【実施例】
【0071】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。実施例中、部は特に指定しない限り質量部を、%は質量%を表す。
実施例中に記載のブロック層は正孔ブロック層及び電子ブロック層のいずれでもよい。光電変換素子の作製はグローブボックスと一体化した蒸着機で行い、作製した光電変換素子は窒素雰囲気のグローブボックス内で密閉式のボトル型計測チャンバー(株式会社エイエルエステクノロジー製)に光電変換素子を設置し、電流電圧の印加測定を行った。電流電圧の印加測定は、特に指定のない限り、半導体パラメータアナライザ4200−SCS(ケースレーインスツルメンツ社)を用いて行った。入射光の照射は、特に指定のない限り、PVL−3300(朝日分光社製)を用い、照射光波長550nm、照射光半値幅20nmにて行った。実施例中の明暗比は光照射を行った場合の電流値を暗所での電流値で割ったものを示す。
【0072】
合成例1(2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成(具体例のNo.1で表される化合物))
工程1(2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]フランの合成)
DMF(920部)に、一般に入手可能なベンゾ[b]フラン−2−イルボロン酸(14.8部)、パラ−ブロモヨードベンゼン(25.8部)、リン酸三カリウム(110部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.8部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(920部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をメタノールで洗浄し乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]フラン(6.6部、収率26%)を得た。
【0073】
工程2(2−(4−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(240部)に、工程1で得られた2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]フラン(5.0部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.6部)、酢酸カリウム(3.5部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.5部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、シリカゲル20部を加え、5分間撹拌した。その後、固形分をろ別し、溶媒を減圧除去することにより2−(4−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(5.2部、収率88%)を得た。
【0074】
工程3(2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(200部)に、水(6.0部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(3.0部)、工程2で得られた2−(4−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(5.0部)、リン酸三カリウム(20部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.4部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(200部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトンで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.1で表される化合物(2.0部、収率50%)を得た。
【0075】
合成例2(2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成(具体例のNo.5で表される化合物))
工程4(2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェンの合成)
DMF(300部)に、一般に入手可能なベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸(5.0部)、パラ―ブロモヨードベンゼン(7.9部)、リン酸三カリウム(34部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.84部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(300部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をメタノールで洗浄し乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン(5.7部、収率70%)を得た。
【0076】
工程5(2−(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(240部)に、工程例4で得られた2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン(5.3部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.6部)、酢酸カリウム(3.5部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.5部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、シリカゲル20部を加え、5分間撹拌した。その後、固形分をろ別し、溶媒を減圧除去することにより2−(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(4.5部、収率73%)を得た。
【0077】
工程6(2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(170部)に、水(5.0部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(2.6部)、工程5で得られた2−(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(4.5部)、リン酸三カリウム(18部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.35部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(170部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトンで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.5で表される化合物(1.6部、収率46%)を得た。
【0078】
合成例3(2,7−ビス(4−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成(具体例のNo.29で表される化合物))
工程7(2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾールの合成)
トルエン(240部)に、一般に入手可能な2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]チアゾール(5.3部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.6部)、酢酸カリウム(3.5部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.5部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、シリカゲル20部を加え、5分間撹拌した。その後、固形分をろ別し、溶媒を減圧除去することにより2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール(4.9部、収率80%)を得た。
【0079】
工程8(2,7−ビス(4−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(170部)に、水(5.0部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(2.6部)、工程7で得られた2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール(4.5部)、リン酸三カリウム(18部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.35部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(170部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトンで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.29で表される化合物(1.8部、収率52%)を得た。
【0080】
合成例4 (2,7−ビス(4−(5−ベンゾ[b]チエニル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合
成)
工程9(2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(200部)に、5−ブロモベンゾ[b]チオフェン(10.0部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(14.3部)、酢酸カリウム(9.2部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(1.1部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製し、溶媒を減圧除去することにより、2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(11.7部、収率96%)を得た。
【0081】
工程10(5−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェンの合成)
