特許第6836371号(P6836371)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836371
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】基板接続体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/414 20060101AFI20210222BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20210222BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20210222BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20210222BHJP
   H01R 12/70 20110101ALI20210222BHJP
【FI】
   G05B19/414 N
   H05K1/11 D
   H05K1/14 E
   H05K1/14 H
   H05K3/36 Z
   H01R12/70
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-218765(P2016-218765)
(22)【出願日】2016年11月9日
(65)【公開番号】特開2018-77659(P2018-77659A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小泉 彰
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸平
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−080826(JP,A)
【文献】 特開平09−246754(JP,A)
【文献】 特開2002−314215(JP,A)
【文献】 実開昭62−036593(JP,U)
【文献】 国際公開第2003/032698(WO,A1)
【文献】 特開平09−244726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/414
H01R 12/70
H05K 1/11
H05K 1/14
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定の共通プリント基板と他のプリント基板とが接続され、当該他のプリント基板の仕様に応じて仕様が異なるものとなる数値制御装置用の基板接続体の製造方法であって、
前記共通プリント基板は、異なる仕様の他のプリント基板との接続の際に共通に使用されるコネクタを有し、
前記他のプリント基板として、所定の第1プリント基板と、前記第1プリント基板とは異なる外形の所定の第2プリント基板とを少なくとも準備し、
既定の第1の仕様である第1の前記基板接続体の製造に際しては、前記共通プリント基板と前記第1プリント基板とを平面的に並置した状態で前記コネクタを介して接続して、既定の第1の外形を呈する第1の基板接続体を構成し、
前記第1の仕様とは異なる既定の第2の仕様である第2の前記基板接続体の製造に際しては、前記共通プリント基板と前記第2プリント基板とを平面的に並置した状態で前記コネクタを介して接続して、前記第1の外形とは異なる既定の第2の外形を呈する第2の前記基板接続体を構成する、基板接続体の製造方法。
【請求項2】
前記共通プリント基板として数値制御装置における数値制御用CPU及びサーボモータ駆動回路を有するメインボードを用いる
請求項1に記載の数値制御装置用の基板接続体の製造方法
【請求項3】
前記第1プリント基板として、表示部と前記表示部を制御する制御部とが一体化された一体型の数値制御装置における、外部回路に接続されるインターフェース用コネクタを有するコネクタボードを用いる
請求項1又は2に記載の数値制御装置用の基板接続体の製造方法
【請求項4】
前記第2プリント基板として、表示部と前記表示部を制御する制御部とが分離された分離型の数値制御装置における前記制御部の一部を構成する、外部回路に接続されるインターフェース用コネクタを有するコネクタボードを用いる
請求項1又は2に記載の数値制御装置用の基板接続体の製造方法
【請求項5】
記第2プリント基板として、略矩形の第2プリント基板を用い
前記共通プリント基板として略矩形であり、その長辺の長さが、前記第2プリント基板の短辺の長さに略等しい共通プリント基板を用いる
請求項4に記載の数値制御装置用の基板接続体の製造方法
【請求項6】
前記共通プリント基板として、矩形の共通プリント基板を用い
前記第1プリント基板が略L字形を呈し、前記共通プリント基板と前記第1プリント基板と、これらで略矩形を形成するように接続する
請求項3に記載の数値制御装置用の基板接続体の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御装置に関し、詳細には、プリント基板を有する数値制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機器を制御する制御基板は、その仕様に応じてそれぞれ専用の基板が用意されるのが一般的である。これに対して、専用の基板を用意することを回避するために、複数種類の標準的な分割基板を用意しておき、それらを要求仕様に応じた組み合わせで分割基板間にスペーサを挟んで既定形状の筐体内に固定し、上記専用の基板同様の仕様を充足できるようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、複数の制御対象機器に共通の共通基板と、制御対象機器毎の仕様に応じた個別基板とを、同一平面上に配置する構造が開示されている。
