(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隔壁で囲まれた内部空間と、第1の壁部に形成され当該第1の壁部に取り付けられた前記空気搬送路接続装置からの空気を取り込むための第1の開口部と、第2の壁部に形成され前記空気搬送路接続装置からの空気を室内に送出するための第2の開口部とを有する吹き出しユニット内において、前記空気搬送路接続装置に収納されて設置される
ことを特徴とする請求項5記載の可変風量装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1は、天井裏、あるいは、床下等、部屋の外においてダクト等の空気搬送路に接続された通風路内に取り付けられ、通風路経由で室内に送風される空気量を調整する。
【0010】
図1は、この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1の構成を説明する図であって、
図1Aは、通風路を流れる空気に対してダンパ全閉状態とした場合を示す図であり、
図1Bは、通風路を流れる空気に対してダンパ全開状態とした場合を示す図である。
なお、この実施の形態1において、ダンパ全閉状態とは、ダンパ11の面が、通風路内の空気の流れに対して垂直に向けられた状態をいい、ダンパ全開状態とは、ダンパ11の面が、通風路内の空気の流れに対して水平に向けられた状態をいう。この実施の形態1において、ダンパ11が通風路内の空気の流れに対して垂直に向けられた状態とは、略垂直に向けられた状態であることを含み、ダンパ11が、通風路内を流れる空気を、その構造・構成において最も妨げられる程度に向けられていればよい。また、この実施の形態1において、ダンパ11が通風路内の空気の流れに対して水平に向けられた状態とは、略水平に向けられた状態であることを含み、ダンパ11が、通風路内を流れる空気を、当該空気の流れをその構造・構成において極力妨げることなく最も通過させられる程度に向けられていればよい。
【0011】
可変風量装置1は、
図1に示すように、通風路内に設置され、ダンパ11と、モータ12と、ベースブラケット13と、回動ガイド部14と、リンク機構15と、接続部16とを備える。
ダンパ11は、通風路内を流れる空気の吹出し開口面積を調整する。
モータ12は、ダンパ11を回転駆動させるためのトルクを発生させる。
リンク機構15は、ベースブラケット13の開口部(図示省略)を貫通して設置されているモータ12の回転軸(後述する
図2参照)にその一端を接続して、モータ12の回転軸を中心に回動自在に保持され、他端がダンパ11に回動可能に接続され、モータ12が発生させたトルクによりダンパ11を回転駆動させる。具体的には、リンク機構15は、リンク部材15aとリンク部材15bとからなり、リンク部材15aとリンク部材15bとが摺動体としての連結軸15cによって回動可能に連結され、リンク部材15a,15bの、連結軸15cと反対側の一端が、それぞれ、モータ12の回転軸とダンパ11とに回動可能に接続される。連結軸15cは、図示していないが、段付きネジ(段部の外周部で摺動)、あるいは、カラー(カラーの外周部で摺動)とそれを貫通するネジなどから構成される。また、リンク部材15a,15bは樹脂で構成しているが、金属など他の材質で構成することもできる。
なお、ここでは、リンク機構15は、上述のように、リンク部材15aとリンク部材15bとからなり、リンク部材15aとリンク部材15bとが連結軸15cによって回動可能に連結される構成としたが、これは一例に過ぎず、リンク機構15は、一端をモータ12の回転軸に接続して、モータ12の回転軸を中心に回動自在に保持され、他端がダンパ11に回動可能に接続されて、モータ12が発生させたトルクによりダンパ11を回転駆動可能な構成になっていればよい。
【0012】
この実施の形態1では、モータ12とリンク機構15とで、回動駆動部を構成する。
ここで、
図2は、実施の形態1おいて回動駆動部を構成するモータ12の構成の一例を説明する図である。
図2に示すように、この実施の形態1において、モータ12は、ギア付ステッピングモータとする。これにより、モータ12は、電圧パルス、あるいは、電流パルス入力数のみでダンパ11の動作角度を設定でき、ギアによって、回転トルク、および、電源オフ(無励磁)状態におけるダンパ角度を保持するトルクを大きくすることができる。
【0013】
