特許第6836747号(P6836747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000002
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000003
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000004
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000005
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000006
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000007
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000008
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000009
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000010
  • 特許6836747-搬送仕分け装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836747
(24)【登録日】2021年2月10日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】搬送仕分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/46 20060101AFI20210222BHJP
   B65G 43/08 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   B65G47/46 A
   B65G43/08 Z
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-86872(P2018-86872)
(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公開番号】特開2019-189431(P2019-189431A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2020年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】藤尾 義彦
【審査官】 松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−501770(JP,A)
【文献】 特開平05−155420(JP,A)
【文献】 特開2007−269478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/32−47/52,47/56−47/78
B65G 43/00−43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニットは、水平搬送姿勢と、被搬送物を前記搬送方向に対し横方向へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、前記搬送方向と平行な支軸の周りで左右揺動可能に架台上に支持されている搬送仕分け装置において、
前記搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット間の隙間を上下方向に通る光線を介して前記傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物を検出する反射式光電センサーが配設され、この反射式光電センサーは、前記架台に支持され且つ前記支軸の周囲位置に配設された支持部材に取り付けられ、前記支軸は、前記搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット間の位置で軸継ぎ手により接続された接続部を有し、この接続部には、前記軸継ぎ手の両側で各支軸端部を支承する一対の軸受けと、前記架台上に設置され且つ前記一対の軸受けを支持する軸受け支持台が設けられ、この接続部のある前記傾動コンベヤユニット間の位置において配設される前記反射式光電センサーは、前記軸継ぎ手を跨ぐ門形板材から構成された前記支持部材に取り付けられ、当該門形板材の両脚部が前記軸受け支持台上に取り付けられている、搬送仕分け装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記支軸を跨ぐ門形板材から構成され、この門形板材の両脚部が、前記支軸の下側に位置するように前記架台上に設置された支持台上に取り付けられている、請求項1に記載の搬送仕分け装置。
【請求項3】
前記反射式光電センサーは、側面視において前記支軸より上側に配設されている、請求項1又は2に記載の搬送仕分け装置。
【請求項4】
搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニットは、水平搬送姿勢と、被搬送物を前記搬送方向に対し横方向へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、前記搬送方向と平行な支軸の周りで左右揺動可能に架台上に支持されている搬送仕分け装置において、
