(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カルボン酸無水物(b2)が、無水コハク酸、無水シクロヘキサンカルボン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸、トリアルキル系無水フタル酸、無水ドデシルコハク酸、無水メチルナジック酸、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、及び無水クロレンディック酸からなる群から選択されるいずれか一種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で、適宜に変形して実施できる。
なお、本明細書における「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基」及びそれに対応する「メタクリロイル基」の両方を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」の両方を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」の両方を意味する。
【0010】
本実施形態の樹脂組成物はエポキシ樹脂(A)、イミダゾール化合物(b1)とカルボン酸無水物(b2)の塩(B)を含有することを特徴とする。以下、各成分について説明する。
【0011】
<エポキシ樹脂(A)>
本実施形態の樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂(A)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。その具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、ブタジエンなどの二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物、及びこれらのハロゲン化物が挙げられる。その中でも、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂からなる群より選択される一種又は2種以上を適宜混合して使用することが好ましい。このような種類のエポキシ樹脂を含むことにより、得られる硬化物の耐熱性がより向上する傾向にある。
【0012】
本実施形態の樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)の含有量は、特に限定されないが、硬化物の耐熱性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、1.0質量部以上とすることが好ましく、1.5質量部以上とすることがより好ましく、2.0質量部以上とすることが更に好ましい。また、樹脂組成物の現像性を良好にするという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、90質量部以下とすることが好ましく、70質量部以下とすることがより好ましく、50質量部以下とすることが更に好ましい。
ここで、「樹脂組成物中の樹脂固形分」とは、特に断りのない限り、樹脂組成物における、溶剤及び充填材(G)を除いた成分をいい、樹脂固形分100質量部とは、樹脂組成物における溶剤及び充填材(G)を除いた成分の合計が100質量部であることをいうものとする。
【0013】
<イミダゾール化合物(b1)及びカルボン酸無水物(b2)の塩(B)>
本実施形態の樹脂組成物には、熱硬化成分の反応を促進し、硬化物の耐熱性を向上させるために、イミダゾール化合物(b1)とカルボン酸無水物(b2)の塩(B)を使用する。
イミダゾール化合物(b1)は熱硬化促進剤であり、カルボン酸無水物(b2)はイミダゾール化合物とのイオン結合により塩を形成し、イミダゾール化合物の潜在化を可能にする。
イミダゾール化合物(b1)とカルボン酸無水物(b2)を混合するだけでも本実施形態の塩(B)を形成させることも可能だが、予め両成分を混合し、50℃以上で1〜120分間加熱してプレ反応をすることが望ましく、その反応温度としては80℃以上で5〜60分間加熱することが好ましい。
【0014】
本実施形態の樹脂組成物に用いるイミダゾール化合物(b1)は、イミダゾール骨格を有し、加熱によりエポキシ樹脂(A)の重合反応を促進するものであれば特に限定されない。
イミダゾール化合物(b1)として例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(1B2MZ)、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ−CN)、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール(2PHZ−CN)、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(2MZ−CN)、1−メチル−2−エチルイミダゾール(1M2EZ)、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール(1B2EZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)、又は1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(C11ZCN)等が挙げられ、その中でも2E4MZが好ましい。
また、イミダゾール化合物(b1)は市販品を使用することもでき、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製)が好適に使用される。
【0015】
塩(B)を形成する際に使用されるイミダゾール化合物(b1)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物を十分に硬化させ、耐熱性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、0.01質量部以上とすることが好ましく、0.1質量部以上とすることが更に好ましい。また、硬化物の分子量を向上させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、5.0質量部未満とすることが好ましく、4.0質量部未満とすることがより好ましく、3.0質量部未満とすることが更に好ましい。
【0016】
本実施形態の樹脂組成物に用いるカルボン酸無水物(b2)は、特に限定されないが、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸、トリアルキル系無水フタル酸、無水ドデシルコハク酸、無水メチルナジック酸、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、無水クロレンディック酸等の酸無水物等が挙げられる。その中でも、無水コハク酸が好ましい。
【0017】
本実施形態の樹脂組成物で用いる塩(B)において、イミダゾール化合物(b1)とカルボン酸無水物(b2)のモル比(イミダゾール化合物(b1):カルボン酸無水物(b2))は特に限定されないが、1:0.5〜1:2の範囲が好ましく、1:1が特に好ましい。イミダゾール化合物(b1)とカルボン酸無水物(b2)のモル比をかかる範囲にすることにより、得られる樹脂組成物の保存安定が向上し、樹脂組成物の熱硬化反応時において加熱によりイミダゾール化合物が放出し、熱硬化を促進する等の効果が得られるからである。
【0018】
<式(1)で表される化合物(C)>
本実施形態では式(1)で表される化合物(C)を併用することも可能である。
【化1】
(式(1)中、複数のR
1は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、複数のR
2は、各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜22の炭化水素基を表し、複数のR
3は、各々独立に式(2)で表される置換基、式(3)で表される置換基又はヒドロキシ基を表す。)
【化2】
【化3】
(式(3)中、R
4は水素原子又はメチル基を表す。)
式(1)中、複数のR
1は、各々独立に水素原子又はメチル基を表す。その中でも、光硬化反応の反応性を向上させる観点から水素原子が好ましい。
複数のR
2は、各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜22の炭化水素基を表す。その中でも、硬化物の耐熱性を向上させる観点からメチル基が好ましい。
複数のR
3は、各々独立に式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物又はヒドロキシ基を表す。その中でも、現像性を向上させる観点から、式(2)で表される置換基の比率が20%以上98%以下の範囲、、式(3)で表される置換基の比率が5%以上98%以下の範囲、ヒドロキシ基の比率が10%以上98%以下の範囲であって、それぞれの和が100%となることが好ましい。
