特許第6836453号(P6836453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836453
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/10 20060101AFI20210222BHJP
【FI】
   F24H1/10 302H
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-89455(P2017-89455)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-189247(P2018-189247A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2019年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】永井 裕明
(72)【発明者】
【氏名】中村 行隆
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−087030(JP,A)
【文献】 特開平07−269947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水管と、該給水管の下流に設けた熱交換器と、該熱交換器の下流に設けられ給湯栓を終端に有した給湯管と、前記熱交換器を流通する水を加熱する燃焼手段と、前記給水管と前記給湯管とを接続し前記熱交換器をバイパスするバイパス管と、前記給湯管とバイパス管との接続部に設けられ前記熱交換器から流出された湯と前記バイパス管からの水とを混合する混合弁と、該混合弁から出湯させる湯の温度を設定する出湯温度設定手段と、前記熱交換器から流出させる湯の熱交出口目標温度を前記出湯温度設定手段によって設定された出湯設定温度よりも高温の規定温度に設定する目標温度設定手段と、前記燃焼手段に要求される要求熱量が所定の基準熱量未満のときは前記燃焼手段をON/OFF燃焼させるON/OFF燃焼制御を行わせる一方、前記要求熱量が前記基準熱量以上のときには前記燃焼手段を比例燃焼させる比例燃焼制御を行わせ、前記熱交換器から流出される湯が前記規定温度になるように、かつ、前記混合弁から出湯させる湯の温度が前記出湯温度設定手段によって設定された出湯設定温度になるように、前記燃焼手段と前記混合弁とを制御する制御手段とを備えた給湯装置において、前記目標温度設定手段によって設定される前記規定温度は、前記ON/OFF燃焼制御時は前記出湯設定温度より第1の温度高い温度であり、前記比例燃焼制御時は前記出湯設定温度より第2の温度高い温度であり、前記第2の温度は前記第1の温度より小さい値であることを特徴とする給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ON/OFF燃焼制御と比例燃焼制御とを行う給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものにおいては、給水管と、給水管の下流に設けた熱交換器と、熱交換器の下流に設けられ給湯栓を終端に有した給湯管と、熱交換器を流通する水を加熱するバーナと、給水管と給湯管とを接続し熱交換器をバイパスするバイパス管と、給湯管とバイパス管との接続部に設けられ熱交換器から流出された湯と前記バイパス管からの水とを混合する混合弁とを備え、熱交換器から流出する湯の熱交出口目標温度が、リモコンで設定された出湯設定温度よりも高温の規定温度となるようにバーナによって熱交換器を加熱し、この熱交換器からの高温の湯とバイパス管からの水とをリモコンで設定された出湯設定温度になるように混合弁で混合して出湯するものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平4−65305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の給湯装置では、要求熱量に応じて、バーナをON/OFF燃焼させるON/OFF燃焼制御とバーナを比例燃焼させる比例燃焼制御とを行っており、前記比例燃焼制御においては燃焼が連続的で熱交換器から流出される湯の温度は安定しているが、前記ON/OFF燃焼制御時においては燃焼が断続的で熱交換器から流出される湯の温度が不安定となる。そのため、前記規定温度が一律に低めに設定されている場合、ON/OFF燃焼制御時には、熱交換器から流出する湯に水を混ぜたときに出湯設定温度より低い湯が供給されるおそれがあり、安定した出湯を行うことができなくなってしまう。