前記搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット間の隙間を上下方向に通る光線を介して前記傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物を検出する反射式光電センサーが配設され、この反射式光電センサーは、前記架台に支持され且つ前記支軸の周囲位置に配設された支持部材に取り付けられ、前記反射式光電センサーは、その光線の投射方向が鉛直方向に対して、前記傾動コンベヤユニットの前記傾斜姿勢への傾動方向側に傾斜するように取り付けられ、その傾斜角度は、前記傾動コンベヤユニットが水平姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット間を乗り移る被搬送物と、前記傾動コンベヤユニットが前記傾斜姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット間を乗り移る被搬送物の何れもを検出し得る角度に設定されている、搬送仕分け装置。
【請求項5】
搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニットは、水平搬送姿勢と、被搬送物を前記搬送方向に対し横方向へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、前記搬送方向と平行な支軸の周りで左右揺動可能に架台上に支持されている搬送仕分け装置において、
前記搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット間の隙間を上下方向に通る光線を介して前記傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物を検出する反射式光電センサーが配設され、前記反射式光電センサーは、その光線の投射方向が鉛直方向に対して、前記傾動コンベヤユニットの前記傾斜姿勢への傾動方向側に傾斜するように取り付けられ、その傾斜角度は、前記傾動コンベヤユニットが水平姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット間を乗り移る被搬送物と、前記傾動コンベヤユニットが前記傾斜姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット間を乗り移る被搬送物の何れもを検出し得る角度に設定されている、搬送仕分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物の搬送経路上に設定された仕分け領域において、被搬送物を横方向へ重力で滑動させて仕分けることの出来る搬送仕分け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような搬送仕分け装置としては、特許文献1に記載されるように、搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニットは、水平搬送姿勢と、被搬送物を前記搬送方向に対し横方向へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、前記搬送方向と平行な支軸の周りで左右揺動可能に架台上に支持されている搬送仕分け装置が知られている。
【0003】
このような搬送仕分け装置において、被搬送物のサイズや形状が一定しないときは、当該被搬送物が載置される一定サイズのトレイを併用し、仕分け時には、このトレイに載置されている被搬送物のみをトレイ上で横方向に滑動落下させ、トレイはそのまま下手側へ搬送させることが行われている。そして仕分け動作は、搬送効率を低下させないために、各傾動コンベヤユニットによるトレイの搬送を継続させたまま、トレイを支持搬送している傾動コンベヤユニットを傾斜させて行うことになる。このように搬送仕分け装置を使用する場合、トレイの搬送ピッチを小さくして搬送効率を高めるために、トレイの長さに対して各傾動コンベヤユニットの搬送方向の長さを十分に短くして、1つのトレイを複数の傾動コンベヤユニットによって支持されるように構成し、被搬送物を載置している傾斜実トレイ支持搬送エリアから下手側に外れた傾動コンベヤユニットは、直ちに元の水平姿勢に復帰させて後続の実トレイの受け入れ態勢(水平姿勢)に戻し、仕分け後、空になったトレイを仕分け動作時の傾斜姿勢のまま支持搬送している傾斜空トレイ支持搬送エリアより上手側の傾動コンベヤユニットは、先行する空トレイ支持搬送エリアから下手側に外れた傾動コンベヤユニットから順次傾斜姿勢に切り換えて、傾斜空トレイ支持搬送エリアに接続させ、当該傾斜空トレイ支持搬送エリアの空になったトレイより上手側に、当該トレイが水平姿勢に復帰するまでに要するトレイ搬送経路長さが確保された時点で、当該傾斜空トレイ支持搬送エリア内の全ての傾動コンベヤユニットを一挙に水平姿勢に復帰させるように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2015−501770