このような化合物は市販品を利用することもでき、例えば、ZCR−6001H、ZCR−6002H、ZCR−6006H(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。化合物(C)として、式(1)で表されるが、互いに構造が異なる化合物を二種以上適宜混合して使用することも可能である。
【0019】
本実施形態の樹脂組成物において、式(1)で表される化合物(C)の酸価は、現像性を向上させる観点から30mgKOH/g以上とすることが好ましく、活性エネルギー線で硬化させた後に現像液による溶解を防止する観点から、120mgKOH/g以下とすることが好ましい。
【0020】
本実施形態の樹脂組成物において、式(1)で表される化合物(C)の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、1質量部以上とすることが好ましく、2質量部以上とすることがより好ましく、3質量部以上とすることが更に好ましい。また、活性エネルギー線で十分に硬化させ、耐熱性を向上させるという観点から樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、99質量部以下とすることが好ましく、98質量部以下とすることがより好ましく、97質量部以下とすることが更に好ましい。
【0021】
<光硬化開始剤(D)>
本実施形態に用いる光硬化開始剤(D)は、特に限定されないが、一般に光硬化性樹脂組成物に用いられる分野で公知のものを使用することができる。
例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル類等のラジカル型光硬化開始剤や、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネート、N,N−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネート等のルイス酸のジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート等のルイス酸のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート等のルイス酸のスルホニウム塩、トリフェニルホスホニウムヘキサフロロアンチモネート等のルイス酸のホスホニウム塩、その他のハロゲン化物、トリアジン系開始剤、ボーレート系開始剤、及びその他の光酸発生剤等のカチオン系光重合開始剤が挙げられる。
その中でも、多層プリント配線板用途に適した反応性があり、金属導体に対する信頼性が高いという観点から、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)等のラジカル型光硬化開始剤が好ましい。これらは一種又は二種以上を適宜混合して使用することも可能であり、ラジカル系とカチオン系の双方の開始剤を併せて用いても良い。
また、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドは市販品を使用することもでき、それぞれIrgacure369(BASFジャパン(株)製)、Irgacure819(BASFジャパン(株)製)が好適に使用される。
【0022】
本実施形態の樹脂組成物における光硬化開始剤(D)の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物を活性エネルギー線で十分に硬化させ、耐熱性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、0.1質量部以上とすることが好ましく、0.2質量部以上とすることがより好ましく、0.3質量部以上とすることが更に好ましい。また、光硬化後の熱硬化を阻害し耐熱性を低下させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、30質量部以下とすることが好ましく、25質量部以下とすることがより好ましく、20質量部以下とすることが更に好ましい。
【0023】
<マレイミド化合物(E)>
本実施形態の樹脂組成物に用いるマレイミド化合物(E)は、分子中に一個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。その具体例としては、例えば、4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、フェニルメタンマレイミド、o−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、o−フェニレンビスシトラコンイミド、m−フェニレンビスシトラコンイミド、p−フェニレンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル)プロパン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、2,2−ビス[4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シトラコンイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−シトラコンイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−シトラコンイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、式(5)で表されるマレイミド化合物、式(6)で表されるビフェニルアラルキル型マレイミド及びこれらマレイミド化合物のプレポリマー、若しくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマー等が挙げられる。これらは一種又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。この中でも、式(5)で表されるマレイミド化合物、ビフェニルアラルキル型マレイミド化合物(6)が好ましい。
【化4】
(式(5)中、複数のR
5は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、n
1は、1以上の整数を表す。)
【化5】
(式(6)中、複数のR
6は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、n
2は、1以上の整数を表す。)
【0024】
本実施形態の樹脂組成物におけるマレイミド化合物(E)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物を十分に硬化させ、耐熱性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、0.01質量部以上とすることが好ましく、0.02質量部以上とすることがより好ましく、0.03質量部以上とすることが更に好ましい。また、現像性を良好にするという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、50質量部以下とすることが好ましく、45質量部以下とすることがより好ましく、40質量部以下とすることが更に好ましい。
【0025】
<(C)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(F)>
本実施形態の樹脂組成物には、活性エネルギー線に対する反応性を高め、耐熱性を向上させるために、エチレン性不飽和基を有する化合物(F)を併用することも可能である。本実施形態に用いるエチレン性不飽和基を有する化合物(F)は、式(1)で表される化合物(C)以外であり、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基等を有する化合物が挙げられる。これらは一種又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0026】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、フェニルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ) アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペングリコールジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0027】
この他にも、(メタ)アクリロイル基とウレタン結合を同一分子内に併せ持つウレタン(メタ)アクリレート類、同様に(メタ)アクリロイル基とエステル結合を同一分子内に併せ持つ(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂から誘導され、(メタ)アクリロイル基を併せ持つエポキシ(メタ)アクリレート類、これらの結合が複合的に用いられている反応性オリゴマー等も挙げられる。
