(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836598
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】電動ベッドフレーム構造
(51)【国際特許分類】
A47C 17/02 20060101AFI20210222BHJP
【FI】
A47C17/02 Z
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-541221(P2018-541221)
(86)(22)【出願日】2017年12月14日
(65)【公表番号】特表2019-509782(P2019-509782A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】CN2017116270
(87)【国際公開番号】WO2018157648
(87)【国際公開日】20180907
【審査請求日】2018年10月1日
(31)【優先権主張番号】201710123962.X
(32)【優先日】2017年3月3日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518274216
【氏名又は名称】麒盛科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】単 華鋒
(72)【発明者】
【氏名】李 燕霊
【審査官】
小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0352068(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第102512016(CN,A)
【文献】
中国実用新案第204838744(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解可能な上部フレーム(3)及び下部フレーム(5)を含み、上部フレーム(3)はローラ(4)及び補強材(9)を含み、下部フレーム(5)はガイドレール溝(6)を含み、前記上部フレーム(3)が前記下部フレーム(5)に対して移動可能な電動ベッドフレーム構造であって、
前記下部フレーム(5)は、前下部フレーム(51)及び後下部フレーム(52)に分解可能であり、
前記前下部フレーム(51)は、前下部フレーム本体(510)及びこの前下部フレーム本体(510)の両側に位置する前下部フレーム取付部(515)を含み、
前記前下部フレーム本体(510)は、両側の前記前下部フレーム取付部(515)の中間に設置される第1横ロッド及び第2横ロッドを含み、
前記第1横ロッド及び第2横ロッドは、前記ガイドレール溝(6)に直接接続され、
前記後下部フレーム(52)は、後下部フレーム本体(520)及びこの後下部フレーム本体(520)の両側に位置する後下部フレーム取付部(525)を含み、
前記後下部フレーム本体(520)は、両側の前記後下部フレーム取付部(525)の中間に設置される第3横ロッド及び第4横ロッドを含み、
前記第3横ロッド及び第4横ロッドは、前記ガイドレール溝(6)に直接接続され、
かつ、前記前下部フレーム(51)の前下部フレーム取付部(515)と前記後下部フレーム(52)の後下部フレーム取付部(525)とがネジで接続され、かつ、前記前下部フレーム(51)の前下部フレーム本体(510)と前記後下部フレーム(52)の後下部フレーム本体(520)とが共同で電動ベッド駆動構造を収容するための収容空間(17)を形成し、
前記ネジは、電動ベッドの長手方向(X)に沿って、前記前下部フレーム(51)の前記前下部フレーム取付部(515)と前記後下部フレーム(52)の前記後下部フレーム取付部(525)とを接続し、
前記上部フレーム(3)は、分解可能な前上部フレーム(31)及び後上部フレーム(32)を含み、
前記前上部フレーム(31)は、前上部フレーム本体(310)及び前上部フレーム取付部(315)を含み、
前記後上部フレーム(32)は、後上部フレーム本体(320)及び後上部フレーム取付部(325)を含み、
前記前上部フレーム(31)の前上部フレーム取付部(315)と前記後上部フレーム(32)の後上部フレーム取付部(325)とがネジまたはリベットにより接続され、
前記補強材(9)は、前記前上部フレーム(31)の前上部フレーム取付部(315)と前記後上部フレーム(32)の後上部フレーム取付部(325)との接続箇所の外側に設置されるとともに、前記前上部フレーム(31)と前記後上部フレーム(32)とを、ネジにより一体となるように固定し、
前記補強材(9)の前記上部フレーム(3)の幅方向に沿った断面が、略L字状に構成されていることを特徴とする、電動ベッドフレーム構造。
【請求項2】
接続材(7)を更に含み、前記接続材(7)は、前記前下部フレーム(51)の前下部フレーム取付部(515)及び前記後下部フレーム(52)の後下部フレーム取付部(525)の外側を取り囲み、ネジが前記接続材(7)、前記前下部フレーム取付部(515)及び前記後下部フレーム取付部(525)を貫通して一体となるように固定されることを特徴とする、請求項1に記載の電動ベッドフレーム構造。
【請求項3】
前記ネジは、電動ベッドの長手方向(X)に沿って前記接続材(7)、前記前下部フレーム(51)の前下部フレーム取付部(515)、及び前記後下部フレーム(52)の後下部フレーム取付部(525)を貫通することを特徴とする、請求項2に記載の電動ベッドフレーム構造。
【請求項4】
