特許第6836554号(P6836554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836554
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】香粧品用白茶様香料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20210222BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20210222BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20210222BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20210222BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20210222BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20210222BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20210222BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20210222BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61K8/35
   A61K8/49
   A61Q13/00 101
   A61Q5/02
   A61Q5/06
   A61Q19/00
   A61Q19/10
   C11B9/00 C
   C11B9/00 L
   C11B9/00 W
   C11D3/50
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-133262(P2018-133262)
(22)【出願日】2018年7月13日
(65)【公開番号】特開2020-12022(P2020-12022A)
(43)【公開日】2020年1月23日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野川 一義
(72)【発明者】
【氏名】逆井 充好
【審査官】 片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101415812(CN,A)
【文献】 角田 一,日本調理科学会誌,2013年,vol.46, No.4,p.308-311,URL,https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/46/4/46_308/_pdf/-char/ja[retrieved on 2020-10-02]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C11B 1/00−15/00
C11C 1/00−5/02
C11D 1/00−19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(a)〜(e)を含有する香粧品用白茶様香料組成物であって、添加後の香粧品の総量に対し、成分(a)の含有量が0.05質量%以上、成分(c)の含有量が0.005質量%以上、成分(d)の含有量が0.005質量%以上0.5質量%以下、成分(e)の含有量が0.003質量%以上0.3質量%以下であり、香粧品用白茶様香料組成物中における、成分(a)〜(c)の合計量に対する成分(a)及び(c)の合計量の質量比[(a)+(c)]/[(a)+(b)+(c)]が0.3を超え0.85未満、成分(a)及び(c)の合計量に対する下記成分(f)の含有量の最大許容質量比が0.4であり、白茶様の香気を有する、香粧品用白茶様香料組成物。
(a) シス-ジャスモン
(b) リナロール
(c) シス-3-ヘキセノール
(d) ネロリドール
(e) ゲラニオール
(f) インドール
【請求項2】
香粧品用白茶様香料組成物中に含まれる香料化合物の総量に対する成分(a)〜(c)の合計量の質量比[(a)+(b)+(c)]/[香料化合物の総量]が0.2を超える、請求項1に記載の香粧品用白茶様香料組成物。
【請求項3】
成分(a)〜(c)の合計量に対する成分(d)の含有量の質量比(d)/[(a)+(b)+(c)]が0.03を超え0.5未満である、請求項1又は2に記載の香粧品用白茶様香料組成物。
【請求項4】
成分(a)〜(c)の合計量に対する成分(e)の含有量の質量比(e)/[(a)+(b)+(c)]が0.01を超え15未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の香粧品用白茶様香料組成物。
【請求項5】
添加後の香粧品中における成分(b)の含有量が0.005質量%以上0.8質量%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の香粧品用白茶様香料組成物。
【請求項6】
添加後の香粧品中における成分(f)の含有量が0.5質量%未満である、請求項1〜のいずれか1項に記載の香粧品用白茶様香料組成物。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載の白茶様香料組成物を添加してなる香粧品。
【請求項8】
白茶様香料組成物の添加量が5質量%以下である請求項に記載の香粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香粧品用白茶様香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