【0005】
逆に、前記規定温度が一律に高めに設定されている場合、熱交換器から流出される湯の温度が高温になることから、ON/OFF燃焼制御時であっても、上述のような出湯設定温度より低い湯が供給されるという不具合は抑制されるものの、規定温度が高くなると、一旦、規定温度まで加熱した湯に混合弁で水を混ぜて出湯設定温度に低下させて給湯する関係上、出湯設定温度よりも余計に高温に加熱している分、バーナで消費される熱量が多く、熱効率が悪くなるものであった。
【0006】
そこで、本発明は、熱効率がよく安定した出湯を行える給湯装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1では、給水管と、該給水管の下流に設けた熱交換器と、該熱交換器の下流に設けられ給湯栓を終端に有した給湯管と、前記熱交換器を流通する水を加熱する燃焼手段と、前記給水管と前記給湯管とを接続し前記熱交換器をバイパスするバイパス管と、前記給湯管とバイパス管との接続部に設けられ前記熱交換器から流出された湯と前記バイパス管からの水とを混合する混合弁と、該混合弁から出湯させる湯の温度を設定する出湯温度設定手段と、前記熱交換器から流出させる湯の熱交出口目標温度を前記出湯温度設定手段によって設定された出湯設定温度よりも高温の規定温度に設定する目標温度設定手段と、前記燃焼手段に要求される要求熱量が所定の基準熱量未満のときは前記燃焼手段をON/OFF燃焼させるON/OFF燃焼制御を行わせる一方、前記要求熱量が前記基準熱量以上のときには前記燃焼手段を比例燃焼させる比例燃焼制御を行わせ、前記熱交換器から流出される湯が前記規定温度になるように、かつ、前記混合弁から出湯させる湯の温度が前記出湯温度設定手段によって設定された出湯設定温度になるように、前記燃焼手段と前記混合弁とを制御する制御手段とを備えた給湯装置において、前記目標温度設定手段によって設定される前記規定温度は、前記ON/OFF燃焼制御時は前記出湯設定温度より第1の温度高い温度であり、前記比例燃焼制御時は前記出湯設定温度より第2の温度高い温度であり、前記第2の温度は前記第1の温度より小さい値であるとした。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、目標温度設定手段によって設定される規定温度は、ON/OFF燃焼制御時よりも比例燃焼制御時の方が低くなるようにしたことで、比例燃焼制御時は、連続燃焼で熱交換器から流出する湯の温度が安定しているので、熱交出口目標温度としての規定温度をON/OFF燃焼制御時よりも下げてバーナで消費される熱量を低減させて熱効率を向上させつつ、安定した出湯を行わせることができ、ON/OFF燃焼制御時は、出湯温度の安定を優先させるべく、比例燃焼制御時よりも熱交出口目標温度としての規定温度を高くしたので、熱交換器から流出させる湯の温度が比例燃焼制御時よりも高温になり、水を混ぜても出湯設定温度より低い湯が供給されることが抑制され、 断続燃焼であっても安定した出湯を行わせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の給湯装置の概略構成図。
図2】同一実施形態の給湯装置の要部ブロック図。
図3】同一実施形態の給湯装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の一実施形態の給湯装置について図1〜2に基づいて説明する。
【0011】
1は本実施形態の給湯装置、2は灯油等を燃料とし燃料を燃焼させて火炎を発生させる燃焼手段としてのバーナ、3は台所や洗面所等に設けられた給湯栓、4は給湯装置1を遠隔操作する操作手段としてのリモコンである。
【0012】
5は燃料としての燃油を気化する気化器、6は気化器5に備えられ燃油を気化可能な温度まで加熱する気化ヒータ、7は気化器5の温度を検出する気化温度センサ、8は気化器5と連通し気化器5で気化された気化ガスと一次空気とを予混合する混合室、9は混合室8底部に設けられ混合室8を加熱する混合室ヒータ、10は混合室8の温度を検出する混合室温度センサ、11は混合室8と連通し混合室8で予混合された予混合ガスを燃焼させる燃焼部、12は気化器5の背面で燃焼部11上に突出された複数個の吸熱フィンで、燃焼熱を気化器5にフィードバックして、気化ヒータ6および混合室ヒータ9の通電量を極力抑えるものである。
