(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のサブブロックの各前記サブ回路体は、それぞれ、機器と接続された複数の配索材を含んで構成される相互に異なるサブハーネスと前記複数の配索材を介して接続され、
前記サブハーネスは、前記複数の配索材の端末が前記複数のサブブロックのうちの1つの前記サブブロックに組み付けられ他の前記サブブロックには組み付けられていない、
請求項1に記載の電気接続箱。
各前記サブブロックに組み付けられた前記複数の電子部品は、それぞれ、前記サブ回路体が構成する回路系統に過電流が流れたときに可溶体が溶断することで当該回路系統を保護する回路保護部品、及び、前記サブ回路体が構成する回路系統の通電状態と非通電状態とを切り替える回路切り替え部品を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気接続箱。
内部に収容空間部が設けられた筐体、前記収容空間部に収容され、電源から電力が供給される電源供給回路体が設けられた電源ブロック、及び、それぞれに複数の電子部品が組み付けられて前記収容空間部に収容され、前記電源供給回路体及び前記複数の電子部品と接続されたサブ回路体が設けられ、前記収容空間部内においてそれぞれの前記サブ回路体が前記電源供給回路体との接続部分から前記電子部品側で相互に独立した回路系統を形成する複数のサブブロックを含んで構成される電気接続箱と、
それぞれ、前記複数のサブブロックのうちの相互に異なる1つの前記サブ回路体と機器とに接続された配索材を含んで構成される複数のサブハーネスとを備え、
前記電源ブロックは、柱状に形成された接続突状部が形成されており、
前記サブブロックは、前記接続突状部が嵌合可能な形状の凹部として接続嵌合部が形成されており、
前記電気接続箱は、前記サブブロックの前記接続嵌合部内に前記電源ブロックの前記接続突状部が嵌合される位置関係で当該サブブロックと当該電源ブロックとが相互に組み付けられ、前記サブ回路体と前記電源供給回路体とが電気的に接続され、
前記サブハーネスは、複数の前記配索材の端末が前記複数のサブブロックのうちの1つの前記サブブロックに組み付けられ他の前記サブブロックには組み付けられていないことを特徴とする、
ワイヤハーネス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の電気配線ブロックは、例えば、各部の組み付け作業性の向上の点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、組み付け作業性を向上することができる電気接続箱、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、内部に収容空間部が設けられた筐体と、前記収容空間部に収容され、電源から電力が供給される電源供給回路体が設けられた電源ブロックと、それぞれに複数の電子部品が組み付けられて前記収容空間部に収容され、前記電源供給回路体及び前記複数の電子部品と接続されたサブ回路体が設けられ、前記収容空間部内においてそれぞれの前記サブ回路体が前記電源供給回路体との接続部分から前記電子部品側で相互に独立した回路系統を形成する複数のサブブロックとを備え
、前記電源ブロックは、柱状に形成された接続突状部が形成されており、前記サブブロックは、前記接続突状部が嵌合可能な形状の凹部として接続嵌合部が形成されており、前記サブブロックの前記接続嵌合部内に前記電源ブロックの前記接続突状部が嵌合される位置関係で当該サブブロックと当該電源ブロックとが相互に組み付けられ、前記サブ回路体と前記電源供給回路体とが電気的に接続されることを特徴とする。
【0007】
また、上記電気接続箱では、前記複数のサブブロックの各前記サブ回路体は、それぞれ、機器と接続された複数の配索材を含んで構成される相互に異なるサブハーネスと前記複数の配索材を介して接続され、前記サブハーネスは、前記複数の配索材の端末が前記複数のサブブロックのうちの1つの前記サブブロックに組み付けられ他の前記サブブロックには組み付けられていないものとすることができる。
【0008】
また、上記電気接続箱では、前記複数のサブブロックの各前記サブ回路体は、前記収容空間部内において前記電源供給回路体のみで相互に接続されるものとすることができる。
【0009】
