(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1を図に基づいて説明する。
図1は、告知媒体1の斜視図で、ある。告知媒体1は、飲食店、小売店舗等における机や棚等の平面上に設置され、利用者に商品広告等の告知情報を提供するために用いられる。告知媒体1は、紙や樹脂製フィルム等の柔軟性のある一枚のシート状物を組み立てることによって形成される。また、告知媒体1は、薄板状にして柔軟性を持たせた金属板等によって組み立ててもよい。
【0011】
図2は、告知媒体1の展開図である。告知媒体1は、本体部11、側片部12、及び脚片部13を有する。なお、本実施形態の説明では、本体部11の脚片部13が設けられる側を下、その反対側を上とする。また、
図2の左側である第一側片部12a側を左、第二側片部12b側を右とし、
図2の告知媒体1の手前側を表、その反対側を裏とする。また、
図2の展開図では、告知媒体1に表示される図柄等の告知情報を省略して示している。
【0012】
本体部11は、略長方形の板状に形成される。本体部11は、中央側において、上下方向の直線状に形成された第一切込部111a及び第二切込部111bを有する。第一切込部111aは第一側片部12aのある左側に配置され、第二切込部111bは第二側片部12bのある右側に配置される。また、第一切込部111aの上端及び下端には、第二切込部111b側に斜めに傾斜した傾斜切込部c1が形成される。第二切込部111bの上端及び下端にも、第一切込部111a側に斜めに傾斜した傾斜切込部c1が形成される。
【0013】
本体部11の左側端側には、境界部b1を介して第一側片部12aが延設される。第一側片部12aは、飲料用瓶容器の形状を模しており、上端が徐々に細くなるネック部122を有している。第一側片部12aの左右幅(
図2の第一係止片121aと第一側片部12aとの境界部a1から、境界部b1までの幅)は、境界部b1から第二切込部111bまでの長さよりも、広く形成される。第一側片部12aは、本体部11側と対向する左側端部に第一係止片121aを有する。第一係止片121aは、第一側片部12aと接続される基端側を下底、その反対側を上底とする略等脚台形状に形成される。第一係止片121aは、等脚台形状の脚部に相当する部分のうちの基端側に2つの切欠部c2を有する。切欠部c2は、互いの方向に向かって第一係止片121aの中央側に切り返されるようにV字状に形成される。
【0014】
本体部11の右側端側には、境界部b2を介して第二側片部12bが延設される。第二側片部12bも第一側片部12aと同様に、上端が徐々に細くなるネック部122を有している。第二側片部12bの左右幅(
図2の第二係止片121bと第二側片部12bとの境界部a1から、境界部b2までの幅)は、境界部b2から第一切込部111aまでの長さよりも広く形成される。第二側片部12bは、本体部11側と対向する右側端部に第二係止片121bを有する。第二係止片121bは、第二側片部12bと接続される基端側を下底、その反対側を上底とする略等脚台形状に形成される。第二係止片121bは、第一係止片121aと同様に、等脚台形状の脚部に相当する部分のうちの基端側に2つの切欠部c2を有する。切欠部c2は、互いの方向に向かって第二係止片121bの中央側に切り返されるようにV字状に形成される。
【0015】
本体部11の下端からは、第一脚片部13a及び第二脚片部13bが間隔を空けて下方に延設される。第一脚片部13aの左右幅は、第一切込部111aから境界部b1に亘る長さで形成される。第二脚片部13bの左右幅も、第二切込部111bから境界部b2に亘る長さで形成される。第一脚片部13aと本体部11との境界部b3上、及び第二脚片部13bと本体部11との境界部b3上には、それぞれ直線状の切込部c3が二つずつ形成される。この切込部c3により、第一脚片部13a及び第二脚片部13bは、表側又は裏側へ容易に折り曲げることができる。
【0016】
第一脚片部13aの第一側片部12a側の先端角部はR面取り状に形成される。また、第二脚片部13bの第二側片部12b側の先端角部もR面取り状に形成される。
【0017】
