商品であるかが特定できなかった場合も、商品不特定の物体が移動物体Moに紐づけられる。なお、情報端末9a、情報端末9b、サーバ1に商品不特定によるエラー状態である旨が提示され、エラー状態を認識した店員Mtが遠隔操作でエラー状態を解消してもよい(当然、店員Mtが直接エラー状態を解除しに行ってもよい)。
また、ステップS407に際して、ラベル認識部が、特定された商品に応じて紐づけされたラベルを認識してもよい。
また、ステップS407に際して、値引きシール認識部が、特定された商品に応じて、貼付された値引きシールを認識してもよい。
また、ステップS407に際して、天井カメラによる商品特定部が、天井カメラによる物体取得認識部が取得した物体領域について、いずれの商品かを特定してもよい。
【0314】
ステップS408において、棚カメラによる商品特定部3603は、特定物体目検モードまたは全物体目検モードのいずれに設定されているか判定する。
特定物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS409に進む。
また、全物体目検モードに設定されている場合、処理はステップS410に進む。
ステップS410において、目検結果取得部301aは、対象となる物体について、目検用端末Qにおける目検(商品の特定)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS409の後、処理はステップS411に進む。
ステップS410において、棚カメラによる商品特定部3603は、追加された1個の物体がいずれの商品であるか特定できないものであるかどうか判定する。棚カメラによる商品特定部3603がいずれの商品であるか特定できないものである場合(ステップS410においてYES)は、処理はステップS409に進む。
【0315】
ステップS410において棚カメラによる商品特定部3603がいずれの商品であるか特定できた場合(ステップS410においてNO)は、棚カメラによる商品特定部3603は、サーバ1の記憶部に保持された商品名や価格、売買制限商品である等の情報を含めて商品を特定する。これにより、処理はステップS411に進む。特定された商品情報は、出力部507に出力されてもよい。
また、ステップS410において、棚カメラによる商品特定部3603がいずれの商品であるか特定できなかった場合は、売場装置3に備え付けられた図示しない表示部の画面表示や、図示しないスピーカーによる音声案内等で、購入者へ商品の棚からの取り直しを依頼する構成としてもよい。さらに、売場装置3備え付けられた図示しないマイクロフォンを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
【0316】
ステップS411において、売買制限商品判定部380は、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品が、年齢確認が必要とされる商品であるかどうかを判定する。
【0317】
ステップS411において、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品が、年齢確認が必要とされる商品であると判定された場合は、即ちYESと判定された場合、処理はステップS412に進む。
ステップS411において、棚カメラによる商品特定部3603によって特定された商品が、年齢確認が必要とされる商品でないと判定された場合は、即ちNOと判定された場合、処理はステップS417に進む。
ステップS412において、出力制御部437は、精算ゲート5の出力部507に年齢確認のための画面を表示させる。ただし、買い物客の個人情報が取得され、ここで年齢確認する必要がない場合は、ステップS412はスキップされ、処理はステップS416に進む。ここで、買い物客の年齢認証に問題があるときは、精算ゲート5に備え付けられた図示しないスピーカーと図示しないマイクロフォンを介して、購入者と目検者等が通話する構成としてもよい。
ステップS413において、目検結果取得部301aは、対象となる商品について、目検用端末Qにおける目検(売買制限商品の判定)を依頼し、その目検結果を取得する。
ステップS414において、売買制限商品判定部380は、売買制限を解除する指示を受け付けたか否かを判定する。売買制限商品の売買制限の解除は、判定の結果を受けて店員がその場で対応する、もしくはシステムとして目検の結果を採用する、いずれかの方法で行う。ここではシステムとして目検の結果を採用する場合について説明する。
【0318】
ステップS414において売買制限を解除する指示を受け付けていないと判定された場合は、処理はステップS415に進む。
ステップS414において売買制限を解除する解除指示を受け付けたと判定されると、即ちYESと判定されると、処理はステップS416に進む。
ステップS415において、目検用端末Qの目検結果送信部412は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を送信する。この警告を受信することにより、例えば、精算ゲート5の出力制御部537は、目検結果によっても売買制限が解除されなかった旨の警告を、出力部507を介して提示する。ステップS416の後、処理は終了し、精算が中止となる。
