特許第6836309号(P6836309)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836309
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】シール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   F16J15/10 L
   F16J15/10 A
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-548391(P2017-548391)
(86)(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公表番号】特表2018-508726(P2018-508726A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】SE2016050200
(87)【国際公開番号】WO2016148625
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2019年1月17日
(31)【優先権主張番号】1550319-6
(32)【優先日】2015年3月17日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】506259461
【氏名又は名称】ロックステック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】カールソン アンドレアス
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−067190(JP,U)
【文献】 独国実用新案第29508645(DE,U1)
【文献】 実開昭50−015419(JP,U)
【文献】 特表2005−503745(JP,A)
【文献】 米国特許第01603991(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部部品(1、21、41)、後部部品(2、22、42)および、前記前部部品(1、21、41)と前記後部部品(2、22、42)との間に配置される圧縮可能な部分(3、23、43)を備え、壁(16)を通過する導管のための遷移を形成するシールであり、前記導管は前記シールの中心貫通開口部内に受容され、前記シールは前記壁(16)の開口内に受容され、取り付けられたシールにおいて、前記圧縮可能な部分(3、23、43)は、前記導管に対して内向きにシールし、かつ前記壁(16)の前記開口の内表面に対して外向きにシールし、および、前記圧縮可能な部分(3、23、43)の軸方向の寸法は、前記壁(16)の前記開口での前記壁(16)の厚さよりも大きい、シールであって、
前記後部部品(2、22、42)は、外側周囲の折り畳まれたエッジ(8、29、47)を有し、前記折り畳まれたエッジ(8、29、47)は、前記後部部品(2、22、42)の隣接部分に対して垂直であり、そして、組み立てられたシールにおいて前記前部部品(1、21、41)の方向を向く、ことを特徴とする、シール。
【請求項2】
前記圧縮可能な部分(3、23、43)は、一端に外側周囲の凹部(13、35、52)および/または反対端に外側周囲のリップ(14、36、53)を有し、前記リップ(14、36、53)は、前記圧縮可能な部分(3、23、43)に対して垂直である、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記前部部品(1、21、41)の開口(6、27、45)、前記圧縮可能な部分(3、23、43)の開口(12、51)および前記後部部品(2、22、42)の開口(10、32、49)を通過するネジ(15)によって、シールは組み立てられ、前記後部部品(2、22、42)の開口(10、32、49)は、前記ネジ(15)のねじ山との協働のためのねじ山を有し、前記ネジ(15)は、前記ネジ(15)が締め付けられるときに前記後部部品(2、22、42)および前記前部部品(1、21、41)を互いに向かって移動させるように作用する、請求項1または2に記載のシール。
【請求項4】
前記圧縮可能な部分(3、23、43)の一端は、前記後部部品(2、22、42)の外側の折り畳まれたエッジ(8、29、47)の内側に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール。
【請求項5】
前記シールの中心貫通開口部は、前記前部部品(1、21、41)の中心貫通開口部(5、26、44)、前記圧縮可能な部分(3、23、43)の中心貫通開口部(11、33、50)および前記後部部品(2、22、42)の中心貫通開口部(9、31、48)で形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシール。
