(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開放部は、前記開放部および前記テープガイド部の少なくとも一方と前記テープとの間の摩擦力により、前記テープの前記第2方向への移動とともに前記第2方向にスライド移動するように構成されている、請求項1に記載の部品供給装置。
前記第2係合部は、前記テープの前記第2方向への移動とともに前記開放部を含む前記テープガイド部が前記第2方向に移動する移動量に対応する前記第1係合部に対する前記第2係合部の移動量を規制する第1規制部を含む、請求項3に記載の部品供給装置。
前記第1係合部は、前記取出孔よりも前記第1方向の下流側に配置される第1下流側係合部と、前記取出孔よりも前記第1方向の上流側に配置される第1上流側係合部とを有し、
前記第2係合部は、前記第1下流側係合部に対応する第2下流側係合部と、前記第1上流側係合部に対応する第2上流側係合部とを有する、請求項3または4に記載の部品供給装置。
前記テープが前記第2方向に移動するとともに前記テープガイド部が前記第2方向に移動した後、前記テープが前記第1方向に移動されると、前記テープの前記第1方向への移動とともに前記テープガイド部の前記第1方向への移動が行われるように構成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の部品供給装置。
前記第2係合部は、前記テープの前記第1方向への移動とともに前記開放部を含む前記テープガイド部が前記第1方向に移動する移動量に対応する前記第1係合部に対する前記第2係合部の移動量を規制する第2規制部を含み、
前記テープガイド部の前記第1方向への移動は、前記第2規制部により、前記取出孔と前記収納部の上方の開口とが連通する位置で停止するように規制されている、請求項6に記載の部品供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1〜
図13を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置1について説明する。
【0025】
(部品実装装置の構成)
図1を参照して、本発明の実施形態による部品実装装置1の構成について説明する。なお、基板Bの搬送方向およびその逆方向をX方向とし、水平方向においてX方向に直交する方向をY方向とする。また、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0026】
図1に示すように、部品実装装置1は、一対のコンベア12により基板BをX方向に搬送し、実装作業位置Wにおいて基板Bに電子部品Eを実装する部品実装装置1である。ここで、電子部品Eは、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eを含む。
【0027】
部品実装装置1は、基台11と、一対のコンベア12と、部品供給部13と、ヘッドユニット14と、支持部15と、一対のレール部16と、部品認識カメラ17と、制御部18とを備えている。
【0028】
一対のコンベア12は、基台11上に設置され、基板BをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア12には、搬送中の基板Bを実装作業位置Wで停止させた状態で保持する保持機構(図示せず)が設けられている。また、一対のコンベア12は、基板Bの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0029】
部品供給部13は、一対のコンベア12の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部13には、複数の部品供給装置2が配置されている。部品供給部13の複数の部品供給装置2は、それぞれ、後述する実装ヘッド14aに対して部品を供給するように構成されている。
【0030】
部品供給装置2は、
図2に示すように、複数の電子部品E(
図1参照)を所定の間隔を隔てて保持したテープ3が巻き付けられたリール4を保持している。部品供給装置2は、電子部品Eを保持するテープ3を送出することによりリール4を回転させて、部品供給装置2の実装作業位置W側の先端から電子部品Eを供給するように構成されている。なお、部品供給装置2の詳細な説明については、後述する。
【0031】
図1に示すように、ヘッドユニット14は、一対のコンベア12および部品供給部13の上方位置に配置されており、ノズルが下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド14aと、基板認識カメラ14bとを含んでいる。
【0032】
実装ヘッド14aは、部品供給装置2から供給される電子部品Eを基板Bに実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド14aは、部品供給装置2により供給される電子部品Eを吸着して、実装作業位置Wに配置された基板Bに対して吸着した電子部品Eを装着するように構成されている。また、実装ヘッド14aは、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド14aは、負圧発生機(図示せず)によりノズルの先端部に発生させた負圧によって、部品供給装置2から供給される電子部品Eを吸着して保持し、基板Bにおける実装位置に電子部品Eを装着(実装)するように構成されている。
【0033】
基板認識カメラ14bは、基板Bの位置および姿勢を認識するために、基板BのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Bにおける電子部品Eの実装位置を正確に取得することが可能である。
【0034】
支持部15は、モータ15aを含んでいる。支持部15は、モータ15aを駆動させることにより、支持部15に沿ってヘッドユニット14をX方向に移動させるように構成されている。支持部15は、両端部が一対のレール部16により支持されている。
【0035】