回動ガイド部14は、ダンパ11の裏面、すなわち、空気の流れと対向する面とは反対側のダンパ11の表面において、ダンパ11の直径上に、回転軸が空気の流れと略垂直になるように取り付けられ、ダンパ11を回動自在に保持する。また、回動ガイド部14は、ベースブラケット13に切り起こして形成されたガイド部材14aと、ダンパにネジ留めやスポット溶接等により取付けられたガイド部材14bと、それらを摺動可能に接続する接続軸14cとから構成される。回動ガイド部14は、この構造に限られるものではなく、例えば、一般のヒンジ、あるいは、蝶番等でもよい。
ベースブラケット13は、ダンパ11を保持する回動ガイド部14と、リンク機構15に接続されて回動駆動部を構成するモータ12とを保持する。この実施の形態1において、ベースブラケット13は、L字形状となるよう形成される。これにより、ベースブラケット13の強度を強くすることができ、変形を抑制することができる。
ベースブラケット13は、L字を形成するベースブラケット13のそれぞれの面が、ダンパ全閉状態において、ダンパ11の表面と直交するように、ダンパ11を保持する。
【0014】
接続部(第1の接続部)16は、L字形状のベースブラケット13の長手方向の端部に設けられる。ここでは、
図1Aに示すように、接続部16は、2箇所設けられ、それぞれ、ベースブラケット13の長手方向の端部の、ダンパ全閉状態におけるダンパ11とは反対側の辺の一部において、L字形状のベースブラケット13の本体に対し直角に起立して設けられている。具体的には、それぞれ、ベースブラケット13を形成する際に、当該ベースブラケット13の長手方向の端部に一定の高さを有する切り残し部(図示省略)が設けられ、当該切り残し部をダンパ11側へ直角に曲げ起こして形成されるものとする。ここでは、直角とは、略直角を含む。また、ここでは、接続部16はネジ穴を有するものとする。
この実施の形態1では、回動ガイド部14が保持されるほうの面の長手方向の端部に設けられた接続部16を、回動ガイド側接続部16aとし、ベースブラケット13の、モータ12が保持されるほうの面の長手方向の端部に設けられた接続部16を、モータ側接続部16bとする。
接続部16は、通風路の内壁に2箇所設けられた接続部とそれぞれ接続される。通風路の内壁に設けられた接続部、および、接続方法については後述する。
なお、上述した接続部16の形成方法は一例にすぎず、その他の方法で接続部16が形成されるものであってもよく、接続部16が、通風路の内壁に設けられた接続部と接続されるようになっていればよい。
【0015】
可変風量装置1において、回動駆動部がトルクを発生させ、ダンパ11を回転駆動させる動作は、可変風量装置1を総括的に制御する制御部(不図示)により制御される。
例えば、ダンパ11が、
図1Aに示すように全閉状態から、制御部の制御に基づき、モータ12がトルクを発生させると、リンク部材15aがモータ12の回転軸を中心に
図1A上時計回転方向に回動する。これに伴い、連結軸15cでリンク部材15aと摺動可能に接続されたリンク部材15bも引っ張られて
図1A上時計回転方向に回動し、リンク部材15bの他端に接続され、回動ガイド部14により回動自在に保持されたダンパ11を開き方向へ回動させることができる。
【0016】
また、例えば、ダンパ11が、
図1Bに示すように全開状態から、制御部の制御に基づき、モータ12がトルクを発生させると、リンク部材15aがモータ12の回転軸を中心に
図1B上反時計回転方向に回動する。これに伴い、連結軸15cでリンク部材15aと摺動可能に接続されたリンク部材15bも押されて
図1B上反時計回転方向に回動し、リンク部材15bの他端に接続され、回動ガイド部14により回動自在に保持されたダンパ11を閉じ方向へ回動させることができる。
【0017】
このように、制御部の制御に基づき、可変風量装置1において、ダンパ11が、
図1Aに示すダンパ全閉状態から、
図1Bに示すダンパ全開状態まで、90度程度回動可能となる。なお、可変風量装置1は、ダンパ11を、全閉状態から全開状態までの間の適宜の位置まで回動させて、その角度を保持することができる。
【0018】
従来から知られているような技術では、ダンパの直径方向に回転軸を設け、当該回転軸を、ダンパの外周の外側に位置する着脱ダクトなどの管を貫通して延長することによりダンパが360度回転自在なダンパ保持構造としている。さらに、着脱ダクトなどの管の外側でダンパモータの回転軸と、回転歯車を介し、当該回転歯車の噛み合わせにより回転結合するようにしているため、駆動機構としてもダンパを360度回転できる構造になっていた。しかしながら、ダンパは、風量を調整するという機能上、最大でも90度回転できるようになっていればよく、360度回転させる必要はない。
