(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明において、同様の参照文字は、図面に示される幾つかの図全体を通じて、同様のまたは対応する部分を示す。特に明記されない限り、「上部」、「底部」、「外側」、「内側」などの用語は、便宜のための言葉であって、限定的な用語として解釈されるべきではないことも理解されたい。さらに、ある群が、複数の要素およびそれらの組み合わせの群のうちの少なくとも1つを含むと記載される場合には常に、当該群は、個別にまたはお互いとの組み合わせのいずれかにおいて、任意の数のこれらの列挙される要素を含み得るか、から実質的になり得るか、またはからなり得ることは理解されたい。
【0014】
同様に、ある群が、複数の要素およびその組み合わせの群の少なくとも1つからなると記載されている場合は常に、当該群は、個々にまたはお互いとの組み合わせのいずれかにおいて、任意の数のこれらの列記された要素からなり得ることは理解されたい。特に明記されない限り、数値の範囲は、列記される場合、当該範囲の上限および下限の両方を含む。本明細書において使用される場合、特に明記されない限り、不定冠詞「a」および「an」、ならびに対応する定冠詞「the」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。
【0015】
可能な教示および現時点で分かっているその最良の実施形態として、本開示の以下の説明を提供する。当業者は、本明細書において説明される実施形態に対して、本開示の有益な結果を依然として得つつ多くの変更を為すことができるということを認めるであろう。本開示の所望の利点のいくつかは、本開示の特徴のいくつかを選択して他の特徴を利用しないことによって得ることができるということも明かであろう。したがって、当業者は、本開示に対する多くの変更および適合が可能であり、ある特定の状況においてはそれは望ましくさえあり得、ならびにそれも本開示の一部であるということを認めるであろう。したがって、本開示の原理の例証として以下の説明を提供するが、これは本開示の限定ではない。
【0016】
当業者は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において説明される例示的実施形態に対して多くの変更が可能であることを理解するであろう。したがって、当該説明は、提示された例に限定されることを意図するものではなく、ならびに限定されると解釈されるべきではないが、添付の請求項およびその同等物によって与えられる保護の全範囲が認められるべきである。さらに、本開示の特徴のいくつかを使用し、それに対応する他の特徴を使用しないことも可能である。したがって、例示的または例証的実施形態の上述の説明は、本開示の原理を例証することを目的として提供されるのであって、それらを限定するものではなく、ならびにそれらに対する変更およびそれらの並び替えを含むことができる。
【0017】
本開示の実施形態は、概して、1つまたは複数の化学強化された板ガラスを含むガラスラミネート構造体に関する。本開示のいくつかの実施形態は、化学強化された外側板ガラスおよび化学強化されていない内側板ガラスを含む。本開示における他の実施形態は、化学強化された内側板ガラスおよび化学強化されていない外側板ガラスを含む。本開示におけるさらなる実施形態は、化学強化された外側および内側板ガラスを含み得る。当然のことながら、いくつかの実施形態は、化学強化されていない外側および内側板ガラスを含むことができる。本明細書において定義されるように、ガラスラミネートが使用されると、外部ガラスシートは、環境に最も近いかまたは接触しており、その一方で、内部ガラスシートは、当該構造体の、または当該ガラスラミネート構造体を組み込んだ車両(例えば、自動車)の内部(例えば、キャビン)に最も近いかまたは接触しているであろう。本明細書において説明されるような例示的実施形態は、ガラスラミネート構造体の周辺部の周りでのラミネートの有効弾性率の局所的増加の関数としての高い屈曲強度を有するガラスラミネート構造体を提供する。
【0018】
ガラス積層化のために慣習的に利用可能なフィルムは、典型的には、熱可塑性材料であり、これは、高温において軟化し流動することにより、ガラスラミネート構造体の板ガラスの間の隙間を満たして、それぞれの積層化プロセスの間に接着を確立する。コストを最小限に抑え、積層化プロセスを促進するために、これらのフィルムは、典型的には、適切な流動が板ガラスの接着を支援するように約100℃から150℃において積層されるように設計される。しかしながら、当該熱可塑性材料の軟化および進路変更は、応力下においては、はるかに低い温度において生じ得るため、それにより、結果としてそれぞれのガラスラミネート構造体の形状変形を生じる。上記において述べられているように、従来のガラスラミネート構造体は、例えば、接着フィルムが高温において進路変更し得る場合でさえ、重量または中程度の応力によってラミネート構造体が曲がるのを防ぐために、ガラスラミネート構造体に対して機械的強度を提供するために約1.6mmを超える厚さのソーダ石灰ガラスを採用する。そのような従来の厚いガラスは、従来のラミネート構造体に対して剛性を提供することができるが、しかしながら、薄く柔軟なガラスシートもしくは板ガラスが用いられる場合、当該ラミネート構造体は、典型的には、必要な剛性を欠いており、ならびにある特定の温度下において変形し得る。薄いガラスラミネート構造体が変形する場合、当該ガラスおよび接着フィルムは、概して、移動もしくは滑動して最終形状となる。しかしながら、本開示の実施形態は、当該薄いガラスラミネート構造体の境界を固定するために固定具を使用するのと同様にそれらの剛性を増加させることによって、当該構造体の動きを制限する。このために、例示的実施形態は、ガラスラミネート構造体の境界の周りに硬い接着材料を用いる。そのような材料は、それぞれのガラスラミネート構造体における薄いガラスシートを高い接着力において一緒に接着することができ、ならびにより高い温度において安定でかつ硬い状態を維持することができる。非限定的な材料としては、これらに限定されるわけではないが、より高い温度で軟化し難い熱硬化性プラスチックが挙げられる。熱硬化性材料は、通常、硬化させる前は液体であるかまたは展性であり、接着剤として用いることができ、および/またはそれらの最終形態へと成形されるように設計することができる。熱硬化性材料は、硬化によって不融性で不溶性の高分子網目構造へと不可逆的に変化し得、それによって、当該熱硬化性材料は、より高い温度でも剛性を維持する硬い固体材料となる。例示的実施形態は、ガラスラミネート構造体における中間層の一部において、高弾性率の熱硬化性材料も使用することができ、これは、ラミネート構造体においてガラスシートがお互いに離れることを効果的に防ぎ、結果として当該構造体の剛性を増加させる。
【0019】
本開示の実施形態において使用される好適なガラスシートは、イオン交換前プロセスまたはイオン交換後プロセスによって強化または化学強化することができる。このプロセスにおいて、典型的には、所定の期間における溶融塩浴中へのガラスシートの浸漬によって、当該ガラスシートの表面または表面付近のイオンが、当該塩浴のより大きい金属イオンと交換される。一実施形態において、溶融塩浴の温度は約430℃であり、浸漬時間は約8時間である。ガラス中へのより大きいイオンの組み込みは、表面付近の領域に圧縮応力を生じさせることによって当該シートを強化する。当該圧縮応力とのバランスを保つために、対応する引張応力もガラスの中央領域内に誘起され得る。
【0020】