また、上記電気接続箱では、各前記サブブロックに組み付けられた前記複数の電子部品は、それぞれ、前記サブ回路体が構成する回路系統に過電流が流れたときに可溶体が溶断することで当該回路系統を保護する回路保護部品、及び、前記サブ回路体が構成する回路系統の通電状態と非通電状態とを切り替える回路切り替え部品を含むものとすることができる。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、内部に収容空間部が設けられた筐体、前記収容空間部に収容され、電源から電力が供給される電源供給回路体が設けられた電源ブロック、及び、それぞれに複数の電子部品が組み付けられて前記収容空間部に収容され、前記電源供給回路体及び前記複数の電子部品と接続されたサブ回路体が設けられ、前記収容空間部内においてそれぞれの前記サブ回路体が前記電源供給回路体との接続部分から前記電子部品側で相互に独立した回路系統を形成する複数のサブブロックを含んで構成される電気接続箱と、それぞれ、前記複数のサブブロックのうちの相互に異なる1つの前記サブ回路体と機器とに接続された配索材を含んで構成される複数のサブハーネスとを備え、
前記電源ブロックは、柱状に形成された接続突状部が形成されており、前記サブブロックは、前記接続突状部が嵌合可能な形状の凹部として接続嵌合部が形成されており、前記電気接続箱は、前記サブブロックの前記接続嵌合部内に前記電源ブロックの前記接続突状部が嵌合される位置関係で当該サブブロックと当該電源ブロックとが相互に組み付けられ、前記サブ回路体と前記電源供給回路体とが電気的に接続され、前記サブハーネスは、複数の前記配索材の端末が前記複数のサブブロックのうちの1つの前記サブブロックに組み付けられ他の前記サブブロックには組み付けられていないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、複数のサブブロックにそれぞれ設けられたサブ回路体が収容空間部内において電源供給回路体との接続部分から電子部品側で相互に独立した回路系統を形成する。この構成により、電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、例えば、収容空間部内において、複数のサブブロックの各サブ回路体を電源供給回路体以外で相互に接続する必要がないので、組み付け作業性を向上することができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「積層方向X」といい、第2方向を「第1幅方向Y」といい、第3方向を「第2幅方向Z」という。ここでは、積層方向Xと第1幅方向Yと第2幅方向Zとは、相互に直交する。以下の説明では、積層方向Xにおいて後述のアッパカバー23が設けられる側を上側、後述のロアカバー22が設けられる側を下側という場合がある。また、典型的には、第1幅方向Yは、後述する筐体2の長辺方向に相当し、第2幅方向Zは、筐体2の短辺方向に相当する。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、電気接続箱1の各部が相互に組み付けられ、当該電気接続箱1が車両に搭載された状態での方向として説明する。
【0015】
[実施形態]
図1、
図2、
図3に示す本実施形態に係る電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤハーネスWHに組み込まれる。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各機器D間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタCO等で複数の配索材Wを各機器Dに接続するようにしたものである。本実施形態のワイヤハーネスWHは、電気接続箱1と、複数のサブハーネスSHとを備え、電気接続箱1を構成するサブブロック4とサブハーネスSHとが1対1の関係となるようにサブブロック4とサブハーネスSHとが相互に組み付けられることで、各部の組み付け作業性の向上を図ったものである。なお、ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。以下、各図を参照して、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHの各構成について具体的に説明する。
