(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836307
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】カーテンポール用ブラケット
(51)【国際特許分類】
A47H 1/142 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
A47H1/142
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-93650(P2017-93650)
(22)【出願日】2017年5月10日
(65)【公開番号】特開2018-187207(P2018-187207A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100129229
【弁理士】
【氏名又は名称】村澤 彰
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 智
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−137415(JP,A)
【文献】
実開昭56−73488(JP,U)
【文献】
実開昭58−117184(JP,U)
【文献】
実公昭37−31722(JP,Y1)
【文献】
実公昭39−13369(JP,Y1)
【文献】
中国実用新案第201609296(CN,U)
【文献】
韓国公開実用新案第20−2010−0010962(KR,U)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0260769(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁、天井又は窓枠に取付可能な台座と、前記台座に基端が接続された支持腕と、前記支持腕の先端に形成され前記支持腕と交差する水平なカーテンポールが上方から挿入可能に構成された受け部と、前記受け部に挿入された前記カーテンポールを前記受け部に固定する固定部材とを備えたカーテンポール用ブラケットにおいて、
前記支持腕に、前記台座から前記受け部に向って次第に低くなる傾斜部が形成されることにより、前記傾斜部に続いて前記受け部側に段差部が形成され、
前記固定部材が、前記段差部にビスにより固定される平板片と、この平板片の先端部に設けられ前記カーテンポールの外周面に圧接可能な圧接部と、前記平板片の基端部に形成され前記傾斜部上面に相応する角度で傾斜する傾斜片とを有し、
前記受け部の湾曲した先端が前記受け部内のカーテンポールの中心軸を含む水平面より上方であって前記カーテンポールの上面より下方に位置し、
前記受け部内のカーテンポールの中心軸を含む鉛直面と前記受け部の湾曲した先端内側縁を通る鉛直面との距離が前記カーテンポールの外半径より小さく形成され、
前記平板片が前記ビスにより締め付けられて前記段差部上面に近付くに従い、前記傾斜片が前記傾斜部上面に沿って移動することにより、前記固定部材が前記受け部内の前記カーテンポールに側方からその中心軸に向って近付き前記圧接部が前記カーテンポールの外周面に圧接されるように構成された
ことを特徴とするカーテンポール用ブラケット。
【請求項2】
前記圧接部が、前記受け部内の前記カーテンポールの外周面に圧接可能な起立部と、この起立部に隣接して形成され前記受け部内の前記カーテンポールに向って突設された凸部とからなる請求項1記載のカーテンポール用ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁、天井又は窓枠に基端が固定された支持腕の先端に水平なカーテンポールを支持する受け部が形成されたカーテンポール用ブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のカーテンポール用ブラケットとして、支持腕がその軸心をカーテンポールの軸心に直交させて上方に開口する半円筒状の受け部を有し、この支持腕の上部に固定部材が取付けられ、カーテンポールを受け部に嵌合して固定部材で固定するように構成されたカーテンポール用ブラケットが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このカーテンポール用ブラケットでは、固定部材が支持腕の上部に形成された溝に嵌合するように構成される。また、固定部材は支持腕の下方から挿通されるねじが螺着されるねじ孔を有する。更に、ブラケットは、支持腕を突出するとともに壁面に固定される本体と、この支持腕の先端上部にねじにより螺着される固定部材とからなり、固定部材は、棒状の基部と、固定するカーテンポールの外形に合わせて円弧状に形成された押え部とからなる。
【0003】
