(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836650
(24)【登録日】2021年2月9日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】無線機及び無線出力増幅方法
(51)【国際特許分類】
H03F 3/24 20060101AFI20210222BHJP
H03F 1/02 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
H03F3/24
H03F1/02 111
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-534046(P2019-534046)
(86)(22)【出願日】2018年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2018027502
(87)【国際公開番号】WO2019026669
(87)【国際公開日】20190207
【審査請求日】2020年1月8日
(31)【優先権主張番号】特願2017-151186(P2017-151186)
(32)【優先日】2017年8月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】堂坂 淳也
(72)【発明者】
【氏名】石神 武
(72)【発明者】
【氏名】渡口 暢人
【審査官】
及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/101905(WO,A1)
【文献】
特開2006−093872(JP,A)
【文献】
特開2011−249892(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/130780(WO,A1)
【文献】
特開2007−215158(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/078565(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 3/24
H03F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信する信号を増幅する主増幅器と、前記信号のエンベロープに追従するET電圧を出力して前記主増幅器に供給するET出力部とを備えた無線機であって、
前記ET出力部は、所定周波数のスイッチング波形に基づいて動作しており、
前記ET電圧とは異なるAC電圧の供給源であるAC電源部と、
前記主増幅器の前段に配置され、前記AC電源部から供給されるAC電圧を電源として動作する前段増幅器と、
前記ET電圧を分配するための分配部と、
前記分配部で分配された前記ET電圧に前記所定周波数の成分を逆相にする変換を施す逆相変換部と、
前記逆相変換部による変換後のET電圧を、前記AC電源部から供給されるAC電圧にAC結合して前記前段増幅器に供給するAC結合部とを備えたことを特徴とする無線機。
【請求項2】
請求項1に記載の無線機において、
前記前段増幅器を複数備え、
前記逆相変換部による変換後のET電圧を、前記AC電源部から供給されるAC電圧にAC結合して前記複数の前段増幅器の1つ以上に供給することを特徴とする無線機。
【請求項3】
無線送信する信号を増幅する主増幅器と、前記信号のエンベロープに追従するET電圧を出力して前記主増幅器に供給するET出力部とを備えた無線機における無線出力増幅方法であって、
前記ET出力部は、所定周波数のスイッチング波形に基づいて動作しており、
前記無線機は、前記ET電圧とは異なるAC電圧の供給源であるAC電源部と、前記主増幅器の前段に配置され、前記AC電源部から供給されるAC電圧を電源として動作する前段増幅器とを更に備え、
前記ET電圧に前記所定周波数の成分を逆相にする変換を施し、変換後の前記ET電圧を、前記AC電源部から供給されるAC電圧にAC結合して前記前段増幅器に供給することを特徴とする無線出力増幅方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線出力を増幅する主増幅器に供給する電圧をET方式により制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線機のデジタル変調方式としては、直交変調がアナログ変調かデジタル変調かに大別できる。アナログ方式では、比較的安価に実現でき、カーテシアン等のベースバンドフィードバックの歪補償技術と親和性がよく、ダイレクトに所望の周波数に変換できるという利点がある。一方、振幅バランス、直交度、DCを調整する必要があるという短所がある。デジタル方式では、デジタルで直交するため、振幅バランス、直交度、DCは調整不要という利点がある。一方で、高速なDAC(Digital Analog Converter)が必要でコスト高になることから、デジタル方式においてダイレクトコンバージョンの採用は難しい。
【0003】
一般に、狭帯域無線では、高効率・低歪・安価で増幅する技術、つまりカーテシアンを用いることができることから、アナログ方式の直交変調を採用することが多い。更に近年では、無線機の小型化、低消費化のために、増幅部において高効率動作を実現する観点から、ET(Envelope Tracking)方式の電力増幅部を用いた無線技術が利用されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/041067号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1には、従来方式の無線機における無線部及び増幅器電力供給部の概略構成を示してある。