そこで、この実施の形態1に係る可変風量装置1では、上述のように、ダンパ11を90度回転可能とし、ダンパ11を回転可能に保持する回動ガイド部14をベースブラケット13で保持させるようにした。
また、ダンパ11を回動駆動させる回動駆動部も、少なくとも90度回転できれば良い構造とし、具体的には、モータ12を、ベースブラケット13に取り付けられるようにし、モータ12の回転軸にその一端が接続されモータ12のトルクにより回動するリンク機構15が、直接ダンパ11と接続されるようにした。
これにより、着脱ダクト、および、着脱ダクトの外側でダンパの回転軸とダンパモータの回転軸とを回転歯車の噛み合わせにより回転結合させるような構成を不要としている。
その結果、着脱ダクトが不要になるため、着脱ダクトの分だけ流路の内径が小さくなることがなく、圧損が増加することを抑制し、最大風量が減少することも抑制することができる。また、通風路の外側に回動駆動部を配置する必要がなくなり、通風路内からのメンテナンスなどが可能とすることができる。
また、モータ12とダンパ11との接続においてリンク機構15を用いているため、取り付けのずれ等に対する許容度や設計自由度を大きくすることができる。
【0019】
また、可変風量装置1において、ダンパ11の直径は、通風路の直径にあわせて適宜設定可能とするが、
図1Aに示すように、ダンパ11が、通風路内の空気の流れに対して垂直に向けられたダンパ全閉状態において、ダンパ11の外周と通風路の内壁面との間に予め設定された隙間(
図1Aのh)が設けられるようにする。
予め設定された隙間とは、ダンパ11の外周と通風路の内壁面との間に必要最低換気風量を流すことができるだけの間隔であればよい。
例えば、内径約φ150mmのダクトが接続される筒状の空気搬送路接続装置21(外形約φ148mm、内径約φ146mm。空気搬送路接続装置21については、
図3等を用いて後述する)においては、ダンパ直径は約φ140mmに設定される。つまり、ダンパの外周と通風路の内壁面との間に必要最低換気風量を流すことができる隙間は、3mm程度に設定される。この隙間の面積は、通風路(空気搬送路接続装置21の内側)の断面積の10%程度に設定されている。気密住宅などで決められている必要最低換気風量は、例えば、4畳半(天井高さ2.5m)の部屋における最低換気量は、約10m
3/hである。なお、この隙間は、ダンパの設置ずれや通風路の歪みなどによるダンパと通風路内壁の接触を防止する目的も兼ねている。
このように、ダンパ11の外周と通風路の内壁面との間に予め設定された隙間が設けられるようにすることで、ダンパ11の状態にかかわらず、気密住宅などで決められている必要最低換気風量を確保することができる。
なお、上述の隙間は必ず必要なものではなく、全閉時に風量がほぼゼロになるような構造にしてもよい。例えば、ダンパ形状を楕円にして通風路内壁に接触させて閉め切れるようにしたり(不図示)、通風路内壁に沿った突起部を形成してダンパを押し当てて閉め切れるようにしてもよい(不図示)。
【0020】
次に、
図1A,
図1Bを用いて説明した可変風量装置1の取り付け方法について、
図1A,
図1Bでの通風路に相当する空気搬送路接続装置21を例にして説明する。
図3は、この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1の、空気搬送路接続装置21への取り付け方法の一例を説明する図であって、
図3Aは、可変風量装置1が空気搬送路に接続される空気搬送路接続装置21へ取り付けられる直前の状態を説明する図であり、
図3Bは、可変風量装置1が空気搬送路に接続される空気搬送路接続装置21へ取り付けられた状態を説明する図である。
なお、ここでは、空気搬送路とは、ダクト等、空調機からの空気を搬送する通風路のことをいう。
ダクト等の空気搬送路には、当該空気搬送路を受ける筒状の空気搬送路接続装置21が取り付けられ、当該空気搬送路接続装置21に可変風量装置1が取り付けられる。
図3Aに示すように、空気搬送路接続装置21の内周面には、中央側に突起した接続部22が設けられる。接続部22は、ここでは、ネジ穴を有するものとし、ネジ留め等により、空気搬送路接続装置21の内周面に取り付けられるものとする。