【0016】
電気接続箱1は、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット等の電子部品5を集約して内部に収容するものである。電気接続箱1は、例えば、車両のエンジンルームや車両室内に設置され、バッテリや発電機等の電源Pと、車両内に搭載される各種機器Dとの間に接続されている。電気接続箱1は、電源Pから供給された電力を車両内の各種機器Dに分配する。電気接続箱1は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。
【0017】
具体的には、電気接続箱1は、筐体2と、電源ブロック3と、複数のサブブロック4と、電子部品5(
図2、
図3には図示省略)とを備える。電気接続箱1は、筐体2の内部に設けられる収容空間部24に、電源ブロック3や電子部品5が組み付けられたサブブロック4が収容される。
【0018】
筐体2は、内部に設けられた収容空間部24に電源ブロック3や電子部品5が組み付けられたサブブロック4を収容するものである。筐体2は、筐体本体としてのフレーム21、底部材としてのロアカバー22、及び、蓋部材としてのアッパカバー23(
図2に二点鎖線で省略して図示)を含んで構成される。筐体2は、フレーム21、ロアカバー22、及び、アッパカバー23が分割された3層分割構造となっている。フレーム21、ロアカバー22、及び、アッパカバー23は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。フレーム21は、収容空間部24を形成する主たる部材である。フレーム21は、積層方向Xの両側に開口を有する筒枠状に形成される。ロアカバー22は、フレーム21の積層方向Xの下側の開口を塞ぐ皿状(トレイ状)の部材である。アッパカバー23は、フレーム21の積層方向Zの上側の開口を塞ぐ蓋状の部材である。筐体2は、フレーム21の積層方向Xの下側の開口とロアカバー22とが対向し、フレーム21の積層方向Xの上側の開口とアッパカバー23とが対向するようにして、ロアカバー22がフレーム21の積層方向Xの下側に組み付けられアッパカバー23がフレーム21の積層方向Xの上側に組み付けられる。筐体2は、フレーム21に対して、種々の形式の係止機構を介して、アッパカバー23、ロアカバー22が係止され、フレーム21、ロアカバー22、及び、アッパカバー23が組み合わさって全体として中空箱状に形成される。筐体2は、中空箱状の内部空間部が収容空間部24を構成する。収容空間部24は、フレーム21、ロアカバー22、及び、アッパカバー23によって区画され、当該フレーム21、ロアカバー22、及び、アッパカバー23によって囲われた空間である。筐体2は、この収容空間部24内に電源ブロック3やサブブロック4が設けられる。電源ブロック3、サブブロック4は、収容空間部24内にフレーム21と一体的に形成される種々の形状の区画壁25やフレーム21の内壁面に対して種々の形式の係止機構等を介して着脱可能に組み付けられる。また、筐体2は、当該筐体2の内外、言い換えれば、収容空間部24の内外を連通する挿通口26を有する。挿通口26は、配索材Wを筐体2の内外、言い換えれば、収容空間部24の内外に渡って挿通させるための開口である。筐体2は、配索材Wが当該挿通口26を介して収容空間部24の内外に渡って挿通され、各部に電気的に接続される。
【0019】
電源ブロック3は、収容空間部24に収容され、電源供給回路体31が設けられるものである。電源ブロック3は、絶縁性の合成樹脂によって形成され、電源供給回路体31を保持する。ここでは、電源ブロック3は、全体として、第1幅方向Yに沿った方向が長辺、第2幅方向Zに沿った方向が短辺となる略L字型形状に形成される。電源ブロック3は、接続突状部3aが複数形成されている。各接続突状部3aは、サブブロック4が組み付けられる部分である。各接続突状部3aは、積層方向Xに沿って略矩形柱状に形成され、積層方向Xの上側端部に後述するサブ回路体41の電源ブロック接続タブ41aが挿入される挿入孔が形成される。
【0020】
電源供給回路体31は、電源Pが電気的に接続され当該電源Pから電力が供給されるものである。電源供給回路体31は、要求される電力供給回路を構成する種々の導電体を含んで構成される。ここでは、電源供給回路体31は、
