(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
本発明の実施形態に係るゲームシステムXについて、図面を参照して説明する。
図1(a)によると、本実施形態のゲームシステムXは、サーバ装置1及び複数のゲーム装置2にて構成される。
ゲームシステムXでは、例えば、自動運転等が可能な自動車(車両)、スマートフォン、ゲーム専用機、VR(Virtual Reality)ゴーグル型装置、カーナビゲーション装置等のゲーム装置2にインストールされるアプリケーションソフトウェア(Application Software、ネイティブ(Native)アプリ、以下、単に「アプリ」という。)を実行することで、PC(Personal Computer)サーバ等のサーバ装置1との間で通信を行い、ユーザにゲームを実行(プレイ)させるゲームシステムXを実現する。
サーバ装置1と各ゲーム装置2との間は、携帯電話網、インターネット(登録商標)等のWAN(Wide Area Network)、又は、Wifi(登録商標)や無線LAN等のLAN(Local Area Network)等のIPネットワーク等のネットワーク3で接続されている。ネットワーク3は、携帯電話網の場合には、4G(4th Generation)や5G(5th Generation)等の規格の低レイテンシーで高速な通信ネットワークであってもよい。
【0011】
本実施形態で説明されるゲームの概要について説明する。このゲームにおいては、車両等による移動中に、例えば、ランドマークとなる地点付近で敵のオブジェクト(モンスター)が出現するようなイベントが発生する。この際に、プレイヤのオブジェクト(プレイヤ)とモンスターとが、現実空間に対応した仮想空間上で戦闘する。さらに、走行ルート313(
図3)中で、イベントにおける進行状況を示すデータであるフラグ(Flag)を取得し、ゲームの進行を進める。そして、目的地付近で、最終的なモンスター(ボスキャラ)との戦いに勝利等し、条件を満たした場合に終了となる。終了時には、映像や音声によるエンディングの演出があり、アイテムやコイン(ゲーム内通貨)等のオブジェクト等を取得することができる。つまり、本実施形態のゲームは、位置情報314(
図3)を利用したRPG(Role Playing Game)等のゲームである。
この上で、本実施形態のゲームでは、ゲームの終了予定位置312にてゲームが終了するようにゲームの進行を調整し、渋滞等するとゲームのエンディングに到達するのが遅くなる。これにより、目的地到着すると、ゲームを終了することになるため、気持ちよくゲームを終えることができる。
【0012】
<ハードウェア構成について>
本実施形態のゲームシステムXのハードウェア構成について説明する。
ここでは、サーバ装置1のハードウェア構成、及び、このサーバ装置1とインターネット回線等のネットワーク3を介して互いに通信接続される複数のゲーム装置2のハードウェア構成について説明する。
【0013】
・サーバ装置1のハードウェア構成
サーバ装置1は、制御部10、記憶部11、及び接続部12を備える。
記憶部11及び接続部12は、それぞれ、専用のバス及びインターフェイス等を介して、サーバ装置1の制御部10に接続される。
【0014】
制御部10は、サーバ装置1の動作を制御する。
【0015】
記憶部11は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)で構成される。
【0016】
接続部12は、サーバ装置1と各ゲーム装置2との間で、各種プロトコルによりデータを送受信するために、インターネット等のネットワーク3に接続される。
【0017】
・ゲーム装置2のハードウェア構成
本実施形態では、ゲーム装置2が自動運転可能な車両で、乗車したユーザが目的地までプレイ可能な内蔵のゲーム機器である際の一例について記載する。
【0018】
ゲーム装置2には、操作部25、表示部26、及び音声入出力部27が備えられている。
このゲーム装置2は、ゲームプログラム210(
図2)及び各種データに基づいてゲームを進行させる。
ゲーム装置2は、他のゲーム装置2及びサーバ装置1との間で、ネットワーク3又は近距離無線通信等を介して、互いにデータ通信をすることが可能である。
【0019】
ゲーム装置2は、制御部20、記憶部21、接続部22、画像処理部23、音声処理部24、操作部25、加速度センサ部28、位置取得部29、及び撮像部30を備える。
記憶部21、接続部22、画像処理部23、音声処理部24、操作部25、加速度センサ部28、位置取得部29、及び撮像部30は、専用のバス及びインターフェイス等を介して、制御部20に接続される。
【0020】
制御部20は、ゲーム装置2の動作を制御する。
【0021】
記憶部21は、主にHDD、RAM、及びROMで構成される。
【0022】
接続部22は、ネットワーク3に接続され、サーバ装置1と各ゲーム装置2との間で、又はゲーム装置2同士で、データを各種プロトコルで送受信する。
【0023】
画像処理部23は、制御部20の指示に従って、仮想空間及び各オブジェクト等を含む二次元又は三次元のゲーム画像を、例えば、フレーム単位で描画(レンダリング)する。画像処理部23にて描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として、表示部26に表示される。なお、本実施形態のゲーム画像は、任意の解像度、色数、色深度、明度幅、視差数で表現され、任意のフォーマットの単数枚又は複数枚の静止画像、動画像、その他の画像、映像データ等を含む。さらに、ゲーム画像は、例えば、計算機ホログラム像の干渉像のデータ、視聴覚障害者用の痛覚刺激、舌刺激用データ等も含まれていてもよい。
【0024】
音声処理部24は、制御部20の指示に対応して、音声データを再生及び合成し、D/A(Digital to Analog)変換してゲーム音声として出力する。この際、ゲーム音声は、音声処理部24に接続された音声入出力部27のスピーカやイヤホン出力端子等から音声出力される。さらに、音声処理部24は、音声入出力部27のマイクロフォンから入力した音声信号をA/D(Analog to Digital)変換して、入力することも可能である。
【0025】
操作部25は、タッチパネル及び各種センサにより、操作入力に関するデータを送受信することが可能である。ユーザは、操作部25により、ゲーム装置2へ操作指示を行う。
【0026】
表示部26は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の平面ティスプレイ、プロジェクタ等である。
本実施形態において、表示部26は、フロントガラス、リアガラス、サイドガラス及び天井ガラスの少なくとも一面又は任意の面の組み合わせに表示されるシースルー型のディスプレイである例について説明する。このシースルー型のディスプレイでは、画像が表示される箇所が半透明又は不透明に描画され、それ以外の箇所は、外光を所定の透過率で透過させる。このため、実際の風景と、ゲーム画像とが重なって表示され、臨場感を高めることができる。本実施形態においては、このシースルー型のディスプレイとして、シースルーの半透明液晶ディスプレイ又は半透明投影可能なプロジェクタを用いることが好適である。
【0027】
音声入出力部27は、スピーカ、イヤホン出力端子、マイクロフォン等である。