ステップS416において、売買制限商品判定部380は、売買制限を解除する。
このようにしてステップS416が終了されるか、またはステップS411において年齢制限商品でないと判定された場合(NOであると判定された場合)、処理はステップS417に進む。
【0319】
ステップS417において、移動物体と商品紐づけ部3604が、移動物体Moと特定された商品を紐づける。
【0320】
ステップS418において、移動物体と紐づく商品リスト管理部3606が、人と紐づく商品リストを精算まで管理し続ける。
ステップS419において、移動物体Moに紐づく商品情報に基づき、精算ゲート5が精算乃至決済する。
なお、ステップS419までの途中、またはステップS419の際に、エラー表示部151、情報端末9a、情報端末9bや精算ゲート5の出力部507が、何かしらのエラー状態を店員等に通知してもよい。
また、ステップS410において、売買制限商品が移動物体Moに紐づいている場合、ゲートを開けずに閉じたままとし、エラー状態を表示してもよい。
【0321】
実施形態4において、移動物体Mo(買い物客)の追跡において想定されるエラーには、(A)買い物客が店舗40の入口41から入店した際に、天井カメラによる移動物体発見部3302が移動物体を検出できなかった場合、(B)天井カメラによる移動物体領域追跡部3305が追跡中の移動物体Moを見失った場合、(C)二つ以上の異なる移動物体Moの夫々に紐付けられたIDが追跡途中に入れ替わった場合、等が含まれる(当然これらに限定されない)。
【0322】
各エラー状態に応じ、本実施形態が採用するシステムが、以下の例を含む、種々の対応を行う。
(A)天井カメラ310により撮像された買い物客を被写体として含む画像を目検用端末Qに送信し、目検による買い物客の検出を依頼する。目検者が買い物客を検出した場合は、新たな移動物体Moを定義の上、IDを発番して、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による追跡を開始する。目検者が買い物客を検出できなかった場合は、その旨を店員に報知する。
(B)位置情報管理DB132に登録されているどのIDとも紐づけられていない買い物客が認められた場合、その買い物客の撮像画像と、紐づけられるべきID候補のリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去の買い物客とIDとの紐づけ情報に基づいて、最も適切なIDを当該買い物客に紐づけ、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による再追跡を開始する。何らかの理由で再追跡が開始できなかった場合は、その旨が店員に報知される。
また、買い物客との紐づけを失ったIDが検出された場合には、当該IDと、どのIDとも紐づけられていない買い物客の撮像画像のリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去の買い物客とIDとの紐づけ情報に基づいて、当該IDに買い物客を紐づけることを試み、紐づけが成功した場合は、天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による再追跡を開始する。何らかの理由で再追跡の開始が失敗した場合は、その旨が店員に報知される。
(C)夫々の買い物客の画像リストと、夫々の買い物客に紐づけられるべきIDのリストが目検用端末Qに送信される。目検者は、過去の買い物客とIDとの紐づけ情報に基づいて、最も適切に、IDを買い物客に割り振ことを試みる。IDを買い物客に適切に割り振ることができた場合は天井カメラによる移動物体領域追跡部3305による再追跡を開始する。IDを買い物客に適切に割り振ることができない場合は、割り振りを諦め、紐づけが入れ替わったままの旨を店員に報知する。
【0323】
〔他の実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0324】
例えば、本情報処理システムは、物体を被写体に含む画像に対して、目検者が目視による確認をする手法を用いて、当該物体を商品として特定することを試みた結果を取得する商品特定手段と、当該商品特定手段の結果に基づいて特定された商品について、精算処理を行う精算手段とを備える構成としてもよい。
これにより、購入者が商品を購入する際に、有人レジと同等の商品特定の精度を維持しながら、商品の代金の精算の自動化を可能にすることができる。
【0325】
さらに、例えば、本情報処理システムは、棚在庫管理機能を備えてもよい。棚在庫管理機能は、店員判別手段と在庫情報更新手段とを備える。
店員判別手段は、店員と買い物客とを判別する。例えば、店員判別部は、店員を識別できる物理的なマーカーを帽子や服等、店員が身に着けているものに付与する。この物理的なマーカーを天井カメラ及び棚カメラが撮像することで、店員を判別する。この店員判別手段は、特に実施形態3,4において有効に利用することができる。