一対のレール部16は、基台11上に固定されている。X1側のレール部16は、モータ16aを含んでいる。レール部16は、モータ16aを駆動させることにより、支持部15を一対のレール部16に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット14が支持部15に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部15がレール部16に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット14は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0036】
部品認識カメラ17は、基台11の上面上に固定されている。部品認識カメラ17は、一対のコンベア12の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識カメラ17は、電子部品Eの実装に先立って電子部品Eの吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド14aのノズルに吸着された電子部品Eを下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド14aのノズルに吸着された電子部品Eの吸着状態を制御部18により取得することが可能である。
【0037】
制御部18は、CPU、メモリを含んでおり、一対のコンベア12による基板Bの搬送動作、ヘッドユニット14による実装動作、部品認識カメラ17および基板認識カメラ14bによる撮像動作などの部品実装装置1の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部18は、部品供給装置2の制御部21(
図2参照)と通信可能に構成されている。制御部18は、複数の部品供給装置2の各々の制御部21と連携して、実装動作を制御するように構成されている。
【0038】
(部品供給装置の構成)
次に、
図2〜
図13を参照して、部品供給装置2の構成について説明する。なお、部品供給装置2は、自動でテープ3をローディング可能なオートローディングフィーダである。また、以下の説明において、部品実装装置1のY1側に配置された部品供給装置2について説明を行なう。
【0039】
図2に示すように、部品供給装置2は、制御部21と、テープ送り装置22と、テープガイド部23と、第1取付部24と、第2取付部25と、供給装置本体26とを備えている。制御部21、テープガイド部23、第1取付部24および第2取付部25は、テープ送り方向FRにおける下流領域に配置されている。なお、テープ送り方向FRは、特許請求の範囲の「第1方向」の一例である。また、第1取付部24および第2取付部25は、各々、特許請求の範囲の「固定部材」の一例である。また、テープ送り装置22は、特許請求の範囲の「テープ送り部」の一例である。
【0040】
ここで、テープ送り装置22は、スプロケット27と、モータ28とを含んでいる。また、テープガイド部23は、実装ヘッド14aが電子部品Eを取り出すための開放部29および取出孔29aを有している。また、供給装置本体26には、制御部21、テープ送り装置22、第1取付部24および第2取付部25が取り付けられている。そして、テープガイド部23は、第1取付部24および第2取付部25を用いて供給装置本体26に取り付けられている(
図4参照)。
【0041】
テープ3は、
図3(A)に示すように、キャリアテープ31と、カバーテープ32とを含んでいる。キャリアテープ31には、電子部品Eが収納された収納部31aが形成されている。収納部31aは、電子部品Eのサイズよりも大きい空間を有している。収納部31aのZ1方向(上方向)の開口は、カバーテープ32により覆われている。これにより、部品供給前に収納部31aから電子部品Eが出るのを防止することが可能である。部品供給時には、カバーテープ32が切り開かれて、収納部31aの上方の開口が露出される。これにより、部品取出し位置において、電子部品Eを収納部31aから実装ヘッド14aにより取り出すことが可能である。
【0042】
キャリアテープ31には、
図3(B)に示すように、スプロケット27に係合する複数の係合孔31bが形成されている。複数の係合孔31bは、互いにテープ送り方向FRに一定の間隔(送りピッチPT)を隔てて配置されている。なお、送りピッチPTは、収納部31aの中心と隣り合う収納部31aの中心との距離と等しい。また、係合孔31bは、収納部31aに対して所定の相対位置に配置されている。
【0043】
制御部21は、
図2に示すように、部品供給装置2の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御部21は、モータ28、モータ28の駆動を制御して、テープ3の送り動作を制御するように構成されている。制御部21は、制御回路を有する基板を含む。また、制御部21は、部品供給装置2に設けられたセンサ(図示せず)によるテープ3の検知結果に基づいて、テープ3の送り動作を制御するように構成されている。
【0044】
スプロケット27は、第1スプロケット27aと、第2スプロケット27bと、第3スプロケット27cとを有している。第1スプロケット27aは、テープ送り方向FRにおいて、開放部29の下流側に設けられている。第2スプロケット27bは、テープ送り方向FRにおいて、開放部29の上流側に設けられている。第1スプロケット27aおよび第2スプロケット27bは、テープ3の搬送路の下方に設けられている。第3スプロケット27cは、部品供給装置2のテープ3の入口側に設けられている。第3スプロケット27cは、テープ3の搬送路の上方に設けられている。
【0045】
また、モータ28は、第1モータ28aと、第2モータ28bとを有している。第1モータ28aおよび第2モータ28bは、制御部21により駆動が制御されて、駆動されるように構成されている。
【0046】
第1モータ28aは、第1スプロケット27aおよび第2スプロケット27bを連動して駆動させる。すなわち、第1スプロケット27aおよび第2スプロケット27bは、ベルトにより接続されており、同期して回転されている。第2モータ28bは、第3スプロケット27cを駆動させる。これにより、第1〜第3スプロケット27a、27b、27cは、テープ3の係合孔31b(