白茶は、中国6大茶類の一つに分類される微発酵茶である。白茶は殺青(加熱して酵素を失活させる工程)や揉捻(揉み込む工程)を行うことなく、萎凋によって酸化発酵を進めるという単純な製法によって作られ、茶葉は白い産毛がそのまま残るため白い外観をしており、上品で爽やかな甘い香り、味わいを有する。白茶の中でも白毫銀針は大白茶樹から一芯一葉で摘んで製品としたもので、古来最も代表的かつ最上位のものとされている。
【0003】
従来、緑茶、紅茶、烏龍茶等の一般的な茶フレーバーについては広く研究されており(非特許文献1、2、特許文献1参照)、烏龍茶抽出液を従来の香料に代えて化粧品に配合することによって望ましくない皮膚臭を消し、爽やかな香気を生じさせる技術も知られている(特許文献2参照)。また、近年、お茶の香りのリラックス効果に注目して、お茶の香りを香粧品に採用した製品が数多く発売されており、最近では白茶の香りを採用した製品も出現してきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-143467号公報
【特許文献2】特開昭61-137809号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】特許庁公報周知・慣用技術集(香料)第II部 食品用香料(2000),p.925-930
【非特許文献2】長谷川香料技術レポート(2001)no.13,p.3-14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、茶類のなかでも白茶の香気を特徴づける組成については未だ解明が進んでいない。また、現在流通している白茶系の香料や、これを配合した白茶の香りを有するとされる既存の香粧品はいずれも、未だ白茶本来の香気を有しているとは言い難いものであるとともに、香粧品として好適な清潔感のある香りを有するという点においても十分といえるものではなかった。
【0007】
そこで本発明は、白茶、特に白毫銀芯の上品で爽やかな甘い香気の特徴を再現すると共に香粧品として好適な清潔感のある香りを有し、優れた嗜好性を有する香粧品用白茶様香料組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、白茶の香気成分について鋭意検討した結果、シス-ジャスモン、リナロール及びシス-3-ヘキセノールを一定量比で組合せることで白茶様の香気が得られること、更には、一般的に茶飲料の天然香気の組成中に多量に存在するインドールが、白茶本来の香り且つ香粧品として好適な清潔感のある香りを得るうえで障害となっていることを見いだし、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は、下記成分(a)〜(c)を含有する香粧品用白茶様香料組成物であって、添加後の香粧品の総量に対し、成分(a)の含有量が0.05質量%以上、成分(c)の含有量が0.005質量%以上であり、香粧品用白茶様香料組成物中における、成分(a)〜(c)の合計量に対する成分(a)及び(c)の合計量の質量比[(a)+(c)]/[(a)+(b)+(c)]が0.3を超え0.85未満、成分(a)及び(c)の合計量に対する下記成分(f)の含有量の最大許容質量比が0.4である、香粧品用白茶様香料組成物を提供するものである。
(a) シス-ジャスモン
(b) リナロール
(c) シス-3-ヘキセノール
(f) インドール
【0010】
更に本発明は、上記の白茶様香料組成物を添加してなる香粧品を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の白茶様香料組成物は、白茶、特に白毫銀芯の上品で爽やかな甘い香気の特徴を再現すると共に、香粧品として好適な清潔感のある香りを有し、香粧品の賦香に用いることで、嗜好性の高い白茶様香気を有する香粧品を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の香粧品用白茶様香料組成物(以下、単に「本発明の香料組成物」という)は、広く香粧品の賦香のために使用され。香料化合物として、以下に示す成分(a)〜(c)のほか、好ましくは成分(d)及び(e)を含有するほか、一定条件下で、その他の香料化合物、及び溶媒(希釈剤)を含有し得る。
【0013】
〔成分(a):シス-ジャスモン、成分(b):リナロール、成分(c):シス-3-ヘキセノール〕
本発明の香料組成物は、香料化合物として成分(a)シス-ジャスモン、成分(b)リナロール及び成分(c)シス-3-ヘキセノールを含有する。成分(a)〜(c)はいずれも公知の化合物であり、公知の方法で製造することができる。
【0014】
本発明の香料組成物は成分(a)のシス-ジャスモンを含有し、その含有量は、柔らかくボリュームのある白茶らしい香気を再現する観点から、添加後の香粧品の総量を基準として、0.05質量%以上であって、好ましくは0.08質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.12質量%以上であり、また、ケミカル感を抑制する観点から、好ましくは1.2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
【0015】
本発明の香料組成物は成分(b)のリナロールを含有し、その含有量は、安心感のある白茶らしい香気を再現する観点から、添加後の香粧品の総量を基準として、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上、更により好ましくは0.05質量%以上であり、また、白茶らしい香気が薄まるのを抑制する観点から、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
