(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836504
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】バックコンタクト光発電セルの相互接続方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20210222BHJP
H01B 3/50 20060101ALI20210222BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20210222BHJP
H01B 7/04 20060101ALI20210222BHJP
H01B 7/10 20060101ALI20210222BHJP
H01B 13/00 20060101ALI20210222BHJP
H01R 43/02 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01B3/50 Z
H01B7/00
H01B7/04
H01B7/10
H01B13/00 523
H01R43/02 A
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-524372(P2017-524372)
(86)(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公表番号】特表2018-501640(P2018-501640A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2015078307
(87)【国際公開番号】WO2016096422
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年9月6日
【審判番号】不服2020-2574(P2020-2574/J1)
【審判請求日】2020年2月26日
(31)【優先権主張番号】14197975.7
(32)【優先日】2014年12月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514156563
【氏名又は名称】アイメック・ヴェーゼットウェー
【氏名又は名称原語表記】IMEC VZW
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】トム・ボルヘルス
(72)【発明者】
【氏名】ヨゼフ・シュルフチク
【合議体】
【審判長】
山村 浩
【審判官】
野村 伸雄
【審判官】
佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/173487(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
H01L 51/42-51/48
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発電セル(100、101、102)の表面上に電気コネクタ(20、21、22)を配置し、それによって複数のコンタクト領域(4、8)を前記電気コネクタ(20、21、22)で覆うステップと、
前記電気コネクタ(20、21、22)を前記複数のコンタクト領域(4、8)に電気的に接続するステップと、
を含み、前記光発電セル(100、101、102)の表面上に配置された前記複数のコンタクト領域(4、8)を電気的に接続する方法であって、
前記電気コネクタ(20、21、22)は、導電性コア(10)および電気絶縁包囲部(11)を含み、前記電気絶縁包囲部(11)は、前記導電性コア(10)を包み、かつ前記導電性コア(10)を部分的に覆われないままにする電気絶縁糸を含み、
前記電気絶縁糸の間の、前記導電性コア(10)の覆われていない領域のサイズは、前記コンタクト領域(4、8)のサイズよりも小さく、
前記複数のコンタクト領域(4、8)を前記電気コネクタ(20、21、22)で覆うステップは、前記電気絶縁包囲部(11)の存在により前記導電性コア(10)と前記コンタクト領域(4、8)との間に電気的接触を妨げるギャップを設けることを含み、
前記電気コネクタ(20、21、22)を前記複数のコンタクト領域(4、8)に電気的に接続するステップは、前記導電性コア(10)の覆われていない領域と前記コンタクト領域(4、8)との間に導電性材料(5)を提供することによって、前記ギャップを橋渡しすることを含み、
前記電気コネクタ(20、21、22)は、1つの導電性コアを含む方法。
【請求項2】
前記電気コネクタ(20、21、22)を前記複数のコンタクト領域(4、8)に電気的に接続するステップは、
前記複数のコンタクト領域(4、8)のそれぞれの上の所定の位置に導電性材料(5)を提供することによって前記ギャップを橋渡しするステップと、
その後、加熱ステップを実行し、それによって前記導電性材料(5)を介して前記電気コネクタ(20、21、22)の前記導電性コア(10)と前記複数のコンタクト領域(4、8)との間の電気的接続を確立するステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性材料(5)を提供するステップは、前記光発電セル(100、101、102)の表面上に前記電気コネクタ(20、21、22)を配置する前に行われ、前記加熱ステップを実行するステップは、前記光発電セル(100、101、102)の表面上に前記電気コネクタ(20、21、22)を配置した後に行われる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記導電性材料(5)は、はんだ材料である請求項2または請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記導電性材料(5)は、導電性接着材料である請求項2または請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記電気絶縁包囲部(11)は、前記複数のコンタクト領域(4、8)の位置と異なる位置にある前記光発電セル(100、101、102)の表面から前記導電性コア(10)を電気的に絶縁する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記光発電セル(100、101、102)は、バックコンタクトセルである請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
第1光発電セル(101)を第2光発電セル(102)に電気的に接続する方法であって、