図4に例示するいわゆるバスバ31A、31B等を含んで構成される。バスバ31A、31Bは、例えば、導電性の金属材料によって形成され、例えば、相互に異なる別系統の電力供給回路の一部を構成する。バスバ31A、31Bは、例えば、板状に形成された導電性の金属材料がプレス加工されることで要求される電力供給回路に対応した形状に形成される。バスバ31Aは、例えば、電源Pとして、オルタネータ等の発電機が電気的に接続され、当該発電機からの電力が供給される。一方、バスバ31Bは、例えば、電源Pとして、バッテリが電気的に接続され、当該バッテリからの電力が供給される。バスバ31A、31Bは、電源用接続タブ31a、及び、複数のサブブロック接続タブ31bを含んで構成される。電源用接続タブ31aは、電源Pから配索される配索材Wが電気的に接続される部分である。サブブロック接続タブ31bは、後述するサブ回路体41が電気的に接続される部分である。
【0021】
電源ブロック3は、内部に電源供給回路体31を構成するバスバ31A、31Bがインサート成形されてもよいし後付けで組み付けられてもよい。バスバ31A、31Bは、電源ブロック3に設けられた状態で各サブブロック接続タブ31bがそれぞれ接続突状部3a内に位置するように当該電源ブロック3に組み付けられる。また、電源ブロック3は、当該各接続突状部3a内にそれぞれ中継端子6も内蔵される。中継端子6は、サブブロック接続タブ31bと後述するサブ回路体41の電源ブロック接続タブ41aとを電気的に接続するものであり、例えば、いわゆるメスメス中継端子が用いられる。中継端子6は、例えば、各サブブロック接続タブ31bに装着された状態でバスバ31A、31Bと共に電源ブロック3にインサート成形されてもよいし後付けで組み付けられてもよい。なお、電源供給回路体31は、バスバ31A、31B以外にも、例えば、電源ブロック3内で完結する電線等の回路体を含んで構成されてもよい。
【0022】
サブブロック4は、それぞれに複数の電子部品5が組み付けられて収容空間部24に収容され、サブ回路体41が設けられるものである。サブブロック4は、絶縁性の合成樹脂によって形成され、サブ回路体41を保持するものである。サブブロック4は、収容空間部24に複数設けられ、それぞれ複数の電子部品5が組み付けられると共にサブ回路体41が設けられる。
図1、
図2、
図3では、サブブロック4は、一例として、サブブロック4A、4B、4C、4D、4E、4Fの合計6つが図示されている。サブブロック4A、4B、4C、4D、4E、4Fは、形状、大きさ等が相互に異なるものの、複数の電子部品5、サブ回路体41が設けられると共にキャビティ4a、及び、接続嵌合部4b(
図6参照)が設けられる点では共通の構成である。以下の説明では、サブブロック4A、4B、4C、4D、4E、4Fを特に区別して説明する必要がない場合には、単にサブブロック4という場合がある。キャビティ4aは、各サブブロック4において電子部品5が設けられる嵌合孔であり、複数形成される。電子部品5は、キャビティ4a内に組み付けられる。電子部品5は、例えば、配索材W等が電気的に接続され筐体2の内部の収容空間部24に収容されたサブブロック4に対して組み付けられるものである。電子部品5は、例えば、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、これらをユニット化した電子部品ユニット等である。接続嵌合部4b(
図6参照)は、各サブブロック4において、電源ブロック3の接続突状部3aが組み付けられる部分である。接続嵌合部4bは、各サブブロック4の積層方向Xの下側の面に、それぞれ対応する接続突状部3aが嵌合可能な形状の凹部として形成される。
【0023】
サブ回路体41は、電源供給回路体31と電気的に接続され、当該電源供給回路体31を介して電源Pから供給された電力をサブブロック4に組み付けられた複数の電子部品5に分配し、ひいては後述の各機器Dに分配するものである。サブ回路体41は、電源供給回路体31と複数の電子部品5とを電気的に接続し、要求される電力分配回路を構成する種々の導電体を含んで構成される。ここでは、サブ回路体41は、
図5に例示するいわゆるバスバ41A等を含んで構成される。