DMF(230部)に、工程9で得られた2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(11.5部)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(12.5部)、リン酸三カリウム(18.7部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.6部)を混合し、窒素雰囲気下、60℃で2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水(200部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分を水、メタノールの順序で洗浄することで、5−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン(12.0部、収率94%)を得た。
【0082】
工程11(2−(4−(5−ベンゾ[b]チエニル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(200部)に、工程10で得られた5−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン(12.0部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(14.5部)、酢酸カリウム(9.3部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(1.2部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製し、溶媒を減圧除去した。得られた淡橙色固体をメタノールで洗浄することで、2−(4−(5−ベンゾ[b]チエニル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(7.4部、収率53%)を得た。
【0083】
工程12(2,7−ビス(4−(5−ベンゾ[b]チエニル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(200部)に、水(10.0部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(3.7部)、工程11で得られた2−(4−(5−ベンゾ[b]チエニル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.3部)、リン酸三カリウム(6.4部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.5部)を混合し、窒素雰囲気下、80℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(150部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトン、DMFで洗浄し、乾燥した後、昇華精製を行うことにより、
目的の化合物(2.0部、収率51%)を得た。
【0084】
合成例5 (2,7−ビス(4−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成(具体例のNo.69で表される化合物))
工程13(2−(4−ブロモフェニル)ナフト[1,2−b]チオフェンの合成)
DMF(190部)に、公知の方法により合成された2−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.0部)、パラ―ブロモヨードベンゼン(5.5部)、水(5.0部)、リン酸三カリウム(22.9部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6部)を混合し、窒素雰囲気下、70℃で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(190部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をメタノールで洗浄し乾燥することにより、2−(4−ブロモフェニル)ナフト[1,2−b]チオフェン(3.0部、収率47%)を得た。
【0085】
工程14(2−(4−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(110部)に、工程13で得られた2−(4−ブロモフェニル)ナフト[1,2−b]チオフェン(2.8部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.5部)、酢酸カリウム(1.6部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.22部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、シリカゲル20部を加え、5分間撹拌した。その後、固形分をろ別し、溶媒を減圧除去することにより2−(4−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.2部、収率69%)を得た。
【0086】
工程15(2,7−ビス(4−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(100部)に、水(2.6部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(1.2部)、工程14で得られた2−(4−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.0部)、リン酸三カリウム(8.1部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.2部)を混合し、窒素雰囲気下、80℃で5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(100部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトンで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.69で表される化合物(0.4部、収率26%)を得た。
【0087】
合成例6 (2,7−ビス(4−(ナフト[2,3−b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成(具体例のNo.20で表される化合物))
工程16(2−(4−ブロモフェニル)ナフト[2,3−b]チオフェンの合成)
2−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの代わりに、公知の方法により合成された2−(ナフト[2,3−b]チオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを使用したこと以外は工程13に準じて合成を行うことで、2−(4−ブロモフェニル)ナフト[2,3−b]チオフェン(3.5部、収率55%)を得た。
【0088】
工程17(2−(4−(ナフト[2,3−b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
2−(4−ブロモフェニル)ナフト[1,2−b]チオフェンの代わりに、工程16で得られた2−(4−ブロモフェニル)ナフト[2,3−b]チオフェンを使用したこと以外は工程14に準じて合成を行うことで、2−(4−(ナフト[2,3−b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(3.7部、収率58%)を得た。
【0089】
工程18(2,7−ビス(4−(ナフト[2,3−b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
2−(4−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの代わりに、工程17で得られた2−(4−(ナフト[2,3−b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを使用したこと以外は工程15に準じて合成を行うことで、上記具体例のNo.20で表される化合物(0.6部、収率39%)を得た。
【0090】
合成例7 (2,7−ビス(4−(ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(具体例のNo.30で表される化合物)の合成)
工程19(2−(ベンソ[d]オキサゾール−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(500部)に、2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(10部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(10.8部)、酢酸カリウム(6.9部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(1.0部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、シリカゲル20部を加え、5分間撹拌した。その後、固形分をろ別し、溶媒を減圧除去することにより2−(ベンソ[d]オキサゾール−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(11.4部、収率99%)を得た。
【0091】
工程20(2,7−ビス(4−(ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(430部)に、水(11部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(4.9部)、工程19で得られた2−(ベンソ[d]オキサゾール−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(8.0部)、リン酸三カリウム(34部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.8部)を混合し、窒素雰囲気下、80℃で5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(430部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトンで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.30で表される化合物(3.6部、収率57%)を得た。