ガラスシートまたはガラスラミネートを形成するために好適な、例示的なイオン交換可能なガラスは、アルカリアルミノケイ酸ガラスまたはアルカリアルミノホウケイ酸ガラスであり得るが、他のガラス組成物も想到される。本明細書において使用される場合、「イオン交換可能な」は、ガラスが、ガラスの表面または表面付近に位置されるカチオンを、より大きいサイズまたはより小さいサイズの同じ結合価のカチオンと交換することができるということを意味する。例示的ガラス組成物の1つは、SiO
2、B
2O
3、およびNa
2Oを含み、この場合、(SiO
2+B
2O
3)≧66mol%およびNa
2O≧9mol%である。ある実施形態において、当該ガラスシートは、少なくとも6重量%の酸化アルミニウムを含む。さらなる実施形態において、ガラスシートは、アルカリ土類酸化物の含有量が少なくとも5重量%であるように、1種または複数種のアルカリ土類酸化物を含んでいる。いくつかの実施形態において、好適なガラス組成物は、K
2O、MgO、およびCaOのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態において、当該ガラスは、61〜75mol%のSiO
2;7〜15mol%のAl
2O
3;0〜12mol%のB
2O
3;9〜21mol%のNa
2O;0〜4mol%のK
2O;0〜7mol%のMgO;および0〜3mol%のCaOを含む。
【0021】
ハイブリッドガラスラミネートを形成するために好適なさらなる例示的ガラス組成物は、60〜70mol%のSiO
2;6〜14mol%のAl
2O
3;0〜15mol%のB
2O
3;0〜15mol%のLi
2O;0〜20mol%のNa
2O;0〜10mol%のK
2O;0〜8mol%のMgO;0〜10mol%のCaO;0〜5mol%のZrO
2;0〜1mol%のSnO
2;0〜1mol%のCeO
2;50ppm未満のAs
2O
3;および50ppm未満のSb
2O
3を含み;この場合、12mol%≦(Li
2O+Na
2O+K
2O)≦20mol%および0mol%≦(MgO+CaO)≦10mol%である。さらなる例示的ガラス組成物は、63.5〜66.5mol%のSiO
2;8〜12mol%のAl
2O
3;0〜3mol%のB
2O
3;0〜5mol%のLi
2O;8〜18mol%のNa
2O;0〜5mol%のK
2O;1〜7mol%のMgO;0〜2.5mol%のCaO;0〜3mol%のZrO
2;0.05〜0.25mol%のSnO
2;0.05〜0.5mol%のCeO
2;50ppm未満のAs
2O
3;および50ppm未満のSb
2O
3を含み;この場合、14mol%≦(Li
2O+Na
2O+K
2O)≦18mol%および2mol%≦(MgO+CaO)≦7mol%である。
【0022】
特定の実施形態において、アルカリアルミノケイ酸ガラスは、アルミナ、少なくとも1種のアルカリ金属、および、いくつかの実施形態では50mol%を超えるSiO
2、他の実施形態では少なくとも58mol%のSiO
2、並びにさらなる他の実施形態では少なくとも60mol%のSiO
2を含み、この場合、
【0023】
であり、ここで、当該比率において、成分はmol%で表され、調整剤はアルカリ金属酸化物である。このガラスは、特定の実施形態において、58〜72mol%のSiO
2;9〜17mol%のAl
2O
3;2〜12mol%のB
2O
3;8〜16mol%のNa
2O;および0〜4mol%のK
2Oを含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなり、この場合、
【0025】
別の実施形態において、アルカリアルミノケイ酸ガラスは、61〜75mol%のSiO
2;7〜15mol%のAl
2O
3;0〜12mol%のB
2O
3;9〜21mol%のNa
2O;0〜4mol%のK
2O;0〜7mol%のMgO;および0〜3mol%のCaOを含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなる。さらなる別の実施形態において、アルカリアルミノケイ酸ガラス基板は、60〜70mol%のSiO
2;6〜14mol%のAl
2O
3;0〜15mol%のB
2O
3;0〜15mol%のLi
2O;0〜20mol%のNa
2O;0〜10mol%のK
2O;0〜8mol%のMgO;0〜10mol%のCaO;0〜5mol%のZrO
2;0〜1mol%のSnO
2;0〜1mol%のCeO
2;50ppm未満のAs
2O
3;および50ppm未満のSb
2O
3を含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなり;この場合、12mol%≦Li
2O+Na
2O+K
2O≦20mol%および0mol%≦MgO+CaO≦10mol%である。さらなる別の実施形態において、アルカリアルミノケイ酸ガラスは、64〜68mol%のSiO
2;12〜16mol%のNa
2O;8〜12mol%のAl
2O
3;0〜3mol%のB
2O
3;2〜5mol%のK
2O;4〜6mol%のMgO;および0〜5mol%のCaOを含むか、それらから実質的になるか、またはそれらからなり、この場合、66mol%≦SiO
2+B
2O
3+CaO≦69mol%;Na
2O+K
2O+B
2O
3+MgO+CaO+SrO>10mol%;5mol%≦MgO+CaO+SrO≦8mol%;(Na
2O+B
2O
3)−Al
2O
3≦2mol%;2mol%≦Na
2O−Al
2O
3≦6mol%;および4mol%≦(Na
2O+K
2O)−Al
2O
3≦10mol%である。
【0026】
例示的な化学強化されたガラスおよび化学強化されていないガラスは、いくつかの実施形態において、0〜2mol%の、Na
2SO
4、NaCl、NaF、NaBr、K
2SO
4、KCl、KF、KBr、およびSnO
2を含む群より選択される少なくとも1種の清澄剤と共にバッチ処理され得る。一例示的実施形態において、例示的な化学強化されたガラスのナトリウムイオンは、溶融浴由来のカリウムイオンによって置き換えることができるが、より大きい原子半径を有する他のアルカリ金属イオン(例えば、ルビジウムまたはセシウムなど)も、ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンと置き換わることができる。特定の実施形態により、ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンは、Ag
+イオンで置き換えることができる。同様に、他のアルカリ金属塩(例えば、これらに限定されるわけではないが、サルフェート、ハライドなど)は、当該イオン交換プロセスにおいて使用することができる。ガラスネットワークが緩むことができる温度よりも低い温度での、より大きいイオンによるより小さいイオンとの置き換えは、ガラス表面に渡ってイオンの分配を生じ得、それは、結果として応力プロファイルを生じる。入ってきたイオンのより大きい体積は、ガラスの表面において圧縮応力(CS)を生じ、ガラスの中心部分において張力(中央張力、もしくはCT)を生じる。当該圧縮応力は、下記の関係:
【0027】
によって中央張力に関連し、式中、tは、ガラスシートの総厚さを表し、DOLは交換の深さである(圧縮応力層深さとも呼ばれる)。
【0028】