請求項1〜7のいずれかに記載の方法を用いて、電気コネクタ(20)によって、前記第1光発電セル(101)の表面上に配置された複数の第1コンタクト領域(8)を電気的に接続するステップと、
請求項1〜7のいずれかに記載の方法を用いて、前記第2光発電セル(102)の表面上に延びる同一の前記電気コネクタ(20)によって、前記第2光発電セル(102)の表面上に配置された複数の第2コンタクト領域(4)を電気的に接続するステップと、を含む方法。
【請求項9】
前記第2光発電セル(102)の前記複数の第2コンタクト領域(4)は、前記第1光発電セル(101)の前記複数の第1コンタクト領域の極性と反対の極性を有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
同一のセル表面上の、第1極性の複数のコンタクト領域(8)および反対の第2極性の複数のコンタクト領域(4)を含むバックコンタクト式の光発電セル(100、101、102)であって、該光発電セル(100、101、102)は、
前記第1極性の複数のコンタクト領域(8)を覆って前記第1極性のコンタクト領域(8)同士を接続する第1電気コネクタ(20、21)と、
前記第2極性の複数のコンタクト領域(4)を覆って前記第2極性のコンタクト領域(4)同士を接続する第2電気コネクタ(20、22)と、を更に含み、
前記第1電気コネクタ(20、21)および前記第2電気コネクタ(20、22)は、それぞれ、1つの導電性コア(10)および電気絶縁包囲部(11)を含み、前記電気絶縁包囲部(11)は、電気絶縁糸を含み、この電気絶縁糸は、前記導電性コア(10)を包み、かつ前記導電性コア(10)を部分的に覆われないままにするものであり、
前記電気絶縁糸の間の、前記導電性コア(10)の覆われていない領域のサイズは、前記第1極性のコンタクト領域(8)のサイズおよび前記第2極性のコンタクト領域(4)のサイズのいずれよりも小さく、
前記第1電気コネクタ(20、21)の前記電気絶縁包囲部(11)は、前記第1電気コネクタ(20、21)の導電性コア(10)と前記第1極性のコンタクト領域(8)との間に電気的接触を妨げる第1のギャップを提供し、
前記光発電セル(100、101、102)は、前記第1電気コネクタ(20、21)の導電性コア(10)の覆われていない領域と、前記第1極性のコンタクト領域(8)との間で、前記第1のギャップを橋渡しする導電性材料(5)を更に含み、
前記第2電気コネクタ(20、22)の前記電気絶縁包囲部(11)は、前記第2電気コネクタ(20、22)の導電性コア(10)と前記第2極性のコンタクト領域(4)との間に電気的接触を妨げる第2のギャップを提供し、
前記光発電セル(100、101、102)は、前記第2電気コネクタ(20、22)の導電性コア(10)の覆われていない領域と、前記第2極性のコンタクト領域(4)との間で、前記第2のギャップを橋渡しする導電性材料(5)を更に含み、
前記第2電気コネクタ(20、22)の前記電気絶縁包囲部(11)は、前記第1極性の前記コンタクト領域(8)から前記第2電気コネクタ(20、22)の前記導電性コア(10)を電気的に絶縁する光発電セル(100、101、102)。
【請求項11】
請求項10に記載の光発電セルである第1光発電セル(101)と、請求項10に記載の光発電セルである第2光発電セル(102)とを含む光発電モジュールであって、
前記第1光発電セル(101)の前記第1極性のコンタクト領域(8)を接続する第1電気コネクタ(20、21)は、前記第2光発電セル(102)の前記第2極性のコンタクト領域(4)上に更に延び、前記第2光発電セル(102)の前記第2極性のコンタクト領域(4)を接続する第2電気コネクタ(20、22)を形成する光発電モジュール。
【請求項12】
光発電セル(100、101、102)の表面上に配置された複数のコンタクト領域(4、8)を電気的に接続するための電気コネクタ(20、21、22)の使用であって、
前記電気コネクタ(20、21、22)は、1つの導電性コア(10)および電気絶縁包囲部(11)を含み、
前記電気絶縁包囲部(11)は、電気絶縁糸を含み、この電気絶縁糸は、前記導電性コア(10)を包み、かつ前記導電性コア(10)を部分的に覆われないままにするものであり、
前記電気絶縁糸の間の、前記導電性コア(10)の覆われていない領域のサイズは、前記電気絶縁包囲部(11)の存在により、前記導電性コア(10)と前記複数のコンタクト領域(4、8)との間に電気的接触を妨げるギャップが設けられるように、前記電気コネクタ(20、21、22)で覆われる前記コンタクト領域(4、8)のサイズよりも小さい、電気コネクタ(20、21、22)の使用。
【請求項13】
バックコンタクト式の光発電セル(100、101、102)の表面上に配置された複数のコンタクト領域(4、8)を電気的に接続するための電気コネクタ(20、21、22)の使用であって、
前記電気コネクタ(20、21、22)は、1つの導電性コア(10)および電気絶縁包囲部(11)を含み、
前記電気絶縁包囲部(11)は、電気絶縁糸を含み、この電気絶縁糸は、前記導電性コア(10)を包み、かつ前記導電性コア(10)を部分的に覆われないままにするものであり、
前記電気絶縁糸の間の、前記導電性コア(10)の覆われていない領域のサイズは、前記電気絶縁包囲部(11)の存在により、前記導電性コア(10)と前記複数のコンタクト領域(4、8)との間に電気的接触を妨げるギャップが設けられるように、前記電気コネクタ(20、21、22)で覆われる前記コンタクト領域(4、8)のサイズよりも小さい、電気コネクタ(20、21、22)の使用。
【請求項14】
光発電セル(100、101、102)の少なくとも1つのコンタクト領域(4、8)を電子部品に電気的に接続するための電気コネクタ(20、21、22)の使用であって、
前記電気コネクタ(20、21、22)は、1つの導電性コア(10)および電気絶縁包囲部(11)を含み、
前記電気絶縁包囲部(11)は、電気絶縁糸を含み、この電気絶縁糸は、前記導電性コア(10)を包み、かつ前記導電性コア(10)を部分的に覆われないままにするものであり、
前記電気絶縁糸の間の、前記導電性コア(10)の覆われていない領域のサイズは、前記電気絶縁包囲部(11)の存在により、前記導電性コア(10)と前記コンタクト領域(4、8)との間に電気的接触を妨げるギャップが設けられるように、前記電気コネクタ(20、21、22)で覆われる前記コンタクト領域(4、8)のサイズよりも小さい、電気コネクタ(20、21、22)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光発電セルのコンタクト領域を電気的に接続する方法に関し、およびモジュール内のバックコンタクト光発電セルを電気的に接続する方法に関する。
【0002】