【0028】
上記ウレタン(メタ)アクリレート類とは、水酸基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネート、必要に応じて用いられるその他アルコール類との反応物である。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等のグリセリン(メタ)アクリレート類、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の糖アルコール(メタ)アクリレート類と、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキサンメチレンジイソシアネート、及びそれらのイソシアヌレート、ビュレット反応物等のポリイソシアネート等を反応させ、ウレタン(メタ)アクリレート類となる。
【0029】
上記(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類とは、(メタ)アクリロイル基とエステル結合を同一分子内に併せ持つ化合物である。例えば、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ) アクリレート、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート等のジ(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ) アクリレートが挙げられる。
【0030】
更には、ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、又はポリ(メタ)アクリレートのトリオール、テトラオール、ペンタオール又はヘキサオール等の多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0031】
そしてまた更には、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール成分とマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、セバチン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の多塩基酸、及びこれらの無水物との反応物であるポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート;前記ジオール成分と多塩基酸及びこれらの無水物とε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等からなる環状ラクトン変性ポリエステルジオールの(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
上記エポキシ(メタ)アクリレート類とは、エポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのカルボキシレート化合物である。例えば、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフタレン骨格含有エポキシ(メタ)アクリレート、グリオキサール型エポキシ(メタ)アクリレート、複素環式エポキシ(メタ)アクリレート等、及びこれらの酸無水物変性エポキシアクリレート等が挙げられる。
【0033】
ビニル基を有する化合物としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル類が挙げられる。スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。その他ビニル化合物としてはトリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ビスアリルナジイミド等が挙げられる。
【0034】
これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフタレン骨格含有エポキシ(メタ)アクリレート、ビスアリルナジイミドからなる群より選択される一種以上であることが好ましい。このような種類のエチレン性不飽和基を有する化合物を含むことにより、得られる硬化物の耐熱性がより向上する傾向にある。
これらは一種又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0035】
本実施形態の樹脂組成物において、エチレン性不飽和基を有する化合物(F)の含有量は、特に限定されないが、現像性を良好にするという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、0.5質量部以上とすることが好ましく、1.0質量部以上とすることがより好ましく、1.5質量部以上とすることが更に好ましい。また、硬化物の耐熱性を良好にするという観点から、樹脂組成物中の侍史固形分100質量部に対し、90質量部以下とすることが好ましく、70質量部以下とすることがより好ましく、50質量部以下にすることが更に好ましい。
【0036】
<充填材(G)>
本実実施形態の樹脂組成物には、塗膜性や耐熱性等の諸特性を向上させるために、充填材(G)を併用することも可能である。本実施形態に用いる充填材(G)は、絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、シリカ(例えば天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等)、アルミニウム化合物(例えばベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ等)、マグネシウム化合物(例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等)、カルシウム化合物(例えば炭酸カルシウム等)、モリブデン化合物(例えば酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等)、バリウム化合物(例えば硫酸バリウム、ケイ酸バリウム等)、タルク(例えば天然タルク、焼成タルク等)、マイカ(雲母)、ガラス(例えば短繊維状ガラス、球状ガラス、微粉末ガラス(例えばEガラス、Tガラス、Dガラス等)等)などが挙げられる。その中でも、シリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、及び硫酸バリウムからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。これらは一種又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0037】
その中でも特に、硬化物の耐熱性を向上させるという観点から、シリカが好ましく、溶融シリカがとりわけ好ましい。シリカの具体例としては、デンカ(株)製のSFP−130MC等、(株)アドマテックス製のSC2050―MB、SC1050−MLE、YA010C−MFN、YA050C−MJA等が挙げられる。
【0038】
本実施形態の樹脂組成物において、充填材(G)の含有量は、特に限定されないが、硬化物の耐熱性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、5質量部以上とすることが好ましく、10質量部以上とすることがより好ましく、20質量部以上とすることが更に好ましい。また、樹脂組成物の現像性を良好にするという観点から、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、400質量部以下とすることが好ましく、350質量部以下とすることがより好ましく、300質量部以下とすることが更に好ましい。
【0039】
<シアン酸エステル化合物(H)>
本実施形態の樹脂組成物には、シアン酸エステル化合物(H)を併用することも可能である。シアン酸エステル化合物(H)としては、シアナト基(シアン酸エステル基)が少なくとも1個置換された芳香族部分を分子内に有する樹脂であれば特に限定されるものではない。
【0040】
シアン酸エステル化合物(H)としては、例えば一般式(7)で表されるものが挙げられる。
【化6】
式(7)中、Ar
1は、ベンゼン環、ナフタレン環又は2つのベンゼン環が単結合したものを表す。複数ある場合は互いに同一であっても異なっていても良い。Raは各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜12のアリール基とが結合された基を示す。Raにおける芳香環は置換基を有していてもよく、Ar
1及びRaにおける置換基は任意の位置を選択できる。pはAr
1に結合するシアナト基の数を示し、各々独立に1〜3の整数である。qはAr