【0016】
本発明の香料組成物は成分(c)のシス-3-ヘキセノールを含有し、その含有量は、添加後の香粧品を基準として、フレッシュ感のある白茶らしい香気を再現する観点から、添加後の香粧品の総量を基準として、0.005質量%以上であって、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.04質量%以上であり、また、青臭さを抑制する観点から、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である。
【0017】
本発明の香料組成物は、成分(a)のシス-ジャスモン、成分(b)のリナロール、成分(c)のシス-3-ヘキセノールの3成分を必須とするが、フレッシュ感のある白茶らしい香気を再現する観点から、これら3成分中における成分(a)と成分(c)の2成分の合計比率が一定範囲内であることを要する。具体的には、成分(a)〜(c)の合計量に対する成分(a)及び(c)の合計量の質量比[(a)+(c)]/[(a)+(b)+(c)]は、0.3を超え、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.42以上、更に好ましくは0.45以上、更により好ましくは0.55以上、殊更に好ましくは0.65以上であり、また、0.85未満であって、好ましくは0.82以下、より好ましくは0.78以下、更に好ましくは0.75以下である。
【0018】
白茶らしい香りの強さの観点から、本発明の香料組成物中に含まれる香料化合物の総量に対する成分(a)〜(c)の合計量の質量比[(a)+(b)+(c)]/[香料化合物の総量]は、好ましくは0.2を超え、より好ましくは0.22以上、更に好ましくは0.25以上であり、更により好ましくは0.3以上である。
【0019】
ここで、「香料化合物」とは、香料組成物中に含まれる溶媒、その他の添加物等を除いた香料成分のみを指す。したがって、香料組成物中に上記溶媒や添加物に該当する化合物が含まれる場合には、香料組成物の総量からこれら溶媒及び添加物を除き、前記「香料化合物の総量」とする。
【0020】
〔成分(d):ネロリドール、成分(e):ゲラニオール〕
また、本発明の香料組成物には、残香性を高めるため、更に成分(d)としてネロリドールを含有することが好ましい。添加後の香粧品の総量に対する成分(d)の含有量は、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であり、また、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下、更により好ましくは0.2質量%以下である。
【0021】
また、成分(a)〜(c)の合計量に対する成分(d)の質量比(d)/[(a)+(b)+(c)]は、好ましくは0.005を超え、より好ましくは0.01を超え、更に好ましくは0.03を超え、更に好ましくは0.05以上、更により好ましくは0.08以上であり、また、好ましくは2.5以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.45以下、更に好ましくは0.4以下である。
【0022】
更に本発明の香料組成物には、香料品としてのボリューム感を向上させるため、更に成分(e)としてゲラニオールを含有することが好ましい。添加後の香粧品の総量に対する成分(e)の含有量は、好ましくは0.003質量%以上、より好ましくは0.006質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である。
【0023】
また、成分(a)〜(c)の合計量に対する成分(e)の質量比(e)/[(a)+(b)+(c)]は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01を超え、更に好ましくは0.05以上、更により好ましくは0.1以上であり、また、好ましくは15未満、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、更により好ましくは2以下である。
【0024】
〔成分(f):インドール〕
なお、本発明の香料組成物は、成分(f)のインドールの含有量が一定濃度以下であることを要する。茶飲料の香気成分には多量のインドールが含まれており、お茶の香りを有する従来の香料組成物にもインドールが配合されている。しかし、本発明者は、インドールを含むと香粧品としての清潔感が損なわれることを見出した。このため本発明の香料組成物における成分(a)及び(c)の合計量に対する下記成分(f)の含有量の最大許容質量比は、0.4であって、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。また、添加後の香粧品の総量に対する成分(f)の含有量は、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、更により好ましくは0.05質量%以下である。
【0025】
〔その他の香料化合物〕
本発明の香料組成物には、以上の条件を満たし、白茶様香気の特徴を維持する限り、成分(a)〜(e)のほかにも、その他の香料化合物として、例えば、Steffen Arctander編著“Perfume and Flavor Chemicals” Montclair, N.J.(U.S.A.) (1969年)、合成香料編集委員会編集「合成香料−化学と商品知識」(化学工業日報社、2016年12月20日、増補新版)、中島基貴編著「香料と調香の基礎知識」産業図書(1995年初版)等に記載されている公知の香料化合物を含有することができる。