本開示は、更に、この方法によって製造された光発電セルおよび光発電モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
バックコンタクト光発電セルは、セルの背面にエミッタコンタクトおよびベースコンタクトの両方を有する。バックコンタクトセルの利点は、セルの前面にフィンガーおよびバスバーを含むメタライジングパターンを有する標準的なセルと比較して、シャドウロス(shadowing losses)がないこと、またはシャドウロスが実質的に少ないことである。
【0004】
例えばIBC(指組み型(Interdigitated)バックコンタクト)セル、EWT(エミッタラップスルー)セル、およびMWT(メタルラップスルー)セルなどの異なるタイプのバックコンタクトセルが提案されている。すべてのタイプのバックコンタクトセルにおいて、電流は、セルの背面上に配置されたコンタクト点またはコンタクト領域に集められる。金属ストリップまたは金属コネクタは、典型的には、これらのコンタクト領域にはんだ付けされて、セルから電流を引き出し、かつ異なるセルを相互接続する。
【0005】
1つの極性のコンタクト領域に電気的に接続された金属コネクタが、同一のセルの反対の極性の領域の上を通過する領域では、短絡を防止するために、金属コネクタと反対の極性の領域との間に絶縁層が必要である。例えば、絶縁層は、セルの背面の上に設けられてもよく、開口部は、絶縁層の中に、コンタクト領域またはコンタクト点の位置にのみ作られてもよい。
【0006】
代替的な手段がWO2006/123938の中に開示されている。導電体を覆う絶縁材料によって電気的絶縁が達成される具体例が記載されている。次に、個々のセルの相互接続の間、コネクタから絶縁材料を局所的に除去することによって、導体とソーラーセルの目的の端子領域との間の電気的接触が達成される。これは、汚染の問題を引き起こす可能性がある。代替的な具体例では、導体を取り囲む絶縁材料は、電気的接続が行われるべき端子領域の間隔に応じてあらかじめ作られた断裂または開口部を含む。この手段の欠点は、順応性がほとんどないことであるが、それはなぜなら、あらかじめ作られた開口部の位置を端子領域の位置に合わせる必要があるところ、セル設計が異なればこの位置が異なり得るからである。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、モジュール内のバックコンタクト光発電セルを電気的に接続するため、および(例えば、いわゆるスマートモジュールを製造する場合に)光発電セルのコンタクト領域を電気部品に電気的に接続するために、光発電セルのコンタクト領域を電気的に接続する方法を提供することを目的とする。ここで、この方法は、より少ないプロセスステップしか必要とせず、周知の方法と比較して更なる順応性を提供する。
【0008】
本開示は、光発電セルの表面上に配置された複数のコンタクト領域を電気的に接続する方法に関する。この方法は、光発電セルの表面上に電気コネクタを配置し、それによって複数のコンタクト領域を電気コネクタで覆うステップと、電気コネクタを複数のコンタクト領域に電気的に接続するステップと、を含み、電気コネクタは、導電性コアと電気絶縁包囲部とを含み、包囲部は、導電性コアを包み(例えば周囲を包み)、かつ導電性コアを部分的に覆われないままにする電気絶縁糸を含む。電気絶縁被覆糸は、例えば、包囲、織込み、巻付けまたは編込みによって提供されてもよい。電気絶縁被覆糸は、例えば、巻かれ、織られ、巻かれ、または編まれることによって、互いに接続されてもよい。
【0009】
本開示に係る方法では、電気コネクタを複数のコンタクト領域に電気的に接続するステップは、複数のコンタクト領域のそれぞれの上の所定の位置に導電性材料を提供するステップと、その後、加熱ステップを実行し、それによって導電性材料を介して電気コネクタの導電性コアと複数のコンタクト領域との間の電気的接続を確立するステップと、を含んでもよい。
【0010】
本開示の具体例では、所定の位置に導電性材料を提供することは、印刷(例えばスクリーン印刷)によって、またははんだペーストもしくは導電性接着剤を供給することによって実行される。導電性材料が導電性接着剤である場合、ジェット印刷によって提供することもできる。
【0011】
本開示の具体例では、導電性材料を提供するステップは、光発電セルの表面上に電気コネクタを配置する前に行われてもよく、加熱ステップを実行するステップは、光発電セルの表面上に電気コネクタを配置した後に行われてもよい。
【0012】
本開示の別の具体例では、電気コネクタを光発電セルの表面上に配置した後に、導電性材料の提供および加熱ステップの実行が行われてもよい。
【0013】
導電性材料は、例えばはんだペーストのようなはんだ材料、または導電性接着材料であってもよい。
【0014】
電気絶縁包囲部は、複数のコンタクト領域の位置と異なる位置の光発電セルの表面から、導電性コアを電気的に絶縁する。
【0015】
本開示の方法は、例えばメタルラップスルー(MWT)セル、エミッタラップスルー(EWT)セルまたは指組み型バックコンタクト(IBC)セルなどのバックコンタクトセルの背面の上に配置された複数のコンタクト領域を電気的に接続するために使用されてもよい。
【0016】
本開示の方法は、例えば光発電セルの前面にある金属フィンガーの上に配置されたコンタクト領域などの光発電セルの前面に配置された複数のコンタクト領域を電気的に接続するために使用されてもよい。このような具体例では、電気コネクタは、複数の金属フィンガーを電気的に接続するバスバーの機能を有してもよい。このような具体例では、電気コネクタは、バスバーに取って代ることができる。
【0017】
本開示は、更に、第1光発電セルを第2光発電セルに電気的に接続する方法に関する。この方法は、前述のように、電気コネクタによって、第1光発電セルの表面上に配置された複数の第1コンタクト領域を電気的に接続するステップと、前述のように、第2光発電セルの表面上に延びる同一の電気コネクタによって、第2光発電セルの表面上に配置された複数の第2コンタクト領域を電気的に接続するステップと、を含む。
【0018】
第2光発電セルの複数の第2コンタクト領域は、例えば第1光発電セルの複数の第1コンタクト領域の極性と反対の極性を有してもよい。
【0019】
代替的に、第2光発電セルの複数の第2コンタクト領域は、第1光発電セルの複数の第1コンタクト領域と同一の極性を有してもよい。
【0020】
本開示は、更に、例えば光発電セルの背面または前面に配置された光発電セルの1つ以上のコンタクト領域を、例えばスイッチ(アクティブまたはパッシブ)、センサ、ダイオードなどの電子部品に電気的に接続する方法に関する。コンタクトおよび/または電子部品は、不要な電気接点を形成することなく接続することができる。この方法は、いわゆるスマートモジュールの分野において使用されてもよい。