【0326】
また、店員判別手段は、店舗のバックヤード等の所定のエリアに設けられたボタンを備えてもよい。この店員判別手段は。所定のエリアに存在する店員にボタンを押されることでその店員にIDを採番する。この店員判別手段は、特に実施形態4において有効に利用することができる。なお、店員判別部は、店員と認識した人物の領域を天井カメラが追跡し続ける。
【0327】
そして、在庫情報の更新手段は、店員が棚に商品を補充した場合(加算)または取り出したり廃棄したりした場合(減算)に、物体認識部及び商品特定部を駆使し、棚の在庫情報をサーバの商品DBにおいて更新する。
在庫情報の更新手段は、商品が購入された場合に、当該商品が存在する棚の在庫及び店舗全体の在庫情報を更新する。
在庫情報の更新手段は、棚の在庫及び店舗全体の在庫情報を管理し、在庫数が閾値を下回ると、遠隔操作部に通知する、または自動発注する。
【0328】
また、本発明は、買い物客の属性推定機能を備えてもよい。買い物客の属性推定機能は、買い物客の大まかな年齢や年代、性別等の属性を例えば顔認識から推定する。買い物客の属性推定機能は、実施形態1では、レジ端末に備えられ、実施形態2乃至4では売場装置に備えられる。なお、実施形態2においては、レジ端末に備えられていてもよい。また、本発明は、購買情報や買い物客の属性情報をPOSシステムに連携する。購買情報は、商品名や金額等の情報をデータ化して、決済完了後にその情報をPOSシステムに連携する。買い物客の属性情報は、上述の買い物客の属性推定機能にて得られた情報をPOSシステム連携する。
【0329】
買い物客の属性推定機能は、例えば売買制限商品判定部と連携されてもよい。この買い物客の属性推定機能は、属性を推定した結果、買い物客が明らかに年齢確認を必要としない30歳代以上であれば、売買制限商品判定部が年齢確認をしないように制御してもよい。
【0330】
ここで上述の実施形態1乃至4、及び他の実施形態に関する課題について補足する。各実施形態における商品認識システムでの商品認識手法として、ディープラーニングを用いた画像認識が有望である。しかし、ディープラーニングは、商品を特定できなかったとき、もしくは誤認識したときに再学習をさせる必要があり、その際には正解商品の画像を人の手で与える必要があり、多大な手間がかかる。
【0331】
上述の課題の解決方法として、本発明の商品認識システムは、
商品購入時に、目検者の目視による確認や、バーコードスキャン等を行い、商品認識を修正する機能と、
商品認識の修正が行われた際に、正解商品画像及び必要な情報(修正後の商品番号や特定のコード等)を紐付けて記録する機能と、
前記正解商品画像及び必要な情報をもとに、ディープラーニングの学習を自動で実行する機能と、
学習結果を自動で同商品認識システムに配備する機能と、
を実装することにより、上記の一連のディープラーニングの再学習処理を自動化を実現できる。
ここで、学習結果の配備とは、商品認識に用いることができるよう、学習の結果に基づいて、同商品認識システムの、例えばディープラーニングのモデル等を更新する処理を指す。
上記の再学習処理は、例えば商品特定の失敗等の所定の条件をトリガーとして開始される構成としてもよいし、担当者による明示の操作、例えばボタンの押下等をトリガーとして開始される構成としてもよい。
【0332】
上記のようなディープラーニングの再学習処理によれば、ディープラーニングの再学習にかかる煩雑な作業を簡略化し人手を削減できると共に、商品認識精度が向上し続ける商品認識システムを提供することができる。
【0333】
また、上述の実施形態1乃至4及び他の実施形態を含む各実施形態において、物体を商品として特定する場合に適用される画像認識手法として、例えばAI(Artificial Intelligence)を用いた物体認識、特徴点・特徴量を用いた物体認識、商品のロゴの形状認識、文字認識(AIを用いた文字形状の認識、OCR(Optical Character Recognition)を用いた文字の認識等)を採用することが可能である。また、画像認識手法に加えて、重量認識(重量センサを用いた物体の重量認識)、バーコードやQRコード(登録商標)等の識別情報のスキャンによる商品認識(赤外線センサーあるいは画像読み取り等によるバーコードやQRコード(登録商標)等のスキャン)、RFID等の電子的に記録された識別情報の読み取りによる商品認識の1つまたは複数の認識手法を組み合わせて、物体を商品として認識することが可能である。この場合、各認識手法による物体の認識結果をスコア化し、その物体をスコアが最も高い商品であると推定すること等が可能である。
さらに、上記の重量認識、バーコードやQRコード(登録商標)等の識別情報のスキャンによる商品認識、電子的に記録された識別情報の読み取りによる商品認識等の認識手法は、画像認識手法と組み合わせずに、1つまたは複数を組み合わせて、物体を商品として認識することが可能である。
【0334】
上述の各実施形態において、物体または商品の目検を目検用端末Qによって行うこととしたが、これに限られない。即ち、目検者による目検をレジ端末2、精算機4、情報端末9等の他の装置によって行うこととしてもよい。