【0026】
〔溶媒(希釈剤)〕
本発明の香料組成物には、使用時の利便性のため、適宜溶媒(希釈剤)を含有することができる。溶媒としては、3-メトキシ-3-メチルブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フタル酸ジエチル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ベンジル、プロピレングリコール、アジピン酸ジイソブチル、エタノール、水添アビエチン酸メチル、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、グリセリン等が挙げられる。
【0027】
〔形態〕
更に、本発明の香料組成物においては香料一般に適用される製剤化技術の適用も可能であり、粉末化、カプセル化など、香料担持体を用いて所望の形態に調製することもできる。
【0028】
〔香粧品〕
本発明の香料組成物は、広く香粧品の賦香のために使用される。本発明において「香粧品」とは、石鹸、身体洗浄剤、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント剤、整髪料、化粧水、基礎化粧料、洗顔剤、仕上げ化粧料、皮膚外用剤、衛生用品、制汗剤、デオドラント剤、浴用剤、洗口剤、ハミガキ、香水、コロン、オードトワレ等、人の身なりを清潔に又は美しくするための製品である化粧品やトイレタリー製品;衣料用洗剤、衣料用柔軟剤、衣料用糊剤、住居用洗剤、風呂用洗剤、食器用洗剤、漂白剤、カビ取り剤、床用ワックス、芳香剤、消臭剤、線香、インセンス等、住居や家庭製品の様々な物品の機能又は清潔性を維持するための製品であるハウスホールド製品や環境衛生製品;その他、インク、文具、玩具等の賦香されることがある物品も含む概念である。
【0029】
香粧品に対する本発明の香料組成物の添加量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
【実施例】
【0030】
実施例1〜8、比較例1〜8
表1及び2に示す組成比の香料化合物から成る香料組成物(表中の香料化合物の合計を100質量%とする香料組成物)を調製し、身体用洗浄剤及び衣料用洗浄剤に対し、各香料化合物が表中に示す含有量となるように賦香した。
賦香された身体用洗浄剤又は衣料用洗浄剤の香りの「白茶らしさ」、「清潔感」について、下記基準に従って9段階評価を行った。また、各洗浄剤の香調について総合評価を行った。これらの結果を表1及び2に併せて示す。
【0031】
「白茶らしさ」
非常に強い:8
とても強い:7
強い :6
やや強い :5
やや弱い :4
弱い :3
とても弱い:2
非常に弱い:1
無い :0
【0032】
「清潔感」
非常に高い:8
とても高い:7
高い :6
やや高い :5
やや低い :4
低い :3
とても低い:2
非常に低い:1
無い :0
【0033】
(賦香対象の身体用洗浄剤の処方)
(質量%)
ラウリン酸 8.6
ミリスチン酸 8.4
パルミチン酸 2.5
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 2.9
グリセリン 1.9
プロピレングリコール 1.2
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.9
水酸化カリウム(pH9.6に調整する量) 適量
精製水 バランス
【0034】
(賦香対象の衣料用洗浄剤の処方)
(質量%)
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 40
ゼオライト 22
炭酸ソーダ 10
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 5.0
牛脂脂肪酸ソーダ 1.0
蛍光塗料 0.5
酵素 0.5
芒硝 バランス
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
比較例9
白茶の香りをうたう市販の香水(BVLGARI EAU PERFUMEE AU THE BLANC)について分析したところ、シス-ジャスモン及びリナロールは検出されたが、シス-3-ヘキセノールは検出されず、またムスク類が多量に配合されたものであった。
この製品で身体用洗浄剤又は衣料用洗浄剤に賦香して前記同様の香り評価を行ったところ、身体用洗浄剤に賦香した場合では「白茶らしさ」は3、「清潔感」は7、「お茶様だが白茶らしさは弱い」、衣料用洗浄剤に賦香した場合では「白茶らしさ」は3、「清潔感」は8、「ムスクが強く、白茶らしさは弱い」という結果であった。
【0038】
処方例1(身体用洗浄剤用香料組成物)
(質量部)
ベルガモット油 50
リナロールオキサイド 10
シス-3-ヘキセノール 80
シス-3-ヘキセニルアセテート 5
セージクラリー油 5
ゲラニオール 60
フェニルエチルアルコール 60
ジャスミンアブソリュート 1
リナロール 100
ネロリドール 80
シス-ジャスモン 180
ジヒドロジャスモン酸メチル 250
イソ・イー・スーパー 15
クマリン 10
アンブロキサン(登録商標) 1
ジプロピレングリコール 93
合計 1000
【0039】
処方例2(衣料用洗浄剤用香料組成物)
(質量部)
ジヒドロミルセノール 5
リモネン 50
リナロールオキサイド 20
シス-3-ヘキセノール 60
トリプラール 2
ヘリオナール 20
シトロネロール 20
ゲラニオール 60
フェニルエチルアルコール 40
リナロール 60
テトラヒドロリナロール 100
