(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
柱状の前記突起部は、前記テープを送る第1方向と、前記第1方向に直交し、かつ、水平方向の第2方向とのそれぞれにおいて、前記収納部の対応する方向のサイズよりも小さく形成されている、請求項1に記載の部品供給装置。
柱状の前記突起部は、前記第1方向および前記第2方向の少なくとも一方において、前記収納部の対応する方向のサイズの1/2未満の大きさに形成されている、請求項2に記載の部品供給装置。
複数の前記突起部は、隣接する前記突起部の間隔を整数倍した値と、前記テープ送り部により前記テープを送る最少のピッチ値とが、一致しないような間隔を隔てて、前記ローラの外周に円周状に配置されている、請求項5または6に記載の部品供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許第5372661号公報の電子部品フィーダ(部品供給装置)では、収納部を覆うカバーテープに部品が付着した場合に、カバーテープの覆いを解除した場合において、カバーテープに付着した部品が収納部から飛び出したり、カバーテープの覆いを解除する部材と部品とが接触するという不都合がある。このため、部品を確実に供給することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、カバーテープに部品が付着するのを抑制して、部品を確実に供給することが可能な部品供給装置および部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による部品供給装置は、部品が収納された収納部と収納部の上方を覆うカバーテープとを含むテープを送るテープ送り部と、収納部を覆う部分のカバーテープの上面を押圧する柱状の突起部を含む押圧部と、
カバーテープの覆いを解除して、収納部の上方を開放する開放部と、を備え
、押圧部は、テープを送る方向において、開放部よりも上流側に配置されている。
【0008】
この発明の第1の局面による部品供給装置では、上記のように構成することにより、カバーテープに部品が付着している場合でも、突起部によりカバーテープを上側から押圧することによって、部品をカバーテープから離して収納部内に収めることができるので、カバーテープの覆いを解除した場合に部品が収納部から飛び出したり、カバーテープの覆いを解除する部材と部品とが接触するのを抑制することができる。これにより、カバーテープに部品が付着するのを抑制して、部品を確実に供給することができる。
【0009】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、柱状の突起部は、テープを送る第1方向と、第1方向に直交し、かつ、水平方向の第2方向とのそれぞれにおいて、収納部の対応する方向のサイズよりも小さく形成されている。このように構成すれば、突起部をカバーテープを介して収納部内に入れることができるので、突起部によりカバーテープを収納部の底面側に向けて凹状に変形させることができる。これにより、カバーテープに部品が付着している場合に、付着した部品を容易にカバーテープから離間させることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、柱状の突起部は、第1方向および第2方向の少なくとも一方において、収納部の対応する方向のサイズの1/2未満の大きさに形成されている。このように構成すれば、突起部をカバーテープを介して収納部内に容易に入れることができるので、突起部によりカバーテープを収納部の底面側に向けて容易に凹状に変形させることができる。
【0011】
上記第1の局面による部品供給装置
では、上記のように、カバーテープの覆いを解除して、収納部の上方を開放する開放部
を備え、押圧部は、テープを送る方向において、開放部よりも上流側に配置されている。こ
れにより、開放部によりカバーテープの覆いを解除するよりも上流において、カバーテープに付着した部品を離すことができるので、開放部と部品とが干渉するのを効果的に抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、押圧部は、テープを送る方向において、収納部から部品を取り出す部品取出し位置よりも上流側に配置されている。このように構成すれば、部品取出し位置よりも上流において、確実に部品を収納部内に収めることができるので、部品をより確実に供給することができる。
【0013】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、カバーテープに上方から当接し、テープを送る方向に沿って回転するローラをさらに備え、押圧部は、複数の突起部を含み、複数の突起部は、ローラの外周に円周状に配置されている。このように構成すれば、カバーテープへの押圧部の押圧によるテープ送りに対する抵抗を、ローラの回転により低減することができるので、テープをスムーズに送ることができる。
【0014】
この場合、好ましくは、複数の突起部は、テープ送り部によりテープを送る最少のピッチ以下の間隔を隔てて、ローラの外周に円周状に配置されている。このように構成すれば、複数の突起部の間隔を小さくすることができるので、突起部を高確率で収納部に対応する部分のカバーテープに当てつけることができる。