【0092】
合成例8 (2,7−ビス(4−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(具体例のNo.83で表される化合物)の合成)
工程21(5−フェニルベンゾ[b]チオフェンの合成)
DMF(500部)に、5−ブロモベンゾ[b]チオフェン(20部)、フェニルボロン酸(13.7部)、リン酸三カリウム(113部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.0部)を混合し、窒素雰囲気下、70℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(500部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分を水とアセトンで洗浄し乾燥を行うことにより、5−フェニルベンゾ[b]チオフェン(13.3部、収率67%)を得た。
【0093】
工程22(2−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
テトラヒドロフラン(300部)に、工程21で得られた5−フェニルベンゾ[b]チオフェン(12.6部)を混合した。0℃に冷却した混合液へノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.6M、28部)を加え、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。得られた混合液へイソプロポキシボロン酸ピナコール(16部)を加え、室温で12時間撹拌した。得られた反応液へ水(100部)を加え、溶媒を減圧留去することで生じた固形分をろ過分取した。得られた固形分を水で洗浄し乾燥を行うことにより、2−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(11.4部、収率57%)を得た。
【0094】
工程23(2−(4−ブロモフェニル)−5−フェニルベンゾ[b]チオフェンの合成)
DMF(300部)に、水(8.0部)、工程22で得られた2−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(10部)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(8.4部)、リン酸三カリウム(36部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0部)を混合し、窒素雰囲気下、70℃で3時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水(300部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分を水、メタノールの順序で洗浄することで、2−(4−ブロモフェニル)−5−フェニルベンゾ[b]チオフェン(9.2部、収率85%)を得た。
【0095】
工程24(2−(4−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(300部)に、工程23で得られた2−(4−ブロモフェニル)−5−フェニルベンゾ[b]チオフェン(8.5部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.9部)、酢酸カリウム(4.4部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(0.64部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、シリカゲル20部を加え、5分間撹拌した。その後、固形分をろ別し、溶媒を減圧除去することにより2−(4−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(5.2部、収率55%)を得た。
【0096】
工程25(2,7−ビス(4−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(200部)に、水(5.0部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(1.8部)、工程24で得られた2−(4−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(4.5部)、リン酸三カリウム(15部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.4部)を混合し、窒素雰囲気下、80℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(200部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトンで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.83で表される化合物(1.5部、収率50%)を得た。
【0097】
合成例9 (2,7−ビス(4−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(具体例のNo.72で表される化合物)の合成)
工程26(2−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(100部)に、3−ブロモジベンゾ[b,d]フラン(5.0部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.2部)、酢酸カリウム(4.0部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.5部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製し、溶媒を減圧除去することにより、2−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(3.8部、収率64%)を得た。
【0098】
工程27(3−(4−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]フランの合成)
DMF(60部)に、工程26で得られた2−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(3.8部)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(3.7部)、リン酸三カリウム(5.5部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.4部)を混合し、窒素雰囲気下、60℃で2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水(200部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分を水、メタノールの順序で洗浄することで、3−(4−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]フラン(2.7部、収率64%)を得た。
【0099】
工程28(2−(4−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(50部)に、工程27で得られた3−(4−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]フラン(2.7部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.5部)、酢酸カリウム(1.6部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.2部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で8時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製することで、2−(4−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.8部、収率90%)を得た。
【0100】
工程29(2,7−ビス(4−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(80部)に、水(8.0部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(1.5部)、工程28で得られた2−(4−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.8部)、リン酸三カリウム(2.6部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.2部)を混合し、窒素雰囲気下、80℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(100部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトン、DMFで洗浄し、乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.72で表される化合物(0.9部、収率41%)を得た。
【0101】
合成例10 (2,7−ビス(4−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(具体例のNo.71で表される化合物)の合成)
工程30(2−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(100部)に、3−ブロモジベンゾ[b,d]チオフェン(5.0部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.8部)、酢酸カリウム(3.7部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.4部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製し、溶媒を減圧除去することにより、2−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.3部、収率39%)を得た。
【0102】
工程31(3−(4−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェンの合成)