【0013】
13は気化器5に燃油を噴霧するノズル、14はノズル13に送油管15を介して燃油を圧送する電磁ポンプ、16は燃焼ファンで送風路17を介して気化器5の入口及び燃焼部11とカバー枠18との間の空気室19とに連通し、吸込口20より吸引した燃焼空気を気化器5には予混合用の一次空気として供給し、空気室19には気化器5側方を通り混合室8の下方から燃焼部11で燃焼される二次空気として供給するものである。
【0014】
21は燃焼室22内に収容されたフィンアンドチューブ式の熱交換器で、この熱交換器21において、バーナ2の燃焼により発生した燃焼ガスによって受熱管23を流通する水が加熱されるものである。なお、熱交換器21を通過した燃焼ガスは排気口24より給湯装置1外に排気されるものである。
【0015】
25は給水源から供給される水を熱交換器21に流通させる給水管、26は熱交換器21で加熱された湯を流通させ、給湯栓3に湯を供給する給湯管、27は給水管25から分岐したバイパス管としての給水バイパス管であり、給水管25および給湯管26は熱交換器21の受熱管23と接続され、受熱管23と給水管25と給湯管26と給水バイパス管27とで水が流通する給湯回路を構成するものである。
【0016】
28は給湯管26と給水バイパス管27との接続部に設けられ、給湯管26からの湯と給水バイパス管27からの水とを混合し、その混合比を可変できる混合弁、29は給水管25に設けられ給水温度を検出する給水温度検出手段としての給水温度センサ、30は給水管25に設けられ熱交換器21に流入する流量を検出する流量検出手段としての流量センサ、31は給湯管26と給水バイパス管27の接続部よりも上流側の給湯管26に設けられ熱交換器21から流出する湯の温度を検出する熱交出口温度検出手段としての熱交出口温度センサ、32は混合弁28で混合された湯の温度を検出する出湯温度検出手段としての出湯温度センサである。なお、前記流量センサ30は給水管25と給水バイパス管27との接続部よりも下流側の給水管25に設けられ熱交換器21に流入する給水の流量を検出しているが、流量センサ30は給水管25と給水バイパス管27との接続部よりも上流側の給水管25に設けられ熱交換器21および給水バイパス管27に流入する給水の総流量を検出するものであってもよい。
【0017】
また、前記リモコン4には、給湯装置1の運転のオンオフを指示する運転スイッチ33や、混合弁28から出湯させ給湯栓3へ供給させる出湯設定温度を設定する出湯温度設定手段としての給湯温度設定スイッチ34とを備えているものである。
【0018】
35は前記リモコン4と無線または有線により接続され相互に通信すると共に、給湯装置1の各センサからの信号やリモコン4からの信号を受け、各アクチュエータの駆動を制御する制御手段で、この制御手段35は、バーナ2に要求される要求熱量を算出する要求熱量算出手段36と、要求熱量に応じて比例燃焼制御またはON/OFF燃焼制御のどちらを行わせるか判定する燃焼判定手段37と、熱交換器21から流出させる湯の熱交出口目標温度を設定する目標温度設定手段38とを有しているものである。
【0019】
前記要求熱量算出手段36は、給水温度センサ29で検出される給水温度、流量センサ30で検出される熱交換器21に流入する給水の流量、後述する目標温度設定手段38で設定される熱交出口目標温度の各出力信号を受けて、バーナ2に要求される要求熱量を算出するものである。
【0020】
前記燃焼判定手段37は、要求熱量算出手段36で算出された要求熱量と所定の基準熱量とを比較し、バーナ2に要求される要求熱量が小熱量であり前記基準熱量未満の場合は、ON/OFF燃焼制御を行わせる。当該ON/OFF燃焼制御は、電磁ポンプ14および燃焼ファン16の駆動を制御し、要求熱量に対応する燃焼量となるように、バーナ2の燃焼量を固定の燃焼量に保持した状態で、燃焼ON時間と燃焼OFF時間とを変化、具体的には、燃焼ON時間と燃焼OFF時間との合計時間での燃焼量が要求熱量になるように断続燃焼させるものである。一方、バーナ2に要求される要求熱量が大熱量であり基準熱量以上の場合は、要求熱量に応じて電磁ポンプ14の送油量を比例的に調整制御すると共に燃焼ファン16の駆動を制御して連続燃焼によって燃焼量を可変制御する比例燃焼制御を行わせるものである。
【0021】