【0003】
一方、一の標準化された寸法の基板と他の標準化された寸法の基板とが一平面内でコネクタにより接続されると、その基板接続体が、更に他の標準化された基板の寸法に合致するように設計する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、メインボードである第1の基板に付加的なスロットが必要な場合、スロットを有する第2の基板を拡張基板として追加可能である旨開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−246754号公報
【特許文献2】特開2002−314215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、数値制御装置のような装置ではマンマシンインタフェース部を構成する表示装置の部分についても、機種に応じて種々の態様を採る。一つの大別方法として、表示部と制御部とが一体化された一体型と称されるタイプのものと、表示部と制御部とが分離された分離型と称されるタイプのものとがある。これらは何れのタイプを採るかによって、プリント基板の形態は異なる。
【0006】
詳細には、上記何れのタイプを採るかに応じて、個々のプリント基板の仕様や複数のプリント基板の組合わせ方は異なる。このような場合、少なくとも特定のプリント基板について仕様の共通化を図ることができれば、数値制御装置の品質を向上し、コストを低減することが出来る。
【0007】
しかしながら、形状(寸法を含む)、コネクタの形態及び配置の何れにおいても、少なくとも特定のプリント基板について仕様の共通化を図り、且つ、当該特定のプリント基板と他のプリント基板とを接続して一つの基板接続体を簡易に構成することは、上述の両特許文献の技術をそのまま適用しても具体的な解決策が導かれるわけではない。
【0008】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、少なくとも特定のプリント基板について仕様の共通化を図り、且つ、当該特定のプリント基板と他のプリント基板とを接続して一つの基板接続体を簡易に構成することができる数値制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の数値制御装置は、特定の共通プリント基板(例えば、後述する共通プリント基板21)を備え、前記共通プリント基板が仕様の異なる数値制御装置に対して共通に適用され得る数値制御装置であって、前記共通プリント基板は、所定の第1プリント基板(例えば、後述する第1プリント基板22)と平面的に並置された状態でコネクタ(例えば、後述するコネクタ30)を介して接続されて第1の基板接続体(例えば、後述する第1の基板接続体20)を構成した場合に、前記第1の基板接続体が既定の第1の外形の条件を満たす第1の接続形態を形成し、且つ、前記第1プリント基板とは異なる形態の所定の第2プリント基板(例えば、後述する第2プリント基板25)と平面的に並置された状態でコネクタ(例えば、後述するコネクタ30)を介して接続されて第2の基板接続体(例えば、後述する第2の基板接続体20b)を構成した場合に、当該第2の基板接続体が既定の第2の外形の条件を満たす第2の接続形態を形成するような、自己の外形を有し、前記コネクタは、前記共通プリント基板側の第1コネクタ半体(例えば、後述する第1コネクタ半体31)と、該第1コネクタ半体に適合する第2コネクタ半体(例えば、後述する第2コネクタ半体32)を含んで構成されるものであり、前記第1コネクタ半体は、前記共通プリント基板に関する前記第1の接続形態及び前記第2の接続形態の何れの形態においても、前記共通プリント基板における同一位置に位置している。
【0010】
本発明の数値制御装置は、その一態様において、前記共通プリント基板は、数値制御用CPU及びサーボモータ駆動回路を有するメインボードである。
【0011】
本発明の数値制御装置は、その一態様において、前記第1プリント基板は、表示部と前記表示部を制御する制御部とが一体化された一体型の数値制御装置における、外部回路に接続されるインターフェース用コネクタを有するコネクタボードである。
【0012】
本発明の数値制御装置は、その一態様において、前記第2プリント基板は、表示部と前記表示部を制御する制御部とが分離された分離型の数値制御装置における前記制御部の一部を構成する、外部回路に接続されるインターフェース用コネクタを有するコネクタボードである。
【0013】
本発明の数値制御装置は、その一態様において、前記共通プリント基板及び前記第2プリント基板は略矩形であり、前記共通プリント基板は、その長辺の長さが、前記第2プリント基板の短辺の長さに略等しい。
【0014】
本発明の数値制御装置は、その一態様において、前記共通プリント基板は矩形であり、前記第1プリント基板が略L字形の場合に、前記第1の接続形態において、前記共通プリント基板と前記第1プリント基板とは、これらで略矩形を形成するように接続される、