また、上述の各実施形態において、1つの店舗または1つのレジ端末2ごとに1つの目検用端末Qを備えることや、複数の店舗または複数のレジ端末ごとに1つの目検用端末Qを備えることが可能である。
【0335】
また、上述の実施形態におけるハイブリッドチェックシステム(目検)は必ずしも商品特定のみに用いられるわけではない。即ち、例えば、商品が(A)タバコ、酒類等のような一定の年齢に達しないと購入できない商品、(B)消費期限切れ・賞味期限切れの商品、(C)アレルギー成分を含むため、体質によって、摂取すべきでない商品、(D)ハラル食品以外の商品等、宗教による制限のある商品、であるか否か等の判定にも利用可能である。
【0336】
また、本発明は、上述のCPUによる画像処理をGPU(Graphic Processing Unit)による処理としてもよい。
また、図示したハードウェア構成やブロック図は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、本発明は図示された例に限定されない。
また、機能ブロックの存在場所は、図示されたものに限定されず、任意でよい。例えば、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらを組み合わせで構成してもよい。各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行される場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムがコンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0337】
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよいし、スマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
また、実施形態1において説明した売買制限商品の処理は、実施形態2乃至4においても適用することができる。ただし、実施形態2での売買制限商品は、年齢制限商品に適用される。
【0338】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくても、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等により構成される全体的な装置を意味するものである。
【0339】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を取れば足り、上述の実施形態1乃至4の他、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、情報処理システムは、
物体を被写体に含む画像に対して、目検者が目視による確認をする第1手法を用いて、当該物体を商品として特定することを試みた結果を取得する第1特定手段(例えば、目検結果取得部239及び目検用端末Q)と、
前記第1特定手段の結果に基づいて特定された商品について、精算処理を行う精算手段(例えば、精算部237)と、
を備える。
これにより、購入者が商品を購入する際に、有人レジと同等の商品特定の精度を維持しながら、商品の代金の精算の自動化を可能にすることができる。
さらに言えば、このような自動精算処理システムは、商品購入の手続きを購入者とシステムの間で完結することを可能にし、無人化店舗実現へのハードルを下げることができる。
【0340】
前記第1手法以外の第2手法を用いて、前記物体を商品として特定することを試みる第2特定手段(例えば、物体認識部233)をさらに備え、
前記精算手段は、前記第1特定手段と前記第2特定手段のうち、少なくとも一方の結果に基づいて特定された商品について精算処理を行う構成としてもよい。
【0341】
前記第2手法は、少なくとも所定の画像認識手法(例えば、ディープラーニング)を含む構成としてもよい。
【0342】
前記所定の画像認識手法により商品と特定されなかった前記物体については、
前記第1特定手段及び前記第2特定手段により、前記所定の画像認識手法を含まない1以上の手法を用いて商品として特定された前記物体の商品情報と、前記画像とを紐付けし、
紐づけられた前記商品情報と前記画像とを含む情報を用いて、前記所定の画像認識手法の再学習をおこない、
前記再学習で得られた学習結果を前記第2特定手段に配備する画像認識再学習手段とをさらに備える構成としてもよい。
【0343】
前記第2手法は、少なくとも、重量認識、識別情報のスキャン、及び、電子的に記録された識別情報の読み取りのうち、1以上の手法を含む構成としてもよい。
【0344】
前記第2手法により商品として特定されなかった前記物体については、前記第1特定手段による結果に基づいて特定された商品が、前記精算手段による前記精算処理の対象となる構成としてもよい。
【0345】
前記第1特定手段及び前記第2特定手段の夫々の結果に基づいて特定された商品が、前記精算手段による前記精算処理の対象となる構成としてもよい。