様々な実施形態により、イオン交換されたガラスを含むガラスシートおよび/またはガラスラミネート構造体は、軽量、高い耐衝撃性、および向上した音響減衰性など、多くの所望の特性を有し得る。一実施形態において、化学強化されたガラスシートは、少なくとも250MPa(例えば、少なくとも250、300、400、450、500、550、600、650、700、750、または800MPa)の表面圧縮応力、少なくとも約20μm(例えば、少なくとも約20、25、30、35、40、45、または50μm)の圧縮応力層の深さ、および/または40MPaを超える(例えば、40、45、または50MPaを超える)が100MPa未満(例えば、100、95、90、85、80、75、70、65、60、または55MPa未満)である中央張力を有し得る。化学強化されたガラスシートの弾性率は、約60GPaから85GPaまでの範囲(例えば、60、65、70、75、80、または85GPa)である。ガラスシートおよびポリマー中間層の弾性率は、結果として得られるガラスラミネートの機械的特性(例えば、撓みおよび強度など)および音響性能(例えば、透過損失)の両方に影響を及ぼし得る。
【0029】
例示的ガラスシート形成法としては、フュージョンドロー法およびスロットドロー法が挙げられ、これらは、ダウン−ドロー法ならびにフロート法のそれぞれの例である。これらの方法は、化学強化されたガラスシートと化学強化されていないガラスシートの両方を形成するために使用することができる。フュージョンドロー法は、一般的に、溶融したガラス原材料を受け入れるための経路を有するドロータンクを使用する。当該経路は、当該その両側に、経路の長さに沿って上部が開放された堰を有している。当該経路が溶融材料で満たされると、溶融ガラスは堰からオーバーフローする。重力により、溶融ガラスは、ドロータンクの外側表面を下方へと流れる。これらの外側表面は、下方へとそして内部方向へと延びており、そのため、溶融ガラスは、ドロータンクの下方の端部において合流する。当該2つの流動ガラスの表面がこの端部において合わさることにより、融合して単一の流動するシートを形成する。フュージョンドロー法は、経路を越えて流れる2つのガラスフィルムが一緒に融合するため、結果として生じるガラスシートのどちらの外側表面も、当該設備のいかなる部分にも接触していないという利点を提供する。したがって、フュージョンドローによるガラスシートの表面特性は、そのような接触による影響を受けない。
【0030】
スロットドロー法は、フュージョンドロー法とは異なっている。まず、溶融した原材料ガラスが、ドロータンクに提供される。ドロータンクの底には、スロットの長さに延びるノズルを備えた開口スロットがある。溶融ガラスは、当該スロット/ノズルを通って流れ、連続シートとして下方のアニール処理領域へと引かれる。スロットドロー法では、2つのシートが一緒に融合されるのではなく単一のシートがスロットを通って引かれるため、当該方法は、フュージョンドロー法より薄いシートを提供することができる。
【0031】
ダウンドロー法は、比較的無傷なままの表面を有する均一な厚さを有するガラスシートを製造する。ガラス表面の強度は、表面欠陥の量およびサイズによって制御されるため、最小限しか接触していない無傷なままの表面は、より高い初期強度を有する。次いでこの高強度ガラスが化学強化されると、結果として得られる強度は、粗研磨および艶だし研磨された表面の強度より高くなり得る。ダウンドローガラスは、約2mm未満の厚さに引き出され得る。さらに、ダウンドローガラスは、コスト高な研削および艶だし研磨を行うことなく最終用途において使用することができる、非常に平坦で滑らかな表面を有する。
【0032】
フロートガラス法では、溶融ガラスを溶融金属(典型的にはスズ)の床の上に流すことによって、滑らかな表面および均一な厚さによって特徴付けられ得るガラスシートが作製される。例示的プロセスにおいて、溶融スズ床の表面上に供給される溶融ガラスは、浮遊リボンを形成する。当該ガラスリボンはスズ床に沿って流れるため、固体ガラスシートがスズからローラー上へと持ち上げられるまでに温度は徐々に下がる。当該床から持ち上げられると、当該ガラスシートはさらに冷やされ得て、内部応力を減らすためにアニール処理され得る。
【0033】
上記において述べられているように、例示的ガラスシートは、ガラスラミネートまたはガラスラミネート構造体を形成するために使用することができる。用語「薄い」は、本明細書において使用される場合、約1.5mmまで、約1.0mmまで、約0.7mmまで、あるいは約0.5mmから約1.0mmまでの範囲または約0.5mmから約0.7mmまでの範囲、の厚さを意味する。用語「シート」、「構造体」、「ガラス構造体」、「ラミネート構造体」、および「ガラスラミネート構造体」は、本開示において相互互換的に使用され得、そのような使用は、本明細書に添付されるクレームの範囲を限定しない。いくつかの実施形態において、ガラスラミネートは、外部および/または内部に面する化学強化されたガラスシート、内部および/または外部に面する化学的強化されていないガラスシート、ならびに当該ガラスシートの間に形成されるポリマー中間層も含み得る。当該ポリマー中間層は、一体型ポリマーシート、多層ポリマーシート、または複合ポリマーシート(すなわち、弾性率の異なる領域を有するポリマーシート)を含み得る。
【0034】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるガラスラミネート構造体の断面図である。
図2は、
図1に表された実施形態の平面図である。
図1および2を参照すると、例示的ガラスラミネート構造体100は、外部ガラスシート110、内部ガラスシート120、およびポリマー中間層130を含んでいる。当該ポリマー中間層130は、第一弾性率を有する第一領域と第二弾性率を有する第二領域とを含み得る。いくつかの実施形態において、第一領域は、ポリマー中間層130の中央領域132であり得、ならびに第二領域は、中央領域132の周辺に沿って位置され得、すなわち、ポリマー中間層130の周辺領域134である。第一領域および第二領域は、対応する環形の形状において長方形または正方形として描かれているが、本明細書に添付されるクレームは、それに限定されるべきではなく、中央領域132は任意の幾何学的形状(例えば、楕円形、円形、矩形、台形、対称形、非対称形など)であってもよく、ならびにそれぞれのガラスラミネート構造体において、形成された空間または開口部に一致し得る。同様に、周辺領域134は、中央領域132を環状に包含し得、環状楕円形、環状円形などを形成し得る。その上、周辺領域134の横方向寸法(すなわち、X、Y)、またはガラスラミネート構造体100の端部101から中央領域132の端部131までの横方向距離は、それぞれの周辺領域134の長さに沿って変わり得、または実質的に一定であり得る。例示的ポリマー中間層内の中央領域および周辺領域の弾性率は、約1MPaから90MPaまでの範囲(例えば、約1、2、5、10、15、20、25、30、40、50、60、75、80、90MPa)であり得る。いくつかの実施形態において、第一もしくは中央領域132の弾性率は、約15MPa、約1MPaから約20MPaまでの間、または2から約15MPaまでの間、であり得る。これらの実施形態において、第二もしくは周辺領域134の弾性率は、第一もしくは中央領域132の弾性率より高くあり得、約25MPaを超え得、25MPaと90MPaとの間であり得、約30MPaを超え得、約50MPaを超え得、約75MPaであり得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、周辺領域134は、熱硬化性ポリマーまたは熱硬化性樹脂から形成することができる。例示的熱硬化性ポリマー性材料としては、これらに限定されるわけではないが、ポリウレタン、加硫ゴム、ベークライト、ポリエステル材料、イオノマー(SentryGlass)フェノール−ホルムアルデヒド材料、尿素−ホルムアルデヒド材料、エポキシ樹脂、ポリイミド、メラミン樹脂、エステル、ポリシアヌレート、Duroplast、ならびに他の好適なエステル、樹脂、エポキシ、架橋ポリマーおよび/または強化ポリマー性材料が挙げられる。