図3参照)に係合して、テープ3をテープ送り方向FRに沿って送るように構成されている。
【0047】
〈第1取付部〉
図4に示すように、第1取付部24は、テープガイド部23のテープ送り方向FRとは逆方向(以下、後退方向BK)側の端部をZ2方向(下方向)に押圧するように構成されている。具体的には、第1取付部24は、カバー部51と、カバー部51の後退方向BK側の端部の裏面に設けられた付勢部52と、カバー部51のテープ送り方向FR側の端部に設けられた軸部53とを有している。なお、軸部53は、特許請求の範囲の「第1係合部」および「第1上流側係合部」の一例である。また、後退方向BKは、特許請求の範囲の「第2方向」の一例である。
【0048】
カバー部51は、
図5に示すように、上面部51aと、一対の側面部51b、51cとにより設けられている。付勢部52は、Z1側(上側)の端部がカバー部51の上面部51aの裏面に取り付けられ、Z2側(下側)の端部が供給装置本体26に当接するように設けられている。軸部53は、一対の側面部51b、51cのそれぞれに設けられている。軸部53は、一対の側面部51b、51cのそれぞれにおける対向する側面部に向かう方向とは逆方向に突出している。また、軸部53は、円柱形状に形成されている。
【0049】
また、第1取付部24は、X方向に沿う方向の回動軸54線の回りにカバー部51を回動させるための回動軸54を有している。回動軸54は、カバー部51におけるテープ送り方向FRの中央部分に配置され、一対の側面部51b、51cを貫通している。
【0050】
第1取付部24では、
図4に示すように、カバー部51の後退方向BK側の端部が付勢部52によりZ1方向(上方向)に付勢されるので、回動軸54を中心として、カバー部51のテープ送り方向FR側の端部はZ2方向(下方向)に回動される。これにより、テープガイド部23のテープガイド部23の後退方向BK側の端部がZ2方向に押圧されることになるので、テープガイド部23がテープ3にZ2方向(下方向)に付勢される。
【0051】
〈第2取付部〉
第2取付部25は、テープガイド部23のテープ送り方向FR側の端部を押圧するように構成されている。具体的には、第2取付部25は、後退方向BK側に凹部を有する回動体61と、凹部に配置された付勢部63と、回動体61の後退方向BK側の上端部に設けられた軸部64とを有している。回動体61のテープ送り方向FR側には、Z方向(上下方向)に長い長孔61aが形成されている。ここで、長孔61aには、供給装置本体26に固定されたピン26aがZ方向(上下方向)に移動可能に挿入されている。付勢部63は、Z1側(上側)の端部が供給装置本体26に取り付けられ、Z2側(下側)の端部が回動体61に取り付けられている。軸部64は、X方向に沿う方向に長い円柱形状(
図5参照)に形成されている。なお、第2取付部25の軸部64は、特許請求の範囲の「第1係合部」および「第1下流側係合部」の一例である。
【0052】
また、第2取付部25は、ピン26aおよび長孔61aにより、X方向に沿う方向の軸線回りに回動体61を回動させるように構成されている。具体的には、回動体61は、長孔61aにピン26aが係合した状態で、ピン26aが長孔61a内をZ方向(上下方向)に移動することにより、回動することが可能である。
【0053】
第2取付部25では、回動体61の後退方向BK側の下端部が付勢部63によりZ2方向(下方向)に付勢されていることにより、ピン26aが長孔61aに沿って相対的に下方向に移動するので、回動体61はC方向に回動される。これにより、回動体61の上端部の軸部64がC方向の回転によりZ2側(下側)に移動する力が生じるので、テープガイド部23のテープ送り方向FR側の端部がZ2方向に押圧されることになる。
【0054】
〈テープガイド部〉
テープガイド部23は、
図4に示すように、テープ3をZ1方向(上方向)から押さえるとともに、テープ送り方向FRに沿ってガイドするように構成されている。具体的には、テープガイド部23は、カバー部71と、カバー部71に取り付けられる開放部29とを有している。
【0055】
カバー部71には、第1取付部24の軸部53が挿入されることにより、第1取付部24とテープガイド部23とが係合される第1係合溝72が形成されている。第1係合溝72は、第1取付部24の軸部53に対応する位置に配置されている。第1係合溝72は、カバー部71の後退方向BK側の端部近傍に形成され、Z2方向(下方向)に窪んでいる。また、第1係合溝72は、互いに対向する後退方向BK側の内側面72a、および、テープ送り方向FR側の内側面72bと、底面72cとを有している。なお、内側面72aおよび内側面72bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第2規制部」および「第1規制部」の一例である。また、第1係合溝72は、特許請求の範囲の「第2係合部」および「第2上流側係合部」の一例である。
【0056】
テープガイド部23は、第1係合溝72に第1取付部24の軸部53が係合されることにより、Z1方向(上方向)への移動、テープ送り方向FRへの移動および後退方向BKへの移動が規制されるように構成されている。そして、テープガイド部23では、第1係合溝72に第1取付部24の軸部53が係合されることにより、軸部53がテープガイド部23の後退方向BK側の端部をZ2方向(下方向)に押圧することになる。
【0057】
また、カバー部71には、第2取付部25の軸部64が挿入されることにより、第2取付部25とテープガイド部23とが係合される第2係合溝73が形成されている。第2係合溝73は、第2取付部25の軸部64に対応した位置に配置されている。第2係合溝73は、カバー部71のテープ送り方向FR側の端部に形成され、Z2方向に窪んでいる。また、第2係合溝73は、テープ送り方向FR側に形成された第1傾斜面73aと、後退方向BK側に形成された第2傾斜面73bとを有している。第1傾斜面73aは、後退方向BKに行くにしたがい下方に傾斜している。第2傾斜面73bはテープ送り方向FRに行くにしたがい下方に傾斜している。なお、第2係合溝73は、特許請求の範囲の「第2係合溝」および「第2下流側係合部」の一例である。