電動ベッドの長手方向(X)及び幅方向(Y)に垂直な鉛直方向(Z)に沿って前記接続材(7)上に固定されるベッド脚部コンポーネント(8)を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の電動ベッドフレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動ベッドフレーム構造に関するものであり、特に分解可能な電動ベッドフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準の向上に伴い、電動ベッドは広範に応用されるようになっている。
【0003】
既存の電動ベッドは、通常、一体式設計であり、1つの大型のベッドフレームの内部に電線やケーブルにより接続される数多くの機械、電気部品が固定して取り付けられ、かつ、ベッドフレーム上に着脱可能なベッド脚部が更に取り付けられる。
【0004】
この種の一体型電動ベッドは、構造が複雑であるばかりではなく、サイズが大きく、重量が重い。それにより梱包及び輸送面で不便が生じ、家に搬送する際の困難が増加している。かつ、住宅のエレベータまたは階段の制限を受けるため、一体型電動ベッドは搬送が困難であり、搬送する際の労働強度が極めて大きく増大し、場合によって一部の電動ベッドは家に搬入することができず、電動ベッドの応用が非常に大きな制限を受けることになっている。
【0005】
そのため、輸送に便利なように、分解可能な電動ベッドフレーム構造が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
ここで注意すべきは、本発明の目的は、背景技術においてすでに判明している1つまたは複数の欠点を克服することにある点である。
【0007】
この目的のために、本発明に基づき電動ベッドフレーム構造が提出されており、以下の技術案により実現される。
分解可能な上部フレーム及び下部フレームを含み、上部フレームはローラを含み、下部フレームはガイドレール溝を含み、上部フレームが下部フレームに対して移動可能な電動ベッドフレーム構造であって、
下部フレームは、前下部フレーム及び後下部フレームに分解可能であり、
前下部フレームは、前下部フレーム本体及び前下部フレーム本体の両側に位置する前下部フレーム取付部を含み、
後下部フレームは、後下部フレーム本体及び後下部フレーム本体の両側に位置する後下部フレーム取付部を含み、
かつ、前下部フレームの前下部フレーム取付部と後下部フレームの後下部フレーム取付部とがネジで接続され、かつ、前下部フレームの前下部フレーム本体と後下部フレームの後下部フレーム本体とが共同で電動ベッド駆動構造を収容するための収容空間を形成する。
【0008】
これらの配置により、分解可能な上部フレーム及び下部フレームと、更に分解可能な前下部フレーム及び後下部フレームとが得られ、独立した梱包・輸送が更に便利となり、かつ、取り付けは簡単である。また、前下部フレームの前下部フレーム本体と後下部フレームの後下部フレーム本体とが共同で電動ベッド駆動構造を収容するための収容空間を形成するため、取付後の電動ベッドの内部構造はよりコンパクトとなる。
【0009】
本発明の標題に基づく異なる実施例において、本発明者らは以下の配置のうちの1つ及び/または複数に依拠することができる。
更に、接続材を更に含み、前記接続材は、前下部フレームの前下部フレーム取付部及び後下部フレームの後下部フレーム取付部の外側を取り囲み、ネジが前記3者を貫通して一体となるように固定され、電動ベッドの運動過程において形状変化が発生することはない。
【0010】
更に、ネジは、電動ベッドの長手方向に沿って前記接続材、前記前下部フレームの前下部フレーム取付部及び前記後下部フレームの後下部フレーム取付部を貫通しており、電動ベッドの運動過程において形状変化が発生することはない。
【0011】
更に、電動ベッドの長手方向及び幅方向に垂直な鉛直方向に沿って接続材上に固定されるベッド脚部コンポーネントを更に含む。
【0012】
更に、上部フレームは、分解可能な前上部フレーム及び後上部フレームを含み、前上部フレームは、前上部フレーム本体及び前上部フレーム取付部を含み、後上部フレームは、後上部フレーム本体及び後上部フレーム取付部を含み、前上部フレームの前上部フレーム取付部と後上部フレームの後上部フレーム取付部とがネジまたはリベットにより接続されており、電動ベッドの運動過程において形状変化が発生することはない。
【0013】
更に、前上部フレームの前上部フレーム取付部と後上部フレームの後上部フレーム取付部との接続箇所の外側に設置されるとともに、ネジにより一体となるように固定される補強材を更に含み、電動ベッドの運動過程において形状変化が発生することはなく、より堅牢となっている。
【0014】
本発明の電動ベッドフレーム構造により、大きなサイズの電動ベッドの取付及び輸送は便利となっており、その主な利点は、取付が速やかで、工具無しで取り付けられる点に現れており、かつ、組付の堅牢性を高めるために、複数種の選択可能な付属材を有している。
【0015】
ここで理解すべきは、本発明においては、明らかな矛盾または互換性がない場合を除き、すべての特徴、変形方式及び/または具体的な実施例を多種類の組合せに応じて互いに結合することができる点である。
【0016】
以下の非制限的な説明としての具体的な実施例を閲読するとともに、添付図面を結合することにより、本発明のその他の特徴及び利点は自明のものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】は本発明の実施例に基づく電動ベッドフレーム構造の下部フレームの組付図である。