さらに、これらに限定されるわけではないが、化学的に反応してポリマー性コーティングを形成することができる液体プレポリマー性材料としてポリマーコーティングシステムによって適用されたコーティングも、周辺領域132のための例示的材料であり得る。これらのポリマーコーティング組成物は、存在する場合、最小限(例えば、<10%)の溶媒または水を含有し得る。いくつかの実施形態において、プレポリマー性材料は、とりわけ、硬化したコーティング材料の最小限のクリープまたは流れ抵抗が必要な場合に、熱硬化性ポリマーへと硬化させることができる。このカテゴリにおける使用可能なポリマーコーティングの化学ファミリーの非限定的な例は、これらに限定されるわけではないが、2成分エポキシ、2成分ウレタン、2成分アクリル樹脂、2成分シリコーン、湿気硬化型ウレタンまたはエポキシ、フェノール樹脂、ノボラック、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、架橋アクリルまたはビニル、アルキド、不飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ならびに光硬化性または電子ビーム硬化性ポリマーである。例示的光硬化性または電子ビーム硬化性プレポリマーは、このタイプの化学の3つの主要なファミリーのいずれか、例えば、フリーラジカル付加タイプ(例えば、アクリレート)、フリーラジカル逐次成長タイプ(例えば、チオール−エン)、カチオン付加タイプ(例えば、エポキシ単独重合)、およびそれらの組み合わせ、に由来し得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、熱可塑性材料(例えば、PVBなど)は、中央領域および/または周辺領域のために、前もって形成されたポリマー中間層として適用することができる。この複合ポリマー層は、ある特定の実施形態において、少なくとも0.125mm(例えば、0.125、0.25、0.38、0.5、0.7、0.76、0.81、1、1.14、1.19、または1.2mm)の厚さを有し得る。当該複合ポリマー層は、1.6mm以下(例えば、0.4mmから1.2mm、例えば、約0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、または1.2mmなど)の厚さを有し得る。当該複合ポリマー層は、ガラスの2つの両側の主要面のほとんどまたは実質的にすべてを覆うことができ、ならびに、同じポリマー性材料またはより高い弾性率を有する異なるポリマー性材料を有する周辺部分も含み得る。当該複合ポリマー層に接触するガラスシートは、それぞれのガラスシートに対するポリマー性材料の接着を促進するために、それらの軟化点より高い温度(例えば、軟化点より少なくとも5℃または10℃高い温度など)に加熱することができる。当該加熱工程は、圧力下において、当該複合層に接触したガラスによって実施することができる。1つまたは複数のポリマー中間層を、例示的ガラスラミネート構造体中に組み入れてもよい。複数の中間層は、接着促進、音響制御、紫外線透過制御、着色加工(tinting)、色づけ、および/または赤外線透過制御などの、相補的機能または異なる機能を提供し得る。
【0037】
ポリマー中間層130は、それぞれの外部および内部ガラスシートのそれぞれに直接的に物理接触し得る(例えば、それらに積層され得る)。外部ガラスシート110は、外側表面112および内側表面114を有する。同様に、内部ガラスシート120は、外側表面122および内側表面124を有する。例示される実施形態に示されるように、外部ガラスシート110の内側表面114および内部ガラスシート120の内側表面124は、それぞれ、ポリマー中間層130に接触する。ガラスシート110、120のどちらかまたは両方とも化学強化ガラスであってもよく、あるいはどちらも化学強化ガラスでなくてもよい。
【0038】
本開示の実施形態によるガラスラミネートは、建築および自動車の開口部(例えば、自動車の窓ガラス)において光学的に透明なバリアを提供するように適合させることができる。ガラスラミネートは、さまざまなプロセスを使用して形成することができる。例示的実施形態において、当該組み立ては、ガラスの第一シートを横たえるステップと、当該第一シートの第一部分上にポリマー中間層を重ねるステップと、当該第一シートの第二部分上に別のポリマー中間層を重ねるステップと、ガラスの第二シートを横たえるステップと、次いで過剰なPVBをガラスシートの端部までトリミングするステップとを伴う。貼り付けステップは、中間層からほとんどの空気を追い出すステップとPVBをガラスシートに部分的に接着させるステップとを含み得る。仕上げステップは、典型的には高温高圧において実施され、各ガラスシートをポリマー中間層に一致させるステップを完了する。前述の実施形態において、第一シートは、化学強化されたガラスシートであり得、ならびに第二シートは、化学強化されていないガラスシートであり得、逆もまたしかりである。
【0039】
積層化プロセスの間、中間層は、典型的には、中間層を軟化させるのに有効な温度まで加熱され得、これは、ガラスシートのそれぞれの表面への中間層のコンフォーマルな一致を容易にする。通常、PVBの場合、積層化温度は、約140℃であり得る。中間層材料内の可動性のポリマー鎖は、ガラス表面との接着を発展させ、これが接着を促進する。高温も、ガラスポリマー界面からの残留空気および/または湿気の拡散を加速させる。圧力の適用は両方とも、中間層材料の流動を促進し、ならびに、さもなければ界面に捉えられた水および空気の組み合わされた蒸気圧によって誘発され得るであろう泡の形成を抑制する。泡の形成を抑制するために、オートクレーブにおいて、当該アセンブリに対して熱および圧力が同時に適用される。
【0040】
いくつかの非限定的な実施形態において、好適な内部ガラスシートは、化学強化されていないガラスシート(例えば、ソーダ石灰ガラスなど)であり得、または、いくつかの実施形態においては、化学強化されたガラスシートであり得る。場合により、内部ガラスシートは、熱強化することができる。化学強化されていないガラスシートとしてソーダ石灰ガラスが使用される実施形態において、従来の装飾用材料および方法(例えば、ガラスフリットエナメルおよびスクリーン印刷)も使用することができ、これらは、ガラスラミネートの製造プロセスを簡素化することができる。着色加工された(tinted)ソーダ石灰ガラスシートをガラスラミネート構造体中に組み入れることにより、電磁気スペクトルに対して所望の透過度および減衰を達成することができる。
【0041】
したがって、本明細書において説明されるようなガラスラミネート構造体は、音響雑音の減衰、UV光および/またはIR光透過の減少、増加したエッジ強度、および/または窓開口部の審美的魅力の増強などの有益効果を提供することができる。開示されるガラスラミネート構造体を含む個々のガラスシートは、形成されたラミネート構造体と同様に、組成、密度、厚さ、表面粗さなどの1つまたは複数の属性、ならびに光学特性、音響減衰特性、および機械的特性(例えば、耐衝撃性など)などの様々な特性によって特徴付けることができる。開示されるガラスラミネート構造体、ハイブリッド、またはそれ以外のものの様々な態様について、本明細書において説明する。
【0042】
例示的ガラスラミネート構造体は、例えば窓または窓ガラスなどとしての使用のために適合させることができ、任意の好適なサイズおよび寸法に構成することができる。実施形態において、ガラスラミネート構造体は、独立して、10cmから1mまたはそれ以上(例えば、0.1、0.2、0.5、1、2、または5m)において変わる長さおよび幅を有する。独立して、当該ガラスラミネート構造体は、0.1m