【0021】
本開示は、更に、同一のセル表面上の、第1極性の複数のコンタクト領域を含み、かつ反対の第2極性の複数のコンタクト領域を含むバックコンタクト光発電セルに関する。このセルは、第1極性のコンタクト領域を接続する第1電気コネクタと、第2極性のコンタクト領域を接続する第2電気コネクタと、を更に含む。第1電気コネクタおよび第2電気コネクタは、導電性コアおよび電気絶縁包囲部を含み、この包囲部は、電気絶縁糸を含み、この電気絶縁糸は、例えば周りに巻かれて、導電性コアを包み、かつ導電性コアを部分的に覆われないままにするものである。第2電気コネクタの電気絶縁包囲部は、第1極性のコンタクト領域から第2電気コネクタの導電性コアを電気的に絶縁する。
【0022】
本開示は、更に、前述のような第1バックコンタクト光発電セルおよび第2バックコンタクト光発電セルを含む光発電モジュールに関する。第1光発電セルの第1極性のコンタクト領域を接続する第1電気コネクタは、第2光発電セルの第2極性のコンタクト領域上に更に延び、第2光発電セルの第2極性のコンタクト領域を接続する第2電気コネクタを形成する。
【0023】
第1光発電セルの第2極性のコンタクト領域を接続する第2電気コネクタは、複数の更なる、例えば第3の、光発電セルの第1極性のコンタクト領域の上に更に延び、更なる、例えば第3の、光発電セルの第1極性のコンタクト領域を接続する第1電気コネクタを形成してもよい。第2光発電セルの第1極性のコンタクト領域を接続する第1電気コネクタは、更に別の光発電セル、例えば第4光発電セルの第2極性のコンタクト領域の上に更に延び、他の、例えば第4の、光発電セルの第2極性のコンタクト領域を接続する第2電気コネクタを形成してもよい。
【0024】
本開示は、更に、導電性コアおよび電気絶縁包囲部を含む電気コネクタに関する。この包囲部は、電気絶縁糸を含み、この電気絶縁糸は、例えば周りに巻かれて、導電性コアを包み、かつ導電性コアを部分的に覆われないままにするものである。
【0025】
本開示は、更に、複数のコンタクト領域、例えば光発電セルの表面上に配置されたコンタクト領域を電気的に接続するためのこのような電気コネクタの使用に関する。それは更に、例えば光発電モジュールの中のバックコンタクト光発電セルを電気的に接続するためのこのような電気コネクタの使用に関する。それは更に、例えば光発電セルの背面または前面に配置された光発電セルの1つ以上のコンタクト領域を、例えばスイッチなどの電子部品に電気的に接続するためのこのような電気コネクタの使用に関する。
【0026】
本開示の方法の利点は、光発電セルの背面の上に絶縁層を設ける必要がないことである。
【0027】
本開示の方法の利点は、コンタクト領域の位置に応じて、導電性コアを取り囲む電気絶縁部を局所的に取り除く必要がないことである。利点は、電気コネクタのどの位置にも電気的接続を作ることができることである。したがって、同一の電気コネクタを異なるセル設計に対して使用してもよく、接触の大きな順応性を提供する。
【0028】
本開示の方法の利点は、異なる極性の電気的接続またはコネクタが、短絡を生じさせることなく互いに交差できることである。
【0029】
様々な発明の態様の特定の目的および利点は、本明細書において上に記載されている。当然、そのような目的または利点のすべてが必ずしも本開示の特定の具体例によって達成されるとは限らないことが理解されなければならない。したがって、例えば、当業者であれば、本明細書に教示または示唆されているような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示された1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法によって、本開示を具体化または実行できることを認識するであろう。さらに、この概要は単なる一例に過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないことが理解される。構成および動作方法に関する本開示は、その特徴および利点とともに、添付の図面と併せて読まれる場合、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】メタルラップスルー光発電セルの背面の例を概略的に示す。
【
図2】本開示の具体例に係る電気コネクタの例を示す。
【
図3】本開示の具体例に係る電気コネクタの例を示す。
【
図4】本開示の具体例に係る電気コネクタの例を示す。
【
図5】メタルラップスルー(MWT)光発電セルの背面の詳細を示す。
【
図6】
図5の線A−A’に沿ったMWTセルの断面を示す。
【
図7】本開示の具体例に係る方法のプロセスステップを示す。
【
図8】本開示の具体例に係る方法のプロセスステップを示す。
【
図9】本開示の具体例に係る方法のプロセスステップを示す。
【
図10】
図5の線B−B’に沿ったMWTセルの断面を示す。
【
図11】本開示の具体例に係る方法のプロセスステップを示す。
【
図12】本開示の具体例に係る方法のプロセスステップを示す。
【
図13】本開示の具体例に係る方法のプロセスステップを示す。
【
図14】第1電気コネクタおよび第2電気コネクタが本開示の具体例に係るセルのコンタクト領域に接続された状態の、MWT光発電セルの背面の詳細を示す。
【
図15】第1電気コネクタおよび第2電気コネクタが本開示の具体例に係るセルのコンタクト領域に接続された状態の、MWT光発電セルの背面を示す。
【
図16】第1電気コネクタおよび第2電気コネクタが本開示の具体例に係るセルのコンタクト領域に接続された状態の、MWT光発電セルの背面を示す。
【
図17】本開示の具体例によって接続された第1バックコンタクト光発電セルおよび第2バックコンタクト光発電セルを示す。
【
図18】本開示の具体例によって接続された第1バックコンタクト光発電セルおよび第2バックコンタクト光発電セルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
特許請求の範囲の中の参照符号は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0032】
異なる図では、同一の符号は、同一または類似の要素を参照する。
【0033】
以下の詳細な説明では、多数の特定の詳細が示され、本開示および本開示が特定の具体例においてどのように実施され得るかについての完全な理解を提供する。しかしながら、本開示は、これらの特定の詳細なしでも実施され得ることが理解されるであろう。他の例では、本開示を不明瞭にしないために、周知の方法、手順および技術は、詳細には説明されていない。
【0034】