1に結合するRaの数を示し、Ar
1がベンゼン環の時は4−p、ナフタレン環の時は6−p、2つのベンゼン環が単結合したものの時は8−pである。tは平均繰り返し数を示し、0〜50の整数であり、他のシアン酸エステル化合物は、tが異なる化合物の混合物であってもよい。Xは、複数ある場合は各々独立に、単結合、炭素数1〜50の2価の有機基(水素原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。)、窒素数1〜10の2価の有機基(例えば−N−R−N−(ここでRは有機基を示す。))、カルボニル基(−CO−)、カルボキシ基(−C(=O)O−)、カルボニルジオキサイド基(−OC(=O)O−)、スルホニル基(−SO
2−)、2価の硫黄原子又は2価の酸素原子のいずれかを示す。
【0041】
一般式(7)のRaにおけるアルキル基は、直鎖もしくは分枝の鎖状構造、及び、環状構造(例えばシクロアルキル基等)いずれを有していてもよい。
また、一般式(7)におけるアルキル基及びRaにおけるアリール基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、又はシアノ基等で置換されていてもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、フェノキシフェニル基、エチルフェニル基、o−,m−又はp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、及びo−,m−又はp−トリル基等が挙げられる。更にアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、及びtert−ブトキシ基が挙げられる。
一般式(7)のXにおける炭素数1〜50の2価の有機基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチルシクロヘキシレン基、ビフェニルイルメチレン基、ジメチルメチレン−フェニレン−ジメチルメチレン基、フルオレンジイル基、及びフタリドジイル基等が挙げられる。該2価の有機基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、シアノ基等で置換されていてもよい。
一般式(7)のXにおける窒素数1〜10の2価の有機基としては、イミノ基、ポリイミド基等が挙げられる。
【0042】
また、一般式(7)中のXの有機基として、例えば、下記一般式(8)又は下記一般式(9)で表される構造であるものが挙げられる。
【化7】
式(8)中、Ar
2はベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基又はビフェニルテトライル基を示し、uが2以上の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。Rb、Rc、Rf、及びRgは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、トリフルオロメチル基、又はフェノール性ヒドロキシ基を少なくとも1個有するアリール基を示す。Rd及び、Reは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシル基、又はヒドロキシ基のいずれか一種から選択される。uは0〜5の整数を示す。
【化8】
式(9)中、Ar
3はベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基又はビフェニルテトライル基を示し、vが2以上の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。Ri、及びRjは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、又はシアナト基が少なくとも1個置換されたアリール基を示す。vは0〜5の整数を示すが、vが異なる化合物の混合物であってもよい。
【0043】
さらに、一般式(7)中のXとしては、下記式で表される2価の基が挙げられる。
【化9】
ここで式中、zは4〜7の整数を示す。Rkは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
一般式(8)のAr
2及び一般式(9)のAr
3の具体例としては、一般式(8)に示す2個の炭素原子、又は一般式(9)に示す2個の酸素原子が、1,4位又は1,3位に結合するベンゼンテトライル基、上記2個の炭素原子又は2個の酸素原子が4,4’位、2,4’位、2,2’位、2,3’位、3,3’位、又は3,4’位に結合するビフェニルテトライル基、及び、上記2個の炭素原子又は2個の酸素原子が、2,6位、1,5位、1,6位、1,8位、1,3位、1,4位、又は2,7位に結合するナフタレンテトライル基が挙げられる。
一般式(8)のRb、Rc、Rd、Re、Rf及びRg、並びに一般式(9)のRi、Rjにおけるアルキル基及びアリール基は、上記一般式(7)におけるものと同義である。
【0044】
上記一般式(7)で表されるシアナト置換芳香族化合物の具体例としては、シアナトベンゼン、1−シアナト−2−,1−シアナト−3−,又は1−シアナト−4−メチルベンゼン、1−シアナト−2−,1−シアナト−3−,又は1−シアナト−4−メトキシベンゼン、1−シアナト−2,3−,1−シアナト−2,4−,1−シアナト−2,5−,1−シアナト−2,6−,1−シアナト−3,4−又は1−シアナト−3,5−ジメチルベンゼン、シアナトエチルベンゼン、シアナトブチルベンゼン、シアナトオクチルベンゼン、シアナトノニルベンゼン、2−(4−シアナフェニル)−2−フェニルプロパン(4−α−クミルフェノールのシアネート)、1−シアナト−4−シクロヘキシルベンゼン、1−シアナト−4−ビニルベンゼン、1−シアナト−2−又は1−シアナト−3−クロロベンゼン、1−シアナト−2,6−ジクロロベンゼン、1−シアナト−2−メチル−3−クロロベンゼン、シアナトニトロベンゼン、1−シアナト−4−ニトロ−2−エチルベンゼン、1−シアナト−2−メトキシ−4−アリルベンゼン(オイゲノールのシアネート)、メチル(4−シアナトフェニル)スルフィド、1−シアナト−3−トリフルオロメチルベンゼン、4−シアナトビフェニル、1−シアナト−2−又は1−シアナト−4−アセチルベンゼン、4−シアナトベンズアルデヒド、4−シアナト安息香酸メチルエステル、4−シアナト安息香酸フェニルエステル、1−シアナト−4−アセトアミノベンゼン、4−シアナトベンゾフェノン、1−シアナト−2,6−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,2−ジシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナト−2−tert−ブチルベンゼン、1,4−ジシアナト−2,4−ジメチルベンゼン、1,4−ジシアナト−2,3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジシアナト−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3−ジシアナト−5−メチルベンゼン、1−シアナト又は2−シアナトナフタレン、1−シアナト4−メトキシナフタレン、2−シアナト−6−メチルナフタレン、2−シアナト−7−メトキシナフタレン、2,2’−ジシアナト−1,1’−ビナフチル、1,3−,1,4−,1,5−,1,6−,1,7−,2,3−,2,6−又は2,7−ジシアナトシナフタレン、2,2’−又は4,4’−ジシアナトビフェニル、4,4’−ジシアナトオクタフルオロビフェニル、2,4’−又は4,4’−ジシアナトジフェニルメタン、ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3−ジメチルブタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)オクタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルペンタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルペンタン、4,4−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,4−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2,4−トリメチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−シアナトフェニル)ビフェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−シアナト−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−シアナトフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−シアナトフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジクロロエチレン、1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4−[ビス(4−シアナトフェニル)メチル]ビフェニル、4,4−ジシアナトベンゾフェノン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−プロペン−1−オン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルフィド、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、4−シアナト安息香酸−4−シアナトフェニルエステル(4−シアナトフェニル−4−シアナトベンゾエート)、ビス−(4−シアナトフェニル)カーボネート、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(フェノールフタレインのシアネート)、3,3−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(o−クレゾールフタレインのシアネート)、9,9’−ビス(4−シアナトフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)フルオレン、トリス(4−シアナトフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1,3−トリス(4−シアナトフェニル)プロパン、α,α,α’−トリス(4−シアナトフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,1,2,2−テトラキス(4−シアナトフェニル)エタン、テトラキス(4−シアナトフェニル)メタン、2,4,6−トリス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−6−(N−メチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス(N−4−シアナト−2−メチルフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−3−シアナト−4−メチルフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−4−シアナトフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−4−シアナト−2−メチルフェニル)−4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタルイミド、トリス(3,5−ジメチル−4−シアナトベンジル)イソシアヌレート、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−(4−メチルフェニル)−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)フタルイミジン、1−メチル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)インドリン−2−オン、及び、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)インドリン−2−オンが挙げられる。また、上記一般式(1)で表される化合物の別の具体例としては、フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂(公知の方法により、フェノール、アルキル置換フェノール又はハロゲン置換フェノールと、ホルマリンやパラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物とを、酸性溶液中で反応させたもの)、トリスフェノールノボラック樹脂(ヒドロキシベンズアルデヒドとフェノールとを酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フルオレンノボラック樹脂(フルオレノン化合物と9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類とを酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂及びビフェニルアラルキル樹脂(公知の方法により、Ar
4−(CH
2Y)
2(Ar
4はフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示す。以下、この段落において同様。)で表されるようなビスハロゲノメチル化合物とフェノール化合物とを酸性触媒若しくは無触媒で反応させたもの、Ar
4−(CH
2OR)
2で表されるようなビス(アルコキシメチル)化合物とフェノール化合物とを酸性触媒の存在下に反応させたもの、又は、Ar
4−(CH
2OH)
2で表されるようなビス(ヒドロキシメチル)化合物とフェノール化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの、あるいは、芳香族アルデヒド化合物とアラルキル化合物とフェノール化合物とを重縮合させたもの)、フェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、キシレンホルムアルデヒド樹脂とフェノール化合物とを酸性触媒の存在下に反応させたもの)、変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、ナフタレンホルムアルデヒド樹脂とヒドロキシ置換芳香族化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フェノール変性ジシクロペンタジエン樹脂、ポリナフチレンエーテル構造を有するフェノール樹脂(公知の方法により、フェノール性ヒドロキシ基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシナフタレン化合物を、塩基性触媒の存在下に脱水縮合させたもの)等のフェノール樹脂を、上述と同様の方法によりシアネート化したもの等、並びにこれらのプレポリマー等が挙げられる。これらは、特に制限されるものではない。これらの他のシアン酸エステル化合物は、一種又は2種以上混合して用いることができる。
【0045】
この中でも、フェノールノボラック型シアン酸エステル化合物、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物、ナフチレンエーテル型シアン酸エステル化合物、キシレン樹脂型シアン酸エステル化合物、アダマンタン骨格型シアン酸エステル化合物が好ましく、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物が特に好ましい。
【0046】
これらのシアン酸エステル化合物を用いた樹脂硬化物は、ガラス転移温度、低熱膨張性、めっき密着性等に優れた特性を有する。
【0047】
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物には、所期の特性が損なわれない範囲において、これまでに挙げられていない熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそのオリゴマー、エラストマー類等の種々の高分子化合物;これまでに挙げられていない難燃性の化合物;添加材等の併用も可能である。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、難燃性の化合物では、メラミンやベンゾグアナミン等の窒素含有化合物、オキサジン環含有化合物、及びリン系化合物のホスフェート化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等が挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、表面調整剤、光沢剤、重合禁止剤等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を適宜混合して使用することも可能である。
また、充填材の分散性、樹脂と充填材の接着強度を向上させるために、シランカップリング剤及び/又は湿潤分散剤を併用することも可能である。これらのシランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系;γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン系;N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等のカチオニックシラン系;フェニルシラン系のシランカップリング剤が挙げられ、一種又は二種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