なお、接続部(第2の接続部)22は、空気搬送路接続装置21の内周の中心と可変風量装置1のダンパ11の中心とが同軸上になるように空気搬送路接続装置21と可変風量装置1とを対向させて配置した状態で、可変風量装置1のベースブラケット13の長手方向端部に設けられた回動ガイド側接続部16aおよびモータ側接続部16bにそれぞれ対向する位置に2箇所設けられる。
ここでは、可変風量装置1の回動ガイド側接続部16aと対向する接続部22を、空気搬送路接続装置21の回動ガイド側接続部22a、可変風量装置1のモータ側接続部16bと対向する接続部22を、空気搬送路接続装置21のモータ側接続部22bとする。
【0021】
可変風量装置1は、空気搬送路側のダンパ11の表面が空気搬送路接続装置21と対向する向きで、可変風量装置1の回動ガイド側接続部16a,モータ側接続部16bと、空気搬送路接続装置21の回動ガイド側接続部22a,モータ側接続部22bとによって、空気搬送路接続装置21に着脱可能に取り付けられる。
可変風量装置1を空気搬送路接続装置21に取り付ける際は、空気搬送路接続装置21の回動ガイド側接続部22aと可変風量装置1の回動ガイド側接続部16aの位置をあわせ、ネジ31aにスプリングワッシャ32a、ワッシャ33aを、スプリングワッシャ32a、ワッシャ33aの順に嵌め、当該スプリングワッシャ32aおよびワッシャ33aを嵌めたネジ31aを可変風量装置1側から締め付けて、回動ガイド側接続部16aを回動ガイド側接続部22aに固定する。
また、空気搬送路接続装置21のモータ側接続部22bと可変風量装置1のモータ側接続部16bの位置をあわせ、ネジ31bにスプリングワッシャ32b、ワッシャ33bを、スプリングワッシャ32b、ワッシャ33bの順に嵌め、当該スプリングワッシャ32bおよびワッシャ33bを嵌めたネジ31bを可変風量装置1側から締め付けて、モータ側接続部16bをモータ側接続部22bに固定する。
これにより、可変風量装置1が、空気搬送路接続装置21に取り付けられる。
【0022】
図3Bに示すように、可変風量装置1が空気搬送路接続装置21に取り付けられると、可変風量装置1の一部が空気搬送路接続装置21内に収納される。
具体的には、可変風量装置1のダンパ11と回動ガイド部14、および、ベースブラケット13の一部と、モータ12の一部と、リンク機構15の一部とが、空気搬送路接続装置21内に収納される。なお、可変風量装置1が機能するには、少なくともダンパ11が、空気搬送路接続装置21内に収納されていればよい。
このように、筒状の空気搬送路接続装置21が、空調機と接続されるダクト等の空気搬送路との接続のための部品と、風量を制御する可変風量装置1の通風路としての構成部品を兼ねることができ、着脱ダクト等を必要としない分、ダンパ11の取り付けの際の部品点数を削減することができる。
【0023】
なお、可変風量装置1を取り外す際は、ネジ31a,ネジ31bをゆるめて取り外せばよい。
このように、可変風量装置1は、ネジ2本によって、空気搬送路接続装置21に容易に取り付け、あるいは、取り外しを行うことができる。
【0024】
図4は、この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1が調整した空気を室内に送風する吹出しユニット41の一例を説明するための図である。
図4Aは、吹出しユニット41の外観図であり、
図4Bは、可変風量装置1が空気搬送路接続装置21に取り付けられ、ダンパ全開状態となっている吹出しユニット41を、空気搬送路側からみた斜視図であり、
図4Cは、可変風量装置1が空気搬送路接続装置21に取り付けられ、ダンパ全開状態となっている吹出しユニット41を、室内への空気の送出口側からみた斜視図であり、
図4Dは、
図4Cにおいて、可変風量装置1をダンパ全閉状態とした図である。
【0025】
吹出しユニット41は、天井裏や床下等、部屋の外でダクト等に接続され、可変風量装置1が調整した空気を室内に送風する。
図4Aに示すように、吹出しユニット41は、隔壁で囲まれた内部空間と、壁部に形成された第1の開口部42、第2の開口部43を有する。ここでは、第1の開口部42が形成される壁部を第1の壁部、第2の開口部43が形成される壁部を第2の壁部ともいうものとする。
第1の壁部の外側には、空調機からの空気搬送路と接続される、筒状の空気搬送路接続装置21が、例えば、ネジ留め等により取り付けられ、第1の開口部は、当該空気搬送路接続装置21からの空気を、吹出しユニット41内部に取り込むための流入口である。なお、