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように傾動コンベヤユニットを制御することによって、前記仕分けエリア内でのトレイの搬送速度を傾動コンベヤユニットの傾斜姿勢から水平姿勢への切り換えや、傾動コンベヤユニットの水平姿勢から傾斜姿勢への切り換えは、その姿勢切換え対象の傾動コンベヤユニットとこれに隣接する姿勢切換え対象でない傾動コンベヤユニットとの間に実トレイ又は空トレイが跨るよう位置していないタイミングで行わなければならない。このため、搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットから成る仕分けエリア内におけるトレイの現在位置を正確にチェックする必要があるが、このための手段としては、前記仕分けエリア内で搬送されているトレイの位置を各種センサーによって検出する構成が一般的に考えられるが、上記のような構成の搬送仕分け装置における搬送中のトレイの位置検出手段として好適な構成は、当業界において開示されていないのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような課題の解決に好適な搬送仕分け装置を提案するものであって、本発明に係る搬送仕分け装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニット(10,11)は、水平搬送姿勢と、被搬送物を前記搬送方向に対し横方向へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、前記搬送方向と平行な支軸(7)の周りで左右揺動可能に架台(16)上に支持されている搬送仕分け装置において、前記搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット(10,11)間の隙間を上下方向に通る光線を介して前記傾動コンベヤユニット(10,11)間を通過する被搬送物(トレイT)を検出する反射式光電センサー(32,33)が配設され、この反射式光電センサー(32,33)は、前記架台(16)に支持され且つ前記支軸(7)の周囲位置に配設された支持部材(34,35)に取り付けられ、前記支軸(7)は、前記搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット(10,11)間の位置で軸継ぎ手(18)により接続された接続部を有し、この接続部には、前記軸継ぎ手(18)の両側で各支軸(7)端部を支承する一対の軸受け(5,6)と、前記架台(16)上に設置され且つ前記一対の軸受け(5,6)を支持する軸受け支持台(17a)が設けられ、この接続部のある前記傾動コンベヤユニット(10,11)間の位置において配設される前記反射式光電センサー(32,33)は、前記軸継ぎ手(18)を跨ぐ門形板材(35a)から構成された前記支持部材(35)に取り付けられ、当該門形板材(35a)の両脚部が前記軸受け支持台(17a)上に取り付けられた構成になっている。
【発明の効果】
【0007】
上記本発明の構成によれば、複数の傾動コンベヤユニットを備えた仕分けエリア内で搬送されている被搬送物(例えばトレイ)の位置を、隣接する傾動コンベヤユニット間の各隙間に対応する光電センサーの内、被搬送物検出ONの状態の光電センサーから検出することが出来る。即ち、1つの傾動コンベヤユニットの長さ(搬送方向の巾)を被搬送物の長さよりも短くして、常に1つ又は複数の光電センサーが被搬送物検出ONの状態となるように構成しておけば、被搬送物検出ONの状態の光電センサーの内、搬送方向前端の光電センサー位置から当該光電センサー位置の前方側に隣接する傾動コンベヤユニットの搬送方向巾内に被搬送物の前端があり且つ被搬送物検出ONの状態の光電センサーの内、搬送方向後端の光電センサー位置から当該光電センサー位置の後方側に隣接する傾動コンベヤユニットの搬送方向巾内に被搬送物の後端があることになるから、被搬送物に対して後方側の傾動コンベヤユニットの姿勢切り換えに関しては、被搬送物検出ONの状態の光電センサーの内、搬送方向後端の光電センサーがONからOFFに切り換わった時点で、当該光電センサー位置より搬送方向後方に隣接する傾動コンベヤユニットを直ちに姿勢切り換えすることが出来る。そして、被搬送物に対して前方側の傾動コンベヤユニットの姿勢切り換えに関しては、被搬送物検出ONの状態の光電センサーの内、搬送方向前端の光電センサー位置より前方側の、被搬送物の搬送速度を考慮して設定された複数の傾動コンベヤユニットの姿勢を、被搬送物支持搬送中の傾動コンベヤユニットの姿勢と同一姿勢に維持するように、制御することが出来る。
【0008】
上記のように、搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット間の隙間に対応して設けられた光電センサーのON/OFF状態から、仕分けエリア内の被搬送物の位置を検出して、各傾動コンベヤユニットの姿勢切換え制御を行うことが出来るのであるが、本発明の構成では、前記光電センサーが、搬送方向に隣り合う前記傾動コンベヤユニット間の隙間を上下方向に通る可視光線や赤外線などを介して前記傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物を検出する反射式光電センサーであって且つ、傾動コンベヤユニットの傾動中心である前記支軸の周囲位置に配設される光電センサーであるから、傾動コンベヤユニットの姿勢が水平姿勢と傾斜姿勢の何れにあっても、当該傾動コンベヤユニット上の被搬送物に対して最も近い位置から当該被搬送物を検出することが出来、しかも被搬送物検出時に、被搬送物の表面の検出結果と被搬送物以外の物体、例えば傾動コンベヤユニットの表面の検出結果とを比較して被搬送物の検出か否かを判定する必要がないので、仕分けエリア内での被搬送物の検出を極めて正確確実に行える。