このように構成されたカーテンポール用ブラケットでは、予め、固定部材の基部を本体の溝に嵌合した後に、ねじを支持腕の貫通孔に下方から挿通して固定部材のねじ孔に螺入して、固定部材を本体に仮付けしておく。この状態で、先ず、固定部材が仮付けされたブラケットの本体を壁面に固定する。次に、カーテンポールを支持腕の受け部の先端と固定部材の押え部の先端との間の隙間に斜め手前上方から通して、本体の受け部に嵌合させる。更に、ねじを本締めして、カーテンポールを固定部材の押え部で固定する。
【0004】
このようにカーテンポールを受け部に嵌合して固定部材で固定するので、カーテンポールをブラケットにその上方から取付けることが可能となり、カーテンポールの取付け時の作業性を向上できる。また、ポール固定部(受け部)を半円筒状にしたので、装飾性を重視して製作されたカーテンポールの全周をポール固定部が覆い包むことがなく、装飾性の面でも優れたものになる。更に、固定部材を支持腕上部の溝に嵌合するとともに、ねじを支持腕の下方から挿通して固定部材のねじ孔に螺着するので、固定部材を予めねじで仮付けしておくことができ、ねじを支持腕の下方からねじ孔にねじ込むという簡単な作業で、固定部材を支持腕に取付けることができ、固定部材は下から見えなくなる。
【0005】
一方、壁面又は天井面に固定可能に構成された台座に支持腕の基端が接続され、支持腕の先端に形成された受け部に支持腕と交差する水平なカーテンポールが上方から挿入可能に構成され、受け部に挿入されたカーテンポールを固定部材が受け部に固定するように構成されたカーテンポール用ブラケットが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このカーテンポール用ブラケットでは、固定部材が受け部の内側壁にその受け部の内側に膨出するように設けられた弾性体からなる弾性変形部材を有する。また、弾性変形部材はカーテンポールの挿入時にカーテンポールが当接して圧縮変形し、カーテンポールが受け部に挿入された段階で復元する復元力によりカーテンポールを受け部に押し付けて固定するように構成される。
【0006】
このように構成されたカーテンポール用ブラケットでは、弾性変形部材を圧縮変形させつつカーテンポールを受け部に挿入するだけで、弾性変形部材の復元力によりカーテンポールを受け部に押し付けて固定することができる。このため、ドライバ等の工具を用いることなくカーテンポールを受け部に固定することができる。また、カーテンポールを受け部に固定する弾性変形部材は弾性体であることから、金属からなる固定部材を用いる場合と比較して、カーテンポールに生じる傷を減少させることができる。更に、カーテンポールの外径が異なっていても、弾性変形部材の復元力によりカーテンポールを受け部に押し付けることができる限り、外径の異なる複数種類のカーテンポールを固定することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−137415号公報(請求項1及び2、段落[0007]〜[0010]、[0012]、
図1、
図3)
【特許文献2】特開2007−152009号公報(請求項1、段落[0011]、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の特許文献1に示されたカーテンポール用ブラケットでは、カーテンポールを支持腕の受け部の先端と固定部材の押え部の先端との間の隙間に通して受け部に嵌合すると、固定部材の押え部が受け部内のカーテンポールの上面より上方に突出するため、カーテンポールに遊嵌された略C字状のカーテンランナがカーテンポールに沿って移動するとき、カーテンランナがブラケットの受け部に接触して移動できず、ブラケットを3個以上必要な幅の広い窓には適用できない不具合があった。また、上記従来の特許文献2に示されたカーテンポール用ブラケットでは、カーテンポールを受け部に挿入すると、受け部の先端がカーテンポールの上面より上方に突出するため、カーテンポールに遊嵌された略逆C字状のカーテンランナがカーテンポールに沿って移動するとき、カーテンランナがブラケットの受け部に接触して移動できず、ブラケットを3個以上必要な幅の広い窓には適用できない問題点があった。
【0009】
本発明の目的は、カーテンランナがカーテンポールに沿って移動しても、カーテンランナが受け部に接触することなく、カーテンポールのブラケットで支持した箇所を通過できる、カーテンポール用ブラケットを提供することにある。本発明の第2の目的は、圧接部のカーテンポール外周面への圧接により、カーテンポールの受け部からの離脱を防止できるとともに、カーテンポールの横滑りを防止できる、カーテンポール用ブラケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点は、