本開示は、特定の具体例に関して、特定の図面を参照して説明されるが、本開示はそれに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載された図面は概略的なものに過ぎず、限定的なものではない。図面では、いくつかの要素のサイズは、説明のために誇張され、縮尺通りに描かれていない場合がある。寸法および相対的な寸法は、本開示の実施の実際の縮図に対応していない。
【0035】
さらに、明細書および特許請求の範囲の中の第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも逐次的な順序または時間的な順序を説明するために使用されるものではない。これらの用語は、適切な状況の下で交換可能であり、本開示の具体例は、ここに記載または図示されている順序以外の順序で動作することができる。
【0036】
さらに、明細書および特許請求の範囲の中の上(top)、下(bottom)、上(over)、下(under)などの用語は、説明目的で使用されるものであり、必ずしも相対的な位置を説明するために使用されるものではない。理解されるべきであるが、そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、ここに記載された開示の具体例は、ここに記載または図示されている方向以外の方向でも動作することができる。
【0037】
本開示に関しては、光発電セルまたは光発電モジュールの前面(front surface)または前面(front side)は、光源の方向に向けられ、したがって照明を受けるのに適した表面または側面である。光発電セルまたは光発電モジュールの裏面(back surface)、背面(rear surface)、裏面(back side)または背面(rear side)は、前面と反対側の表面または側面である。
【0038】
本開示に関しては、バックコンタクト光発電セルは、少なくともセルの裏面に、またはセルの裏面のみに、n型領域およびp型領域への電気的なコンタクトを含む光発電セルである。
【0039】
本開示は、光発電セルの複数のコンタクト領域を電気的に接続する方法を提供する。このコンタクト領域は、1つのセル表面(前面または背面)の上に配置される。複数のコンタクト領域は、同一の電気極性を有することが好ましい。すなわち、複数のコンタクト領域は、セルのn型領域へのコンタクト領域またはセルのp型領域へのコンタクト領域のどちらかであってもよい。
【0040】
本開示の方法は、有利には、MWTセル、EWTセルまたはIBCセルなどのバックコンタクトセルの背面のコンタクト領域を電気的に接続するために使用されてもよい。しかしながら、本開示は、それに限定されるものではなく、この方法は、セルの前面のコンタクト領域を電気的に接続するため、例えばセルの前面の金属フィンガーを接続するためにも使用されてもよい。
【0041】
本開示の方法は、メタルラップスルー(MWT)セルの背面のコンタクト領域が電気的に接続された具体例について更に説明されるが、本開示は、それに限定されるものではない。
【0042】
図1は、MWT光発電セル100の背面の例を概略的に示している。セル100の背面は、金属コンタクト層3(ドットが付された領域)を含み、この層は、光発電セルのバルク領域またはベース領域(基板)に対応する第1半導体領域1への電気的接触を提供する。金属コンタクト層3は、典型的には、はんだ付けできないコンタクト層、例えばはんだ付けできないアルミニウム層である。コンタクト層3の上には、第1極性の複数のコンタクト領域8またはコンタクト点8がある。第1極性のコンタクト領域8は、はんだ付け可能な材料(例えばCu、NiまたはAgなど)を局所的に提供することによって形成されてもよい。例えば、複数のコンタクト領域8は、銀ペーストを局所的にプリントすることによって形成されてもよい。代わりに、第1極性のコンタクト領域8は、接着促進材料を局所的に提供することによって形成され、例えば、光発電セルの製造プロセスの後期に、コンタクト層3への導電性接着材料の接着を向上させてもよい。示されている例では、第1極性のコンタクト領域8は、各列が8つのコンタクト領域から成る3つの列の中に設けられているが、これは一例であり、本開示はこれに限定されるものではない。
【0043】
セルの背面は、更に、第1極性と反対の第2極性の複数のコンタクト領域4またはコンタクト点4を含む。複数のコンタクト領域4は、第2領域への電気的接触を提供する。第2領域は、示されている例の中のエミッタ領域(
図1には図示せず)に対応する。エミッタ領域2は、背面と反対側の、セル100の前面に配置されている。MWTセルでは、セル100の背面110の第2極性のコンタクト領域4は、(例えば
図10に示されているような)基板1を通るビア40または開口部を介して、セルの前面120に配置されたエミッタ領域2に電気的に接続される。
図1に示すように、コンタクト領域4は、コンタクト層3の中に作られた開口部の中に設けられており、かつ、例えば各コンタクト領域4の周りを囲む溝(図示せず)を形成することによって、第1領域1およびコンタクト層3から電気的に絶縁されている。示されている例では、第2極性のコンタクト領域4は、各列が9つのコンタクト領域から成る3つの列の中に設けられているが、本開示はこれに限定されるものではない。コンタクト領域4は、はんだ付け可能な材料(例えばCu、NiまたはAgなど)から成ってもよい。
【0044】
図1に示されたセル100の中に、第1極性のコンタクト領域8および反対の第2極性のコンタクト領域4が設けられ、これらの領域への電気コネクタ、例えば金属コネクタのはんだ付けを可能とする。このような電気コネクタは、これらの領域にはんだ付けされ、光発電セル内の同一極性のコンタクト領域(第1極性のコンタクト領域8または第2極性のコンタクト領域4のいずれか)を電気的に接続する。
【0045】
電気コネクタは、更に、モジュール内の光発電セルを電気的に接続するために使用されてもよい。モジュール内の光発電セルは、例えば、直列に接続されてもよく、ここで電気コネクタは、第1セルの第1極性のコンタクト領域8を第2セルの第2極性のコンタクト領域4に接続する。代わりに、モジュール内のセルは、並列に接続されてもよく、ここで電気コネクタは、第1セルの第1極性のコンタクト領域8を第2セルの第1極性のコンタクト領域8に接続し、別の電気コネクタは、第1セルの第2極性のコンタクト領域4を第2セルの第2極性のコンタクト領域4に接続する。
【0046】
電気コネクタが第2極性のコンタクト領域4の列にはんだ付けされる場合、電気コネクタと(第1極性のコンタクト領域8に電気的に接触する)コンタクト層3との間の短絡を防ぐ必要がある。本開示の方法では、このような短絡は、導電性コア10および電気絶縁包囲部11を含む電気コネクタ20を使用することによって防止される。包囲部は、導電性コア10を包む(例えば周囲を包む)電気絶縁糸を含む。電気絶縁糸/包囲部は、導電性コアを部分的に覆われないままにする(例えば