【0015】
上記ローラを備える構成において、好ましくは、複数の突起部は、隣接する突起部の間隔を整数倍した値と、テープ送り部によりテープを送る最少のピッチ値とが、一致しないような間隔を隔てて、ローラの外周に円周状に配置されている。このように構成すれば、収納部の間隔の周期と、複数の突起部の間隔の周期とを互いにずらすことができるので、1つの突起部が収納部を外した場合でも、他の突起部を収納部に合わせることができる。これにより、突起部をより高確率で収納部に対応する部分のカバーテープに当てつけることができる。
【0016】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、柱状の突起部は、先細り形状に形成されている。このように構成すれば、突起部の根元部分の機械的強度を高めることができるとともに、突起部の先端をカバーテープを介して収納部内により容易に入れることができる。
【0017】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、突起部をカバーテープに向かって付勢する付勢部材をさらに備える。このように構成すれば、突起部をカバーテープに容易に押し当てることができる。
【0018】
この発明の第2の局面による部品実装装置は、部品供給装置と、部品供給装置から供給される部品を基板に実装する実装ヘッドとを備え、部品供給装置は、部品が収納された収納部と、収納部の上方を覆うカバーテープとを含むテープを送るテープ送り部と、カバーテープの収納部を覆う部分の上面を押圧する柱状の突起部を有する押圧部と、
カバーテープの覆いを解除して、収納部の上方を開放する開放部と、を含
み、押圧部は、テープを送る方向において、開放部よりも上流側に配置されている。
【0019】
この発明の第2の局面による部品実装装置では、上記のように構成することにより、カバーテープに部品が付着するのを抑制して、部品を確実に供給することが可能な部品実装装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、カバーテープに部品が付着するのを抑制して、部品を確実に供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(部品実装装置の構成)
図1を参照して、本発明の実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板PをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Pに部品31を実装する部品実装装置である。
【0025】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識撮像部7と、制御部8とを備えている。
【0026】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板PをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Pを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Pの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0027】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、複数の部品供給装置10が配置されている。部品供給部3の複数の部品供給装置10は、それぞれ、後述する実装ヘッド42に対して部品31を供給するように構成されている。
【0028】
部品供給装置10は、
図2に示すように、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープ32が巻き付けられたリール33を保持している。つまり、部品供給装置10は、テープフィーダにより構成されている。部品供給装置10は、部品31を保持するテープ32を送出することによりリール33を回転させて、部品供給装置10のY方向の先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品を含む。なお、部品供給装置10の詳細な説明については、後述する。
【0029】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。
【0030】
実装ヘッド42は、部品供給装置10から供給される部品31を基板Pに実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3により供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Pに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、部品供給装置10から供給される部品31を吸着して保持し、基板Pにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。
【0031】
基板認識カメラ43は、基板Pの位置および姿勢を認識するために、基板PのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Pにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。