【0028】
加速度センサ部28は、加速度センサ、地磁気センサ、高度センサ、ジャイロ等を含む、ゲーム装置2の加速度や姿勢を検出するセンサ群である。このうち、ゲーム装置2の姿勢としては、進行方向や地図上の方向に対する三次元での傾きや捻れ等を検出可能である。
【0029】
位置取得部29は、GNSS(Global Navigation Satellite System)の位置情報センサ、アンテナ、携帯電話網、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)、V2X(Vehicle to X)通信等の回路やアンテナ等を含む。位置取得部29は、地図上の座標(位置)、渋滞や事故等の情報、他の車両(ゲーム装置2)等の位置を取得することが可能である。
【0030】
撮像部30は、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサやCCD(Charge−Coupled Device)等の撮像素子と、レンズ等の光学素子とを組み合わせたカメラ等である。撮像部30は、ゲーム装置2の周囲の外部画像を画像データとして取得可能である。さらに、撮像部30は、畳み込みニューラルネットワークを用いた画像認識プロセッサ等を備え、ゲーム装置2の周囲の物体の位置及び種類を認識可能であってもよい。撮像部30は、複数のカメラを用いることも可能である。
【0031】
上述のサーバ装置1及びゲーム装置2の各部は、本実施形態のゲームプログラム110及びゲームプログラム210(
図2)を実行するハードウェア資源となる。
【0032】
・ゲームシステムXの制御の流れについて
次に、
図2により、ゲームシステムXを実現するサーバ装置1及びゲーム装置2における、ゲーム実行時の制御の流れについて説明する。
【0033】
まず、ゲーム装置2には、ゲームアプリであるゲームプログラム210が、インストールされている。
【0034】
インストール後、ゲームプログラム210が初回起動されると、ゲーム装置2とサーバ装置1とは、ネットワーク3を介して互いに通信を行う。
そして、サーバ装置1において、各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報211が付与される。元々、ユーザがアカウント情報211を付与されていた場合は、そのアカウント情報211を設定することも可能である。このアカウント情報211は、例えば、ID(識別符号)を含む固有の識別情報である。サーバ装置1は、各アカウントに対応付けられた、ゲームのプレイ上に必要なデータであるゲームデータ212を作成し、アカウント情報211に含ませて、ゲーム装置2へ送信する。
【0035】
ゲーム装置2は、サーバ装置1から、ゲームデータ212とアカウント情報211とを受信して、これを記憶部21に格納する。
その後、ゲーム装置2は、ゲームプログラム210及びゲームデータ212に基づいて、ゲーム進行を行う。
【0036】
本実施形態の一例として、ゲーム装置2は、後述するように、現在位置の位置情報314(
図3)を取得し、開始指示位置311を超えた位置から、終了予定位置312まで、走行ルート313上で走行中にゲームを進行させる。
この際、ゲーム装置2は、操作部25によりユーザの指示を取得してゲームを実行する。そして、ゲーム装置2は、ゲーム進行に伴うゲーム演出として、ゲーム画像を表示部26に、ゲーム音声を音声入出力部27に、それぞれ出力等する。
【0037】
ここで、ゲーム装置2は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の特定タイミングでサーバ装置1にゲーム進行状況に関するデータを送信する。この特定タイミングとしては、例えば、イベント設定、イベント発生、戦闘結果、アイテム消費、ステージやゲーム課題のクリア等のデータ更新時が挙げられる。なお、ゲーム装置2とサーバ装置1とは、常時通信し続けてもよい。
【0038】
サーバ装置1は、このゲーム進行状況に関するデータをゲーム装置2から受信して解析する。この解析されたデータは、記憶部11のアカウントDB111のアカウント設定300として、アカウント毎に格納される。
【0039】
このように、ゲームシステムXは、アプリを介して、所定のタイミングでサーバ装置1とゲーム装置2で相互に通信を行い、サーバ装置1とゲーム装置2とで同期をとってゲームを進行させる。
【0040】
<ゲームシステムXの機能的構成について>
次に、ゲームシステムXを実現するサーバ装置1の制御部10及びゲーム装置2の制御部20の機能的構成、及びデータの詳細構成について説明する。
【0041】
・サーバ装置1の制御部10の機能的構成
サーバ装置1の制御部10は、記憶部11に格納されたゲームプログラム110を実行することにより、ログイン手段100、及びゲーム情報処理手段101として機能する。
【0042】
ログイン手段100は、ゲーム装置2から、アカウント情報211を取得して、ユーザをゲームにログインさせる。その他にも、ログイン手段100は、ゲーム装置2からゲーム進行状況に関するデータを取得して、アカウントDB111のアカウント設定300に設定する。
【0043】
ゲーム情報処理手段101は、ゲーム装置2からゲーム進行状況に関するデータを取得して、アカウントDB111のアカウント設定300に設定する。この上で、ゲーム情報処理手段101は、ゲームの進行に対応して、イベント等の指示をゲーム装置2に送信し、ゲームを進行させる。
【0044】
・サーバ装置1の記憶部11に格納されたデータの説明
サーバ装置1は、記憶部11に、本発明のゲームシステムXを実現するためのゲームプログラム110及びアカウントDB111を格納している。
【0045】
ゲームプログラム110は、サーバ装置1を上述の機能的手段として動作させるためのプログラムである。
【0046】
アカウントDB111は、アカウント毎のアカウント設定300を格納している。アカウント設定300は、アカウント毎のアカウント情報211、ログイン情報、及びゲーム進行状況に関する情報を含む。
このうち、ログイン情報は、ユーザの電子メールアドレス、パスワード、その他のログイン時のユーザ認証に必要な情報である。これに加え、ログイン情報は、ユーザがアプリを起動した日時及び時間を示すプレイ時間情報を含んでいる。
【0047】
・ゲーム装置2の制御部20の機能的構成
再び
図2に戻ると、ゲーム装置2の制御部20は、記憶部21に格納されたゲームプログラム210を実行することにより、ゲーム位置設定手段200、現在位置取得手段201、加速度姿勢取得手段202、及びイベント発生手段203として機能する。
【0048】
ゲーム位置設定手段200は、地図データ310(
図3)上の位置間の走行ルート313を設定する。このため、ゲーム位置設定手段200は、例えば、イベントの開始指示位置311、終了予定位置312、及び開始指示位置311から終了予定位置312までの走行ルート313を、操作部25から取得し、又は、再設定することが可能である。
【0049】
現在位置取得手段201は、現在の位置の位置情報314を取得する。
本実施形態において、現在位置取得手段201は、位置取得部29から取得した位置を基に、現在の位置を算出し、位置情報314として記憶部21に格納する。
【0050】
加速度姿勢取得手段202は、加速度情報及び/又は姿勢情報を取得する。