増幅器電力供給部は、DC電源部130と、ET出力部140と、制御部150とを備え、無線部を構成する主増幅器110に電力を供給する。無線部は、制御部150と、DAC121,122、アナログ直交変調部123と、主増幅器(PA:Power Amplifier)110とを備えて構成されている。ここで、制御部150は、電力供給部の一部として機能するとともに無線部の一部として機能する。
【0006】
制御部150は、FPGA(Field Programmable Gate Array)151と、DSP(Digital Signal Processor)152とを備えて構成されており、IQ信号を取得する。制御部150は、無線部の一部として機能する場合は、I信号及びQ信号のそれぞれをDAC121,122に出力する。また、制御部150は、増幅器電力供給部の一部として機能する場合は、ET出力部140を制御することで、主増幅器110への供給電圧を制御する。例えば、制御部150は、いわゆるパワー演算によりIQ信号からエンベロープを算出し、算出結果をET出力部140に出力する。
【0007】
DAC121,122は、I信号及びQ信号をアナログ変換してアナログ直交変調部123に出力する。アナログ直交変調部123で変調された信号は、主増幅器110で増幅され、アンテナから送信される。また、主増幅器110の出力は、アナログ直交変調部123に帰還し、所定のカーテシアンフィードバックが構成される。なお、アナログ直交変調部123のLo信号を可変とすることで、各種の周波数に対応可能となっている。
【0008】
ET出力部140は、PWM(Pulse Width Modulation)部141と、D級アンプ145と、フィルタ146とを備える。PWM部141は、DAC142と、三角波発生回路143と、コンパレータ144とを備える。DAC142は、制御部150から取得したエンベロープの算出結果をアナログ信号に変換し、コンパレータ144に出力する。コンパレータ144は、DAC142から出力されるエンベロープのアナログ波形と、三角波発生回路143が出力する三角波(スイッチング波形)とから、ET用のPWM信号を生成する。ET用のPWM信号は、DC電源部130からのDC電圧に基づいてD級アンプ145で増幅され、フィルタ146で元のアナログ波形(エンベロープ)に戻され、ET電圧として主増幅器110に供給される。
【0009】
上記のように、ET出力部におけるD級アンプの後段には、PWM信号を元のアナログ波形(エンベロープ)に戻すためにフィルタが必要となる。しかしながら、ET電圧は、増幅における最終段の主増幅器に使用することが多いため、フィルタの特性によってはスイッチング周波数がそのまま増幅素子に重畳され、増幅結果にスプリアス(
図6A参照)として現れるという問題がある。スプリアスを防ぐには、ET電圧からスイッチング周波数の成分を除去できるようにフィルタに急峻な特性を持たせることが必要となり、結果的にフィルタが大型化し、無線機の小型化・低コスト化を妨げる結果となる。
【0010】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、ET方式により無線出力を増幅する無線機におけるET出力部のフィルタを小型化するのに有効な技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明では、無線機を以下のように構成した。
すなわち、本発明の第1の側面は、無線送信する信号を増幅する主増幅器と、当該信号のエンベロープに追従するET電圧を出力して主増幅器に供給するET出力部とを備えた無線機であって、ET出力部は、所定周波数のスイッチング波形に基づいて動作しており、ET電圧を主増幅器の前段の増幅器に分配するための分配部と、分配部で分配されたET電圧に所定周波数の成分を逆相にする変換を施す逆相変換部とを備え、逆相変換部による変換後のET電圧を前段の増幅器に供給することを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、ET出力部から出力されるET電圧にスイッチング周波数の成分が含まれる場合でも、その成分を逆相にしたET電圧を主増幅器の前段の増幅器に供給することで、主増幅器の出力におけるスプリアスの発生を抑制するすることができる。従って、ET出力部に設けるフィルタを小型化してもスプリアスの発生が抑制されるので、無線機の小型化・低コスト化を実現することが可能となる。
【0013】
ここで、前段の増幅器がAC電圧で動作する構成の場合には、逆相変換部による変換後のET電圧をAC電圧にAC結合するAC結合部を設ければよい。また、増幅器の前段に複数の増幅器を有する場合には、逆相変換部による変換後のET電圧を複数の増幅器の1以上に供給すればよい。
【0014】