前記目標温度設定手段38は、熱交換器21から流出させる湯の熱交出口目標温度を、前記給湯温度設定スイッチ34によって設定された出湯設定温度よりも高温の規定温度に設定するもので、前記燃焼判定手段37の判定によりON/OFF燃焼制御が行われる場合は、熱交換器21から流出させる湯の熱交出口目標温度を第1規定温度に設定する一方、前記燃焼判定手段37の判定により比例燃焼制御が行われる場合は、熱交換器21から流出させる湯の熱交出口目標温度を第2規定温度に設定するものであり、ON/OFF燃焼制御時に設定される第1規定温度よりも比例燃焼制御時に設定される第2規定温度の方を低く設定するものである。
【0022】
次に、この一実施形態の給湯装置1の給湯動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
前記リモコン4の運転スイッチ33がオンされると、制御手段35は、気化温度センサ7の検出する温度に基づき気化ヒータ6を制御すると共に、混合室温度センサ10の検出する温度に基づき混合室ヒータ9を制御し、気化器5および混合室8の予熱を行い、気化器5が燃油を気化可能な温度、例えば気化器5の温度が220℃〜250℃に維持され、混合室8の温度が125℃〜130℃に維持されるスタンバイ状態となる。このスタンバイ状態では、燃焼要求が発生した場合には素早くバーナ2を着火でき、必要最低限の温度を維持することでスタンバイ時の消費電力を低減することができるものである。
【0023】
前記スタンバイ状態において、給湯栓3が開栓され、流量センサ30が最低作動流量以上の流量を検出して熱要求が発生したと制御手段35が判断すると(ステップS1)、気化ヒータ6および混合室ヒータ9を強制的にオンして着火性を良くし、電磁ポンプ14および燃焼ファン16を駆動させて、気化器5で気化された気化ガスと一次空気とを混合室8で予混合し、予混合ガスを燃焼部11より噴出して燃焼を開始させ、要求熱量算出手段36によって、給水温度センサ29で検出される給水温度、流量センサ30で検出される熱交換器21に流入する給水の流量、熱交出口目標温度に基づいて要求熱量が算出される(ステップS2)。なお、本実施形態では、前記ステップS2において、要求熱量算出手段36は、給水温度、熱交換器21に流入する給水の流量、熱交出口目標温度に基づいて要求熱量を算出したが、要求熱量算出手段36は、給水温度センサ29で検出される給水温度、流量センサ30で検出される熱交換器21に流入する給水の流量と混合弁28の弁開度とから求められる総流量(=給水バイパス管27との接続部より上流側の給水管25を流れる給水の流量に相当する流量)、給湯温度設定スイッチ34で設定される出湯設定温度に基づいて要求熱量を算出してもよいものである。
【0024】
そして、燃焼判定手段37は、要求熱量算出手段36によって算出された要求熱量と予め設定された所定の基準熱量とを比較し、要求熱量が基準熱量未満か否か判断し(ステップS3)、要求熱量が基準熱量未満である場合、電磁ポンプ14および燃焼ファン16の駆動を制御して、バーナ2の燃焼量を固定の燃焼量に保持した状態で、燃焼ON時間と燃焼OFF時間との合計時間での燃焼量が要求熱量になるように断続燃焼させるON/OFF燃焼制御を行わせ(ステップS4)、目標温度設定手段38は、ON/OFF燃焼制御時に熱交換器21から流出させる湯の熱交出口目標温度を、給湯温度設定スイッチ34によって設定された出湯設定温度よりも高温の第1規定温度に設定(ステップS5)し、ステップS1の処理に戻る。
【0025】
一方、ステップS3の処理において、燃焼判定手段37は、要求熱量算出手段36によって算出された要求熱量と予め設定された所定の基準熱量とを比較し、要求熱量が基準熱量以上である場合、要求熱量に応じて電磁ポンプ14の送油量を比例的に調整制御すると共に燃焼ファン16の駆動を制御して連続燃焼によって燃焼量を可変制御する比例燃焼制御を行わせ(ステップS6)、目標温度設定手段38は、比例燃焼制御時に熱交換器21から流出させる湯の熱交出口目標温度を、給湯温度設定スイッチ34によって設定された出湯設定温度よりも高温で第1規定温度よりも低い第2規定温度に設定し(ステップS7)、ステップS1の処理に戻る。熱要求がある間は要求熱量に応じて、ステップS1→S2→S3→S4→S5の処理が行われるか、ステップS1→S2→S3→S6→S7の処理が行われるものである。
【0026】