図4B〜
図4Dに示すように、第1の開口部42の内周は、空気搬送路接続装置21の内周と略同じになるようにする。
第2の開口部は、室内に送風を行うための吹き出し口であり、空気搬送路接続装置21からの空気を室内に送出するための吹き出し口である。
なお、第2の開口部43には、格子状のグリル44が着脱可能に嵌めこまれている。
【0026】
図4B〜
図4Dに示すように、可変風量装置1は、第2の開口部43を利用してアクセス可能であるため、例えば、可変風量装置1のメンテナンスや交換の際には、作業者等が、第2の開口部43に嵌めこまれているグリル44を取り外して、メンテナンスや交換の対応をすることができる。
このように、室内に向けて開口している第2の開口部43を利用して可変風量装置1の取り外し、取り付け、あるいは、メンテナンスを行うことができるので、例えば、天井等に、可変風量装置1の着脱あるいはメンテナンスのための点検口を設ける必要がなく、点検口設置のための面倒な工事を不要とし、天井等の外観を損なうこともなく、容易に可変風量装置1の取り外し、取り付け、あるいは、メンテナンスを行うことが可能となる。
【0027】
なお、第1の開口部42に対するダンパ11の開口方向は、
図4に示されたものに限定されるものではなく、どの向きに配置してもよい。また、第1の開口部42は、
図4に示されたものに限定されるものではなく、吹出しユニット41の第2の開口部43以外の壁部であればどこの壁部に設けられてもよい。
【0028】
また、可変風量装置1の、空気搬送路接続装置21内の空気の流れ方向における配置は、
図4に示されたものに限定されず任意に決めてよいが、空気搬送路接続装置21内の空気の流れ方向におけるダンパ11の位置、つまり、ダンパ11の全閉時の面から吹出しユニット41の第1の開口部42までの距離はダンパ11の開度と風量の特性に影響するので、設置性やメンテナンス性からの要求も考慮して、妥当な性能になる位置に設定する。また、さらなる圧損低減のため、モータ12、リンク機構15、ベースブラケット13などの構成部品は、できるだけ空気の流れの抵抗にならないようなサイズ、形状、配置にすることが好ましく、空気搬送路接続装置21から吹出しユニット41内にはみ出すように配置することが圧損低減のためには好ましい。
また、ベースブラケット13の接続部16に対応する接続部22を、空気搬送路接続装置21内ではなく、吹出しユニット41内に設置してもよい。
【0029】
吹出しユニット41の内部には、回動駆動部用回路(図示省略)がコネクタで接続されて設置される。
可変風量装置1の制御部は、回動駆動部用回路で発生したパルス電圧、あるいは、パルス電流をモータ12に与えて、モータ12にトルクを発生させる。
【0030】
なお、以上の説明では、通風路や空気搬送路接続装置21において、
図3,
図4に示すように、断面、すなわち、可変風量装置1が取り付けられる面は、円形としたが、これに限らず、例えば、楕円や、矩形などであってもよい。
また、可変風量装置1が備えるダンパ11についても、円形に限定されず、例えば、楕円、矩形等、通風路や空気搬送路接続装置21の断面にあわせた形状とすることができる。
【0031】
また、以上の説明では、ベースブラケット13は、L字形状としたが、これに限らず、例えば、T字形状、あるいは、I字形状等としてもよく、ダンパ11の回動を妨げずにダンパ11、あるいは、モータ12等を保持できる強度があるものであればよい。
【0032】
また、ベースブラケット13には、ダンパ11の全開位置、あるいは、全閉位置を規定するためのストッパが設けられるようにしてもよい。
【0033】
また、以上の説明では、空気搬送路は、例えば、機械室などに設置された空調機に接続されたダクトを想定したが、これに限らず、空気搬送路は、天井と床に挟まれた空間である階間、床下の空間、中空パネル等、空気を搬送できる流路となるものであればよい。
【0034】
また、以上の説明では、接続部16,22は、それぞれ2箇所設けられるとし、可変風量装置1と空気搬送路接続装置21とが、2箇所で固定されて接続されるものとしたが、これに限らず、接続部16,22は、それぞれ、1箇所、あるいは、3箇所設けられるようにしてもよい。
【0035】