本実施形態において、加速度姿勢取得手段202は、加速度センサ部28から、ゲーム装置2である車両の加速度情報及び/又は姿勢情報を取得する。
【0051】
イベント発生手段203は、現在位置取得手段201により取得された位置情報314に応じて、ゲーム位置設定手段200により設定された走行ルート313上でイベントを発生させる。加えて、イベント発生手段203は、走行ルート313の終点である終了予定位置312への到着予定時刻315を算出する。そして、イベント発生手段203は、到着予定時刻315に合わせてイベントの発生を調整する。
ここで、イベント発生手段203は、特定条件になった場合にも、イベントも発生させる。この特定条件は、位置情報314が、走行ルート313に設定された設定位置の特定範囲内である場合を含む。
さらに、イベント発生手段203は、設定位置で発生されたイベントにおけるフラグの取得状況に対応して、ゲームの進行を調整することも可能である。
【0052】
イベント発生手段203は、加速度姿勢取得手段202により取得された加速度情報及び/又は姿勢情報に応じてイベントを変更することも可能である。
本実施形態においては、イベント発生手段203は、走行中の外部画像及び/又は位置情報314に基づいて、車両内の表示部26にイベントのゲーム画像を表示させる。
【0053】
加えて、イベント発生手段203は、操作部25から取得されたユーザの指示によりゲームを実行するためのゲームの主要な機能を提供する。ゲームの実行時、イベント発生手段203は、ゲームデータ212を基に、ゲームを進行させる。
この際、イベント発生手段203は、イベント発生手段203によりゲームを実行する際に、ユーザのアカウント情報211をサーバ装置1へ送信し、サーバ装置1との通信を維持する。この通信において、イベント発生手段203は、ゲーム進行状況に関するデータを、ゲーム進行の特定タイミングでサーバ装置1に送信する。
【0054】
・ゲーム装置2の記憶部21に格納されたデータの説明
ゲーム装置2は、記憶部21に、本発明のゲームシステムXを実現するためのゲームプログラム210、アカウント情報211、及びゲームデータ212を格納している。
【0055】
ゲームプログラム210は、ゲーム装置2を上述の機能的手段として動作させるためのプログラムである。
【0056】
ゲームデータ212は、ゲームのプレイ上に必要なデータである。このゲームデータ212は、サーバ装置1により作成された、ゲーム進行状況に関するデータを含む。ゲームプログラム210により、ゲームデータ212の各種データが選択されて、ユーザのアカウント情報211に対応したゲームのプレイが実現可能となる。
ゲームデータ212の詳細については後述する。
【0057】
アカウント情報211は、ユーザのID(識別符号)を含む固有の識別情報等である。
【0058】
これら以外にも、記憶部21には、例えば、他ゲーム装置2に送信するアカウント情報211、フレンドに関する情報、及び他ゲーム装置2から受信した他のアカウント情報211等が含まれている。
【0059】
図3により、ゲームデータ212の詳細について説明する。
ゲームデータ212は、地図データ310、開始指示位置311、終了予定位置312、走行ルート313、位置情報314、到着予定時刻315、イベントデータ316、オブジェクトデータ317、及び進行状況データ318等を含んでいる。
【0060】
地図データ310は、位置情報314に対応した地図のデータである。地図データ310は、ゲーム装置2に予めインストールされていても、サーバ装置1やクラウド上の地図サービスのサーバ(図示せず)からダウンロードされても、車両のカーナビゲーション装置等から取得されてもよい。
【0061】
開始指示位置311は、ゲームのイベントの発生が開始される地図上の位置の設定である。このイベントの開始位置は、例えば、初期値として、走行ルート313の始点の位置が設定される。この始点の位置は、ゲームを起動した際の位置であっても、この位置とは別に設定されてもよい。すなわち、ユーザ等が設定した位置からゲームを開始することが可能である。さらに、イベントの開始位置は、必ずしもユーザが車両に乗車した乗車位置、ゲームを起動した際の位置情報314に基づく起動位置でなくてもよい。なお、開始指示位置311は、走行ルート313の再設定等により、変更することが可能である。
【0062】
終了予定位置312は、ゲームのイベントの発生が終了される位置の設定である。このゲームのイベントの発生が終了される位置は、例えば、初期値として、走行ルート313の終点の位置が設定される。具体的には、終了予定位置312は、例えば、車両に乗車したユーザの目的位置であってもよい。加えて、終了予定位置312は、自動運転の停留所、ユーザの自宅等であってもよい。なお、終了予定位置312も、走行ルート313の再設定等により、変更することが可能である。
【0063】
走行ルート313は、開始指示位置311から終了予定位置312までの道順を示す。この走行ルート313は、例えば、地図データ310上でゲームのイベントが発生し終了するまでの道の座標等が指定されている。加えて、本実施形態においては、走行ルート313は、ゲーム装置2である車両等が走行するル
ートであってもよい。さらに、走行ルート313は、一回にひとまとまりとしてプレイされるゲームの単位であるステージを構成してもよい。走行ルート313は、ユーザにより指定されても、カーナビゲーション装置等から取得されてもよい。なお、走行ルート313は、ゲーム中で、位置情報314の現在の位置等に応じて、再設定、再指定されてもよい。
【0064】
加えて、走行ルート313中には、イベントに関連する設定位置が設定される。
この設定位置は、イベントの発生条件となるフラグを取得できる位置であってもよい。さらに、この設定位置は、地図データ310上のランドマークとなるような箇所の位置が設定されていてもよい。このランドマークは、例えば、特定の建造物、特徴ある地点、通り、信号、その他、ユーザに認識されやすい地図上の位置等を含む。
【0065】
位置情報314は、現在位置の情報である。位置情報314は、位置取得部29から取得した位置を基に算出される。
【0066】
到着予定時刻315は、位置情報314と走行ルート313とから算出される、終了予定位置312に到着するまでの予定時刻である。
【0067】
イベントデータ316は、ゲーム進行上のイベントに関連する各種データである。イベントデータ316は、例えば、イベントの種類や発生頻度(エンカウント率)、出現する敵キャラクタ(モンスター)のオブジェクト等の種類や出現頻度(確率)、当該イベントで取得可能なアイテムの種類及び出現頻度、ノンプレイヤキャラクタ(NPC)のオブジェクトや台詞、ゲーム進行のシナリオのデータ、障害物や背景オブジェクト、その他のゲーム上のイベントに必要なデータを含む。さらに、イベントとして、ゲーム進行上で倒すことを目的としているような特別なモンスター(以下、「ボスキャラ」という。)等に関するデータも含む。このうち、シナリオのデータは、走行ルート313中の設定位置に対応した、各イベントの種類のテーブル等を含む。
ここで、本実施形態のイベントは、特定のタイミング及び出現頻度で発生するもの、及び、設定位置に到達した場合に実行されるもの、及び常時実行されるものを含む。さらに、本実施形態のイベントは、後述するボスキャラとの戦いやエンディングのような特別なものを含む。