2を超える面積、例えば、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、または25m
2を超える面積を有し得る。
【0043】
当該ガラスラミネート構造体は、実質的に平面であり得るか、またはある特定の用途のために成形され得る。例えば、当該ガラスラミネート構造体は、
図3に示されるような風防またはカバープレートとして使用するための屈曲部分または成形部分として形成することができる。例示的な成形されたガラスラミネート構造体200が
図3に示されている。成形されたラミネート構造体200は、当該ラミネートの凸面において形成された外部(化学強化された)ガラスシート110を含み、その一方で、内部(化学強化されていない)ガラスシート120は、当該ラミネートの凹面に形成される。しかしながら、図示されていない実施形態の凸面は、化学強化されていないガラスシートを含み得、その一方で、反対側の凹面は、化学強化されたガラスシートを含み得る。当然のことながら、凸面および凹面は、両方とも化学強化されたガラスシートまたは化学強化されていないガラスシートを含んでもよい。ポリマー中間層130は、外部および内部ガラスシート110、120の間に提供され得る。上記において述べられているように、ポリマー中間層130は、第一弾性率を有する第一領域と、第二弾性率を有する第二領域とを含み得る。いくつかの実施形態において、当該第一領域は、ポリマー中間層130の中央領域132であり得、当該第二領域は、中央領域132の周辺部に沿って位置され得る(すなわち、ポリマー中間層130の周辺領域134)。当該中央領域132は、任意の幾何学的形状(例えば、楕円形、円形、矩形、台形、対称形、非対称形など)であり得、ならびにそれぞれのガラスラミネート構造体において、形成された空間または開口部に一致し得る。同様に、周辺領域134は、中央領域132を環状に包含し得、環状楕円形、環状円形などを形成し得る。その上、周辺領域134の横方向寸法(すなわち、X、Y)、またはガラスラミネート構造体100の端部101から中央領域132の端部131までの横方向距離は、それぞれの周辺領域134の長さに沿って変わり得、または実質的に一定であり得る。例示的ポリマー中間層内の中央領域および周辺領域の弾性率は、約1MPaから75MPaまでの範囲(例えば、約1、2、5、10、15、20、25、30、40、50、60、75、80、90MPa)であり得る。いくつかの実施形態において、第一もしくは中央領域132の弾性率は、約15MPa、約1MPaから約20MPaまでの間、または2から約15MPaまでの間、であり得る。これらの実施形態において、第二もしくは周辺領域134の弾性率は、第一もしくは中央領域132の弾性率より高くあり得、約25MPaを超え得、25MPaと90MPaとの間であり得、約30MPaを超え得、約50MPaを超え得、約75MPaであり得る。追加の実施形態において、第二もしくは周辺領域134の弾性率は、90MPaを超え、例えば、100MPaを超え、500MPaを超え、1GPaを超え、2GPaを超え、1GPaと4GPaとの間、4GPaを超え、100MPaと1GPaとの間などであり得る。いくつかの実施形態において、例示的熱硬化性ポリマー材料は、周辺領域134のために用いることができ、そのようなものとして、これらに限定されるわけではないが、ポリウレタン、加硫ゴム、ベークライト、ポリエステル材料、イオノマー(SentryGlass)フェノール−ホルムアルデヒド材料、尿素−ホルムアルデヒド材料、エポキシ樹脂、ポリイミド、メラミン樹脂、エステル、ポリシアヌレート、Duroplast、ならびに他の好適なエステル、樹脂、エポキシ、架橋ポリマーおよび/または強化ポリマー性材料が挙げられる。さらに、周辺領域132のための例示的材料は、これらに限定されるわけではないが、化学的に反応してポリマー性コーティングを形成することができる液体プレポリマー性材料としてポリマーコーティングシステムによって適用されたコーティングでもあり得る。これらのポリマーコーティング組成物は、存在する場合、最小限(例えば、<10%)の溶媒または水を含有し得る。いくつかの実施形態において、プレポリマー性材料は、とりわけ、硬化したコーティング材料の最小限のクリープまたは流れ抵抗が必要な場合において、熱硬化性ポリマーへと硬化することができる。このカテゴリにおける使用可能なポリマーコーティングの化学ファミリーの非限定的な例は、これらに限定されるわけではないが、2成分エポキシ、2成分ウレタン、2成分アクリル樹脂、2成分シリコーン、湿気硬化型ウレタンまたはエポキシ、フェノール樹脂、ノボラック、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、架橋アクリルまたはビニル、アルキド、不飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ならびに光硬化性または電子ビーム硬化性ポリマーである。例示的光硬化性または電子ビーム硬化性プレポリマーは、このタイプの化学の3つの主要なファミリーのいずれか、例えば、フリーラジカル付加タイプ(例えば、アクリレート)、フリーラジカル逐次成長タイプ(例えば、チオール−エン)、カチオン付加タイプ(例えば、エポキシ単独重合)、およびそれらの組み合わせ、に由来し得る。
【0044】
例示的な成形されたガラスラミネート構造体の構造は、単純な場合もあれば複雑な場合もある。ある特定の実施形態において、成形されたガラスラミネート構造体は、ガラスシートが2つの独立した方向において異なる曲率半径を有するような複雑な曲率を有し得る。したがって、そのような成形されたガラスシートは、「交差曲率」を有するとして特徴付けられ、この場合、当該ガラスは、所定の寸法に対して平行な軸に沿って湾曲しかつ同じ次元に対して垂直な軸に沿っても湾曲する。例えば、自動車のサンルーフは、通常、約0.5m×1.0mのサイズであり、短径に沿って2から2.5mの曲率半径と、長径に沿って4から5mの曲率半径とを有する。
【0045】
ある特定の実施形態による成形されたガラスラミネート構造体は、曲げ係数(bend factor)によって定義することができ、この場合、所定の部分に対する曲げ係数は、所定の軸に沿った曲率半径をその軸の長さで割ったものに等しい。したがって、0.5mおよび1.0mのそれぞれの軸に沿って2mおよび4mの曲率半径を有する例示的な自動車のサンルーフの場合、各軸に沿った曲げ係数は4である。成形されたガラスラミネートは、2から8までの範囲(例えば、2、3、4、5、6、7、または8)の曲げ係数を有することができる。
【0046】
図4は、本開示の追加の実施形態の斜視図である。