請求項3に記載の数値制御装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、少なくとも特定のプリント基板について仕様の共通化を図り、且つ、当該特定のプリント基板と他のプリント基板とを接続して一つの基板接続体を簡易に構成することができる数値制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態としての数値制御装置における第1の基板接続体の一態様を示す概略構成図である。
図2図1の数値制御装置における第1の基板接続体と表示器側基板との間の一つの接続態様を示す側面図である。
図3】本発明の一実施形態としての数値制御装置における第1の基板接続体の別態様を示す概略構成図である。
図4図3の数値制御装置における第1の基板接続体と表示器側基板との間の一つの接続態様を示す側面図である。
図5】本発明の他の実施形態としての数値制御装置における第2の基板接続体を示す概略構成図である。
図6図5の数値制御装置における第2の基板接続体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態としての数値制御装置における第1の基板接続体の一態様について説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての数値制御装置における第1の基板接続体の一態様を示す概略構成図であり、特に、数値制御装置における表示装置1を背面側から見た図である。図2は、図1の数値制御装置における第1の基板接続体と表示器側基板との間の一つの接続態様を示す側面図である。尚、図2では接続態様を示すことを主眼としているため、基板上の実装部品については図示を省略している。
【0018】
一実施形態としての数値制御装置は、表示器10及び第1の基板接続体20を有する表示装置1を備える。第1の基板接続体20は、共通プリント基板21と第1プリント基板22との2枚のプリント基板の接続体である。第1の基板接続体20は、表示器10の表示面と反対側の背面側に配置される。
表示器10も、外部からの信号に基づいてLCD等の表示素子を駆動する表示器基板11を背面側に有している。
【0019】
共通プリント基板21と第1プリント基板22とは、平面的に並置された状態で、コネクタ30で接続されて第1の基板接続体20を構成している。本明細書において、「平面的に並置される」とは、図1及び図2に示すような表示器10に対する背面視で重ならない態様に制限されず、部分的に若干の重なりはあるが、大部分は重ならない態様を含む意味である。
【0020】
本例における共通プリント基板21は、制御対象であるサーボ機構の制御を行うための回路基板であるサーボカード41及びCPUカード42が搭載された所謂メインボードであり、異なる仕様の数値制御装置に共通に適用される特定のプリント基板である。
第1プリント基板22は、上述の共通プリント基板21とコネクタ30で接続されて第1の基板接続体20を構成する構成要素としての所定のプリント基板である。第1プリント基板22には、SDカードスロット、USBインタフェース、等が実装される他、ソフトキー、タッチパネルに係る機能部等が集約的に設けられている。
【0021】
図1の例における第1プリント基板22は、外部回路に接続されるインターフェース用コネクタ230を有する。第1プリント基板22は、グラフィックコントロール機能部を搭載した第1形態のコネクタボードであり、且つ、所謂グラフィックボードである。第1プリント基板22は電源部71を有する。
【0022】
コネクタ30は、共通プリント基板21側の第1コネクタ半体31と、第1コネクタ半体31に適合する第2コネクタ半体32とを含んで構成される。後述するように、第1コネクタ半体31は、共通プリント基板21に対して第1プリント基板22とは異なる形態の第2プリント基板25が接続されて、第1の基板接続体20とは異なる既定の第2の基板接続体20bが構成される場合においても、共通プリント基板21における同一位置に位置するように配置されている。
【0023】
図1におけるように、第1プリント基板22は、平面形状において、略L字形をなしている。略L字形の第1プリント基板22は、矩形形状の一つの角部に切欠き状部NPが形成された形態を有する。切欠き状部NPは、共通プリント基板21よりも若干大きい寸法で、長辺部221及び短辺部222を有する矩形となっている。
図示のように、共通プリント基板21は、上述のコネクタ30における第1コネクタ半体31と第2コネクタ半体32とが結合して電気的接触が確立する状態で、この切欠き状部NPに若干の間隙を有して収まるように配置される。
【0024】
共通プリント基板21は、図示のように、切欠き状部NPに配置された状態で、第1プリント基板22の切欠き状部NPにおける長辺部221に対向する自己の一方の長辺211と、これに対応する自己の他方の長辺212とを有する。また、共通プリント基板21は、切欠き状部NPにおける短辺部222に対向する自己の一方の短辺213と、これに対応する自己の他方の短辺214とを有する。
【0025】