図1に示すように、壁11、天井又は窓枠に取付可能な台座12と、この台座12に基端が接続された支持腕13と、この支持腕13の先端に形成され支持腕13と交差する水平なカーテンポール16が上方から挿入可能に構成された受け部14と、この受け部14に挿入されたカーテンポール16を受け部14に固定する固定部材17とを備えたカーテンポール用ブラケット10において、支持腕13に、台座12から受け部14に向って次第に低くなる傾斜部13aが形成されることにより、傾斜部13aに続いて受け部14側に段差部13bが形成され、固定部材17が、段差部13bにビス21により固定される平板片17aと、この平板片17aの先端部に設けられカーテンポール16の外周面に圧接可能な圧接部17bと、平板片17aの基端部に形成され傾斜部13a上面に相応する角度で傾斜する傾斜片17cとを有し、受け部14の湾曲した先端が受け部14内のカーテンポール16の中心軸16aを含む水平面より上方であってカーテンポール16の上面より下方に位置し、受け部14内のカーテンポール16の中心軸16aを含む鉛直面と受け部14の湾曲した先端内側縁を通る鉛直面との距離Lがカーテンポール16の外半径Rより小さく形成され、平板片17aがビス21により締め付けられて段差部13b上面に近付くに従い、傾斜片17cが傾斜部13a上面に沿って移動することにより、固定部材17が受け部14内のカーテンポール16に側方からその中心軸16aに向って近付き圧接部17bがカーテンポール16の外周面に圧接されるように構成されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に
図1及び
図4に示すように、圧接部17bが、受け部14内のカーテンポール16の外周面に圧接可能な起立部17eと、この起立部17eに隣接して形成され受け部14内のカーテンポール16に向って突設された凸部17fとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の観点のカーテンポール用ブラケットでは、支持腕の上面に形成された傾斜部に続いて受け部側に段差部を形成し、受け部の湾曲した先端が受け部内のカーテンポールの中心軸を含む水平面より上方であってカーテンポールの上面より下方に位置し、更に受け部内のカーテンポールの中心軸を含む鉛直面と受け部の湾曲した先端内側縁を通る鉛直面との距離をカーテンポールの外半径より小さく形成したので、固定部材の平板片をビスで締め付けて平板部が段差部上面に近付いていくと、傾斜片が傾斜部上面に沿って移動する。この結果、固定部材が受け部内のカーテンポールに側方からその中心軸に向って近付いて、圧接部がカーテンポールの外周面に圧接されるので、カーテンポールが浮くのを阻止でき、これによりカーテンポールの受け部からの離脱を防止できる。また、平板片がビスにより締め付けられて段差部上面に近付くに従い、傾斜片が傾斜部上面に沿って斜め下方に移動するので、圧接部が受け部内のカーテンポールを斜め下方に押付けるようにカーテンポールに圧接される。この結果、カーテンポールの受け部からの離脱をより効果的に防止できる。更に、受け部の湾曲した先端が受け部内のカーテンポールの中心軸を含む水平面より上方であってカーテンポールの上面より下方に位置するので、カーテンポールに嵌入された略逆C字状のカーテンランナがカーテンポールに沿って移動しても、カーテンランナが、受け部に接触することなく、カーテンポールのブラケットで支持された箇所を通過できる。
【0013】
本発明の第2の観点のカーテンポール用ブラケットでは、圧接部が起立部と凸部とからなるので、平板片をビスにより段差部上面に締め付けると、起立部がカーテンポールの外周面に圧接されるとともに、凸部の先端がカーテンポールの外周面に食い込む。この結果、ブラケットによりカーテンポールの受け部からの離脱を防止できるので、カーテンポールの横滑りを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明実施形態のカーテンポール用ブラケットにカーテンポールを取付ける手順を示す断面図である。
【
図2】そのカーテンポール用ブラケットを斜め下方から見た斜視図である。
【
図3】そのカーテンポール用ブラケットを斜め上方から見た斜視図である。
【
図4】そのカーテンポール用ブラケットからカーテンポールを取外した状態を示す
図3のA部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明のカーテンポール用ブラケット10は、壁11に取付可能な台座12と、この台座12に基端が接続された支持腕13と、この支持腕13の先端に形成された受け部14と、この受け部14に挿入されたカーテンポール16を受け部14に固定する固定部材17とを備える。上記台座12、支持腕13及び受け部14は、この実施の形態では、鋼板等の金属板を所定の形状に切断した後に折曲げることにより一体的に形成される。また、台座12は、金属板を略逆U字状に折曲げることにより形成され、壁12に木ねじ18により取付けられる。受け部14はカーテンポール16の外半径Rと同一の曲率半径又は外半径Rより僅かに大きい曲率半径を有し上面が開口する略半円状に形成され、この受け部14には、支持腕13と交差する水平なカーテンポール16が上方から挿入可能に構成される。更に、カーテンポール16は、この実施の形態では、金属パイプにより円筒状に形成される。このカーテンポール16には、略逆C字状のカーテンランナ19がカーテンポール16の長手方向に移動可能に遊嵌される。なお、