図4を参照すると、前の段落において説明されるように、例示的ラミネート構造体10は、化学強化されたガラス(例えば、Gorilla(登録商標)ガラス)の内側層16を含み得る。この内側層16は、熱処理、イオン交換処理、および/またはアニール処理することができる。外側層12は、化学強化されていないガラスシート(例えば、従来のソーダ石灰ガラス、アニール処理ガラスなど)であり得る。ラミネート10は、外側層と内側層との間に挟設されたポリマー性中間層14も含み得る。当然のことながら、追加の実施形態において、内側層16は、化学強化されていないガラスで構成することができ、ならびに外側層12は、化学強化されたガラスで構成することができる。さらなる実施形態において、外側および内側層12、16の両方は、化学強化されたガラスで構成することができるし、あるいは外側および内側層12、16の両方を化学強化されていないガラスで構成することもできる。ガラスの内側層16は、1.0mm以下の厚さを有し得、ならびに60マイクロメートルを超えるDOLにおいて約250MPaから350MPaまでの間の残留表面CSレベルを有し得る。別の実施形態において、内側層16のCSレベルは、約300MPaであり得る。一実施形態において、中間層14は、およそ0.8mmの厚さを有し得る。例示的中間層14は、上記において説明されるような複合ポリマー性中間層であり得、ならびに、これらに限定されるわけではないが、ポリビニル−ブチラールまたは、本明細書において説明されるような他の好適なポリマー性材料を含み得る。追加の実施形態において、外側および/または内側層12、16の表面のいずれも、外部衝撃事象に対する耐久性を向上させるために酸エッチングすることができる。例えば、一実施形態において、外側層12の第一表面13は酸エッチングすることができ、および/または内側層の別の表面17も酸エッチングすることができる。別の実施形態において、外側層の第一表面15は、酸エッチングすることができ、および/または内側層の別の表面19も酸エッチングすることができる。したがって、そのような実施形態は、高い光学的透明性において従来のラミネート構造体より実質的に軽くかつ規定の衝撃要件を満たすラミネート構築物を提供することができる。外側および/または内側層12、16の例示的な厚さは、0.5mmから、1.5mmまで、2.0mmまたはそれ以上までの範囲の厚さであり得る。
【0047】
一実験において、2つのガラスラミネート構造体を構築した。ポリマー中間層の周辺部の周りに熱硬化性材料を有する第一ラミネート構造体50(例えば、
図1〜4を参照されたい)と、標準的なポリマー中間層を有する第二ラミネート構造体52である。当該熱硬化性材料は、中央ポリマー中間層の周辺部の周りに約15〜17mmの帯材において提供した。各構造体は、環境室内に位置され、100℃に加熱され、ならびに約2時間ソークさせた。第二構造体52は、熱処理後に著しい変形を示したが、その一方で、熱硬化性材料を有する第一構造体50は、いかなる変形も示さなかった。
図5Aおよび5Bは、この実験の前後の図を提供する。
【0048】
図6は、本開示のいくつかの実施形態の3点曲げ実験における破壊(ポンド−力)のボックスプロットである。
図6を参照すると、構築物60の第一群は、2.0mmの熱強化ソーダ石灰ガラスの2つの板ガラスを有するガラスラミネート構造体を含み、構築物62の第二群は、1.6mmの熱強化ソーダ石灰ガラスの2つの板ガラスを有するガラスラミネート構造体を有し、ならびに構築物64の第三群は、0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2つの板ガラスを有するガラスラミネート構造体を有する。例示される実施形態のいずれも、より高い弾性率を有する周辺部分134によって囲まれる中央部分132を有する上記において説明される例示的ポリマー中間層を含んでいなかった。むしろ、各構築物は、従来のPVB中間層を含んでいた。荷重破壊は、厚さの二乗に正比例するため、より薄い厚さの材料を利用する場合、固有のペナルティを観察することができる。
【0049】
図7は、ラミネート構造体の4点曲げ試験の概略図である。
図7を参照すると、破砕(P)を作り出すために必要な荷重はガラスの厚さの二乗(t
2)に正比例し得るため、ガラスラミネート構造体におけるより薄いガラスの使用は、製品の信頼性に対して深刻な影響を及ぼす。これは、ガラス棒に対する4点曲げ破壊応力(σ
F)を特定するための以下の式:
【0051】
によって実証され、式中、bは棒の幅を表し、Lは支持部分の長さを表し、ならびにSは荷重をかけた部分の長さを表す。したがって、ガラスの厚さ(t)が減少すると、破砕(P)を作り出すための荷重が二次関数的に減少する、ということになる。ラミネート構造体が屈曲される場合、2枚のガラスが受ける応力は複雑であり、中間層の特性およびガラスの厚さの関数である。
【0052】
荷重が、中間層によって第二板ガラスもしくはシートに直接伝達されると仮定すると、最大曲げモーメント(M)は、2つの層によって共有されるので、効果的に半分に分割され得る。しがたって、
図7の端部2および4において生じる最大破壊応力は、以下の関係:
【0054】
に示されるように、式(1)を修正することによって見出すことができ、式中、厚さの値(t)は、個々の板ガラスの厚さを表す。
【0055】
本開示の実施形態の恩恵および利点は、いくつかの実施例および実験によって観察することができる。例えば、1mm厚の2枚の板ガラスおよび0.5厚の中間層を有する10mm幅のラミネート構造体において、応力が中間層によって直接伝えられると仮定される場合(すなわち、あたかも中間層が存在しないように、あたかもお互いに重ねられた2枚の板ガラスを有するかのように、当該ラミネートが振る舞う場合)、式(2)が適用される。20単位の力の荷重がこの構造体に適用される場合、両層の端部にかかる応力は以下:
【0057】
のようになり、式中、Kは、荷重部分および支持部分を説明するための幾何学的定数を表す。受ける応力は、両層において等しく共有され得るため、結果として、そのような構造体における破壊の可能性は2倍となる。
【0058】
さらなる実施例として、同じ寸法を有するラミネート構造体において、中間層が、あたかも板ガラスにしっかりと取り付けられて板ガラスと同じ弾性率を有するように処理される場合、適用するための関連方程式は(1)であり、その場合、tは、板ガラスと中間層の厚さの合計=1+1+0.5=2.5mmとなる。同じ荷重において端部が受ける応力は以下:
【0060】
のようになり、ここで、受ける応力は前の実施例の場合よりおよそ3倍小さく、これは、ラミネート構造体が、破砕前に実質的により大きな荷重に耐えることができることを意味することに留意されたい。ここで、端部2において受ける応力は、それらが曲げモーメントの中央平面の上にあるので圧縮応力であるため、最大張力応力は端部4のみにおいて受ける。
【0061】
しかしながら、実際に受ける応力はより複雑であり、これら2つの実施例の間のどこかに存する。概して、当該応力は、ポリマー中間層の弾性率を変える温度の関数である(例えば、より冷たい温度は、結果として、硬いPVB中間層を生じることができ、その場合、それぞれのラミネート構造体は、よりいっそう、一体型の場合(すなわち、第二実施例)のように振る舞い;より熱い温度は、結果として、柔軟なPVB中間層を生じることができ、その場合、それぞれのラミネート構造体は、よりいっそう、第一実施例のように振る舞う)。しかしながら、本開示の実施形態は、従来の中間層材料(例えば、PVBなど)を利用することができるポリマー中間層の中央領域と比べて高い弾性率を有する周辺境界を有する複合ポリマー中間層を提供する。したがって、本開示の実施形態は、優れたエッジ強度性能を示しつつ(例えば、屈曲の際に、当該ラミネート構造体が、実質的に一体として振る舞う)、中央領域が、ポリマー中間層の従来の機能を維持する(例えば、衝突および破砕事象の際の、ガラスおよび搭乗者の保持)という恩恵を享受することができる。本開示の代替の実施形態において、ラミネート構造体の周辺部の周りにおいて当該ラミネート構造体における2枚の板ガラスの間のギャップの橋渡しをするために、ガラスを用いることができる。このガラスは、熱接着によって、または上記において説明した接着剤によって取り付けることができ、それにより、ガラスの周辺部は、端部の周りのラミネートの剛性をかなり増加させるのに十分厚くなるであろうし、より軽量の中間層(例えば、PVBなど)を、重量を増やすことなく、より厚くできるであろう(すなわち、PVBは、ガラスのおよそ1/2の密度を有する)。そのような実施形態において利用される例示的ガラス材料は、これらに限定されるわけではないが、低溶融温度ガラスであり得る。