【0068】
オブジェクトデータ317は、プレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、NPC、アイテム等の各種オブジェクトに関するデータである。これらのオブジェクトには、ゲーム上の各種属性が設定され、イベントと対応づけられることもある。オブジェクトデータ317は、オブジェクトの種類と所持数等のデータも含んでいる。
さらに、オブジェクトデータ317は、オブジェクト毎に、キャラクタの名称、能力値、属性、ランク、特殊攻撃等のパラメータが設定されていてもよい。この能力値は、体力、攻撃力、防御力、スキルレベル及びキャラクタのランク等を含む。アイテムの場合、武器、防具等の装備品、回復用アイテム、合成用アイテム、ボスキャラの移動場所等を示す「痕跡」のアイテム、その他の特殊なアイテムが、種類としてIDにより設定される。この特殊なアイテムは、レアなアイテム(レアアイテム)、イベントにおけるフラグを取得できるアイテムを含む。たとえば、「痕跡」のアイテムは、このイベントにおけるフラグに関するアイテムであってもよい。これに加え、オブジェクトデータ317は、ゲーム内通貨等のデータを含んでいる。
【0069】
進行状況データ318は、サーバ装置1から受信された、ゲーム進行状況に関するデータである。
進行状況データ318は、ユーザが所有するオブジェクトのデータ、キャラクタの集合であるパーティのデータ、ステージのデータ、イベントのデータ等を含んでいる。
【0070】
加えて、ゲームデータ212は、各オブジェクトの画像データ、モデリングデータ、メニューやホーム画面のデータ、文字データ、音声データ等、ゲームをプレイするために必要な各種データを含んでいる。
【0071】
<ゲーム進行処理について>
次に、
図4〜
図5を用いて、本実施形態のゲームシステムXにより実行されるゲーム進行処理について説明する。
【0072】
本実施形態のゲーム進行処理においては、自動運転の車両の走行に係るルート内でユーザにゲームをプレイさせる。このため、ゲームのイベントの開始指示位置311、終了予定位置312、及び開始指示位置311から終了予定位置312までの走行ルート313を取得する。そして、車両の現在の位置情報314を取得し、これに対応したイベントを発生させる。この際、走行ルート313から算出される到着予定時刻315にてイベントが終了するようにゲームの進行を調整する。
【0073】
以下で、
図4のフローチャートを参照して、ゲーム進行処理のフローを説明する。ここでは、主にゲーム装置2で実行される各処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0074】
(ステップS100)
ゲーム位置設定手段200は、ゲーム開始処理を行う。
ゲーム位置設定手段200は、例えば、自動運転の車両が停車位置まで来て、ユーザが搭乗し、目的地まで手持ち無沙汰なユーザがゲームを開始する指示を行ったことを検知する。この指示は、図示しない車両内のパネル端末や、車窓の表示部26に表示されるメニュー等から行うことが可能である。この指示は、例えば、操作部のタッチパネルにより、アプリ一覧やショートカット等から起動するタッチ、スワイプ等により行われる。
すると、ゲーム位置設定手段200が、ネットワーク3を介してサーバ装置1と通信を開始する。イベント発生手段203は、アカウント情報211をサーバ装置1へ送信する。
【0075】
(ステップS200)
ここで、サーバ装置1のログイン手段100が、ログインを行う。
ログイン手段100は、送信されたアカウント情報211に基づいて、アカウント設定300を参照してユーザの認証を行う。これにより、ユーザをログインさせる。
ログイン後、ログイン手段100は、アカウント設定300からゲームデータ212を作成して、ゲーム装置2に送信する。
この際、ログイン手段100は、車両の周囲の地図データ310等もゲームデータ212に含めて送信することが可能である。さらに、ゲームデータ212は、ゲーム全体のデータではなく、前回送信した差分のデータを含む差分データであってもよい。
【0076】
(ステップS101)
次に、ゲーム装置2のゲーム位置設定手段200が、ゲーム位置設定処理を行う。
本実施形態においては、ゲーム位置設定手段200は、例えば、ユーザによるゲームの起動位置を開始指示位置311、ユーザが車両で移動する目的地を終了予定位置312、カーナビゲーション装置で設定された車両の移動の道順(ルート)を走行ルート313として設定する。ゲーム位置設定手段200は、例えば、ユーザによるカーナビゲーション装置の操作に連動して、操作部のタッチパネルにより、これらのデータの取得し、設定してもよい。
図5(a)によると、ゲーム装置2のゲーム位置設定手段200は、例えば、位置取得部29から取得された位置を中心とした地図データ310(
図3)に基づいて、イベントの開始指示位置311、終了予定位置312、及び開始指示位置311から終了予定位置312までの走行ルート313を、ユーザに操作部25で指定させる。この走行ルート313の指定は、例えば、表示部26に、カーナビゲーション装置と同様のカーナビゲーション画面として地図データ310を表示させ、ユーザがなぞって指定することが可能である。さらに、カーナビゲーション画面に、いくつか候補を表示して、これをユーザが選択して指定することも可能である。さらに、表示された候補を、ユーザが調整して指定することも可能である。
【0077】
加えて、ゲーム位置設定手段200は、「推奨、一般道優先、有料優先、距離優先」といった一般的なカーナビゲーション装置のルート検索と同様の条件でルートを検索し、走行ルート313の候補として表示可能である。これに加えて、ゲーム位置設定手段200は、「イベント優先、アイテム優先、雑魚敵優先、ボス敵優先」等のゲーム要素を基準にしたルートを検索し、走行ルート313の候補として表示してもよい。
【0078】
図5(a)の例では、地図データ310中で、開始指示位置311を丸印に「S」のアイコン、走行ルート313を太線、終了予定位置312を丸印に「E」のアイコンで示している。
【0079】
(ステップS102)
次に、現在位置取得手段201が、現在位置取得処理を行う。
本実施形態においては、現在位置取得手段201は、位置取得部29から取得した位置の情報を取得し、地図データ310内の位置を算出する。この地図データ310内の位置が、現在の位置となる。この際に、現在位置取得手段201は、現在の位置が走行ルート313内にあるかどうかについても算出する。現在位置取得手段201は、これらの算出されたデータを、位置情報314として記憶部21に格納する。
図5(a)の例では、地図データ310中で、地図データ310上で、位置情報314に設定される現在の位置を、車のマークのアイコンで示している。
【0080】
(ステップS103)
次に、イベント発生手段203が、開始指示位置を超えたか否かを判断する。
イベント発生手段203は、記憶部21から現在位置の位置情報314を読みだし、開始指示位置311を超えたかどうか判断する。イベント発生手段203は、開始指示位置311から終了指示位置までの走行ルート313内に位置情報314がある場合に、開始指示位置311を超えたとして、Yesと判断する。この場合、例えば、一度でも走行ルート313内に入った場合には、イベント発生手段203は、Yesと判断する。イベント発生手段203は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS104に進める。