図2、
図3および
図4に示されているように)。電気絶縁糸/包囲部は、好適には、導電性コア10と電気コネクタ20が置かれる表面との間に距離ホルダを形成するようなものである。本開示の方法では、導電性材料は、電気コネクタ20と光発電セルのコンタクト領域4、8との間の電気的接触が行われる必要がある位置に局所的に設けられる。この電気的接触は、導電性コア10の覆われていない部分を介して導電性材料を通って確立される。電気絶縁包囲部11は、他の位置の、すなわちこのような導電性材料が設けられていない位置の光発電セルの表面から導電性コア10を絶縁する。示されている例では、電気絶縁包囲部11は、他の位置の光発電セルの表面から、したがって、コンタクト層3から、複数のコンタクト領域4にはんだ付けされた電気コネクタの導電性コア10を電気的に絶縁し、それによって、電気コネクタとコンタクト層3との間の短絡を防止する。
【0047】
本開示に係る電気コネクタ20の使用の利点は、コンタクト層3を覆う絶縁層を設ける必要がないことおよび/またはコンタクト領域4、8と電気的に接続される位置の電気コネクタから電気絶縁層を局所的に取り除く必要がないことである。
【0048】
本開示の方法において使用される導電性コネクタの例が、
図2、
図3および
図4に示されている。電気絶縁ワイヤが設けられて、導電性コア10は、絶縁ワイヤによって、電気コネクタ20と物理的に接触する表面から分離されたままとなる。
【0049】
電気コネクタ20の寸法および特性は、電気コネクタ20が取り付けられる光発電セルの特性に応じて選択される。例えば、絶縁ワイヤの直径は、コンタクト領域4、8のまたはコンタクト層3の表面粗さと、十分な間隔を設けることによって電気コネクタ20と物理的に接触する表面から導電性コア10を分離する必要性とを考慮して選択されてもよい。絶縁ワイヤの直径は、例えば、30マイクロメートル〜500マイクロメートル、より好適には40マイクロメートル〜300マイクロメートル、より好適には40マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲内であるが、他の直径の値が排除されるものではない。より高い表面粗さに対して、より厚い絶縁ワイヤが使用されてもよい。例えば、隣接する糸またはワイヤの間の導電性コア10の覆われていない領域のそれぞれのサイズ(言い換えれば、隣接する糸またはワイヤの間の各開口部のサイズ)は、導電性コア10の直径に比べて小さくてもよい。隣接する糸の間のこれらの覆われていない領域のサイズは、好適には、コンタクト領域4、8のサイズ(領域)よりも小さくなるように選択される。例えば、このような覆われていない領域のサイズは、コンタクト領域4、8のサイズの3%〜30%、または10%〜30%の範囲内であってもよいが、本開示はこれに限定されるものではない。さらに、これらの覆われていない領域のサイズは、はんだ材料または導電性接着材料が隣接する糸の間に流れ込むことができるように十分に大きいものであり、この材料が、導電性コア10の覆われていない部分に電気的に接触することができる必要がある。例えば、コネクタのコアの直径は、セルを接続するために使用されるコネクタの数およびセルの所望の曲線因子(fill factor)に依存し得る。Cuのコアについては、円筒形状のコアの直径は、例えば100マイクロメートル〜1.8mmの範囲内にあってもよいが、より大きなおよびより小さな直径の値を排除するものではない。これらの直径は、それぞれ、0.008mm
2〜2.5mm
2の範囲内の断面積に対応するが、より大きなおよびより小さな断面積が排除されるものではない。より好適には、断面積は、0.1mm
2〜1.6mm
2の範囲内にある。長方形のまたは他の断面を有するコアは、同様の断面積を有することができる。コアがAlを含む場合またはAlから成る場合、Alの伝導率がより低いので、Cuコアよりも大きな断面が必要である。
【0050】
図2は、本開示の方法において使用され得る電気コネクタ20の例を示している。導電性コア10は、例えば錫めっきされた銅から成る平らなリボンであり、コア10は、コア10に対する電気絶縁包囲部11を形成している電気絶縁糸によって、例えばらせん状に巻かれまたは包まれて、包囲されている。
【0051】
図3は、本開示の方法において使用され得る電気コネクタ20の概略的な例を示している。導電性コア10は、複数の導電性ワイヤを含み、コアは、織られた(例えば編まれてもよい)電気絶縁糸によって部分的に覆われ、コア10に対する電気絶縁包囲部11を形成している。
【0052】
図4は、本開示の方法において使用され得る電気コネクタ20の例を示している。導電性コア10は、1つの導電性ワイヤであり、コアは、織られた(例えば編まれた)電気絶縁糸によって部分的に覆われ、コア10に対する電気絶縁包囲部11を形成している。
【0053】
図2、
図3および
図4中の電気コネクタ20は、例示であり、本開示はこれに限定されるものではない。導電性コア10および電気絶縁包囲部11の他の構成が使用されてもよい。
【0054】
包囲部11を形成するために使用される電気絶縁材料は、例えば、導電性材料を介して電気コネクタのコア10と各コンタクトとの間の電気的接触を作り出すために実行される加熱/はんだ付けステップの間、または他のはんだ付けステップの間、またはラミネートもしくは封入(encapsulation)ステップの間などの、光発電セルまたはモジュールを製造する更なるプロセスステップの間に使用される温度に耐久する必要がある。この耐久は、例えば包囲部が、融解せず、またはその包囲構成を変化させることを意味する。好適には、コア10および包囲部11の両方は、光発電セルまたはモジュールを製造する更なるプロセスステップの間に使用される温度に耐性があるというこの条件を満たす。そして、コアおよび包囲部の両方は、その特性および相対的な構成/配置を維持する。電気絶縁糸は、例えば、ガラス繊維またはポリマ繊維を含むか、またはそれらから成ってもよいが、本開示はそれに限定されるものではない。
【0055】