つぎに、告知媒体1の組み立て状態について
図1〜
図3を用いて説明する。
図2に示した第一側片部12aは、境界部b1を折り曲げ部として谷折りされ、本体部11の表面側に折り曲げられる。
図3は、
図1に示す組み立て後の告知媒体1のIII−III断面図である。表面側に折り曲げられた第一側片部12aの第一係止片121aは、本体部11の第二切込部111bに表側から挿入される。これにより、第一側片部12aの折り曲げ状態が維持される。このとき、第一側片部12aの左右幅が、境界部b1から第二切込部111bまでの長さより長いため、
図3に示すように、第一側片部12aは、本体部11の表面側へ凸円弧状に起伏した状態に維持される。
【0018】
第二切込部111bには、傾斜切込部c1が両端に設けられたため、上下方向に幅広の凸状の切込縁部d1が形成される。
図3に示す様に、第二切込部111bの切込縁部d1は、第一係止片121aの差込み方向である本体部11の裏面側に湾曲するため、第二切込部111bの開口幅を大きくして第一係止片121aを容易に挿入させることができる。
【0019】
一方、第二側片部12bは、第一側片部12aと表裏逆に組み立てられる。すなわち、第二側片部12bは、境界部b2を折り曲げ部として山折りされ、本体部11の裏面側に折り曲げられる。
図3に示すように、裏面側に折り曲げられた第二側片部12bの第二係止片121bは、本体部11の第一切込部111aに裏側から挿入される。これにより、第二側片部12bの折り曲げ状態が維持される。第二側片部12bも第一側片部12aと同様に、本体部11の裏面側へ凸円弧状に起伏した状態に維持される。
【0020】
また、第二切込部111bの切込縁部d1と同様、第一切込部111aの切込縁部d1は、第二係止片121bの差込み方向である本体部11の表面側に湾曲するため、第一切込部111aの開口幅を大きくして第二係止片121bを容易に挿入させることができる。
【0021】
第一係止片121aは、第一係止片121aの切欠部c2が第二切込部111bの傾斜切込部c1付近の縁部に裏面側から掛合して、第二切込部111bから抜けることが防止される。また、第二係止片121bは、第二係止片121bの切欠部c2が第一切込部111aの傾斜切込部c1付近に表面側から掛合して、第一切込部111aから抜けることが防止される。
【0022】
以上、
図3に示したように、二つある第一切込部111aと第二切込部111bのうち、第一係止片121aは第一側片部12aから遠い方の第二切込部111bに挿入され、第二係止片121bは第二側片部12bから遠い方の第一切込部111aに挿入される。そのため、挿入後の第一係止片121aの先端は本体部11と湾曲固定された第二側片部12bとの間に位置して外部から隠れるようになり、挿入後の第二係止片121bの先端も本体部11と湾曲固定された第一側片部12aとの間に位置して外部から隠れるようになる。よって、告知媒体1を多角度から視認しても係止片121a,121bの先端が見えずに立体広告を見栄え良くすることができる。
【0023】
告知媒体1の表面及び裏面には、広告等の告知情報が印刷や貼着などにより表示される。
図2の本実施形態の告知媒体1の例では、第二側片部12bには表面側に告知情報が表示され、第一側片部12aには裏面側に告知情報が表示される。また、本体部11には、両面に告知情報が表示される。したがって、
図1の状態となるように第一側片部12aと第二側片部12bを組み立てると、本体部11の両面に立体形状によって告知情報が表示された告知媒体1を形成することができる。
【0024】
なお、
図2に示す本体部11には、表面及び裏面の全面に告知情報に関する内容が印刷等により表示されていることが望ましい。これにより、
図1のように組み立てた状態で上又は下方向から告知媒体1を見た場合であっても、第一側片部12a又は第二側片部12bに覆われた通常は視認し難い本体部11の部分に文字や図柄等の告知情報と関連の有る内容を表示させて、告知媒体1を見栄え良くすることができる。
【0025】
また、本実施形態の告知媒体1は、表裏対称に形成され、表面及び裏面に同一の告知情報が表示されるが、表面及び裏面に異なる告知情報を表示してもよい。