【0009】
即ち、反射式光電センサーであるから、投射された光線が被搬送物の底面によって反射し、この反射光線を受信することにより、被搬送物検出ON状態になるのであるが、水平姿勢にある傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物の底面は水平状態であり、傾斜姿勢にある傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物の底面は傾斜しているので、何れの場合も、一定位置の光電センサーから投射されて被搬送物の底面から反射して戻ってくる光線を当該一定位置の光電センサーで受信出来るように構成しなければならない。このような場合に、光電センサーと被搬送物の底面との間の距離が上記のように短くなる本発明の構成は非常に有利であり、水平姿勢にある傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物検出用の光電センサーと、傾斜姿勢にある傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物検出用の光電センサーの2つを並設しなくとも、そして又、反射光線の受信エリアを特別に広くした特殊な光電センサーを使用しなくとも、一般に流通している光電センサーを利用して簡単容易に実施することが出来る。
【0010】
上記本発明を実施する場合、前記支持部材(34)は、前記支軸(7)を跨ぐ門形板材(34a)から構成し、この門形板材(34a)の両脚部を、前記支軸(7)の下側に位置するように前記架台(16)上に設置された支持台(36)上に取り付けることが出来る。この構成によれば、反射式光電センサーを前記支軸の周囲任意の場所に取り付けることが出来、しかも門形板材から成る前記支持部材にも十分な強度を持たせることが出来る。
【0011】
前記反射式光電センサー(32,33)は、側面視において前記支軸(7)より上側に配設すれば、前記反射式光電センサーと被検出対象の被搬送物の底面との間の距離をさらに短縮出来る。又、前記反射式光電センサー(32,33)は、その光線の投射方向が、鉛直方向に対して前記傾動コンベヤユニット(10,11)の前記傾斜姿勢への傾動方向側に傾斜するように、取り付けることが出来る。この場合、その傾斜角度は、前記傾動コンベヤユニットが水平姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット間を乗り移る被搬送物と、前記傾動コンベヤユニットが前記傾斜姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット間を乗り移る被搬送物の何れをも検出し得る角度に設定することになる。具体的は、例えば傾動コンベヤユニットが、前記支軸の軸心を通る鉛直線に対して左(又は右)方向に例えば45度傾斜する場合、前記反射式光電センサーの光線投射方向が、傾動コンベヤユニットの傾斜角度の半分の22.5度だけ同一方向に傾斜するように構成すれば、傾動コンベヤユニットが水平姿勢にあるときは、被搬送物の水平底面からの光線反射領域の例えば右端側で反射光線を定位置の反射式光電センサーで受信させ、傾動コンベヤユニットが傾斜姿勢にあるときは、被搬送物の傾斜底面からの光線反射領域の例えば左端側で反射光線を定位置の反射式光電センサーで受信させることが出来る。即ち、被搬送物の底面からの光線反射領域の全域を活用して、傾動コンベヤユニットが水平姿勢と傾斜姿勢の何れにあるときも、傾動コンベヤユニット間を通過する被搬送物を定位置の反射式光電センサーで確実に検出させることが出来る。
【0012】
尚、仕分けエリアの左右何れ側にも被搬送物を仕分けることが出来るように、傾動コンベヤユニットが左右何れ側にも傾動可能に構成されているときは、左側への傾斜姿勢に対応する光電センサーと右側への傾斜姿勢に対応する光電センサーとを、前記支軸に対して左右振り分け状に並設することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1Aは、搬送仕分け装置の一部省略側面図、図1Bは、同平面図である。
図2図2は、搬送仕分け装置の出口側領域を示す要部の一部縦断側面図である。
図3図3は、図2の各傾動コンベヤユニットを取り外した状態を示す平面図である。
図4図4は、傾動コンベヤユニットが備える左右一対のベルトコンベヤの駆動系を示す要部の縦断正面図(搬送方向の下手側から見た図)である。
図5図5は、傾動コンベヤユニットを傾動させるための駆動系を示す要部の縦断正面図である。
図6図6は、搬送仕分け装置の仕分け動作時の状態を説明する正面図である。
図7図7は、搬送仕分け装置の左側への仕分け動作時の状態を説明する概略側面図である。
図8図8は、被搬送物を積載するトレイの現在位置検出手段を説明する要部の背面図(搬送方向の上手側から見た図)である。
図9図9Aは、傾動コンベヤユニットが水平姿勢にあるときの反射式光電センサーの検出動作状況を説明する要部の背面図、図9Bは、傾動コンベヤユニットが傾斜姿勢にあるときの反射式光電センサーの検出動作状況を説明する要部の背面図である。