【0058】
テープガイド部23では、第2係合溝73に第2取付部25の軸部64が係合されることにより、Z1方向(上方向)への移動、テープ送り方向FRへの移動および後退方向BKへの移動が規制される。そして、テープガイド部23では、第2係合溝73に第2取付部25の軸部64が係合されることにより、軸部64がテープガイド部23のテープ送り方向FR側の端部をZ2方向に押圧することになる。
【0059】
これらの第1取付部24の軸部53および第2取付部25の軸部64により、テープガイド部23において、カバー部71がテープ3をZ1方向(上方向)から押さえるので、テープ送り方向FRに沿ってテープ3をガイドすることが可能となる。また、テープ3の搬送路のZ方向(上下方向)の大きさを必要最小限にして、テープ3の浮き上がりを抑制することが可能となる。
【0060】
また、
図4に示すように、カバーテープ32は、第1係合溝72にかかる第1取付部24の軸部53からの力F1のモーメント(以下、第1モーメント)と、第2係合溝73にかかる第2取付部25の軸部64からの力F2のモーメント(以下、第2モーメント)が取出孔29aを中心として釣り合うように構成されている。
【0061】
具体的には、カバーテープ32において、第1係合溝72は取出孔29aよりもテープ送り方向FRにおける上流側に配置され、第2係合溝73は取出孔29aよりもテープ送り方向FRにおける下流側に配置されている。そして、第1係合溝72は、取出孔29aから第1係合溝72までの距離D1が取出孔29aから第2係合溝73までの距離D2よりも大きくなるように配置されている。また、第1係合溝72にかかる第1取付部24の軸部53からの力F1は、第2係合溝73にかかる第2取付部25の軸部64からの力F2よりも小さくなるように構成されている。そして、第1モーメント(D1×F1)と第2モーメント(D2×F2)とが、取出孔29aを中心として釣り合っている。
【0062】
〈開放部〉
開放部29は、カバーテープ32により覆われた収納部31aの上方の開口を開放し、電子部品Eを露出させるように構成されている。開放部29は、
図6に示すように、カッター81と、カバーテープガイド82と、取付部83とを含んでいる。カッター81は、刃先をキャリアテープ31とカバーテープ32との間に挿入させてカバーテープ32を切断するように構成されている。
【0063】
つまり、
図4に示すように、カッター81は、テープ3のテープ送り方向FRの移動に伴って、カバーテープ32を順次切り開くように構成されている。カバーテープガイド82は、切り開かれたカバーテープ32をX方向の両側に押し広げるように構成されている。つまり、カバーテープガイド82は、テープ3の移動に伴って、カバーテープ32を順次幅方向(X方向)に開け広げるように構成されている。
【0064】
開放部29は、テープガイド部23のカバー部71に取付部83により取り付けられている。すなわち、部品供給装置2では、カッター81がカバーテープガイド82に固定され、カバーテープガイド82が取付部83に固定された開放部29が、テープガイド部23に取り付けられている。
【0065】
さらに、取付部83には、カッター81によりカバーテープ32が切断されたことによって露出した電子部品Eを実装ヘッド14aが取出すための取出孔29aが形成されている。取出孔29aは、テープ送り方向FRにおいて、カッター81よりも下流側に設けられている。取出孔29aは、上下方向(Z方向)に貫通する矩形形状の孔(
図6参照)である。これにより、収納部31aに収納された電子部品Eの上方が開放された後、実装ヘッド14aにより部品を取り出すことが可能となる。
【0066】
〈所定長さの隙間〉
部品供給装置2では、
図2に示すように、テープ3の係合孔31bに第2スプロケット27bおよび第2スプロケット27bを係合させた後、第2スプロケット27bの回転により第1スプロケット27aまでテープ3を送っている。その後、第1スプロケット27aにテープ3の係合孔31bを係合させる乗継ぎが行なわれる。ここで、乗継ぎでは、第1スプロケット27aに対して係合孔31bを少し滑らせた後に、第2スプロケット27bを逆回転させテープ3を後退させることにより、第1スプロケット27aにテープ3の係合孔31bを係合させる。
【0067】
しかし、
図7(A)に示すように、部品供給装置2では、第2スプロケット27bから第1スプロケット27aにテープ3を送る際に、カッター81にカバーテープ32を載せてカバーテープ32にかかる張力を大きくすることによりカバーテープ32を切断している。このため、
図7(B)に示すように、第1スプロケット27aへの乗継ぎの際にテープ3を後退させてしまうと、カバーテープ32がカッター81から抜けてしまうので、再度テープ3をテープ送り方向FRに送った際にテープ3から電子部品Eを継続して露出させることができない。
【0068】
そこで、第1実施形態の部品供給装置2において、開放部29は、所定長さの隙間を設けることにより、テープ送り方向FRから後退方向BKにテープ3が送られた際に、後退方向BKへのテープ3の移動とともに後退方向BKに移動するように構成されている。以下、
図8〜
図13を参照して、所定長さの隙間について説明する。
【0069】
図8(A)に示すように、テープガイド部23の第1係合溝72は、挿入された第1取付部24の軸部53との間に第1所定長さM1の隙間が形成されるように構成されている。具体的には、第1係合溝72のテープ送り方向FRの長さと、第1取付部24の軸部53のテープ送り方向FRの長さとの差が、第1所定長さM1の隙間になるように、第1係合溝72が形成されている。
【0070】
図8(B)に示すように、第2取付部25の回動体61の長孔61aは、挿入されたピン26aとの間に第2所定長さM2の隙間が形成されるように構成されている。具体的には、Z方向(上下方向)において、第2取付部25の回動体61の長孔61aの上端部と挿入されたピン26aの上端部との差が、第2所定長さM2の隙間になるように、長孔61aが形成されている。
【0071】
ここで、第1所定長さM1の隙間は、第2所定長さM2の隙間よりも小さい。すなわち、開放部29の後退方向BKへの移動は、第1所定長さM1の隙間の分だけ行なわれる。また、テープガイド部23が後退方向BKおよびテープ送り方向FRの各々に移動する移動量は、開放部29とテープガイド部23との取付公差よりも大きくテープ送り装置22の送りピッチPT(
図3参照)よりも小さい。すなわち、第1所定長さM1の隙間は、開放部29とテープガイド部23との取付公差よりも大きくテープ送り装置22の送りピッチPT(
図3参照)よりも小さい。これにより、テープ3の後退方向BKの移動量を過剰に大きくすることを抑制することが可能なので、テープ3の後退方向BKの移動量の無駄を小さくすることが可能となる。
【0072】
〈開放部の移動〉
開放部29は、テープガイド部23とテープ3との間(FC部分)の摩擦力(
図11参照)により、テープ3の後退方向BKへの移動とともに、テープガイド部23と一体的に後退方向BKにスライド移動するように構成されている。
【0073】
具体的には、
図9および
図10に示すように、第1取付部24の付勢部52の付勢力および第2取付部25の付勢部63の付勢力により、テープ3が後退方向BKに移動するとともにテープガイド部23が後退方向BKに移動することが可能な摩擦力を発生させる押圧力を生じさせている。これにより、付勢力(押圧力)によって働く摩擦力によって、テープ3の後退方向BKの移動に伴って開放部29を含むテープガイド部23を後退方向BKに移動することが可能となる。
【0074】
第1係合溝72は、テープ3の後退方向BKへの移動とともにテープガイド部23が後退方向BKに移動する移動量に対応する第1取付部24の軸部53に対する第1係合溝72の移動量を規制するように構成されている。すなわち、第1係合溝72では、テープ3の後退方向BKへの移動に伴うテープガイド部23の後退方向BKへの移動は、一対の内側面72a、72bのテープ送り方向FR側の内側面72bにより規制される。
【0075】
具体的には、テープガイド部23がテープ3の後退方向BKの移動とともに後退方向BKに移動すると、第1取付部24の軸部53が第1係合溝72のテープ送り方向FR側の内側面72bに当接するので、テープガイド部23の後退方向BKの移動量が第1所定長さM1に規制される。
【0076】
この結果、テープガイド部23が後退方向BKに移動する移動量(=M1)は、開放部29とテープガイド部23との取付公差よりも大きくテープ送り装置22の送りピッチPT(
図3参照)よりも小さい範囲に制限される。
【0077】
開放部29は、テープガイド部23とテープ3との間(FC部)の摩擦力により、テープガイド部23がテープ3とともに後退方向BKへ移動した後、テープ3がテープ送り方向FRにスライド移動されると、テープ3のテープ送り方向FRへの移動とともにテープガイド部23と一体的にテープ送り方向FRにスライド移動するように構成されている。
【0078】
具体的には、第1取付部24の付勢部52の付勢力および第2取付部25の付勢部63の付勢力により、テープ3がテープ送り方向FRに移動するとともにテープガイド部23がテープ送り方向FRに移動することが可能な摩擦力を発生させて押圧力を生じさせている。これにより、付勢力(押圧力)によって働く摩擦力によって、テープ3の後退方向BKの移動に伴って開放部29を含むテープガイド部23を後退方向BKに移動することが可能となる。
【0079】
第1係合溝72は、テープ3のテープ送り方向FRへの移動とともにテープガイド部23がテープ送り方向FRに移動する移動量に対応する第1取付部24の軸部53に対する第1係合溝72の移動量を規制するように構成されている。すなわち、第1係合溝72では、テープ3のテープ送り方向FRへの移動に伴うテープガイド部23のテープ送り方向FRへの移動は、一対の内側面72a、72bの後退方向BK側の内側面72aにより規制される。なお、内側面72aは、特許請求の範囲の「第2規制部」の一例である。
【0080】
具体的には、テープガイド部23がテープ3のテープ送り方向FRの移動とともにテープ送り方向FRに移動すると、第1取付部24の軸部53が第1係合溝72の後退方向BK側の内側面72aに当接するので、テープガイド部23のテープ送り方向FRの移動量が第1所定長さM1に規制される。
【0081】
この結果、テープガイド部23がテープ送り方向FRに移動する移動量は、開放部29とテープガイド部23との取付公差よりも大きくテープ送り装置22の送りピッチPT(
図3参照)よりも小さい。
【0082】
〈テープ送り方向へのテープの送り〉
次に、テープ3がテープ送り方向FRへ送られているときのテープガイド部23の移動について説明する。
【0083】
図9に示すように、テープ3がテープ送り方向FRに送られている場合において、テープガイド部23は、第1取付部24の軸部53はテープガイド部23の第1係合溝72の後退方向BK側の内側面72aに当接する。これにより、テープガイド部23のテープ送り方向FRの移動が規制され、テープ3のみがテープ送り方向FRに送られる。
【0084】
また、第1取付部24の軸部53は、付勢部52によりテープガイド部23の第1係合溝72をZ2方向(下方向)に押圧している。さらに第2取付部25の軸部64は、付勢部63によりテープガイド部23の第2係合溝73をZ2方向(下方向)に押圧している。
【0085】
これらによって、テープガイド部23のZ1方向(上方向)への移動が規制される。このとき、
図11に示すように、テープ3がテープ送り方向FRに送られている場合において、部品供給装置2では、カッター81にカバーテープ32を載せることにより、カバーテープ32を切断している。
【0086】
また、
図9に示すように、第1取付部24の軸部53によりテープ送り方向FRへの移動が規制された状態で、取出孔29aは、キャリアテープ31の収納部31aの上方の開口と連通する位置に配置されている。そして、ヘッドユニット14の実装ヘッド14aのノズルが取出孔29aを介して電子部品Eを吸着することが可能となる。
【0087】
〈テープ送り方向から後退方向へのテープの送り〉
次に、テープ3がテープ送り方向FRから後退方向BKへ送られたときのテープガイド部23の移動について説明する。