本発明の第2の側面は、無線送信する信号を増幅する主増幅器と、当該信号のエンベロープに追従対応するET電圧を出力して主増幅器に供給するET出力部とを備えた無線機であって、ET出力部は、所定周波数のスイッチング波形に基づいて動作しており、ET電圧に含まれることが想定される所定周波数の成分に対応する逆位相の波形を発生させる逆波形発生部を備え、逆波形発生部で発生された波形をET電圧に重畳することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、ET出力部から出力されるET電圧にスイッチング周波数の成分が含まれる場合でも、それとは逆位相の波形をET電圧に重畳してスイッチング波形の成分を相殺させることで、主増幅器の出力におけるスプリアスの発生を抑制するすることができる。従って、ET出力部に設けるフィルタを小型化してもスプリアスの発生が抑制されるので、無線機の小型化・低コスト化を実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ET方式により無線出力を増幅する無線機におけるET出力部のフィルタを小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来方式の無線機における無線部及び増幅器電力供給部の概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る増幅器電力供給部の構成例を示す図である。
【
図3】本発明の第2実施例に係る増幅器電力供給部の構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第3実施例に係る増幅器電力供給部の構成例を示す図である。
【
図5】フィルタの小型化について説明する図である。
【
図6A】従来方式による無線出力の増幅結果について説明する図である。
【
図6B】本発明方式による無線出力の増幅結果について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、主に、従来方式と相違する部分に着目して説明する。また、以下の第1〜第3実施例に係る増幅器電力供給部で用いる各フィルタ(223,323,423)は、従来方式のものに比べて小型化してある。フィルタの小型化は、例えば
図5に示すように、フィルタを構成する部品であるコイル(L)やコンデンサ(C)の小型化や、これら部品の数を減らして簡素化することで、実現することができる。
【0019】
(第1実施例)
図2には、本発明の第1実施例に係る増幅器電力供給部の構成例を示してある。本例の増幅器電力供給部は、DSP201と、FPGA202と、PWM部221及びD級アンプ222及びフィルタ223を有するET出力部220と、DC電源部211とを備え、無線部を構成する主増幅器(PA)251に電力を供給する。
【0020】
DSP201は、いわゆるパワー演算によりIQ信号からエンベロープを算出する。FPGA151は、エンベロープの算出結果を受けて、PWM部221に設定する。PWM部221は、エンベロープの算出結果をDACによりアナログ信号に変換し、所定周波数のスイッチング波形(例えば、1MHzの三角波)を用いてET用のPWM信号を生成する。PWM部221から出力されるPWM信号は、DC電源部211からのDC電圧に基づいてD級アンプ222で増幅され、フィルタ223で元のアナログ波形(エンベロープ)に戻され、ET電圧として主増幅器253に供給される。
【0021】
第1実施例に係る無線出力増幅部の主な特徴は、ET出力部から出力されるET電圧を、主増幅器の前段にある別の増幅器にも分配することである。なお、第1実施例では、主増幅器の前段にある別の増幅器が、主増幅器と同様にDC電圧で動作することを前提としている。
図2の例では、主増幅器251の前段に2つの増幅器(AMP)252,253があり、そのうちの増幅器253に対してET電圧を分配するための分配部231を備えている。また、ET電圧をそのまま増幅器253に供給するのではなく、スイッチング周波数の成分を逆相に変換して増幅器253に供給するために逆相変換部232を設けてある。
【0022】
逆相変換部232は、分配器231から分配された信号をコンパレータを用いて逆相波形を生成する。そして、逆相変換部232で生成された逆相波形が増幅器253に供給されるので、スプリアス成分の逆相成分が増幅器253で増幅される。その信号を主増幅器251が分配器231から入力されたET電圧に基づいて増幅するので、主増幅器251での増幅によってスプリアスの発生が抑止される。
【0023】
このように、第1実施例に係る無線機は、無線送信する信号を増幅する主増幅器251と、当該信号のエンベロープに追従するET電圧を出力して主増幅器251に供給するET出力部220とを備え、ET出力部220は、所定周波数のスイッチング波形に基づいて動作している。第1実施例に係る無線機は更に、ET電圧を主増幅器251の前段の増幅器253に分配するための分配部231と、分配部231で分配されたET電圧にスイッチング周波数の成分を逆相にする変換を施す逆相変換部232とを備え、逆相変換部232による変換後のET電圧を前段の増幅器253に供給する構成となっている。
【0024】
第1実施例では、フィルタを小型化したことでET電圧にスイッチング周波数の成分が残るが、スイッチング周波数の成分を逆相にして主増幅器の前段の増幅器に供給するので、主増幅器での増幅によって発生するスプリアスを打ち消すような成分を持つ入力信号を前段の増幅器で発生させて主増幅器に与えることができる。これにより、ET電圧にスイッチング周波数の成分が含まれていても、
図6Bに示すように、主増幅器での増幅結果からスプリアスを除去又は低減することが可能となる。従って、ET出力部に設けるフィルタを小型化してもスプリアスの発生を抑制することができるので、無線機の小型化・低コスト化を実現できる。
【0025】
なお、
図2の例では、主増幅器251の前段にある2つの増幅器252,253のうち、主増幅器251の直前の増幅器253にET電圧を分配しているが、その前の増幅器252(或いは更に前の増幅器)にET電圧を分配してもよい。また、ET電圧を分配する増幅器は複数であってもよく、スプリアスを効果的に除去又は低減できるように分配比率などを調整すればよい。