即ち、共通プリント基板21は矩形であり、第1プリント基板22は略L字形である。また、共通プリント基板21及び第1プリント基板22が接続されて第1の基板接続体20が形成される第1の接続形態において、第1の基板接続体20における共通プリント基板21と第1プリント基板22とは、これらで略矩形を形成する。第1の基板接続体20の外形寸法は、8.4インチサイズの表示器10の裏面側に配置するのに適合する。
【0026】
図2に示されるように、第1プリント基板22と既述の表示器基板11とは、コネクタ60で接続される。コネクタ60は、第1プリント基板22の表示器基板11への対向面に設けられたプリント基板側コネクタ半体61と、表示器基板11の第1プリント基板22への対向面に設けられた表示器側コネクタ半体62とによって構成される。
第1の基板接続体20と表示器10(表示器基板11)とは、コネクタ60を通して信号の授受や電源の供給を行い、これにより、表示器10では、仕様に相応した種々の表示が行われる。
尚、第1の基板接続体20に配されたデバイスから発生する熱を冷却するための第1冷却ファン51及び第2冷却ファン52が、適宜の支持部材によって設けられる。
【0027】
次に、図3及び図4を参照して、本発明の一実施形態の変形例としての数値制御装置について説明する
図3は、本発明の一実施形態の数値制御装置における第1の基板接続体の別態様を示す概略構成図である。図4は、図3の数値制御装置における一つの基板接続体と表示器側基板との間の一つの接続態様を示す側面図である。
図3及び図4において、既述の図1及び図2との対応部は同一の符号を付して示し、それら各部の説明は適宜省略する。図3では接続態様を示すことを主眼としているため、基板上の実装部品については図示を省略している。
【0028】
尚、図3及び図4の実施形態において、共通プリント基板21と接続されるプリント基板は、図1及び図2の実施形態における第1プリント基板22とは若干異なるが、これに準ずるものである。このため、図3及び図4を参照して説明する実施形態においては、このプリント基板を「第1プリント基板22a」と称する。同様に、共通プリント基板21と第1プリント基板22aとが接続されて構成される基板接続体も、既述の第1の基板接続体20とは若干異なるが、「第1の基板接続体20a」と称する。
【0029】
共通プリント基板21と第1プリント基板22aとは、平面的に並置された状態で、コネクタ30で接続されて、第1の基板接続体20aを構成している。第1の基板接続体20aは、表示装置1のLCD等を有する表示器10の表示面と反対側の背面側に、配置される。表示器10も、外部からの信号に基づいてLCD等の表示素子を駆動する表示器基板11を背面側に有している。
【0030】
共通プリント基板21は、図1を参照して既述の通り、制御対象であるサーボ機構の制御を行うための回路基板であるサーボカード41及びCPUカード42が搭載され、異なる仕様の数値制御装置に共通に適用される特定のプリント基板である。
第1プリント基板22aは、特定のプリント基板としての共通プリント基板21とコネクタ30で接続されて基板接続体20を構成する構成要素としての所定のプリント基板である。
【0031】
図3の例における第1プリント基板22aは、第1プリント基板22と同様に、外部回路に接続されるインターフェース用コネクタ230を有するが、グラフィックコントロール機能部は搭載していない。即ち、本例の第1プリント基板22aは、所謂グラフィックボードに該当する機能部を有しないコネクタボードである。尚、第1プリント基板22aも、第1プリント基板22と同様に、電源部71を有する。
一方、コネクタ30は、既述のものと同様であり、共通プリント基板21側の第1コネクタ半体31と、第1コネクタ半体31に適合する第2コネクタ半体32とを含んで構成される。
【0032】
図3に示すように、第1プリント基板22aは、平面形状において、表示器10の長辺方向に自己の長手方向が一致して全体として矩形をなし、図1の第1プリント基板22のような切欠き状部NPを有しない。即ち、第1プリント基板22aは、表示器10の長辺方向に平行な一方の長辺231及び他方の長辺232と、これらの長辺231及び232と直角をなす一方の短辺241及び他方の短辺242とを有する。
【0033】
図示のように、共通プリント基板21は、上述のコネクタ30における第1コネクタ半体31と第2コネクタ半体32とが結合して電気的接触が確立する状態で、次のような配置をとる。即ち、共通プリント基板21の一方の長辺211が第1プリント基板22aの一方の長辺231に部分的に近接して対向し、且つ、共通プリント基板21の他方の短辺214と第1プリント基板22aの他方の短辺242とが一直線上に揃う位置関係で配置される。
【0034】
共通プリント基板21と第1プリント基板22aとの接続体である第1の基板接続体20aは、その外形寸法が、8.4インチサイズの表示器10の裏面側に配置するのに適合する。
【0035】
図4に示されたように、プリント基板側コネクタ半体61と表示器側コネクタ半体62とによって構成されるコネクタ60によって、第1の基板接続体20a側と表示器10(表示器基板11)側とが接続される構成は、図2を参照して既述の構成と同様であり、従って、作用についても同様である。
また、第1の基板接続体20aに配されたデバイスから発生する熱を冷却するための第1冷却ファン51及び第2冷却ファン52が、適宜の支持部材によって設けられる点も、図1におけると同様である。
【0036】