図5は、複数のサブブロック4にそれぞれ設けられるサブ回路体41のうちの1つを例示している。バスバ41Aは、例えば、導電性の金属材料によって形成され、電力分配回路の一部を構成する。バスバ41Aは、例えば、板状に形成された導電性の金属材料がプレス加工されることで要求される電力分配回路に対応した形状に形成される。バスバ41Aは、電源ブロック接続タブ41a、及び、複数の部品接続タブ41bを含んで構成される。各サブブロック4にそれぞれ設けられる各バスバ41Aは、形状、大きさ等が相互に異なるものの、電源ブロック接続タブ41a、及び、複数の部品接続タブ41bが設けられる点では共通の構成である。電源ブロック接続タブ41aは、電源供給回路体31を構成するバスバ31A、31Bのサブブロック接続タブ31bが電気的に接続される部分である。ここでは、電源ブロック接続タブ41aは、中継端子6を介してサブブロック接続タブ31bが電気的に接続される。部品接続タブ41bは、電子部品5が電気的に接続される部分である。
【0024】
各サブブロック4は、内部にそれぞれサブ回路体41を構成するバスバ41A等がインサート成形されてもよいし後付けで組み付けられてもよい。各バスバ41Aは、各サブブロック4に設けられた状態で電源ブロック接続タブ41aが接続嵌合部4b内に露出し、各部品接続タブ41bが各キャビティ4a内に露出する位置関係となるように各サブブロック4に組み付けられる。
【0025】
各サブブロック4は、
図6に示すように、接続嵌合部4b内に電源ブロック3の接続突状部3aが嵌合されるような位置関係で電源ブロック3に組み付けられることで、バスバ41Aの電源ブロック接続タブ41aが各接続突状部3aに形成された挿入孔を介して中継端子6に挿入され電気的に接続される。この構成により、各サブブロック4は、各中継端子6を介して各バスバ41Aの電源ブロック接続タブ41aとバスバ31A、31Bのサブブロック接続タブ31bとが電気的に接続される。また、各サブブロック4は、各キャビティ4aに対して積層方向Xの上側から電子部品5が差し込まれ嵌合されることで、バスバ41Aの各部品接続タブ41bと各電子部品5とが電気的に接続される。以上の構成により、各サブブロック4を構成するサブ回路体41は、各サブブロック4において、電源供給回路体31を構成するバスバ31A、31B及び複数の電子部品5と電気的に接続される。
【0026】
そして、本実施形態の複数のサブブロック4は、収容空間部24内においてそれぞれのサブ回路体41が電源供給回路体31との接続部分、ここでは、電源ブロック接続タブ41aから電子部品5側で相互に独立した回路系統を形成している。言い換えれば、複数のサブブロック4の各サブ回路体41は、収容空間部24内において電源供給回路体31のみで相互に接続され、当該電源供給回路体31以外の部分では相互に接続されていない。さらに言えば、複数のサブブロック4は、収容空間部24内で異なるサブブロック4を跨いで各サブ回路体41を相互に電気的に接続する導電部材が電源供給回路体31のみであり、収容空間部24内において当該電源供給回路体31以外に異なるサブブロック4を跨いで各サブ回路体41を相互に電気的に接続する導電部材はない。なお、各サブ回路体41は、収容空間部24内においてそれぞれ電源供給回路体31との接続部分から電子部品5側で相互に独立した回路系統を形成していればよく、例えば、複数のバスバ41Aを含んで構成されていてもよい。また、各サブ回路体41は、例えば、同一のサブブロック4内で完結する電線(同一のサブブロック4に組み付けられた電子部品5に各端末が接続された電線)等の回路体を含んで構成されてもよい。
【0027】
そしてここでは、本実施形態の各サブブロック4に組み付けられた複数の電子部品5は、それぞれ、回路保護部品51、及び、回路切り替え部品52を含む。回路保護部品51は、各サブ回路体41が構成する回路系統に過電流が流れたときに可溶体が溶断することで当該回路系統を保護するものであり、例えば、ヒューズやヒュージブルリンク等である。回路切り替え部品52は、各サブ回路体41が構成する回路系統の通電状態と非通電状態とを切り替えるものであり、例えば、リレー等である。つまり、各サブブロック4は、各サブ回路体41によって、収容空間部24内においてそれぞれ電源供給回路体31との接続部分から電子部品5側で相互に独立した回路系統が形成され、当該回路系統に少なくとも回路保護部品51、及び、回路切り替え部品52が設けられている。
【0028】