【0032】
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0033】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0034】
部品認識撮像部7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識撮像部7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。
【0035】
制御部8は、CPU、メモリを含んでおり、一対のコンベア2による基板Pの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、部品認識撮像部7および基板認識カメラ43による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部8は、部品供給装置10の制御部11(
図2参照)と通信可能に構成されている。制御部8は、複数の部品供給装置10の各々の制御部11と連携して、実装動作を制御するように構成されている。
【0036】
(部品供給装置の構成)
図2〜
図10を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10の構成について説明する。
【0037】
図2に示すように、部品供給装置10は、制御部11と、周縁にテープ送り用の歯を等間隔に備えたスプロケット12a、12bおよび12cと、モータ13aおよび13bと、テープ押さえ部材14と、押圧部15とを備えている。テープ押さえ部材14には、開放部141と、部品取出し位置142が設けられている。部品供給装置10は、自動でテープ32をローディング可能なフィーダである。
【0038】
テープ32は、
図3に示すように、キャリアテープ321と、カバーテープ322とを含む。キャリアテープ321には、部品31が収納された収納部321aと、スプロケット12a〜12cに係合する係合穴321bとが設けられている。収納部321aは、部品31のサイズよりも大きい空間を有している。収納部321aの上方は、カバーテープ322により覆われている。これにより、部品供給前に収納部321aから部品31が出るのを防止することが可能である。部品供給時には、カバーテープ322が切り開かれて、収納部321aの上方が露出される。これにより、部品取出し位置142において、部品31を収納部321aから実装ヘッド42により取り出すことが可能である。複数の係合穴321bは、互いに一定の間隔を隔てて配置されている。また、係合穴321bは、収納部321aに対して所定の相対位置に配置されている。
【0039】
制御部11は、部品供給装置10の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御部11は、モータ13a、モータ13bの駆動を制御して、テープ32の送り動作を制御するように構成されている。制御部11は、制御回路を有する基板を含む。また、制御部11は、部品供給装置10に設けられたセンサ(図示せず)によるテープ32の検知結果に基づいて、テープ32の送り動作を制御するように構成されている。
【0040】
スプロケット12aおよび12bは、モータ13aにより連動して駆動される。スプロケット12cは、モータ13bにより駆動される。スプロケット12a、12b、12c、モータ13aおよび13bは、テープ32を送るテープ送り部を構成する。スプロケット12a、12bおよび12cは、テープ32の係合穴321bに係合して、テープ32をテープ送り方向Aに沿って送るように構成されている。
【0041】
スプロケット12aは、テープ送り方向Aにおいて、開放部141の下流側に設けられている。スプロケット12bは、テープ送り方向Aにおいて、開放部141の上流側で、かつ、押圧部15の下流側に設けられている。スプロケット12cは、テープ送り方向Aにおいて、押圧部15の上流側に設けられている。スプロケット12cは、部品供給装置10のテープ32の入口側に設けられている。
【0042】
スプロケット12aおよび12bは、ベルトにより接続されており、同期して回転されるように構成されている。スプロケット12aおよび12bは、テープ32の搬送路の下方に設けられている。スプロケット12cは、テープ32の搬送路の上方に設けられている。モータ13aおよび13bは、制御部11により駆動が制御されて、駆動されるように構成されている。また、モータ13aおよび13bは、回転する最小の量が設定されている。これにより、テープ32を送る最少のピッチが設定される。
【0043】
テープ押さえ部材14は、テープ32を上方から押さえるとともに、テープ送り方向Aに沿ってガイドするように構成されている。また、テープ押さえ部材14は、部品取出し位置142を含むテープ送り方向Aにおける下流領域に配置されている。テープ押さえ部材14により、テープ32の搬送路の上下方向の大きさを必要最小限にすることができるので、テープ送り方向Aにおける下流領域において、テープ32が上下にぶれるのを抑制することができる。
【0044】