【請求項6】
前記前部部品(1、21、41)は、1つ以上の指示開口(7、28、46)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシール。
【請求項7】
前記前部部品(1、21)は、前記前部部品(1、21)の開口(9、26)の外側周囲に内側の折り畳まれたエッジ(4、24)を有し、前記折り畳まれたエッジ(4、24)は、前記前部部品(1、21)の隣接部分に対して垂直であり、そして、組み立てられたシールにおいて前記後部部品(2、22)から離れる方向を向く、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシール。
【請求項8】
前記前部部品(21)は、前記前部部品(21)の外側周囲に外側の折り畳まれたエッジ(25)を有し、前記折り畳まれたエッジ(25)は、前記前部部品(21)の隣接部分に対して垂直である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシール。
【請求項9】
前記後部部品(22)は、中心貫通開口部(31)を囲む内側の折り畳まれたエッジ(30)を有し、前記内側の折り畳まれたエッジ(30)は、前記後部部品(22)の隣接部分に対して垂直であり、前記内側の折り畳まれたエッジ(30)は、組み立てられたシールにおいて前記前部部品(21)から離れる方向を向く、請求項8に記載のシール。
【請求項10】
前記導管はパイプ(17)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁の開口を通過する導管のためのシールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシールは、壁の開口を通過する導管(例えばパイプまたはケーブル)のための遷移(transit)または導出である。
【0003】
シールまたは遷移(transition)は、壁を通過する導管に対して内向きにシールし、かつ壁の開口の内表面に対して外向きにシールしなければならない。遷移またはシールは、以前から知られている。そこでは、弾性シール材料が2つの部品間に配置される。両部品は、通常ネジの配置によって、互いに向けて移動可能である。それにより、両部品間に配置されるシール材料は、軸方向に圧縮される。許容されるならば、軸方向の圧縮によって、シール材料は、内向きおよび外向きの両方へ半径方向に膨張する。
【0004】
先行技術では、導管に対して内向きにシールするように配置される1つのシール部分、および、壁の開口の内表面に対して外向きにシールする1つのシール部分、を有することが一般的である。この種の解決策の1つの例は、特許文献1に示される。
【0005】
この種類のシールは、多くの異なる環境において(例えばキャビネット、技術的シェルター、ジャンクションボックスおよびマシン、さらには船のデッキおよび隔壁のために)使用される。それらは、異なる工業的環境(例えば自動車、テレコミュニケーション、発電、配電、並びに海洋および沖合)において使用される。シールは、流体、ガス、火、齧歯動物、シロアリ、塵、水分などに対してシールしなければならないかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2004/070250号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの目的は、より複雑でない解決策を有することである。そしてそれは、設置するのが比較的容易である。比較的広い直径範囲の導管が受容されることもできなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、シールは、前部部品、後部部品および、前部部品と後部部品との間に配置される圧縮可能な部分を備える。シールは、壁を通過する導管(例えばパイプ)のための遷移を形成し、そして、壁の開口内に配置される。導管は、シールの中心貫通開口部内に受容される。取り付けられた状態において、シールは、導管に対して内向きにシールし、かつ壁の開口の内表面に対して外向きにシールする。圧縮可能な部分の軸方向の膨張は、壁の開口での壁の厚さよりも大きい。
【0009】
本発明のシールによって、一側からの設置は、可能である。さらに、前後の部品を接続する締め付けねじによって、圧縮可能な部分は、同じシーケンスにおいて、導管に向けて内向きに圧縮され、かつ壁の開口の内表面に向けて外向きに圧縮される。圧縮可能な部分はまた、壁の開口でシールを固定するように機能する。
【0010】
壁が圧縮可能な部分と前部部品との間に配置されるという点で、シールは、使用中に壁で保たれる。
【0011】