【0088】
図10に示すように、テープ3がテープ送り方向FRから後退方向BKに送られた場合において、第1取付部24の軸部53は、テープガイド部23の第1係合溝72のテープ送り方向FR側の内側面72bに当接する。これにより、テープガイド部23の後退方向BKの移動が規制される。すなわち、テープガイド部23は、第1所定長さM1の隙間の分だけ後退方向BKに移動し、その移動した位置を維持している。このとき、テープ3の後退方向BKへの送りは停止している。
【0089】
また、テープ3がテープ送り方向FRから後退方向BKに送られた場合において、第2取付部25では、テープ3の後退方向BKの移動により回動体61の上端部の軸部64がZ1側(上側)に移動する力が生じる。これにより、ピン26aが長孔61aに沿って上方向に相対的に移動するので、回動体61はD方向に回動される。このとき、付勢部63がZ1方向(上方向)に付勢される。
【0090】
また、第1取付部24の軸部53によりテープガイド部23の後退方向BK側の端部がZ2方向(下方向)に押圧され、第2取付部25の軸部64によりテープガイド部23のテープ送り方向FR側の端部がZ2方向(下方向)に押圧されるので、テープガイド部23のZ1方向(上方向)への移動が規制される。
【0091】
このとき、
図12に示すように、テープ3がテープ送り方向FRから後退方向BKに送られた場合において、部品供給装置2では、カッター81にカバーテープ32を載せた状態が維持されている。ここで、取出孔29aは、キャリアテープ31の収納部31aの上方の開口に対して後退方向BKにずれた位置に配置されている。
【0092】
〈後退方向からテープ送り方向へのテープの送り〉
次に、テープ3が後退方向BKからテープ送り方向FRへ送られたときのテープガイド部23の移動について説明する。
【0093】
図13に示すように、テープ3が後退方向BKからテープ送り方向FRに送られた場合において、第1取付部24の軸部53は、テープガイド部23の第1係合溝72の後退方向BK側の内側面72aに当接する。これにより、テープガイド部23のテープ送り方向FRの移動が規制される。すなわち、テープガイド部23は、第1所定長さM1の隙間の分だけテープ送り方向FRに移動し、その移動した位置を維持している。これにより、テープガイド部23のテープ送り方向FRの移動が規制され、テープ3のみがテープ送り方向FRに送られる。
【0094】
また、テープ3が後退方向BKからテープ送り方向FRに送られた場合において、第2取付部25では、テープ3のテープ送り方向FRの移動により回動体61の上端部の軸部64がZ2側(下側)に移動する力が生じる。これにより、ピン26aが長孔61aに沿って下方向に相対的に移動するので、回動体61はC方向に回動される。このとき、付勢部63がZ2方向(下方向)に伸びる。
【0095】
また、第1取付部24の軸部53によりテープガイド部23の後退方向BK側の端部がZ2方向(下方向)に押圧され、第2取付部25の軸部64によりテープガイド部23のテープ送り方向FR側の端部がZ2方向(下方向)に押圧されるので、テープガイド部23のZ1方向(上方向)への移動が規制される。
【0096】
このとき、
図11に示すように、テープ3が後退方向BKからテープ送り方向FRに送られた場合において、部品供給装置2では、カッター81にカバーテープ32を載せた状態が維持されている。ここで、取出孔29aは、キャリアテープ31の収納部31aの上方の開口と連通する位置に配置される。すなわち、テープガイド部23のテープ送り方向FRへの移動は、取出孔29aと収納部31aの上方の開口とが連通する位置で規制される。
【0097】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0098】
本実施形態では、上記のように、開放部29は、テープ送り方向FRとは逆の後退方向BKにテープ3が送られた際に、後退方向BKへのテープ3の移動とともに後退方向BKに移動するように構成されている。これにより、テープ3と開放部29との位置関係が保持されたままテープ3と開放部29が後退方向BKに移動することにより、カバーテープ32を開放部29に載せた状態を維持することができるので、開放部29によりキャリアテープ31の収納部31aの上方の開口を開放可能な状態を維持することができる。この結果、テープ3を再度送った際、開放部29がキャリアテープ31の収納部31aの上方の開口を開放可能な状態を維持しているので、テープ3を後退方向BKに移動させた後、再度テープ3を送った際にテープ3から電子部品Eを継続して露出させることができる。また、これにより、ヘッドユニット14の実装ヘッド14aに確実に部品を供給することができる。
【0099】
また、第1実施形態では、上記のように、開放部29は、開放部29およびテープガイド部23の少なくとも一方とテープ3との間(FC部)の摩擦力により、テープ3の後退方向BKへの移動とともに後退方向BKにスライド移動するように構成されている。これにより、摩擦力により開放部29が後退方向BKに移動するようにすることができるので、開放部29を後退方向BKにスライド移動させるための駆動源を別途設ける必要がないので、部品供給装置2の構成を簡略にすることができる。
【0100】
また、第1実施形態では、上記のように、部品供給装置2は、第1取付部24の軸部53および第2取付部25の軸部64と、テープガイド部23の第1係合溝72と第2係合溝73とを備えている。第1取付部24の軸部53は、摩擦力によって、テープ3の後退方向BKへの移動とともに開放部29を含むテープガイド部23が後退方向BKに移動可能なように、第1係合溝72に対して係合している。また、第2取付部25の軸部64は、摩擦力によって、テープ3の後退方向BKへの移動とともに開放部29を含むテープガイド部23が後退方向BKに移動可能なように、第2係合溝73に対して係合している。これにより、第1取付部24の軸部53と第1係合溝72との係合関係および第2取付部25の軸部64と第2係合溝73との係合関係を利用して、テープ3の後退方向BKへの移動とともに開放部29を含むテープガイド部23が後退方向BKに移動可能な摩擦力を、テープガイド部23とテープ3との間に発生させることができる。この結果、摩擦力を発生させる構成を別途設ける必要がないので、部品供給装置2の構成を簡略化することができる。