Noの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS102に戻して、開始指示位置311までゲームを進行させず、イベントを発生させない。
【0081】
(ステップS104)
開始指示位置311を超えた場合、イベント発生手段203が、ルート外に出たか否かを判断する。
イベント発生手段203は、現在位置の位置情報314が走行ルート313から特定距離以上外れた場合に、Yesと判断する。イベント発生手段203は、位置情報314が走行ルート313内であった場合には、Noと判断する。
Yesの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS105に進める。
Noの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS106に進める。
【0082】
(ステップS105)
ルート外に出た場合、ゲーム位置設定手段200が、ルート外設定処理を行う。
ゲーム位置設定手段200は、表示部26に「ルート外に出ました」等と表示して、開始指示位置311はそのままで、走行ルート313を変更(再設定)する。この際、ゲーム位置設定手段200は、走行ルート313を自動で再設定してもよい。または、ゲーム位置設定手段200は、ステップS101と同様に、走行ルート313をユーザに指定させてもよい。いずれの場合においても、ゲーム位置設定手段200は、開始指示位置311を保ったままでも、再設定させてもよい。
これらの再設定の際、ゲーム位置設定手段200は、イベントは継続してもいいし、再スタートしてもよい。この再スタートは、ユーザの指示により実行してもよい。
【0083】
(ステップS106)
ここで、加速度姿勢取得手段202が、加速度姿勢取得処理を行う。
本実施形態においては、加速度姿勢取得手段202は、ゲーム装置2である車両の加速度情報及び/又は姿勢情報を取得し、記憶部21に格納する。この加速度情報及び/又は姿勢情報は、例えば、車両がバックしている、加速している、急カーブや坂で車両の姿勢が水平でない等の車両状態を示す値を含む。
【0084】
(ステップS107)
次に、イベント発生手段203が、イベント進行調整処理を行う。
イベント発生手段203は、現在位置取得手段201により取得された位置情報314に応じて、走行ルート313から、到着予定時刻315を算出する。
イベント発生手段203は、現在の位置と終了予定位置312との間の距離、渋滞状況等により到着予定時刻315を算出する。または、イベント発生手段203は、到着予定時刻315を、カーナビゲーション装置等から取得してもよい。
【0085】
この上で、イベント発生手段203は、到着予定時刻315に合わせてイベントの発生を調整する。具体的には、イベント発生手段203は、例えば、到着予定時刻315でイベントが終了するようにイベントを発生させることで、ゲームの進行を調整する。イベント発生手段203は、例えば、イベントの種類、発生頻度、発生する方向、その他のイベントに関するパラメータを調整することが可能である。
【0086】
より具体的には、イベント発生手段203は、例えば、渋滞等すると、イベントの終了を遅くする。このイベントの終了として、例えば、ボスキャラの出現を行う時刻を到着予定時刻315に合わせ、ゲームを終了させるようにする。すなわち、イベント発生手段203は、例えば、車両が目的地である終了予定位置312に到着する際に、ユーザにボスキャラとの戦闘を終了させて、ステージを終了させ、エンディングの演出を行うように、イベントの発生を調整する。これにより、目的地に到着するとゲームも終了となるため、ゲーム進行の一貫性を保つことができる。つまり、渋滞等でも途中でゲームが終了してユーザに不満を抱かせることがなくなり、ユーザのゲームプレイに対する満足度を向上させることが可能となる。すなわち、ゲーム性を向上させることが可能となる。
【0087】
この他にも、イベント発生手段203は、到着予定時刻315に合わせたイベントの発生の調整として、走行ルート313の途中に出現させる特別なモンスター(以下、「中ボス」という。)の出現を行う時刻、道中に出現させる通常のモンスター(以下、「通常モンスター」という。)の出現頻度、取得可能なアイテムの種類や出現頻度等も調整可能である。
さらに、イベント発生手段203は、イベントに登場するモンスターのパラメータを調整して、倒しやすくしたり、逆に、倒しにくくしたりして、ゲーム進行に必要な時間を調整することも可能である。
加えて、イベント発生手段203は、イベントを発生させない間隔を調整することも可能である。たとえば、イベント発生手段203は、例えば、走行ルート313上でモンスターと遭遇させるようなイベントを発生させた場合、モンスターに遭遇させないように、特定の時間や距離の間、イベントの発生頻度(エンカウント率)を通常より低く調整することも可能である。
【0088】
加えて、イベント発生手段203は、特定の時間経過により、強制的なイベント(強制イベント)を発生させることも可能である。たとえば、走行ルート313中の特定位置までに、中ボスを倒せなかったり、必要なアイテムを取得できなかったりした場合、イベント発生手段203は、これらを別途、出現させるイベントを設定可能である。
イベント発生手段203は、更に、後述するエンディングの演出の長さを変更することが可能である。たとえば、エンディングのムービーの表示時間、再生スピード等を調整することが可能である。
これらに加えて、イベント発生手段203は、イベントの時間が長くなったり短くなったりする全ての調整を行うことが可能である。
【0089】
まとめると、イベント発生手段203は、イベントの終了予定位置312と、目的地への到着予定時刻315とを比較して、イベントが早く終わりそうなら、イベントが長引くようにイベントを調整する。イベント発生手段203は、逆に、イベントの終了前に到着予定時間315になりそうなら、イベントが早く終わるようにイベントを調整する。
これらの調整により、ゲーム進行中の「中だるみ」等を回避させ、ユーザのプレイ継続に対する意欲を惹起することができる。
【0090】
さらに、イベント発生手段203は、設定位置で発生されたイベントにおけるフラグの取得状況に対応して、イベントの発生を調整することも可能である。このフラグは、例えば、設定位置への移動、特定のモンスターとの戦闘、「痕跡」のアイテムの回収等により取得される。
具体的には、イベント発生手段203は、例えば、設定位置への移動までにフラグの取得が遅れている場合、フラグを取得しやすくするようにイベントの発生を調整することが可能である。より具体的には、例えば、イベント発生手段203は、「痕跡」のアイテムの回収がゲームの進行に対して少ない場合、この「痕跡」のアイテムの出現頻度を高めることが可能である。すなわち、この「痕跡」の回収により、ゲームの進行をユーザに実感させやすくなる。ここで、イベント発生手段203は、例えば、イベントデータ316に設定されたモンスターとの戦闘後に取得されるアイテムの発生確率、特定の位置へ移動した際のイベントの発生確率等のパラメータを一時的に変更することで、この出現頻度を高める処理を実行可能である。