開放部141は、カバーテープ322による収納部321aの覆いを解除して、収納部321aの上方を開放するように構成されている。開放部141は、
図9に示すように、カッター141aと、カバーテープガイド141bとを含んでいる。カッター141aは、刃先をキャリアテープ321とカバーテープ322との間に挿入させてカバーテープ322を切断するように構成されている。つまり、カッター141aは、テープ32の移動に伴って、カバーテープ322を順次切り開くように構成されている。カバーテープガイド141bは、切り開かれたカバーテープ322をX方向の両側に押し広げるように構成されている。つまり、カバーテープガイド141bは、テープ32の移動に伴って、カバーテープ322を順次幅方向(X方向)に開け広げるように構成されている。
【0045】
部品取出し位置142は、テープ押さえ部材14のテープ送り方向Aにおける下流部分に設けられている。具体的には、部品取出し位置142は、テープ送り方向Aにおいて、開放部141よりも下流側に設けられている。部品取出し位置142には、上下方向(Z方向)に貫通する矩形形状の穴が設けられている。これにより、収納部321aに収納された部品31の上方が開放され、実装ヘッド42により部品31を取り出すことが可能となる。
【0046】
押圧部15は、テープ押さえ部材14に設けられている。また、
図3に示すように、押圧部15には、ローラ16が設けられている。また、押圧部15は、回動軸151と、付勢部材152とを含んでいる。また、ローラ16は、突起部161と、回転軸162とを含んでいる。つまり、押圧部15は、収納部321aを覆う部分のカバーテープ322の上面を押圧する柱状の突起部161を含んでいる。具体的には、押圧部15は、複数の柱状の突起部161を含んでいる。また、押圧部15は、
図2に示すように、テープ送り方向Aにおいて、開放部141よりも上流側に配置されている。また、押圧部15は、テープ送り方向Aにおいて、収納部321aから部品31を取り出す部品取出し位置142よりも上流側に配置されている。
【0047】
押圧部15は、
図3に示すように、テープ32の幅方向と略平行な方向(X方向)に回動軸線を有する回動軸151を中心に回動可能に構成されている。また、押圧部15は、付勢部材152により付勢されて回動し、ローラ16を下方向に付勢するように構成されている。これにより、ローラ16の下部分に位置する突起部161が下方向に付勢される。つまり、付勢部材152は、突起部161をカバーテープ322に向かって付勢するように構成されている。付勢部材152は、バネを含んでいる。付勢部材152は、バネの弾性力により、突起部161を付勢するように構成されている。突起部161の押圧力は、たとえば、数N〜数十N程度である。また、突起部161は、たとえば、数十μm〜数mm程度、カバーテープ322を下方に押圧する。
【0048】
突起部161は、収納部321aを覆う部分のカバーテープ322の上面を押圧するように構成されている。具体的には、複数の突起部161は、ローラ16の外周に円周状に配置されている。ローラ16は、カバーテープ322に上方から当接し、テープ送り方向Aに沿って回転するように構成されている。ローラ16は、テープ32の幅方向と略平行な方向(X方向)に回転軸線を有する回転軸162を中心に回転可能に構成されている。ローラ16は、テープ32の移動に伴って、従動して回転するように構成されている。つまり、テープ32がA方向に移動する場合には、ローラ16は、B方向に回転するように構成されている。
図4に示すように、複数の突起部161は、テープ送り部によりテープ32を送る最少のピッチP2以下の間隔P1を隔てて、ローラ16の外周に円周状に配置されている。また、複数の突起部161は、スプロケット12a〜12bの各々の歯の間隔以下の間隔を隔てて、ローラ16の外周に円周状に配置されている。
【0049】
また、複数の突起部161は、隣接する突起部161の間隔P1を整数倍した値と、テープ送り部によりテープ32を送る最少のピッチ値とが、一致しないような間隔を隔てて、ローラ16の外周に円周状に配置されている。つまり、P1×N≠P2(但し、Nは、整数)の式を満たす。また、複数の突起部161は、ピッチ長さを整数倍した値と、収納部321aのピッチとが、一致しないような間隔を隔てて、ローラ16の外周に円周状に配置されている。ここで、テープ32の収納部321aのピッチは、所定の規格により定められている。
【0050】
柱状の突起部161は、
図5〜
図7に示すように、先細り形状に形成されている。
図5の例では、突起部161は、先端が矩形の平坦面を有している。また、
図5の例では、突起部161の先端部は、テープ32の幅方向(X方向)の長さが、テープ32の送り方向(Y方向)の長さよりも大きくなるように形成されている。
図6の例では、突起部161は、先端が円形の平坦面を有している。
図7の例では、突起部161は、先端が半球状の曲面を有している。突起部161は、尖らない程度で、先端が細くなっている形状が好ましい。つまり、カバーテープ322を押す部材が細い方が部品31の貼りつきを剥がしやすくなる。
【0051】
また、