また、上述したように、この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1では、着脱ダクト、あるいは、着脱ダクトの外側でダンパの回転軸とダンパモータの回転軸とを回転歯車の噛み合わせにより回転結合させるような構成を不要としたため、着脱ダクト、あるいは、着脱ダクトの外側でダンパの回転軸とダンパモータの回転軸とを噛み合わせる歯車等を収納するためのスペースが不要となり、従来の吹出しユニットに比べて、吹出しユニット41を小型化することができる。また、例えば、可変風量装置1を空気搬送路接続装置21に取り付ける際に、モータ12とダンパ11との接続部などの位置合わせの必要がなく、取り扱いの煩雑さも緩和される。
【0036】
また、この発明の実施の形態1に係る可変風量装置1は、上述したように、吹出しユニット41での使用に適しているが、これに限らず、例えば、ダクト等の内部、あるいは、ダクトの分岐ボックス等の内部に設置して、ダクト等、あるいは、ダクトの分岐ボックス等を流れる風量を、可変風量装置1で調整するような用途に使用されるものであってもよい。
【0037】
以上のように、この実施の形態1によれば、可変風量装置1は、通風路内を流れる空気の吹出し開口面積を調整するダンパ11と、ダンパ11を回動自在に保持する回動ガイド部14と、ダンパ11と接続され、ダンパ11を回動させてダンパ11の角度を変化させるダンパ回動駆動部とを備え、当該可変風量装置1が通風路内に設置されるようにしたので、着脱ダクトのような部品を不要とし、流路の内径を確保し、圧損の増加を抑制することができる。
【0038】
また、可変風量装置1は、ベースブラケット13の長手方向端部には接続部(第1の接続部)16が設けられ、接続部(第1の接続部)16と、通風路の内周に接続部(第1の接続部)16と対向するように設けられた接続部(第2の接続部)22とによって、通風路に着脱可能に取り付けられるようにしたので、可変風量装置1を容易に着脱可能とすることができる。
【0039】
また、ベースブラケット13はL字形状としたので、強度を強くすることができ、変形を抑制できる。
【0040】
また、ダンパ11の面が通風路内の空気の流れに対し垂直に向けられた全閉状態において、ダンパ11の外周と通風路の内壁面との間には、設定された隙間が設けられるようにしたので、ダンパ11の状態にかかわらず、気密住宅等で決められている必要最低換気風量を確保することができる。
【0041】
また、通風路は、吹出しユニット41に設置された筒状の空気搬送路接続装置21であり、可変風量装置1は、少なくとも一部が空気搬送路接続装置21に収納されて設置されるため、筒状の空気搬送路接続装置21が、空調機と接続されるダクト等の空気搬送路との接続のための部品と、風量を制御する可変風量装置1の構成部品を兼ねることができ、着脱ダクトを必要としない分、可変風量装置1を構成するための部品点数を削減することができる。
【0042】
また、可変風量装置1は、隔壁で囲まれた内部空間と、第1の壁部に形成され当該第1の壁部に取り付けられた空気搬送路接続装置21からの空気を取り込むための第1の開口部42と、第2の壁部に形成され空気搬送路接続装置21からの空気を室内に送出するための第2の開口部43とを有する吹出しユニット41内において、空気搬送路接続装置21に収納されて設置されるようにしたので、室内に向けて開口している第2の開口部43を利用して可変風量装置1の取り付け、取り外し、あるいは、メンテナンスを行うことができるので、例えば、天井等に、可変風量装置1の着脱あるいはメンテナンスのための点検口を設ける必要がなく、点検口設置のための面倒な工事を不要とし、天井等の外観を損なうこともなく、容易に可変風量装置1の取り付け、取り外し、あるいは、メンテナンスを行うことが可能となる。
【0043】
また、ダンパ回動駆動部は、トルクを発生させるモータ12と、一端がモータ12の回転軸に接続され、他端がダンパ11に回動可能に接続されて、モータ12が発生させたトルクによりダンパ11を回転駆動させるリンク機構15とから構成されるようにしたので、モータ12とダンパ11との接続において、取り付けのずれ等に対する許容度や設計自由度を大きくすることができる。
【0044】
また、モータ12は、ギア付ステッピングモータとしたので、電圧パルス、あるいは、電流パルス入力数のみでダンパ11の動作角度を設定でき、ギアによって、回転トルク、および、電源オフ(無励磁)状態におけるダンパ角度を保持するトルクを大きくすることができる。
【0045】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。