その他にも、イベント発生手段203は、フラグの取得に応じて、通常モンスターや中ボスの発生の調整、ボスキャラの強さの調整、その他のゲーム進行上のパラメータの調整等の処理を実行可能である。
【0091】
加えて、イベント発生手段203は、加速度情報及び/又は姿勢情報に応じてイベントを変更することも可能である。
具体的には、イベント発生手段203は、例えば、車両がバックしている場合、前方からモンスターや障害物が迫ってくるような向きでイベントを発生させるようにイベントを変更可能である。この際、イベント発生手段203は、例えば、イベントデータ316に設定されたイベントの種類の設定値を変更することで、発生するイベントを変更可能である。
同様に、イベント発生手段203は、例えば、車両が加速していたり、急カーブや坂で車両の姿勢が水平でなかったりした場合、モンスターや流水や岩等に追われているような緊迫感を高めるイベント等に変更可能である。
【0092】
(ステップS108)
次に、イベント発生手段203が、イベント発生条件に合致したか否かを判断する。
上述したように、イベント発生手段203は、走行ルート313上でイベントの発生頻度又は条件により離散的にイベントを発生させ、及び/又は、走行ルート313上でイベントをずっと発生させ続けることが可能である。このため、イベント発生手段203は、例えば、現在の位置が走行ルート313上である場合、乱数値を取得し、上述のイベントの発生頻度に対応した確率で、イベント発生条件に合致したと判断する。このイベントの発生頻度等は、上述のように調整されている。
【0093】
これに加え、イベント発生手段203は、特定条件になった場合にも、イベント発生条件に合致したと判断する。この特定条件は、位置情報314が設定位置の特定範囲内である場合を含む。この特定範囲としては、例えば、数百m単位、ランドマークがユーザから見える位置の範囲、その他の範囲が設定可能である。
さらに、イベント発生手段203は、終了予定位置312へ到着する特定範囲内に近づいた場合も、イベント発生条件に合致したと判断することが可能である。
加えて、イベント発生手段203は、常時実行されるイベントの場合、当該イベントについては、走行ルート313上では常にイベント発生条件に合致したと判断することが可能である。
【0094】
イベント発生手段203は、イベント発生条件に合致した場合に、Yesと判断する。イベント発生手段203は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS109に進める。
Noの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS110に進める。
【0095】
(ステップS109)
イベント発生条件に合致した場合、イベント発生手段203が、イベント発生処理を行う。
イベント発生手段203は、イベントデータ316を読み出し、上述のイベント発生条件に対応した種類のイベントを発生させる。このイベントとしては、例えば、上述の確率でモンスターを出現させてプレイヤキャラクタとの戦闘を行わせることが可能である。その他にも、イベント発生手段203は、イベントとして、シナリオに対応したNPCと出会わせたり、「痕跡」を含む各種アイテムを回収させたり、中ボスやボスキャラとの戦闘を行わせたりすることが可能である。
【0096】
図5(b)の画面例500によると、イベント発生手段203は、走行中の外部画像及び/又は位置情報314に基づいて、イベントのゲーム画像を描画し、車両内の表示部26に表示させる。
具体的には、イベント発生手段203は、例えば、撮像部30で撮像された車両の周囲の画像データについて、周囲の物体の位置及び種類を認識結果のデータを基に、必要なオブジェクトを上書きしたゲーム画像を描画する。すなわち、イベント発生手段203は、イベントのゲーム画面を拡張現実(Augmented Reality、AR)として描画することが可能である。この拡張現実としては、例えば、ランドマークのビルを蟻塚のようなモンスターの巣に変更したり、信号に巻き付いた蛇のモンスターが落ちてきたり、電波塔にへばりついたモンスターが襲ってきたり、道の先から集団のモンスターが襲ってきたりする等のゲーム画像を表示可能となる。このように、イベント発生手段203は、現実の中でゲームのイベントが起こっているように表示させることが可能である。よって、臨場感の高いゲームを実現することができる。
図5(b)では、モンスターMが、車両のシースルー型のディスプレイに表示されている例を示す。
【0097】
さらに。イベント発生手段203は、他にも取得したゲームデータ212に基づいて、ゲーム進行を行う。
ここで、上述したようなゲームの設定やプレイ時の特定タイミングで、イベント発生手段203は、サーバ装置1にゲームデータ212のうち、変化があった差分データを送信する。
【0098】
(ステップS201)
ここで、サーバ装置1のゲーム情報処理手段101は、ゲーム情報処理を行う。
ゲーム情報処理手段101は、ゲーム装置2から差分データを受信する。そして、ゲーム情報処理手段101は、アカウントDB111のアカウント設定300に、差分データを設定する。これにより、次回ログインした際に、この差分データを基にしたゲームを実行可能となる。
【0099】
(ステップS110)
ここで、ゲーム装置2のイベント発生手段203が、終了予定位置か否かを判断する。
イベント発生手段203は、現在の位置が走行ルート313上で終了予定位置312に到着した場合、Yesと判断する。イベント発生手段203は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS111に進める。
Noの場合、イベント発生手段203は、処理をステップS104に戻して、ゲームの進行を続ける。
【0100】
(ステップS111)
終了予定位置312に到着した場合、イベント発生手段203が、エンディング処理を行う。
イベント発生手段203は、例えば、ボスキャラとの戦闘を終了させ、ステージの終了の処理を行い、ゲームデータ212に設定する。この上で、イベント発生手段203は、エンディングの演出を表示部26に表示し、音声入出力部27から音声出力する。
イベント発生手段203は、ステージが終了した旨のデータと、上述のゲームデータ212の差分データをサーバ装置1へ送信する。
サーバ装置1のゲーム情報処理手段101は、この差分データを受信して、アカウントDB111のアカウント設定300に格納する。
以上により、本発明の実施形態に係るゲーム進行処理を終了する。
【0101】
[発明の効果]
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、特許文献1に記載されたようなゲームでは、単純に、カーナビゲーション装置のデータを用いたゲームを実行できるだけであった。
しかしながら、このような従来のゲームプログラムを基に、実際の車両等の走行時の位置情報を利用してゲームキャラクタを移動させるような位置ゲームを作成しても、車両等の進行は渋滞等により一定ではないため、ゲームの進行が間延びしたり早く終了したりしていた。このように、ゲームの進行が上手くいかないと、ゲームとして成立しなくなり、ゲーム性を著しく減退させるという問題があった。
【0102】