図8に示すように、柱状の突起部161は、テープ32を送る方向(Y方向)およびテープ32の幅方向(X方向)のそれぞれにおいて、収納部321aの対応する方向のサイズよりも小さく形成されている。たとえば、収納部321aのX方向(Y方向)の長さがD1であり、突起部161の先端のX方向(Y方向)の長さがD1より小さいD2である。好ましくは、柱状の突起部161は、X方向およびY方向の少なくとも一方において、収納部321aの対応する方向のサイズの1/2未満の大きさに形成されている。柱状の突起部161の先端の大きさを小さくすることにより、カバーテープ322を平坦部が少ないように変形させることができるので、部品31の貼りつきを除去する効果が高くなる。一方、D2がD1以上の場合には、突起部161の先端によりカバーテープ322を変形させることができない。あるいは、カバーテープ322が変形した場合でも変形量は僅かである。なお、X方向は、特許請求の範囲の「第2方向」の一例であり、Y方向は、特許請求の範囲の「第1方向」の一例である。
【0052】
図8に示すように、たとえば、カバーテープ322と部品31との間の粘性を有する微小な粘着物Sにより、部品31がカバーテープ322に貼りつく場合がある。この場合に、突起部161の先端部の大きさを小さくすることにより、粘着物Sを部品31またはカバーテープ322から剥がす効果を向上させることができる。これにより、部品31のカバーテープ322への貼りつきを効果的に除去することが可能である。
【0053】
テープ32は、テープ送り部により送られて、突起部161により、カバーテープ322の上面が押圧された後、
図10に示すように、開放部141により、カバーテープ322が切り開かれる。具体的には、
図10(A1)および(A2)に示すように、テープ32が開放部141のカッター141aの先端に到達すると、カッター141aの刃先が、キャリアテープ321とカバーテープ322との間に挿入される。そして、
図10(B1)および(B2)に示すように、さらにテープ32が送られると、カバーテープ322がカッター141aにより切られるとともに、カバーテープガイド141bにより、切られたカバーテープ322が幅方向外側に開かれる。
【0054】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
本実施形態では、上記のように、収納部321aを覆う部分のカバーテープ322の上面を押圧する柱状の突起部161を含む押圧部15を設ける。これにより、カバーテープ322に部品31が付着している場合でも、突起部161によりカバーテープ322を上側から押圧することによって、部品31をカバーテープ322から離して収納部321a内に収めることができる。その結果、カバーテープ322の覆いを解除した場合に部品31が収納部321aから飛び出したり、開放部141と部品31とが接触するのを抑制することができる。これにより、カバーテープ322に部品31が付着するのを抑制して、部品31を確実に供給することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、柱状の突起部161を、テープ32を送る方向(Y方向)と、テープ32の幅方向(X方向)とのそれぞれにおいて、収納部321aの対応する方向のサイズよりも小さく形成する。これにより、突起部161をカバーテープ322を介して収納部321a内に入れることができるので、突起部161によりカバーテープ322を収納部321aの底面側に向けて凹状に変形させることができる。これにより、カバーテープ322に部品31が付着している場合に、付着した部品31を容易にカバーテープ322から離間させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、柱状の突起部161を、X方向およびY方向の少なくとも一方において、収納部321aの対応する方向のサイズの1/2未満の大きさに形成する。これにより、突起部161をカバーテープ322を介して収納部321a内に容易に入れることができるので、突起部161によりカバーテープ322を収納部321aの底面側に向けて容易に凹状に変形させることができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、カバーテープ322の覆いを解除して、収納部321aの上方を開放する開放部141を設け、押圧部15を、テープ32を送る方向において、開放部141よりも上流側に配置する。これにより、開放部141によりカバーテープ322の覆いを解除するよりも上流において、カバーテープ322に付着した部品31を離すことができるので、開放部141と部品31とが干渉するのを効果的に抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、押圧部15を、テープ32を送る方向において、収納部321aから部品31を取り出す部品取出し位置142よりも上流側に配置する。これにより、部品取出し位置142よりも上流において、確実に部品31を収納部321a内に収めることができるので、部品31をより確実に供給することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、複数の突起部161を、ローラ16の外周に円周状に配置する。