例えば受容される導管の寸法に依存して、シールは、異なる強さの力にさらされる。一般的に言って、導管の直径がより大きいほど、力はより大きい。したがって、シールは、用途に応じていくらか異なるデザインを有する。この説明では、3つの異なるデザインが示される。そして、受容される導管の広範囲にわたる外径をカバーする。
【0012】
好ましい実施形態の下記の詳述を読み込むときに、本発明のさらなる目的および利点は、当業者にとって明らかである。
【0013】
本発明は、例としてそして添付図面を参照してさらに下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、壁の開口に取り付けられて、パイプを受容している、本発明によるシールの斜視図である。
図2図2は、本発明のシールの第1実施形態の平面図である。
図3図3は、図2のシールの断面図である。
図4図4は、図2および図3のシールの斜視図である。
図5図5は、第1実施形態の前部部品の斜視図である。
図6図6は、図5の前部部品の断面図である。
図7図7は、第1実施形態の後部部品の斜視図である。
図8図8は、図7の後部部品の断面図である。
図9図9は、第1実施形態の圧縮可能な部分の断面図である。
図10図10は、本発明のシールの第2実施形態の斜視図である。
図11図11は、図10のシールの断面図である。
図12図12は、第2実施形態の前部部品の斜視図である。
図13図13は、図12の前部部品の断面図である。
図14図14は、第2実施形態の後部部品の斜視図である。
図15図15は、図14の後部部品の断面図である。
図16図16は、第2実施形態の圧縮可能な部分の断面図である。
図17図17は、本発明のシールの第3実施形態の斜視図である。
図18図18は、図17のシールの断面図である。
図19図19は、第3実施形態の前部部品の斜視図である。
図20図20は、第3実施形態の後部部品の斜視図である。
図21図21は、図20の後部部品の断面図である。
図22図22は、第3実施形態の圧縮可能な部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、パイプシールまたはパイプ遷移のために開発された。しかし、それは、比較的中実のケーブルのための遷移として使用されることもできる。説明の容易さのために、用語「導管」が概して使用される。そしてそれは、パイプおよびケーブルの両方を含むと解釈される。この説明において用いられるように、「軸の」、「半径の」および類似の表現は、シールに受容される導管に関してある。シールは、一側だけから取り付けられる。そしてこの説明において使用されるように、表現「前」は、シールが取り付けられる側を意味する。対応する表現「後」は、反対側を意味する。
【0016】
受容される導管の外径に応じて、シールの異なる部分は、わずかに異なるデザインを有する。図示された実施形態では、3つの異なるサイズがある。そしてそれは、小、中および大サイズと以下で呼ばれる。
【0017】
それが小、中または大サイズであるかどうか、シールは、3つの主要部分、前部部品1、21、41、後部部品2、22、42、および前部部品1、21、41と後部部品2、22、42との間に配置される圧縮可能な部分3、23、43、を含む。使用中に、前部部品1、21、41および後部部品2、22、42は、多くのネジ15によって互いに向かって移動する。それにより、圧縮可能な部分3、23、43は、軸方向に圧縮されて、半径方向に膨張する。許容されるならば、圧縮可能な部分3、23、43のための半径方向の膨張は、内向きおよび外向きの両方である。図1において、中サイズのシールは、壁16の開口に取り付けられて示される。シール内部に、パイプ17は受容される。半径方向の膨張によって、圧縮可能な部分3、23、43の圧力は、パイプ17および壁16の開口の内表面に対して増加する。
【0018】
図示された実施形態において、シールおよびその前部部品1、21、41、後部部品2、22、42および圧縮可能な部分3、23、43はすべて、断面において円形の構成を有する。他の実施形態では、シールの外側の構成またはそのいかなる主要部分も、別の構成(例えば矩形の、ポリゴンのまたは卵形の)を有してよい。
【0019】
中サイズのシールおよびその異なる主要部分は、図1図9に示される。中サイズのシールの前部部品1は、前部部品1の内側中心貫通開口部5で、内側の折り畳まれたエッジ4を有する。折り畳まれたエッジ4は、前部部品1の隣接部分に対してほぼ垂直な方向において前部部品1から突出する。使用中に、折り畳まれたエッジ4は、後部部品2から離れる方向を向く。内側貫通開口部5は、前部部品1の折り畳まれたエッジ4の内側に位置する。折り畳まれたエッジ4は、内側貫通開口部5の周りをずっと延びる。したがって、折り畳まれたエッジ4は、前記内側貫通開口部5の外周を実際に形成する。前部部品1はまた、固定手段を受容するために多くのさらなる貫通開口6を有する。上記のように、固定手段は、ネジ15でもよい。前部部品1はまた、多くの指示開口7を有する。前記指示開口7は、圧縮の徴候のためにおよび/または識別のために使われる。圧縮可能な部分3が前部部品1と後部部品2の間で圧縮されるときに、圧縮可能な部分3は、前記指示開口7内に隆起する。指示開口7内への圧縮可能な部分3の前記隆起は、ネジ15が締め付けられるときに、圧縮力の徴候を与える。各圧縮可能な部分3に特定の識別を与えることによって、課題が生じた場合に、例えば、製造拠点、特定の製造バッチ等を確立することができる。この種の特定の識別は、使用中に指示開口7のうちの1つに位置するように配置されることができる。指示開口7の数は、1から上方へ変化してよい。