図10図10は、傾動コンベヤユニットの姿勢検出手段を説明する要部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1A及び図1Bに示すように、この実施例に示す搬送仕分け装置は、被搬送物を積載したトレイを搬送する搬送経路上に設定された1つの仕分けエリアに配設されたもので、5つの組立体1A〜1Eから構成され、入り口側端部の組立体1Aには搬入用コンベヤ2が接続され、出口側端部の組立体1Eには搬出用コンベヤ3が接続されるが、図では、中央の1つの組立体1Cが省略されている。
【0015】
各組立体1A〜1Eは同一構造のものであって、図2図6に基づいて説明すると、各組立体1A〜1Eは、被搬送物の搬送方向一対の軸受け5,6によって両端が自転可能に支持されて、搬送仕分け装置の搬送方向と平行で且つ搬送仕分け装置の左右巾方向の中央位置に水平に位置する支軸7、この支軸7にそれぞれ前後一対の軸受け8a,8b及び9a,9bによって支持された前後一対の傾動コンベヤユニット10,11、及び各傾動コンベヤユニット10,11を各別に水平搬送姿勢と傾斜姿勢とに切り換える2台の傾動用モーター12,13から構成されている。各組立体1A〜1Eの前後一対の軸受け5,6の内、搬送仕分け装置の搬送方向両端に位置する軸受け5,6は、それぞれ1つの柱状支持部材14,15によって架台16上に支持され、隣接する2つの組立体間で隣接する2つの軸受け5,6は、共通の柱状支持部材17上に1つの軸受け支持台17aを介して架台16上に支持されている。
【0016】
組立体1A〜1Eの隣接する2つの組立体間では、支軸7の端部どうしが軸継ぎ手18によって同心状に連動連結されて、搬送仕分け装置の全長にわたって連続する1本の連動伝動軸19が構成され、搬送仕分け装置の出口側端部に位置する組立体1Eの支軸7の遊端には、当該組立体1Eの外側で架台16に支持された1台のコンベヤ駆動用モーター20が、上下方向の巻掛け伝動手段21によって連動連結されている。
【0017】
各傾動コンベヤユニット10,11は同一構造のものであって、平面視が横長矩形の躯体22、この躯体22に設けられた左右一対の被搬送物搬送用のベルトコンベヤ23a,23b、及び躯体22の左右両端に付設されたサイドガイド24a,24bから構成されている。各ベルトコンベヤ23a,23bは、その前端側で左右横方向に互いに同心状に直列する駆動軸25a,25bを備え、この両駆動軸25a,25bが、躯体22上に設置された1つの伝動ギヤボックス26から後方に延出する共通駆動軸27に連動連結され、この共通駆動軸27が、巻掛け伝動手段28を介して前記支軸7に連動連結されている。
【0018】
上記構成により、搬送仕分け装置の出口側に設置された1台のコンベヤ駆動用モーター20を稼働させることにより、連動伝動軸19(各組立体1A〜1Eの支軸7)から巻掛け伝動手段28とギヤボックス26を介して、全ての組立体1A〜1Eの前後一対の傾動コンベヤユニット10,11が備える左右一対のベルトコンベヤ23a,23bを、これらベルトコンベヤ23a,23b上で支持されるトレイTが搬送仕分け装置の入り口側から出口側へ所定の速度で搬送されるように、回転駆動させることが出来る。このときのトレイTは、その左右両側辺が各傾動コンベヤユニット10,11の左右両側辺に立設されているサイドガイド24a,24bによって搬送経路が規制される。これらサイドガイド24a,24bには、トレイTの左右両側面に当接転動する前後一対のガイドローラー29が軸支されている。
【0019】
組立体1A〜1Eが備える前後一対の傾動コンベヤユニット10,11は、連動伝動軸19(各組立体1A〜1Eの支軸7)に対し、それぞれ前後一対の軸受け8a〜9bを介して左右両端部が上下動する方向に傾動可能に支持されているが、この傾動コンベヤユニット10,11を、トレイTを支持搬送する水平搬送姿勢(図4及び図5参照)と、図6に示すように、支軸7の周りに左右何れかの方向に例えば45度程度傾斜した傾斜姿勢とに切り換えるために、傾動コンベヤユニット10,11ごとに傾動用モーター12,13が連動連結されている。これら両傾動用モーター12,13は、図3に示すように、平面視において支軸7の左右両側で前後互いに逆向きとなるように、それぞれの軸心方向が支軸7と平行になるように架台16上に設置されている。
【0020】
更に詳述すれば、各傾動用モーター12,13と傾動コンベヤユニット10,11との間には、タイミングベルト利用の巻掛け伝動手段30,31が介装されている。この巻掛け伝動手段30,31は、各傾動用モーター12,13の出力軸に取り付けられた伝動側タイミングベルトプーリー30a,31aと、支軸7に対して相対回転可能に遊嵌された受動側タイミングベルトプーリー30b,31bとの間にタイミングベルト30c,31cを掛張したものであって、前記受動側タイミングベルトプーリー30b,31bは、傾動コンベヤユニット10,11を支軸7に対して傾動可能に支持する前後一対の軸受け8a〜9bの内、外側に位置する軸受け8a,9bに固着一体化されており、受動側タイミングベルトプーリー30b,31bの回転がそのまま傾動コンベヤユニット10,11(躯体22)に伝達されて、当該傾動コンベヤユニット10,11が支軸7の周りに傾動するように構成されている。
【0021】
以上のように構成された搬送仕分け装置の使用方法の一例を説明すると、先に説明したように、各組立体1A〜1Eが備える前後一対の傾動コンベヤユニット10,11の左右一対のベルトコンベヤ23a,23bは、1台のコンベヤ駆動用モーター20を稼働させることにより、同一方向に所定の速度で回動する稼働状態となる。