図1(b)中の符号19aは、カーテンランナ19から下方に突設された吊り具である。この吊り具19aには、カーテン(図示せず)を吊下げるためのフック(図示せず)が係合するようになっている。また、
図1(b)中の符号19b,19bは、カーテンランナ19の内周面上部に円周方向に間隔をあけて形成された一対の突起である。これらの突起19b,19bはカーテンランナ19の中心に向って突設され、カーテンランナ19をカーテンポール16に遊嵌したときに一対の突起19b,19bの先端がカーテンポール16の外周面に当接するようになっている。
【0016】
一方、支持腕13の上面に、台座12から受け部14に向って次第に低くなる傾斜部13aが形成されることにより、傾斜部13aに続いて受け部14側に段差部13bが形成される(
図1〜
図4)。具体的には、支持腕13は、基端が台座12と一体的に形成され台座12から離れる方向に延びる上板部13cと、上板部13c先端から次第に低くなる傾斜部13aと、傾斜部13aの下端から水平方向に延びる段差部13bとを有する。また、上板部13cの両側縁には一対の第1側片13d,13dがそれぞれ垂下され、傾斜部13a及び段差部13bの両側縁に一対の第2側片13e,13eがそれぞれ立設される。また、傾斜部13a上面の傾斜角θ(
図1(a))は、材質(鋼鉄等の金属、木材、プラスチック等)や表面粗さにより適宜設定されるが、30度〜60度であることが好ましい。ここで、上記傾斜部13a上面の傾斜角θの好ましい範囲を30度〜60度の範囲内に限定したのは、30度未満では傾斜片17cの傾斜部13aとの接触面における動摩擦が大きくなり、ビス21の締め込み時に固定部材17がスタックして(滑らなくなって)、設定した距離を移動できなくなるおそれがあり、60度を超えると固定部材17を所定の距離だけ移動させるために、ビス21の締め込み量が長くなって施工性及び意匠性が低下し、施工性及び意匠性を考慮するとカーテンポール16の外周面に圧接するためのストロークが足りなくなるからである。更に、段差部13bの幅方向中央には、支持腕13の長手方向に延びる長孔13fが形成され(
図1及び
図2)、この長孔13fには固定部材17の平板片17aを段差部13bに固定するビス21が遊挿される。
【0017】
固定部材17は、段差部13bに上記ビス21により固定される平板片17aと、この平板片17aの先端部に設けられカーテンポール16の外周面に圧接可能な圧接部17bと、平板片17aの基端部に形成され傾斜部13a上面に相応する角度で傾斜する傾斜片17cとを有する(
図1、
図3及び
図4)。上記平板片17a、圧接部17b及び傾斜片17cは、鋼板等の金属板を所定の形状に切断した後に折曲げることにより一体的に形成される。上記平板片17aの略中央には、上記ビス21が螺合されるねじ孔17dが形成される。また、上記圧接部17bは、
図4に詳しく示すように、受け部13内のカーテンポール16の外周面に圧接可能な起立部17eと、起立部17eに隣接して形成され受け部13内のカーテンポール16に向って突設された凸部17fとからなる。起立部17e,17eは、この実施の形態では、平板部17aの幅方向に間隔をあけて2つ形成される。更に、この実施の形態では、2つの起立部17e,17eの間に凸部17f,17fが2つ並んで形成され、これらの凸部17f,17fは先端が尖った山型に形成される。
【0018】
一方、受け部14の湾曲した先端は、受け部14内のカーテンポール16の中心軸16aを含む水平面より上方であってカーテンポール16の上面より下方に位置する(
図1(a))。また、受け部14の基端は、受け部14内のカーテンポール16の中心軸16aを含む水平面より下方であってカーテンポール16の下面より上方に位置する。更に、受け部14内のカーテンポール16の中心軸16aを含む鉛直面と受け部14の湾曲した先端内側縁を通る鉛直面との距離はカーテンポール16の外半径より小さく形成される。具体的には、受け部14内のカーテンポール16の中心軸16aを含む鉛直面と受け部14の湾曲した先端内側縁を通る鉛直面との距離をLとし、カーテンポール16の外半径をRとするとき、L<Rであることが好ましい。ここで、L<Rに限定したのは、カーテンポール16が意図せずに或いは上方への比較的小さい外力で受け部14から離脱するのを防止するためである。但し、受け部14の開口寸法はカーテンポール16の外直径と同一か或いはカーテンポール16の外直径より僅かに大きく設定される。また、受け部14の先端位置は、カーテンランナ19がカーテンポール16を中心に回転可能な設定角の範囲内で突起19bに接触しない位置に設定される。換言すると、受け部14に挿入されたカーテンポール16の中心軸16aを中心として、圧接部17bがカーテンポール16の外周面に圧接される接点と、受け部14の先端とのなす角度が180度未満に設定され、この状態で圧接部17bがカーテンポール16の外周面を所定の力で押し、かつ受け部14がその力を受けて、カーテンポール16を確実に保持できるように構成される。