ネロリドール 40
シス-ジャスモン 150
ヘキシルシンナミックアルデヒド 200
アンバーコア 25
ベータヨノン 50
ジプロピレングリコール 98
合計 1000
【0040】
処方例3(石けん)
(質量%)
ラウリン酸 12.0
ミリスチン酸 4.0
パルミチン酸 0.8
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 2.0
ラウリルヒドロキシスルタイン(*1) 1.5
ジステアリン酸グリコール 1.5
水酸化カリウム (pH9.6に調整する量)
香料組成物(*2) (*3)
精製水 バランス
【0041】
*1:アンヒトール20HD(30質量%;花王社製)の有効分
*2:実施例1〜4の香料組成物
*3:表1に示す香粧品中の含有量
【0042】
処方例4(身体用洗浄剤組成物)
(質量%)
ラウリン酸 2.0
ヤシ油脂肪酸 4.0
ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸(*4) 6.0
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(*5) 2.7
ラウリル硫酸ナトリウム(*6) 1.5
水酸化カリウム(48質量%) 適量
プロピレングリコール 5.0
アルキルグルコシド(*7) 3.0
ラウリルヒドロキシスルタイン(*1) 3.0
香料組成物(*2) (*3)
精製水 バランス
【0043】
*1:アンヒトール20HD(30質量%;花王社製)の有効分
*2:実施例1〜4の香料組成物
*3:表1に示す香粧品中の含有量
*4:カオーアキポRLM-45(92質量%;花王社製)の有効分
*5:エマールE-27C(27質量%;花王社製)の有効分
*6:エマール2F-30(30質量%;花王社製)の有効分
*7:マイドール10(40質量%;花王社製)の有効分
【0044】
処方例6(化粧水)
(質量%)
保湿剤 10
柔軟剤 0.1
界面活性剤 1
エタノール 10
香料組成物(*2) 0.05
精製水 バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物
【0045】
処方例7(クリーム)
(質量%)
油分 31
保湿剤 10
界面活性剤 5
香料組成物(*2) 0.05
精製水 バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物
【0046】
処方例8(シャンプー)
(質量%)
シス-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸 1.0
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10.0
ラウリル硫酸ナトリウム 5.0
ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル 1.0
ラウリン酸ジエタノールアミド 1.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 1.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
香料組成物(*2) 1.0
精製水 バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物
【0047】
処方例9(ヘアスプレー)
(質量%)
シス-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸 1.0
グリセリン 2.0
セタノール 4.0
軽質流動イソパラフィン(日石三菱社、アイソゾール400) 4.0
ポリオキシエチレン(20)イソセチルエーテル 0.5
イソステアリルグリセリルエーテル 2.0
ジメチルポリシロキサン 1.0
香料組成物(*2) 1.0
95%エタノール バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物
【0048】
処方例10(ゲル状芳香剤)
(質量%)
エタノール 10
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 20
プロピレングリコール 3
カチオン性増粘剤 4
香料組成物(*2) 30
精製水 バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物
【0049】
処方例11(入浴剤)
(質量%)
炭酸水素ナトリウム 25
炭酸ナトリウム 25
フマル酸 40
ポリエチレングリコール 5
香料組成物(*2) 1.0
ジプロピレングリコール バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物
【0050】
処方例12(食器用洗剤)
(質量%)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 20
ラウリルジメチルアミンオキサイド 5
アルキルポリグルコシド 5
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 3
ラウリルジメチルヒドロキシスルホベタイン 3
エタノール 5
パラトルエンスルホン酸 3
香料組成物(*2) 0.5
精製水 バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物
【0051】
処方例13(風呂場用洗剤)
(質量%)
界面活性剤 7
キレート剤 7
水溶性溶剤 5
香料組成物(*2) 0.5
精製水 バランス
*2:実施例1〜4の香料組成物