これに対して、本実施形態のゲームプログラム210は、記憶部21及び表示部26を備えるゲーム装置により実行されるゲームプログラムであって、ゲーム装置を、地図上の位置間の走行ルート313を設定するゲーム位置設定手段200と、現在の位置の位置情報314を取得する現在位置取得手段201と、現在位置取得手段201により取得された位置情報314に応じて、走行ルート313の走行(進行)上にイベントを発生させ、ゲーム位置設定手段200により設定された走行ルート313から算出される到着予定時刻315に合わせてイベントの発生を調整するイベント発生手段203として機能させることを特徴とする。
【0103】
このように構成することで、車両等の進行に合わせてゲームを進行させ、ゲーム性を高めることが可能なゲームプログラム210を提供することができる。すなわち、渋滞等の場合にイベントの発生頻度等を調整し、エンディングを迎えるのを遅くすることで、目的地に到着する際にゲームを終了させることができる。よって、ユーザの乗車と合わせたゲーム進行を実現することができるため、ゲーム性を高めることができる。これにより、単なる移動時間中の時間つぶしを超えた体験をユーザに与え、車両等に乗車する意欲を惹起することも可能となる。
【0104】
本実施形態のゲームプログラム210は、ゲーム装置2は、車両内に設けられ、イベント発生手段203は、走行中の外部画像及び/又は位置情報314に基づいて、車両内の表示部26にイベントのゲーム画像を描画することを特徴とする。
このように構成し、車両内の表示部26にゲーム画像を表示することで、車内にいるユーザに臨場感を高めたゲームを提供することができる。このため、自動運転の自動車等で、手持ち無沙汰なユーザに、走行ルート313に合わせて、ゲーム性の高いゲームをプレイさせることが可能となる。
【0105】
本実施形態のゲームプログラム210は、イベント発生手段203は、特定条件になった場合にも、イベントも発生させ、特定条件は、走行ルート313中に設定された設定位置から位置情報314が特定範囲内であることを含むことを特徴とする。
このように構成することで、走行ルート313中に設定されたランドマーク等の設定位置において、イベントを発生させることができる。さらに、各ランドマーク等に注目させることができ、外の風景についても注目させることが可能となる。このため、ランドマーク等における広告効果も期待できる。
【0106】
本実施形態のゲームプログラム210は、設定位置は、イベントの発生条件となるフラグを取得できる位置であり、イベント発生手段203は、フラグの取得状況に対応して、ゲームの進行を調整することを特徴とする。
このように構成することで、ゲーム中で、例えば、「痕跡」等のフラグを回収したり、ランドマーク付近でモンスターと戦闘したり、目的地付近でボスキャラを撃破したりして、目的地でエンディングを迎えさせることができる。このように、ゲームの進行にメリハリをつけることができるため、ユーザのゲームプレイの意欲を惹起することができる。さらに、走行ルート313の選択によっては、このフラグの取得に差が生じさせることができるため、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0107】
本実施形態のゲームプログラム210は、車両の加速度情報及び/又は姿勢情報を取得する加速度姿勢取得手段202を更に備え、イベント発生手段203は、加速度姿勢取得手段202により取得された加速度情報及び/又は姿勢情報に応じてイベントを変更することを特徴とする。
このように構成することで、車両の加速度情報及び/又は姿勢情報により、イベントの演出を変更し、よりゲームのイベントの臨場感を高めることができる。
【0108】
[他の実施形態]
図2〜
図5において説明した制御手段及び処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0109】
さらに、上述の確率等で発生するイベントと、走行ルート313上のランドマーク等の設定値の近くを通ったときに開始されるイベントとが重なった場合、イベント発生手段203は、どちらかを優先しても良いし、同時に発生させても良い。これらのイベントのいずれかを優先する場合は、イベント発生手段203は、片方のイベントを発生させなくするような演出を行うことも可能である。たとえば、イベント発生手段203は、ゾンビに襲われていたが、恐竜にゾンビが踏みつぶされて対戦相手が代わる、といった演出を行うことが可能である。
【0110】
上述の実施の形態においては、ゲームの開始指示位置311の設定として、ユーザの現在位置、又は指定した位置とする例について記載した。
これに対して、車両やゲーム装置2の状態と連動して開始指示位置311が設定されてもよい。たとえば、高速道路で自動運転のレベルが上がり、ユーザの手放しでの自動運転が可能となる場合、この高速道路に入った位置を開始指示位置311として設定することが可能である。逆に、ユーザの乗車時に自動運転のレベルが下がるような道路について走行ルート313が設定された場合、そのような道路に到着する箇所を開始指示位置311として設定し、その位置に着くまでイベントが発生しないようにすることも可能である。これらの場合も、ステップS103と同様に、イベント発生手段203が、開始指示位置311を超えたかどうか判断可能である。さらに、イベント発生手段203は、車両の状態を把握して、上述のような自動運転のレベルに対応して、開始指示位置311の設定位置に関わらず、イベントを開始したり、開始しなかったりするような制御を行うように構成することも可能である。
【0111】
上述の実施形態では、モンスターと戦闘するロールプレイングゲームのようなアプリを例にして記載されているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、アクションゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、及びパズルゲーム等、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0112】
より具体的には、例えば、本発明の他の実施形態のゲームとして、二輪車や四輪車等で追いかけてくるゾンビや異星人等のモンスターを、銃器を模した操作部のガンコンとローラで撃ち倒すようなホラーやSFゲームとして構成してもよい。または、車両の走行中に、ギャング、ロボット兵器、恐竜、巨大昆虫等と対戦するようなアクションゲームとして構成してもよい。この場合でも、目的地付近にボスキャラが登場し、これを撃退することでエンディングとなるように構成できる。
【0113】
さらに、単なるゲームではなく、例えば、VIP(Very Important Person)の送迎やパレードの送迎等で、目的地まで車両で走行するのを体験するようなゲームとして構成することも可能である。
この場合、地図データ310に基づいて、パレード中で見える町並みを、現実の風景に重ねて、ゲーム画面として表示させる。この際、沿道には人だかりを描画し、車両の周辺にはSP(Security Police)の車両が走行するようなゲーム画面を描画して、表示させる。このSPの車両は、走っている他の車に映像をかぶせて加工してもよい。そして、目的地付近にて、迎えてくれる人だかりを表示させ、エンディングとすることができる。
このように構成することで、様々なゲームに対応し、更に、ユーザの気分を高揚させるような演出も可能となる。