これにより、カバーテープ322への押圧部15の押圧によるテープ送りに対する抵抗を、ローラ16の回転により低減することができるので、テープ32をスムーズに送ることができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、複数の突起部161を、テープ送り部によりテープ32を送る最少のピッチ以下の間隔を隔てて、ローラ16の外周に円周状に配置する。これにより、複数の突起部161の間隔を小さくすることができるので、突起部161を高確率で収納部321aに対応する部分のカバーテープ322に当てつけることができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、複数の突起部161を、隣接する突起部161の間隔を整数倍した値と、テープ送り部によりテープ32を送る最少のピッチ値とが、一致しないような間隔を隔てて、ローラ16の外周に円周状に配置する。これにより、収納部321aの間隔の周期と、複数の突起部161の間隔の周期とを互いにずらすことができるので、1つの突起部161が収納部321aを外した場合でも、他の突起部161を収納部321aに合わせることができる。これにより、突起部161をより高確率で収納部321aに対応する部分のカバーテープ322に当てつけることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、柱状の突起部161を、先細り形状に形成する。これにより、突起部161の根元部分の機械的強度を高めることができるとともに、突起部161の先端をカバーテープ322を介して収納部321a内により容易に入れることができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、突起部161をカバーテープ322に向かって付勢する付勢部材152を設ける。これにより、突起部161をカバーテープ322に容易に押し当てることができる。
【0065】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0066】
たとえば、上記実施形態では、突起部がローラに設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図11に示す変形例のように、突起部171をバー状の部材に設けてもよい。つまり、押圧部17は、突起部171と、ローラ172と、回動軸173と、付勢部材174とを含んでいてもよい。突起部171は、収納部321aを覆う部分のカバーテープ322の上面を押圧するように構成されている。また、突起部171は、柱状に形成されている。また、突起部171は、先端(下端)に向かって、先細るように形成されている。ローラ172は、突起部171とテープ32の幅方向(X方向)において所定の間隔を隔てて配置されている。また、突起部171とローラ172とは、テープ送り方向(Y方向)の距離が、係合穴321bと収納部321aとのY方向の距離と略等しくなるように配置されている。ローラ172は、X方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に構成されている。ローラ172は、テープ32の移動に伴って、従動して回転するように構成されている。ローラ172が、係合穴321bに落ち込むことにより、突起部171がカバーテープ322の上面を押圧する。押圧部17は、テープ32の幅方向と略平行な方向(X方向)に回動軸線を有する回動軸173を中心に回動可能に構成されている。また、押圧部17は、付勢部材174により付勢されて回動し、突起部171を下方向に付勢するように構成されている。
【0067】
また、上記実施形態では、1つの部品供給装置に、複数の突起部が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つの部品供給装置に1つの突起部が設けられていてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、部品供給装置が自動ローディングに対応している構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給装置が自動ローディングに対応していなくてもよい。この場合でも、カバーテープに部品が貼りつくのを抑制することができるので、部品を確実に供給することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、付勢部材がバネを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、付勢部材はバネ以外であってもよい。また、付勢部材を設けずに重力により突起部を下方に付勢してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、開放部によりカバーテープを切り開く構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、開放部によりカバーテープをキャリアテープから剥がして、収納部の上方を開放するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、部品供給
部に部品供給装置が配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給
部に部品供給装置に加えて部品を載置したトレイなどを配置してもよい。