【0026】
(第2実施例)
図3には、本発明の第2実施例に係る増幅器電力供給部の構成例を示してある。
第1実施例では、ET電圧の分配先となる増幅器が主増幅器と同様にDC電圧で動作する場合について説明したが、第2実施例では、ET電圧の分配先となる増幅器がAC電圧で動作する場合について説明する。
【0027】
第2実施例に係る無線出力増幅部の主な特徴は、ET出力部から出力されるET電圧を、主増幅器の前段にある別の増幅器を動作させるAC電圧にAC結合することである。
図3の例では、主増幅器251の前段に、AC電源部241から供給されるAC電圧で動作する2つの増幅器(AMP)254,255があり、そのうちの増幅器254に対してET電圧を分配するための分配部231を備えている。また、ET電圧をそのまま増幅器254に供給するのではなく、スイッチング周波数の成分を逆相に変換する逆相変換部232を設けると共に、逆相変換部232による変換後のET電圧を増幅器254への供給電圧にAC結合するAC結合部233を設けてある。
【0028】
これにより、主増幅器とは異なってAC電圧で動作する増幅器に対しても、主増幅器に供給するET電圧を分配して、主増幅器での増幅結果からスプリアスを除去又は低減することが可能となる。従って、ET出力部に設けるフィルタを小型化してもスプリアスの発生を抑制することができるので、無線機の小型化・低コスト化を実現できる。なお、第1実施例と同様に、ET電圧の分配先となる増幅器の配置及び個数は任意であり、スプリアスを除去又は低減する効果が得られればよい。
【0029】
(第3実施例)
図4には、本発明の第3実施例に係る増幅器電力供給部の構成例を示してある。
第3実施例に係る無線出力増幅部の主な特徴は、ET電圧中のスイッチング周波数の成分を打ち消すような波形を発生させてET電圧に重畳することである。
図4の例では、ET電圧に重畳させる波形を発生させる逆波形発生部234を設けてある。逆波形発生部234は、FPGA202の制御に基づいて、ET電圧に含まれることが想定されるスイッチング周波数の成分に対応する逆位相の波形を発生させる。逆波形発生部234で発生された波形は、ET出力部220から出力されるET電圧に重畳される。
【0030】
逆波形発生部234は、例えばDACであり、FPGA202から入力された信号をアナログ信号に変換することで逆位相波形のアナログ信号を生成する。FPGA202はPWM部221の制御を行うため、スイッチングノイズおよびその逆相電圧の生成を行うことができ、これを逆波形発生器234に入力して逆位相の波形を発生させる。
【0031】
このように、第3実施例に係る無線機は、無線送信する信号を増幅する主増幅器251と、当該信号のエンベロープに追従するET電圧を出力して主増幅器251に供給するET出力部220とを備え、ET出力部220は、所定周波数のスイッチング波形に基づいて動作している。第3実施例に係る無線機は更に、ET電圧に含まれることが想定されるスイッチング周波数の成分に対応する逆位相の波形を発生させる逆波形発生部234を備え、逆波形発生部234で発生された波形をET電圧に重畳する構成となっている。
【0032】
第3実施例によれば、ET電圧にスイッチング周波数の成分が含まれていても、ET電圧からスイッチング周波数の成分を除去又は低減させて主増幅器に供給することができ、主増幅器での増幅結果からスプリアスを除去又は低減することが可能となる。従って、ET出力部に設けるフィルタを小型化してもスプリアスの発生を抑制することができるので、無線機の小型化・低コスト化を実現できる。
なお、第3実施例は、第1実施例(又は第2実施例)と組み合わせて適用することもできる。すなわち、
図2(又は
図3)の構成に、
図4の逆波形発生部234を追加してもよい。
【0033】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。例えば、本発明は、無線機の構成上、アナログ直交部のLo信号を可変させることで各種の周波数に対応できることから、ソフトウェアラジオ化におけるマルチバンド無線部のハードアーキテクチャに適用することができる。更に、近年注目されているホワイトスペース(2次利用)の無線部ハードアーキテクチャとしても適用できる。
また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法や方式などとして提供することも可能である。
【0034】
この出願は、2017年8月4日に出願された日本出願特願2017−151186を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、主増幅器に供給する電圧をET方式により制御する種々の形式の無線機に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
110:主増幅器、 121,122:DAC、 123:アナログ直交変調部、 130:DC電源部、 140:ET出力部、 141:PWM分、 142:DAC、 143:三角波発生回路、 144:コンパレータ、 145:D級AMP、 146:フィルタ、 150:制御部、 151:FPGA、 152:DSP、 201:DSP、 202:FPGA、 211:DC電源部、 220:ET出力部、 221:PWM部、 222:D級AMP、 223:フィルタ、 231:分配部、 232:逆相変換部、 233:AC結合部、 234:逆波形発生部、 241:AC電源部、 251:主増幅器、 252,253:増幅器