【0020】
後部部品2は、外周で外側の折り畳まれたエッジ8を有する。後部部品2の折り畳まれたエッジ8は、後部部品2の隣接部分に対してほぼ垂直である。使用中に、後部部品2の折り畳まれたエッジ8は、第1の部品1の方向を向く。後部部品2は、中心貫通開口部9を有する。後部部品2はまた、ネジ15を受容するための多くの貫通開口10を有する。貫通開口10は、ネジ15のねじ山との協働のためのねじ山を有する。
【0021】
圧縮可能な部分3は、通常、ゴムでできている。しかし、実際には、いかなる圧縮性材料も用いられてよい。圧縮可能な部分3は、中心貫通開口部11および、ネジ15を受容する多くの貫通開口12を有する。圧縮可能な部分3は、後部部品2に面している端部に外側周囲の凹部13を有する。圧縮可能な部分3の外側凹部13は、後部部品2の外側の折り畳まれたエッジ8を受容する。前部部品1に面している側で、圧縮可能な部分3は、外側周囲のリップ14を有する。外側リップ14は、圧縮可能な部分3に対して垂直であり、そして、シールが取り付けられるときに、前部部品1と壁16との間に配置される。シールが意図された方法で機能するために、圧縮可能な部分3の高さは、シールが取り付けられる壁16の厚さよりも大きくなければならない。
【0022】
シールを組立てるときに、後部部品2は、外側凹部13の外側の折り畳まれたエッジ8が圧縮可能な部分3の一端に配置される。前部部品1は、圧縮可能な部分3の他端に配置される。アセンブリのために、ネジ15のための前部部品1の貫通開口6は、圧縮可能な部分3の貫通開口12および後部部品2の貫通開口10と同一線上に配置される。次いで、ネジ15は、前部部品1、圧縮可能な部分3および後部部品2の前記貫通開口6、12、10をそれぞれ通して挿入される。ネジ15は、シールを一緒に十分長クレーム保持するために、しかし圧縮可能な部分3のいかなる実質的な圧縮もなしに、後部部品2の開口10のねじ山にねじ込まれる。組み立てられたシールにおいて、前部部品1の中心貫通開口部5は、圧縮可能な部分3の中心貫通開口部11および後部部品2の中心貫通開口部9と同一線上に配置される。これにより、組み立てられたシールは、それぞれ前部部品1、圧縮可能な部分3および後部部品2の前記中心貫通開口部5、11、9によって形成される中心貫通開口部を有する。
【0023】
中サイズの図示されたシールのために、5本のネジ15がある。しかし当業者は、任意の数のネジが使用可能であると理解する。
【0024】
他の実施形態では、圧縮可能な部分は、いかなる外側周囲の凹部もおよび/またはいかなる外側周囲のリップもない設計を有する。このように、一実施形態では、圧縮可能な部分は、まっすぐな外側周囲を有する管の形を有する。アセンブリで、外側周囲の凹部を有しない圧縮可能な部分は、後部部品2の外側の折り畳まれたエッジ8内部の領域へと押圧される。
【0025】
大サイズのシールおよびその異なる主要部分は、図10図16に示される。大サイズのシールの前部部品21は、前部部品21の内側中心貫通開口部26に内側の折り畳まれたエッジ24、および前部部品21の外側周囲に外側の折り畳まれたエッジ25を有する。折り畳まれたエッジ24、25は、前部部品21の隣接部分に対してほぼ垂直な方向において前部部品21から突出する。使用中に、折り畳まれたエッジ24、25は、後部部品22から離れる方向を向く。内側貫通開口部26は、前部部品21の内側の折り畳まれたエッジ24の内側に位置する。折り畳まれたエッジ24は、内側貫通開口部26の周りをずっと延びる。したがって、内側の折り畳まれたエッジ24は、前記内側貫通開口部26の外周を実際に形成する。外側の折り畳まれたエッジ25は、前部部品21の周りをずっと延びる。前部部品21はまた、固定手段を受容するために多くの貫通開口27を有する。上記のように、固定手段は、ネジ15でもよい。前部部品21はまた、多くの指示開口28を有する。前記指示開口28は、中サイズのシールのための上記に示すように、圧縮の徴候のためにおよび/または識別のために使われる。指示開口28の数は、1から上方へ変化してよい。
【0026】