なお、これらのゲームの変更やイベントの設定変更は、ゲームデータ212の特にイベントデータ316を差し換えること当業者に実現可能である。
【0114】
・ハードウェア構成のバリエーション
なお、制御部10、20は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサ)等を含む情報処理部であってもよい。
【0115】
記憶部11、21は、一時的でない記録媒体であり、主記憶部のRAMとしては、DRAMやSRAM等を用いてもよい。ROMは、補助記憶部として、EEPROM、フラッシュメモリ、3D Xポイント等の各種不揮発性で書き換え可能な半導体メモリを用いてもよい。加えて、補助記憶部として、HDDの代わりに、SSD(Solid State Drive)やeMMC(embedded Multi Media Card)を用いることも可能である。
【0116】
接続部12、22は、LAN、無線LAN、WAN、携帯電話網等のネットワーク3に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続部である。
【0117】
画像処理部23は、GPU(Graphics Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の情報処理部であってもよい。画像処理部23は、専用のメモリを備えていてもよい。
【0118】
操作部25は、専用又は汎用のコントローラと接続されてもよい。コントローラに設けられたスティックやボタンやタッチパッド等を操作することにより、操作部25を介して、ゲーム装置2へ操作信号が入力される。このコントローラと操作部25とは、無線又は有線で接続される。この無線又は有線の接続は、USB、Bluetooth(登録商標)等であってもよい。
【0119】
なお、ゲーム装置において、制御部20及び画像処理部23は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、制御部10、制御部20、及び画像処理部23は、RAMやROMやフラッシュメモリ等を内蔵していてもよい。
【0120】
・システム構成のバリエーション
上述の実施形態では、
図1に示すように、サーバ装置1とゲーム装置2とで構成されるゲームシステムXにてゲームプログラム210を実行させる例について記載した。
しかしながら、
図6を参照すると、単独のゲーム装置2bにより、本発明のゲームプログラム210を実行することも可能である。この場合、ゲーム装置2bには、ゲームデータ212内に、カーナビゲーションのように広範囲の地図データ310を格納しておくことも可能である。この図において、上述の各図と同じ符号は同種の構成であることを示している。
逆に、ゲーム装置2は単なるデータの送受信と、画像音声出力のみの機能を実行して、サーバ装置1のゲームプログラム110を実行することで、上述のゲーム位置設定手段200、現在位置取得手段201、加速度姿勢取得手段202、及びイベント発生手段203として機能させてもよい。
さらに、上述の各手段は、サーバ装置1及びゲーム装置2のいずれかで任意に実行しても、それぞれの機能を分担して一部又は任意の組み合わせで実行してもよい。
【0121】
さらに、上述の実施形態では、自動運転の自動車等の車両がゲーム装置2である例について記載した。
これについて、本実施形態のゲーム装置2が車両の場合、アミューズメントパーク等の乗り物、ジェットコースター、電車、運転手が運転するタクシー、バス、その他の車両を用いることが可能である。加えて、ゲームセンター等に提供されるアーケードゲーム筐体を用いて本発明を実現することもできる。または、ゲーム装置2は、仮想空間上の地図データ310上を動作する仮想の車両であってもよい。
さらに加えて、ゲーム装置2は、車両に限らず、ユーザが直接操縦しない乗り物、例えば、飛行機やドローン等に設けることも可能である。加えて、ゲーム装置2を用いて徒歩でゲームを行うことも可能である。
【0122】
本実施形態のゲーム装置2は、上述したように、スマートフォン、ゲーム専用機、VRゴーグル型装置、カーナビゲーション装置等であってもよい。この場合、加速度姿勢取得手段202は、ゲーム装置2自体、又はゲーム装置2に装着されたユーザの加速度情報及び/又は姿勢情報を取得し、イベントを発生させることも可能である。
すなわち、本発明の他の実施形態に係るゲームプログラム210として、ゲーム装置2自体又はユーザの加速度情報及び/又は姿勢情報を取得する加速度姿勢取得手段202を更に備え、イベント発生手段203は、加速度姿勢取得手段202により取得された加速度情報及び/又は姿勢情報に応じてイベントを変更するように構成することも可能である。
このように構成することで、車両以外のゲーム装置2においても、ゲーム性を高めたゲームを実行することが可能となる。さらに、姿勢や目線のトラッキング等を備えたゲーム装置2の場合、ゲーム装置2やユーザの姿勢や目線に合わせたイベントを発生させ、よりゲームでの臨場感を高めることができる。
【0123】
加えて、上述の実施形態では、シースルー型のディスプレイにゲーム画像を表示する例について記載した。
しかしながら、表示部26は、シースルー型のディスプレイでなくてもよい。たとえば、表示部26として、上述のVRゴーグル型装置のディスプレイを用いることも可能である。このVRにおいても、撮像部30から撮像された画像と、ゲーム画像とを重ねてVR表示することが可能である。
さらに、ゲーム装置2がスマートフォン、ゲーム専用機、カーナビゲーション装置等の携帯型や据置型装置であった場合に、これらのディスプレイを表示部26として用いることも可能である。この場合も、撮像部30から撮像された外部の画像とゲーム画像とを、ARにより表示することが可能である。加えると、ゲーム装置2が車両の場合、窓をなくして、外部を撮像する撮像部30の画像と、ゲーム画像とを、窓代わりの表示部26に表示するように構成することも可能である。
このように構成することで、様々な構成に対応することができる。
【0124】
上述の実施形態では、本実施形態のゲームプログラム210がネイティブアプリケーションである例について記載されたものの、ウェブアプリとして構成されていてもよい。すなわち、ゲームプログラム210は、ウェブブラウザー等で実行可能なアプリであってもよい。この場合は、記憶部21に格納されるゲームプログラム210及びゲームデータ212は、毎回、RAM等に一時的に格納されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、ゲーム装置2において、ゲームプログラム210自体が既にインストールされている例について記載した。この場合、ゲームプログラム210は、ゲーム装置2において、光学記録媒体やその他の記録媒体から読み込まれ、記憶部21にインストールされてもよい。加えて、ゲームプログラム210を、サーバ装置1からダウンロードするようにしてもよい。
【0125】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、及び他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0126】
また、上記実施形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。