有利には、電気絶縁包囲部11を形成するためにガラスが使用されてもよい。電気絶縁糸は、例えばガラス繊維またはガラスフィラメントから成り、またはこれらを含んでもよい。ガラスを使用する利点は、寸法安定性が良好な不活性材料であり、良好な物理的性質(例えば、高融点、高い引張り強さ)、良好な電気絶縁性および良好な化学的性質(耐湿性、耐薬品性、アウトガスがないこと)を有し、耐火性であり、比較的安価であることである。例えば、Eガラス繊維材料が使用されてもよく、これは52〜60wt%のシリカ、16〜25wt%の酸化カルシウム、12〜16wt%のアルミナ、8〜13wt%の酸化ホウ素、0〜1wt%の酸化ナトリウムおよび酸化カリウム、および0〜6%の酸化マグネシウムを含む典型的な組成を有する。連続的な繊維またはフィラメントが使用されてもよく、これらは4マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲内の直径を有し、より線状にグループ化される。編組、包囲または巻付けの前に、熱可塑性の樹脂または織物のロック材料が、繊維上に塗布されてもよい。編組、包囲または巻付けの間または後に、樹脂を流し込みまたは硬化させる加熱ステップが使用され、それによって絶縁繊維を互いにおよび/または導電性コアの上で硬化させてもよい。
【0056】
しかしながら、本開示はこれに限定されず、例えば絶縁熱可塑性材料などのガラスファイバー以外の材料を使用して電気絶縁包囲部11を形成してもよい。電気絶縁糸は、例えば絶縁熱可塑性材料(例えばポリオレフィン材料または同様の材料)を含み、またはそれから成ってもよい。熱可塑性材料を含む電気絶縁糸は、糸の熱可塑性材料より低い融点を有するコーティング材料(例えば第2熱可塑性材料)で覆われてもよい。導電性コアの周りに絶縁包囲部を巻き付けた後(すなわち、コアを包んだ後)、加熱ステップが行われてコーティング材料を少なくとも部分的に融解し、それによって互いにおよび/または導電性コア上に絶縁ワイヤを固定し/取り付け、1つの統合された構造を形成する。好適には、第2熱可塑性材料(コーティング材料)は、ソーラーパネルの封入材料と同様の融解温度を有する。モジュール封入の間、封入材料およびコーティング材料(ただし、糸の熱可塑性材料でない)は融解し、封入後にセルと封入材料との間の良好な一体化が得られる。
【0057】
電気コネクタ20の導電性コア10を形成するために有利に使用され得る材料は、銅であり、これは例えば、腐食を防止しおよび/またははんだぬれ性を改善するために、錫または他のはんだの薄い層で覆われている。しかしながら、本開示は、これに限定されず、他の材料または材料の組合せが使用されて導電性コア10を形成してもよい。導電性コアは、例えば、アルミニウムを含み、またはアルミニウムから成り、またはCuでコーティングされたAlワイヤとして具体化できる。
【0058】
本開示の方法では、セル表面上に複数のコンタクト領域を含む光発電セル100、例えばバックコンタクトセルが提供される。さらに、導電性コア10および電気絶縁包囲部11を含む電気コネクタ20が提供される。電気絶縁包囲部は、導電性コアの周りに巻かれて/導電性コアを包み、かつ導電性コアを部分的に覆われないままにする電気絶縁ワイヤまたは糸(または複数の電気絶縁ワイヤまたは糸)を含む。
【0059】
電気コネクタ20は、同一極性の複数のコンタクト領域に電気的に接続される。電気コネクタ20は、光発電セル100、例えばバックコンタクトセルの表面上に配置され、接続されるべき複数のコンタクト領域を、例えば物理的に接触して、覆う。電気的接触または電気的接続は、電気コネクタの導電性コアと対応するコンタクト領域との間に確立される。電気的接触を確立することは、例えば、複数のコンタクト領域上の所定の位置に導電性材料(例えば、はんだペーストまたは導電性接着材料など)を提供することおよび電気的接触を確立するために加熱ステップを実行することを含む。電気的接触を達成するために、所定の十分な量の導電性材料が設けられてもよい。その結果、導電性材料は、(被覆されていない部分の)導電性コアと所定の位置の複数のコンタクト領域との間に電気的接続を形成する。この電気的接続は、電気絶縁包囲部の存在に起因する複数のコンタクト領域と導電性コアとの間のギャップまたは間隔を橋渡しすることによって形成される。電気絶縁包囲部は、他の位置の光発電セルから電気コネクタを電気的に絶縁する。
【0060】
本開示の具体例では、導電性材料は、セル表面上に電気コネクタを配置する前に提供されてもよく、加熱ステップは、セル表面上に電気コネクタを配置した後に行われてもよい。このような具体例では、電気コネクタは、導電性材料に物理的に接触するように配置されるが、ここで導電性材料は、複数のコンタクト領域に物理的に接触している。本開示の他の具体例では、導電性材料は、セル表面上に電気コネクタを配置した後に提供されてもよい。
【0061】
図5は、MWT光発電セル100の背面の詳細を示しており、第2極性の2つのコンタクト領域4および第1極性の1つのコンタクト領域8を示している。
図6は、線A−A’に沿った断面を示し、
図10は、線B−B’に沿った断面を示している。
図6に示されているように、セルの背面110に配置された第1極性のコンタクト領域8は、基板(第1領域)1への電気的接触を形成し、コンタクト層3に電気的に接触している。
図10に示されているように、セルの背面110に配置された第2極性のコンタクト領域4は、基板1を通る開口部またはビアを介して、セルの前面120に配置された第2領域(エミッタ領域)に電気的に接続されている。第2極性のコンタクト領域4は、基板1およびコンタクト層3から電気的に絶縁されている。
【0062】
本開示の方法では、接着材料またははんだ材料などの導電性材料5は、電気コネクタが接続される必要があるコンタクト領域の場所に設けられる。これは、第1極性のコンタクト領域8については
図7の中に、第2極性のコンタクト領域4については
図11の中に、概略的に示されている。示されている例では、各領域4、8に対して、導電性材料5の(好適には、所定の、分離した量の)2つの「滴」が設けられている。しかしながら、これは一例に過ぎず、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、滴のサイズおよび数は、コンタクト領域のサイズおよび形状に応じて適合されてもよい。導電性材料5は、例えばはんだペースト、導電性接着剤(例えば、銀充填エポキシ樹脂などの、例えば熱硬化を必要とする金属含有ペースト)または異方性ペースト(典型的には圧縮および熱硬化を必要とする)であってもよい。はんだペーストを使用する場合、セル表面上に電気コネクタを配置する前にペーストを乾燥させてもよい。
【0063】
導電性コア10および電気絶縁包囲部11を含む電気コネクタ20は、セルの背面の上に配置される。電気コネクタ20は、接続されるべきコンタクト領域を覆う。例えば、セルの背面の上に電気コネクタ20を配置した後、電気コネクタ20は、同一極性のコンタクト領域上にある導電性材料5に物理的に接触する。これは
図8に示されており、第1電気コネクタ21は、第1極性のコンタクト領域8の上にある導電性材料5に物理的に接触して設けられている。これは、更に