【0062】
例示的な低溶融温度ガラスとしては、これらに限定されるわけではないが、ホウ酸ガラスおよびリン酸ガラス(例えば、リン酸スズ、フルオロリン酸スズ、およびホウ酸スズなど)が挙げられる。これらのガラスは、これらに限定されるわけではないが、タングステン、セリウム、およびニオブなどの1種または複数種のドーパントも含み得る。そのようなドーパントが含まれている場合、そのようなドーパントは、例えば、ガラス層の光学特性に影響を及ぼし得る。例示的フルオロリン酸スズガラス組成物は、対応する三元相図においてSnO、SnF
2、およびP
2O
5のそれぞれの組成物に関して表すことができる。好適な低溶融温度ガラスは、SnO
2、ZnO、TiO
2、ITO、および他の低溶融ガラス組成物を含み得る。好適なフルオロリン酸スズガラスは、20〜100mol%のSnO、0〜50mol%のSnF
2、および0〜30mol%のP
2O
5を含む。これらのフルオロリン酸スズガラス組成物は、任意選択により、0〜10mol%のWO
3、0〜10mol%のCeO
2、および/または0〜5mol%のNb
2O
5を含んでもよい。低溶融温度ガラスのための追加の組成物としては、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,089,446号明細書および米国特許出願第11/207,691号明細書、同第11/544,262号明細書、同第11/820,855号明細書、同第12/072,784号明細書、同第12/362,063号明細書、同第12/763,541号明細書、同第12/879,578号明細書、および同第13/841,391号明細書に記載される組成物が挙げられ、なお、これらの内容全体は、参照により本明細書に組み入れられる。当然のことながら、他の実施形態において、これらの低温溶融ガラスに代わって、高温溶融ガラスを用いることができる。
【0063】
本開示の実施形態に対して、追加の実験を実施した。一つの実験において、第一ガラスラミネート構造体80は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設されたLoctiteエポキシ(Loctite 3491)の5mmの周辺領域を有するポリマー中間層とを含み、ならびに第二ガラスラミネート構造体82は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設された例示的ファイバーコーティングの5mmの周辺領域を有するポリマー中間層とを含んでいた。
図8は、様々な荷重でのこれらの実施形態の3点曲げ試験のワイブルプロットである。図示されているように、第一ガラスラミネート構造体に対し荷重を増加させたときのシフトを観察することができる。
【0064】
図9は、本開示のいくつかの実施形態の4点曲げ実験における破壊荷重(kgs)のボックスプロットである。
図9を参照すると、対照ラミネート構築物90は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設されたポリマー中間層とを含み(周辺領域はない)、別のラミネート構築物91は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設されたEastman Chemical DGグレードのPVB材料(DG材料)の5mmの周辺領域を有する好適なポリマー中間層とを含んでいた。図示されているように、この例示的実施形態は、対照と比較して、破壊荷重において著しい増加(例えば、端部破壊荷重におけるおよそ30パーセントの増加)を示した。
【0065】
図10は、本開示のいくつかの実施形態の4点曲げ実験における破壊荷重(kgs)のボックスプロットである。
図11は、
図10に表された実施形態での4点曲げ破壊荷重プロットである。
図10および11を参照すると、対照ラミネート構築物90は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設されたポリマー中間層とを含み(周辺領域はない)、別のラミネート構築物92は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設されたDG材料の5mmの周辺領域を有する好適なポリマー中間層とを含み、第二ラミネート構築物93は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設された例示的ファイバーコーティングの5mmの周辺領域を有する好適なポリマー中間層とを含み、第三ラミネート構築物94は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設されたLoctiteブラックボーダー材料の5mmの周辺領域を有する好適なポリマー中間層とを含み、第四ラミネート構築物95は、およそ0.7mmの化学強化されたガラス(例えば、「Gorilla」ガラス)の2枚の板ガラスとその間に挟設されたLoctiteクリアボーダー材料の5mmの周辺領域を有する好適なポリマー中間層とを含んでいた。図示されるように、各実施形態は、対照と比較して、破壊荷重における増加を示したが、しかしながら、DG材料およびLoctiteクリア材料を含有する周辺領域を有する実施形態は、端部破壊荷重において30パーセント以上の増加を提供する。例示的ファイバーコーティングを用いる実施形態の性能を高めるために、例示的接着促進剤を用いることができ、その結果として、端部の破壊荷重において匹敵する増加を生じる。実験および理論を通じて容易に分かるように、本開示の実施形態は、高いエッジ強度を有する優れた軽量のガラスラミネート構造体を提供することができる。
【0066】
本開示の実施形態の端部領域の弾性率における増加により、それぞれのラミネート構造体は、曲げられたときに端部領域においてより低い引張応力を効果的に受けることができ、その結果、破壊することなくより高い端部荷重に耐えることができる。さらに、当該ポリマーは、ガラスの露出した端部の周りを包んだ場合、端部における衝突および破砕に対する防護壁として機能することができる。本明細書において説明されるそのような特徴および利点は、産業において以前に用いられた材料より薄い材料の使用を可能にすることができ、ガラスラミネート構造体の剛性を向上させることができ、ならびにそのような構造がそのような用途(例えば、これらに限定されるわけではないが、滑動式の窓、サンルーフ、テーブルトップなど)の剛性要件を満たすことを可能にする。例示的実施形態は、より高い温度でも変形せず、したがって、それらの作業条件を様々な用途に合うように拡張する。化学強化されたガラスの利用により、実施形態は、「Gorilla」ガラスまたはWillow(登録商標)ガラスによって提供される耐久性、軽量化、耐スクラッチ性なども実現することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、第一ガラス層と、第二ガラス層と、当該第一ガラス層および第二ガラス層の間に挟設された少なくとも1つのポリマー中間層とを有するラミネート構造体が提供される。当該ポリマー中間層は、第一弾性率を有する第一領域と、第二弾性率を有する第二領域とを含み得る。第二弾性率は、第一弾性率より大きくあり得る。いくつかの実施形態において、当該第一領域は、ポリマー中間層の中央領域であり得、並びに当該第二領域は、第一領域の周りを囲む、ポリマー中間層の周辺領域であり得る。第一領域の例示的弾性率は、約15MPa、約1MPaから約20MPaまでの間、または2から約15MPaまでの間、であり得る。第二領域の例示的弾性率は、約25MPaを超え、25MPaと90MPaとの間、約30MPaを超え、約50MPaを超え、または約75MPaであり得る。