また、前記第1規定温度は、通常の給湯で使用される出湯設定温度としての40℃前後よりも15℃〜20℃程度高い温度とし、前記第2規定温度は通常の給湯で使用される出湯設定温度としての40℃前後よりも10℃程度高い温度として、制御手段35に予め記憶されているものであり、第1規定温度>第2規定温度の関係性を保っていれば、出湯設定温度に応じて第1規定温度および第2規定温度を可変してもよいものである。
【0027】
なお、上記の給湯動作が行われている場合、バーナ2の燃焼により発生した燃焼ガスは、熱交換器21を流通した後、排気口24から給湯装置1外へ排出されるものである。また、給水源から供給された水は、給水管25から熱交換器21(受熱管23)に導かれて燃焼ガスとの熱交換により加熱されるものである。ここで、制御手段35は、要求熱量が基準熱量未満のときはバーナ2をON/OFF燃焼させて熱交出口温度センサ31で検出される熱交換器21から流出する湯の温度が第1規定温度になるようにバーナ2を制御し、要求熱量が基準熱量以上のときはバーナ2を比例燃焼させて熱交出口温度センサ31で検出される熱交換器21から流出する湯の温度が第2規定温度になるようにバーナ2を制御すると同時に、出湯温度センサ32で検出される湯温が給湯温度設定スイッチ34で設定された出湯設定温度になるように、混合弁28の開度を制御するものであり、給湯管26を流通する熱交換器21から流出した規定温度の湯(ON/OFF燃焼制御時は第1規定温度、比例燃焼制御時は第2規定温度)は、混合弁28によって給水バイパス管27からの水と混合され、出湯温度センサ32で検出される湯温が出湯設定温度より高い場合は、湯側を絞り、水側を開くように混合弁28内部の弁体の弁開度を調整して、出湯設定温度の湯を給湯栓3へ供給し出湯するものであり、出湯温度センサ32で検出される湯温が出湯設定温度より低い場合は、水側を絞り、湯側を開くように混合弁28内部の弁体の弁開度を調整して、出湯設定温度の湯を給湯栓3へ供給し出湯するものである。
【0028】
上記のように、給湯が行われる際に、ON/OFF燃焼制御時の熱交出口目標温度である第1規定温度よりも、比例燃焼制御時の熱交出口目標温度である第2規定温度を低い温度としたことで、比例燃焼制御時は、連続燃焼で熱交換器21から流出する湯の温度が安定しているので、熱交出口目標温度をON/OFF燃焼制御時よりも下げてバーナ2で消費される熱量を低減させて熱効率を向上させつつ、安定した出湯を行わせることができ、ON/OFF燃焼制御時は、出湯温度の安定を優先させるべく、比例燃焼制御時よりも熱交出口目標温度を高くしたので、熱交換器21から流出させる湯の温度が比例燃焼制御時よりも高温になり、水を混ぜても出湯設定温度より低い湯が供給されることが抑制され、 断続燃焼であっても安定した出湯を行わせることができるものである。
【0029】
なお、本発明は先に説明した一実施形態に限定されるものではなく、本実施形態では、制御手段35は、熱交換器21から流出される湯が規定温度になるようにバーナ2を制御(要求熱量が基準熱量未満の場合はバーナ2をON/OFF燃焼制御、要求熱量が基準熱量以上の場合はバーナ2を比例燃焼制御)すると同時に、出湯温度センサ32で検出される湯温が給湯温度設定スイッチ34で設定された出湯設定温度になるように混合弁28の開度を制御するようにしたが、制御手段35は、出湯温度センサ32で検出される湯温が給湯温度設定スイッチ34で設定された出湯設定温度になるようにバーナ2を制御(要求熱量が基準熱量未満の場合はバーナ2をON/OFF燃焼制御、要求熱量が基準熱量以上の場合はバーナ2を比例燃焼制御)すると同時に、熱交換器21から流出される湯が規定温度(バーナ2をON/OFF燃焼制御している場合は第1規定温度、バーナ2を比例燃焼制御している場合は第2規定温度)になるように混合弁28の開度を制御するようにしてもよいものである。
【0030】
また、本実施形態では、バーナ2を燃焼量を調整できる気化式バーナとしたが、構造が周知のリターンノズル式噴霧ノズルを有し燃焼量を調整できるガンタイプバーナであってもよいものである。
【0031】
また、本実施形態では、顕熱を回収するフィンアンドチューブ式の熱交換器21を備えた給湯装置1において本発明を適用したが、これに限らず、顕熱を回収する熱交換器21に加え潜熱を回収する熱交換器も備えた潜熱回収型の給湯装置1において本発明を適用してもよいものである。
【符号の説明】
【0032】
1 給湯装置
2 バーナ
3 給湯栓
21 熱交換器
25 給水管
26 給湯管
27 給水バイパス管
28 混合弁
34 給湯温度設定スイッチ
35 制御手段
38 目標温度設定手段
図1
図2
図3