【
図2】は本発明の別の実施例に基づく電動ベッドフレーム構造の下部フレームの組付図である。
【
図3】は本発明の実施例に基づく電動ベッドフレーム構造の上部フレームの組付図である。
【
図4】は本発明の別の実施例に基づく電動ベッドフレーム構造の上部フレームの組付図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで理解すべきは、上記添付図面は真実の比率ではなく、本発明の基本原理を説明するための複数種の好適な特徴の簡略図に過ぎない点である。本発明で公開されている設計面の特徴、例えば、サイズ、方向、位置決め及び形状は、具体的な応用及び使用環境に応じて確定される。
【0019】
以下においては、実施例及び添付図面に基づき本発明について詳細に説明する。それらの添付図面において、同一の参考番号は、すべての添付図面において本発明の同一または等価な部品を指している。
【0020】
本発明の電動ベッドフレーム構造は、
図1〜2に示されているいずれか1種の下部フレームと、
図3〜4に示されているいずれか1種の上部フレームとを結合することができる。
【0021】
本発明の電動ベッドフレーム構造は、いずれか1種の電動ベッド、特に、例えば2人用電動ベッドのようにサイズが大きな電動ベッドに応用することができる。
【0022】
本発明の電動ベッドフレーム構造は、分解可能な上部フレーム3及び下部フレーム5を含み、上部フレーム3はローラ4を含み、下部フレーム5はガイドレール溝6を含み、上部フレーム3が下部フレーム5に対して移動可能である。
【0023】
図1及び2に示されている下部フレーム5において、それは前下部フレーム51及び後下部フレーム52に分解可能である。
【0024】
前下部フレーム51は、前下部フレーム本体510及び前下部フレーム本体510の両側に位置する前下部フレーム取付部515を含む。前下部フレーム本体510は、両側の前下部フレーム取付部515の中間に設置される第1横ロッド及び第2横ロッドを含む。第1横ロッド及び第2横ロッドはガイドレール溝6に直接接続される。
【0025】
後下部フレーム52は、後下部フレーム本体520及び後下部フレーム本体520の両側に位置する後下部フレーム取付部525を含む。後下部フレーム本体520は、両側の後下部フレーム取付部525の中間に設置される第3横ロッド及び第4横ロッドを含む。第3横ロッド及び第4横ロッドはガイドレール溝6に直接接続される。
【0026】
具体的に、前下部フレーム51の前下部フレーム取付部515と後下部フレーム52の後下部フレーム取付部525とはネジで接続され、ネジは、電動ベッドの長手方向に沿って前下部フレーム51の前下部フレーム取付部515と後下部フレーム52の後下部フレーム取付部525とを接続する。かつ、前下部フレーム51の前下部フレーム本体510と後下部フレーム52の後下部フレーム本体520とが共同で電動ベッド駆動構造を収容するための収容空間17を形成する。当該収容空間17には、電動ベッドのベッドパネルが反転するように駆動する駆動機構及び駆動器(未表示)を配置することができる。
【0027】
図2には、別種の改良された下部フレームが示されており、当該改良された下部フレームは直前の実施例における下部フレームに比べ、接続材7を更に含み、前記接続材7は、前下部フレーム51の前下部フレーム取付部515及び後下部フレーム52の後下部フレーム取付部525の外側を取り囲み、ネジが前記3者を貫通して一体となるように固定される。
【0028】
具体的に、ネジは、電動ベッドの長手方向Xに沿って前記接続材7、前記前下部フレーム51の前下部フレーム取付部515及び前記後下部フレーム52の後下部フレーム取付部525を貫通している。
【0029】
具体的に、下部フレームは、電動ベッドの長手方向X及び幅方向Yに垂直な鉛直方向Zに沿って接続材7上に固定されるベッド脚部コンポーネント8を更に含む。
【0030】
図3及び4に示されている上部フレーム3において、それは前上部フレーム31及び後上部フレーム32に分解可能である。
【0031】
前上部フレーム31は、前上部フレーム本体310及び前上部フレーム取付部315を含み、後上部フレーム32は、後上部フレーム本体320及び後上部フレーム取付部325を含み、前上部フレーム31の前上部フレーム取付部315と後上部フレーム32の後上部フレーム取付部325とがネジまたはリベットにより接続される。
【0032】
図4は、別種の改良された上部フレームが示されており、当該改良された上部フレームは直前の実施例における上部フレームに比べ、前上部フレーム31の前上部フレーム取付部315と後上部フレーム32の後上部フレーム取付部325との接続箇所の外側に設置されるとともに、ネジにより一体となるように固定される補強材9を更に含む。
【0033】
以上の実施例は実例に過ぎず、本発明の範囲に対して限定作用は発揮しない。当業者であれば、それを基礎として、本発明が権利を要求する保護範囲内において、同一の機能を実現するその他の実施形態を想到することもできる。
【0034】
当業者であれば、複数種の実施例及び複数種の変形や改良を掌握している。特に、ここで明確にすべきは、明らかな矛盾または互換性がない場合を除き、本発明における上記特徴、変形方式及び/または具体的な実施例は相互に結合することができる点である。すべてのそれらの実施例及び変形や改良は、いずれも本発明の保護範囲に属しているものとする。