追加の実施形態において、第二もしくは周辺領域の弾性率は、90MPaを超え、例えば、100MPaを超え、500MPaを超え、1GPaを超え、2GPaを超え、1GPaと4GPaとの間、4GPaを超え、100MPaと1GPaとの間であり得る。いくつかの実施形態において、第二領域の幅は、可変であり得、または実質的に一定であり得る。他の実施形態において、第一ガラス層は、化学強化されたガラスであり得、ならびに第二ガラス層は、化学強化されていないガラスであり得、それにより、第一層は、第二層に対して外部または内部である。当然のことながら、両層とも、化学強化されたガラスであってもよく、または両層とも、化学強化されていないガラスであってもよい。第一および第二ガラス層の厚さは、これらに限定されるわけではないが、1.5mmを超えない厚さ、1.0mmを超えない厚さ、0.7mmを超えない厚さ、0.5mmを超えない厚さ、約0.5mmから約1.0mmまでの範囲内の厚さ、約0.5mmから約0.7mmまでの厚さ、であり得る。当然のことながら、第一および第二ガラス層の厚さは、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第一および第二ガラス層の組成は、異なっていてもよい。ポリマー中間層の第一領域のための例示的材料は、これらに限定されるわけではないが、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート、防音性PVB、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イオノマー、熱可塑性材料、およびそれらの組み合わせを含み得る。ポリマー中間層の第二領域のための例示的材料は、これらに限定されるわけではないが、ポリウレタン、加硫ゴム、ポリエステル材料、イオノマー、フェノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、エポキシ樹脂、ポリイミド、メラミン樹脂、エステル、ポリシアヌレート、エステル、樹脂、エポキシ、架橋ポリマー、強化ポリマー性材料、2成分エポキシ、2成分ウレタン、2成分アクリル樹脂、2成分シリコーン、湿気硬化型ウレタンおよびエポキシ、フェノール樹脂、ノボラック、メラミンホルムアルデヒド、アルキド、不飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、光硬化性または電子ビーム硬化性ポリマー、ならびにそれらの組み合わせであり得る。例示的ポリマー中間層は、約0.4mmから約1.2mmまでの間の厚さを有し得る。いくつかの中間層は、およそ0.8mmの厚さを有し得る。例示的ラミネート構造体は、1m
2を超える面積を有し得、ならびに自動車用風防、サンルーフ、カバープレートなどであり得る。いくつかの実施形態において、第一および第二ガラス層の1つまたは複数の表面は、酸エッチングすることができる。
【0068】
別の実施形態において、第一ガラス層、第二ガラス層、および当該第一ガラス層と第二ガラス層との間に挟設された中間層を有するラミネート構造体が提供され、この場合、当該中間層は、第一弾性率を有する第一領域および第二弾性率を有する第二領域を含む。この第二弾性率は、第一弾性率より大きくあり得る。いくつかの実施形態において、当該第一領域は、中間層の中央領域であり得、並びに当該第二領域は、第一領域の周りを囲む、中間層の周辺領域であり得る。第一領域のための例示的材料は、これらに限定されるわけではないが、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボネート、防音性PVB、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イオノマー、熱可塑性材料、ポリウレタン、加硫ゴム、ポリエステル材料、イオノマー、フェノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、エポキシ樹脂、ポリイミド、メラミン樹脂、エステル、ポリシアヌレート、エステル、樹脂、エポキシ、架橋ポリマー、強化ポリマー性材料、2成分エポキシ、2成分ウレタン、2成分アクリル樹脂、2成分シリコーン、湿気硬化型ウレタンおよびエポキシ、フェノール樹脂、ノボラック、メラミンホルムアルデヒド、アルキド、不飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、光硬化性または電子ビーム硬化性ポリマー、ならびにそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、第二領域は、これらに限定されるわけではないが、ポリウレタン、加硫ゴム、ポリエステル材料、イオノマー、フェノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、エポキシ樹脂、ポリイミド、メラミン樹脂、エステル、ポリシアヌレート、エステル、樹脂、エポキシ、架橋ポリマー、強化ポリマー性材料、2成分エポキシ、2成分ウレタン、2成分アクリル樹脂、2成分シリコーン、湿気硬化型ウレタンおよびエポキシ、フェノール樹脂、ノボラック、メラミンホルムアルデヒド、アルキド、不飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、光硬化性または電子ビーム硬化性ポリマー、ならびにそれらの組み合わせなどの材料を含み得る。代替の実施形態において、中間層の第二領域は、ガラス材料であり得る。
【0069】
この説明は多くの詳細を含み得るが、その一方で、これらは、それらの範囲の限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特異的であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個別の実施形態との関連においてこれまで説明してきたある特定の特徴も、単一の実施形態における組み合わせにおいて実践することもできる。これとは逆に、単一の実施形態との関連において説明した様々な特徴も、複数の実施形態においてまたは任意の好適な部分的組み合わせにおいて実践することができる。さらに、特徴は、ある特定の組み合わせにおいて機能するように上記において説明され得、ならびにそのようなものとして最初に権利請求され得るが、場合によって、権利請求された組み合わせのうちの1つまたは複数の特徴を当該組み合わせから削除してもよく、ならびに権利請求された組み合わせは、部分的組み合わせまたは部分的組み合わせの変形を対象とし得る。
【0070】
同様に、作業は、特定の順序において図面に表されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような作業が、図示された特定の順序または連続する順序において実施されること、または示された全ての作業が実施されることが必要であると理解されるべきではない。ある特定の状況において、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。
【0071】
図1〜11に例示される様々な構成および実施形態によって示されるように、向上したエッジ強度を有するガラスラミネート構造体において様々な実施形態について説明してきた。
【0072】
本開示の好ましい実施形態について説明してきたが、説明した実施形態は単なる例示であって、本発明の範囲は、等価物の全範囲が一致する場合に添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるべきであることは理解されたく、本明細書を熟読することにより、当業者には多くの変形および変更が自然と思い浮かぶであろう。