【0101】
また、第1実施形態では、上記のように、第1係合溝72は、テープ3の後退方向BKへの移動とともに開放部29を含むテープガイド部23が後退方向BKに移動する移動量に対応する第1取付部24の軸部53に対する第1係合溝72の移動量を規制する一対の内側面72a、72bのうちの後退方向BK側の内側面72aを含む。これにより、第1係合溝72の後退方向BK側の内側面72aにより、開放部29を含むテープガイド部23の後退方向BKへの移動量を規制することができるので、移動量を規制する部材を別途設ける必要がなく、その分、構成を簡略化することができる。
【0102】
また、第1実施形態では、上記のように、部品供給装置2は、取出孔29aよりもテープ送り方向FRの下流側に配置される第2取付部25の軸部64と、取出孔29aよりもテープ送り方向FRの上流側に配置される第1取付部24の軸部53とを有している。また、部品供給装置2は、第1取付部24の軸部53に対応する第1係合溝72と、第2取付部25の軸部64に対応する第2係合溝73とを有している。これにより、第1取付部24の軸部53および第2取付部25の軸部64のそれぞれが、第1係合溝72および第2係合溝73を押圧することにより、取出孔29aの上流側および下流側でテープガイド部23が押圧されるので、軸部が1つの場合よりもテープガイド部23の全体に押圧力を付与することができる。
【0103】
また、第1実施形態では、上記のように、テープ3が後退方向BKに移動するとともにテープガイド部23が後退方向BKに移動した後、テープ3がテープ送り方向FRに移動されると、テープ3のテープ送り方向FRへの移動とともにテープガイド部23のテープ送り方向FRへの移動が行われるように構成されている。これにより、テープ3の後退方向BKの移動に合わせてテープガイド部23を後退方向BKに移動させるだけでなく、テープ3のテープ送り方向FRの移動に伴って、テープガイド部23の位置を元の位置に戻すようにすることができる。この結果、一定のスペース(移動範囲)内において、テープガイド部23がテープ3の後退方向BKの移動に合わせて移動した後テープ送り方向FRに戻ることを繰り返すことができるので、部品供給装置2内のスペースを有効に活用することができる。
【0104】
また、第1実施形態では、上記のように、第1係合溝72は、テープ3のテープ送り方向FRへの移動とともに開放部29を含むテープガイド部23がテープ送り方向FRに移動する移動量に対応する第1取付部24の軸部53に対する第1係合溝72の移動量を規制する後退方向BK側の内側面72aを含んでいる。テープガイド部23のテープ送り方向FRへの移動は、第1係合溝72の後退方向BK側の内側面72aにより、取出孔29aと収納部31aの上方の開口とが連通する位置で停止するように規制されている。これにより、テープガイド部23の位置を取出孔29aと収納部31aの上方の開口とが合う位置に戻すことができるので、再度テープ3を送った際に収納部31aから電子部品Eを取り出しやすくすることができる。
【0105】
また、第1実施形態では、上記のように、テープガイド部23を供給装置本体26に取り付けるための第1取付部24を備えている。これにより、テープガイド部23を供給装置本体26に取り付けていた既存の構成を利用しているので、部品供給装置2の構成をより簡略化することができる。
【0106】
[第2実施形態]
次に、
図14〜
図17を参照して、本発明の第2実施形態による部品供給装置202の構成について説明する。第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、テープガイド部223が固定的に供給装置本体26に設置され、開放部229がテープガイド部223に対して相対的に移動可能に取り付けられた例について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0107】
図14に示すように、供給装置本体26に固定的に設置されるテープガイド部223は、カバー部271と、カバー部271に取り付けられる開放部229とを有している。ここで、開放部229は、後退方向BK側の端部に第1取付具210と、テープ送り方向FR側の端部に第2取付具211とを有している。また、
図15(A)に示すように、テープガイド部223は、第1取付具210が挿通する第1取付長孔223aと、第2取付具211が挿通する第2取付長孔223bとを有している。第1取付長孔223aは、テープ送り方向FRに長く形成されている。第2取付長孔223bは、テープ送り方向FRに長く形成されている。
【0108】
テープガイド部223の第1取付長孔223aは、挿入された第1取付具210との間に第1所定長さM1の隙間が形成されるように構成されている。具体的には、第1取付長孔223aの後退方向BK側の端部と、第1取付具210の後退方向BK側の端部との差が、第1所定長さM1の隙間になるように、第1取付長孔223aが形成されている。
【0109】
また、テープガイド部223の第2取付長孔223bは、挿入された第2取付具211との間に第2所定長さM2の隙間が形成されるように構成されている。具体的には、第2取付長孔223bの後退方向BK側の端部と、第2取付具211の後退方向BK側の端部との差が、第2所定長さM2の隙間になるように、第2取付長孔223bが形成されている。
【0110】
ここで、第1所定長さM1の隙間は、第2所定長さM2の隙間よりも小さい。すなわち、開放部229の後退方向BKへの移動は、第1所定長さM1の隙間の分だけ行なわれる。
【0111】
このように、開放部229は、第1取付具210を第1取付長孔223aに挿通して取り付け、第2取付具211を第2取付長孔223bに挿通して取り付けることにより、テープガイド部223にテープ送り方向FRおよび後退方向BKに移動可能に取り付けられることになる。すなわち、
図16および