サブハーネスSHは、電気接続箱1と各機器Dとを電気的に接続するものであり、複数設けられる。本実施形態の複数のサブハーネスSHは、それぞれ複数のサブブロック4のうちの相互に異なる1つのサブ回路体41と機器Dとに接続された導電性の複数の配索材Wを含んで構成される。言い換えれば、複数のサブブロック4の各サブ回路体41は、それぞれ、相互に異なるサブハーネスSHと複数の配索材Wを介して接続される。
【0029】
ここで、機器Dは、車両に搭載されるものであり、車両の製造時に当該車両に据え付けられるものであってもよいし、車両の製造後に後付けで車両に据え付けられるいわゆるアフター品等であってもよい。機器Dは、例えば、種々の検出機器、走行系/安全系アクチュエータ、マルチメディア/HMI系機器、照明装置、空調機器等を含んでいてもよい。また、サブハーネスSHを構成する配索材Wは、例えば、導電性の棒状部材の外側を絶縁性の被覆部によって覆った金属棒、複数の導電性の金属素線からなる導体部(芯線)の外側を絶縁性の被覆部によって覆った電線、当該電線を束ねた電線束、平面回路体(例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)やFFC(Flexible Flat Cable)等)等によって構成される。配索材Wは、端末に端子TE等が設けられる。端子TEは、配索材Wの端末に設けられた金属金具であり、導電性の金属材料によって形成される。配索材Wは、端子TE等を介してサブブロック4や各機器Dに電気的に接続される。各機器Dは、電源Pから供給された電力が電源ブロック3の電源供給回路体31、各サブブロック4のサブ回路体41、サブハーネスSHの配索材W等を介して、各サブブロック4のサブ回路体41ごとに独立した電力分配回路系統で分配される。なお、上述した電源ブロック3の電源供給回路体31に接続される配索材Wも当該サブハーネスSHを構成する配索材Wとほぼ同様である。
【0030】
より詳細には、サブハーネスSHは、典型的には、複数の配索材Wの端末に設けられた端子TEが複数のサブブロック4のうちの1つのサブブロック4に組み付けられ他のサブブロック4には組み付けられていない。サブハーネスSHは、例えば、複数の配索材Wに接続される機器Dの機能、システム、通信方式、電源方式、駆動電圧、設置エリア等に応じて任意のまとまりとして設定されればよい。いずれの場合でも、サブハーネスSHは、1つのサブブロック4に対して端子TEを介して組み付けられている複数の配索材Wが1つのサブハーネスSHのまとまりを構成することとなる。つまり、1つのサブブロック4と1つのサブハーネスSHとは、1対1の関係となる。さらに言えば、サブブロック4とサブハーネスSHとは、1つのサブブロック4に複数のサブハーネスSHが組み付けられることはなく、同様に、1つのサブハーネスSHが複数のサブブロック4に跨って組み付けられることもない。なお、複数のサブハーネスSHは、典型的には、機器Dに接続された配索材Wが電気接続箱1以外の機器(例えば、電気接続箱1の外部に設けられるECUや通信系の機器等)に共通で接続されることは許容される。
【0031】
本実施形態のサブハーネスSHは、6つのサブブロック4A、4B、4C、4D、4E、4Fに対応してサブハーネスSHA、SHB、・・・、SHFの合計6つが設けられる(
図1ではサブブロック4C、4D、4Eに対応するサブハーネスSHについては図示省略)。例えば、
図1の例では、サブハーネスSHAは、4本の配索材Wの一方の端末に設けられた端子TEがそれぞれサブブロック4Aに組み付けられ接続される。そして、サブハーネスSHAは、4本の配索材Wのうちの2本の他方の端末に設けられた端子TEがコネクタCOを介して機器DA1に接続され、他の2本の配索材Wの他方の端末に設けられた端子TEがコネクタCOを介して機器DA1とは異なる機器DA2に接続されている。また、サブハーネスSHBは、4本の配索材Wの一方の端末に設けられた端子TEがそれぞれサブブロック4Bに組み付けられ、4本の配索材Wの他方の端末に設けられた端子TEが全てコネクタCOを介して同一の機器DBに接続されている。また、サブハーネスSHFは、4本の配索材Wの一方の端末に設けられた端子TEがそれぞれサブブロック4Fに組み付けられ接続される。そして、サブハーネスSHFは、4本の配索材Wのうちの2本の他方の端末に設けられた端子TEがコネクタCOを介して機器DF1に接続され、他の2本の配索材Wの他方の端末に設けられた端子TEが分岐部JUに接続されている。