【0026】
また、折り曲げ部となる境界部b3は、第一側片部12a及び第二側片部12bの下端123と略直線状に形成される。また、下端123と境界部b3は、境界部b1,b2と略直角に形成される。そのため、告知媒体1を
図1の組み立て状態とすると下端123と境界部b3は略同一平面上に形成される。
【0027】
(実施形態2)
つぎに、実施形態2について説明する。
図4は、実施形態2に係る組み立て後の告知媒体1Aの斜視図である。また、
図5は、実施形態2に係る告知媒体1Aを展開させた平面図である。なお、本実施形態の説明において、実施形態1の告知媒体1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0028】
図5において、第一側片部12aA及び第二側片部12bAは、略矩形状に形成される。第一側片部12aA及び第二側片部12bAの上部の左右角部には、それぞれ切欠部c4が形成される。第一側片部12aA及び第二側片部12bAの本体部11から遠い側の切欠部c4は、凹湾曲状に形成される。第一側片部12aAの本体部11に近い側の切欠部c4は、略V字形状であり、第一側片部12aA側の縁部が凹湾曲状となるように形成される。同様に、第二側片部12bAの本体部11に近い側の切欠部c4も、略V字形状であり、第二側片部12bA側の縁部が凹湾曲状となるように形成される。
【0029】
第一側片部12aA及び第二側片部12bAの上端124には、帯状の接続片125を介して上底片126が延設される。第一側片部12aAと接続片125との境界部b4、及び接続片125と上底片126との境界部b5は折り曲げ部として利用される。同様に、第二側片部12bAと接続片125との境界部b4、及び接続片125と上底片126との境界部b5は折り曲げ部として利用される。
【0030】
上底片126の下端127は、凸円弧状に湾曲形成される。また、上底片126の上部は左右方向に直線状の屈曲部b6を有した矩形状に形成されている。
図5の展開図において、第一側片部12aAに接続される上底片126は、境界部b4が谷折りされ、境界部b5が山折りされる。また、屈曲部b6は谷折りされる。
【0031】
上底片126は、第一側片部12aAが湾曲状態で固定されると(
図4参照)、その下端127が第一側片部12aAの湾曲内面に沿うように接して、円柱の上底部となる。また、上底片126により形成される上底部は、第一側片部12aAの上端124から、境界部b4と境界部b5との長さ分だけ下方に凹んで形成される。
【0032】
図4の組み立て状態において、下方に折り込まれる上底片126の折込部128は、本体部11に近接又は当接する。屈曲部b6による折り曲げ角度を緩くした場合、
図5の折込部128の上側端辺部分が本体部11を押して第一側片部12aの上端124付近を本体部11から離れる方向に付勢するため、
図4の屈曲状態で固定される第一側片部12aを円柱の側面部分の形状となるように形良く維持させることができる。
【0033】
なお、
図4には示されないが、第一側片部12aAと同様に、第二側片部12bAも裏側に折り返されて円柱の側面部分の形状となるように形成される。
【0034】
このように構成された告知媒体1Aは、円柱形状の立体の一部が本体部11の表裏の各側に起伏しているように形成されるため、例えば、350mlの飲料用缶容器を模した立体広告として表示させることができる。また、告知媒体1は、上底片126を本体部11側に折り曲げることにより飲料用缶容器の上蓋部を表現することができる。
【0035】
実施形態1と同様に、告知媒体1Aは、
図5の第二側片部12bAには表面側に告知情報が表示され、第一側片部12aAには裏面側に告知情報が表示される。また、本体部11には、両面に告知情報が表示される。
【0036】
(実施形態3)
つぎに、実施形態3について説明する。
図6は、実施形態3に係る組み立て後の告知媒体1Bを示す斜視図である。また、
図7は、実施形態3に係る告知媒体1Bを展開させた平面図である。なお、本実施形態の説明において、実施形態1の告知媒体1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0037】