【0022】
一方、全ての組立体1A〜1Eの傾動コンベヤユニット10,11は、図5に示すように水平搬送姿勢にある状態で傾動用モーター12,13が停止していることにより、当該傾動用モーター12,13の機能によって水平搬送姿勢に保持されており、重力で支軸7/連動伝動軸19の周りに揺動運動することはない。従って、全ての組立体1A〜1Eの傾動コンベヤユニット10,11が水平搬送姿勢に保持されている状態で、前記のようにコンベヤ駆動用モーター20を稼働させてベルトコンベヤ24a,24bを所定の搬送方向に連動回転駆動することにより、図1A及び図1Bに示す搬入用コンベヤ2から送り込まれた被搬送物積載トレイTを搬出用コンベヤ3に向かって定速で搬送し、搬出用コンベヤ3上に送り出すことが出来る。
【0023】
上記のように全ての組立体1A〜1Eの傾動コンベヤユニット10,11におけるベルトコンベヤ24a,24bを稼働させているトレイ搬送状態において、仕分けのために特定の傾動コンベヤユニット10,11を水平搬送姿勢から傾斜姿勢に切り換えるときは、その傾斜姿勢に切り換えるべき傾動コンベヤユニット10/11の傾動用モーター12/13を稼働させ、巻掛け伝動手段30/31を介して目的の傾動コンベヤユニット10/11を支軸7(連動伝動軸19)の周りに所定の方向に傾動させることが出来る。又、傾斜姿勢の傾動コンベヤユニット10/11を元の水平搬送姿勢に戻すときは、その傾動コンベヤユニット10/11の傾動用モーター12/13を、傾動動作時の回転角度だけ逆回転させて、傾動コンベヤユニット10/11を傾斜姿勢から元の水平搬送姿勢に戻すことが出来る。
【0024】
搬入用コンベヤ2から送り込まれたトレイTの積載被搬送物が、この搬送仕分け装置のある仕分けエリアにおいて仕分ける対象であるときは、図7に示すように、当該トレイTが搬入用コンベヤ2から一定距離だけ走行して、その全体が複数の傾動コンベヤユニット10,11で支持される状態になったとき、当該トレイTを支持する領域にある複数台の傾動コンベヤユニット10/11を水平姿勢から仕分け側へ揺動させて傾斜姿勢に切り換え、支持している走行中のトレイTを仕分け側へ所要角度だけ傾斜させる。この結果、トレイT上の被搬送物Wが重力でトレイT上を傾斜下方へ滑動して、トレイT上から滑り落ちることになる。一般的には、この傾斜姿勢のトレイT上から滑り落ちる被搬送物Wを受け継いで目的の荷捌き台上に誘導するシュート37が併設される。仕分け終了後には、トレイTを支持する領域にある複数台の傾動コンベヤユニット10/11を傾斜姿勢から水平姿勢に切り換え、トレイTが終端の組立体1Eの傾動コンベヤユニット10,11上に水平姿勢で到達するように各傾動コンベヤユニット10,11を制御すれば、仕分け後の空のトレイTをこの搬送仕分け装置から下手の搬出用コンベヤ3上へ送り出すことが出来る。
【0025】
上記の仕分け動作のための傾動コンベヤユニット10,11の水平姿勢から傾斜姿勢への切換え中と、仕分け終了後の傾動コンベヤユニット10,11の傾斜姿勢から水平姿勢への切換え中においても、各傾動コンベヤユニット10/11が備えるベルトコンベヤ23a,23bによってトレイTの搬送は継続されているので、トレイTが姿勢の異なる傾動コンベヤユニット10,11間に跨って支持されることがないように、傾動コンベヤユニット10,11のトレイ搬送速度に応じて、常にトレイTの前方側に、そのときのトレイTを支持搬送している傾動コンベヤユニット10,11と同一の傾斜姿勢の傾動コンベヤユニット10,11が所要台数分だけ存在しているように、各傾動コンベヤユニット10,11の姿勢制御を行うことになる。これらの傾動コンベヤユニット10,11の姿勢切換え制御は、この搬送仕分け装置の傾動コンベヤユニット10,11によって搬送されるトレイTの現在位置に基づいて行われるが、このトレイTの現在位置の検出のための構成を次に説明する。
【0026】
図2図3及び図8に示すように、前後方向に隣り合う傾動コンベヤユニット10,11間には、左右一対の反射式光電センサー(以下、単に光電センサーと略称する)32,33が支持部材34,35を介して配設されている。支持部材34,35の内、各組立体1A〜1Eの前後一対の傾動コンベヤユニット10,11間に配設される支持部材34は、各組立体1A〜1Eが備える左右一対の傾動用モーター12,13の中間位置で支軸7の下側において、架台16上に据え付けられた側面視門形の支持台36上に取り付けられ、隣り合う組立体1A,1B間、組立体1B,1C間、組立体1C,1D間、及び組立体1D,1E間に位置する支持部材35は、同じ位置にある軸継ぎ手18の前後両側の軸受け6,5を支持する前記軸受け支持台17a上に取り付けられている。
【0027】
支持部材34は、支軸7に跨る門形板材34aから成り、その両脚部下端が前記支持台36上に取り付けられ、支持部材35は、軸継ぎ手18に跨る門形板材35aから成り、その両脚部下端が前記軸受け支持台17a上に取り付けられている。又、これら支持部材34,35は、図2に示すように、当該支持部材34,35の前後両側の傾動コンベヤユニット10,11間の隙間の巾方向中心位置よりも、上手側に位置する傾動コンベヤユニット10,11に接近した位置に設けられると共に、当該支持部材34,35の上手側の側面に光電センサー32,33が取り付けられ、前後両傾動コンベヤユニット10,11間の隙間内に上手側から進入したトレイTをいち早く検出出来るように構成している。