湿潤分散剤としては、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、例えば、ビッグケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK−110、111、118、180、161、BYK−W996、W9010、W903等の湿潤分散剤が挙げられる。これらは一種又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
さらに、所期の特性が損なわれない範囲において、熱硬化促進剤を併用することも可能である。熱硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチル−ジ−パーフタレート等で例示される有機過酸化物;アゾビスニトリル等のアゾ化合物;N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、2−N−エチルアニリノエタノール、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルピペリジンなどの第3級アミン類;フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコールなどのフェノール類;ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オレイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄などの有機金属塩;これら有機金属塩をフェノール、ビスフェノールなどの水酸基含有化合物に溶解してなるもの;塩化錫、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの無機金属塩;ジオクチル錫オキサイド、その他のアルキル錫、アルキル錫オキサイドなどの有機錫化合物などが挙げられる。これらは一種又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0048】
本実施形態の樹脂組成物には、必要に応じて溶剤を含有していてもよい。例えば、有機溶剤を用いると、樹脂組成物の調製時における粘度を調整することができる。溶剤の種類は、樹脂組成物中の樹脂の一部又は全部を溶解可能なものであれば、特に限定されない。その具体例としては、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブ等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;プロピレングリコールモノメチルエーテル及びそのアセテートが挙げられる。これらは一種又は二種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0049】
本実施形態の樹脂組成物は、例えばエポキシ樹脂(A)、イミダゾール化合物(b1)とカルボン酸無水物の(b2)の塩(B)、式(1)で表される化合物(C)、光開始剤(D)、マレイミド化合物(E)、(C)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(F)、充填材(G)及びシアン酸エステル化合物(H)を混合することにより調製される。本実施形態の樹脂組成物は、後述する本発明の樹脂シートを作成する際のワニスとして、好適に使用することができる。
【0050】
樹脂組成物の製造時には、必要に応じて各成分を均一に溶解又は分散させるための公知の処理(撹拌、混合、混練処理等)を行うことができる。上記の撹拌、混合、混練処理は、例えば、超音波ホモジナイザー等の分散を目的とした撹拌装置、三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混合を目的とした装置、又は、公転又は自転型の混合装置等の公知の装置を用いて適宜行うことができる。
【0051】
本実施形態の樹脂組成物は、絶縁性の樹脂組成物が必要とされる用途に使用することができ、特に限定されないが、感光性フィルム、支持体付き感光性フィルム、プリプレグ等の絶縁樹脂シート、回路基板(積層板用途、プリント配線板用途等)、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等の用途に使用することができる。なかでも、プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物やソルダーレジストとして好適に使用することができる。
【0052】
<樹脂シート>
本実施形態の樹脂シートは、支持体と、該支持体の表面に形成され、本実施形態の樹脂組成物を含む樹脂組成物層とを備える、上述の樹脂組成物を支持体の片面又は両面に塗布した支持体付き樹脂シートである。樹脂シートは、樹脂組成物を支持体上に塗布、及び乾燥して製造することができる。
【0053】
本実施形態の樹脂シートにおいて使用される支持体は、特に限定されないが、公知のものを使用することができ、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、トリアセチルアセテートフィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。その中でもPETフィルムが好ましい。
【0054】
上記樹脂フィルムは、樹脂組成物層からの剥離を容易にするため、剥離剤を表面に塗布してあるものが好適に使用できる。樹脂フィルムの厚さは、5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲であることがより好ましい。この厚さが5μm未満では、現像前に行う支持体剥離の際に支持体が破れやすくなる傾向があり、厚さが100μmを超えると、支持体上から露光する際の解像度が低下する傾向がある。
【0055】
また、紫外線等の活性エネルギー線による露光時の光の散乱を低減するため、樹脂フィルムは透明性に優れるものが好ましい。
【0056】
さらに、本実施形態における樹脂シートにおいて、その樹脂組成物層は、保護フィルムで保護されていてもよい。
樹脂組成物層側を保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。保護フィルムとしては上記の樹脂フィルムと同様の材料により構成されたフィルムを用いることができる。保護フィルムの厚さは特に限定されないが、1μm〜50μmの範囲であることが好ましく、5μm〜40μmの範囲であることがより好ましい。厚さが1μm未満では、保護フィルムの取り扱い性が低下する傾向があり、50μmを超えると廉価性に劣る傾向がある。なお、保護フィルムは、樹脂組成物層と支持体との接着力に対して、樹脂組成物層と保護フィルムとの接着力の方が小さいものが好ましい。
【0057】
本実施形態の樹脂シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、本実施形態の樹脂組成物をPETフィルムなどの支持体に塗布して有機溶剤を乾燥により除去することにより、樹脂シートを製造する方法などが挙げられる。
上記塗布は、例えば、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、バーコーター、リップコーター、ナイフコーター、スクイズコーター等を用いた公知の方法で行うことができる。上記乾燥は、例えば、60〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる方法などにより行うことができる。
樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、樹脂組成物層の総質量に対して5質量%以下とすることが好ましい。支持体に対する樹脂組成物層の厚みは、取り扱い性を向上させるという観点から、樹脂シートの樹脂組成物層厚で1.0μm以上とすることが好ましい。また、透過率を向上させて現像性を良好にするという観点から、300μm以下とすることが好ましい。
【0058】
本実施形態の樹脂シートは、特に限定されないが、感光性フィルム、支持体付き感光性フィルム、プリプレグ等の絶縁樹脂シート、回路基板(積層板用途、プリント配線板用途等)、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等の用途に使用することができる。なかでも、プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物やソルダーレジストとして好適に使用することができる。
【0059】
<プリント配線板>
本実施形態のプリント配線板は、本実施形態の樹脂組成物を含む層間絶縁層を備え、例えば、上述の樹脂シートを1枚以上重ねて硬化して得ることもできる。具体的には以下の方法により製造することができる。
【0060】