図17に示すように、後退方向BKへテープ3が移動される際に、テープガイド部223の位置が保持された状態で、開放部229とキャリアテープ31との摩擦力により、後退方向BKへのテープ3の移動とともに開放部229の後退方向BKへの移動が行なわれる。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0112】
〈テープ送り方向へのテープの送り〉
次に、テープ3がテープ送り方向FRへ送られているときのテープガイド部223の移動について説明する。
【0113】
図15(A)に示すように、テープ3がテープ送り方向FRに送られている場合において、第1取付具210は、テープガイド部223の第1取付長孔223aのテープ送り方向FR側の内側面に当接している。これにより、開放部229のテープ送り方向FRの移動が規制されている。また、
図16に示すように、テープ3がテープ送り方向FRに送られている場合において、部品供給装置202では、カッター81にカバーテープ32を載せることにより、カバーテープ32を切断している。
【0114】
〈テープ送り方向から後退方向へのテープの送り〉
次に、テープ3が後退方向BKからテープ送り方向FRへ送られたときのテープガイド部223の移動について説明する。
【0115】
図15(B)に示すように、テープ3がテープ送り方向FRから後退方向BKに送られた場合において、第1取付具210は、テープガイド部223の第1取付長孔223aの後退方向BK側の内側面に当接している。これにより、開放部229の後退方向BKの移動が規制されている。このとき、開放部229は、後退方向BKに第1所定長さM1の分だけ移動している。また、
図17に示すように、テープ3がテープ送り方向FRから後退方向BKに送られた場合において、部品供給装置202では、カッター81にカバーテープ32を載せた状態が維持されている。また、テープ3の後退方向BKへの送りは停止している。
【0116】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0117】
第2実施形態では、上記のように、テープガイド部223は、固定的に設置されている。そして、開放部229は、テープガイド部223に対して相対移動可能なようにテープガイド部223に取り付けられ、後退方向BKへテープ3が移動される際に、テープガイド部223の位置が保持された状態で、開放部229とテープ3との間(FC部)の摩擦力により、後退方向BKへのテープ3の移動とともに開放部229の後退方向BKへの移動が行われるように構成されている。これにより、後退方向BKへ移動させる構成を開放部229のみにすることによって、開放部229およびテープガイド部223の両方を後退方向に移動する場合と比べて、開放部229を後退方向BKへ移動させるために必要な摩擦力を小さくすることができる。これにより、テープ送り装置22の駆動負荷を低減させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0118】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0119】
たとえば、上記第1および第2実施形態の開放部29(229)では、カッター81によりカバーテープ32を切断し、キャリアテープ31の収納部31a内の電子部品Eを露出させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、開放部では、カバーテープとキャリアテープとの接着剤による接合部分を剥離させることによりキャリアテープの収納部内の電子部品を露出させる態様であっても良い。
【0120】
また、上記第1および第2実施形態では、テープガイド部23(223)は、後退方向BKへの移動が規制されるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、テープガイド部は、後退方向への移動が規制されておらず、テープ送り装置の送り量で後退方向への移動量を調節してもよい。
【0121】
また、上記第1実施形態では、第1取付部24の軸部53がテープガイド部23の第1係合溝72の一対の内側面72a、72bに当接することにより、開放部29のテープ送り方向FRまたは後退方向BKの移動が規制される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ピンが第2取付部の長孔の内側面に当接することにより、開放部のテープ送り方向または後退方向の移動が規制されてもよい。
【0122】
また、上記第2実施形態では、第1取付具210が、テープガイド部223の第1取付長孔223aの内側面に当接することにより、開放部229のテープ送り方向FRまたは後退方向BKの移動が規制されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2取付具が、テープガイド部の第2取付長孔の内側面に当接することにより、開放部のテープ送り方向または後退方向の移動が規制されてもよい。
【0123】
上記第1および第2実施形態では、第1所定長さM1は、第2所定長さM2よりも大きく設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1所定長さよりも第2所定長さを大きく設けてもよい。
【0124】
また、上記第1および第2実施形態では、第1スプロケット27aおよび第2スプロケット27bが連動して駆動する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1スプロケットおよび第2スプロケットの各々は独立して駆動されてもよい。
【0125】
また、上記第1および第2実施形態では、取出孔29aは、開放部29(229)の取付部83に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、取出孔は、テープガイド部のカバー部に形成されていてもよい。
【0126】
また、上記第1実施形態では、第1モーメントM1と、第2モーメントM2とが取出孔29aを中心として釣り合うように構成されているが、本発明はこれに限られない。本発明では、取出孔以外の位置を中心として、第1モーメントと、第2モーメントとが釣り合ってもよい。