【0028】
光電センサー32,33は、投受光部一体型のものであって、投光部から投射された光線が傾動コンベヤユニット10,11間の隙間を通過するトレイTの底面で反射したとき、その反射光線を受光部が受信することにより、被搬送物検出ON状態になる。これら光電センサー32,33は、図2に示すように、側面視において支軸7より上方の位置で支持部材34,35に取り付けられている。又、左側の光電センサー32は、図9に示すように、その光線投射方向の光軸32aが、正面視において支軸7の軸心を通る鉛直線7aに対して左側へ22.5°だけ傾斜するように取り付けられている。この光軸32aの傾斜角度22.5°は、傾動コンベヤユニット10,11の左側傾斜姿勢P2への傾動角度45°の半分となっている。右側の光電センサー33は、図8に示すように、その光軸33aが正面視において前記鉛直線7aに対して右側へ22.5°だけ傾斜するように、左側の光電センサー32と左右対称形に取り付けられている。
【0029】
これら光電センサー32,33の光線投射方向の傾斜角度は、次のように設定することが出来る。即ち、左側の光電センサー32を例にとって説明すると、図9Aに示すように、傾動コンベヤユニット10,11が水平姿勢P1にあるときは、光電センサー32の投光部から斜め左上向きに投射された光線がトレイTの水平底面によって斜め左下向きに反射し、その光線反射領域32bの右端近傍位置に前記光電センサー32の受光部が位置していて、その反射光線を受信させることが出来、傾動コンベヤユニット10,11が左側への傾斜姿勢P2にあるときは、光電センサー32の投光部から斜め左上向きに投射された光線がトレイTの傾斜底面によって斜め右下向きに反射し、その光線反射領域32bの左端近傍位置に前記光電センサー32の受光部が位置していて、その反射光線を受信させることが出来るように、傾動コンベヤユニット10,11(トレイT)の傾斜角度、光電センサー32,33からの光線投射領域の広がり角度、及び被検出面(トレイTの底面)と光電センサー32,33との間の距離、などに応じて、光電センサー32,33の光線投射方向の傾斜角度を設定することになる。
【0030】
勿論、光電センサー32は、傾動コンベヤユニット10,11が水平姿勢P1と左傾斜姿勢P2の何れか又はその間の中間姿勢にあるときに、傾動コンベヤユニット10,11間を通過するトレイTを検出するものであり、光電センサー33は、傾動コンベヤユニット10,11が水平姿勢P1と右傾斜姿勢P3の何れか又はその間の中間姿勢にあるときに、傾動コンベヤユニット10,11間を通過するトレイTを検出するものであるから、トレイT上の被搬送物の仕分け方向が左右の何れか一方のみであるときは、光電センサー32,33の内、仕分け方向とは異なる側の光電センサーは省くことが出来る。又、投受光部一体型の光電センサー32,33を示したが、投光部と受光部が分離されていて、各々の設置位置を変えることが出来る投受光部分離型の光電センサーを利用することも出来る。更に、傾動コンベヤユニット10,11が水平姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット10,11間を通過する被搬送物を検出する主光電センサーと、傾動コンベヤユニット10,11が傾斜姿勢にあるときに当該傾動コンベヤユニット10,11間を通過する被搬送物を検出する副光電センサーとを設け、傾動コンベヤユニット10,11が水平姿勢と傾斜姿勢との間で傾動しているときは、主光電センサーと副光電センサーの内の少なくとも一方で被搬送物を検出出来るように構成することも可能である。
【0031】
上記のように光電センサー32,33が設けられているときは、被搬送物検出ON状態にある搬送方向複数個の光電センサー32,33の内、搬送方向の前端にある光電センサー32,33の位置の前方側に隣接する傾動コンベヤユニット10/11上でトレイTの前端が移動しており、搬送方向の後端にある被搬送物検出ON状態の光電センサー32,33の位置より後方側に隣接する傾動コンベヤユニット10/11上でトレイTの後端が移動している状況であることを判別出来るので、この判別結果に基づいて上記の傾動コンベヤユニット10,11の姿勢制御を実行することにより、搬入用コンベヤ2から送り入れられた水平姿勢のトレイT上の被搬送物を、トレイTを所定の方向へ傾動させて仕分ける動作と、仕分け後の空のトレイTを水平姿勢に戻して搬出用コンベヤ3側へ送り出すことが出来る。
【0032】
尚、以上のように各傾動コンベヤユニット10,11を水平姿勢P1と傾斜姿勢P2/P3との間で姿勢切換えを傾動用モーター12,13によって実行させるとき、各傾動コンベヤユニット10,11の姿勢が、水平姿勢P1、左傾斜姿勢P2、右傾斜姿勢P3の何れにあるかを検出しなければならない。このための姿勢検出手段の一実施例を、図2図3、及び図10に基づいて説明すると、各組立体1A〜1Eの前後一対の傾動コンベヤユニット10,11間に光電センサー32,33を配設するために設けられた側面視門形の支持台36の前後一対の垂直板部36a,36bに、各4つの検出器38a〜38dが前後外向きに取り付けられ、これら4つの検出器38a〜38dに隣接するように、前記支持台36の前後一対の垂直板部36a,36bの外側に垂下する被検出板39が各傾動コンベヤユニット10,11の躯体22に取り付けられている。