【0019】
このように構成されたカーテンポール用ブラケット10を壁11に取付けて、このブラケット10をカーテンポール16を組付ける手順を説明する。先ず、ビス21を支持腕13の段差部13bの長孔13fに挿通して、このビス21の先端を固定部材17の平板片17aのねじ孔17dに螺合する。この状態で台座12を木ねじ18で壁11に取付ける。次に、上記ビス21の頭部21aを支持腕13の段差部13bの下面に押付けるとともに、支持腕13の傾斜部13aに近付ける(
図1(a))。これにより固定部材17の平板片17aが段差部13bから上方に離れるとともに、圧接部17bが受け部14から離れる。この状態でカーテンポール16を受け部14に挿入する。このとき圧接部17bが受け部14から離れているので、圧接部17aがカーテンポール16の受け部14への挿入作業に支障をきたすことはない。更に、ビス21をねじ孔17dにねじ込むと、平板片17aが段差部13b上面に次第に近付いていく。これにより固定部材17の傾斜片17cが支持腕13の傾斜部13a上面に沿って移動するので、固定部材17が受け部13内のカーテンポール16に側方からその中心軸16aに向って近付き、圧接部17bがカーテンポール16の外周面に圧接される(
図1(b))。この結果、カーテンポール16が浮くのを阻止できるので、カーテンポール16の受け部14からの離脱を防止できる。また、圧接部17bがカーテンポール16の外周面に圧接されるとき、2つの起立部17e,17eがカーテンポール16の外周面をその中心軸16aに向って側方から押す、即ち2つの起立部17e,17eがカーテンポール16の外周面に圧接されるとともに、2つの凸部17f,17fがカーテンポール16の外周面に食い込むので、ブラケット10によりカーテンポール16の受け部14からの離脱を防止できるとともに、カーテンポール16の横滑りを防止できる。更に、平板片17aがビス21により締め付けられて段差部13b上面に近付くに従い、傾斜片17cが傾斜部13a上面に沿って斜め下方に移動するので、圧接部17bが受け部14内のカーテンポール16を斜め下方に押付けるようにカーテンポール16に圧接される。この結果、カーテンポール16の受け部14からの離脱をより効果的に防止できる。
【0020】
一方、受け部13の湾曲した先端が受け部13内のカーテンポール16の中心軸16a(
図1(a))を含む水平面より上方であってカーテンポール16の上面より下方に位置するので、カーテンポール16に嵌入された略逆C字状のカーテンランナ19(
図1(b))がカーテンポール16に沿って移動しても、カーテンランナ19が受け部13に接触することなく、カーテンポール16のブラケット10で支持された箇所を通過できる。また、カーテンランナ19をカーテンポール16に嵌入したときに、カーテンランナ19の内周面上部に形成された一対の突起19b,19b(
図1(b))がカーテンポール16に当接するので、カーテンランナ19が、受け部13に更に接触し難くなり、カーテンポール16のブラケット10で支持された箇所を容易に通過できる。
【0021】
なお、上記実施の形態では、ブラケットの台座を壁に取付けたが、ブラケットの台座を天井又は窓枠に取付けてもよい。この場合、支持腕は略L字状に形成され、傾斜部を含みかつ傾斜部より受け部側が水平方向に延びるように形成されるか、或いは天井又は窓枠にステーを取付け、このステーに上記実施の形態のブラケットと同一形状のブラケットを取付けてもよい。また、上記実施の形態では、カーテンポールを金属パイプにより円筒状に形成したが、カーテンポールを木、プラスチック、金属等により円柱状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0022】
10 カーテンポール用ブラケット
11 壁
12 台座
13 支持腕
13a 傾斜部
13b 段差部
14 受け部
16 カーテンポール
16a カーテンポールの中心軸
17 固定部材
17a 平板片
17b 圧接部
17c 傾斜片
17e 起立部
17f 凸部
21 ビス
L カーテンポールの中心軸を含む鉛直面と受け部の先端内側縁を通る鉛直面との距離
R カーテンポールの外半径