(ラミネート工程)
本実施形態の樹脂シートの樹脂組成物層側を、真空ラミネーターを用いて回路基板の片面又は両面にラミネートする。回路基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、セラミック基板、シリコン基板、半導体封止樹脂基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された基板をいう。また、導体層と絶縁層とを交互に積層してなるプリント配線板において、該プリント配線板の最外層の片面又は両面がパターン加工された導体層(回路)となっている基板も、ここでいう回路基板に含まれる。なお導体層表面には、黒化処理、銅エッチング等により予め粗化処理が施されていてもよい。ラミネート工程において、樹脂シートが保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを剥離除去した後、必要に応じて樹脂シート及び回路基板をプレヒートし、樹脂組成物層を加圧及び加熱しながら回路基板に圧着する。本実施形態の樹脂シートにおいては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。
【0061】
ラミネート工程の条件は、特に限定されるものではないが、例えば、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは50℃〜140℃とし、圧着圧力を好ましくは1kgf/cm2〜15kgf/cm2、圧着時間を好ましくは5秒間〜300秒間とし、空気圧を20mmHg以下とする減圧下でラミネートするのが好ましい。また、ラミネート工程は、バッチ式であってもロールを用いる連続式であってもよい。真空ラミネート法は、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター等を挙げることができる。
【0062】
(露光工程)
ラミネート工程により、回路基板上に樹脂シートが設けられた後、樹脂組成物層の所定部分に活性エネルギー線を照射し、照射部の樹脂組成物層を硬化させる露光工程を行う。活性エネルギー線の照射は、マスクパターンを通してもよいし、直接活性エネルギー線を照射する直接描画法を用いてもよい。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、特に紫外線が好ましい。紫外線の照射量はおおむね10mJ/cm
2〜1000mJ/cm
2である。マスクパターンを通す露光方法にはマスクパターンをプリント配線板に密着させて行う接触露光法と、密着させずに平行光線を使用して露光する非接触露光法とがあるが、どちらを用いてもかまわない。また、樹脂組成物層上に支持体が存在している場合は、支持体上から露光してもよいし、支持体を剥離後に露光してもよい。
【0063】
(現像工程)
露光工程後、樹脂組成物層上に支持体が存在している場合にはその支持体を除去した後、ウエット現像で、光硬化されていない部分(未露光部)を除去して現像することにより、絶縁層のパターンを形成することができる。
【0064】
上記ウエット現像の場合、現像液としては、未露光部分を選択的に溶出するものであれば、特に限定されるものではないが、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液が用いられる。本実施形態においては、特にアルカリ性水溶液による現像工程が好ましい。これらの現像液は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、現像方法としては、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法で行うことができる。
【0065】
現像液として使用されるアルカリ水溶液は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、4−ホウ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
【0066】
上記アルカリ水溶液の濃度は、現像液全量に対して0.1質量%〜60質量%であることが好ましい。また、アルカリ水溶液の温度は、現像性にあわせて調節することができる。さらに、これらのアルカリ水溶液は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0067】
本実施形態のパターン形成においては、必要に応じて、上記した2種類以上の現像方法を併用して用いてもよい。現像の方式には、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、高圧スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには好適である。スプレー方式を採用する場合のスプレー圧としては、0.02MPa〜0.5MPaが好ましい。
【0068】
(ポストベーク工程)
上記現像工程終了後、ポストベーク工程を行い、絶縁層(硬化物)を形成する。ポストベーク工程としては、高圧水銀ランプによる紫外線照射工程やクリーンオーブンを用いた加熱工程等が挙げられ、これらを併用することも可能である。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.05J/cm
2〜10J/cm
2程度の照射量で照射を行うことができる。また加熱の条件は、樹脂組成物中の樹脂成分の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150℃〜220℃で20分間〜180分間の範囲、より好ましくは160℃〜200℃で30分間〜150分間の範囲で選択される。
【0069】
(めっき工程)
次に、乾式めっき又は湿式めっきにより絶縁層表面に導体層を形成する。乾式めっきとしては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法を使用することができる。蒸着法(真空蒸着法)は、例えば、支持体を真空容器内に入れ、金属を加熱蒸発させることにより絶縁層上に金属膜形成を行うことができる。スパッタリング法も、例えば、支持体を真空容器内に入れ、アルゴン等の不活性ガスを導入し、直流電圧を印加して、イオン化した不活性ガスをターゲット金属に衝突させ、叩き出された金属により絶縁層上に金属膜形成を行うことができる。
【0070】
湿式めっきの場合は、形成された絶縁層の表面に対して、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理及び中和液による中和処理をこの順に行うことによって絶縁層表面を粗化する。膨潤液による膨潤処理は、絶縁層を50℃〜80℃で1分間〜20分間膨潤液に浸漬させることで行われる。膨潤液としてはアルカリ溶液が挙げられ、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が挙げられる。市販されている膨潤液としては、例えば、上村工業(株)製のアップデスMDS−37等を挙げることができる。
酸化剤による粗化処理は、絶縁層を60℃〜80℃で5分間〜30分間酸化剤溶液に浸漬させることで行われる。酸化剤としては、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等を挙げることができる。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%とするのが好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、上村工業(株)製アップデスMDE−40、アップデスELC−SH等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。中和液による中和処理は、30℃〜50℃で1分間〜10分間中和液に浸漬させることで行われる。中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、上村工業(株)製のアップデスMDN−62が挙げられる。
【0071】
次いで、無電解めっきと電解めっきとを組み合わせて導体層を形成する。また導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解めっきのみで導体層を形成することもできる。その後のパターン形成の方法として、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。
【0072】
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、本実施形態の樹脂組成物を含む層間絶縁層を備え、具体的には以下の方法により製造することができる。本実施形態のプリント配線板の導通箇所に、半導体チップを実装することにより半導体装置を製造することができる。ここで、導通箇所とは、プリント配線板における電気信号を伝える箇所のことであって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