図1から図4を参照して説明した実施形態における第1プリント基板22及び22aは、表示部とこの表示部を制御する制御部とが一体化された一体型の数値制御装置に適用されるものであり、既述のように外部回路に接続されるインターフェース用コネクタ230を有するコネクタボードである。
【0037】
次に、図5及び図6を参照して、本発明の他の実施形態としての数値制御装置について説明する。
図5は、本発明の他の実施形態としての数値制御装置における第2の基板接続体を示す概略構成図である。図6は、図5の数値制御装置における第2の基板接続体の側面図である。図6では接続態様を示すことを主眼としているため、基板上の実装部品については図示を省略している。
図5及び図6において、既述の図1及び図2との対応部は同一の符号を付して示し、個々の説明は適宜省略する。
【0038】
図5及び図6における第2の基板接続体20bは、共通プリント基板21と第2プリント基板25とが、平面的に並置された状態で、コネクタ30で接続されて構成されている。第2プリント基板25は、既述の第1プリント基板22とは異なる形態のプリント基板であり、従って、第2の基板接続体20bは、第1の基板接続体20とは異なる形態の基板接続体である。
共通プリント基板21は、既述のものと同様の構成を有している。即ち、制御対象であるサーボ機構の制御を行うための回路基板であるサーボカード41及びCPUカード42が搭載され、異なる仕様の数値制御装置に共通に適用される特定のプリント基板である。
【0039】
第2プリント基板25は、特定のプリント基板としての共通プリント基板21とコネクタ30で接続されて第2の基板接続体20bを構成する構成要素としての所定のプリント基板である。
第2プリント基板25は、表示部と前記表示部を制御する制御部とが分離された分離型の数値制御装置における制御部の一部を構成するものであり、外部回路に接続されるインターフェース用コネクタ230を有するコネクタボードである。第2プリント基板25は電源部71を有する。
【0040】
コネクタ30は、図1及び図3におけるコネクタ30と同様のものであり、第1コネクタ半体31と第2コネクタ半体32を含んで構成される。
特に本実施形態おいては、第1コネクタ半体31は、共通プリント基板21に対して既述の第1プリント基板22とは異なる第2プリント基板25が接続されて、既述の第1の基板接続体20とは異なる第2の基板接続体20bが構成される場合においても、共通プリント基板21における同一位置に位置するように配置されている。
【0041】
図5におけるように、第2プリント基板25は、平面形状において、全体として矩形をなしている。第2プリント基板25は、共通プリント基板21と接続されて第2の基板接続体20bが構成されたときに、共通プリント基板21の一方の長辺211に近接して対向する一方の短辺251、一方の短辺251に対応する他方の短辺252、これらの短辺251及び252と直角をなす一方の長辺253、長辺253に対応する他方の長辺254の、4辺を有する。
【0042】
図示のように、共通プリント基板21は、上述のコネクタ30における第1コネクタ半体31と第2コネクタ半体32とが結合して電気的接触が確立する状態で、自己の一方の短辺213が第2プリント基板25の一方の長辺253と一直線上に揃い、且つ、自己の他方の短辺214が第2プリント基板25の他方の長辺254と一直線上に揃って、基板接続体20bを構成する。
【0043】
即ち、共通プリント基板21及び第2プリント基板25は略矩形であり、共通プリント基板21の長辺211、212の長さは、第2プリント基板25の短辺251,251の長さに略等しい
【0044】
共通プリント基板21と第2プリント基板25とによる第2の基板接続体20bは、その平面形状が全体として矩形をなし、その外形寸法が、8.4インチサイズの筐体に適合する。
尚、第2の基板接続体20bに配されたデバイスから発生する熱を冷却するための既述の第1冷却ファン51が、適宜の支持部材によって設けられる。
【0045】
以上、各実施形態についての詳述から明らかな通り、本発明によれば、少なくとも特定のプリント基板(上述の実施形態では、共通プリント基板21)について、その形状(寸法を含む)、及び、コネクタの型式と配置等の仕様の共通化を図り、且つ、当該特定のプリント基板(共通プリント基板21)と他のプリント基板(上述の実施形態では、第1プリント基板22、第1プリント基板22a、第2プリント基板25)とを接続して一つの基板接続体(上述の実施形態では、第1の基板接続体20、20a、20b)を簡易に構成することができる数値制御装置が実現される。
【0046】
尚、本発明は既述の実施形態には限定されるものではなく、種々、変形変更して実施可能である。例えば、上述の実施形態では、第1プリント基板22が一つの所謂グラフィックボードとして機能する場合について説明したが、これに制限されず、第1プリント基板22として多種の機能のものを準備してもよい。その他、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
20、20a 第1の基板接続体
20b 第2の基板接続体
21 共通プリント基板
22 第1プリント基板
25 第2プリント基板
30 コネクタ
31 第1コネクタ半体
32 第2コネクタ半体
230 インターフェース用コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6