図12に示されており、第2電気コネクタ22は、第2極性のコンタクト領域4の上にある導電性材料5に物理的に接触して設けられている。
【0064】
製造プロセスのこの段階では、第1電気コネクタ21および第2電気コネクタ22は、導電性材料5に物理的に接触し、導電性材料5は、コンタクト領域4、8に物理的に接触している。しかしながら、第1電気コネクタ21および第2電気コネクタ22は、コンタクト領域4、8に電気的に接触していないが、それはなぜなら、
図8および
図12に示されているように、コネクタの導電性コア10と導電性材料5との間に電気絶縁糸11があり、それによって導電性材料5と導電性コア10との間のギャップまたは間隔を作り出すからである。
【0065】
電気的接続を確立するために、加熱ステップが実行される。例えば、はんだペーストが導電性材料5として使用される具体例では、導電性コア10と第1極性のコンタクト領域8または第2極性のコンタクト領域4との間の電気的接続は、はんだ付けによって確立されてもよい。はんだ付け中、はんだ材料は融解し、電気コネクタ21、22の導電性コア10に達するまで電気絶縁糸の間を流れる。このようにしてコンタクト領域4、8と電気コネクタの導電性コア10との間の電気的接続が確立される。はんだ材料が設けられていない場所では、絶縁ワイヤは、絶縁材料としておよびスペーサとして機能し、短絡および望ましくない電気的接続を防止する。導電性材料5として導電性接着剤を使用する場合、熱硬化が電気的接続を形成する。結果として生じた構造は、第1極性のコンタクト領域8については
図9の中に、第2極性のコンタクト領域4については
図13の中に、概略的に示されている。
【0066】
本開示の具体例では、電気的接続を確立するために実行される加熱ステップは、光発電モジュール製造プロセスの後の段階で、例えば封入の間に行われてもよい。このような具体例では、(はんだリフローのためまたは導電性接着剤硬化のための)加熱ステップは、封入のために使用されるラミネーションプロセス中に行われる加熱ステップと組み合わせることができる。すなわち、1つの加熱ステップの間に両方実行できる。これは、製造プロセスステップの数を減らす点で有利である。
【0067】
図14は、電気的接続が完了した後の、第1極性のコンタクト領域8に第1電気コネクタ21が接続され、第2極性のコンタクト領域4に第2電気コネクタ22が接続された状態の、MWT光発電セル100の背面の詳細を示している。
【0068】
図15は、第1極性のコンタクト領域8に3つの第1電気コネクタ21が接続され、第2極性のコンタクト領域4に第2電気コネクタ22が接続されている状態の、MWT光発電セル100の背面の例を示している。示されている例では、各コネクタ21、22は、1つの横の列に配置されたコンタクト領域を接続しているが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、横の列に配置された同一極性のコンタクト領域を接続する代わりに、縦の列(すなわち、コンタクト領域の横の列の方向と実質的に直交する方向)のコンタクト領域が本開示のコネクタによって接続されてもよい。これは、
図16に概略的に示されている。
【0069】
示されている例では、行および/または列に、すなわち直線に沿って、同一極性のコンタクト領域が設けられている。しかしながら、本開示はこれに限定されず、コンタクト領域の他の構成が使用されてもよい。例えば、同一極性のコンタクト領域は、曲線に沿って設けられてもよい。
【0070】
本開示は、更に、モジュール内のバックコンタクト光発電セルを電気的に接続する方法を提供する。セルは、直列または並列に接続されてもよく、または直列と並列の組合せが使用されてもよい。
【0071】
例えば、複数の光発電セルは、直列に接続され、それによって一連の直列接続セルを形成してもよい。
図17および
図18は、第1光発電セル101および実質的に同一の第2光発電セル102(第1光発電セル101と比較して180°回転している)が、本開示に係る電気コネクタ20によって直列に接続されている例を示している。第1光発電セル101の第1極性のコンタクト領域の横列を接続する電気コネクタは、更に、第2光発電セル102の第2極性のコンタクト領域の横列に接続されている。
図17および
図18は、直列に接続された2つの光発電セルを示しているのみであるが、本開示は、これに限定されず、2つ以上のセルが本開示の方法を使用して接続されてもよい。
【0072】
図17に示されているように、一連の直列接続セルによって生成された電流は、例えば端部リボン30によって、任意の適切な導体構成によって集めることができる。示されている例では、端部リボン30は、本開示の電気コネクタ20に電気的に接続されている。
図17に示されているように、端部リボン30は、短絡を防止するように光発電セル101、102に隣接して設けられる。
【0073】
端部リボンを使用する代わりに、本開示に係る電気コネクタ20が使用され、一連のセルによって生成された電流を集めてもよいこれは、
図18に示されている。利点は、本開示の電気コネクタ20は、短絡を発生させるリスクなしに、他のコネクタ20の上および異なる極性の領域の上に設けられてもよいことであるが、それはなぜなら、導電性コア10を部分的に覆う電気絶縁包囲部11が存在するからである。下地要素との電気的接触は、導電性材料5が設けられている場所にのみ確立される。他の場所では、電気コネクタ20の電気絶縁包囲部11は、それが物理的に接触するすべての表面から、コネクタの導電性コア10を電気的に絶縁する。一連のセルを接続するために本開示の電気コネクタ20を使用する利点は、これらの接続が、光発電セルの背面に設けられ、セルに隣接して設ける必要がないことである。これは、より小さく、より美しいモジュールにつながる。
【0074】
モジュール内のセルを接続した後、例えばEVA、シリコーンまたは熱可塑性ポリオレフィンなどの封入材料を提供および硬化させることにより、セルおよび導体を埋め込んでもよい。
【0075】
上記の説明は、本開示の特定の具体例を詳述している。しかしながら、上記の内容がいかに詳細に記載されているとしても、本開示は、多くの方法で実施され得ることが理解されるであろう。本開示の特定の特徴または態様を説明する場合の特定の用語の使用は、その用語が、本明細書の中で再定義され、その用語が関連付けられている本開示の特徴または態様の特定の特徴を含むように限定されることを意味するものと理解されてはならないことに注意すべきである。
【0076】
上記の詳細な説明は、様々な具体例に適用される本発明の新しい特徴を示し、説明し、および指摘しているが、示されたデバイスまたはプロセスの形および詳細における様々な省略、置換、および変更は、本発明から逸脱することなく、当業者によってなされ得ることが理解されるであろう。