【0073】
本実施形態の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえずれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、などが挙げられる。
【0074】
また、本実施形態の樹脂シートを半導体チップにラミネートすることによっても、半導体装置を製造することができる。ラミネート後は前述のプリント配線板と同様の方法を用いて製造することができる。
【実施例】
【0075】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0076】
合成例1
シアン酸エステル化合物の合成
1−ナフトールアラルキル樹脂(新日鉄住金化学株式会社製)300g(OH基換算1.28mol)及びトリエチルアミン194.6g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)をジクロロメタン1800gに溶解させ、これを溶液1とした。
塩化シアン125.9g(2.05mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.6mol)、ジクロロメタン293.8g、36%塩酸194.5g(1.92mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.5モル)、水1205.9gを、撹拌下、液温−2〜−0.5℃に保ちながら、溶液1を30分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン65g(0.64mol)(ヒドロキシ基1molに対して0.5mol)をジクロロメタン65gに溶解させた溶液(溶液2)を10分かけて注下した。溶液2注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を水1300gで5回洗浄した。水洗5回目の廃水の電気伝導度は5μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物(SNCN)(橙色粘性物)を331g得た。得られたSNCNの質量平均分子量Mwは600であった。また、SNCNのIRスペクトルは2250cm
−1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。
【0077】
実施例1
樹脂組成物及び樹脂シートの作成
エポキシ樹脂(A)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ(NC3000L、日本化薬(株)製)23.2質量部、イミダゾール化合物(b1)として、2−エチル−4メチルイミダゾール(2E4MZ、四国化成(株)製)0.32質量部と、カルボン酸無水物(b2)として、カルボン酸無水物(無水コハク酸、四国化成工業(株)製)0.29質量部を予め混合し80℃で30分間加熱を行い得た塩(B)、化合物(C)として、式(1)で表されるTrisP−PAエポキシアクリレート化合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PMAと略す場合がある。)溶液(ZCR−6001H、不揮発分65質量%、酸価:97.8mgKOH/g、日本化薬(株)製)12.3質量部(不揮発分換算で8.0質量部)及びTrisP−PAエポキシアクリレート化合物のPMA溶液(ZCR−6002H、不揮発分65質量%、酸価:60.3mgKOH/g、日本化薬(株)製)36.8質量部(不揮発性分換算で23.9質量部)、光硬化開始剤(D)として、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリフォリノフェニル)−ブタノン−1(Irgacure369、BASFジャパン(株)製)2.1質量部、マレイミド化合物(E)として、マレイミド化合物(BMI−2300、大和化成工業(株)製)3.2質量部、(C)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(F)として、ジペンタエリストリールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)17.0質量部、充填材(G)としてエポキシシラン処理シリカのメチルエチルケトン(以下MEKと略す場合がある。)スラリー(SC1050MLE、平均粒径0.3μm、不揮発分60質量%、(株)アドマテックス)製)50質量部、シアン酸エステル化合物(H)として合成例1で得られたSNCN0.5質量部を配合し、超音波ホモジナイザーで撹拌してワニス(樹脂組成物の溶液)を得た。これらのワニスを厚さ38μmのPETフィルム(ユニピールTR1−38、ユニチカ(株)製、商品名)上に塗布し、80℃で7分間乾燥して、PETフィルムを支持体とし樹脂組成物層の厚さが30μmである樹脂シートを得た。
【化10】
(式(1)中、複数のR
1は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、複数のR
2は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、複数のR
3は、各々独立に式(2)で表される置換基、式(3)で表される置換基又はヒドロキシ基を表す。)
【化11】
【化12】
(式(3)中、R
4は水素原子又はメチル基を表す。)
内層回路基板の作成
内層回路を形成したガラス布基材BT樹脂両面銅張積層板(銅箔厚さ18μm、厚み0.2mm、三菱ガス化学(株)製CCL−HL832NS)の両面をメック(株)製CZ8100にて同表面の粗化処理を行い内層回路基板を得た。
評価用積層体の作製
前記樹脂シートの樹脂面を内層回路基板上に配置し、真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製)を用いて、30秒間真空引き(5.0MPa以下)を行った後、圧力10kgf/cm
2、温度70℃で30秒間の積層成形を行った。さらに圧力10kgf/cm
2、温度70℃で60秒間の積層成形を行うことで内層回路基板と樹脂組成物層が積層された積層体を得た。得られた積層体に200mJ/cm
2の紫外線を照射し、1wt%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、評価用積層体とした。
評価用硬化物の作製
前記樹脂シートに200mJ/cm
2の紫外線を照射し、さらに180℃、120分間加熱処理して評価用硬化物とした。
【0078】
比較例1
化合物(B)の代わりにイミダゾール化合物(b1)として2−エチル−4メチルイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.32質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてワニスを調製し、樹脂シート、評価用積層体、評価用硬化物を得た。
【0079】
比較例2
化合物(B)を用いなかったこと以外は実施例と同様にしてワニスを調製し、樹脂シート、評価用積層体、評価用硬化物を得た。
【0080】
比較例3
化合物(B)の代わりにカルボン酸無水物(b2)としてカルボン酸無水物(無水コハク酸、四国化成工業(株)製)0.28質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてワニスを調製し、樹脂シート、評価用積層体、評価用硬化物を得た。
【0081】
比較例4
化合物(B)の代わりにカルボン酸無水物(b2)としてカルボン酸無水物(無水コハク酸、四国化成工業(株)製)1.78質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてワニスを調製し、樹脂シート、評価用積層体、評価用硬化物を得た。
【0082】
樹脂シート、評価用積層及び評価用硬化物の特性を以下の方法により測定した。
<耐熱性(ガラス転移温度)>
評価用硬化物をDMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMAQ800)を用いて10℃/分で昇温し、LossModulusのピーク位置をガラス転移温度(Tg)とした。
<現像性>
評価用積層体の現像面を目視で観察した後、SEMにて観察(倍率1000倍)し、残渣の有無を下記基準で評価した。
○:30mm角の範囲に現像残渣はなく、現像性が優れている。
×:30mm角の範囲に現像残渣があり、現像性が劣っている。
【0083】
【表1】
【0084】
表1から明らかなように、実施例1、比較例1は比較例2〜4と比較して耐熱性(Tg)が高い。実施例1は8日後まで良好な現像性を示すのに対して、比較例1は8日後現像性を示さない。したがって、本発明によれば、耐熱性、および数日間の現像性に優れた樹脂組成物、支持体、プリント配線板および半導体装置が得られる。