【0033】
各被検出板39は、支軸7が間を通るように配置された正面視U字形のものであって、その左右両上端部が傾動コンベヤユニット10,11の躯体22の下側に取り付けられ、傾動コンベヤユニット10,11が水平姿勢P1にあるときに支軸7の真下方向に延出する被検出板部39aを備えている。前記4つの検出器38a〜38dの内、検出器38aは、傾動コンベヤユニット10,11が水平姿勢P1にあるときに被検出板部39aを検出し、検出器38bは、傾動コンベヤユニット10,11が左傾斜姿勢P2(左へ45°)にあるときに被検出板部39aを検出し、検出器38cは、傾動コンベヤユニット10,11が右傾斜姿勢P3(右へ45°)にあるときに被検出板部39aを検出し、検出器38dは、傾動コンベヤユニット10,11が左傾斜姿勢(左へ45°)を5°程度超えた原点姿勢P4(左へ50°)にあるときに被検出板部39aを検出する。検出器38a〜38dとしては、被検出板部39aが金属であるときは、無接触近接スイッチが利用出来、樹脂であっても静電容量型の無接触近接スイッチを利用することが出来る。尚、反射式光電センサーや馬蹄形(溝形)光電センサーや接触式のリミットスイッチなども利用出来る。
【0034】
上記の姿勢検出手段によれば、検出器38a〜38cの検出信号に基づいて傾動コンベヤユニット10,11を傾動させる傾動用モーター12,13の制御を行って、傾動用モーター12,13を目的の姿勢で自動停止させることが出来る。尚、姿勢切換えのために傾動させた傾動コンベヤユニット10,11が左傾斜姿勢P2(左へ45°)から右傾斜姿勢P3(右へ45°)までの間の傾動範囲内の不特定の位置で異常停止したような場合、その異常停止位置が確認出来なくとも、傾動コンベヤユニット10,11を強制的に左方向に傾動させ、原点姿勢P4(左へ50°)に達したことを検出器38dが検出したときに傾動コンベヤユニット10,11を一旦停止させ、その後、当該傾動コンベヤユニット10,11を左傾斜姿勢P2、水平姿勢P1、及び右傾斜姿勢P3の内の任意の姿勢まで強制的に復帰させることが出来る。即ち、傾動コンベヤユニット10,11の異常停止事態が発生したとき、その異常停止位置を目視或いは各種センサーで確認しなくも、異常停止した傾動コンベヤユニット10,11に対して上記の動作を自動的に行わせることにより、効率良く目的の姿勢に自動復帰させることが出来る。尚、原点姿勢P4は、右傾斜姿勢P3を超えた位置に設定しても良いし、左傾斜姿勢P2又は右傾斜姿勢P3から原点姿勢P4までの角度は、上記の5°に限らず、任意の角度に設定出来る。
【0035】
尚、上記実施例では、傾動コンベヤユニット10,11間を通過する被搬送物(トレイT)を光電センサー32,33によって検出するように構成しているが、制御上必要ならば、搬入用コンベヤ2から始端の組立体1Aの傾動コンベヤユニット10上に乗り移る被搬送物の検出や、終端の組立体1Eの傾動コンベヤユニット11から搬出用コンベヤ3上に乗り移る被搬送物の検出も光電センサー32,33によって行えるように構成することも出来る。
【0036】
また、支持部材34として支軸7に跨る門形板材34aを、支持部材35として軸継ぎ手18に跨る門形板材35aを例示したが、支持台36に取り付けられた2つの板材に光電センサー32,33をそれぞれ取り付けても良く、門型では無く片持ちの板材として光電センサー32及び33を取り付ける構成とすることも出来る。
【0037】
以上に示した実施例では、傾動コンベヤユニットが備える搬送手段(実施例ではベルトコンベヤ23a,23b)によって搬送される被搬送物が、実際に仕分け対象となる物品を積載するトレイTとなっているが、本発明に係る搬送仕分け装置は、実際に仕分け対象となる物品そのものを傾動コンベヤユニットの搬送手段によって直接搬送するものであっても良い。而して、本発明に係る搬送仕分け装置は、搬送方向に並設された複数の傾動コンベヤユニットを備え、各傾動コンベヤユニットが、水平姿勢と、被搬送物を前記搬送方向に対し横方向へ重力で排出するための傾斜姿勢との間で、前記搬送方向と平行な支軸の周りで左右揺動可能に架台上に支持されている構成であれば良く、実施例に示した具体構造のものに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の搬送仕分け装置は、空港での手荷物搬送仕分けのように、被搬送物を専用の搬送用トレイに積載して搬送すると共に搬送先に応じて自動仕分けしなければならないような被搬送物の搬送仕分け装置として活用出来る。
【符号の説明】
【0039】
1A〜1E 組立体
2 搬入用コンベヤ
3 搬出用コンベヤ
7 支軸
8a〜9b 軸受け
10,11 傾動コンベヤユニット
12,13 傾動用モーター
17 柱状支持部材
17a 軸受け支持台
18 軸継ぎ手
19 連動伝動軸
20 コンベヤ駆動用モーター
21,28,30,31 巻掛け伝動手段
22 傾動コンベヤユニットの躯体
23a,23b ベルトコンベヤ
24a,24b サイドガイド
26 ギヤボックス
27 共通駆動軸
32,33 光電センサー
34,35 支持部材
34a,35a 門形板材
36 側面視門形の支持台
36a,36b 垂直板部
38a〜38d 検出器
39 被検出板
39a 被検出板部
T 被搬送物積載用トレイ
W 被搬送物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10