そして、サブハーネスSHFは、さらに他の2本の配索材Wの一方の端末に設けられた端子TEがそれぞれ分岐部JUに接続され、他方の端末に設けられた端子TEがコネクタCOを介して機器DF1とは異なる機器DF2に接続されている。さらには、サブハーネスSHFは、さらに他の2本の配索材Wの一方の端末に設けられた端子TEがそれぞれ分岐部JUに接続され、他方の端末に設けられた端子TEがコネクタCOを介して機器DF1、DF2とは異なる機器DF3に接続されている。これらのサブハーネスSHA、SHB、SHFは、それぞれ複数のサブブロック4のうちの相互に異なる1つのサブ回路体41と機器Dとに接続された複数の配索材Wを含んで構成されたものである。なお、以下の説明では、サブハーネスSHA、SHB、・・・、SHFを特に区別して説明する必要がない場合には、単にサブハーネスSHという場合がある。
【0032】
上記のように構成されるワイヤハーネスWHは、例えば、各サブブロック4を筐体2に組み付ける前に、各サブブロック4の各キャビティ4aに対して、配索材Wの端末の端子TEが先嵌めされる。すなわち、ワイヤハーネスWHは、各サブブロック4が筐体2に組み付けられる前に、各サブブロック4の各キャビティ4aに対して、対応するサブハーネスSHの配索材Wの一方側の端子TE(機器Dが設けられる側とは反対側の端子TE)が一方側(筐体2に組み付けられた状態で積層方向Xの下側となる側)から差し込まれ嵌合される。この構成により、ワイヤハーネスWHは、各サブブロック4のサブ回路体41と、これに対応するサブハーネスSHの配索材Wとが端子TEを介して電気的に接続される。この状態で、各サブハーネスSHは、それぞれ配索材Wの一方の端末に、対応するサブブロック4が1つずつ組み付けられた状態となる。
【0033】
そして、ワイヤハーネスWHは、対応するサブブロック4とサブハーネスSHとが相互に組み付けられた状態で、当該サブブロック4が筐体2のフレーム21に対して積層方向Xの下側から嵌合され、収容空間部24内に、区画壁25やフレーム21の内壁面に対して種々の形式の係止機構等を介して着脱可能に組み付けられる。各サブブロック4は、各接続嵌合部4bが積層方向Xの下側を向くような位置関係でフレーム21に組み付けられる。このとき、ワイヤハーネスWHは、サブハーネスSHの各配索材Wを挿通口26等から収容空間部24外に導出しつつ、当該サブブロック4がフレーム21に組み付けられる。そして、電気接続箱1は、筐体2のフレーム21に対して積層方向Xの下側から電源ブロック3が嵌合され、収容空間部24内に、区画壁25やフレーム21の内壁面に対して種々の形式の係止機構等を介して着脱可能に組み付けられる。電源ブロック3は、各接続突状部3aが積層方向Xの上側を向くような位置関係でフレーム21に組み付けられる。このとき、ワイヤハーネスWHは、サブハーネスSHの各配索材Wを電源ブロック3の脇を通すようにして当該電源ブロック3がフレーム21に組み付けられる。またこのとき、電気接続箱1は、
図6に示すように、各サブブロック4の接続嵌合部4b内に電源ブロック3の接続突状部3aが嵌合されるような位置関係で各サブブロック4と電源ブロック3とが相互に組み付けられる。この構成により、電気接続箱1は、各サブブロック4のサブ回路体41を構成するバスバ41Aの各電源ブロック接続タブ41aと、電源ブロック3の電源供給回路体31を構成するバスバ31A、31Bのサブブロック接続タブ31bとが各中継端子6を介して電気的に接続される。
【0034】
そして、電気接続箱1は、各サブブロック4の各キャビティ4aに対して他方側(筐体2に組み付けられた状態で積層方向Xの上側となる側)から電子部品5が差し込まれ嵌合される。この構成により、電気接続箱1は、各サブブロック4のサブ回路体41を構成するバスバ41Aの各部品接続タブ41bと各電子部品5とが電気的に接続される。
【0035】
そして、ワイヤハーネスWHは、電源ブロック3の電源供給回路体31を構成するバスバ31A、31Bの電源用接続タブ31aに電源Pから配索される配索材Wが電気的に接続される。この結果、ワイヤハーネスWHは、電源Pから供給された電力が、電源ブロック3の電源供給回路体31、各サブブロック4のサブ回路体41、サブハーネスSHの配索材W等を介して、各サブブロック4、各サブハーネスSHで独立した電力分配回路系統で各機器Dに分配される。
【0036】