後部部品22は、外周で外側の折り畳まれたエッジ29を有する。そして外側の折り畳まれたエッジ29は、部品22の隣接部分に対してほぼ垂直である。使用中に、後部部品22の外側の折り畳まれたエッジ29は、第1の部品21の方向を向く。後部部品22はまた、内側の折り畳まれたエッジ30を有する。そしてそれは、後部部品22の隣接部分に対してほぼ垂直である。使用中に、後部部品22の内側の折り畳まれたエッジ30は、前部部品21から離れる方向を向く。後部部品22は、中心貫通開口部31を有する。後部部品22の内側の折り畳まれたエッジ30は、後部部品22の中心貫通開口部31の周りをずっと延びる。後部部品22はまた、ネジ15を受容するための多くの貫通開口32を有する。貫通開口32は、ネジ15のねじ山との協働のためのねじ山を有する。
【0027】
折り畳まれた内側エッジ30の機能は、主に後部部品22を強化することである。いくつかの実施形態では、例えば、余分の強度が必要でない場合、後部部品22は、内側の折り畳まれたエッジ30を有していない。
【0028】
圧縮可能な部分23は、通常、ゴムでできている。しかし、実際には、いかなる圧縮性材料も用いられてよい。圧縮可能な部分23は、中心貫通開口部33および、ネジ15を受容する多くの貫通開口を有する。圧縮可能な部分23は、後部部品22に面している端部に外側周囲の凹部35を有する。圧縮可能な部分23の外側凹部35は、後部部品22の外側の折り畳まれたエッジ29を受容する。前部部品21に面している側で、圧縮可能な部分23は、外側周囲のリップ36を有する。外側リップ36は、圧縮可能な部分23に対して垂直であり、そして、シールが取り付けられるときに、前部部品21と壁16との間に配置される。シールが意図された方法で機能するために、圧縮可能な部分23の高さは、シールが取り付けられる壁16の厚さよりも大きくなければならない。
【0029】
シールを組立てるときに、後部部品22は、外側凹部35の外側の折り畳まれたエッジ29が圧縮可能な部分23の一端に配置される。前部部品21は、圧縮可能な部分23の他端に配置される。アセンブリのために、ネジ15のための前部部品21の貫通開口27は、圧縮可能な部分23の貫通開口および後部部品22の貫通開口32と同一線上に配置される。次いで、ネジ15は、前部部品21、圧縮可能な部分23および後部部品22の前記貫通開口27、32をそれぞれ通して挿入される。ネジ15は、シールを一緒に十分長クレーム保持するために、しかし圧縮可能な部分23のいかなる実質的な圧縮もなしに、後部部品22の開口32のねじ山にねじ込まれる。組み立てられたシールにおいて、前部部品21の中心貫通開口部26は、圧縮可能な部分23の中心貫通開口部33および後部部品22の中心貫通開口部31と同一線上に配置される。これにより、組み立てられたシールは、それぞれ前部部品21、圧縮可能な部分23および後部部品22の前記中心貫通開口部26、33、31によって形成される中心貫通開口部を有する。
【0030】
大サイズの図示されたシールのために、10本のネジ15がある。しかし当業者は、任意の数のネジが使用可能であると理解する。
【0031】
他の実施形態では、圧縮可能な部分は、いかなる外側周囲の凹部もおよび/またはいかなる外側周囲のリップもない設計を有する。このように、一実施形態では、圧縮可能な部分は、まっすぐな外側周囲を有する管の形を有する。アセンブリで、外側周囲の凹部を有しない圧縮可能な部分は、後部部品22の外側の折り畳まれたエッジ29内部の領域へと押圧される。
【0032】
小サイズのシールおよびその異なる主要部分は、図17図22に示される。小サイズのシールの前部部品41は、まっすぐであり、他の実施形態の前部部品1、21とは対照的に、折り畳まれたエッジを有していない。前部部品41は、内側中心貫通開口部44を有する。前部部品41はまた、固定手段を受容するために多くの貫通開口45を有する。上記のように、固定手段は、ネジ15でもよい。前部部品41はまた、多くの指示開口46を有する。前記指示開口46は、中サイズのシールのための上記に示すように、圧縮の徴候のためにおよび/または識別のために使われる。指示開口46の数は、1から上方へ変化してよい。
【0033】
後部部品42は、外周で外側の折り畳まれたエッジ47を有する。そして外側の折り畳まれたエッジ47は、後部部品42の隣接部分に対してほぼ垂直である。使用中に、後部部品42の外側の折り畳まれたエッジ47は、第1の部品41の方向を向く。後部部品42は、中心貫通開口部48を有する。後部部品42はまた、ネジ15を受容するための多くの貫通開口49を有する。貫通開口49は、ネジ15のねじ山との協働のためのねじ山を有する。
【0034】