図7において、第一側片部12aBは、上下方向に形成された、本体部11側の屈曲部b7と第一係止片121a側(換言すれば本体部11から遠い側)の屈曲部b8とを備える。第一側片部12aBの屈曲部b7,b8は、いずれも
図7の紙面に対して谷折りされる。そして、第一側片部12aBが境界部b1により表面側に折り返されて第一係止片121aが第二切込部111bに表面側から挿入され、
図6に示すように立体形状が形成される。
【0038】
同様に、第二側片部12bBは、上下方向に形成された、本体部11側の屈曲部b7と第二係止片121b側(換言すれば本体部11から遠い側)の屈曲部b8とを備える。第二側片部12bの屈曲部b7,b8は、いずれも
図7の紙面に対して山折りされる。そして第二側片部12bBが境界部b2により裏面側に折り返されて第二係止片121bが第一切込部111aに裏面側から挿入され、立体形状が形成される。
【0039】
よって、本実施形態の告知媒体1Bは、四角柱状の立体構造の一部が本体部11の表裏の各側に突出しているように形成されるため、例えば、角柱状の飲料用瓶容器を模した立体広告として表示させることができる。また、第一側片部12aB及び第二側片部12bBの上方には、屈曲部b7と屈曲部b8の幅よりも狭い幅で上方に延設されたネック部129が形成される。ネック部129は、円柱状瓶容器のネックを模しており左右両辺に設けられる凹凸によってネックに形成される複数のくびれを表現することができる。
【0040】
実施形態1と同様に、告知媒体1Bは、
図7の第二側片部12bBには表面側に告知情報が表示され、第一側片部12aBには裏面側に告知情報が表示される。また、本体部11には、両面に告知情報が表示される。
【0041】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は以上の実施形態によって限定されることはなく、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、告知媒体1,1A,1Bは、本体部11の上方部分に取付部を設け、この取付部によって上方から吊支する構造としてもよい。取付部は、紐や突起物を挿通させる孔部としたり、フック等の別体を貼着する等して設けることができる。よって、告知媒体1,1A,1Bは、平面上に載置して設置することに限らず天井、壁面、柱等に吊支したり貼着して設置することができる。また、このような場合、告知媒体1,1A,1Bは、転倒することが無いため、転倒を防止する第一脚片部13a及び第二脚片部13bの構成を省略することができる。
【0042】
また、各実施形態の告知媒体1,1A,1Bは、本体部11の左右に側片部(第一側片部12a,12aA,12aB及び第二側片部12b,12bA,12bB)を一つずつ備えたが、左右の各々に側片部を二つ以上備える構成としてもよい。その場合、片側の側片部は例えば上下に設け、各側片部が異なる形状の立体広告物を表示するように本体部11の切込部に挿入する構造とすることができる。
【0043】
また、本実施形態では、第一側片部12a,12aA,12aBと第二側片部12b,12bA,12bBの形状を同じものとして本体部11の表裏で同様の告知情報を表示させる構成としたが、第一側片部12a,12aA,12aBと第二側片部12b,12bA,12bBの形状を実施形態1から実施形態3の何れかを組み合わせる等して、表裏で異なる告知情報を表示させてもよい。
【0044】
また、本体部11には、第一切込部111aと第二切込部111bの二つを設けたが、一つの切込部を設ける構成としてもよい。この場合、その一つの切込部に対し、第一係止片121aは本体部11の表面側から挿入され、第二係止片121bは本体部11の裏面側から挿入される。第二係止片121bは、第一係止片121aよりも第一側片部12a,12aA,12aB側へ挿入される。これにより、第一係止片121a及び第二係止片121bの先端が外部から視認しにくくなり、切込部の構成を簡易にするとともに見栄えのよい告知媒体1,1A,1Bを形成することができる。