以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、複数のサブブロック4にそれぞれ設けられたサブ回路体41が収容空間部24内において電源供給回路体31との接続部分から電子部品5側で相互に独立した回路系統を形成する。ここでは、複数のサブブロック4の各サブ回路体41は、収容空間部24内において電源供給回路体31のみで相互に接続される。この構成により、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、例えば、収容空間部24内において、複数のサブブロック4の各サブ回路体41を電源供給回路体31以外で相互に接続する必要がなく、例えば、収容空間部24内で異なるサブブロック4同士を跨いで接続される電線等を組み付ける必要がない。この結果、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、各部の組み付け作業性を向上することができる。またこの構成により、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、例えば、筐体2の収容空間部24内に配索する電線等の量を極力抑制することができるので、収容空間部24における収納性能を向上することができ、言い換えれば、外形の大型化を抑制することができる。
【0037】
さらに、以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、複数のサブブロック4の各サブ回路体41がそれぞれ相互に異なるサブハーネスSHと複数の配索材Wを介して接続され、各サブハーネスSHにおいて複数の配索材Wの端末が複数のサブブロック4のうちの1つのサブブロック4に組み付けられ他のサブブロック4には組み付けられていない。この構成により、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、対応するサブブロック4とサブハーネスSHとが配索材Wを介して相互に組み付けられた状態、すなわち、配索材Wの端末がサブブロック4に先嵌めされた状態で、各サブブロック4を筐体2の収容空間部24に設けることができる。この結果、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、各サブブロック4を筐体2の収容空間部24に設けた後に配索材Wの端末を各サブブロック4に組み付ける作業、いわゆる後嵌めの作業を極力削減することができるので、この点でも組み付け作業性を向上することができる。
【0038】
さらに、以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、各サブブロック4に組み付けられた複数の電子部品5として、それぞれ、回路保護部品51、及び、回路切り替え部品52を含む。この構成により、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、各サブブロック4に対応するサブハーネスSHに接続された機器Dに対する回路保護部品51、及び、回路切り替え部品52を1つの共通のサブブロック4に組み付けることができる。言い換えれば、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、1つのサブハーネスSHに接続された機器Dに対する回路保護部品51、及び、回路切り替え部品52を組み付けるためのブロックを1つのサブブロック4で兼用することができる。この結果、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、例えば、1つのサブハーネスSHに対する電力分配回路系統を1つのサブブロック4で完結することができるので、この点でも組み付け作業性を向上することができる。
【0039】
なお、上述した本発明の実施形態に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0040】
以上で説明した筐体2は、フレーム21、ロアカバー22、及び、アッパカバー23が分割された3層分割構造となっているものとして説明したがこれに限らず、例えば、フレーム21とロアカバー22とが一体であってもよい。
【0041】
以上の説明では、各サブブロック4に組み付けられた複数の電子部品5は、それぞれ、回路保護部品51、及び、回路切り替え部品52を含むものとして説明したがこれに限らない。