圧縮可能な部分43は、通常、ゴムでできている。しかし、実際には、いかなる圧縮性材料も用いられてよい。圧縮可能な部分43は、中心貫通開口部50および、ネジ15を受容する多くの貫通開口51を有する。圧縮可能な部分43は、後部部品42に面している端部に外側周囲の凹部52を有する。圧縮可能な部分43の外側凹部52は、後部部品42の外側の折り畳まれたエッジ47を受容する。前部部品41に面している側で、圧縮可能な部分43は、外側周囲のリップ53を有する。外側リップ53は、圧縮可能な部分43に対して垂直であり、そして、シールが取り付けられるときに、前部部品41と壁16との間に配置される。シールが意図された方法で機能するために、圧縮可能な部分43の高さは、シールが取り付けられる壁16の厚さよりも大きくなければならない。
【0035】
シールを組立てるときに、後部部品42は、外側凹部52の外側の折り畳まれたエッジ47が圧縮可能な部分43の一端に配置される。前部部品41は、圧縮可能な部分43の他端に配置される。アセンブリのために、ネジ15のための前部部品41の貫通開口45は、圧縮可能な部分43の貫通開口51および後部部品42の貫通開口49と同一線上に配置される。次いで、ネジ15は、前部部品41、圧縮可能な部分43および後部部品42の前記貫通開口45、51、49をそれぞれ通して挿入される。ネジ15は、シールを一緒に十分長クレーム保持するために、しかし圧縮可能な部分43のいかなる実質的な圧縮もなしに、後部部品42の開口49のねじ山にねじ込まれる。組み立てられたシールにおいて、前部部品41の中心貫通開口部44は、圧縮可能な部分43の中心貫通開口部50および後部部品42の中心貫通開口部48と同一線上に配置される。これにより、組み立てられたシールは、それぞれ前部部品41、圧縮可能な部分43および後部部品42の前記中心貫通開口部44、50、48によって形成される中心貫通開口部を有する。
【0036】
小サイズの図示されたシールのために、3本のネジ15がある。しかし当業者は、任意の数のネジが使用可能であると理解する。
【0037】
他の実施形態では、圧縮可能な部分は、いかなる外側周囲の凹部もおよび/またはいかなる外側周囲のリップもない設計を有する。このように、一実施形態では、圧縮可能な部分は、まっすぐな外側周囲を有する管の形を有する。アセンブリで、外側周囲の凹部を有しない圧縮可能な部分は、後部部品42の外側の折り畳まれたエッジ47内部の領域へと押圧される。
【0038】
本発明のシールは、壁16の開口を通過して延びる導管(例えばパイプ17)と関連して使用される。使用中に、シールは、導管を囲む組立状態に置かれて、次いで壁16の開口へと挿入される。シールと壁16の開口との間の半径方向の遊びは、通常1〜2mmである。導管とシールの内側周囲との間の半径方向の遊びも、通常1〜2mmである。シールは、最初に後部部品2、22、42が挿入されて、前部部品1、21、41が壁16上に配置されるまで開口内に押し込まれる。前部部品1、21、41の外径は、壁16の開口の内径よりも大きい。後部部品2、22、42および圧縮可能な部分3、23、43のそれぞれの外径は、壁16の開口の内径よりもいくらか小さい。シールを壁の開口に完全に挿入して、ネジ15が締め付けられる。ネジ15を締め付けることによって、後部部品2、22、42および前部部品1、21、41は、互いに向かって移動する。これにより、圧縮可能な部分3、23、43を軸方向に圧縮する。軸方向の圧縮によって、圧縮可能な部分3、23、43は、導管に向かって内向きに、そして壁16の開口の内表面に向かって外向きに、両方へ放射状に膨張する。後部部品2、22、42と壁16との間に距離があるにつれて、圧縮可能な部分3、23、43は、壁16の後ろ側の下で外向きに膨張する。このように、圧縮可能な部分3、23、43の一部は、壁16の開口の周りで壁16の後ろ側に当接する。軸方向に圧縮されるとき、圧縮可能な部分3、23、43は、壁16と前部部品1、21、41との間にも通常いくらか膨張する。このように、シールは、導管に対して、および壁16の開口の内表面に対して、両方ともシールする。前部部品1、21、41および圧縮可能な部分3、23、43の壁16の後ろ側上に膨張した部分によって、シールは、保たれる。
【0039】
圧縮可能な部分3、23、43は、いかなるネジ15も受容しない前部部品1、21、41の貫通開口7、28、46へも膨張する。前記貫通開口へのこの膨張は、圧縮の視覚的指示として使われることができる。いかなるネジ15も受容しない貫通開口7、28、46の少なくとも1つを通じて可視可能な圧縮部分3、23、43のマーキングを配置することもできる。この種のマーキングは、故障、苦情などの場合に、メーカー、生産バッチなどの識別のために使われることができる。
【0040】
一実施形態では、ネジ15との協働のためのナットが、後部部品2、22、42の貫通開口10、32、49で例えば溶接またはハンダ付けによって後部部品2、22、42に固定される。
【0041】
一実施形態では、上記のシールの3つのサイズは、12mmから222mmまでの間隔の外径を有する導管サイズをカバーする。
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