DMF(40部)に、工程30で得られた2−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.3部)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(2.1部)、リン酸三カリウム(3.0部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.3部)を混合し、窒素雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水(60部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分を水、メタノールの順序で洗浄することで、3−(4−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(2.5部、収率99%)を得た。
【0103】
工程32(2−(4−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成)
トルエン(50部)に、工程31で得られた3−(4−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(2.5部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.2部)、酢酸カリウム(1.4部)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(0.2部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で8時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製することで、2−(4−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.0部、収率71%)を得た。
【0104】
工程33(2,7−ビス(4−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンの合成)
DMF(60部)に、水(8.0部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した2,7−ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(1.0部)、工程32で得られた2−(4−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.0部)、リン酸三カリウム(1.8部)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.1部)を混合し、窒素雰囲気下、80℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(100部)を加え、固形分をろ過分取した。得られた固形分をアセトン、DMFで洗浄し、乾燥した後、昇華精製を行うことにより、上記具体例のNo.71で表される化合物(0.4部、収率26%)を得た。
【0105】
実施例1(光電変換素子の作製及びその評価)
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)を、ブロック層として抵抗加熱真空蒸着により50nm成膜した。次に、前記のブロック層の上に、光電変換層としてキナクリドンを100nm真空成膜した。最後に、前記の光電変換層の上に、電極としてアルミニウムを100nm真空成膜し、本発明の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、5Vの電圧を印加したときの明暗比は6.7×10
5であった。
【0106】
実施例2(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例1で得られたNo.1で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は4.2×10
5であった。
【0107】
実施例3(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例3で得られたNo.29で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は2.5×10
5であった。
【0108】
実施例4(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(5−ベンゾ[b]チエニル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例4で
得られた化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は5.0×10
5であった。
【0109】
実施例5(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(ナフト[1,2−b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例5で得られたNo.69で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は8.4×10
5であった。
【0110】
実施例6(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(ナフト[2,3−b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例6で得られたNo.20で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は4.5×10
5であった。
【0111】
実施例7(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例7で得られたNo.30で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は3.5×10
5であった。
【0112】
実施例8(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(5−フェニルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例8で得られたNo.83で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は1.0×10
6であった。
【0113】
実施例9(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(3−ジベンゾ[b,d]フラン)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例9で得られたNo.72で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は1.2×10
5であった。
【0114】
実施例10(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(4−(3−ジベンゾ[b,d]チオフェン)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例10で得られたNo.71で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は9.2×10
5であった。
【0115】
比較例1(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)を使用しないこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は4.7であった。
【0116】
比較例2(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ジフェニル[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(下記式(11)で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は600であった。
【0117】
【化33】
【0118】
比較例3(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は31であった。
【0119】
比較例4(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(9−フェナントレニル)−[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(下記式(12)で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は690であった。
【0120】
【化34】
【0121】
比較例5(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(1−ナフチル)−[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(下記式(13)で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は240であった。
【0122】
【化35】
【0123】
比較例6(光電変換素子の作製及びその評価)
2,7−ビス(4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニル)[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(合成例2で得られたNo.5で表される化合物)の代わりに、2,7−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)−[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(下記式(14)で表される化合物)を使用したこと以外は、実施例1に準じて評価を行ったところ、5Vの電圧を印加したときの明暗比は47であった。
【0124】
【化36】
【0125】
上記の実施例1乃至9の評価において得られた明暗比は撮像素子用光電変換素子として明らかに優れた特性を示した。また、いずれも実用的な可視光透明性を有していた。
【0126】
上記の評価結果より、式(1)で表される化合物を含む本発明の撮像素子用光電変換素子用材料を含んでなる実施例の撮像素子用光電変換素子が、比較例の撮像素子用光電変換素子よりも優れた特性を有することは明らかである。